説明

金属リングの積載方法

【課題】金属リングを金属リング用搬送ラックに簡易な方法で積載し、工数の低減を図ることができる金属リングの積載技術を提供することを課題とする。
【解決手段】ロボットハンド41、41を矢印(5)のように、縮める。金属リング11の外力は除去され、金属リング11は想像線で示す金属リング11の形状となり、金属リング用搬送ラック10に係止められる。
【効果】ロボットハンドにて複数個の金属リングを多角形開口部から金属リング用搬送ラック内へ挿入するので、一度に金属リングを金属リング用搬送ラックに係止めすることができる。結果、金属リングを金属リング用搬送ラックに簡易な方法で積載し、工数の低減を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性復元力を備えた金属リングを金属リング用搬送ラックに積載する金属リングの積載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属リング用搬送ラックには、金属リングの弾性復元力を利用して金属リングを保持するものが知られている(例えば、特許文献1(図1、図2)参照。)。
【0003】
図10は従来技術に係る金属リングの積載方法の基本原理を説明する図であり、金属リング用搬送ラック100は、金属リング101が段積みされる段積み式のラックである。
金属リング101はベルトコンベア102で、所定の位置に移動され、リフト103によって上方に押し上げられる。所定の位置で金属リング101は拡げ手段104により内側から所定の方向が長くなるように拡げられる。金属リング101は、搬送装置105によって段積み式の金属リング用搬送ラック100に積載される。
【0004】
拡げ手段104は、一つの金属リング101を金属リング用搬送ラック100に積載してからリフト103上に戻る。そして、次の金属リング101を内側から所定の方向が長くなるように拡げる。
しかし、金属リング101は、一つずつ金属リング用搬送ラック100に積載されるため、全数を金属リング用搬送ラック100に積載し終えるまでに、時間及び工数が増大する。すなわち、金属リングを金属リング用搬送ラックに簡易な方法で積載し、工数の低減を図ることができる金属リングの積載技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−240086公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、金属リングを金属リング用搬送ラックに簡易な方法で積載し、工数の低減を図ることができる金属リングの積載技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、軸が水平になるようにして置かれ弾性変形可能で外力を除去すると真円状になる金属リング、及びこの金属リングの周長よりも大きな周長の多角形開口部を有する金属リング用搬送ラックとを準備する工程と、複数個の前記金属リングの中に複数個のロボットハンドを挿入する工程と、これらのロボットハンドを拡げることで前記複数個の金属リングを前記多角形開口部の形状に倣うように弾性変形させる変形工程と、前記ロボットハンドにて前記複数個の金属リングを前記多角形開口部から前記金属リング用搬送ラック内へ挿入する工程と、前記ロボットハンドを縮めることで前記金属リングへの外力を除去し、前記金属リングを前記金属リング用搬送ラックに係止める工程と、前記ロボットハンドを前記金属リング用搬送ラックから撤去する工程と、からなることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、金属リング用搬送ラック内へ挿入する工程は、ロボットハンドにて複数個の金属リングを金属リング用搬送ラックの一方の多角形開口部から金属リング用搬送ラック内へ挿入して金属リング用搬送ラックの一部に積載し、積載した金属リングとは別の金属リングを金属リング用搬送ラックの他方の多角形開口部から金属リング用搬送ラック内へ挿入して金属リング用搬送ラックの残部に積載することを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、金属リング用搬送ラックは、熱処理炉に装入可能な耐熱性を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明では、複数個の金属リングの中に複数個のロボットハンドを挿入する工程と、これらのロボットハンドを拡げることで複数個の金属リングを多角形開口部の形状に倣うように弾性変形させる変形工程と、を有する。ロボットハンドにて複数個の金属リングを多角形開口部から金属リング用搬送ラック内へ挿入するので、一度に金属リングを金属リング用搬送ラックに係止めすることができる。結果、金属リングを金属リング用搬送ラックに簡易な方法で積載し、工数の低減を図ることができる。
【0011】
請求項2に係る発明では、ロボットハンドで、金属リング用搬送ラックに一方の開口部から金属リングを挿入し、次に他方の開口部から金属リングの残りを挿入する。仮に金属リング用搬送ラックが軸方向に長い場合、ロボットハンドを長くして多くの金属リングを持たせるとロボットハンドに負荷が掛かる。そのため、多くの金属リングを金属リング用搬送ラックに積載させることが難しい。この点、本発明では、金属リング用搬送ラックの両側の多角形開口部から金属リングを積載するので、ロボットハンドの負荷を軽減し、多くの金属リングを金属リング用搬送ラックに積載することができる。
【0012】
請求項3に係る発明では、金属リング用搬送ラックは、熱処理炉に装入可能な耐熱性を有している。金属リング用搬送ラックは、熱処理炉に装入可能となる。搬送工程に続けて熱処理工程が実施できるため、生産効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る金属リング用搬送ラックの正面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】金属リング用搬送ラックの左側面図である。
【図4】金属リングの中にロボットハンドを挿入する工程を説明する図である。
【図5】変形工程を説明する図である。
【図6】金属リング用搬送ラック内へ挿入する工程を説明する図である。
【図7】金属リングを金属リング用搬送ラックに掛止める工程を説明する図である。
【図8】金属リング用搬送ラックが使用されるバッチ式窒化炉の平面図である。
【図9】金属リングを両側の多角形開口部から金属リング用搬送ラックに積載する工程を説明する図である。
【図10】従来技術に係る金属リングの積載方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0015】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、金属リング11の軸12は、図表裏方向に延びており、軸12直角方向の外力により弾性変形する。
金属リング用搬送ラック10は、金属リング11を囲う枠体13と、この枠体13に渡され金属リング11の左右側方を軸12に沿って延びる左方メンバー14、中央メンバー15及び右方メンバー16と、枠体13に渡され金属リング11の下方を軸12に沿って延びる下方メンバー21〜24とを備える。
【0016】
金属リング11は、外力がなければ略真円形状であるが、金属リング用搬送ラック10に載置されると外力により楕円状となる。金属リング11は弾性復元力により真円形状に戻ろうとするが、左方メンバー14、中央メンバー15及び右方メンバー16の位置が、軸12よりも高い位置にあるので、金属リング11が下方メンバー21〜24から浮かび上がることはない。
枠体13は、棒材、パイプ材及び板材の少なくとも1つの部材で構成されている。
また、金属リング用搬送ラック10は、軸12方向に開口する金属リング11の周長よりも大きな周長の多角形開口部17を有する。
【0017】
なお、実施例においては、金属リング11の列を2列としたがこれに限定されず、1列、3列等、金属リングを金属リング用搬送ラック10に載置できれば差し支えない。また、実施例において多角形開口部17は四角形としたが、六角形や八角形等でもよく、金属リング11の周長よりも大きな周長の多角形開口部17であれば差し支えない。また、枠体13、左方メンバー14、中央メンバー15及び右方メンバー16の材質は、窒化処理等の各種の熱処理が施される最中に、棒状突起26及びストッパ部材27の構成元素が金属リング11に拡散することに対する障壁として機能する元素、物質から構成されるか、又はそれら元素、物質のメッキが施されているもの等、耐熱性を有している材質であれば差し支えない。
【0018】
次に金属リング用搬送ラック10の要部について説明する。
図2に示されるように、金属リング用搬送ラック10は、中央メンバー15に設けられ金属リング11の外周面25を受ける受け部材26と、中央メンバー15から受け部材26を挟むようにして延ばされ金属リング11が軸(図1、符号12)方向移動することを制限するストッパ部材27とを備える。
【0019】
また、同様にして、図1に示した下方メンバー21〜24、左方メンバー14及び右方メンバー16に金属リング11の外周面25を受ける受け部材26が設けられ、下方メンバー21〜24、左方メンバー14及び右方メンバー16から受け部材26を挟むようにして金属リング11が軸12方向移動することを制限するストッパ部材27が延ばされている。
【0020】
なお、金属リング11を中央メンバー15を境にして図左右において交互に載置することで、窒化処理を行う際、窒素が十分に行き届き良好に窒化処理を行うことができる。また、下方メンバー21〜24、左方メンバー14及び右方メンバー16において、棒状突起26及びストッパ部材27は溶接されている。溶接以外であっても、圧入等、棒状突起26及びストッパ部材27がメンバー14〜16、21〜24に設けられていれば差し支えない。また、棒状突起26及びストッパ部材27の材質は、窒化処理等の各種の熱処理が施される最中に、棒状突起26及びストッパ部材27の構成元素が金属リング11に拡散することに対する障壁として機能する元素、物質から構成されるか、又はそれら元素、物質のメッキが施されているものとする。
【0021】
次に金属リング用搬送ラック10に金属リングを複数個載置した状態について説明する。
図3に示されるように、金属リング用搬送ラック10に、金属リング11を軸12に沿って複数個載置する。金属リング11はストッパ部材27により軸12方向移動することを制限されているので、隣り合う金属リング11同士が接触することはない。
【0022】
また、上記に説明した内容をもって、軸12が水平になるようにして置かれ弾性変形可能で外力を除去すると真円状になる金属リング11、及びこの金属リング11の周長よりも大きな周長の多角形開口部17を有する金属リング用搬送ラック10とを準備する工程とする。
なお、実施例では、金属リング11を16個連続させて載置したが、これに限定されず、5個、10個等、1個又は複数個並んであれば差し支えない。
【0023】
以上の述べた金属リング用搬送ラック10の作用を次に述べる。
次に金属リング11の中にロボットハンドを挿入する工程を説明する。
図4に示されるように、リフト31の上部に整列ストッカー32が設けられている。整列ストッカー32は、柱部材33と、柱部材33に段を為して設けられている複数の棚部34と、棚部34に設けられている棚部多角形開口部35とからなる。
【0024】
汎用ロボットのロボットアーム36の先端に変形機構37が設けられ、この変形機構37に複数のロボットハンド41が互いに接近又は互いに遠ざかる方向に移動可能に設けられている。ロボットハンド41は、複数の山部42と、複数の谷部43とからなり、ロボットハンド41が広がると、谷部43金属リングが掛かる構造となっている。なお、実施例においては、ロボットハンド41は2個であるが、3個、4個等でもよく、多角形開口部(図1、符号17)の形状に合わせてロボットハンド41が広がれば差し支えない。
【0025】
ロボットハンド41の作用について説明する。金属リング11は、コンベア44に運ばれて仮置き台45に置かれる。仮置き台45に置かれた金属リング11は、シリンダ46により、押しロッド47を介して棚部34に収納される。一つの金属リング11が棚部34に収納されたら、棚部34はリフト31により一段昇降され、次の棚部34に金属リング11が収納される。
【0026】
複数個の金属リング11が整列ストッカー32に収納されたら、複数個のロボットハンド41が棚部多角形開口部17に挿入されると共に、複数個の金属リング11の中に挿入される。
【0027】
次に変形工程について説明する。
図5に示されるように、ロボットハンド41、41を矢印(1)のように拡げることで、金属リング11を棚部多角形開口部35形状に倣うように弾性変形させる。すると、金属リング11は、想像線で示す金属リング11の形状になる。なお、棚部多角形開口部35は、多角形開口部(図1、符号17)の形状と略同一である。また、棚部多角形開口部35より、弾性変形した想像線で示す金属リング11の方が小さい。
【0028】
次に金属リング用搬送ラック10内へ挿入する工程について説明する。
図6(a)は整列ストッカー32から金属リング11を取り出す工程を説明する図であり、矢印(2)のようにロボットハンド41を上昇させ、金属リング11を整列ストッカー32から取り出す。ロボットハンド41を矢印(3)のように90°回転させ、金属リングの軸12が水平になる。
【0029】
図6(b)は金属リング用搬送ラック10内へ挿入する工程を説明する図であり、ロボットハンド41を矢印(4)のように移動させ、金属リング11を多角形開口部17から金属リング用搬送ラック10内へ挿入する。
【0030】
次に係止める工程について説明する。
図7に示されるように、ロボットハンド41、41を矢印(5)のように、縮める。金属リング11の外力は除去され、金属リング11は想像線で示す金属リング11の形状となり、金属リング用搬送ラック10に係止められる。なお、挿入された複数個の金属リング11が一度に係止められるので、作業の効率化を図ることができる。
【0031】
次に熱処理工程としての窒化処理を例示して説明する。
図8に示されるように、バッチ式窒化炉51は、壁部52と、壁部52の一面に設けられた扉53と、この扉53の反対側の壁部52に設けられたファン54と、壁部52に設けられたヒータ55、56とからなる。
【0032】
金属リング11を載置した金属用搬送ラック10をバッチ式窒化炉51に入れ、扉53を閉める。バッチ式窒化炉51内にアンモニア等の窒化ガスを供給し、ヒータ55、56により窒化温度、例えば500℃に温度を上昇させる。ファン54により、窒化ガスを対流させ、バッチ式窒化炉51内の温度分布を略均一にする。このとき、金属リング11と金属リング用搬送ラック10の接点の温度が、金属リング11のその他の部分の温度と略同一になる。
【0033】
窒化ガスは、金属リング11の表面から進入し、内部に拡散することで表面に窒化層を形成する。また、棒状突起26及びストッパ部材27は、棒状突起26及びストッパ部材27の構成元素が金属リング11に拡散することに対する障壁として機能する元素、物質の被膜層が形成されているので、棒状突起26及びストッパ部材27の構成元素が金属リング11に拡散することを防ぎ、金属リング11の窒化を良好に行うことができる。
【0034】
ロボットハンド41を金属リング用搬送ラック10から撤去する工程を説明すると、熱処理を終えた金属リング11及び金属リング用搬送ラック10をバッチ式窒化炉51から取り出す。この後、ロボットハンド41を金属リング用搬送ラック10から撤去する。
【0035】
次に複数個の金属リングの中に複数個のロボットハンドを挿入する工程の別態様を説明する。
図9に示されるように、金属リング用搬送ラック10は、反転機構61に配置されている。ロボットハンド41にて複数個の金属リング11を矢印(6)のように、金属リング用搬送ラック10の一方の多角形開口部17から金属リング用搬送ラック10内へ挿入して金属リング用搬送ラック10の一部に積載する。そして、反転機構61を反転させ、積載した金属リング11とは想像線で示す別の金属リング11を想像線で示す金属リング用搬送ラック10の他方の多角形開口部17から金属リング用搬送ラック10内へ挿入して金属リング用搬送ラック10の残部に積載する。
なお、この方法で積載された金属リング11に熱処理を施しても差し支えない。
【0036】
以上に述べた金属リング用搬送ラック10の作用効果を以下に記載する。
上記の図3に示されるように、軸12が水平になるようにして置かれ弾性変形可能で外力を除去すると真円状になる金属リング11、及びこの金属リング11の周長よりも大きな周長の多角形開口部17を有する金属リング用搬送ラック10とを準備する工程と、図4に示す複数個の金属リング11の中に複数個のロボットハンド41を挿入する工程と、図5に示すこれらのロボットハンド41を拡げることで複数個の金属リング11を多角形開口部17の形状に倣うように弾性変形させる変形工程と、図6に示すロボットハンド41にて複数個の金属リング11を多角形開口部17から金属リング用搬送ラック10内へ挿入する工程と、図7に示すロボットハンド41を縮めることで金属リング11への外力を除去し、金属リング11を金属リング用搬送ラック10に係止める工程と、図8に示す熱処理工程と、ロボットハンド41を金属リング用搬送ラック10から撤去する工程と、からなる。
【0037】
この工程により、ロボットハンド41にて複数個の金属リング11を多角形開口部17から金属リング用搬送ラック10内へ挿入するので、一度に金属リング11を金属リング用搬送ラック10に係止めすることができる。結果、金属リング11を金属リング用搬送ラック10に簡易な方法で積載し、工数の低減を図ることができる。
【0038】
上記の図9に示されるように、金属リング用搬送ラック10内へ挿入する工程は、ロボットハンド41にて複数個の金属リング11を金属リング用搬送ラック10の一方の多角形開口部17から金属リング用搬送ラック10内へ挿入して金属リング用搬送ラック10の一部に積載し、積載した金属リング11とは別の金属リング11を金属リング用搬送ラック10の他方の多角形開口部17から金属リング用搬送ラック10内へ挿入して金属リング用搬送ラック10の残部に積載する。
【0039】
この工程により、ロボットハンド41で、金属リング用搬送ラック10に一方の開口部17から金属リング11を挿入し、次に他方の開口部17から金属リング11の残りを挿入する。仮に金属リング用搬送ラック10が軸方向に長い場合、ロボットハンド41を長くして多くの金属リング11を持たせるとロボットハンド41に負荷が掛かる。そのため、多くの金属リング11を金属リング用搬送ラック10に積載させることが難しい。この点、本発明では、金属リング用搬送ラック10の両側の多角形開口部17、17から金属リング11を積載するので、ロボットハンド41の負荷を軽減し、多くの金属リング11を金属リング用搬送ラック10に積載することができる。
【0040】
上記の図8に示されるように、金属リング用搬送ラック10は、熱処理炉51(バッチ式窒化炉51)に装入可能な耐熱性を有している。
この工程により、金属リング用搬送ラック10は、熱処理炉51に装入可能となる。搬送工程に続けて熱処理工程が実施できるため、生産効率を高めることができる。
【0041】
尚、本発明の金属リングの積載方法及び熱処理方法は、実施の形態では窒化処理に適用したが、浸硫処理等、他の熱処理に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の金属リングの積載方法及び熱処理方法は、CVT用の金属リングの窒化に好適である。
【符号の説明】
【0043】
10…金属リング用搬送ラック、11…金属リング、12…金属リングの軸、17…多角形開口部、26…受け部材(棒状突起)、27…ストッパ部材、32…整列ストッカー、35…棚部多角形開口部、41…ロボットハンド、51…熱処理炉(バッチ式窒化炉)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸が水平になるようにして置かれ弾性変形可能で外力を除去すると真円状になる金属リング、及びこの金属リングの周長よりも大きな周長の多角形開口部を有する金属リング用搬送ラックとを準備する工程と、
複数個の前記金属リングの中に複数個のロボットハンドを挿入する工程と、
これらのロボットハンドを拡げることで前記複数個の金属リングを前記多角形開口部の形状に倣うように弾性変形させる変形工程と、
前記ロボットハンドにて前記複数個の金属リングを前記多角形開口部から前記金属リング用搬送ラック内へ挿入する工程と、
前記ロボットハンドを縮めることで前記金属リングへの外力を除去し、前記金属リングを前記金属リング用搬送ラックに係止める工程と、
前記ロボットハンドを前記金属リング用搬送ラックから撤去する工程と、
からなることを特徴とする金属リングの積載方法。
【請求項2】
前記金属リング用搬送ラック内へ挿入する工程は、
前記ロボットハンドにて前記複数個の金属リングを前記金属リング用搬送ラックの一方の前記多角形開口部から前記金属リング用搬送ラック内へ挿入して前記金属リング用搬送ラックの一部に積載し、
積載した前記金属リングとは別の前記金属リングを前記金属リング用搬送ラックの他方の前記多角形開口部から前記金属リング用搬送ラック内へ挿入して前記金属リング用搬送ラックの残部に積載することを特徴とする請求項1記載の金属リングの積載方法。
【請求項3】
前記金属リング用搬送ラックは、熱処理炉に装入可能な耐熱性を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の金属リングの積載方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−51667(P2012−51667A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194329(P2010−194329)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】