説明

金型装置、熱転写プレス装置、および熱転写成形品の製造方法

【課題】基材が薄くてもスタンパの形状パターンに対して位置決めでき、かつ、加工基準を形成しやすい金型装置を提供すること。
【解決手段】下側金型部2Aには、基材4をクランプするクランプブロック5を着脱自在に保持し、基材4をスタンパ26の形状パターンに対して位置決めする位置決め手段31,32が設けられている。基材4をクランプした状態のクランプブロック5を位置決め手段31,32が保持するので、基材4が薄くても、基材4をスタンパ26の形状パターンに対して位置決めできる。また、位置決め手段31,32は、クランプブロック5を着脱自在に保持するので、クランプブロック5にクランプされた状態のまま基材4を位置決め手段31,32から取り外すことができる。そのため、後工程において、このクランプブロック5を基準に基材4を加工でき、スタンパ26の形状パターンに対して正確に基材4に加工を施すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型装置、熱転写プレス装置、および熱転写成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂製の基材に微細な形状パターンを熱転写する熱転写プレス装置の金型装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の金型装置は、上側金型部および下側金型部を備えている。各金型部の対向面側には、表面に微細な形状パターン(凹凸パターン)が形成されたスタンパが設けられている。下側金型部のスタンパ上には基材が設置されている。このような特許文献1の金型装置は、スタンパを基材の熱軟化温度以上まで加熱した後に基材にプレスすることにより、スタンパの形状パターンを基材に熱転写する。
【0003】
このような金型装置は、例えば液晶ディスプレイの導光板用の厚さ6〜8mmの基材に形状パターンを熱転写することに用いられる。基材に形状パターンを熱転写する際には、基材の側面を爪で押さえ、基材をスタンパの形状パターンに対して位置決めした後に、基材に形状パターンを熱転写する。
【0004】
【特許文献1】特開2006−175617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような熱転写プレス装置の金型装置では、近年、ノート型PC(パーソナルコンピュータ)に用いられる液晶ディスプレイの導光板用の厚さ0.5mm程度の基材に形状パターンを熱転写することが求められている。
【0006】
しかしながら、0.5mmの厚さの基材を使用した場合、基材の側面を爪で抑えることができないので、基材をスタンパの形状パターンに対して位置決めすることが難しいという問題がある。また、導光板等を成形する場合、形状パターンを矩形の基材に熱転写した後、適宜の端面を加工基準面として所定の冶具に突き当て、例えば前記加工基準面と対向する端面を平滑に加工して入光面を形成する必要がある。しかし、0.5mmの厚さの基材をプレスした場合、基材の周縁部が変形してしまうので、加工基準面が、形状パターンに対し、設定された向きからずれてしまう。そのため、この加工基準面を基準として形成する入光面も、形状パターンに対し、設定された向きからずれてしまい、導光板の性能が低下してしまうという問題もある。
【0007】
本発明の目的は、基材が薄くてもスタンパの形状パターンに対して位置決めでき、かつ、加工基準を形成しやすい金型装置、熱転写プレス装置、および熱転写成形品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る金型装置は、熱転写プレス装置に設けられて基材に所定の形状パターンを熱転写する金型装置であって、基材が載置される下側金型部と、前記下側金型部に対して近接離間する上側金型部と、前記下側金型部および前記上側金型部の少なくとも一方に設けられ、前記所定の形状パターンを有するスタンパとを備え、前記下側金型部には、前記基材をクランプするクランプブロックを着脱自在に保持し、かつ前記基材を前記形状パターンに対して位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項2に係る金型装置は、請求項1に記載の金型装置において、前記位置決め手段は、前記クランプブロックが挿入される挿入穴を備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項3に係る金型装置は、請求項2に記載の金型装置において、前記クランプブロックには、溝および突起のうちの一方からなる第1係合部が形成され、前記位置決め手段は、溝および突起のうちの他方からなり、前記第1係合部と係合する第2係合部を有する固定手段を備え、前記固定手段は、前記第2係合部により前記第1係合部を押圧し、前記クランプブロックを前記挿入穴の内壁に対して押し付けて前記クランプブロックを位置決め固定することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項4に係る金型装置は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の金型装置において、前記上側金型部および前記下側金型部は、前記基材とそれぞれの金型部との間にエアを噴き出すエアブロー穴を備えていることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項5に係る金型装置は、請求項4に記載の金型装置において、前記下側金型部は、前記クランプブロックを上下に移動させ、前記基材と前記下側金型部との間に隙間を形成する移動手段を備えていることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項6に係る熱転写プレス装置は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の金型装置を備えていることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項7に係る熱転写成形品の製造方法は、熱転写プレス装置に、基材をクランプした状態のクランプブロックを保持させ、前記基材をスタンパの形状パターンに対して位置決めする第1位置決め工程と、前記熱転写プレス装置に、前記形状パターンを前記基材に熱転写させる熱転写工程と、前記形状パターンが熱転写され、前記クランプブロックにクランプされた状態の前記基材を加工機に搬入し、前記加工機に、前記基材をクランプした状態の前記クランプブロックを保持させて前記基材を位置決めする第2位置決め工程と、前記加工機により前記基材を加工する加工工程とを備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項8に係る熱転写成形品の製造方法は、請求項7の熱転写成形品の製造方法において、前記加工工程は、前記加工機により、前記クランプブロックにクランプされた側の前記基材の端縁部を切断し、前記基材を、切り落とされた前記端縁部と、基材本体とに分離する切断工程と、前記基材本体の切断面を加工基準として前記基材本体の端面を平滑にして入光面を形成する入光面形成工程とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、基材をクランプした状態のクランプブロックを位置決め手段が保持するので、基材が薄くても、基材をスタンパの形状パターンに対して位置決めできる。
少なくとも上側金型部にスタンパが設けられていた場合、基材は、クランプブロックを介して下側金型部側に固定されるので、基材がプレスされて基材に形状パンターンが熱転写された後、上側金型部が下側金型部から離間する際に、基材が上側金型部のスタンパに付着してしまうことを防止できる。
位置決め手段は、クランプブロックを着脱自在に保持するので、クランプブロックにクランプされた状態のまま基材を位置決め手段から取り外すことができる。そのため、後工程において、このクランプブロックを基準に基材を加工でき、スタンパの形状パターンに対して正確に基材に加工を施すことができる。
また、例えば、導光板の基材に加工を施す際には、クランプブロックを基準に、基材のクランプブロックにクランプされた側の端縁部を切り落とし、基材を端縁部と基材本体とに分離することで、基材本体の切断面を形状パターンに対して所定の向きに形成できる。そのため、切断面を基準面として基材本体の適宜の端面を平滑にして入光面を形成することで、当該入光面を、形状パターンに対して設定された所定の向きに形成でき、導光板の性能を良好に維持できる。
【0017】
請求項2の発明によれば、位置決め手段を、クランプブロックが挿入される挿入穴を含んで構成したので、位置決め手段を、クランプブロックを着脱自在に挟持する挟持装置を含んで構成する場合に比べ、位置決め手段の構成を簡素にできる。
【0018】
請求項3の発明によれば、位置決め手段は、固定手段により、クランプブロックを内壁に押し付け、クランプブロックを、当該クランプブロックの第1係合部と固定手段の第2係合部との関係が最も安定するように僅かに移動させて固定することができるので、クランプブロックをより正確に位置決めすることができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、上側金型部および下側金型部は、エアブロー穴を備えているので、エアブロー穴から基材とそれぞれの金型部との間にエアを噴き出すことができ、基材をスタンパから確実に離型できる。
【0020】
請求項5の発明によれば、下側金型部は、移動手段を備えているので、離型の際に、クランプブロックを上方に移動させ、基材と下側金型部との間に隙間を形成することができる。このため、この隙間にエアブロー穴からエアを噴き出すことができ、基材をスタンパからより確実に離型できる。
【0021】
請求項6の発明によれば、熱転写プレス装置は、前述の構成と同様の構成を備えているので、同様の効果を奏することができる。
【0022】
請求項7の発明によれば、基材が薄くても、基材をクランプブロックを介して保持するので、基材およびクランプブロックをスタンパの形状パターンに対して位置決めできる。従って、基材に形状パターンを熱転写した後に、スタンパの形状パターンに対して所定の向きおよび位置にあるクランプブロックを基準に基材を加工できるので、スタンパの形状パターンに対して正確に基材に加工を施すことができ、熱転写成形品の性能を良好に維持できる。
【0023】
請求項8の発明によれば、クランプブロックを基準に、クランプブロックにクランプされた側の基材の端縁部を切り落とし、基材を端縁部と基材本体とに分離するので、基材本体の切断面を形状パターンに対して所定の向きに形成できる。そして、この切断面を加工基準として基材本体の適宜の端面を平滑に加工して入光面を形成するので、当該入光面を、形状パターンに対し、設定された所定の向きに形成できる。従って、導光板等の熱転写成形品の性能を良好に維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
〔1.熱転写成形品のプレスシステムの全体構成〕
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る熱転写プレス装置1を示す断面図である。
本実施形態の熱転写成形品のプレスシステムは、図1に示す熱転写プレス装置1と、基材セットテーブル6(図10参照)と、切断機7(図11参照)等を備える加工機とを備えている。
【0025】
〔2.熱転写プレス装置の全体構成〕
熱転写プレス装置1(以降、プレス装置1と記載)は、図1に示すように、床に対して固定されたボルスタ11と、このボルスタ11の上方に配置されたスライド12と、サーボモータを有し、スライド12をボルスタ11に対して近接離間させる駆動手段13と、サーボモータを駆動してスライド12の位置および速度を制御するとともに、熱転写プレス装置1全体を制御する制御装置14と、ボルスタ11およびスライド12間に設置された金型装置2とを備えている。
【0026】
〔3.各金型部の基本構成〕
金型装置2は、基材4が載置される下側金型部2Aと、下側金型部2Aに対して近接離間する上側金型部2Bとを備えている。基材4としては、ノート型PCの液晶ディスプレイに用いられる導光板の基材であり、0.5mm程度の厚みの矩形のアクリル板を使用する。各金型部2A,2Bの基本構成は略等しいので、以下では、まず、各金型部2A,2Bの基本構成を説明した後に、本実施形態の特徴的な構成を有する下側金型部2Aの前記特徴的な構成について説明する。
【0027】
各金型部2A,2Bは、図1に示すように、ベースプレート21と、冷却プレート22と、温調プレート23と、枠体24と、スタンパ26と、粘性部材27とを備えている。上側金型部2Bは、さらに、真空装置28と、逃げ溝29とを備えている。
【0028】
ベースプレート21は、矩形板状に形成され、ボルスタ11およびスライド12上に固定される。
冷却プレート22は、矩形板状に形成され、ベースプレート21の中央に固定される。この冷却プレート22内には、図示しない複数の水孔が形成されている。これらの水孔に冷却水が流通することにより、冷却プレート22は、温度が一定に保持され、後述する温調プレート23の熱がボルスタ11およびスライド12側に伝達されることを防止する。
【0029】
温調プレート23は、矩形板状に形成され、冷却プレート22上に固定される。この温調プレート23の内部には、複数の水孔231が形成されている。温調プレート23は、これらの水孔231に蒸気または冷却水が流通することにより、粘性部材27を介してスタンパ26を加熱・冷却する。
【0030】
枠体24は、矩形の枠状に形成され、開口部241内に前記各プレート22,23が配置される。この枠体24は、スプリング242により支持され、各プレート22,23に対して上下動可能に設けられている。また、下側金型部2Aの枠体24には、後述する真空吸引穴243および大気開放穴244が形成されている(図2参照)。
【0031】
スタンパ26は、枠体24に固定されて開口部241を閉塞する(図3参照)。このスタンパ26と温調プレート23との間には、開口部241の周縁に沿って、粘性部材27を密封するためのパッキンP3が介装される(図3参照)。
【0032】
スタンパ26は、表面に、微細な凹凸パターンからなる所定の形状パターンを有している。このスタンパ26は、真空吸着と、後述するスペーサ30(図2参照)を介して所定の固定具とにより枠体24に固定されている(図3参照)。なお、各金型部2A,2Bの各部には、スタンパ26を効率よく真空吸着するためのパッキンP1,P2が設けられている。スタンパ26は、温調プレート23により基材4の軟化温度以上に加熱された後に、基材4に押しつけることにより、基材4に所定の形状パターンを熱転写する。
粘性部材27は、スタンパ26、開口部241内壁、および温調プレート23によって囲まれた空間内(図3参照)に設けられている。この粘性部材27は、基材4がプレスされ、各金型部2A,2Bのスタンパ26および枠体24が下方または上方にそれぞれ移動する際に圧縮されることで、粘性部材27の内部に均等圧力が発生し、上型金型部2Bのスタンパ26の基材4に対する圧力分布を均一にする。
【0033】
真空装置28は、壁部281と、図示しない真空圧供給装置とを備えている。壁部281は、枠体24の周縁部に沿って枠状に設けられ、ストリッパーボルト282およびスプリング283により上型金型部2Bの枠体24に連結されている。この壁部281は、上側金型部2Bが下降した際に、当該壁部281の内側に密閉空間を形成する。図示しない真空圧供給装置は、密閉空間内の空気を真空吸引穴243(図2参照)から吸引して密閉空間を真空にすることができるとともに、大気開放穴244(図2参照)を開放して密閉空間の真空状態を解除することができる。
逃げ溝29は、基材4をプレスするために上側金型部2Bと下側金型部2Aとが近接した際に、後述するクランプブロック5の上部を収納するためのものである。
【0034】
〔4.下側金型部の特徴的な構成〕
図2は、下側金型部2Aを示す平面図、図3は、下側金型部2Aの要部を示す断面図である。
下側金型部2Aは、以上のような構成に加えて、図2および図3に示すように、スペーサ30と、挿入穴31と、固定手段32と、移動手段33(図3)と、エアブロー穴34とを備えている。
【0035】
スペーサ30は、平面視U字状に形成されているとともに、スタンパ26の周縁部上に配置され、所定の固定具によってスタンパ26を枠体24に固定する。このスペーサ30の内側に基材4が配置される。
挿入穴31は、枠体24において開口部241周辺に形成されている。この挿入穴31には、基材4をクランプするクランプブロック5が挿入され、離型の際にはクランプブロック5が引き抜かれる。すなわち、挿入穴31は、クランプブロック5を着脱自在に保持する。この挿入穴31は、クランプブロック5を介して基材4をスタンパ26の形状パターンに対して位置決めするプレス側位置決め手段として機能する。
【0036】
このように、本実施形態では、クランプブロック5を介して基材4を位置決めするので、基材4の厚みが0.5mmと非常に薄くても、基材4をスタンパ26の形状パターンに対して位置決めすることができる。
また、クランプブロック5にクランプされた状態のまま基材4を位置決めできるとともに、クランプブロック5にクランプされた状態のまま基材4をプレス装置1から取り外すことができるので、後工程において、このクランプブロック5を基準に基材4を加工でき、スタンパ26の形状パターンに対して正確に基材4に加工を施すことができる。
【0037】
さらに、基材4は、挿入穴31に保持されるクランプブロック5により、下側金型部2A側に固定されるので、基材4がプレスされた後、上側金型部2Bが下側金型部2Aから離間する際に、基材4が上側金型部2Bのスタンパ26に付着してしまうことを防止できる。
また、プレス側位置決め手段を挿入穴31を含んで構成したので、プレス側位置決め手段を、クランプブロック5を着脱自在に挟持する挟持装置を含んで構成する場合に比べ、その構成を簡素にできる。
【0038】
図4は、クランプブロック5を示す側断面図、図5は、クランプブロック5を示す平面図、図6は、図4のVI−VI線断面図である。
前記クランプブロック5は、直方体状に形成され、断面視で挿入穴31よりも僅かに小さく形成されている。また、クランプブロック5は、基材4をクランプ可能に、かつ容易にクランプを解除できるように構成されている。このようなクランプブロック5は、図4に示すように、ブロック本体51と、クランプ部材52と、蓋部材53と、一対の皿ばね54と、一対のねじ55(一方のみ図示)とを備えている。
【0039】
ブロック本体51は、側面視L字状に形成され、段差部511を備えている。段差部511の上面512には、ブロック本体51の長手方向(図4紙面垂直方向)に沿って凸部513が形成されている。このようなブロック本体51には、上下方向に沿って延び、一端がブロック本体51の上面510に開口するとともに、他端が凸部513に開口する冶具挿入孔514が一対形成されている。また、ブロック本体51の背面515中央部には、上下方向に沿って、平面視三角形状の第1係合部としての位置決め溝516(図5)が形成されている。この位置決め溝516には、後述するスライダ321の押圧突起325が当接する。
【0040】
クランプ部材52は、側面視凹状に形成され、段差部511において、凸部513に嵌まり込むように配置される。このクランプ部材52の下面521には、一対の収納穴522が形成されている。
皿ばね54は、収納穴522内に配置され、クランプ部材52を上方に付勢する。
蓋部材53は、ねじ55によりブロック本体51に固定される。この蓋部材53において、クランプ部材52の一対の収納穴522に対応する部分には、それぞれ支持突起531が形成されている。支持突起531は、収納穴522に挿入され、皿ばね54を支持する。
【0041】
図7は、クランプブロック5が基材4をクランプする際の動作を説明するための図である。
このようなクランプブロック5に基材4をクランプさせるには、図7に示すように、冶具挿入孔514から冶具Tを挿入し、クランプ部材52を皿ばね54の付勢力に抗して下方に押圧する。そして、この状態のまま、クランプ部材52とブロック本体51との間に形成される隙間に、基材4を、凸部513に突き当たるまで挿入した後、冶具Tを冶具挿入孔514から引き抜くことで、基材4がクランプ部材52とブロック本体51とに挟み込まれ、強固にクランプされる。この際、凸部513は、基材4に突き当てられ、基材4を当該クランプブロック5に対して位置決めするブロック側位置決め手段として機能する。
【0042】
図3に戻って、固定手段32は、スライダ321と、シリンダ322とを備えている。
スライダ321には、クランプブロック5に向かって延びるトラック孔323が形成されている。スライダ321は、このトラック孔323に挿通し、枠体24に螺合するストリッパーボルト324により、クランプブロック5に向かってスライド移動可能に設けられている。このようなスライダ321の先端部には、先端縁が平面視で曲線に形成された第2係合部としての押圧突起325(図5)が形成されている。
シリンダ322は、伸縮自在の腕部326を備え、スライダ321を押圧可能に構成されている。
【0043】
図8は、固定手段32の動作を説明するための図である。
このような構成の固定手段32は、挿入穴31にクランプブロック5が挿入された後に、図8に示すように、シリンダ322によりスライダ321を押圧し、このスライダ321によりクランプブロック5を挿入穴31の内壁に押し付け、クランプブロック5を、スライダ321の進退方向である第1方向において位置決めする。同時に、固定手段32は、スライダ321によりクランプブロック5を、押圧突起325と位置決め溝516との関係が最も安定するように、スライダ321の進退方向に直交する第2方向(図5参照)において移動させ、クランプブロック5を第2方向においても位置決めする。
【0044】
このように、本実施形態では、押圧突起325を位置決め溝516に当ててクランプブロック5を挿入穴31の内壁に押し付けるので、クランプブロック5を水平方向においてより正確に位置決めでき、ひいては基材4を、スタンパ26の形状パターンに対してより正確に位置決めできる。本実施形態では、この固定手段32および挿入穴31を備えて、クランプブロック5を着脱自在に保持し、スタンパ26の形状パターンに対して基材4を位置決めするプレス側位置決め手段が構成されている。
【0045】
移動手段33は、図8に示すように、支持板331と、ストリッパーボルト332と、ばね333とを備えている。
ストリッパーボルト332およびばね333は、支持板331と枠体24とを連結している。
ばね333は、第2方向において、ストリッパーボルト332の各側方に1つずつ設けられている。
【0046】
支持板331は、挿入穴31内に配置され、クランプブロック5を上下に移動可能に支持する。具体的に、支持板331は、真空装置28による壁部281内の真空化の際には、クランプブロック5を高い位置で支持し、基材4とスタンパ26との間に隙間を形成する。これにより、基材4とスタンパ26とが密着して基材4スタンパ26間に空気が残留し、熱転写が正確に行われなくなってしまうことを防止できる。
【0047】
この支持板331は、プレス装置1が基材4に熱転写するため上側金型部2Bを下降させる際には、上側金型部2Bにクランプブロック5を介して下方に押圧されることにより、ばね33の付勢力に抗して下方に移動し、クランプブロック5を下方に移動させる。そして、クランプブロック5に、基材4とスタンパ26との隙間が無くなるように基材4を水平に保持させる。
また、支持板331は、基材4が熱転写された後、上側金型部2Bが下側金型部2Aから離間する際には、ばね33の上方への付勢力により再び上方に移動してクランプブロック5を高い位置で支持し、基材4とスタンパ26との間に隙間を形成する。これにより、この隙間に後述するエアブロー穴34が空気を噴き出すことができるようになり、より確実に基材4をスタンパ26から離型することができるようになる。
【0048】
図9は、エアブロー穴34を示す断面図である。
エアブロー穴34は、図9に示すように、枠体24において、クランプブロック5にクランプされる側の基材4の下方で、かつ挿入穴31の両側方(図2)にそれぞれ開口している。また、エアブロー穴34は、上側金型部2Bにおいても、下側金型部2Aのエアブロー穴34に対応する位置にそれぞれ形成されている(図18参照)。
【0049】
これらのエアブロー穴34は、それぞれ当該エアブロー穴34にエアを供給するエア供給穴341に連通している。また、各エアブロー穴34は、枠体24の表面近傍において、基材4と枠体24との隙間に向かって傾斜して形成され、基材4と枠体24との隙間に効率よくエアを噴き出すことができるようになっている。これらのエアブロー穴34は、基材4が熱転写された後、上側金型部2Bが下側金型部2Aから離間する際に、基材4とスタンパ26との隙間にエアを噴き出し、基材4をスタンパ26から離間する。
【0050】
〔5.基材セットテーブルの構成〕
図10は、基材セットテーブル6を示す平面図である。なお、基材セットテーブル6および後述する切断機7において、プレス装置1の要素と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略若しくは簡略化する。
基材セットテーブル6は、図10に示すように、テーブル本体61を備えている。このテーブル本体61には、挿入穴31と、固定手段32と、ガイド部材62とが設けられている。
【0051】
挿入穴31は、当該挿入穴31にクランプブロック5が挿入されることにより、クランプブロック5を、ガイド部材62(ガイド部材62にガイドされる基材4)に対して位置決めする。
固定手段32は、クランプブロック5をスライダ321により挿入穴31の内壁に押し付けて、クランプブロック5をガイド部材62に対してより正確に位置決めする。
ガイド部材62は、平面視L字状に形成され、対向配置された基材4より厚みのある一対の部材により構成されている。このガイド部材62は、挿入穴31に挿入されたクランプブロック5に基材4をクランプさせる際に、基材4をガイドする。
【0052】
〔6.加工機の構成〕
図11は、切断機7を示す平面図である。
加工機は、図11に示す切断機7と、図示しない平滑加工機とを備えている。
【0053】
切断機7は、テーブル部71と、図示しない切断手段とを備えている。
テーブル部71には、クランプブロック5が挿入されることによりクランプブロック5を後述する切断予定線Lに対して位置決めする挿入穴31と、クランプブロック5を挿入穴31の内壁に押し付けて、クランプブロック5を切断予定線Lに対してより正確に位置決めする固定手段32とが設けられている。
【0054】
図示しない切断手段は、例えばヒートカット機やエンドミルで構成され、クランプブロック5によりクランプされた側の基材4の端縁部41(以下、クランプ代と記載)を所定の軌跡で切断する。すなわち、切断手段は、基材4のクランプ代41を、予め設定された所定の切断予定線Lに沿って切断する。本実施形態では、切断予定線Lは、基材4の長手方向側の端縁と平行となるように設定されている。そして、切断手段は、基材4を切断予定線Lに沿って切断することで、基材4をクランプ代41と基材本体42とに分離する。
平滑加工機は、切削機等の加工機により構成され、基材本体42の端面を平滑に加工する。この平滑加工機は、詳しくは後述するが、切断面F1が適宜の冶具に突き当てられた基材本体42の切断面F1に対する対向面F2を平滑に加工し、当該対向面F2を入光面として形成する。
【0055】
〔7.熱転写成形品としての導光板の製造方法〕
以下、本実施形態の熱転写成形品のプレスシステムによる熱転写成形品としての導光板の製造方法について説明する。
図12は、導光板の製造方法を示すフローチャート、図13は、基材セットテーブル6を示す平面図である。
【0056】
本実施形態の導光板の製造方法では、図13に示すように、まず、基材セットテーブル6においてガイド部材62をクランプブロック5にクランプさせる(クランプ工程S1)。具体的には、基材セットテーブル6の挿入穴31にクランプブロック5を挿入し、固定手段32によりクランプブロック5を、基材4に対してより正確に位置決めする。そして、冶具挿入孔514に冶具Tを挿入してクランプ部材52(図7)を下降させ、ガイド部材62にガイドさせながら基材4を、クランプ部材52とブロック本体51との隙間に凸部513に突き当たるまで挿入し、冶具Tを冶具挿入孔514から引き抜くことにより、基材4をクランプブロック5に対して位置決めしながら、クランプブロック5に基材4をクランプさせる。
【0057】
図14は、基材4が搬入されるプレス装置1を示す断面図である。なお、図14〜図16および図18では、分かりやすくするためにプレス装置1を簡略化して描いた。
クランプ工程S1の後、図14に示すように、吸着手段81を有する搬入搬出手段8により、基材4およびクランプブロック5をプレス装置1に搬入し、基材4をクランプした状態のクランプブロック5を挿入穴31に挿入することと等により、基材4をスタンパ26の形状パターンに対して位置決めする(第1位置決め工程S2)。
【0058】
具体的には、第1位置決め工程S2では、クランプブロック5を挿入穴31に挿入することにより基材4を位置決めする挿入位置決め工程と、固定手段32によりクランプブロック5を挿入穴31に押し付けることにより、基材4をより正確に位置決めする押圧位置決め工程とを行う。なお、挿入位置決め工程では、移動手段33は、クランプブロック5を高い位置で支持し、基材4とスタンパ26との間に隙間を形成する。
【0059】
図15は、壁部281内を真空化するプレス装置1を示す断面図である。
第1位置決め工程S2の後、プレス装置1は、スライド12を下降させ、図15に示すように、壁部281に基材4等を内包する密閉空間を形成させるとともに、真空装置28に当該密閉空間を真空化させる(真空化工程S3)。この際、前述したように、移動手段33により、基材4とスタンパ26との間に隙間が形成されているので、基材4とスタンパ26とが密着し、基材4とスタンパ26間に空気が残留してしまうことを防止できる。そして、この残留空気により熱転写が不正確となってしまうことを防止できる。
【0060】
図16は、基材4に形状パターンを熱転写するプレス装置1を示す断面図である。
真空化工程S3の後、プレス装置1は、各金型部2A,2Bのスタンパ26を温調プレート23により基材4の軟化温度以上に加熱した後、スライド12を下降させ、図16に示すように、各金型部2A,2Bのスタンパ26の形状パターンを基材4の裏表面にそれぞれ熱転写する(熱転写工程S4)。この際、移動手段33は、上側金型部2Bにクランプブロック5を介して下方に押圧されることで、ばね33の付勢力に抗してクランプブロック5を下方に移動させる。
【0061】
図17は、下側金型部2Aのスタンパ26の形状パターンと、基材4に熱転写された形状パターンとを示す図である。
この熱転写工程S4では、図17に示すように、基材4がクランプブロック5により、スタンパ26の形状パターンに対して位置決めされているので、基材4に対してスタンパ26の形状パターンを所定の位置および向きに正確に熱転写できる。
【0062】
熱転写工程S4の後、プレス装置1は、各スタンパ26で基材4を挟み込んだ状態のまま、温調プレート23により、各スタンパ26を介して基材4を軟化温度以下に冷却し、基材4に転写した形状パターンを固定させる。そして、プレス装置1は、真空装置28により、壁部281内の密封空間の真空状態を解除する。(冷却・真空解除工程S5)。
【0063】
図18は、基材4をスタンパ26から離型するプレス装置1を示す断面図である。
冷却・真空解除工程S5の後、プレス装置1は、スライド12を上昇させることにより、図18に示すように、基材4と上側金型部2Bのスタンパ26との間に隙間を形成する。この際、スライド12の上昇に伴って、移動手段33がばね33の付勢力によりクランプブロック5を上方に移動させるので、基材4と下側金型部2Aのスタンパ26との間にも隙間が形成される。そして、プレス装置1は、このようにスライド12を上昇させ、基材4と各スタンパ26との間にそれぞれ隙間を形成するのと同時に、各隙間に、各金型部2A,2Bのエアブロー穴34からエアを噴き出すことで、基材4を各スタンパ26から離型する(離型工程S6)。
【0064】
このように、本実施形態では、スライド12を上昇させることにより基材4と上側金型部2Bのスタンパ26との間に隙間を形成するのと同時に、移動手段33により基材4と下側金型部2Aのスタンパ26との間にも隙間を形成し、各隙間にエアを噴き出すので、確実に基材4をスタンパ26から離型できる。なお、スライド12の上昇速度は、エアを噴き出す際の基材4と各スタンパ26との間に形成される隙間が最適な大きさとなるように、制御装置14(図1)により管理される。
【0065】
離型工程S6の後、プレス装置1は、固定手段32によるクランプブロック5の固定を解除するとともに、スライド12を上昇させて壁部281を下側金型部2Aから引き上げ、基材4およびクランプブロック5を搬入搬出手段8により取り出し可能な状態にする(取出可能化工程S7)。
【0066】
図19は、クランプブロック5を位置決め保持する切断機7を示す平面図である。
取出可能化工程S7の後、搬入搬出手段8が、基材4およびクランプブロック5をプレス装置1から取り出して切断機7に搬入し、図19に示すように、基材4をクランプした状態のクランプブロック5を挿入穴31に挿入するとともに、固定手段32がクランプブロック5を挿入穴31の内壁に押し付け、基材4を、切断機7による切断予定線Lに対して位置決め固定する(第2位置決め工程S8)。
【0067】
図20は、切断機7により切断された基材4を示す平面図である。
第2位置決め工程S8の後、切断機7は、基材4のクランプ代41を切断予定線Lに沿って切断し、基材4をクランプ代41と基材本体42とに分離する(切断工程S9)。この際、基材4が切断予定線Lに対して位置決めされていたので、基材4の形状パターンを基材本体42の切断面F1に対して所定の向きに定めることができる。
【0068】
切断工程S9の後、切断面F1を加工基準面として適宜の冶具に突き当て、切断面F1の対向面F2を、切削機等の平滑加工機により平滑にして入光面とすることで、導光板が製造される(入光面形成工程S10)。この際、基材4の形状パターンが、切断面F1に対して所定の向きに定められているので、切断面F1に平行な入光面も基材4の形状パターンに対して所定の向きに定めることができ、導光板の性能を良好に維持することができる。本実施形態では、この入光面形成工程S10および切断工程S9を備えて加工工程が構成される。
【0069】
〔8.実施形態の変形〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、スタンパ26は、下側金型部2Aおよび上側金型部2Bのどちらにも設けられていたが、スタンパ26は、下側金型部2Aおよび上側金型部2Bのうち、どちらか一方にのみ設けられていてもよい。
前記実施形態では、位置決め手段は、挿入穴31を備えて構成されていたが、位置決め手段は、例えばクランプブロック5を着脱自在に挟持する挟持装置を備えて構成されていてもよく、クランプブロック5を着脱自在に保持できるものであれば適宜の構成を採用することができる。
【0070】
前記実施形態では、移動手段33は、ばねを備えていたが、シリンダを備えていてもよく、クランプブロック5を上下に移動させることができれば適宜の構成を採用することができる。
前記実施形態では、クランプブロック5側に位置決め溝516が形成され、固定手段32側に押圧突起325が形成されていたが、クランプブロック5側に突起が形成され、固定手段32側に前記突起に係合する溝が形成されていてもよい。
【0071】
前記実施形態では、本発明の金型装置、プレス装置、および熱転写成形品の製造方法を、ノート型PCの液晶ディスプレイ用の非常に薄い導光板の成形に適用したが、本発明の金型装置、プレス装置、および熱転写成形品の製造方法は、液晶ディスプレイ用の拡散板の成形や、レンズ、光ディスク基板等の成形にも適用でき、適宜の熱転写成形品の成形に適用できる。また、加工機は、本実施形態の構成に限定されず、製造する熱転写成形品に合わせて適宜の構成を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、熱転写成形品を成形するための金型装置、熱転写プレス装置、および熱転写成形品の製造方法に利用でき、特に、ノート型PCの液晶ディスプレイ用の薄型の導光板を成形するための金型装置、熱転写プレス装置、および熱転写成形品の製造方法に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施形態に係る熱転写プレス装置を示す断面図。
【図2】下側金型部を示す平面図。
【図3】下側金型部の要部を示す断面図。
【図4】クランプブロックを示す側断面図。
【図5】クランプブロックを示す平面図。
【図6】図4のVI−VI線断面図。
【図7】クランプブロックが基材をクランプする際の動作を説明するための図。
【図8】固定手段の動作を説明するための図。
【図9】エアブロー穴を示す断面図。
【図10】基材セットテーブルを示す平面図。
【図11】切断機を示す平面図。
【図12】導光板の製造方法を示すフローチャート。
【図13】基材セットテーブルを示す平面図。
【図14】基材が搬入されるプレス装置を示す断面図。
【図15】壁部内を真空化するプレス装置を示す断面図。
【図16】基材に形状パターンを熱転写するプレス装置を示す断面図。
【図17】スタンパの形状パターンと、基材に熱転写された形状パターンとを示す図。
【図18】基材をスタンパから離型するプレス装置を示す断面図。
【図19】クランプブロックを位置決め保持する切断機を示す平面図。
【図20】切断機により切断された基材を示す平面図。
【符号の説明】
【0074】
1…熱転写プレス装置、2…金型装置、2A…下側金型部、2B…上側金型部、5…クランプブロック、26…スタンパ、31…挿入穴、32…固定手段、33…移動手段、34…エアブロー穴、41…クランプ代(端縁部)、42…基材本体、325…押圧突起(第2係合部)、516…位置決め溝(第1係合部)、F1…切断面(加工基準)、S2…第1位置決め工程、S4…熱転写工程、S8…第2位置決め工程、S9…切断工程、S10…入光面形成工程。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱転写プレス装置に設けられて基材に所定の形状パターンを熱転写する金型装置であって、
基材が載置される下側金型部と、
前記下側金型部に対して近接離間する上側金型部と、
前記下側金型部および前記上側金型部の少なくとも一方に設けられ、前記所定の形状パターンを有するスタンパとを備え、
前記下側金型部には、前記基材をクランプするクランプブロックを着脱自在に保持し、かつ前記基材を前記形状パターンに対して位置決めする位置決め手段が設けられている
ことを特徴とする金型装置。
【請求項2】
請求項1に記載の金型装置において、
前記位置決め手段は、前記クランプブロックが挿入される挿入穴を備えている
ことを特徴とする金型装置。
【請求項3】
請求項2に記載の金型装置において、
前記クランプブロックには、溝および突起のうちの一方からなる第1係合部が形成され、
前記位置決め手段は、溝および突起のうちの他方からなり、前記第1係合部と係合する第2係合部を有する固定手段を備え、
前記固定手段は、前記第2係合部により前記第1係合部を押圧し、前記クランプブロックを前記挿入穴の内壁に対して押し付けて前記クランプブロックを位置決め固定する
ことを特徴とする金型装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の金型装置において、
前記上側金型部および前記下側金型部は、前記基材とそれぞれの金型部との間にエアを噴き出すエアブロー穴を備えている
ことを特徴とする金型装置。
【請求項5】
請求項4に記載の金型装置において、
前記下側金型部は、前記クランプブロックを上下に移動させ、前記基材と前記下側金型部との間に隙間を形成する移動手段を備えている
ことを特徴とする金型装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の金型装置を備えていることを特徴とする熱転写プレス装置。
【請求項7】
熱転写成形品の製造方法であって、
熱転写プレス装置に、基材をクランプした状態のクランプブロックを保持させ、前記基材をスタンパの形状パターンに対して位置決めする第1位置決め工程と、
前記熱転写プレス装置に、前記形状パターンを前記基材に熱転写させる熱転写工程と、
前記形状パターンが熱転写され、前記クランプブロックにクランプされた状態の前記基材を加工機に搬入し、前記加工機に、前記基材をクランプした状態の前記クランプブロックを保持させて前記基材を位置決めする第2位置決め工程と、
前記加工機により前記基材を加工する加工工程とを備えている
ことを特徴とする熱転写成形品の製造方法。
【請求項8】
請求項7の熱転写成形品の製造方法において、
前記加工工程は、
前記加工機により、前記クランプブロックにクランプされた側の前記基材の端縁部を切断し、前記基材を、切り落とされた前記端縁部と、基材本体とに分離する切断工程と、
前記基材本体の切断面を加工基準として前記基材本体の端面を平滑にして入光面を形成する入光面形成工程とを備えている
ことを特徴とする熱転写成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−89317(P2010−89317A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259900(P2008−259900)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(394019082)コマツ産機株式会社 (103)
【Fターム(参考)】