説明

金属粉末および/またはセラミック粉末とレーザ光線とを用いて金属粉末および/またはセラミック粉末から環状の回転対称のワークピースを製造する方法および装置

本発明は、ダイ用のリングまたはコアのような、金属粉末および/またはセラミック粉末から製作される環状の回転対称のワークピース(5)の製造方法および装置であって、特に粉末を圧縮成形するための、あるいは金属製の工作物または構造部品を中実体成形するための工具用の環状の回転対称のワークピースの製造方法および装置に関する。既知の先行技術の欠点を改善するため、異なる品質への短時間の転換が可能になるような、かつ、プロセスの技術的な努力が少ないことを特徴とする方法が提案される。本発明は、ビームコア(3)、または少なくとも1つのビームコアを有する軸形態の要素を、回転可能なクランプ装置(2)の中にクランプして回転させることを提案する。このビームコア(3)は、高温耐熱性の材料から製作され、かつ、外径が被製造ワークピース(5)の内径に等しいかあるいはそれより小さい少なくとも1つの部分(4)を有する。クランプ装置(2)から定められた距離において、レーザヘッド(1)によって、金属粉末および/またはセラミック粉末を、ビームコア(3)の外周面上に溶融してワークピースブランクの最終的な壁面厚さが形成されるまで層状に被覆する。冷却後、ビームコア(3)をワークピースブランク(5)から部分的にまたは完全に除去して、ブランク(5)の内側および/または外側を最終寸法に達するように機械加工する。提案された方法は、回転対称のワークピースの小規模生産において経済的な製造を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイ用のリングまたはコアのような、金属粉末および/またはセラミック粉末から製作される環状の回転対称のワークピースの製造方法であって、特に粉末を圧縮成形するための、あるいは金属製の工作物または構造部品を中実体成形するための工具用の環状の回転対称のワークピースの製造方法に関する。本発明は、また、この方法を実施するための適切な装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
中実体成形(冷間または熱間成形)は、アルミニウムまたは鋼のような金属製の構造部品の大量生産用として工業用途に広く用いられている。中実体成形に関わるプロセスにおいては高い成形力が生じ、生産バッチが大きいことから、成形工具にはきわめて高度の機械的要求が課せられ、ほとんどの場合、プロセスの限界が高い工具摩耗に左右されることになる。工具および工作物の表面は、潤滑状態、従って、プロセスの限界、プロセスの安定性および工具の稼動寿命に対して重大な影響を有する。このため、成形工具を製造するために、超硬合金またはセラミックに基づく材料が用いられる。
【0003】
超硬合金は、金属のタングステン、チタン、タンタルおよび/またはバナジウムの炭化物のような硬い金属性の材料と、コバルトまたはニッケルのような比較的柔らかな粘り強い金属を含むバインダまたは金属バインダとの組合せから構成される複合材料であり、硬い材料が構成成分の最も高い比率を構成する。バインダ、硬い材料、粒度および量をさまざまに組み合わせることによって異なる特性を作り出すことができる。
【0004】
超硬合金を製造するには、出発点となる原材料を粉砕して混合し、圧縮成形してモールドまたは中間形体を生成し、続いて、不活性ガスの存在または真空の下で約1300〜1550℃を超える温度において焼結し、通常その後再圧縮する。この方法で製造されるモールドまたは中間形体は、最終的な寸法に仕上げるために引き続いてさらに機械加工しなければならない。
【0005】
ダイ用の超硬合金のリングまたはコアを製造するには、超硬合金の粉末の組成物を圧縮してリングを成形し、最終工程としてその超硬合金の原型リングを機械加工する。
【0006】
セラミックリングも、同様に、粉末から出発して、塑性成形が続き、次に焼結して製造される。
【0007】
超硬合金またはセラミックのリングの製造用として上記に言及した方法は、技術的には非常に複雑であり、非常に大規模な生産の場合にのみ経済的である。圧縮成形されたリングのブランクを形成するために、各寸法に対して別個の圧縮成形型が必要になる。この方法は、異なる品質の多数の種々のサイズのリングの小規模生産には経済的な理由から適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、金属粉末および/またはセラミック粉末から製作される環状のブランクの製造方法であって、技術的な複雑度が低く、異なる品質への短時間の転換が可能になるような製造方法を案出することにある。さらに、この方法を実施する適切な装置を考案する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、本発明に従って請求項1に規定される特徴によって実現される。有利な実施形態および発展形態が請求項2〜14の主題である。
【0010】
この方法を実施する適切な装置は請求項15の主題であり、請求項16〜24はこの装置の有利な実施形態に関わる。
【0011】
例えば内径5〜50mmおよび外径15〜150mmのダイ用のコアのような回転対称のワークピースを、ビームコアとして「ロストコア(lost core)」を用いる1次成形法によって製造する。
【0012】
ダイという用語自体は、成形キャビティと少なくとも1つの補強部材とを含むコアからなる工具を意味するものと理解される。しかし、技術文献においては、ダイという用語はコアまたは本来の成形工具を表現するためにも用いられる。ビームコア、または少なくとも1つのビームコアを含む軸形態の要素を、回転可能なクランプ装置の中にクランプして、好ましくは50〜300min−1の回転速度で回転させる。ビームコアは、外径が被製造ワークピースの内径に等しい少なくとも1つの部分を有しており、高温耐熱性の材料から製造される。
【0013】
クランプ装置から定められた距離において、レーザヘッドによって、金属粉末および/またはセラミック粉末を、ビームコアの外周面上に溶融してワークピースブランクの最終壁面厚さが形成されるまで層状に被覆する。冷却後、ビームコアを、ワークピースブランクから部分的にまたは完全に取り外して除去し、続いてブランクの外側を機械加工して最終寸法に仕上げる。
【0014】
この方法によって、回転対称のワークピースを小規模生産において非常に経済的に製造することが可能になる。既知の方法、すなわち、ワークピースを型内で圧縮成形する、あるいは超硬合金ブランクを機械加工する方式に比較して、関連する加工操作の工程数が少ないので製造時間が大幅に短縮される。被製造ワークピースは、大抵の場合、広範囲の高い機械的負荷に曝露される中実体成形用の超硬合金製の工具である。工具の製造者は、今や、適切な等級の粉末を選定することによって、個々の工具に対する必要な強度特性に関する顧客の特殊な要求に速やかに応えることができ、従って短納期を保証できる。
【0015】
レーザヘッドによって溶融される金属粉末の被覆処理は、それ自体肉盛り溶接として知られており、作製済みの工作物に対する特殊な摩耗表面被覆用として、あるいは、摩耗した工作物表面の交換による修理実施用として用いられている。このプロセス用の既知の被膜処理装置は、レーザヘッドを含むレーザ装置および粉末供給部から構成され、この場合、粉末は同軸に供給され、レーザの作用点で溶融される。
【0016】
提案した方法によって、リングまたはコアのような回転対称の成形工具を、完全に層状に形成されるワークピースによって製造することが可能になる。ワークピースの長さに依存して、溶融粉末を、回転するビームコアの上に、複数の重なり合う周回溶着ビードの形態で、らせん状の巻き付け方式によって、ワークピースの最終壁面厚さが形成されるまで被覆する。重なり合う層の個々の溶着ビードは、上下一致させて被覆すること、あるいは互いにずらして被覆することが可能である。ワークピースの形成には、金属粉末またはセラミック粉末に基づく材料組成物を、あるいは、両構成成分の混合物をも使用できる。あるいはまた、層構造を、異なる材料組成を用いて構成することも可能である。後者の場合は、ワークピースを、半径方向に異なる強度特性を有するように形成できる。この場合、異なる材料は、このプロセスにおいてその異なる材料が冶金的な融合によって互いに結合して単一ユニットを形成するように、相互に適合させるべきである。
【0017】
使用するビームコアは、高温耐熱性材料、好ましくは炭素電極材料、または層構造形成用の材料より遥かに軟質の鋼から構成する。ビームコアは、外径が被製造ワークピースの内径に等しいかあるいはそれより僅かに小さい少なくとも1つの部分を有する。外径が小さい場合の寸法の差異は、ワークピースブランクの内側の面を最終寸法に機械加工するのに十分な材料が残されるように定める。ビームコアは、さまざまな外側の形状を有するように形成できる。小さい内径を有する工具を製造するには、ロッド形態のビームコアを用いる。ビームコアは、1つまたは数個のレーザヘッドを用いて、数個のワークピースをその上に同時に製造し得る長さを有するように構成することができる。個々のワークピースの間には、形成操作の間、一定の距離を維持するべきである。ビームコアは、異なる直径の部分を有することが可能であり、それによって、異なる内径を有するワークピースを1つのビームコア上に製造することが可能になる。
【0018】
また、ビームコアのワークピース形成領域内には、ワークピースの内側の形状または輪郭を形成するためのネガ型として、対応する輪郭を設けることができる。ワークピースが形成されるビームコアの領域は、外径が異なる部分を有することも可能である。その外径が異なる部分の上には、異なる壁面厚さを備えた層構造を形成することができ、その結果、工具の内側の輪郭が階段状に形成される。
【0019】
ビームコアは、軸に装着されるスリーブとして形成することもできる。軸の一部はチャックの中にクランプされる。このスリーブは、例えば、軸に取り外し可能に結合することができる。この変形形態の利点は、層構造が形成された後スリーブを軸から取り外すと、スリーブのみがワークピースから取り除かれるべきものとして残されるという点にある。これは、特に、比較的大きな内径を有するワークピースの場合に有利である。軸には、再利用のための新しいスリーブを装着できる。
【0020】
ビームコアはただ1つの材料から構成する必要はない。それは、異なる材料からなる複合体として構成することも可能である。カップ形状のワークピースを製造するため、ビームコアを異なる材料の2つの部分から構成できる。この場合、クランプ装置から離れた位置の部分は、超硬合金から製作され、かつワークピースに残されて底部部分を形成する。すなわちこの場合は、ビームコア材料の後部部分のみがワークピースから除去される。
【0021】
異なる寸法のワークピースを製造するため、ビームコアは、ワークピースを測定するための付加的な部分を有するべきである。これによって、被覆処理ユニットの移動径路の制御が、この測定に基づいて行われる。
【0022】
ビームコアは、実際にワークピースを形成する前に、例えば約350〜450℃に加熱される。この温度は、粉末の溶融温度によって変化する。実際に層を形成する前に、離型剤をビームコアに付加的に塗布することができる。
【0023】
ワークピースを層状に形成する間、レーザヘッドまたはクランプ装置のどちらかが、連続的にまたは間欠的に、ワークピースの縦方向において両方向に動かされる。レーザヘッドおよびクランプ装置を動かすことも可能である。
【0024】
金属粉末またはセラミック粉末は、出力500〜1500WのCOレーザまたはダイオードレーザを有するレーザクラッド法から知られるレーザヘッドを用いて溶融される。粉末は、不活性ガス雰囲気の下で同軸に供給され、レーザの照射スポットに照準された粉末の噴流を生成することによってレーザ光線の作用点において溶融される。被覆された溶融粉末は急速に再び冷たくなる。設定すべきレーザパラメータは、使用する粉末材料に依存して変化する。好ましくは、金属粉末としては超硬合金または高速度鋼を用いるべきである。溶融金属は真空の下でも被覆できる。
【0025】
層構造が形成された後、ビームコアは、それが炭素電極材料製である場合は超音波処理によって、それが軟質等級の鋼製である場合は機械加工によって再び取り除かれる。
【0026】
製造されるワークピースは、多孔質構造を含まない中実の構造部品であるが、次に、このワークピースを、所要の最終寸法を得るためにさらにその外側を機械加工または放電加工によって仕上げる。
【0027】
以下、本発明を実行例によって説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ダイのコアの製造装置の第1実施形態の概略図。
【図2】複数個のダイのコアを製造する装置の第2実施形態の概略図。
【図3】異なる内側輪郭を有するダイのコアを製造する装置の第3実施形態の概略図。
【図4】カップ形状のダイのコアを製造する装置の第4実施形態の概略図。
【図5】ダイのコアの製造装置の第5実施形態の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、成形工具用の環状のダイのコア5の製造装置を概略図で示す。この装置は、縦方向に可動のレーザヘッドを有するそれ自体既知の被覆ユニット1と、回転可能なクランプ装置2とを備えている。被覆ユニット1におけるレーザ光線の作用点には超硬合金粉末またはセラミック粉末が供給され、クランプ装置2の中には、炭素電極材料からなるロッド形状のビームコア3がクランプされる。ビームコア3は、ワークピース形成用の部分4を有しており、その部分4の外径は、製造されるべきダイのコア5の内径よりも僅かに小さい。この装置は、さらに、完成した原型のダイのコア5からビームコア3を取り外して除去し、かつコア5の内側および外側の面を最終的に機械加工するための、図示されていない後処理ユニットを含む。
【0030】
ビームコア3が回転している間、レーザヘッドによって溶融された超硬合金の粉末は、連続的な溶着ビード6として、ビームコア3の部分4にらせん巻き付け法によって被覆される。ビームコア3の回転および被覆ユニット1のレーザヘッドの前後の動きによって、ダイのコアのワークピース5を、成形プロセスとして重なり合う溶着ビード6によって層状に形成することが可能になる。層が形成されるにつれて、レーザヘッドまたは被覆ユニット1は、ワークピースから半径方向に徐々に離れていく。図2は、ビームコア3上に3個のダイのコア5を連続的に製造する変形形態を示す。この場合は、クランプ装置2も、縦方向に可動となるように構成することができる。3個のダイのコアのワークピース5をすべて同時に形成し得るように、1つの被覆ユニット1の代わりに、3つの被覆ユニットまたはレーザヘッドを配置することも可能である。
【0031】
図3は、内径が異なる部分を含むダイのコア5を製造する実施形態を示す。ビームコア3は、ダイのコア5の内側の輪郭に応じて調整される、異なる外径の部分3a、3bを有する。ビームコア3は、また、チャック2とワークピース形成用の部分4との間に配置される拡大外径部分3cであって、製造されるべきダイのコアに対する先端の限界面として機能する部分3cを含む。このような部分は、被製造ワークピースの内側の輪郭が異なる寸法を有する場合は、被覆ユニットの動きを設定するための寸法の基準として常に必要である。
【0032】
図4および5はさらに別の2つの実施形態を示す。この2つの図においては、被覆ユニットは図示されていない。
【0033】
図4は、カップ形状の原型のダイのコア5の製造を示す。ビームコア3は、その先端部に超硬合金製の部分7を有する。ダイのコア5が形成された後、この部分7は、ダイのコア5の中に残存し、ビームコアと一緒に取り除かれることはない。カップ形状のダイのコア5の製造においては、最初に、供給される溶融超硬合金の1つ以上の溶着ビードを、超硬合金部分7の回りにビームコア3の外周に達するまで「巻き付け」、その後、ビームコア3の部分4の全長にわたって、別の「巻き付けプロセス」を、ダイのコア5が完全に形成されるまで実施する。
【0034】
図5は、スリーブ8として形成されるビームコアによって環状のダイのコア5を製造する実施形態を示す。炭素電極材料製のスリーブ8は軸形態の要素9に取り外し可能に固定される。スリーブ8の外周面が、ダイのコア5を形成する部分を構成する。ダイのコア5が完成すると、それをスリーブ8と一緒に軸形態の要素9から取り外し、続いて、後処理ユニットにおける穴あけ加工によって、スリーブ8を除去する。軸形態の要素は、別の製造プロセス用に再利用可能である。
【0035】
次に、成形工具用の超硬合金(炭化タングステン−ニッケル)製の環状の工具インサート(ダイのコア)の製造例を用いて製造方法を説明する。この環状の工具インサートは、内径20mm、外径40mmおよび幅20mmである。
【0036】
グラファイト(炭素電極材料)製のビームコアは、400℃までの空気温度、不活性ガスの存在下では2500℃までの温度に曝露できる。それは、多くの金属溶融物によって濡らされることがないという優れた特徴を有しており、従って、ビームコア材料および金属粉末の間の冶金的融合に起因する接合が防止される。外径20mmおよび長さ80mmのビームコアの片側を回転可能なクランプ装置の中にクランプし(クランプ長さ約30mm)、端部部分(約30mm)を外部加熱装置によって約400℃に加熱する。クランプ装置を回転させる(100min−1)。ワークピースを形成するため、縦方向および上下方向の両者において可動なレーザヘッドに、不活性ガス雰囲気の下で、炭化タングステン−ニッケル(WC−Ni)の粉末混合物(16〜18%Niおよび5〜5.25%C)を、レーザ光線に照準して供給する。この混合物は、レーザ光線の作用点において溶融し、流動性の溶融物として、約2mmの溶着ビード幅で、ワークピース形成用のビームコアの部分に被覆される。このプロセスにおいて、レーザヘッドは、各サイクル内で、非常に遅い速度で連続的に前後に動かされる。1つのサイクルは約20mmの移動径路であるが、その1つのサイクルが完了すると、10個の隣接する周回溶着ビードの形成によって1つの層が生成される。被覆された溶融物の冷却が非常に急速であるので液滴は形成されない。溶融された金属粉末は一種の「巻き付け法」によってビームコア上に被覆される。さらに続くサイクルにおいて、層が、最終的な外径に達するまで次々に連続的に形成される。個々の溶着ビードおよび層は、冶金的な融合によって結合し、一様な構造を形成する。僅かな超過部分の形成を含む所要の外径に到達すると、形成プロセスが完了する。
【0037】
壁面厚さ20mmおよび幅20mmのリングを生成するのに約10分を要する。リング状のワークピースブランクを含むビームコアをクランプ装置から取り外し、ビームコアの突き出た部分を切断除去する。続いて、ワークピースの中にまだ残っているビームコアの残存部分を穴あけ加工によって除去する。最後にワークピースブランクの内側および外側を、最終寸法に達するまで研削する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイ用のリングまたはコアのような、超硬合金粉末および/またはセラミック粉末から製作される環状の回転対称のワークピースの製造方法であって、特に中実体成形するための、あるいは粉末を圧縮成形するための工具用の環状の回転対称のワークピースの製造方法において、ビームコア、または少なくとも1つのビームコアを有する軸形態の要素を、回転可能なクランプ装置の中にクランプして回転させ、その場合、前記ビームコアは、高温耐熱性の材料から製作され、かつ、外径が前記被製造ワークピース(5)の内径に等しいかあるいはそれより僅かに小さい少なくとも1つの部分を有しており、さらに、前記クランプ装置から定められた距離において、レーザヘッドによって、金属粉末および/またはセラミック粉末を、前記ビームコアの外周面上に溶融して前記ワークピースブランクの最終的な壁面厚さが形成されるまで層状に被覆し、冷却後、前記ビームコアを前記ワークピースブランクから再び部分的にまたは完全に除去し、前記ブランクの内側および/または外側を最終寸法に達するように機械加工することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ワークピースの長さに依存して、前記溶融粉末を、壁面厚さが層状に形成されるように、複数の重なり合う周回溶着ビードの形態でらせんの巻き付け法によって被覆することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビームコアの外側の形状に、前記ワークピースの形成領域内において、前記被製造ワークピースの内側の形状を形成する輪郭を設けることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ビームコアに、前記ワークピースの形成領域内において離型剤を塗布することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ビームコア上に、複数個のワークピースブランクを定められた間隔で形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ビームコアが炭素電極材料からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ビームコアが、前記被製造ワークピースのそれぞれの内側の輪郭に応じて調整される、異なる外径の部分を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ビームコアが異なる外径の部分を有し、その外径が異なる部分の上には、異なる壁面厚さを備えた1つの層構造が形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ビームコアを、前記溶融材料を被覆する前に加熱することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ワークピースの個々の層を形成するために、超硬合金および/またはセラミックの単一の粉末組成物を使用することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ワークピースの個々の層または層部分を形成するために、超硬合金および/またはセラミックの異なる粉末組成物を使用することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ワークピースを層状に形成する間、前記レーザヘッドおよび/または前記クランプ装置を、連続的にまたは間欠的に、前記ワークピースの縦方向において両方向に動かすことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ビームコアを、異なる材料の少なくとも2つの部分から構成し、その1つの部分は前記ワークピースの中に残し、もう一方の部分は除去することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記軸形態の要素に取り外し可能に結合されるスリーブをビームコアとして用いることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法を実行する装置において、この装置が、可動のレーザヘッドを備えた少なくとも1つの被覆ユニット(1)であって超硬合金粉末および/またはセラミック粉末がレーザ光線の作用点に供給される被覆ユニット(1)と、回転可能なクランプ装置(2)と、前記クランプ装置(2)の中にクランプ可能なビームコア(3)、またはビームコア(8)を含むクランプ可能な軸形態の要素(9)と、前記ビームコア(3、8)を取り外して除去し、かつ前記ワークピース(5)の内側および/または外側を最終寸法に達するように機械加工するための後処理ユニットとを有し、ここで、前記ビームコア(3、8)は、高温耐熱性の材料から製作され、かつ、前記ワークピースを形成するための少なくとも1つの部分(4)を有しており、その部分(4)の外径は、前記被製造ワークピース(5)の内径に等しいかあるいはそれより僅かに小さいことを特徴とする装置。
【請求項16】
前記ワークピース形成用の前記ビームコア(3、8)の部分(4)が、前記ワークピース(5)の内側の形状を形成する輪郭を有することを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ビームコア(3)がワークピース(5)形成用の複数個の部分(4)を有し、この複数個の部分(4)は互いに定められた距離で置かれていることを特徴とする請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記ビームコア(3)が、前記ワークピース(5)のそれぞれの内側の輪郭に応じて調整される、異なる外径の複数個の部分(3a、3b)を有することを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記ビームコア(3)が、異なる材料の部分を有することを特徴とする請求項15〜18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記ビームコアが、軸形態の要素(9)に取り外し可能に結合されるスリーブ(8)として形成されることを特徴とする請求項15〜19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記ワークピース(5)から除去される前記ビームコア(3、8)が、前記ワークピース(5)の材料よりも軟質の材料から構成されることを特徴とする請求項15〜20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記クランプ装置(2)が縦方向に可動な摺動台の上に配置されることを特徴とする請求項15〜21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記ビームコア(3)が、前記クランプ装置(2)から離れた位置のその端部に超硬合金製の部分(7)を有し、その部分(7)は前記ワークピース(5)の中に残ることを特徴とする請求項15〜22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記ビームコア(3)が、前記ワークピース(5)を測定する働きをする部分(3c)を有することを特徴とする請求項15〜23のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2011−506763(P2011−506763A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537293(P2010−537293)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010219
【国際公開番号】WO2009/077081
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(509233002)シーバー フォーミング ソリューションズ ゲーエムベーハー (4)
【Fターム(参考)】