説明

重合性イミド単量体及びその製造法並びに光硬化性組成物

【課題】 基材に対する接着性に優れると共に、光硬化性及び硬化後の耐熱性に優れ、また熱硬化後における塗膜収縮の小さい重合性イミド単量体、その製造法及び光硬化性組成物、これを用いたパターンの製造法並びに電子部品を提供する。
【解決手段】 (A)一般式(1)


[式中、Rは水素原子又はメチル基を示す]で表される重合性イミド単量体、(B)感光性ポリマー及び(C)光開始剤を含む光硬化性組成物、これを用いたパターンの製造法並びに電子部品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体素子の表面コート膜等の保護膜や多層配線基板の層間絶縁膜等に好適な重合性イミド単量体、その製造法及び該単量体を含む光硬化性組成物、これを用いたパターンの製造法並びに電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、耐熱性感光性樹脂は、電気・電子工業の分野において被覆材料、耐熱性フォトレジストなどとして広く利用されている。この種の耐熱性感光性樹脂は、その本来の特性として、光硬化性と光硬化後の耐熱性に優れていることが望まれる。また、熱硬化後の基材反り量も小さいことが望まれている。
ところが、従来公知の耐熱性感光性樹脂は、これらの要求をいずれも満足するものは少ない。一般に光硬化性に優れるものは光硬化後の耐熱性に劣るものが多い。また、熱硬化時に約50%塗膜の収縮を生ずる為、基材の反り量を小さくすることが困難なものが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記した問題点を解決するためになされたものであり、前記要求特性を満足する耐熱性感光性樹脂硬化体を形成することのできる新規かつ有用な重合性イミド単量体及びその製造法を提供することを目的とする。また、本発明は上記したような耐熱性感光性樹脂硬化体を形成する光硬化性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、一般式(1)
【化1】

[式中、Rは水素原子又はメチル基を示す]で表される重合性イミド単量体に関する。
【0005】
また、本発明は、一般式(2)
【化2】

(2)

で表されるイミドアルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とを反応させることを特徴とする上記一般式(1)で表される重合性イミド単量体の製造法に関する。
【0006】
また、本発明は、(A)一般式(1)で表される重合性イミド単量体、(B)感光性ポリマー及び(C)光開始剤を含む光硬化性組成物に関する。
さらに本発明は、前記光硬化性組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むパターンの製造法、並びに、得られるパターンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有してなる電子部品に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の新規な重合性イミド単量体を含む光硬化性組成物は、基材に対する接着性に優れると共に、光硬化性及び硬化後の耐熱性に優れ、また熱硬化後における塗膜収縮の小さい感光性樹脂硬化体を生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
また、本発明は、本発明で用いられる一般式(1)
【化3】

[式中、Rは水素原子又はメチル基を示す]で表される重合性イミド単量体は、一般式(2)
【化4】

で表されるイミドアルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とを反応させることで得られる。
【0009】
上記の反応は、エステル化反応であり、常法により行われる。式(2)で表されるイミドアルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモル比を通常1:2〜1:10、好ましくは1:3〜1:6、特に好ましくは1:4〜1:5となるように仕込む。
【0010】
上記反応に有機溶媒を使用する場合は、出発原料である一般式(2)のイミドアルコールとアクリル酸又はメタクリル酸及び反応生成物である一般式(1)で表される重合性イミド単量体のいずれをも溶解することができる有機溶媒を適宜用いることができるが、一般に極性有機溶媒が好ましい。このような極性有機溶媒としては、例えば、スルホラン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルプロピレン尿素、N,N,-ジメチルエチレン尿素などが挙げられる。溶解性、反応性の点からスルホランを用いることが好ましい。
【0011】
また、このような極性有機溶媒に水と共沸混合物を作りやすい沸点30〜150℃の有機溶媒を併用することも出来る。このような有機溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、イソプロピルエーテル、エチルエーテル、ブチルエーテル、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、四塩化炭素、トリクロルエチレンなどの有機溶媒が挙げられる。
【0012】
上記一般式(2)で表されるイミドアルコールとアクリル酸又はメタクリル酸との反応の反応温度は、50〜200℃、好ましくは100〜180℃であり、特に好ましくは120〜150℃である。反応に要する時間は、通常3〜24時間、好ましくは4〜10時間であり、特に好ましくは5〜6時間である。
【0013】
上記一般式(2)で表されるイミドアルコールとアクリル酸又はメタクリル酸との反応は、触媒を用いることにより促進することが出来る。触媒としては、例えば、硫酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化亜鉛、リン酸、酸化アンチモン、チタン酸エステル、メトキシフェノールなどの公知のエステル触媒が挙げられる。触媒の使用量は、一般式(2)で表されるイミドアルコールに対して通常0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20重量%であり、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
【0014】
反応終了後、反応溶液に反応生成物に対する非溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどを混入し、生成する沈殿物を濾別、洗浄することにより反応生成物である上記一般式(1)で表されるイミド化合物を粉状物質として得ることが出来る。
【0015】
本発明に出発原料として用いる上記の一般式(2)で表されるイミドアルコールは、ビフェニルテトラカルボン酸無水物にモノエタノールアミン(H2N-CH2-CH2-OH)を有機溶媒中で反応させることにより得ることが出来る。ビフェニルテトラカルボン酸無水物とエタノールアミンとのモル比は、通常1:2〜1:10、好ましくは1:2〜1:5であり、特に好ましくは1:2〜1:3である。
【0016】
また、このイミドアルコールの製造の際に用いる有機溶媒としては、ビフェニルテトラカルボン酸無水物とモノエタノールアミンのいずれをも溶解しうる極性有機溶媒が用いられる。このような有機溶媒としては、例えば、スルホラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルプロピレン尿素と、N,N-ジメチルエチレン尿素などが挙げられる。溶解性、反応性からスルホランを用いることが好ましい。また、このような極性有機溶媒に水と共沸混合物を作りやすい沸点30〜150℃の有機溶媒を併用することも出来る。このような有機溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、イソプロピルエーテル、エチルエーテル、ブチルエーテル、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、四塩化炭素、トリクロルエチレンなどの有機溶媒が挙げられる。
【0017】
上記のビフェニルテトラカルボン酸無水物とモノエタノールアミンの反応は、50〜200℃、好ましくは100〜180℃、特に好ましくは140〜160℃の温度で行う。反応に要する時間は、通常2〜24時間、好ましくは4〜10時間であり、特に好ましくは5〜7時間である。
【0018】
上記のp-ターフェニル-3,4,3'',4''-テトラカルボン酸無水物とモノエタノールアミンとの反応は、触媒を用いて促進することが出来る。触媒として、例えば、硫酸、p-トルエンスルホン酸、塩化亜鉛、リン酸、酸化アンチモン、チタン酸エステル、メトキシフェノールなどの公知の触媒を用いることが出来る。触媒の使用量は、p-ターフェニル-3,4,3'',4''-テトラカルボン酸無水物に対して通常0.01〜30重量%であり、好ましくは0.05〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
【0019】
上記の様にして得られた一般式(1)で表されるイミド化合物は、光開始剤の存在で重合することが出来、感光性ポリマーと共に光硬化性組成物として使用することが出来る。
【0020】
また、本発明は、
(A)一般式(1)で表される重合性イミド単量体、(B)感光性ポリマー及び(C)光開始剤を含む光硬化性組成物に関する。(B)感光性ポリマーとしては、例えば、公知の耐熱性の高い感光性ポリアミド酸、感光性ポリイミド、感光性ポリアミドイミドなどが挙げられる。
【0021】
(C)光開始剤としては、特に制限は無いが、例えば、ベンゾフェノン、ジエチルアミノベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、ベンゾインメチルエーテル、2-t-ブチルアントラキノン、アントラキノン、ミヒラーケトン、フェナンスレンキノン、カンファーキノン、ベンゾイン、2-メチルベンゾイン、メチルアントラキノン、アサトフェノン、ジアセチル、ベンジル、アントラセンなどの公知の光開始剤が挙げられる。
【0022】
上記(A)及び(B)成分は、(A)/(B)(重量比)が、20/80〜50/50の範囲で用いられることが好ましい。(A)成分が20未満では感度、耐熱性が低下する傾向にあり、50を越えると、耐現像液性が低下し、所望のパターンを得にくくなる傾向にある。
【0023】
上記(C)成分の使用量は、(A)及び(B)成分100重量部に対して0.01〜30重量部の範囲で用いられることが好ましく、0.05〜10重量部の範囲で用いられることがより好ましく、0.1〜2.7重量部の範囲で用いられることが特に好ましい。この量が少なすぎると、感度が低下する傾向にあり、多すぎると安定性が低下する傾向にある。
【0024】
本発明の光硬化性組成物は、適量の有機溶媒に溶解して使用出来るが、有機溶媒としては、本発明の一般式(1)で表される重合性イミド単量体及び用いる光開始剤を溶解出来、かつ塗布などの作業性を阻害しないものが適宜に用いられる。具体例としては、有機溶媒として例示したものが挙げられる。有機溶媒を使用する場合、その使用量は、上記(A)及び(B)成分100重量部に対し、通常、50〜500重量部である。
【0025】
本発明の光硬化性組成物を調製するに当たり、一般式(1)で表されるイミド単量体、感光性ポリマー及び光開始剤混合順序、混合方法などには特に制限が無く、従来知られているものと同様に行うことが出来る。
【0026】
本発明の光硬化性組成物は、適量の有機溶媒に溶解した後、例えば、浸漬法、スプレー法、スクリーン法、スピナー塗布法、バーコーター塗布法などにより銅貼り積層版、シリコンウエハーなどの基材に塗布し、乾燥後、塗膜とされる。
【0027】
この塗膜上に、所望のパターンを描いたマスク上から活性光線を照射することにより、照射部において重合が起こり、この照射部は非照射部に比べて現像液に対する溶解性が大きく低下する。
【0028】
上記活性光線としては、通常紫外線が用いられるが、場合により、電子線、放射線のような電離性放射線を照射することによっても塗膜に対して同様の効果を与えることが出来る。上記の様に処理された塗膜上に、適当な現像液を塗布すれば、高い溶解性を保持している非照射部は現像除去されると共に、活性光線の照射により溶解性が低下せしめられた照射部は残り、所望の樹脂パターンを得ることが出来る。
【0029】
現像液としては、非照射部を適当な時間内に完全に溶解除去し得るものが好ましい。
【0030】
本発明になる光硬化性組成物は、基材に対する接着性に優れるのみならず、光硬化後、加熱処理することにより高い耐熱性をもち、また熱硬化時における塗膜の収縮も小さい耐熱性感光性樹脂硬化体を形成する。
【実施例】
【0031】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。
【0032】
参考例1
感光性ポリアミド酸PI-Aの合成
撹拌装置、冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた500mlの四つ口フラスコにジアミノジフェニルエーテル:40.05g(0.2モル)、ジメチルアセトアミド/アセトン:126g/126g(1/1)を仕込み、完全に溶解し、5℃まで冷却した後、エピクロンB―4400(大日本インキ社製の5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物):52.85g(0.2モル)を加え、温度を40℃以下に保ちながら8時間反応させ、ポリアミド酸を得た。
更に、触媒として、ジラウリル酸n-ブチルを添加し、撹拌しながらイソシアナートエチルメタクリレート:15.52g(0.1モル)を滴下ロートにより徐々に滴下した。滴下終了後、約6時間反応させ、感光性ポリアミド酸PI-Aの溶液を得た。
【0033】
参考例2
感光性ポリアミド酸PI-Bの合成
撹拌装置、冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた500mlの四つ口フラスコにジアミノジフェニルエーテル:40.05g(0.2モル)、N-メチル-2-ピロリドン:295gを仕込み、完全に溶解し、5℃まで冷却した後、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物:45.11g(0.14モル)、SXDA(有機合成薬品工業(株)製の1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン二無水物):25.59g(0.06モル)を加え、温度を40℃以下に保ちながら8時間反応させ、ポリアミド酸を得た。
更に、触媒として、ジラウリン酸n-ブチルを添加し、撹拌しながらイソシアナートエチルメタクリレート:15.52g(0.1モル)を滴下ロートより徐々に滴下した。滴下終了後、約6時間反応させ、感光性ポリアミド酸PI-Bの溶液を得た。
【0034】
実施例1
撹拌装置、冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた300ml容量の四つ口フラスコにp-ターフェニル-3,4,3'',4''-テトラカルボン酸無水物:45.88g(0.124モル)及びスルホラン/トルエン(30g/30g)を仕込み、150℃の温度に加熱し、そのまま激しく撹拌しながら滴下ロートによりモノエタノールアミン:15.2g(0.248モル)を約30分要して滴下した。更に、150℃の温度で6時間反応を行い、p-ターフェニル-3,4,3'',4''-テトラカルボン酸無水物を完全に反応させた。次いで、前記の反応溶液中にアクリル酸:35.75g(0.496モル)、p-トルエンスルホン酸:5.07g(10重量%)、メトキシフェノール:0.05g(0.1重量%)及びトルエン:50gを仕込み、水分離装置を付けた後、還流下でエステル化反応を行った。反応は130℃で5時間要した。反応後、析出した結晶をそのまま濾過し、テトラヒドロフランで洗浄後、真空乾燥を行い、黄色の粉状で重合性イミド単量体を得た。
【0035】
比較例1
撹拌装置、冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた300ml容量の四つ口フラスコにp-ターフェニル-3,4,3'',4''-テトラカルボン酸無水物:45.88g(0.124モル)及びスルホラン/トルエン(30g/20g)を仕込み、150℃の温度に加熱し、そのまま激しく撹拌しながら滴下ロートによりネオペンタノールアミン:25.58g(0.248モル)を約40分かけて滴下した。更に、150℃の温度で6時間反応を行い、p-ターフェニル-3,4,3'',4''-テトラカルボン酸無水物を完全に反応させた。次いで、前記の反応溶液中にアクリル酸:35.75g(0.496モル)、p-トルエンスルホン酸:4.83g(10重量%)、メトキシフェノール:0.05g(0.1重量%)及びトルエン:50gを仕込み、水分離装置を付けた後、還流下でエステル化反応を行ったが、結晶を得ることが出来なかった。
【0036】
比較例2
撹拌装置、冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた300ml容量の四つ口フラスコにB−4400(大日本インキ社製の5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物):40g(0.151モル)及びメチルイソブチルケトン/トルエン(30g/20g)を仕込み、150℃の温度に加熱し、そのまま激しく撹拌しながら滴下ロートによりネオペンタノールアミン:31.16g(0.302モル)を約50分かけて滴下した。更に、150℃の温度で6時間反応を行い、B−4400を完全に反応させた。次いで、前記の反応溶液中にアクリル酸:43.53g(0.604モル)、p-トルエンスルホン酸:5.0g(10重量%)、メトキシフェノール:0.1g(0.2重量%)及びトルエン50gを仕込み、水分離装置を付けた後、還流下でエステル化反応を行った。反応は130℃で約5時間要した。反応一週間後、得られた物質は一部ゲル化した。
【0037】
実施例2
実施例1で得られた単量体50.0重量部、参考例1で得られた感光性ポリアミド酸PI-A(固形分)50.0重量部、光開始剤としてベンゾフェノン2.7重量部及びジエチルアミノベンゾフェノン0.1重量部をジメチルアセトアミド/アセトン(重量比で1/1)で溶解し、固形分30重量%に調製し、光硬化性組成物を得た。
このようにして得られた光硬化性組成物をシリコンウエハ上に塗布し、ホットプレートを用い、105℃で2分間及び115℃で2分間乾燥させた後、紫外線を500mJ/cmとして照射した。更に、N-メチル-2-ピロリドンを用いて23℃で1分間現像することにより、良好なパターンを得ることが出来た。
また、前記単量体をガラス板に塗布し、80℃で3分間加熱後、250℃で1時間熱処理したところ、10%重量減少は380℃であった。同様なサンプルを350℃で1時間処理したところ、塗膜の収縮率は25〜30%であった。
【0038】
実施例3
実施例1で得られた単量体20重量部、参考例1で得られた感光性ポリアミド酸PI-A(固形分)80重量部、光開始剤としてベンゾフェノン2.7重量部及びジエチルアミノベンゾフェノン0.1重量部をジメチルアセトアミド/アセトン(重量比で1/1)で溶解し、固形分30重量%となるように調製し、光硬化性組成物を得た。
このようにして得られた光硬化性組成物をシリコンウエハ上に塗布し、ホットプレートを用い、105℃で2分間及び115℃で2分間乾燥させた後、紫外線を500mJ/cmとして照射した。更に、N-メチル-2-ピロリドンを用いて23℃で1分間現像することにより、良好なパターンを得ることが出来た。
【0039】
実施例4
実施例1で得られた単量体50重量部、参考例2で得られた感光性ポイアミド酸PI-B50重量部、光開始剤としてベンゾフェノン2.7重量部及びジエチルアミノベンゾフェノン0.1重量部をN-メチル-2-ピロリドンで溶解し、光硬化性組成物を得た。
このようにして得られた光硬化性組成物をシリコンウエハ上に塗布し、ホットプレートを用い、105℃で2分間及び115℃で2分間乾燥させた後、紫外線を500mJ/cmとして照射した。更に、N-メチル-2-ピロリドンを用いて23℃で1分間現像することにより、良好なパターンを得ることが出来た。
【0040】
実施例5
実施例1で得られた単量体20重量部、参考例2で得られた感光性ポリアミド酸PI-B80重量部、光開始剤としてベンゾフェノン2.7重量部及びジエチルアミノベンゾフェノン0.1重量部をN-メチル-2-ピロリドンに溶解し、光硬化性組成物を得た。
このようにして得られた光硬化性組成物を銅貼り積層板上に塗布し、乾燥機を用いて80℃で15分間乾燥させた後、紫外線を500mJ/cm2として照射した。更に、1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて23℃で1分間現像することにより、良好なパターンを得ることが出来た。
【0041】
実施例6
モノエタノールアミン10%、ジメチルスルホン酸90%の混合溶液を調製し、実施例2において350℃で1時間処理した熱硬化膜をその混合溶液内で80℃にて20分間加熱処理したところ、表面荒れ等のダメージや膜厚減少はなかった。
【0042】
比較例3
参考例1の感光性ポリアミド酸PI-Aを実施例5と同様の処理を施したところ、膜表面荒れが観察され、膜厚が20%減少した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、Rは水素原子又はメチル基を示す]で表される重合性イミド単量体。
【請求項2】
一般式(2)
【化2】

で示されるイミドアルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とを反応させることを特徴とする請求項1記載の一般式(1)で表される重合性イミド単量体の製造法。
【請求項3】
(A)請求項1記載の一般式(1)で表される重合性イミド単量体、
(B)感光性ポリマー及び
(C)光開始剤
を含む光硬化性組成物。
【請求項4】
請求項3記載の光硬化性組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むパターンの製造法。
【請求項5】
請求項4記載の製造法により得られるパターンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有してなる電子部品。


【公開番号】特開2006−117561(P2006−117561A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−305674(P2004−305674)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(398008295)日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社 (81)
【Fターム(参考)】