説明

重合性紫外線吸収剤を含むマイクロ構造光学フィルム

重合性樹脂組成物、及びそのような重合性樹脂組成物の反応生成物を含むマイクロ構造が説明される。このマイクロ構造は、少なくとも1.56の屈折率を有する有機部分を含む重合性樹脂組成物の反応生成物を含み、この重合性樹脂組成物は、重合性紫外線吸収化合物を含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
米国特許第5,175,030号及び同第5,183,597号に記載されているような、特定のマイクロ複製された光学製品は、一般的に「輝度向上フィルム」と呼ばれる。
【0002】
輝度向上フィルムは、電池寿命を延長し、ディスプレイの輝度を上げるため、携帯電話、PDA、及びMP3プレーヤーなどの様々な手持ち式ディスプレイ(例えばLCD)装置で現在使用されている。
【0003】
米国特許第7,586,566号は、本明細書で開示される、ディスプレイ装置での使用に好適な輝度向上フィルムを記載している。このフィルムは、マイクロ構造表面を有する第1高分子層(このマイクロ構造表面は、プリズム素子の配列を含む)、及びマイクロ構造表面の反対側上で第1高分子層に隣接して配置される第2高分子層を含み、輝度向上フィルムが、410nmで少なくとも95%、及び380nmで最大25%の内部パーセント透過率を有するように、第1高分子層及び第2高分子層の少なくとも一方が、紫外線を吸収して可視光線を透過するUV吸収剤を含む。また、第1層と第2層との間に配置される第3層中に、UV吸収剤が存在する輝度向上フィルムも、本明細書で開示される。輝度向上フィルムは、LCD−TVなどのディスプレイ装置で使用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、重合マイクロ構造表面を含む、マイクロ構造フィルムが、説明される。一実施形態では、このマイクロ構造は、少なくとも1.56の屈折率を有する有機部分を含む重合性樹脂組成物の反応生成物を含み、この重合性樹脂組成物は、重合性紫外線吸収化合物を含む。
【0005】
他の実施形態では、重合性樹脂組成物、及びそのような重合性樹脂組成物の反応生成物を含むマイクロ構造が説明される。
【0006】
一実施形態では、重合性樹脂組成物は、
i)イオウ、ナフチル、フルオレン、又はこれらの混合物を含む、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリレート(aromatic(meth)acrylate aromatic)モノマー又はオリゴマーと、
ii)ヒドロキシ−ベンゾフェノン、ヒドロキシ−フェニル−ベンゾトリアゾール、ヒドロキシ−フェニル−トリアジンからなる群から選択されるコア構造、及びこのコア構造に結合する置換基を含み、この置換基は、(メタ)アクリレート末端基を含む、紫外線吸収化合物と、を含む。
【0007】
別の実施形態では、重合性樹脂組成物は、
i)1重量%〜20重量%の、次式で表される1種以上の(メタ)アクリレートモノマーと、
UVA−L−A
(式中、
UVAは、
【0008】
【化1】

【0009】
からなる群から選択される、置換されたコア構造又は置換されていないコア構造であり、
は、UVAをAに共有結合させる連結基であり、
Aは、(メタ)アクリレート基である)、
ii)少なくとも1.585の屈折率を有する、実質的に非ハロゲン化された(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマーと、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書では、マイクロ構造光学フィルム物品、特に輝度向上フィルムの作製に使用される、重合性樹脂組成物が記載される。本明細書で説明されるマイクロ構造(例えば、輝度向上)フィルムは、重合マイクロ構造表面を含み、このマイクロ構造は、重合性紫外線吸収化合物を含む重合性樹脂組成物の反応生成物を含む。
【0011】
紫外線吸収化合物は、典型的には、紫外線吸収性基を含むコア構造を含む。紫外線吸収化合物は、このコア構造に結合する1つ以上の置換基を更に含む。置換基の少なくとも1つは、(メタ)アクリレート末端基を含む。紫外線吸収化合物は、典型的には、単一の重合性(メタ)アクリレート基を有する、モノ(メタ)アクリレート化合物である。
【0012】
重合性紫外線吸収化合物は、次式で表され得る。
【0013】
UVA−L−A
(式中、UVAは、紫外線吸収性基を表し、Lvは、UVAをAに共有結合させる連結基であり、Aは、次式で表される(メタ)アクリレート基であり、
【0014】
【化2】

【0015】
式中、R1は、メチル又はHである。)
例えば、ヒドロキシ−ベンゾフェノン、ヒドロキシ−フェニル−ベンゾトリアゾール、又はヒドロキシ−フェニル−トリアジンを含む、様々な紫外線吸収化合物が市販されている。ヒドロキシ−ベンゾフェノン、ヒドロキシ−フェニル−ベンゾトリアゾール、又はヒドロキシ−フェニル−トリアジンのコア構造の芳香環は、所望により、当該技術分野において既知の、様々な置換基を更に含み得る。例えば、コア構造は、所望によりエーテル結合又はヒドロキシル基を含有する、1つ以上の(例えば、C〜Cの)アルキル基を含み得る。
【0016】
重合性ヒドロキシル基(−OH)を有し、例えば(メタ)アクリレート基を有する置換基にヒドロキシル基を変換する、アクリロ塩化物(acrylochloride)と反応し得る、いくつかの出発化合物は、市販されているか、又は文献に記載されている。
【0017】
ヒドロキシ−ベンゾフェノン紫外線吸収性基は、次の一般コア構造で表すことができる。
【0018】
【化3】

【0019】
好適であると判明している、1つの好適な重合性ベンゾフェノン紫外線吸収化合物は、以下に示す、1,2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレートである。
【0020】
【化4】

【0021】
この重合性紫外線吸収化合物は、Aldrichより市販されている。
【0022】
別の代表的な重合性ヒドロキシ−ベンゾフェノン紫外線吸収化合物は、次のものである。
【0023】
【化5】

【0024】
この重合性紫外線吸収化合物は、Monomer−Polymer & Dajac Laboratories,Inc.より市販されている。
【0025】
ヒドロキシ−フェニル−ベンゾトリアゾール紫外線吸収性基は、次の一般コア構造で表すことができる。
【0026】
【化6】

【0027】
好適であると判明している、1つの好適な重合性ヒドロキシ−フェニル−ベンゾトリアゾール紫外線吸収化合物は、以下に示す、2,2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレートである。
【0028】
【化7】

【0029】
この重合性紫外線吸収化合物は、Aldrichより市販され、またCibaより、商標名「Tinuvin R 796」でも市販されている。
【0030】
ヒドロキシ−フェニル−ベンゾトリアジン紫外線吸収性基は、次の一般コア構造で表すことができる。
【0031】
【化8】

【0032】
1つの代表的な重合性ヒドロキシ−フェニル−ベンゾトリアジン紫外線吸収化合物を、以下に示す。
【0033】
【化9】

【0034】
この重合性紫外線吸収化合物は、Ciba Specialty Chemicals Corp.,Additives Divisionより市販の、以下の前駆体から容易に調製可能である。
【0035】
【化10】

【0036】
重合性紫外線吸収化合物は、重合性樹脂組成物中に、少なくとも0.5、1.0、1.5、又は2重量%の量で添加される。重合性紫外線吸収化合物が、高屈折率(例えば、少なくとも1.58の屈折率)を有する場合、重合性紫外線吸収化合物の量は、最大20重量%までの範囲であってもよい。しかしながら、典型的には、重合性紫外線吸収化合物は、紫外線への長期曝露の後に通常であれば生じるであろう黄色度を低減するために、十分な濃度であるが、最低限の濃度で、添加される。重合性紫外線吸収化合物の濃度は、典型的には約10重量%を超えず、より典型的には約5重量%を超えない。
【0037】
重合性樹脂は、所望により、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)などの、光安定剤を更に含み得る。そのような化合物は、典型的には、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジンの誘導体である。1つの好ましいHALSは、Cibaより、商標名「Tinuvin 152」で市販され、以下の構造を有する。
【0038】
【化11】

【0039】
しかしながら、重合性樹脂は、好ましくは、光反応開始剤以外の非重合性添加剤を、1重量%を超えて含まない。より好ましくは、重合性樹脂は、光反応開始剤以外の非重合性添加剤を含まず、それゆえ、時間と共にフィルム表面に移動し得る、非反応成分を含まない。
【0040】
いくつかの実施形態では、重合性樹脂組成物は、無機ナノ粒子を実質的に含まない。この実施形態では、重合性樹脂組成物と有機成分は、同一物である。他の実施形態では、重合性樹脂組成物は、表面改質無機ナノ粒子を含む。このような実施形態では、「重合性組成物」は、全組成物、すなわち有機成分及び表面改質無機ナノ粒子を指す。
【0041】
有機成分及び重合性樹脂組成物は、好ましくは、実質的に溶媒を含まない。「実質的に溶媒を含まない」とは、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、及び0.5重量%未満の非重合性(例えば有機)溶媒を有する重合性組成物を指す。溶媒の濃度は、ガスクロマトグラフィーなどの既知の方法によって(ASTM D5403に記載されるように)測定することができる。0.5重量%未満の溶媒濃度が好ましい。
【0042】
有機成分の構成成分は、好ましくは、重合性樹脂組成物が低粘度を有するように選択される。いくつかの実施形態では、有機成分の粘度は、コーティング温度において、1000cps未満であり、典型的には900cps未満である。有機成分の粘度は、コーティング温度において800cps未満、700cps未満、600cps未満、又は500cps未満にすることができる。本明細書で使用するとき、粘度は、(最大1000sec−1の剪断速度で)動的応力レオメーター(Dynamic Stress Rheometer)を使用して、25mm平行プレートで測定される。更に、有機成分の粘度は、コーティング温度において、典型的には少なくとも10cps、より典型的には少なくとも50cpsである。
【0043】
コーティング温度は、典型的には、周囲温度の77°F(25℃)〜180°F(82℃)の範囲である。コーティング温度は、170°F(77℃)未満、160°F(71℃)未満、150°F(66℃)未満、140°F(60℃)未満、130°F(54℃)未満、又は120°F(49℃)未満であってもよい。有機成分は、重合性組成物の融点が、コーティング温度よりも低いという条件で、固体であってもよく、又は固体成分を含んでもよい。本明細書に記載の有機成分は、好ましくは、周囲温度で液体である。
【0044】
有機成分は、少なくとも1.54、1.55、1.56、1.57、1.58、1.59、1.60、1.61、又は1.62の屈折率を有する。高屈折率ナノ粒子を含む重合性組成物は、1.70までの高い屈折率(例えば、少なくとも1.61、1.62、1.63、1.64、1.65、1.66、1.67、1.68、又は1.69)を有し得る。可視光線スペクトルにおける高透過性もまた、典型的には好ましい。
【0045】
重合性組成物は、好ましくは5分未満の時間スケールで、エネルギー硬化可能である(例えば、75マイクロメートルの厚さを有する輝度向上フィルムの場合)。重合性組成物は、好ましくは、一般に45℃を超えるガラス転移温度を提供するように、十分に架橋される。ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)、変調DSC、又は動的機械測定などの当該技術分野で既知の方法によって測定することができる。重合性組成物は、従来のフリーラジカル重合法によって重合することができる。
【0046】
米国特許第5,932,626号の実施例に関して説明されるように、光学材料の1つの重要な特性は、その屈折率であり、それは屈折率が、光の流れを制御し得る光学材料の有効性の程度に関連するためである。高屈折率を呈する光学材料及び光学製品に対する必要性が、依然として存在する。特に輝度向上フィルムに関しては、屈折率は、輝度ゲイン、すなわち輝度向上フィルムによって作り出される「ゲイン」に関連する。ゲインは、輝度向上フィルムに起因する、ディスプレイの輝度の増大の尺度であり、光学材料の特性(例えば、その屈折率)であって、また輝度向上フィルムの形状の特性でもあり、ゲインが増大するにつれて、視野角は、一般に減少する。ゲインの向上は、バックライト付きディスプレイの輝度の有効な増大をもたらすため、輝度向上フィルムに関しては、高ゲインが望まれる。輝度の改善は、ディスプレイの照明のために、より少ない電力を使用することによって、より効率的な電子製品の作動が可能になり、そのため電力消費が低減され、その構成要素に加えられる熱負荷が低下し、製品の寿命が延びることを意味する。それゆえ、これらの利点のために、非常に小さく、一見、漸進的な改善であっても、極めて有意であるような、輝度ゲインのレベル改善をもたらす光学製品を見出す必要性が、依然として存在する。
【0047】
重合性樹脂組成物の屈折率を増大させる1つの方法は、当該技術分野において説明されるような、様々な臭素化(メタ)アクリレートモノマーを用いることである。しかしながら、本明細書に記載の重合性樹脂組成物は、好ましくは非臭素化され、つまりは、利用される重合性組成物は、臭素置換基を含まない。いくつかの実施形態では、重合性樹脂組成物は、非ハロゲン化されている。しかしながら、検出可能量、すなわち1重量%未満(イオンクロマトグラフィーで測定したとき)のハロゲン(例えば、臭素)が、夾雑物として存在してもよい。
【0048】
重合性紫外線吸収化合物は、ほとんどのあらゆる重合性樹脂組成物に添加可能であるが、そうした化合物の添加は、特に黄変を起こしやすい特定の部類の高屈折率(メタ)アクリレートモノマーを含む重合性樹脂組成物に、実質的に利益を与えることが判明している。いくつかの実施形態では、特に黄変を起こしやすい芳香族(メタ)アクリレートモノマー及びオリゴマーは、少なくとも1.585の屈折率を有するとして、特徴付けられる。
【0049】
マイクロ構造の(例えば、輝度向上)光学フィルムの黄色度は、1976年にCommission Internationale de l’Eclairageによって開発された、CIE L色空間において知られる、黄色度の変化、すなわちΔbを測定することによって判定することができる。色の測定及び指示のために広く使用される方法の、CIE L色空間は、用語L、a、及びbを使用して、色を空間内の位置として定義する、三次元空間である。Lは、色の明度の尺度で、ゼロ(黒)〜100(白)の範囲であり、X軸、Y軸、及びZ軸を有する典型的三次元プロットのZ軸として視覚化することができる。用語a及び用語bは、それぞれ、色の色相及び彩度を定義し、x軸及びy軸として視覚化することができる。用語aは、負の数(緑)から正の数(赤)の範囲にわたり、用語bは負の数(青)から正の数(黄)の範囲にわたる。それゆえ、本明細書で使用するとき、「b」が、物品の黄色度に関連する。色測定の完全な説明に関しては、「Measuring Color」第2版(R.W.G.Hunt、1991年、Ellis Horwood Ltd.発行)を参照されたい。一般に、輝度向上フィルムに関するbは、2.5を超えないが、さもなければ、過度に黄色に見える。
【0050】
特に黄変を起こしやすいと判明しているモノマーの1つの部類は、フルオレン含有モノマーである。高屈折率の反応性希釈剤としての使用に関して説明されている、1つの具体的なフルオレン含有(メタ)アクリレートモノマーは、Shin−Nakamuraより入手可能な、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(NK Ester A−BPEF)である。このモノマーの構造を以下に示す。
【0051】
【化12】

【0052】
特に黄変を起こしやすいと判明しているモノマーの別の部類は、ナフチル含有芳香族モノマーである。高屈折率の反応性希釈剤としての使用に関して説明されている、1つの具体的なナフチル含有(メタ)アクリレートモノマーは、米国特許第6,953,623号に記載の、2−(1−ナフチルオキシ)−1−エチルアクリレートである。このモノマーの構造を以下に示す。
【0053】
【化13】

【0054】
他のナフチル含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、2−ナフチルチオエチルアクリレート、1−ナフチルチオエチルアクリレート、及びナフチルオキシエチルアクリレートが挙げられる。
【0055】
特に黄変を起こしやすいと判明しているモノマーの別の部類は、イオウ含有芳香族モノマー及びオリゴマーである。
【0056】
重合性樹脂は、エチレン性不飽和成分の混合物を含む。この混合物は、主要量の少なくとも1種の二官能性芳香族(メタ)アクリレートモノマー若しくはオリゴマー、及び少なくとも1種の単官能性芳香族(メタ)アクリレート希釈剤を含む。
【0057】
重合性UV吸収剤は、ジ(メタ)アクリレートモノマーが、イオウ含有芳香族モノマー、ナフチル含有芳香族モノマー、フルオレン含有モノマー、又はこれらの混合物を含む場合、特に有用である。あるいは、重合性UV吸収剤はまた、ジ(メタ)アクリレートモノマーが、高度に黄変を起こしやすいような基を含まないが、その重合性樹脂が、イオウ含有芳香族モノマー、ナフチル含有芳香族モノマー、フルオレン含有モノマー、又はこれらの混合物である、モノ(メタ)アクリレートモノマーを含む場合にも、特に有用である。更に、重合性UV吸収剤はまた、黄変を起こしやすい基をそれぞれが含有する、ジ(メタ)アクリレートモノマー及びモノ(メタ)アクリレートモノマーの双方を、重合性樹脂が含む場合にも、特に有用である。
【0058】
(メタ)アクリレート希釈剤は、より低い分子量を有するため、ジ(メタ)アクリレート成分の粘度よりも実質的に低い粘度、すなわち25℃で300cps未満の粘度を有する。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート希釈剤の粘度は、25℃で、250cps、200cps、150cps、100cps、又は50cps未満である。1種以上の(メタ)アクリレート希釈剤を含めることで、重合性樹脂組成物の粘度が低減することにより加工性が向上し、マイクロ構造成形型のキャビティーの、より迅速な充填が可能になる。
【0059】
いくつかの実施形態では、芳香族モノマーは、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、すなわちビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸の反応生成物である。ビスフェノールAが最も広く利用できるが、他のビスフェノールジグリシジルエーテル、例えばビスフェノールFジグリシジル(bisphenol F digycidyl)も使用できると理解される。他の実施形態では、モノマーは、異なる出発モノマーから誘導される芳香族エポキシジ(メタ)アクリレートオリゴマーである。
【0060】
出発モノマーとは関わりなく、重合性組成物は、好ましくは、少なくとも1種の芳香族二官能性(メタ)アクリレートモノマーを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、この二官能性(メタ)アクリレートモノマーは、前述のような、フルオレン含有モノマーである。
【0062】
他の実施形態では、この二官能性(メタ)アクリレートモノマーは、次の一般構造を有する主要部分を含む。
【0063】
【化14】

【0064】
(式中、Zは、独立して、−C(CH−、−CH−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、又は−S(O)−であり、各Qは、独立してO又はSである。Lは連結基である。Lは、独立して、分岐又は直鎖のC〜Cアルキル基を含んでもよく、nは、0〜10の範囲である。より好ましくは、Lは、C又はCであり、nは0、1、2、又は3である。アルキル連結基の炭素鎖は、所望により、1つ以上のヒドロキシ基で置換されていてもよい。例えば、Lは、−CHCH(OH)CH−であってもよく、典型的には、連結基は同一である。R1は、独立して、水素又はメチルである。)
ジ(メタ)アクリレートモノマーは、合成しても、又は購入してもよい。本明細書で使用するとき、主要部分とは、ここで述べた特定構造を含有するモノマーの、少なくとも50〜75重量%を指す。他の反応生成物も、このようなモノマーの合成の副生成物として典型的に存在することは、一般的に認識される。
【0065】
本明細書に記載される、好ましいジ(メタ)アクリレート芳香族エポキシオリゴマー及びビスフェノールジ(メタ)アクリレートモノマーは、450g/モルを超える分子量(すなわち、主要分子の算出分子量)を有する。典型的には、分子量は1600g/モル未満である。
【0066】
他の実施形態では、二官能性(メタ)アクリレートモノマーは、本明細書に参考として組み込まれる、国際公開第2008/112452号に記載されるような、トリフェニルモノマーである。
【0067】
重合性樹脂組成物が、無機ナノ粒子を実質的に含まない実施形態に関しては、重合性樹脂組成物は一般に、そのようなモノマーの1種以上を、少なくとも50重量%の量で含む。重合性樹脂組成物が、相当量の無機ナノ粒子を更に含む実施形態に関しては、重合性樹脂組成物は一般に、少なくとも5重量%であり、かつ約20重量%を超えない、ジ(メタ)アクリレートモノマーを含む。重合性樹脂組成物は、単一のビスフェノールジ(メタ)アクリレートモノマー、2種以上のビスフェノールジ(メタ)アクリレートモノマー、単一の芳香族エポキシジ(メタ)アクリレートオリゴマー、2種以上の芳香族エポキシジ(メタ)アクリレートオリゴマー、並びに少なくとも1種の芳香族エポキシジ(メタ)アクリレートと組み合わせた少なくとも1種のビスフェノールジ(メタ)アクリレートの、様々な組み合わせを含み得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、重合性樹脂組成物は、少なくとも65重量%(66重量%、67重量%、68重量%、69重量%)、少なくとも70重量%(71重量%、72重量%、73重量%、74重量%)、若しくは少なくとも75重量%の、そのようなジ(メタ)アクリレート)モノマー及び/又はオリゴマーを含む。
【0069】
種々の(メタ)アクリレート化芳香族エポキシオリゴマーが市販されている。例えば、(メタ)アクリレート化芳香族エポキシ(改質エポキシアクリレートとして記載される)は、Sartomer(Exton,PA)より、商標名「CN118」及び「CN115」で入手可能である。(メタ)アクリレート化芳香族エポキシオリゴマー(エポキシアクリレートオリゴマーとして記載される)は、Sartomerより、商標名「CN2204」で入手可能である。更に、(メタ)アクリレート化芳香族エポキシオリゴマー(40%トリメチロールプロパントリアクリレートとブレンドしたエポキシノボラックアクリレートとして記載される)は、Sartomerより、商標名「CN112C60」で入手可能である。1つの代表的な芳香族エポキシアクリレートは、Sartomerより、商標名「CN 120」(1.5556の屈折率、65℃で2150の粘度、及び60℃のガラス転移温度(Tg)を有すると、供給元によって報告されている)で市販されている。
【0070】
1つの代表的なビスフェノールAエトキシル化ジアクリレートモノマーは、Sartomerより商標名「SR602」(20℃で610cpsの粘度、及び2℃のTgを有すると報告されている)で市販されている。別の代表的なビスフェノールAエトキシル化ジアクリレートモノマーは、Sartomerより、商標名「SR601」(20℃で1080cpsの粘度、及び60℃のTgを有すると報告されている)で市販されている。
【0071】
重合性樹脂組成物が、無機ナノ粒子を実質的に含まない実施形態に関しては、(メタ)アクリレート希釈剤の総量は、重合性組成物の、少なくとも5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又は25重量%、とすることができる。(メタ)アクリレート希釈剤の総量は、典型的には40重量%を超えず、より典型的には約35重量%を超えない。重合性樹脂組成物が、相当量の無機ナノ粒子を更に含む実施形態に関しては、有機成分の(メタ)アクリレート希釈剤の総量は、最大90重量%の範囲とすることができるが、典型的には75重量%を超えない。
【0072】
いくつかの実施形態では、多官能性(メタ)アクリレート成分を希釈剤として使用してもよい。例えば、Sartomerより、商標名SR 268で市販されているような、テトラエチレングリコールジアクリレートは、好適な希釈剤であることが判明している。他の好適な多官能性希釈剤としては、SR351、つまりトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)が挙げられる。
【0073】
1種以上の芳香族(例えば、単官能性)(メタ)アクリレートモノマーが希釈剤として使用される場合、そのような希釈剤は、同時に、重合性樹脂組成物の屈折率を上昇させることができる。好適な芳香族単官能性(メタ)アクリレートモノマーは、典型的には、少なくとも1.50、1.51、1.52、1.53、1.54、1.55、1.56、1.57、1.58、又は1.59の屈折率を有する。
【0074】
芳香族(例えば、単官能性)(メタ)アクリレートモノマーは、典型的には、フェニル基、ビフェニル基、クミル基、又はナフチル基を含む。
【0075】
好適なモノマーとしては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチルアクリレート、フェノキシエトキシエチルアクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、及びフェニルアクリレートが挙げられる。
【0076】
いくつかの実施形態では、重合性組成物は、1種以上の単官能性ビフェニルモノマーを含む。
【0077】
単官能性ビフェニルモノマーは、末端ビフェニル基(ここで、2つのフェニル基は融合しておらず、結合によって繋がっている)、又は連結基(例えばQ)で繋がれた2つの芳香族基を含む末端基を含む。例えば、連結基がメタンである場合、末端基はビフェニルメタン基である。あるいは、連結基が−(C(CH−である場合、末端基は4−クミルフェニルである。単官能性ビフェニルモノマーはまた、好ましくは(例えば、紫外線)放射に曝露することによって重合可能な、単一のエチレン性不飽和基も含む。単官能性ビフェニルモノマーは、好ましくは、単一の(メタ)アクリレート基を含む。アクリレート官能基が一般的に好ましい。いくつかの態様では、ビフェニル基は、エチレン性不飽和(例えば、(メタ)アクリレート)基に直接結合する。この種類の代表的なモノマーは、2−フェニル−フェニルアクリレートである。このビフェニルモノ(メタ)アクリレート又はモノマーは、所望により1つ以上のヒドロキシル基で置換される、(例えば、1〜5個の炭素の)アルキル基を更に含み得る。この種類の代表的な種は、2−フェニル−2−フェノキシエチルアクリレートである。
【0078】
一実施形態では、次の一般式を有する単官能性ビフェニル(メタ)アクリレートモノマーが用いられる。
【0079】
【化15】

【0080】
(式中、R1は、H又はCHであり、
Xは、O又はSであり、
nは、0〜10の範囲であり(例えば、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10)、
Lは、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基(すなわちメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はペンチル基)であり、所望によりヒドロキシ基で置換されている。)
別の実施形態では、単官能ビフェニル(メタ)アクリレートモノマーは、次の一般式を有する。
【0081】
【化16】

【0082】
(式中、R1は、H又はCHであり、
Xは、O又はSであり、
Qは、−(C(CH−、−CH、−C(O)−、−S(O)−、及び−S(O)−から選択され、
nは、0〜10の範囲であり(例えば、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10)、
Lは、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であり(すなわちメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はペンチル基)、所望によりヒドロキシ基で置換されている。)
日本のToagosei Co.Ltd.より市販の、いくつかの特定のモノマーとしては、例えば、商標名「TO−2344」で入手可能な、2−フェニル−フェニルアクリレート、商標名「TO−2345」で入手可能な、4−(−2−フェニル−2−プロピル)フェニルアクリレート、商標名「M−110」で入手可能な、エトキシル化p−クミルフェノールアクリレート、及び商標名「TO−1463」で入手可能な、2−フェニル−2−フェノキシエチルアクリレートが挙げられる。
【0083】
芳香族単官能性(メタ)アクリレートモノマーの様々な組み合わせを用いることができる。例えば、フェニル基を含む(メタ)アクリレートモノマーを、ビフェニル基を含む1種以上の(メタ)アクリレートモノマーと組み合わせて用いてもよい。更に、異なる2種のビフェニル(メタ)アクリレートモノマーを使用してもよい。
【0084】
重合性樹脂は、最大35重量%の、様々な他の非臭素化又は非ハロゲン化エチレン性不飽和モノマーを、所望により含み得る。例えば、構造体(例えば、プリズム)を、ポリカーボネート予備形成高分子フィルム上にキャストし、光硬化させる場合、重合性樹脂組成物は、1種以上のN,N−二置換(メタ)アクリルアミドモノマーを含み得る。これらとしては、N−アルキルアクリルアミド及びN,N−ジアルキルアクリルアミド、特にC1〜4アルキル基を含有するものが挙げられる。例には、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、及びN−ビニルカプロラクタムがある。
【0085】
重合性樹脂組成物はまた、所望により、最大15重量%の、少なくとも3つの(メタ)アクリレート基を含む非芳香族架橋剤も含み得る。好適な架橋剤としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタクリレート)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロポキシレートトリ(メタ)アクリレート、及びジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。任意の1つの架橋剤、又は任意の架橋剤の組み合わせを用いてもよい。メタクリレート基は、アクリレート基よりも反応性が低い傾向があるため、架橋剤は、好ましくはメタクリレート官能基を含まない。
【0086】
様々な架橋剤が市販されている。例えば、ペンタエリスリトール(PETA)は、Sartomer Company(Exton,PA)より、商標名「SR444」で市販され、Osaka Organic Chemical Industry,Ltd.(Osaka,Japan)より、商標名「Viscoat #300」で市販され、Toagosei Co.Ltd.(Tokyo,Japan)より、商標名「Aronix M−305」で市販され、Eternal Chemical Co.,Ltd.(Kaohsiung,Taiwan)より、商標名「Etermer 235」で市販されている。トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)は、Sartomer Companyより、商標名「SR351」で市販されている。TMPTAはまた、Toagosei Co.Ltd.より、商標名「Aronix M−309」でも入手可能である。更に、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート及びエトキシル化ペンタエリスリトールトリアクリレートは、Sartomerより、それぞれ商標名「SR454」及び「SR494」で市販されている。
【0087】
しかしながら、典型的には、組成物が、3つ以上の(メタ)アクリレート基を含む(メタ)アクリレートモノマー及びオリゴマーを実質的に含まない(例えば、1〜2重量%未満)ことが好ましい。
【0088】
UV硬化性の重合性組成物は、少なくとも1つの光反応開始剤を含む。単一の光反応開始剤又は光反応開始剤のブレンドを、本発明の輝度向上フィルムに用いることができる。一般的には、光反応開始剤は、少なくとも部分的に(例えば、樹脂の加工温度で)可溶性であり、重合した後は、実質的に無色である。UV光源に曝露した後、光反応開始剤が実質的に無色となるならば、光反応開始剤は、有色(例えば黄色)であってもよい。
【0089】
好適な光反応開始剤には、モノアシルホスフィンオキシド及びビスアシルホスフィンオキシドが挙げられる。市販のモノ又はビスアシルホスフィンオキシド光反応開始剤としては、BASF(Charlotte,NC)より、商標名「Lucirin TPO」で市販の、2,4,6−トリメチルベンゾイルビフェニルホスフィンオキシド(trimethylbenzoybiphenylphosphine oxide)、更にBASFより、商標名「Lucirin TPO−L」で市販の、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、及びCiba Specialty Chemicalsより、商標名「Irgacure 819」で市販の、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドが挙げられる。他の好適な光反応開始剤としては、Ciba Specialty Chemicalsより、商標名「Darocur 1173」で市販の、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、並びにCiba Specialty Chemicalsより、商標名「Darocur 4265」、「Irgacure 651」「Irgacure 1800」、「Irgacure 369」、「Irgacure 1700」、及び「Irgacure 907」で市販の、他の光反応開始剤が挙げられる。
【0090】
光反応開始剤は、約0.1重量%〜約10重量%の濃度で使用することができる。より好ましくは、光反応開始剤は約0.5〜約5重量%の濃度で使用される。5重量%を超える量は、輝度向上フィルムの黄変を引き起こす傾向の観点から一般的に不利である。他の光反応開始剤もまた、当業者による決定に応じて、適切に用いられてもよい。
【0091】
フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤のような界面活性剤を、所望により重合性組成物中に含ませて、表面張力を低減させ、濡れを改善し、より平滑なコーティング、及びコーティングの欠陥の減少を可能にすることなどができる。
【0092】
表面改質された(例えば、コロイド状)ナノ粒子は、物品若しくは光学素子の、耐久性及び/又は屈折率を向上させるのに有効な量で、重合構造中に存在することができる。いくつかの実施形態では、表面改質された無機ナノ粒子の総量は、少なくとも10重量%、20重量%、30重量%、若しくは40重量%の量で、重合性樹脂又は光学物品中に存在することができる。その濃度は、重合性樹脂組成物が、マイクロ構造フィルム作製の流延プロセス及び硬化プロセスでの使用に適した粘度を有するように、典型的には70重量%未満であり、より典型的には60重量%未満である。
【0093】
このような粒子の寸法は、有意な可視光線の散乱を回避するべく選択される。光学特性又は材料特性を最適化するため、及び全般的な組成物コストを低下させるために、数種類の無機酸化物粒子の混合物を用いることが望ましい場合がある。表面改質されたコロイド状ナノ粒子は、1nm、5nm、又は10nmを超える(例えば、非会合性)一次粒径又は会合粒径を有する、酸化物粒子であってもよい。一次粒径又は会合粒径は、一般的には、100nm、75nm、又は50nm未満である。典型的には、一次粒径又は会合粒径は、40nm、30nm、又は20nm未満である。ナノ粒子は、非会合性であることが好ましい。それらの測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)に基づくものであり得る。ナノ粒子としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア、これらの混合物、又はこれらの混合酸化物のような金属酸化物を挙げることができる。表面改質されたコロイド状ナノ粒子は、実質的に完全に凝縮可能である。
【0094】
完全凝縮ナノ粒子(シリカを例外として)は、典型的には、55%を超える、好ましくは60%を超える、より好ましくは70%を超える結晶化度(単離金属酸化物粒子として測定した場合)を有する。例えば、結晶化の程度は、最大で約86%以上の範囲にすることができる。結晶化の程度は、X線回折法によって判定することができる。凝縮結晶性の(例えば、ジルコニア)ナノ粒子は、高い屈折率を有するが、非晶質ナノ粒子は、典型的には、より低い屈折率を有する。
【0095】
ジルコニアナノ粒子及びチタニアナノ粒子は、5〜50nm、又は5〜15nm、又は8nm〜12nmの粒径を有し得る。ジルコニアナノ粒子は、耐久性物品又は光学素子中に、10〜70重量%、又は30〜60重量%の量で存在し得る。本発明の組成物及び物品中で使用されるジルコニアは、Nalco Chemical Co.より、商標名「Nalco OOSSOO8」で、及びBuhler AG Uzwil,Switzerlandより、商標名「Buhler zirconia Z−WO sol」で入手可能である。
【0096】
ジルコニア粒子は、米国特許第7,241,437号に記載されているような水熱技術を使用して調製することができる。ナノ粒子は、表面改質される。表面改質は、無機酸化物(例えば、ジルコニア)粒子に表面改質剤を付着させて、表面特性を改質することを伴う。無機粒子の表面改質の全体的な目標は、均質な成分、及び好ましくは低い粘度を有し、高輝度のフィルムに調製可能な(例えば、流延プロセス及び硬化プロセスを使用して)樹脂を提供することである。
【0097】
ナノ粒子は、有機マトリックス材料との適合性を改善するために表面改質される場合が多い。表面改質されたナノ粒子は、有機マトリックス材料中で、非会合、非粒塊、又はこれらの組み合わせである場合が多い。結果として得られる、これらの表面改質されたナノ粒子を含有する光管理フィルムは、高い光学的透明性及び低いヘイズを有する傾向がある(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2007/059228号及び同第2008/121465号を参照)。
【0098】
このような光の再利用の有効性を測定する一般的方法は、光学フィルムのゲインを測定することである。本明細書で使用するとき、「相対ゲイン」は、実施例に記載の試験方法によって測定される、光学フィルム(又は光学フィルムアセンブリ)をライトボックスの最上部に配置した場合の軸上輝度を、ライトボックスの最上部に光学フィルムが存在しない場合に測定される軸上輝度と比較したものとして定義される。この定義は、次の関係式によって要約することができる。
【0099】
【数1】

【0100】
米国特許第5,183,597号(Lu)及び同第5,175,030号(Luら)に記載されるように、マイクロ構造を有する物品(例えば、輝度向上フィルム)は、流延及び硬化法により調製することができる。そのような方法は、マスターのネガマイクロ構造成形表面の(例えば、マイクロプリズム状の)キャビティーを充填する工程、及び予備形成された(例えば、光学的に透明な)ベースとマスターとの間で組成物を硬化させる工程を含む。マスターは、ニッケル、ニッケルメッキした銅若しくは黄銅のような金属製であってもよく、又は重合条件下で安定であって、好ましくは重合した材料をマスターからきれいに取り出すことができる表面エネルギーを有する、熱可塑性材料であってもよい。ベースへの光学層の接着を促進するために、ベースフィルムの1つ以上の表面に、任意に下地処理又は他の処理を施すことができる。
【0101】
輝度向上フィルムは、一般に、照明装置の軸上の輝き(本明細書で「輝度」と呼ばれる)を増強する。輝度向上フィルムは、光伝達可能な、マイクロ構造フィルムとすることができる。マイクロ構造のトポグラフィーは、フィルム表面上の複数個のプリズムとすることができ、その結果、フィルムを使用して、反射及び屈折により光を方向転換させることができる。プリズムの高さは、典型的には、約1〜約75マイクロメートルの範囲である。ラップトップコンピュータ、時計などに見られるような光学ディスプレイ中で使用される場合、マイクロ構造光学フィルムは、ディスプレイから散逸する光を、光学ディスプレイを貫通する垂直軸から所望の角度で配置される一対の平面内に制限することによって、光学ディスプレイの輝度を増大させることができる。結果として、ディスプレイから許容範囲の外部に出るであろう光は、反射してディスプレイ内へ戻り、そこでその光の一部が「再利用」され、ディスプレイから放出可能な角度でマイクロ構造フィルムに戻されることができる。この再利用は、ディスプレイに所望の輝度レベルを提供するために必要な電力消費量を低減することができることから、有用である。
【0102】
本発明の輝度向上フィルムは一般に、(例えば、予備形成された高分子フィルムの)ベース層及び光学層を含む。光学層は、規則的な直角プリズムの直線配列を含む。各プリズムは、第1ファセット及び第2ファセットを有する。プリズムは、プリズムが形成されている第1表面と、実質的に平ら又は平面的な、第1表面の反対側の第2表面とを有するベースの上に形成されている。直角プリズムとは、その頂角が、典型的には約90°であることを意味する。しかしながら、この角度は、70°〜120°の範囲であってもよく、80°〜100°の範囲であってもよい。これらの先端は、先鋭形、丸形、又は平坦形若しくは切頭形とすることができる。例えば、隆起部は4〜7〜15マイクロメートルの範囲の半径に丸めることができる。プリズム頂点間の間隔(又はピッチ)は、5〜300マイクロメートルとすることができる。薄い輝度向上フィルムの場合、ピッチは、好ましくは10〜36マイクロメートル、より好ましくは18〜24マイクロメートルである。これは、好ましくは約5〜18マイクロメートル、より好ましくは約9〜12マイクロメートルのプリズム高さに相当する。プリズムファセットは同一である必要はなく、プリズムは互いに関して傾斜していてもよい。光学物品の全厚とプリズム高さとの関係は、変化してもよい。しかしながら、典型的には、明確に定義されたプリズムファセットを有する比較的薄い光学層を使用することが望ましい。ほぼ1ミル(20〜35マイクロメートル)の厚さを有する基材上の薄い輝度向上フィルムの場合、プリズム高さと全厚との典型的な比は、一般に、0.2〜0.4である。
【0103】
マイクロ構造光学層は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,074,463号に記載され、図示されるような、様々な有用なパターンを有し得る。これらのパターンとしては、環状プリズムパターン、キューブ−コーナーパターン、又は他の任意のレンズ状マイクロ構造であり得る、規則的又は不規則的なプリズムパターンが挙げられる。有用なマイクロ構造は、輝度向上フィルムとして使用するための全内部反射フィルムとして機能し得る、規則的プリズムパターンである。別の有用なマイクロ構造は、反射フィルムとして使用するための再帰反射フィルム又は再帰反射素子として機能し得る、コーナーキューブプリズムパターンである。別の有用なマイクロ構造は、光学ディスプレイに使用するための光学回転フィルム又は光学回転素子として機能し得るプリズムパターンである。
【0104】
製品に応じて、予備形成される高分子ベース層は、最大約15ミル(381μm)の範囲の厚さを有し得る。予備形成される高分子フィルムは、典型的には、少なくとも0.5ミル(0.01μm)の厚さ(例えば、0.6ミル、0.7ミル、0.8ミル、0.9ミル(15μm、17μm、20μm、22μm))を有する。いくつかの実施形態では、厚さは、約3ミル(76μm)を超えない。いくつかの実施形態では、フィルムの厚さは、約1ミル〜2ミル(25μm〜50μm)の範囲である。
【0105】
有用な高分子フィルム材料としては、例えば、スチレン−アクリロニトリル、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルローストリアセテート、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、ナフタレンジカルボン酸系コポリマー又はブレンド、ポリシクロオレフィン、及びポリイミドが挙げられる。所望により、ベース材料には、これらの材料の混合物又は組み合わせを含有させることができる。実施形態では、ベースは多層であってもよく、又は連続相中に懸濁又は分散させた、分散成分を含有してもよい。
【0106】
輝度向上フィルムなどのいくつかの光学製品の場合、好ましい予備形成高分子フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリカーボネートが挙げられる。有用なPETフィルムの例としては、フォトグレードのポリエチレンテレフタレート及びMELINEX(商標)PET(DuPont Films(Wilmington,Del)から入手可能)が挙げられる。
【0107】
いくつかの予備形成されたフィルム材料は、光学的に活性であり得、偏光材料として機能することができる。多くのベースはまた、本明細書においてフィルム又は基材とも呼ばれ、光学製品分野において、偏光材料として有用であることが既知である。フィルムを通過する光の偏光は、例えば、通過光を選択的に吸収するフィルム材料中に二色偏光子を含ませることによって実現することができる。光の偏光はまた、配列雲母チップのような無機材料を含ませることによって、又は、連続フィルム中に分散する光変調液晶の液滴のような、連続フィルム中に分散する不連続相によって実現することができる。代替手段として、異なる材料のマイクロファイン層からフィルムを調製することができる。フィルム内の偏光材料は、例えば、フィルムの延伸、電場又は磁場の印加、及び、コーティング技術のような方法を利用することによって、偏光配向に揃えることができる。
【0108】
偏光フィルムの例としては、米国特許第5,825,543号及び同5,783,120号に記載のものが挙げられる。輝度向上フィルムと組み合わせたこれらの偏光フィルムの使用は、米国特許第6,111,696号に記載されている。ベースとして使用され得る偏光フィルムの第2の実施例は、米国特許第5,882,774号に記載されたフィルムである。市販のフィルムは、3Mより、商標名DBEF(デュアル輝度向上フィルム)で販売される多層フィルムである。輝度向上フィルムにおけるこうした多層偏光光学フィルムの使用は、米国特許第5,828,488号に記載されている。
【0109】
重合マイクロ構造表面を有する1つの好ましい光学フィルムは、輝度向上フィルムである。輝度向上フィルムは、一般に、照明装置の軸上の輝き(本明細書で「輝度」と呼ばれる)を増強する。マイクロ構造のトポグラフィーは、フィルム表面上の複数個のプリズムとすることができ、その結果、フィルムを使用して、反射及び屈折により光を方向転換させることができる。プリズムの高さは、典型的には、約1〜約75マイクロメートルの範囲である。ラップトップコンピュータ、時計などに見られるような光学ディスプレイ中で使用される場合、マイクロ構造光学フィルムは、ディスプレイから散逸する光を、光学ディスプレイを貫通する垂直軸から所望の角度で配置される一対の平面内に制限することによって、光学ディスプレイの輝度を増大させることができる。結果として、ディスプレイから許容範囲の外部に出るであろう光は、反射してディスプレイ内へ戻り、そこでその光の一部が「再利用」され、ディスプレイから放出可能な角度でマイクロ構造フィルムに戻されることができる。この再利用は、ディスプレイに所望の輝度レベルを提供するために必要な電力消費量を低減することができることから、有用である。
【0110】
輝度向上フィルムのマイクロ構造光学層は、一般に、フィルムの長さ又は幅に沿って伸びる複数個の平行な長手方向隆起部を含む。これらの隆起部は、複数個のプリズム先端から形成され得る。各プリズムは、第1ファセット及び第2ファセットを有する。プリズムは、プリズムが形成されている第1表面と、実質的に平ら又は平面的な、第1表面の反対側の第2表面とを有するベースの上に形成されている。直角プリズムとは、その頂角が、典型的には約90°であることを意味する。しかしながら、この角度は、70°〜120°の範囲であってもよく、80°〜100°の範囲であってもよい。これらの先端は、先鋭形、丸形、又は平坦形若しくは切頭形とすることができる。例えば、隆起部は4〜7〜15マイクロメートルの範囲の半径に丸めることができる。プリズム頂点間の間隔(又はピッチ)は、5〜300マイクロメートルとすることができる。プリズムは、参考として本明細書に組み込まれる米国特許第7,074,463号に記載されるような、様々なパターンに構成することができる。
【0111】
薄い輝度向上フィルムの場合、ピッチは、好ましくは10〜36マイクロメートル、より好ましくは18〜24マイクロメートルである。これは、好ましくは約5〜18マイクロメートル、より好ましくは約9〜12マイクロメートルのプリズム高さに相当する。プリズムファセットは同一である必要はなく、プリズムは互いに関して傾斜していてもよい。光学物品の全厚とプリズム高さとの関係は、変化してもよい。しかしながら、典型的には、明確に定義されたプリズムファセットを有する比較的薄い光学層を使用することが望ましい。ほぼ1ミル(20〜35マイクロメートル)の厚さを有する基材上の薄い輝度向上フィルムの場合、プリズム高さと全厚との典型的な比は、一般に、0.2〜0.4である。
【0112】
次に定義する用語については、別の定義が「特許請求の範囲」中、あるいは本明細書中のいずれかの場所で与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
【0113】
用語「マイクロ構造」は、本明細書では、米国特許第4,576,850号に定義され説明されている通りに使用される。それゆえ、それは、マイクロ構造を有する物品の、予め定められた所望の利用目的又は機能を、叙述するか又は特徴付ける、表面の構成を意味する。物品の表面における突出部及びくぼみのような不連続は、その輪郭が、マイクロ構造を通って引かれる平均中心線(中心線より上の表面輪郭によって包囲される面積の合計が、その線より下の面積の合計と等しくなるような線)から偏位することになり、その線は物品の公称面(マイクロ構造を有する)に対して本質的に平行である。例えば1〜30cmの、表面の代表的な特性長にわたって、光学顕微鏡又は電子顕微鏡によって測定したとき、前述の偏位の高さは、一般に、約+/−0.005〜+/−750マイクロメートルである。前述の平均中心線は、平面、凹面、凸面、非球面、又はそれらの組み合わせであってもよい。前述の偏位が、例えば、+/−0.005〜+/−0.1、又は好ましくは+/−0.05マイクロメートルの低いオーダーであり、またその偏位がまれにしか、又はほとんど生じない物品、すなわち、表面にいかなる有意な不連続も含まない物品は、マイクロ構造を有するその表面が本質的に「平坦」又は「平滑」な表面であるものであって、そのような物品は、例えば、精密光学素子として、又は眼用レンズのような精密光学インタフェースを有する素子として有用である。前述の偏位が、低いオーダーであり、かつ頻出する物品としては、反射防止マイクロ構造を有するものが挙げられる。前述の偏位が、例えば、+/−0.1〜+/−750マイクロメートルの高いオーダーであり、無秩序に若しくは規則的に、離間するか又は隣接する、同じかあるいは異なる、複数個の実用的な不連続を含むマイクロ構造に起因する物品は、再帰反射キューブコーナーシート、リニアフレネルレンズ、ビデオディスク、及び輝度向上フィルムなどの物品である。マイクロ構造を有する表面は、前述の低いオーダー及び高いオーダーの両方の実用的不連続を含むことができる。マイクロ構造を有する表面は、その量又は種類が、前述の物品の予め定められた所望の実用性を有意に阻害するか、あるいは悪影響を及ぼすものではない限り、異質の不連続又は非実用的な不連続を含んでもよい。
【0114】
「屈折率」とは、材料(例えば、モノマー)の絶対屈折率を指し、自由空間中の電磁放射線の速度と、その材料中の放射線の速度との比であると理解される。屈折率は既知の方法を使用して測定可能であり、一般的には、Abbe屈折計又はBausch and Lomb屈折計(カタログ番号33.46.10)(例えば、Pittsburgh,PAのFisher Instrumentsより市販されている)を使用して可視光領域内で測定される。測定される屈折率は、計器に応じて、ある程度変動し得ることが、一般的に認識されている。
【0115】
「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物の両方を指す。
【0116】
用語「ナノ粒子」は、本明細書において、約100nm未満の直径を有する粒子(一次粒子又は会合一次粒子)を意味するように定義される。
【0117】
「表面改質されたコロイド状ナノ粒子」とは、改質された表面をそれぞれが有することにより、安定な分散体を提供する、ナノ粒子を指す。
【0118】
「安定な分散体」は、本明細書において、例えば、室温(約20〜22℃)、大気圧、及び過剰な電磁力がないという周囲条件下で、一定の時間、例えば約24時間放置された後に、コロイド状ナノ粒子が疑塊しない分散体として定義される。
【0119】
終端点による数値範囲の詳細説明は、その範囲内に包含される全ての数値を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
【0120】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。したがって、例えば「化合物」を含有する組成物の言及は、2種以上の化合物の混合物を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、用語「又は」は、その内容が特に明確に指示しない限り、一般的に「及び/又は」を包含する意味で用いられる。
【0121】
特に指示がない限り、明細書及び添付「特許請求の範囲」に使用される成分の量、性質の測定などを表す全ての数は、全ての例において、「約」という用語により修飾されることを理解されたい。
【0122】
本発明は、本明細書中に記載する特定の実施例に限定されると考えるべきではなく、更に適切に言えば添付の特許請求の範囲の中で適正に述べるものが本発明の全態様を包含すると理解されるべきである。本明細書を検討すると、様々な修正形態、等価の方法、及び本発明を適用できる非常に多くの構造が、本発明についての当業者には容易に明らかなはずである。
【実施例】
【0123】
【表1】

【0124】
以下の重合性樹脂組成物をそれぞれ、琥珀広口ビン中で十分に混和した。
【0125】
【表2】

【0126】
光学フィルムサンプル調製:
上記の重合性樹脂組成物を使用して、輝度向上フィルムサンプルを作製した。約3gの温かい樹脂を、DuPontより、商標名「Melinex 623」で入手可能な、2ミル(50μm)の下塗りされたPET(ポリエステル)フィルムに適用し、市販のVikuiti TBEF−90/24に類似した90/24パターンを有するマイクロ複製成形型に対して配置した。このPET、樹脂、及び成形型を、約150°F(66℃)に設定した加熱ラミネーターに通過させて、均一な厚さのサンプルを作り出した。フィルム及びコーティングした樹脂サンプルを収容する成形具を、2つの600W/インチD−バルブを収容するFusion UVプロセッサーに、50fpm(15cm/分)で通過させた。PET及び硬化した樹脂を成形型から取り外し、サンプルへと切断した。ETによる輝度を測定した。透過率方式で色を測定した。米国特許第7,124,651号に記載されるように、Phillips F40 50Uランプを装備する促進耐候性試験装置内で、288時間、サンプルを照射した。再び色を測定し、最終的なb及びbの変化を記録した。
【0127】
下記の表2は、光学フィルムの試験結果を示す。(メタ)アクリレートモノマーAを含有しない比較フィルムは、耐候性試験後に、許容範囲を超える黄変を示した。本発明の実施例は、非重合性、非アクリレート材料において低く、優れた輝度ゲイン、良好な色安定性を、驚くほど有していた。
【0128】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合マイクロ構造表面を含む、マイクロ構造フィルムであって、前記マイクロ構造が、少なくとも1.56の屈折率を有する有機部分を含む重合性樹脂組成物の反応生成物を含み、前記重合性樹脂組成物は、重合性紫外線吸収化合物を含む、マイクロ構造フィルム。
【請求項2】
前記重合性紫外線吸収化合物が、ヒドロキシ−ベンゾフェノン、ヒドロキシ−フェニル−ベンゾトリアゾール、及びヒドロキシ−フェニル−トリアジンからなる群から選択されるコア構造を含む、請求項1に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項3】
前記重合性紫外線吸収化合物が、前記コア構造に結合する置換基を含み、前記置換基が、(メタ)アクリレート末端基を含む、請求項2に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項4】
前記重合性紫外線吸収化合物が、単官能性(メタ)アクリレート化合物である、請求項2に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項5】
前記重合性樹脂組成物が、1種以上の重合性紫外線吸収化合物を、約1重量%〜約10重量%の範囲の総量で含む、請求項1に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項6】
前記重合性樹脂が、非臭素化されている、請求項1に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項7】
前記重合性樹脂が、非ハロゲン化されている、請求項1に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項8】
前記重合性樹脂が、少なくとも1.585の屈折率を有する、少なくとも1種の芳香族モノマー又はオリゴマーを含む、請求項1に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項9】
前記重合性樹脂が、少なくとも1種の(メタ)アクリレート芳香族モノマー又はオリゴマーを含み、前記モノマー又はオリゴマーは、イオウ、ナフチル、フルオレン、又はこれらの混合物を含む、請求項1に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項10】
前記重合性樹脂が、光反応開始剤以外に、1重量%を超えない非重合性添加剤を含む、請求項1に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項11】
前記重合性樹脂が、無機粒子を更に含む、請求項1に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項12】
前記無機粒子が、ジルコニアを含む、請求項1に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項13】
300マイクロメートル未満の厚さを有するフィルムが、288時間の加速エージングの後、5.0を超えないbを有する、請求項1に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項14】
前記フィルムが、288時間の加速エージングの後、3.0を超えないbを有する、請求項1に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項15】
前記フィルムが、輝度向上フィルムである、請求項1〜14のいずれか一項に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項16】
重合性樹脂組成物であって、
i)イオウ、ナフチル、フルオレン、又はこれらの混合物を含む、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマーと、
ii)ヒドロキシ−ベンゾフェノン、ヒドロキシ−フェニル−ベンゾトリアゾール、ヒドロキシ−フェニル−トリアジンからなる群から選択されるコア構造、及び前記コア構造に結合する置換基を含み、前記置換基は、(メタ)アクリレート末端基を含む、紫外線吸収化合物と、を含む、重合性樹脂組成物。
【請求項17】
重合性樹脂組成物であって、
i)1重量%〜20重量%の、次式で表される1種以上の(メタ)アクリレートモノマーと、
UVA−L−A
(式中、
UVAは、
【化1】

からなる群から選択される、置換されたコア構造又は置換されていないコア構造であり、Lは、UVAをAに共有結合させる連結基であり、
Aは、(メタ)アクリレート基である)
ii)少なくとも1.585の屈折率を有する、実質的に非ハロゲン化された(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマーと、を含む、重合性樹脂組成物。
【請求項18】
前記重合性樹脂が、少なくとも2つの芳香族基を含む、少なくとも1種のジ(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマーを含む、請求項16〜17のいずれか一項に記載の重合性樹脂。
【請求項19】
前記重合性樹脂が、少なくとも1つの芳香族基を含む、少なくとも1種のモノ(メタ)アクリレートモノマーを含む、請求項16〜18のいずれか一項に記載の重合性樹脂。
【請求項20】
前記重合性樹脂が、光反応開始剤以外に、1重量%を超えない非重合性添加剤を含む、請求項16〜19のいずれか一項に記載の重合性樹脂。
【請求項21】
前記重合性樹脂が、無機粒子を更に含む、請求項16〜20のいずれか一項に記載の重合性樹脂。
【請求項22】
重合マイクロ構造表面を含む、マイクロ構造フィルムであって、前記マイクロ構造が、前記請求項16〜21のいずれか一項に記載の重合性樹脂組成物の反応生成物を含む、マイクロ構造フィルム。
【請求項23】
前記フィルムが、輝度向上フィルムである、請求項22に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項24】
300マイクロメートル未満の厚さを有するフィルムが、288時間の加速エージングの後、5.0を超えないbを有する、請求項22又は23に記載のマイクロ構造フィルム。
【請求項25】
前記重合マイクロ構造表面が、少なくとも1.59の屈折率を有する、請求項22〜24のいずれか一項に記載のマイクロ構造フィルム。

【公表番号】特表2012−513496(P2012−513496A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542428(P2011−542428)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/068444
【国際公開番号】WO2010/075161
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】