説明

金属ガラス成形体とその製造方法

【課題】部品形状の自由度が大きく、低コストで、部品加工の際に割れの生じない金属ガラス成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば、金属ガラスを主成分とする基材粒子の表面を、無機酸化物を含む絶縁材料で被覆して絶縁皮膜を形成し、該基材粒子を加圧成形して、内部に気孔が分散した加圧成形体を得る第1工程と、前記加圧成形体を金属ガラス成分が気孔に流動して生じる塑性流動速度以下の歪速度で加熱加圧成形して金属ガラス成形体を得る第2工程と、を含む、金属ガラス成形体の製造方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ガラス成形体とその製造方法に関する。より詳細には、割れずに部品に成形でき、かつ、部品形状の自由度が大きく、成形装置のコストダウンが可能な金属ガラス成形体とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来モータの分野においては、エポキシ樹脂やフッ素系樹脂等の有機バインダー及びSiO酸化物微粒子を軟磁性材料に被覆した圧粉磁心材料を、軟磁性粉末に圧粉成型してなる成型体が、焼結軟磁性材料として広く用いられている。さらに、この成型体の高強度化を狙いとして、軟磁性粉末とSiO酸化物の微粒子とを混合して得られた粉末を圧粉することで、軟磁性粉末がSiO酸化物微粒子の絶縁層で被覆され、粉末同士が接合した圧粉磁心を製造する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−180924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車用駆動モータに対して、高回転化に追随するため小型化が強く要求されている。小型化実現のために、磁心などの部品作製の際、部品を割れずに作製できることと共に、部品形状に大きい自由度が求められている。しかしながら、上記特許文献1に開示された圧粉磁心の製造方法では、プレスの際の変形抵抗が高いため部品形状の自由度が十分ではなく、さらに加工する際に部品が割れてしまうという問題があった。そこで本発明は、割れずに部品作製ができる、金属ガラス成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するための本発明の金属ガラス成形体の製造方法は、次のような第1工程と第2工程とを含む。第1工程では、金属ガラスを主成分とする基材粒子の表面を無機酸化物を含む絶縁材料で被覆して絶縁皮膜を形成し、該基材粒子を加圧成形して、内部に気孔が分散した加圧成形体を得る。第2工程では、この加圧成形体を、金属ガラス成分が気孔に流動して生じる塑性流動速度以下の歪速度で加熱加圧成形して金属ガラス成形体を得る。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、第1工程で内部に気孔が分散した金属ガラス加圧成形体を得たあと、第2工程でさらに所定の歪速度で加熱加圧成形することにより、第2工程での変形抵抗を低減できる。これにより、加圧成形体から部品を割れずに製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の金属ガラス成形体の製造方法の各段階を示す概略図である。
【図2】本発明の金属ガラス成形体の製造方法において、第1工程で得られた加圧成形体の断面のSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。
【図3】本発明の金属ガラス成形体の製造方法によって得られた金属ガラス成形体の断面のSEM写真である。
【図4】実施例および比較例で作製した加圧成形体の加工歪速度に対する変形抵抗を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付した図面を参照して本発明を適用した実施形態を説明する。
【0009】
[第1実施形態]
本発明の金属ガラス成形体の製造方法は、以下の第1工程と第2工程とを含む。第1工程では、金属ガラスを主成分とする基材粒子の表面の少なくとも一部を、無機酸化物を含む絶縁材料で被覆して絶縁皮膜を形成し、該基材粒子を加圧成形して、内部に気孔が分散した加圧成形体を得る。第2工程では、前記加圧成形体をさらに金属ガラス成分が気孔に流動して生じる塑性流動速度以下の歪速度で、好ましくは1/sより速く、かつ、10/s以下の歪速度で加熱加圧成形して金属ガラス成形体を得る。
【0010】
図1は、本発明の製造方法の概略を示す図である。図1(a)に示す基材粒子1を原料として、第1工程の絶縁皮膜の被覆および加圧成形を実施し、図1(b1)に示すような加圧成形体2を得る。図1(b2)は、この加圧成形体2中の基材粒子1の配置を模式的に示しており、絶縁皮膜5を有する基材粒子1が変形されて密に配置されているものの、基材粒子1どうしの間には気孔4が分散して存在する状態を示している。そして、第2工程で、このような気孔4が分散して存在する加圧成形体2をさらに歪速度制御を行い加熱加圧成形して、図1(c1)に示すような金属ガラス成形体3を得る。図1(c2)は得られた金属ガラス成形体3中の基材粒子1の配置を模式的に示す図であるが、基材粒子は互いに接して密に存在し、気孔4はほとんど存在しない。
【0011】
金属ガラスは変形能が高いために転写性に優れたプレス素材として用いられうるが、加工する際、歪速度を大きくすると塑性流動が開始するまでに大きな応力が必要となり、割れてしまう場合もある。しかしながら、本発明者らは、上記のような気孔4が分散した加圧成形体2を作製しておくと、初期の応力が小さい場合でも、気孔4の部分に金属ガラスの成分が流動するため、容易に塑性流動が開始し変形しやすいことに着目した。このような気孔の分散した加圧成形体2は変形抵抗が低いため、所望の部品形状に加工しやすく割れを生じにくい。その際、塑性流動が追随できる歪速度すなわち塑性流動速度以下の歪速度で加熱加圧成形することが重要である。このような歪速度で加工すると、最終的に割れずに高密度な成形体が得られ、外形観察や断面観察から塑性流動速度以下の歪速度であることを確認できる。また、特に1/sより速く、かつ、10/s以下の加工歪速度にて加熱加圧成形加工することによって、塑性流動良好となり、高密度の成形体を割れずに所望の形状で作製することが出来る。
【0012】
従来は、金属ガラス成形体の機械的強度を向上させるため、基材粒子を加熱加圧成形する際には、できるだけ金属ガラス成形体の真密度に近づけるよう加圧することが開発の主流であった。そのために、さらに部品形状に加工しようとすると割れを生じる場合があった。一方本発明では、第1工程を設けあえて密度の低い加圧成形体を形成し、これをさらに第2工程で一定範囲の歪速度で加熱加圧成形することで、割れの問題を解消したものである。さらに、上記の歪速度で加熱加圧成形すると、割れが生じないのみならず、最終的に従来に比較して遜色のない高密度すなわち高強度の金属ガラス成形体が得られる。このような気孔4が分散した加圧成形体2は、変形抵抗が小さいため歪速度制御を行うことで加熱加圧成形の際に割れることなく高密度化できるため、割れずに強度の高い金属ガラス成形体を得ることができる。また、変形に必要なプレスパワーを有意に小さくでき、しかも加工の自由度が高い。
【0013】
以下、本発明の製造方法を詳細に説明する。
【0014】
(基材粒子)
本発明で用いられる基材粒子は、金属ガラスを主成分とする。基材粒子が、「金属ガラスを主成分とする」とは、金属ガラス以外の金属元素を含んでもよいことを意味する。金属ガラス以外の金属元素として、例えば、Al、Ni、Cu、Mg、Tiなどの延性が高い金属が挙げられ、中でも好ましくはAlである。これらの金属元素を前記基材粒子に含ませることにより、成形体の割れを防げるという有利な効果を奏する。基材粒子における金属ガラスの含有量は、基材粒子の全質量100質量%に対して50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90〜100質量%であることが特に好ましい。
【0015】
金属ガラスは、非晶質相を有する金属または合金であってガラス転移を示すものであれば特に制限されないが、鉄(Fe)、Ni、Co、Zrのうち1種以上を含む金属ガラスが挙げられる。好ましくは、強磁性を有する鉄(Fe)、Ni、Coのうち1種以上を含む金属ガラスであり、より好ましくは、鉄基金属ガラスである。このような金属ガラスは、強度が高く、しなやか(低ヤング率)であり、耐食性、透磁率、成形加工性、鋳造性、表面平滑性に優れる。前記金属ガラスにおけるFe、Ni、Co、Zrの合計含有量は特に制限されることはないが、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%であることが特に好ましく、75質量%以上であることが最も好ましい。Fe、Ni、Co、Zrの合計含有量の上限値は、特に限定されないが、実質的に99質量%である。上記範囲である場合、高い磁気特性を有する金属ガラス成形体が得られうる。Fe、Ni、Coの合計含有量が50質量%以上であれば、磁気特性を高める上で好ましい。鉄(Fe)を主成分として含むことは、磁気特性、経済性の面でさらに好ましい。なお、「鉄を主成分として含む」または「鉄基金属ガラスである」とは、金属ガラスの主要成分として鉄を含むことを意味する。これは、Ni、Co、Zrについても同様である。また、前記金属ガラスは、Fe以外の成分として、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、リン(P)、炭素(C)、ホウ素(B)、ケイ素(Si)及びモリブデン(Mo)からなる群より選択される1種以上を含むことが好ましい。金属ガラスの具体的な組成について特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。
【0016】
そして、基材粒子に含まれる金属ガラスにおいては、ΔTx=Tx−Tg(ただし、Txは結晶化開始温度を示し、Tgはガラス転移温度を示す)で定義される過冷却温度領域の幅が、好ましくは20K以上である。より好ましくは30K以上であり、さらに好ましくは40K以上である。ΔTxの上限は特に制限されない。金属ガラスが一旦アモルファス状態を脱すると、一気に結晶化してしまい、もはやアモルファス状態には戻らない。結晶化した金属ガラスは非常に硬くて脆いため割れやすくなり、焼結軟磁性材料の強度が非常に低下することとなる。したがって、金属ガラスがアモルファス相を主相とする状態を保持するような構成にすることが好ましい。上記のようなΔTxの金属ガラスを使用することで、金属ガラスをガラス転移点Tg付近で維持させても、金属ガラスはほとんど結晶化することなく、金属ガラスがアモルファス状態を安定的に維持しやすくなる。その結果、金属ガラスの流動性が非常に向上することから成形が容易となり、かつ不定比酸化物の形成を促進することができるため、高い磁気特性を有しつつ強度の高い成形体を得ることができる。
【0017】
基材粒子の平均粒径は、特に限定されないが、1〜4000μmであることが好ましく、1〜400μmであることがなお好ましい。また、1〜100μmであることがより好ましく、1〜50μmであることがさらに好ましく、10〜30μmであることが特に好ましく、20μmであることが最も好ましい。かかる範囲の場合、得られる金属ガラス成形体の密度が大きくなり、強度を向上させることができる。なお、本明細書における平均粒径は、粒度分布測定法により、Pertica(LA−950、HORIBA製)を用いて測定した値を採用するものとする。
【0018】
上述のような金属ガラスを主成分とする基材粒子の調製方法は特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、所定組成の合金を溶融してから高圧ガス噴霧法(ガスアトマイズ法)によって製造するか、または水アトマイズ法を用いて製造することができる。好ましくは、水アトマイズ法が用いられる。
【0019】
(第1工程)
第1工程は、金属ガラスを主成分とする基材粒子の表面を、無機酸化物を含む絶縁材料で被覆して絶縁皮膜を形成し、この基材粒子を加圧成形して、内部に気孔が分散した加圧成形体を得る工程である。
【0020】
第1工程においては、まず、上記の基材粒子の表面を無機酸化物を含む絶縁材料で被覆して絶縁皮膜を形成する。絶縁皮膜は基材粒子の少なくとも一部を覆っていればよい。好ましくは表面全体の50%以上、より好ましいのは80%以上、特に好ましいのは90%以上である。絶縁材料を絶縁皮膜として被覆した粒子を用いると、軟磁性材料に本来要求される高抵抗比といった電気特性が確保されうる。基材粒子を個々に絶縁皮膜で覆うことにより、金属ガラス成形体の渦損を効果的に低減できることから、本発明の金属ガラス成形体は、モータの部品のうち特にロータとして有用である。渦損は回転時に熱を発生し、モータの損失につながるためである。
【0021】
前記無機酸化物は、絶縁性を有するものであれば特に制限されることはなく、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、ホウ素(B)などの酸化物、およびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、アルミニウム(Al)である。特に、酸化アルミニウムを無機酸化物として用いると、基材粒子の強度が向上しうる。
【0022】
金属ガラス粒子の表面を無機酸化物などの絶縁材料で覆う方法として、以下に制限されることはないが、例えば湿式コーティング、流動層コーティング、ゾルゲル法、手塗りなどが挙げられる。絶縁皮膜の厚さは、1nm以上であることが好ましく、10nm〜1000nmであることがより好ましく、50〜100nmであることが特に好ましい。かかる範囲の場合、得られる金属ガラス成形体の電気比抵抗が増大し、渦損を小さくすることができる。
【0023】
次いで、上記のように絶縁皮膜を有する基材粒子を使用し、成形体が内部に気孔が分散した状態になるよう一定の密度になることを狙いとし、通常の加圧焼結装置を使用して加圧成形する。加圧成形の方法は特に制限されないが、例えば、放電プラズマ焼結法(SPS)、ミリ波焼結法、熱間プレス、などが挙げられる。中でも、放電プラズマ焼結法は、簡便、高速で省電力化が可能な方法であり、高品質な成形体が得られるため好ましい。第1工程では、内部に気孔が分散した状態の加圧成形体が得られればよく、材料によっては、必ずしも加熱をする必要はない。
【0024】
狙いとする内部に気孔が分散した加圧成形体は、その密度が金属ガラス成形体の真密度よりも小さい。好ましくは、加圧成形体の密度は、金属ガラス成形体の真密度の95%以下が好ましく、85%以下がより好ましい。特に好ましくは85%である。上記範囲であれば、以下に説明する第2工程において、変形抵抗が小さくなり、変形に必要なプレスパワーが小さくなる。加圧成形体の密度の下限値は特に制限されないが、金属ガラス成形体の真密度の50%以上であれば作業性が高く好適である。ここで、加圧成形体の密度は、電子比重計(型番MD−300S、Alfa Mirage社製)によって測定した値である。真密度は、同じ金属ガラス材料を溶融しバルク材を形成した場合の密度に相当する。
【0025】
同様に、気孔の体積は、前記加圧成形体の体積に対して5%以上であることが好ましい。気孔の体積は上記のような密度の測定から見積もることができる。
【0026】
加圧成形体の内部に気孔が分散されている様子は、例えば、加圧成形体の断面のSEM写真から観察することができる。図2(B)に、本発明の金属ガラス成形体の製造方法において、第1工程で得られた加圧成形体の断面のSEM写真を示す。この加圧成形体の密度は6.3g/cmであり、これは金属ガラス成形体の真密度の85%であった。粒子の間に、空隙部分(図中の黒色部分)が分散して存在していることが確認される。図2(B)の加圧成形体において、原料として用いた基材粒子の組成はFe77Mo10Si(Fe:77原子%、Mo:2原子%、P:10原子%、C:4原子%、B:4原子%、Si:3原子%)であり、平均粒径は20μmである。加圧成形は、430℃の(粉末)温度で、6t/cmの荷重で5分間行った。従来技術との比較のために、真密度の99%まで加圧成形した成形体の断面のSEM写真(図2(A))を併せて示す。真密度付近まで加圧成形した成形体の場合、空隙部分がほとんどみられない。なお、図2(A)の成形体の作製条件は、処理温度(基材粒子の粉末の温度)が480℃であったことを除いては図2(B)のものと同様である。
【0027】
内部に気孔を有する加圧成形体を得るための加圧条件等は、基材粒子となる金属ガラスの種類によって異なる。そのため、上記のように密度測定や観察を行いながら、所望の密度の成形体となるよう適宜加圧条件等を調整することが好ましい。したがって、この範囲に限定はされないが、例を挙げれば1〜10t/cmの荷重で基材粒子を加圧成形することができる。
【0028】
加熱処理温度(基材粒子の粉末の温度)は、Tx未満の温度であることが好ましい。かかる範囲である場合、アモルファス状態を有した加圧成形体を製造することができる。アモルファス状態と結晶化状態とでは、加圧成形体の電気的または磁気的特性が異なる。そのため、鉄心材料として使用することを目的とした場合には、その電気的または磁気的特性からアモルファス状態がより適当であり、加熱処理温度をTx未満とすることが望ましい。処理温度は、より好ましくは(Tx−10)℃以下であり、さらに好ましくは(Tx−40)℃以下である。上記温度は、金属ガラスの組成によって異なるが、例えば、40℃/分の昇温速度でDSC測定を行った場合、Tg:468℃、Tx:512℃の金属ガラス粉末の好ましい成形条件は(Tx−40)℃以下であり、より好ましくは(Tx−80)℃以下である。前記第1工程における加圧成形の時間は、特に限定されないが、好ましくは数分〜数十分であり、より好ましくは数分である。
【0029】
ここで、上記のような温度制御には、例えば、超鋼の金型が用いられうる。この場合、基材粒子の粉末は金型の発熱によっても加熱されうる。金型と内部の粉末または成形体との温度差が、150℃以下であることが好ましく、5〜50℃であることがより好ましい。
【0030】
(第2工程)
第2工程は、内部に気孔が分散した加圧成形体をさらに金属ガラス成分が気孔に流動して生じる塑性流動速度以下の歪速度で、好ましくは1/sより速く、かつ、10/s以下の歪速度で加熱加圧成形(加圧焼結)して、最終的な金属ガラス成形体を割れずに作製する工程である。
【0031】
第2工程は、好ましくは、前記第1工程で内部に気孔が分散した加圧成形体を得た後、加圧しない時間を設けた後に1/sより速く、かつ、10/s以下の歪速度で行う。加圧しない時間は、例えば、1〜100分である。上記のように加圧しない時間を設けることによって、高密度の金属ガラス成形体が得られ、さらに歪速度を制御することによって割れずに焼結体が作製できる。この加圧しない時間の間に、例えば、切出し加工などの工程を行ってもよい。
【0032】
歪速度は、従来公知の加圧焼結装置において一般的に設定されるパラメータである。加圧焼結装置は、通常、荷重をかけるための上下のパンチの間に加圧成形しようとする材料を挟んで配置する。次いで、加熱しながら上方のパンチを固定した下方のパンチに向かって動かすことにより、材料を加圧成形すると共に焼結する。通常の装置において、パンチは材料に応じて一定の歪速度を保ったまま降下するよう制御することが可能である。具体的には、後述する実施例で使用した熱間加工性試験装置(富士電波工機株式会社製 THERMECMASTOR−Z)はこの原理の加圧焼結装置を備えている。したがって、この熱間加工性試験装置と同様の原理で加熱加圧成形(加圧焼結)する装置であれば、本発明に適用でき、歪速度の設定によって本発明の効果を得られる。同様の原理による例として、上下両方のパンチが互いに接近する様に動いて加圧する加圧焼結装置等を挙げることができる。
【0033】
前記第2工程においては、塑性流動速度以下の歪速度で加圧成形体を加熱加圧成形する。塑性流動速度以下の歪速度であれば、塑性流動が歪速度に追随できるために割れが生じることはない。また得られた成形体の外形観察、断面観察などにより歪速度が適切であったことを確認できる。さらに、好ましくは1/sより速く、かつ、10/s以下の歪速度で加圧成形体を加熱加圧成形することができる。加圧条件が上記範囲であれば、高密度の金属ガラス成形体が得られる。加圧成形の方法は特に制限されないが、例えば、放電プラズマ焼結法(SPS)、ミリ波焼結法、熱間プレスなどが挙げられる。好ましくは、放電プラズマ焼結法(SPS)、ミリ波焼結法のような、電磁波プロセスを用いた加熱焼結装置による方法を用いる。中でも、放電プラズマ焼結法は、簡便、高速で省電力化が可能な方法であり、高品質な成形体が得られるため好ましい。加熱処理温度(パンチにて制御する温度)は、420〜520℃であることが好ましい。かかる範囲である場合、アモルファス状態を維持しつつ、緻密な構造を有する金属ガラス成形体材料を製造することができる。より好ましくは、処理温度は、480〜510℃であり、さらに好ましくは490〜500℃である。
【0034】
ここで、パンチを用いる場合、熱電導率の小さい材質のものを用いることが好ましい。これは、加圧成形体の熱がパンチから逃げてしまい加圧成形体の上下部と中央部との間に温度分布が生じることを防ぐためである。
【0035】
前記第2工程における設定温度に到達した後の加圧成形の時間は、特に限定されないが、好ましくは数秒〜数十分であり、より好ましくは数秒〜数分である。
【0036】
第2工程によって得られた金属ガラス成形体の密度は、第1工程終了後の加圧成形体の密度よりも大きく、好ましくは、金属ガラス成形体の真密度の95%を超える。より好ましくは、金属ガラス成形体の真密度の97%以上であり、さらに好ましくは99%以上である。金属ガラス成形体の密度の上限値は特に制限されないが、実質的に金属ガラス成形体の真密度の100%である。金属ガラス成形体は、高密度にプレスされるため空隙部分が減少し、その体積は加圧成形体の体積よりも小さい。また、歪速度の制御を行うことにより、加圧成形体の作製時に割れが発生しない。
【0037】
また、得られた金属ガラス成形体は、好ましくは、断面をSEMで観察した場合、金属ガラスを主成分とする基材粒子のうち、アスペクト比が3以上の粒子が断面積比で30〜80%を占める。より好ましくは、アスペクト比が3以上の粒子が、断面積比率で40〜80%である。図3に本発明の製造方法によって得られた金属ガラス成形体の断面のSEM写真を示す。この金属ガラス成形体は、図2(B)の写真に示した加圧成形体を、さらに第2工程による加熱加圧成形を行って得たものである。第2工程の加熱加圧成形は、500℃の温度で、10/s以下の歪速度で数秒〜数十秒間行った。
この金属ガラス成形体の密度は、真密度の99%であり、上述した図2(A)の写真のものとほぼ同様の値である。しかしながら、金属ガラス成形体中の粒子形状は、1段階で成形した図2(A)のものとは異なり、アスペクト比が3以上の粒子が30〜80%、より好ましくは40〜80%を占める。ここで、金属ガラス成形体中の粒子のアスペクト比は、粒子が球形でない場合、断面における輪郭線上の2点間を結ぶ最大の距離を長辺、最短距離を短辺として長辺/短辺の値を求めた。このような粒子の存在比は図3の画面にて粒子をカウントする方法で求めた。アスペクト比が3以上の粒子が存在することは、基材粒子の形が潰れるほど大きく流動した基材粒子が存在することを意味する。すなわち、第1工程で得られた加圧成形体をさらに加圧加熱することにより、加圧成形体中の粒子がさらに加熱加圧されてさらに流動が起こり、潰されて変形した粒子が増加する。したがって、このような粒子が30%以上であれば、より高い強度を有する金属ガラス成形体が得られる。金属ガラス成形体中のアスペクト比は3以上を目安とするが、機械的強度向上の観点からはアスペクト比は大きいほど好ましく、アスペクト比が3以上の粒子の面積比も大きいほど好ましい。
【0038】
以上説明してきたように、本実施形態は以下の効果を示す。
(a)第1工程で絶縁皮膜を有する金属ガラスを主成分とする基材粒子を加圧成形し内部に気孔が分散した加圧成形体を得、さらに第2工程で特定の歪速度で加熱加圧成形することにより、金属ガラス成形体を部品形状に加工しても、割れが生じない。
(b)さらに、第2工程での変形抵抗が小さいため、加工する部品形状の自由度が大きい。
(c)さらに、第2工程での変形抵抗が小さくプレスパワーが小さくて済むため、部品形状に加工する際のコストが低減できる。
(d)第1工程後の加圧成形体が、金属ガラス成形体の真密度よりも小さく一定範囲であることにより、第2工程での変形抵抗が小さくなり、プレスパワーが小さくなる。
(e)基材粒子が鉄基金属ガラスであることにより、高強度でしなやかな(低ヤング率の)成形体となる。
(f)絶縁被膜中の無機酸化物が酸化アルミニウムであることにより、高比抵抗値になり金属ガラス成形体の渦損を低減できる。
(g)電磁波プロセスを用いた加圧焼結装置を加熱加圧成形に使用すれば、簡便、高速で省電力化が図れる。
【0039】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る加圧成形体は、絶縁皮膜を有し金属ガラスを主成分とする基材粒子を含む加圧成形体であって、内部に気孔が分散して存在する。このような加圧成形体を用い、さらに1/sより速く、かつ、10/s以下の歪速度で加熱加圧成形を行うと、変形に必要なプレスパワーが小さくなり、形状の自由度が向上する。さらに、高密度の金属ガラス成形体を所望の形状に製造する際にも、成形体の割れが発生しない。また、得られる金属ガラス成形体の密度が大きくなり、強度を向上させることができる。
【0040】
前記加圧成形体に空孔が含まれることは、断面をSEM観察する方法によって、または加圧成形体の密度を金属ガラス成形体の真密度と比較することによって確認することができる。
【0041】
この加圧成形体は、特に限定されないが、本発明の第1実施形態に係る製造方法における第1工程に記載の方法によって調製される。前記加圧成形体の形態は上記第1実施形態に記載のものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0042】
本実施形態は、以下のような効果を示す。
(h)加圧成形体が内部に気孔を含んでいることにより、変形抵抗が小さくなるため、その後の加熱加圧成形の際に割れが生じることがなく、様々な部品形状への加工に有用である。
【0043】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る金属ガラス成形体は、絶縁皮膜を有し金属ガラスを主成分とする基材粒子を加圧成形してなる金属ガラス成形体である。さらに、前記金属ガラス成形体の断面において観察される粒子のうち、アスペクト比が3以上の粒子が面積比で30〜80%を占める。面積比は好ましくは40〜80%である。基材粒子のアスペクト比は、成形体の断面をSEMにより観察することによって求めることができる。上記のような形態であれば、強度の高い金属ガラス成形体が得られうる。特に鉄基金属ガラスを主成分とする基材粒子を用いると、成形体の強度がより一層高まり、高い磁気特性が得られうる。
【0044】
前記金属ガラス成形体の好ましい形態は上記第1実施形態に記載のものと同様であるため、ここでは説明を省略する。前記金属ガラス成形体は、特に限定されないが、好ましくは本発明の第1実施形態に係る製造方法によって調製される。第1実施形態に係る製造方法で製造した場合、第1工程で得られた加圧成形体をさらに加圧焼結することにより、加圧成形体中の粒子がさらに加熱加圧されてさらに流動が起こる。このため、潰されて変形した粒子が増加するため、アスペクト比が3以上の粒子が面積比で30〜80%を占める、金属ガラス成形体が得られる。
【0045】
本実施形態は、以下のような効果を示す。
(i)アスペクト比が3以上の粒子が面積比で30〜80%を占めることにより、高い強度を有する金属ガラス成形体となる。
【0046】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る鉄心材料は、上記第1実施形態の金属ガラス成形体の製造方法によって得られる金属ガラス成形体または第3実施形態の金属ガラス成形体を適用する。または、上記第2実施形態の加圧成形体をさらに第1実施形態で示した条件によって加熱加圧成形して得られる金属ガラス成形体を適用する。本発明に係る鉄心材料は、例えば電動モータ用のロータなどに適用することができ、高強度で鉄損の少ないコアを低コストかつ高い部品形状の自由度で実現することができる。同時に、小型モータへの適用可能なレベルの高磁気特性(本明細書においては、高軟磁性)及び高強度を有する。
【0047】
本実施形態は、以下のような効果を示す。
(j)本発明の金属ガラス成形体を使用することにより、高強度で高磁気特性の鉄心材料となる。
【0048】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係るモータは、第4実施形態の鉄心材料をコア材として使用する。高強度で鉄損の少ないコアを用いることで、大きな出力トルクを小型モータで実現することができる。
【0049】
本実施形態は、以下のような効果を示す。
(k)本発明の金属ガラス成形体を使用した鉄心材料が高強度で高磁気特性であるため、これをコア材として使用したモータは大きな出力トルクが得られ小型化できる。
(l)本発明の鉄心材料は渦損を低減できることから、特にモータ中のロータとして有用である。
【0050】
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態に係る車両は、第5実施形態のモータを搭載する。モータの小型化によって、エンジンルームの中の自由度を一層高めることが可能となる。
【0051】
本実施形態は、以下のような効果を示す。
(m)本発明の金属ガラス成形体を使用したモータを搭載することにより、モータが小型化できるため、エンジンルーム内の自由度が高くなる。
【実施例】
【0052】
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
【0053】
<試料の調製>
(実施例)
Feを主成分とする、平均粒径20μmの金属ガラス粉末(基材粒子)としてFe77Mo10Si(Fe:77原子%、Mo:2原子%、P:10原子%、C:4原子%、B:4原子%、Si:3原子%)210gを準備した。上記の金属ガラス粉末は、44Kの過冷却温度領域ΔTxを有していることを確認した(Tg:741K、Tx:785K)。
【0054】
第1工程として、まず、上記金属ガラス粉末に、溶媒(酢酸3−メチルブチル)に薄めた、絶縁コート剤であるアルミニウム酸化物(商品名:コート剤 AL−03−P、株式会社高純度化学研究所製)を塗布する湿式コーティングを行った。なお、形成された絶縁皮膜の厚さは50〜100nmであった。
【0055】
この金属ガラス粉末に、荷重6t/cmをかけながら、温度380℃(金型にて温度制御し、粉末温度を430℃、即ち金型と焼結される基材粒子の集合体との温度差を50℃に維持)で5分間SPS焼結を行った。この工程により、直径40mm×長さ25mmの加圧成形体を成形した。ここで、得られた加圧成形体の密度は6.3g/cmであり、加圧成形体の密度は真密度の85%であることを確認した。
【0056】
次いで、第2工程として、この加圧成形体から直径8mm×長さ5mmの円筒形の試験片を切出し、熱間加工性試験装置(THERMECMASTOR−Z)(富士電波工機株式会社製)にて加熱しながら加圧する熱間圧縮変形試験を行った。熱間加工性試験装置は、電磁波プロセスを用いた加圧焼結装置を備えている。熱間変形データを測定するに際して、ジルコニアパンチを使用した。さらに、パンチと試験片との間にハイス鋼を入れることで、試験片上下部と中央部の温度差を15℃以下とした。加熱温度500℃とし、後掲の表1に示すような1/sより速く、かつ、10/s以下の歪速度の条件で変形抵抗を測定した。具体的には、実施例1では10/s、実施例2では1.001/sとした。
【0057】
次いで、熱間加工性試験装置のシステムソフトFDCPRG(富士電波工機株式会社製)にて、試験過程で収録された荷重とストローク変位量を基に自動演算を行い、加圧成形体の真応力と真歪を測定した。また、第1工程後に得られた加圧成形体の一部の断面をSEMにより観察したところ、内部に気孔が分散している様子が観察された。さらに、第2工程後に得られた金属ガラス成形体の割れの有無を目視で観察した。少しでも成形体にひびの入った状態は割れがあるとしたが、実施例1および2の金属ガラス成形体にはまったく割れは観察されなかった。この結果から、歪速度が塑性流動速度以下であったことが分かる。
【0058】
(比較例1)
第1工程は、金属ガラス粉末を温度380℃(粉末温度430℃)にてSPS焼結を行い、密度が金属ガラス成形体の真密度の85%である加圧成形体を成形した。それ以外の条件も実施例1と同様とした。第2工程は、10/sより速い30/sの歪速度で加熱加圧成形を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で金属ガラス成形体を得た。また、実施例1と同様の方法で、変形抵抗の測定ならびに得られた加圧成形体および金属ガラス成形体の評価を行った。比較例1では、得られた金属ガラス成形体は、加圧焼結の間に粉々に割れてしまった。
【0059】
実施例および比較例で得られた試験片の加熱、加圧の際の変形抵抗を表1に示す。また、歪速度に対する変形抵抗を図4に示す。図4中、実施例および比較例の結果は四角形の印で示した。
【0060】
【表1】

【0061】
表1および図4の結果から、歪速度が1/sより速く、かつ10/s以下である実施例1および実施例2の金属ガラス成形体は、加工歪速度は10/sより速い比較例1の成形体より、変形抵抗が大幅に低くなっていることが分かる。さらに、実施例1および2では、割れずに加工することができた。
【0062】
実施例1および2の場合は、加圧成形体の密度が小さいため、さらに加熱加圧された際に、アモルファス状態の金属ガラスが気孔の部分に流動し、流動度を大きくすることができる。そのため、加圧成形体中の基材粒子同士の界面強度を大きくすることができる。そのため、実施例1の加圧成形体の変形に必要なプレスパワーは小さくなり、変形抵抗が小さくなったと考えられる。また、従来技術による金属ガラス成形体は、高密度で内部における気孔の分散が認められないため、変形抵抗が非常に高くなった。そのため、昇温した場合であっても十分に流動が起こらなかった。
【0063】
また、歪速度が遅すぎると焼結体(第2工程中の加圧成形体)の粘性率が上がり割れが発生する。逆に、歪速度が速すぎると焼結体の変形速度が追いつかなくなり割れてしまう。そのため、割れずに適切な変形ができる歪速度領域(1/sより速く、かつ、10/s以下)にて、加工を行った実施例1および2の焼結体は割れずに変形できた。これに対し、歪速度30/sにて加工を行った比較例1の焼結体は、変形抵抗の値は小さいものの、歪速度が速すぎることから、焼結体の変形速度が追随できず割れた。
【0064】
したがって、本発明の製造方法によれば、内部に気孔が分散した加圧成形体を作製することで変形抵抗を小さくできる。さらに1/sより速く、かつ、10/s以下の歪速度で加熱加圧成形を行うことによって、部品形状の自由度を高め、必要とするプレスパワーを抑えられ、焼結体を割れずに加工することができることがわかる。
【符号の説明】
【0065】
1 基材粒子、
2 加圧成形体、
3 金属ガラス成形体、
4 気孔、
5 絶縁皮膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ガラスを主成分とする基材粒子の表面を、無機酸化物を含む絶縁材料で被覆して絶縁皮膜を形成し、該基材粒子を加圧成形して、内部に気孔が分散した加圧成形体を得る第1工程と、
前記加圧成形体を、金属ガラス成分が気孔に流動して生じる塑性流動速度以下の歪速度で加熱加圧成形して金属ガラス成形体を得る第2工程と、
を含む、金属ガラス成形体の製造方法。
【請求項2】
前記歪速度が1/sより速く、かつ、10/s以下である、請求項1に記載の金属ガラス成形体の製造方法。
【請求項3】
前記加圧成形体の密度が、金属ガラス成形体の真密度の50〜95%である、請求項1または請求項2に記載の金属ガラス成形体の製造方法。
【請求項4】
前記基材粒子が、鉄基金属ガラスである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属ガラス成形体の製造方法。
【請求項5】
前記無機酸化物が、酸化アルミニウムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属ガラス成形体の製造方法。
【請求項6】
前記基材粒子の平均粒径が1〜4000μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属ガラス成形体の製造方法。
【請求項7】
前記第2工程において、電磁波プロセスを用いた加圧焼結装置により前記加圧成形体を加熱加圧成形する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属ガラス成形体の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属ガラス成形体の製造方法の第1工程によって得られる、加圧成形体。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属ガラス成形体の製造方法によって得られる金属ガラス成形体または請求項8に記載の加圧成形体を用いた金属ガラス成形体であって、
前記金属ガラス成形体の断面において観察される粒子のうち、アスペクト比が3以上の粒子が面積比で30〜80%を占める、金属ガラス成形体。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属ガラス成形体の製造方法によって得られる金属ガラス成形体、または請求項9に記載の金属ガラス成形体を用いた鉄心材料。
【請求項11】
請求項8に記載の加圧成形体をさらに加熱加圧成形して得られる金属ガラス成形体を用いた鉄心材料。
【請求項12】
請求項10または11に記載の鉄心材料を用いたモータ。
【請求項13】
請求項12に記載のモータを搭載した車両。

【図1】
image rotate

【図4】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−1588(P2011−1588A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144655(P2009−144655)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】