金属板入りの芯材
【課題】扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる芯材において、強度的に強く、面材の反りを矯正できるような芯材を開発する。その際、現場の状況にあわせてその厚さを調整するための表面の鉋加工が可能な構成とし、さらに、できるだけ軽量の芯材とする。
【解決手段】木質系の中間層と2枚の金属板層と木質系の2枚の表層からなる5層構造で、中間層の厚さが表層の厚さの2倍〜20倍、表層の厚さが2.5〜5.5mm、金属板層の厚さが0.25〜1.00mm、中間層の厚さが11〜50mmで、金属板が表面皮膜処理を施した鋼板である金属板入りの芯材を提供する。
【解決手段】木質系の中間層と2枚の金属板層と木質系の2枚の表層からなる5層構造で、中間層の厚さが表層の厚さの2倍〜20倍、表層の厚さが2.5〜5.5mm、金属板層の厚さが0.25〜1.00mm、中間層の厚さが11〜50mmで、金属板が表面皮膜処理を施した鋼板である金属板入りの芯材を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる金属板入りの芯材に関するものであり、さらに詳しくは、以下に示す構成を有する金属板入りの芯材に関するものである。
<構成1>
扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる芯材において、全体が中間層と2枚の金属板層と2枚の表層からなる5層構造を有しており、該5層構造のうちの中間層が合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材から構成され、該中間層の上面と下面に夫々金属板層が配設され、さらにこの2枚の金属板層の外面に合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材からなる表層が配設されており、上記5層構造の隣接する各層が互いに接着され、全体が圧接着によって一体として形成されており、中間層の厚さが表層の厚さの2倍〜20倍の範囲内であることを特徴とする金属板入りの芯材。
<構成2>
2枚の金属板層の夫々の外面に接着されている表層の厚さが、夫々2.5〜5.5mmの範囲内であることを特徴とする、構成1に記載の金属板入りの芯材。
<構成3>
2層の金属板層の厚さが、夫々0.25〜1.00mmの範囲内であることを特徴とする、構成1あるいは構成2に記載の金属板入りの芯材。
<構成4>
中間層の厚さが11〜50mmの範囲内であることを特徴とする、構成1あるいは構成2あるいは構成3に記載の金属板入りの芯材。
<構成5>
金属板層を構成する金属板が、表面皮膜処理を施した鋼板であることを特徴とする構成1あるいは構成2あるいは構成3あるいは構成4に記載の金属板入りの芯材。
<構成6>
金属板層を構成する金属板が、ガルバリウム鋼板あるいは亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする構成5に記載の金属板入りの芯材。
【背景技術】
【0002】
扉や壁体や家具等を構成する板材に関しては、合板の製作技術が発達する以前は大径木や中径木から切り出された一枚板で構成されるのが一般的であったが、合板の製作技術が発達するにつれて、一枚板で構成された板材は余り見られなくなった。また、合板を用いる場合にても、合板から棒状に切り出した枠材にて所望の寸法の枠体を形成し、各片を構成する枠材間にやはり合板から棒状に切り出した芯材を渡設して枠体と芯材から成るフレームを構成し、このフレームの表面と裏面に面材と呼ばれる比較的薄い合板あるいは単板を接着して扉や壁体や家具等を構成する板材としている場合が多い。
【0003】
しかしながら、上記のように、フレームの表面と裏面に面材を接着して構成した場合、全体が強度的に弱くなるという問題と、湿気や圧力によって面材に反りが生じ、この反りがフレームを変形させ、結局板材全体の形状を歪めてしまうという問題点が指摘されていた。面材に反りが生じるのは防止できないので、板材全体の形状をできるだけ変形しないように保つためには、必然的にフレームの強度が問題となる。すなわち、フレームの強度が増せば、面材の反りを押えて、結局板材全体の変形は防止できる。このような観点から、フレームを構成する部材、とくに芯材について、従来のような合板から切り出した芯材では得られない強度のある芯材の開発が希求されていた。
【0004】
強度確保という観点からするならば、木質部と金属部を組み合わせた合板から芯材を作ることにより、所望の効果を得るということが考えられる。すなわち、木質部に組み合わされた金属部により、強度の確保が図られ、ひいては板材の変形防止につながる。そのような木質部と金属部を組み合わせた合板そのものは公知技術であって、例えば、下記特許文献1に記載の「建築物における構造用合板」においては、木材からなる複数の薄板と金属からなる複数の薄板からなる構造用合板が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構造用合板は、前記目的における芯材としては用いることのできないものである。確かに、特許文献1に記載の構造用合板を切断して棒状に形成するならば芯材として用いることは可能ではあるが、しかし、特許文献1に記載の構造用合板は表面と裏面に金属板が接着されているため、その厚さが完全に限定されてしまうという欠点を有している。
【0006】
枠材と芯材からなるフレームの表面と裏面に面材を接着して板材とする場合には、完成品の板材がどのような目的に使用されるものであるかによって、その厚さが規定されてくる。すなわち、いかなる扉や壁体や家具等に、どのように使用されるかによって、求められる厚さが異なってくる。したがって、通常は、枠材や芯材を購入した加工業者によって枠材や芯材の表面が鉋で切削され、表裏に面材を接着したときに、ちょうど適切な厚さとなるように加工されるのが一般的である。
【0007】
しかるに、特許文献1に記載の構造用合板のように表面と裏面に金属板が接着されている場合には、厚さが完全に限定されてしまうので、使用目的に応じた厚さの調節という重要なステップが不可能となる。また、特許文献1の図1に見るように、木質部と金属部の厚さが略同一で、金属部が多数配設されている場合には全体の重量が重いものとなり、用途によってはかえって不向きな場合が多い。例えば、扉用の板材における芯材として用いる場合には、余りに金属部が多いと完成品の扉の重量が重くなり、開閉機構にも悪影響を与えかねない。さらに、金属部が多くなればなるほど価格面で高価なものとなるという問題点も指摘される。
【0008】
次に、下記特許文献2には、同じように木質部と金属部からなる「木質合板構造」が開示されている。特許文献2の「木質合板構造」は表面と裏面が木質部であるから、この「木質合板構造」から切り出した芯材においては、表面と裏面の木質部に鉋をかけることが可能であり、この芯材を購入して加工業者は、この芯材の厚みを施工箇所に要求される厚みに調整することが可能である。しかしながら、特許文献2の「木質合板構造」から切り出した芯材においては、中間層が一層の金属材質であり、これに木質材からなる表面層と裏面層を貼り合わせた3層構造であるため、充分な強度を確保できないという欠点を有していた。すなわち、このような構成の芯材をフレームに用いた場合には、実際には面材の反りに対抗できず、板材全体の変形を招くという結果が避けられなかった。
【特許文献1】特許第2939798号公報
【特許文献2】実用新案登録第3070985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上より、本発明の課題を、以下のように設定した。
<課題1>
扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる芯材において、面材の反りの影響を受けることなく、さらには面材の反りを低減し、あるいは矯正することができ、結果として板材全体の変形を防止できるに足る強度を有する芯材を開発する。
<課題2>
扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる芯材は、該芯材を購入した加工業者が、現場の状況にあわせてその厚さを調整するのが一般的であり、その際には芯材表面に鉋がけをして微妙な厚さの調整を正確に行う。したがって、新たに開発される芯材においても、現場の状況にあわせてその厚さを調整するための鉋加工が可能な構成とする。
<課題3>
芯材の重量が重くなると、それによって構成される扉や壁体や家具等の製品重量も重くなるので、充分な強度を確保しつつ、できるだけ軽量の芯材とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、以下に記載の解決手段を提供するものである。
<解決手段1>
扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる芯材において、全体が中間層と2枚の金属板層と2枚の表層からなる5層構造を有しており、該5層構造のうちの中間層が合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材から構成され、該中間層の上面と下面に夫々金属板層が配設され、さらにこの2枚の金属板層の外面に合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材からなる表層が配設されており、上記5層構造の隣接する各層が互いに接着され、全体が圧接着によって一体として形成されており、中間層の厚さが表層の厚さの2倍〜20倍の範囲内であることを特徴とする金属板入りの芯材。
<解決手段2>
2枚の金属板層の夫々の外面に接着されている表層の厚さが、夫々2.5〜5.5mmの範囲内であることを特徴とする、解決手段1に記載の金属板入りの芯材。
<解決手段3>
2層の金属板層の厚さが、夫々0.25〜1.00mmの範囲内であることを特徴とする、解決手段1あるいは解決手段2に記載の金属板入りの芯材。
<解決手段4>
中間層の厚さが11〜50mmの範囲内であることを特徴とする、解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3に記載の金属板入りの芯材。
<解決手段5>
金属板層を構成する金属板が、表面皮膜処理を施した鋼板であることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3あるいは解決手段4に記載の金属板入りの芯材。
<解決手段6>
金属板層を構成する金属板が、ガルバリウム鋼板あるいは亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする解決手段5に記載の金属板入りの芯材。
【発明の効果】
【0011】
本発明の解決手段1の発明によれば、扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる芯材において、全体が中間層と2枚の金属板層と2枚の表層からなる5層構造を有しており、該5層構造のうちの中間層が合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材から構成され、該中間層の上面と下面に夫々金属板層が配設され、さらにこの2枚の金属板層の外面に合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材からなる表層が配設されており、上記5層構造の隣接する各層が互いに接着され、全体が圧接着によって一体として形成されているので、2枚の金属板層が補強材の役割を果たし、金属板層を有しない通常の芯材と比較して、全体が強度的にはるかに丈夫に構成され、特にたわみからの復元力が格段に向上する。すなわち、これにより面材の反りの影響を受けることなく、さらには面材の反りを低減し、あるいは矯正することができ、結果として板材全体の変形を防止することが可能となる。
【0012】
この効果は、2枚の金属板層が木質系の板材から構成された中間層を挟着する構成によりはじめて得られるものである。すなわち、2枚の金属板層を有することによって、たわみからの復元力が格段に向上することが、実験により確認されている。この点は、後の実施例の項にて詳細に記述される。
【0013】
また、本発明の解決手段1に記載の発明によれば、中間層の厚さが表層の厚さの2倍〜20倍の範囲内であるので、2枚の金属板層が芯材の略両面から中間層を挟着する状態となり、上記の強度の確保及びたわみからの復元力の増大が、より確実に保証され得るものである。もし、仮に、中間層の厚さが表層の厚さの2倍を下回ってしまうと、芯材の中間に金属層1枚を有する事例と近いものとなり、2枚の金属層の固有の働きが弱められてしまう。また、中間層の厚さが表層の厚さの20倍を越えてしまうと、実際の使用にあたっては、芯材全体の厚さには自ずから限界値があり、表層がごく薄いものとなって、これに鉋加工をして厚さの調節をするということが無意味になってくる。このような要因から、中間層の厚さが表層の厚さの2倍〜20倍の範囲内という数値限定が導かれたものである。
【0014】
本発明の解決手段2に記載の発明によれば、2枚の金属板層の夫々の外面に接着されている表層の厚さが夫々2.5〜5.5mmの範囲内であるので、鉋加工を施すために充分な厚さを備えている。すなわち、表層としては通常合板が用いられるが、合板の規格中最も薄いものが2.5mm厚の合板であり、表層としてこの2.5mm厚の合板を用いれば、鉋加工を施すための充分な厚さを確保できる。無論、厚さ2.5mmを下回る木質材にても鉋加工は可能であるが、その場合には厚さ2.5mmを下回る木質材をわざわざ製造しなければならないので、現実的ではない。したがって、鉋加工を施すために充分な厚さとして、厚さ2.5mmを最小値としたものである。
【0015】
また、最大値の5.5mmもやはり合板の規格の中にある厚さである。厚さ5.5mmの合板の次の厚さは、規格品では7mmあるいは9mmとなるが、表層にこれだけの厚さの合板を用いた場合、後述のタッカーの針が、金属板層を貫いて中間層に打ち込まれるのが場合によっては難しくなる。したがって、表層の厚さの最大値を5.5mmとしたものである。
【0016】
次に、本発明の解決手段3の発明によれば、2層の金属板層の厚さが、夫々0.25〜1.00mmの範囲内であるので、芯材全体において充分な強度とたわみからの復元力を確保することができる。すなわち金属板層の厚さが0.25mmを下回ると、金属板というより金属箔に近くなり、充分な強度の確保が難しくなるし、たわみからの復元力も低下する。また金属板層の厚さが1.00mmを越えると重量的に重いものとなってしまうし、また、後述の接合用のタッカーの針が打ち抜ける厚さの限界を越えてしまう。したがって、充分な強度とたわみからの復元力を確保できかつ全体を軽量に仕上げられ、接合用のタッカーの針が打ち抜くことのできる金属板層の厚さとして、0.25〜1.00mmという範囲を設定したものである。
【0017】
また、本発明の解決手段4の発明によれば、中間層の厚さが11〜50mmの範囲内であるので、中間層としては充分な厚さが確保される。また、表層の厚さは解決手段2から2.5〜5.5mmの範囲内、金属板層の厚さは解決手段3から0.25〜1.00mmの範囲内であるので、ここからすると芯材全体の厚さは16.5mm〜63mmとなるが、この範囲は、扉や壁体や家具等を構成する板材の芯材としては充分な厚さであり、広く多方面の応用が可能となる。
【0018】
本発明の解決手段5の発明によれば、金属板層を構成する金属板が、表面皮膜処理を施した鋼板であるので、木質部に含まれる水分や環境から浸入する水分によって生じる錆の発生を抑えることができる。また、本発明の解決手段6に記載のガルバリウム鋼板は、鋼板にアルミニウム、亜鉛、シリコンからなるめっき層を有しており、特に防湿性に優れた鋼板として知られているので、金属板層にこのガルバリウム鋼板を用いることにより金属板層の耐久性は通常の鋼板の3〜6倍に向上する。さらに、やはり解決手段6に記載の亜鉛めっき鋼板は、ガルバリウム鋼板に比較すると防湿性はやや劣るものの安価であるところから、低価格で金属板層の耐久性の向上を図れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は本発明の実施例1の金属板入りの芯材の一部を切欠し一部を省略した外観斜視図であり、図2は実施例1の金属板入りの芯材の一部を省略した右側面図であり、図3は実施例1の金属板入りの芯材を枠材に連結した状態を示す一部を省略した説明図であり、図4は実施例1の金属板入りの芯材を用いて構成した板材の一部を省略した説明図である。
【0021】
本発明の実施例1の金属板入りの芯材1の構成は、図1、図2に示すとおりである。すなわち、本発明の実施例1の金属板入りの芯材1は、全体が中間層2と2枚の金属板層3,4と2枚の表層5,6からなる5層構造を有しており、該5層構造のうちの中間層2が合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材から構成され、該中間層2の上面と下面に夫々金属板層3,4が配設され、さらにこの2枚の金属板層3,4の外面に合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材からなる表層5,6が配設されており、上記5層構造の隣接する各層が互いに接着され、全体が圧接着によって一体として形成されている。なお、図1〜図3にては、中間層2は4層構造にも見えるが、中間層2は4枚の単板を接着して一体化した合板として描かれており、中間層2としてはあくまでも1層である。
【0022】
中間層2の厚さD2(図2参照)が表層5の厚さD5、あるいは表層6の厚さD6の2倍〜20倍の範囲内とされている。また、表層D5、D6の厚さは夫々2.5〜5.5mmの範囲内であり、2層の金属板層3,4の厚さD3,D4は夫々0.25〜1.00mmの範囲内であり、中間層2の厚さD2は11〜50mmの範囲内である。さらに、金属板層3,4を構成する金属板は表面皮膜処理を施した鋼板であって、具体的には、ガルバリウム鋼板あるいは亜鉛めっき鋼板等を用いることができる。なお、D1は芯材1の全体の厚さで、前述のように16.5mm〜63mmとなる。
【0023】
次に、本発明の実施例1の金属板入りの芯材1の作用を、図2〜図4を参照しながら詳細に説明する。本発明の実施例1の金属板入りの芯材1は、一例として図4に示すような使用方法にて用いられる。すなわち、図4にてBは扉や壁体や家具等を構成する板材であるが、板材BはフレームFの表裏に面材E1、E2を接着して構成されている。面材E1、E2は、通常は合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板からなる木質部材である。
【0024】
フレームFは木質部材のみからなる4本の枠材w、w、w、wを長方形状に組み合わせて枠体Wが構成され、長手方向に実施例1の金属板入りの芯材1が2本渡設されている。また、短手方向には、木質部材のみからなる複数の芯材c、c、……が渡設されている。枠材w、芯材1、芯材cの相互の連結は、タッカーと呼称される専用の道具(図示せず)によって行われるが、図4にては打ちこまれた状態のタッカーの針をTNで示している。このようにしてフレームFが完成すると、このフレームFの表面に面材E1を、裏面に面材E2を接着する。これにより、板材Bが完成する。
【0025】
図3は枠体wと実施例1の金属板入りの芯材1の接合部分を示したもので、タッカーの針TNによって接合されている。タッカーの針TNは、事務用のステープラの針(図示せず)に形状が似ているが、事務用のステープラの針(図示せず)より頑強に造られていて、1.00mmまでの厚さの鋼板であれば打ち抜くことができる。
【0026】
タッカーの針TNの断面寸法ND1は約1mmであり、脚部NLの長さND2は10mmと6mmの2タイプがある。各種実験から、脚部NLの長さND2は表層5の厚さD5の2倍程度あれば固定には充分であることが判明しているので、例えば表層5の厚さD5が最小値の2.5mmであった場合には脚部NLの長さND2が6mmのタッカーの針TNを用いれば充分である。
【0027】
また、厚さD5が最大値の5.5mmの場合には、脚部NLの長さND2が10mmのタッカーの針TNを用いても理論的にはやや不足となるが、専用のタッカー(図示せず)にて打ちこむことにより、図3に見るように、タッカーの針TNの頭部NHは表層5の表面に完全に埋没されるので、断面寸法ND1(約1mm)分だけ芯材1内部に深く進入する。したがって、厚さD5が最大値の5.5mmの場合にても脚部NLの長さND2が10mmのタッカーの針TNを用いることにより充分に固定が可能となる。また、タッカーの針TNの頭部NHは表層5、及び枠材wの表面に完全に埋設されて表面に突出することがないので、枠材wの表面及び芯材1の表層5の表面に面材E1を接着する際にもなんら妨げにはならない。なお、実施例1の金属板入り芯材1においては、図5に示すように、図2の右側面を表面に、左側面を裏面に位置させて用いるという方法も、むろん可能である。
【0028】
図6には、愛知県産業技術研究所において行った、実施例1の金属板入り芯材の強度試験の結果を示す。試験は、本発明の実施例1として、3種の試料を用い、対照の比較例として、合板のみからなる略同一サイズの3種の試料の試験も行った。実施例1の試料1−1は厚さD1が24.3mm、幅W1が25mm、長さL1が500mmであり、試料1−2は厚さD1が24.3mm、幅W1が30mm、長さL1が500mmであり、試料1−3は厚さD1が24.3mm、幅W1が35mm、長さL1が500mmである。これに対し、比較例においては、試料C−1は厚さd1が24.0mm、幅w1が25mm、長さl1が500mmであり、試料C−2は厚さd1が24.0mm、幅w1が30mm、長さl1が500mmであり、試料C−3は厚さd1が24.0mm、幅w1が35mm、長さl1が500mmである。したがって、実施例1の試料1−1に比較例の試料C−1が略対応し、実施例1の試料1−2に比較例の試料C−2が略対応し、実施例1の試料1−3に比較例の試料C−3が略対応する。
【0029】
試験は、夫々の試料に対して、曲げ強さ(N/mm2)、たわみ(mm)、残留たわみ(mm)の3点について行った。試験方法は、曲げ強さに関しては、JIS Z 2101 木材の試験方法に基づいて行った。スパンは420mmとし、その中央部分に荷重をかけ、試料が破壊されたときの限界荷重を曲げ強さ(N/mm2)とした。夫々の試料において、試験体数は2とし、その平均値を結果とした。また、たわみ(mm)については、曲げ強さの限界荷重の2分の1の荷重をかけて計測を行った。したがって、荷重は一定ではなく、各試料において異なっている。なお、たわみ試験においては、夫々の試料の試験体数は1である。
【0030】
さらに残留たわみ(mm)については、たわみ(mm)測定後に荷重を取り去り、充分な時間を経て残留しているたわみを計測した。なお、図6のX方向は、荷重の方向を示している。また、詳細な試験結果については、図7〜18に愛知県産業技術研究所の成績書のコピーを添付している。さらに、図19〜図22は曲げ強さの試験を行っている状態の写真であり、図番号が大きくなるにつれて荷重が大になり、資料の変形が大になっている状態を示す。なお、この写真の試料は試料1−1である。また、図23はたわみと残留たわみの試験を行っている状態の写真であり、図24はたわみと残留たわみの試験の全景の写真である。なお、この2枚の写真の試料も試料1−1である。
【0031】
曲げ強さに関しては、実施例1の試料1−1〜1−3のいずれにおいても、比較例のC−1〜C−3に比べて、顕著な改善を見た。すなわち、実施例1の試料1−1と比較例の試料C−1の比較では約17%の改善、試料1−2と比較例の試料C−2の比較では約44%の改善、試料1−3と比較例の試料C−3の比較では約16%の改善を見ている。合板の種類や接着状態によって、試料ごとに数値のばらつきが生じることを考えても、全試料において15%以上の改善が見られ、場合によっては40%を越える改善も見られたということは、本発明の実施例1において、強度の増大が確実に確保されていることを示すものである。
【0032】
次に、たわみ及び残留たわみの計測であるが、これについては、実は残留たわみ(mm)をたわみ(mm)で除した残留たわみ率(%)が重要な要因となる。すなわち、残留たわみ率(%)は試料のたわみからの復元力を示すもので、この数値が小さいほど復元力が強く、変形させようとする力に対して強いことになる。今、実施例1の試料1−1〜1−3と比較例のC−1〜C−3を比べて見ると、その結果は歴然としており、試料1−1と試料C−1の比較では、残留たわみ率(%)は半分になり、試料1−2と試料C−2の比較においては、3分の1以下、試料1−3と試料C−3の比較においては3分の1強となっている。この試験結果からしても、実施例1の金属板入りの芯材が、面材の反りに強く対抗し、結果として板材全体の変形を防ぐ効果を実際に有していることは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の金属板入りの芯材は、建築の構造材用として、あるいは建具や家具用として、今後に幅広い用途が期待されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の一部を切欠し一部を省略した外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の一部を省略した右側面図である
【図3】本発明の実施例1の金属板入りの芯材を枠材に連結した状態を説明するための、一部を省略した説明図である。
【図4】本発明の実施例1の金属板入りの芯材を用いて構成した板材の一部を切欠した説明図である。
【図5】本発明の実施例1の金属板入りの芯材を用いて構成した板材の一部を切欠した説明図である。
【図6】本発明の実施例1の金属板入りの芯材を比較例と比較して行った試験方法の説明図及び試験結果を示す表である。
【図7】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例の試験成績書の表紙の複写である。
【図8】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例の試験成績書の試験方法及び試験結果を表示するページの複写である。
【図9】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の他の1例の試験成績書の表紙の複写である。
【図10】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の他の1例の試験成績書の試験方法及び試験結果を表示するページの複写である。
【図11】本発明の実施例1の金属板入りの芯材のさらに他の1例の試験成績書の表紙の複写である。
【図12】本発明の実施例1の金属板入りの芯材のさらに他の1例の試験成績書の試験方法及び試験結果を表示するページの複写である。
【図13】従来の合板製の芯材の1例の試験成績書の表紙の複写である。
【図14】従来の合板製の芯材の1例の試験成績書の試験方法及び試験結果を表示するページの複写である。
【図15】従来の合板製の芯材の他の1例の試験成績書の表紙の複写である。
【図16】従来の合板製の芯材の他の1例の試験成績書の試験方法及び試験結果を表示するページの複写である。
【図17】従来の合板製の芯材のさらに他の1例の試験成績書の表紙の複写である。
【図18】従来の合板製の芯材のさらに他の1例の試験成績書の試験方法及び試験結果を表示するページの複写である。
【図19】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例に関して曲げ強さ試験を実施している状態の写真である。
【図20】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例に関して曲げ強さ試験を実施している状態の写真である。
【図21】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例に関して曲げ強さ試験を実施している状態の写真である。
【図22】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例に関して曲げ強さ試験を実施している状態の写真である。
【図23】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例に関してたわみ試験を実施している状態の写真である。
【図24】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例に関してたわみ試験を実施している状態の、試験機械の略全体を撮影した写真である。
【符号の説明】
【0035】
1 芯材
2 中間層
3 金属板層
4 金属板層
5 表層
6 表層
B 板材
D1 厚さ
D2 厚さ
D3 厚さ
D4 厚さ
D5 厚さ
D6 厚さ
E1 面材
E2 面材
F フレーム
L1 長さ
ND1 断面寸法
ND2 長さ
NH 頭部
NL 脚部
TN タッカーの針
W 枠体
W1 幅
X 方向
c 芯材
d1 厚さ
l1 長さ
w 枠材
w1 幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる金属板入りの芯材に関するものであり、さらに詳しくは、以下に示す構成を有する金属板入りの芯材に関するものである。
<構成1>
扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる芯材において、全体が中間層と2枚の金属板層と2枚の表層からなる5層構造を有しており、該5層構造のうちの中間層が合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材から構成され、該中間層の上面と下面に夫々金属板層が配設され、さらにこの2枚の金属板層の外面に合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材からなる表層が配設されており、上記5層構造の隣接する各層が互いに接着され、全体が圧接着によって一体として形成されており、中間層の厚さが表層の厚さの2倍〜20倍の範囲内であることを特徴とする金属板入りの芯材。
<構成2>
2枚の金属板層の夫々の外面に接着されている表層の厚さが、夫々2.5〜5.5mmの範囲内であることを特徴とする、構成1に記載の金属板入りの芯材。
<構成3>
2層の金属板層の厚さが、夫々0.25〜1.00mmの範囲内であることを特徴とする、構成1あるいは構成2に記載の金属板入りの芯材。
<構成4>
中間層の厚さが11〜50mmの範囲内であることを特徴とする、構成1あるいは構成2あるいは構成3に記載の金属板入りの芯材。
<構成5>
金属板層を構成する金属板が、表面皮膜処理を施した鋼板であることを特徴とする構成1あるいは構成2あるいは構成3あるいは構成4に記載の金属板入りの芯材。
<構成6>
金属板層を構成する金属板が、ガルバリウム鋼板あるいは亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする構成5に記載の金属板入りの芯材。
【背景技術】
【0002】
扉や壁体や家具等を構成する板材に関しては、合板の製作技術が発達する以前は大径木や中径木から切り出された一枚板で構成されるのが一般的であったが、合板の製作技術が発達するにつれて、一枚板で構成された板材は余り見られなくなった。また、合板を用いる場合にても、合板から棒状に切り出した枠材にて所望の寸法の枠体を形成し、各片を構成する枠材間にやはり合板から棒状に切り出した芯材を渡設して枠体と芯材から成るフレームを構成し、このフレームの表面と裏面に面材と呼ばれる比較的薄い合板あるいは単板を接着して扉や壁体や家具等を構成する板材としている場合が多い。
【0003】
しかしながら、上記のように、フレームの表面と裏面に面材を接着して構成した場合、全体が強度的に弱くなるという問題と、湿気や圧力によって面材に反りが生じ、この反りがフレームを変形させ、結局板材全体の形状を歪めてしまうという問題点が指摘されていた。面材に反りが生じるのは防止できないので、板材全体の形状をできるだけ変形しないように保つためには、必然的にフレームの強度が問題となる。すなわち、フレームの強度が増せば、面材の反りを押えて、結局板材全体の変形は防止できる。このような観点から、フレームを構成する部材、とくに芯材について、従来のような合板から切り出した芯材では得られない強度のある芯材の開発が希求されていた。
【0004】
強度確保という観点からするならば、木質部と金属部を組み合わせた合板から芯材を作ることにより、所望の効果を得るということが考えられる。すなわち、木質部に組み合わされた金属部により、強度の確保が図られ、ひいては板材の変形防止につながる。そのような木質部と金属部を組み合わせた合板そのものは公知技術であって、例えば、下記特許文献1に記載の「建築物における構造用合板」においては、木材からなる複数の薄板と金属からなる複数の薄板からなる構造用合板が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構造用合板は、前記目的における芯材としては用いることのできないものである。確かに、特許文献1に記載の構造用合板を切断して棒状に形成するならば芯材として用いることは可能ではあるが、しかし、特許文献1に記載の構造用合板は表面と裏面に金属板が接着されているため、その厚さが完全に限定されてしまうという欠点を有している。
【0006】
枠材と芯材からなるフレームの表面と裏面に面材を接着して板材とする場合には、完成品の板材がどのような目的に使用されるものであるかによって、その厚さが規定されてくる。すなわち、いかなる扉や壁体や家具等に、どのように使用されるかによって、求められる厚さが異なってくる。したがって、通常は、枠材や芯材を購入した加工業者によって枠材や芯材の表面が鉋で切削され、表裏に面材を接着したときに、ちょうど適切な厚さとなるように加工されるのが一般的である。
【0007】
しかるに、特許文献1に記載の構造用合板のように表面と裏面に金属板が接着されている場合には、厚さが完全に限定されてしまうので、使用目的に応じた厚さの調節という重要なステップが不可能となる。また、特許文献1の図1に見るように、木質部と金属部の厚さが略同一で、金属部が多数配設されている場合には全体の重量が重いものとなり、用途によってはかえって不向きな場合が多い。例えば、扉用の板材における芯材として用いる場合には、余りに金属部が多いと完成品の扉の重量が重くなり、開閉機構にも悪影響を与えかねない。さらに、金属部が多くなればなるほど価格面で高価なものとなるという問題点も指摘される。
【0008】
次に、下記特許文献2には、同じように木質部と金属部からなる「木質合板構造」が開示されている。特許文献2の「木質合板構造」は表面と裏面が木質部であるから、この「木質合板構造」から切り出した芯材においては、表面と裏面の木質部に鉋をかけることが可能であり、この芯材を購入して加工業者は、この芯材の厚みを施工箇所に要求される厚みに調整することが可能である。しかしながら、特許文献2の「木質合板構造」から切り出した芯材においては、中間層が一層の金属材質であり、これに木質材からなる表面層と裏面層を貼り合わせた3層構造であるため、充分な強度を確保できないという欠点を有していた。すなわち、このような構成の芯材をフレームに用いた場合には、実際には面材の反りに対抗できず、板材全体の変形を招くという結果が避けられなかった。
【特許文献1】特許第2939798号公報
【特許文献2】実用新案登録第3070985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上より、本発明の課題を、以下のように設定した。
<課題1>
扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる芯材において、面材の反りの影響を受けることなく、さらには面材の反りを低減し、あるいは矯正することができ、結果として板材全体の変形を防止できるに足る強度を有する芯材を開発する。
<課題2>
扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる芯材は、該芯材を購入した加工業者が、現場の状況にあわせてその厚さを調整するのが一般的であり、その際には芯材表面に鉋がけをして微妙な厚さの調整を正確に行う。したがって、新たに開発される芯材においても、現場の状況にあわせてその厚さを調整するための鉋加工が可能な構成とする。
<課題3>
芯材の重量が重くなると、それによって構成される扉や壁体や家具等の製品重量も重くなるので、充分な強度を確保しつつ、できるだけ軽量の芯材とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、以下に記載の解決手段を提供するものである。
<解決手段1>
扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる芯材において、全体が中間層と2枚の金属板層と2枚の表層からなる5層構造を有しており、該5層構造のうちの中間層が合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材から構成され、該中間層の上面と下面に夫々金属板層が配設され、さらにこの2枚の金属板層の外面に合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材からなる表層が配設されており、上記5層構造の隣接する各層が互いに接着され、全体が圧接着によって一体として形成されており、中間層の厚さが表層の厚さの2倍〜20倍の範囲内であることを特徴とする金属板入りの芯材。
<解決手段2>
2枚の金属板層の夫々の外面に接着されている表層の厚さが、夫々2.5〜5.5mmの範囲内であることを特徴とする、解決手段1に記載の金属板入りの芯材。
<解決手段3>
2層の金属板層の厚さが、夫々0.25〜1.00mmの範囲内であることを特徴とする、解決手段1あるいは解決手段2に記載の金属板入りの芯材。
<解決手段4>
中間層の厚さが11〜50mmの範囲内であることを特徴とする、解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3に記載の金属板入りの芯材。
<解決手段5>
金属板層を構成する金属板が、表面皮膜処理を施した鋼板であることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3あるいは解決手段4に記載の金属板入りの芯材。
<解決手段6>
金属板層を構成する金属板が、ガルバリウム鋼板あるいは亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする解決手段5に記載の金属板入りの芯材。
【発明の効果】
【0011】
本発明の解決手段1の発明によれば、扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる芯材において、全体が中間層と2枚の金属板層と2枚の表層からなる5層構造を有しており、該5層構造のうちの中間層が合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材から構成され、該中間層の上面と下面に夫々金属板層が配設され、さらにこの2枚の金属板層の外面に合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材からなる表層が配設されており、上記5層構造の隣接する各層が互いに接着され、全体が圧接着によって一体として形成されているので、2枚の金属板層が補強材の役割を果たし、金属板層を有しない通常の芯材と比較して、全体が強度的にはるかに丈夫に構成され、特にたわみからの復元力が格段に向上する。すなわち、これにより面材の反りの影響を受けることなく、さらには面材の反りを低減し、あるいは矯正することができ、結果として板材全体の変形を防止することが可能となる。
【0012】
この効果は、2枚の金属板層が木質系の板材から構成された中間層を挟着する構成によりはじめて得られるものである。すなわち、2枚の金属板層を有することによって、たわみからの復元力が格段に向上することが、実験により確認されている。この点は、後の実施例の項にて詳細に記述される。
【0013】
また、本発明の解決手段1に記載の発明によれば、中間層の厚さが表層の厚さの2倍〜20倍の範囲内であるので、2枚の金属板層が芯材の略両面から中間層を挟着する状態となり、上記の強度の確保及びたわみからの復元力の増大が、より確実に保証され得るものである。もし、仮に、中間層の厚さが表層の厚さの2倍を下回ってしまうと、芯材の中間に金属層1枚を有する事例と近いものとなり、2枚の金属層の固有の働きが弱められてしまう。また、中間層の厚さが表層の厚さの20倍を越えてしまうと、実際の使用にあたっては、芯材全体の厚さには自ずから限界値があり、表層がごく薄いものとなって、これに鉋加工をして厚さの調節をするということが無意味になってくる。このような要因から、中間層の厚さが表層の厚さの2倍〜20倍の範囲内という数値限定が導かれたものである。
【0014】
本発明の解決手段2に記載の発明によれば、2枚の金属板層の夫々の外面に接着されている表層の厚さが夫々2.5〜5.5mmの範囲内であるので、鉋加工を施すために充分な厚さを備えている。すなわち、表層としては通常合板が用いられるが、合板の規格中最も薄いものが2.5mm厚の合板であり、表層としてこの2.5mm厚の合板を用いれば、鉋加工を施すための充分な厚さを確保できる。無論、厚さ2.5mmを下回る木質材にても鉋加工は可能であるが、その場合には厚さ2.5mmを下回る木質材をわざわざ製造しなければならないので、現実的ではない。したがって、鉋加工を施すために充分な厚さとして、厚さ2.5mmを最小値としたものである。
【0015】
また、最大値の5.5mmもやはり合板の規格の中にある厚さである。厚さ5.5mmの合板の次の厚さは、規格品では7mmあるいは9mmとなるが、表層にこれだけの厚さの合板を用いた場合、後述のタッカーの針が、金属板層を貫いて中間層に打ち込まれるのが場合によっては難しくなる。したがって、表層の厚さの最大値を5.5mmとしたものである。
【0016】
次に、本発明の解決手段3の発明によれば、2層の金属板層の厚さが、夫々0.25〜1.00mmの範囲内であるので、芯材全体において充分な強度とたわみからの復元力を確保することができる。すなわち金属板層の厚さが0.25mmを下回ると、金属板というより金属箔に近くなり、充分な強度の確保が難しくなるし、たわみからの復元力も低下する。また金属板層の厚さが1.00mmを越えると重量的に重いものとなってしまうし、また、後述の接合用のタッカーの針が打ち抜ける厚さの限界を越えてしまう。したがって、充分な強度とたわみからの復元力を確保できかつ全体を軽量に仕上げられ、接合用のタッカーの針が打ち抜くことのできる金属板層の厚さとして、0.25〜1.00mmという範囲を設定したものである。
【0017】
また、本発明の解決手段4の発明によれば、中間層の厚さが11〜50mmの範囲内であるので、中間層としては充分な厚さが確保される。また、表層の厚さは解決手段2から2.5〜5.5mmの範囲内、金属板層の厚さは解決手段3から0.25〜1.00mmの範囲内であるので、ここからすると芯材全体の厚さは16.5mm〜63mmとなるが、この範囲は、扉や壁体や家具等を構成する板材の芯材としては充分な厚さであり、広く多方面の応用が可能となる。
【0018】
本発明の解決手段5の発明によれば、金属板層を構成する金属板が、表面皮膜処理を施した鋼板であるので、木質部に含まれる水分や環境から浸入する水分によって生じる錆の発生を抑えることができる。また、本発明の解決手段6に記載のガルバリウム鋼板は、鋼板にアルミニウム、亜鉛、シリコンからなるめっき層を有しており、特に防湿性に優れた鋼板として知られているので、金属板層にこのガルバリウム鋼板を用いることにより金属板層の耐久性は通常の鋼板の3〜6倍に向上する。さらに、やはり解決手段6に記載の亜鉛めっき鋼板は、ガルバリウム鋼板に比較すると防湿性はやや劣るものの安価であるところから、低価格で金属板層の耐久性の向上を図れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は本発明の実施例1の金属板入りの芯材の一部を切欠し一部を省略した外観斜視図であり、図2は実施例1の金属板入りの芯材の一部を省略した右側面図であり、図3は実施例1の金属板入りの芯材を枠材に連結した状態を示す一部を省略した説明図であり、図4は実施例1の金属板入りの芯材を用いて構成した板材の一部を省略した説明図である。
【0021】
本発明の実施例1の金属板入りの芯材1の構成は、図1、図2に示すとおりである。すなわち、本発明の実施例1の金属板入りの芯材1は、全体が中間層2と2枚の金属板層3,4と2枚の表層5,6からなる5層構造を有しており、該5層構造のうちの中間層2が合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材から構成され、該中間層2の上面と下面に夫々金属板層3,4が配設され、さらにこの2枚の金属板層3,4の外面に合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材からなる表層5,6が配設されており、上記5層構造の隣接する各層が互いに接着され、全体が圧接着によって一体として形成されている。なお、図1〜図3にては、中間層2は4層構造にも見えるが、中間層2は4枚の単板を接着して一体化した合板として描かれており、中間層2としてはあくまでも1層である。
【0022】
中間層2の厚さD2(図2参照)が表層5の厚さD5、あるいは表層6の厚さD6の2倍〜20倍の範囲内とされている。また、表層D5、D6の厚さは夫々2.5〜5.5mmの範囲内であり、2層の金属板層3,4の厚さD3,D4は夫々0.25〜1.00mmの範囲内であり、中間層2の厚さD2は11〜50mmの範囲内である。さらに、金属板層3,4を構成する金属板は表面皮膜処理を施した鋼板であって、具体的には、ガルバリウム鋼板あるいは亜鉛めっき鋼板等を用いることができる。なお、D1は芯材1の全体の厚さで、前述のように16.5mm〜63mmとなる。
【0023】
次に、本発明の実施例1の金属板入りの芯材1の作用を、図2〜図4を参照しながら詳細に説明する。本発明の実施例1の金属板入りの芯材1は、一例として図4に示すような使用方法にて用いられる。すなわち、図4にてBは扉や壁体や家具等を構成する板材であるが、板材BはフレームFの表裏に面材E1、E2を接着して構成されている。面材E1、E2は、通常は合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板からなる木質部材である。
【0024】
フレームFは木質部材のみからなる4本の枠材w、w、w、wを長方形状に組み合わせて枠体Wが構成され、長手方向に実施例1の金属板入りの芯材1が2本渡設されている。また、短手方向には、木質部材のみからなる複数の芯材c、c、……が渡設されている。枠材w、芯材1、芯材cの相互の連結は、タッカーと呼称される専用の道具(図示せず)によって行われるが、図4にては打ちこまれた状態のタッカーの針をTNで示している。このようにしてフレームFが完成すると、このフレームFの表面に面材E1を、裏面に面材E2を接着する。これにより、板材Bが完成する。
【0025】
図3は枠体wと実施例1の金属板入りの芯材1の接合部分を示したもので、タッカーの針TNによって接合されている。タッカーの針TNは、事務用のステープラの針(図示せず)に形状が似ているが、事務用のステープラの針(図示せず)より頑強に造られていて、1.00mmまでの厚さの鋼板であれば打ち抜くことができる。
【0026】
タッカーの針TNの断面寸法ND1は約1mmであり、脚部NLの長さND2は10mmと6mmの2タイプがある。各種実験から、脚部NLの長さND2は表層5の厚さD5の2倍程度あれば固定には充分であることが判明しているので、例えば表層5の厚さD5が最小値の2.5mmであった場合には脚部NLの長さND2が6mmのタッカーの針TNを用いれば充分である。
【0027】
また、厚さD5が最大値の5.5mmの場合には、脚部NLの長さND2が10mmのタッカーの針TNを用いても理論的にはやや不足となるが、専用のタッカー(図示せず)にて打ちこむことにより、図3に見るように、タッカーの針TNの頭部NHは表層5の表面に完全に埋没されるので、断面寸法ND1(約1mm)分だけ芯材1内部に深く進入する。したがって、厚さD5が最大値の5.5mmの場合にても脚部NLの長さND2が10mmのタッカーの針TNを用いることにより充分に固定が可能となる。また、タッカーの針TNの頭部NHは表層5、及び枠材wの表面に完全に埋設されて表面に突出することがないので、枠材wの表面及び芯材1の表層5の表面に面材E1を接着する際にもなんら妨げにはならない。なお、実施例1の金属板入り芯材1においては、図5に示すように、図2の右側面を表面に、左側面を裏面に位置させて用いるという方法も、むろん可能である。
【0028】
図6には、愛知県産業技術研究所において行った、実施例1の金属板入り芯材の強度試験の結果を示す。試験は、本発明の実施例1として、3種の試料を用い、対照の比較例として、合板のみからなる略同一サイズの3種の試料の試験も行った。実施例1の試料1−1は厚さD1が24.3mm、幅W1が25mm、長さL1が500mmであり、試料1−2は厚さD1が24.3mm、幅W1が30mm、長さL1が500mmであり、試料1−3は厚さD1が24.3mm、幅W1が35mm、長さL1が500mmである。これに対し、比較例においては、試料C−1は厚さd1が24.0mm、幅w1が25mm、長さl1が500mmであり、試料C−2は厚さd1が24.0mm、幅w1が30mm、長さl1が500mmであり、試料C−3は厚さd1が24.0mm、幅w1が35mm、長さl1が500mmである。したがって、実施例1の試料1−1に比較例の試料C−1が略対応し、実施例1の試料1−2に比較例の試料C−2が略対応し、実施例1の試料1−3に比較例の試料C−3が略対応する。
【0029】
試験は、夫々の試料に対して、曲げ強さ(N/mm2)、たわみ(mm)、残留たわみ(mm)の3点について行った。試験方法は、曲げ強さに関しては、JIS Z 2101 木材の試験方法に基づいて行った。スパンは420mmとし、その中央部分に荷重をかけ、試料が破壊されたときの限界荷重を曲げ強さ(N/mm2)とした。夫々の試料において、試験体数は2とし、その平均値を結果とした。また、たわみ(mm)については、曲げ強さの限界荷重の2分の1の荷重をかけて計測を行った。したがって、荷重は一定ではなく、各試料において異なっている。なお、たわみ試験においては、夫々の試料の試験体数は1である。
【0030】
さらに残留たわみ(mm)については、たわみ(mm)測定後に荷重を取り去り、充分な時間を経て残留しているたわみを計測した。なお、図6のX方向は、荷重の方向を示している。また、詳細な試験結果については、図7〜18に愛知県産業技術研究所の成績書のコピーを添付している。さらに、図19〜図22は曲げ強さの試験を行っている状態の写真であり、図番号が大きくなるにつれて荷重が大になり、資料の変形が大になっている状態を示す。なお、この写真の試料は試料1−1である。また、図23はたわみと残留たわみの試験を行っている状態の写真であり、図24はたわみと残留たわみの試験の全景の写真である。なお、この2枚の写真の試料も試料1−1である。
【0031】
曲げ強さに関しては、実施例1の試料1−1〜1−3のいずれにおいても、比較例のC−1〜C−3に比べて、顕著な改善を見た。すなわち、実施例1の試料1−1と比較例の試料C−1の比較では約17%の改善、試料1−2と比較例の試料C−2の比較では約44%の改善、試料1−3と比較例の試料C−3の比較では約16%の改善を見ている。合板の種類や接着状態によって、試料ごとに数値のばらつきが生じることを考えても、全試料において15%以上の改善が見られ、場合によっては40%を越える改善も見られたということは、本発明の実施例1において、強度の増大が確実に確保されていることを示すものである。
【0032】
次に、たわみ及び残留たわみの計測であるが、これについては、実は残留たわみ(mm)をたわみ(mm)で除した残留たわみ率(%)が重要な要因となる。すなわち、残留たわみ率(%)は試料のたわみからの復元力を示すもので、この数値が小さいほど復元力が強く、変形させようとする力に対して強いことになる。今、実施例1の試料1−1〜1−3と比較例のC−1〜C−3を比べて見ると、その結果は歴然としており、試料1−1と試料C−1の比較では、残留たわみ率(%)は半分になり、試料1−2と試料C−2の比較においては、3分の1以下、試料1−3と試料C−3の比較においては3分の1強となっている。この試験結果からしても、実施例1の金属板入りの芯材が、面材の反りに強く対抗し、結果として板材全体の変形を防ぐ効果を実際に有していることは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の金属板入りの芯材は、建築の構造材用として、あるいは建具や家具用として、今後に幅広い用途が期待されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の一部を切欠し一部を省略した外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の一部を省略した右側面図である
【図3】本発明の実施例1の金属板入りの芯材を枠材に連結した状態を説明するための、一部を省略した説明図である。
【図4】本発明の実施例1の金属板入りの芯材を用いて構成した板材の一部を切欠した説明図である。
【図5】本発明の実施例1の金属板入りの芯材を用いて構成した板材の一部を切欠した説明図である。
【図6】本発明の実施例1の金属板入りの芯材を比較例と比較して行った試験方法の説明図及び試験結果を示す表である。
【図7】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例の試験成績書の表紙の複写である。
【図8】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例の試験成績書の試験方法及び試験結果を表示するページの複写である。
【図9】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の他の1例の試験成績書の表紙の複写である。
【図10】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の他の1例の試験成績書の試験方法及び試験結果を表示するページの複写である。
【図11】本発明の実施例1の金属板入りの芯材のさらに他の1例の試験成績書の表紙の複写である。
【図12】本発明の実施例1の金属板入りの芯材のさらに他の1例の試験成績書の試験方法及び試験結果を表示するページの複写である。
【図13】従来の合板製の芯材の1例の試験成績書の表紙の複写である。
【図14】従来の合板製の芯材の1例の試験成績書の試験方法及び試験結果を表示するページの複写である。
【図15】従来の合板製の芯材の他の1例の試験成績書の表紙の複写である。
【図16】従来の合板製の芯材の他の1例の試験成績書の試験方法及び試験結果を表示するページの複写である。
【図17】従来の合板製の芯材のさらに他の1例の試験成績書の表紙の複写である。
【図18】従来の合板製の芯材のさらに他の1例の試験成績書の試験方法及び試験結果を表示するページの複写である。
【図19】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例に関して曲げ強さ試験を実施している状態の写真である。
【図20】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例に関して曲げ強さ試験を実施している状態の写真である。
【図21】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例に関して曲げ強さ試験を実施している状態の写真である。
【図22】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例に関して曲げ強さ試験を実施している状態の写真である。
【図23】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例に関してたわみ試験を実施している状態の写真である。
【図24】本発明の実施例1の金属板入りの芯材の1例に関してたわみ試験を実施している状態の、試験機械の略全体を撮影した写真である。
【符号の説明】
【0035】
1 芯材
2 中間層
3 金属板層
4 金属板層
5 表層
6 表層
B 板材
D1 厚さ
D2 厚さ
D3 厚さ
D4 厚さ
D5 厚さ
D6 厚さ
E1 面材
E2 面材
F フレーム
L1 長さ
ND1 断面寸法
ND2 長さ
NH 頭部
NL 脚部
TN タッカーの針
W 枠体
W1 幅
X 方向
c 芯材
d1 厚さ
l1 長さ
w 枠材
w1 幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる芯材において、全体が中間層と2枚の金属板層と2枚の表層からなる5層構造を有しており、該5層構造のうちの中間層が合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材から構成され、該中間層の上面と下面に夫々金属板層が配設され、さらにこの2枚の金属板層の外面に合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材からなる表層が配設されており、上記5層構造の隣接する各層が互いに接着され、全体が圧接着によって一体として形成されており、中間層の厚さが表層の厚さの2倍〜20倍の範囲内であることを特徴とする金属板入りの芯材。
【請求項2】
2枚の金属板層の夫々の外面に接着されている表層の厚さが、夫々2.5〜5.5mmの範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の金属板入りの芯材。
【請求項3】
2層の金属板層の厚さが、夫々0.25〜1.00mmの範囲内であることを特徴とする、請求項1あるいは請求項2に記載の金属板入りの芯材。
【請求項4】
中間層の厚さが11〜50mmの範囲内であることを特徴とする、請求項1あるいは請求項2あるいは請求項3に記載の金属板入りの芯材。
【請求項5】
金属板層を構成する金属板が、表面皮膜処理を施した鋼板であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2あるいは請求項3あるいは請求項4に記載の金属板入りの芯材。
【請求項6】
金属板層を構成する金属板が、ガルバリウム鋼板あるいは亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする請求項5に記載の金属板入りの芯材。
【請求項1】
扉や壁体や家具等を構成する板材の内部に用いられる芯材において、全体が中間層と2枚の金属板層と2枚の表層からなる5層構造を有しており、該5層構造のうちの中間層が合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材から構成され、該中間層の上面と下面に夫々金属板層が配設され、さらにこの2枚の金属板層の外面に合板あるいは単板あるいはパーティクルボードあるいは中密度繊維板である木質系の板材からなる表層が配設されており、上記5層構造の隣接する各層が互いに接着され、全体が圧接着によって一体として形成されており、中間層の厚さが表層の厚さの2倍〜20倍の範囲内であることを特徴とする金属板入りの芯材。
【請求項2】
2枚の金属板層の夫々の外面に接着されている表層の厚さが、夫々2.5〜5.5mmの範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の金属板入りの芯材。
【請求項3】
2層の金属板層の厚さが、夫々0.25〜1.00mmの範囲内であることを特徴とする、請求項1あるいは請求項2に記載の金属板入りの芯材。
【請求項4】
中間層の厚さが11〜50mmの範囲内であることを特徴とする、請求項1あるいは請求項2あるいは請求項3に記載の金属板入りの芯材。
【請求項5】
金属板層を構成する金属板が、表面皮膜処理を施した鋼板であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2あるいは請求項3あるいは請求項4に記載の金属板入りの芯材。
【請求項6】
金属板層を構成する金属板が、ガルバリウム鋼板あるいは亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする請求項5に記載の金属板入りの芯材。
【図4】
【図5】
【図6】
【図1】
【図2】
【図3】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図5】
【図6】
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【図3】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2009−846(P2009−846A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162120(P2007−162120)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(593153277)櫻井木材株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(593153277)櫻井木材株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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