説明

金属製構造部材およびその製造方法

【課題】 良好な強度および製造コストを有する金属製構造部材の製造方法を提供する。
【解決手段】 管状素材から、せん断歪の付与に基づく加工硬化が引起こされた部位を有する予備成形体20を形成するための工程、および、予備成形体20の内部に、液圧を付与して膨出変形させることで、金属製構造部材に適用される液圧成形品を形成するための工程を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製構造部材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、金属製構造部材は、管状素材に液圧成形を適用することで製造される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、管状素材は、液圧成形の際において、引張変形による板厚減少が引き起こされるため、部材強度が相対的に低下する問題を有する。一方、部材強度を確保するため、高強度の素材を適用することも可能であるが、高強度な素材は、高価であり、製造コストが上昇する問題を生じる。
【0004】
本発明は、前記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、良好な強度および製造コストを有する金属製構造部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、
中空状断面を有する金属製構造部材の製造方法であって、
管状素材から、せん断歪の付与に基づく加工硬化が引起こされた部位を有する予備成形体を形成するための工程、および、
前記予備成形体の内部に、液圧を付与して膨出変形させることで、前記金属製構造部材に適用される液圧成形品を形成するための工程
を有することを特徴とする金属製構造部材の製造方法である。
【0006】
前記目的を達成するための請求項9に記載の発明は、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属製構造部材の製造方法によって製造されたことを特徴とする金属製構造部材である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、管状素材に対して、せん断歪の付与に基づく加工硬化が引起こされて、予備成形体が形成される。せん断歪の付与は、予備成形体に板厚減少を引起こさない。そのため、高強度の高価な管状素材を使用することなく、金属製構造部材に適用される液圧成形品の強度を確保することが可能である。つまり、良好な強度および製造コストを有する金属製構造部材の製造方法を提供することができる。
【0008】
請求項9に記載の発明によれば、高強度の高価な管状素材を適用することなく、強度が確保された液圧成形品が製造される。したがって、前記液圧成形品が適用される金属製構造部材は、良好な強度および製造コストを有する。つまり、良好な強度および製造コストを有する金属製構造部材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態に係る金属製構造部材を説明するための斜視図、図2は、図1の金属製構造部材の素材を説明するための斜視図である。
【0011】
金属製構造部材40は、矩形断面を呈する側壁を有し、例えば、メンバーやピラーなどの中空状断面(閉断面構造)を有する自動車用構造部材に適用される。
【0012】
金属製構造部材40は、管材(管状素材)10から、せん断歪の付与に基づく加工硬化が引起こされた部位を有する予備成形体を形成するための予備成形工程、および、予備成形体の内部に、液圧を付与して膨出変形させることで、金属製構造部材に適用される液圧成形品を形成するための液圧成形工程を有する製造方法によって製造されている。なお、符号44および45は、金属製構造部材40の水平方向の側壁面および縦方向の側壁面を示している。
【0013】
管材10は、管材10の中心軸S1の延長方向(軸線方向)Xに対し直交する方向に関し、略円形断面を有し、中空状の押出し材あるいは引抜き材が、適用される。板材に、ロール成形などの曲げ加工を施し、板材の端面を、突き合せレーザー溶接などで接合して形成される中空状部材を適用することも可能である。管材10の素材は、適当な強度を有していれば特に限定されないが、例えば、鋼、アルミニウム合金、あるいはマグネシウム合金である。
【0014】
金属製構造部材40の製造方法を、詳述する。図3は、予備成形工程の端部加工を説明するための斜視図、図4は、予備成形工程のせん断変形加工を説明するための斜視図、図5は、図4に係るせん断変形加工装置を説明するための断面図、図6は、図5の線VI−VIに関する断面図、図7は、予備成形工程から産出される予備成形体を説明するための斜視図である。
【0015】
予備成形工程においては、管材10に、せん断変形加工を施すことによって、管材10の中心軸S1の延長方向Xに対する直角方向に、せん断歪が付与される。
【0016】
図5および図6に示されるせん断変形加工装置は、管材10の長手方向の端部12,16を拘束するためのクランプ部110,120と、クランプ部110,120を回転自在かつ互いに近接離間自在に駆動するための駆動装置(不図示)とを有する。クランプ部110,120は、クランプ部110,120の中心軸S2に対して対称に配列された複数の突起115,125を有する。
【0017】
一方、管材10の端部12,16は、例えば、機械加工によって凹凸部13,17が形成される(図3参照)。凹凸部13,17の形状は、クランプ部110,120の突起115,125の形状および配置に対応しており、クランプ部110,120の中心軸S2と管材10の中心軸S1との位置合せ、および管材10の端部12,16の拘束を、容易としている。なお、突起115,125は、管材10の円周形状が変わっても固定できるように構成することで、クランプ部110,120の交換を不要し、汎用化することが好ましい。
【0018】
予備成形工程においては、例えば、鋼性の管材10が、せん断変形加工装置にセットされ、管材10の凹凸部13,17が、クランプ部110,120の突起115,125と当接する。クランプ部110,120は、中心軸S2の延長方向Yに沿って、互いに近接するよう駆動され、中間に配置される管材10と完全に密着する。
【0019】
クランプ部110,120の中心軸S2と管材10の中心軸S1との位置合せ、および管材10の端部12,16の拘束が達成されると、駆動装置は、クランプ部120が固定された状態で、クランプ部110を、例えば、23度回転させ、管材10の中心軸S1に関するねじり変形を引起こす。つまり、管材10に対して、加工硬化を引起こすせん断歪を付与するためのせん断変形加工が施される。ねじり変形は、せん断変形加工を、管材10の全体に施すことが可能であるため、好ましい。
【0020】
クランプ部110の回転は、管材10にしわを発生させ、延長方向Xに関し、管材10が収縮する。そのため、管材10の収縮に連動して、クランプ部110,120を互いに近接させ、クランプ部110,120と管材10との密着性を維持する。
【0021】
しわ28が若干発生した時点で、クランプ部110の回転が停止され、クランプ部110,120を互いに離間させて、予備成形体20が取り出される(図4参照)。その後、予備成形体20は、端部22,26に形成されている凹凸部23,27が切取られる(図7参照)。
【0022】
ねじり変形により引起こされるせん断変形は、例えば、管材10の全面に、1%以上のせん断歪を付与し、かつ、しわ部には、7%以上の塑性歪を加えることが可能である。予備成形体20の板厚は、素材である管材10の板厚と変化が殆どなく、板厚減少を伴わないため、加工硬化を効果的に利用することができる。
【0023】
管材10の中心軸S1に関するねじり変形は、クランプ部110,120を異なる方向にそれぞれ回転させることによっても引起こすことが可能である。クランプ部110の回転を、その回転方向を変更しつつ、複数回繰り返すことで、せん断歪を増幅させることも好ましい。
【0024】
管材10の端部12,16の拘束は、上記機械的手段に限定されず、溶接などの接合手段を利用することも可能である。クランプ部110の回転量(角度)は、必要に応じ、しわの発生を引起こさない程度に、調整することも可能である。
【0025】
液圧成形工程に適用される液圧成形装置を説明する。図8は、液圧成形工程に係る液圧成形装置を説明するための断面図、図9は、図8の液圧成形装置の補助型を説明するための断面図、図10は、図8の液圧成形装置の側方型を説明するための断面図である。
【0026】
液圧成形装置200は、液圧供給手段および成形型を有する。液圧供給手段は、予備成形体20の端部22,26の開口部に挿入され、端部22,26を密閉するノズル210,220を有する。
【0027】
ノズル210は、例えば、増圧シリンダを利用する圧力発生装置や成形媒体源から延長する配管225が接続されている。配管225は、ノズル210の内部を延長する流路215に、連結されている。流路215は、ノズル210の先端に開口部216を有している。成形媒体は、配管225および流路215を経由し、開口部216から、予備成形体20の内部に導入される。成形媒体は、例えば、水である。
【0028】
成形型は、上型230、下型235、側方型240,245、補助型250,255,260,265を有する。上型230および下型235は、互いに近接離間自在に配置され、金属製構造部材40の水平方向の側壁面44に対応するキャビティを有する。側方型240,245は、互いに近接離間自在に配置され、金属製構造部材40の縦方向の側壁面45に対応するキャビティを有する。上型230、下型235および側方型240,245は、全体として、金属製構造部材40の側壁に対応する略矩形形状のキャビティを構成する。
【0029】
補助型250,255は、予備成形体20の肉厚およびノズル210の外周形状を考慮した半円形状の凹部を有し、互いに近接離間自在に配置されており、ノズル220が挿入された予備成形体20の端部22を上下方向から押圧し、ノズル210と端部22との間の密閉を確実とするために使用される。補助型260,265は、予備成形体20の肉厚およびノズル220の外周形状を考慮した半円形状の凹部を有し、互いに近接離間自在に配置されており、ノズル220が挿入された予備成形体20の端部26を上下方向から押圧し、ノズル220と端部26との間の密閉を確実とするために使用される。
【0030】
図11〜図18を参照し、液圧成形工程を詳述する。図11は、液圧成形工程における予備成形体のセットを説明するための断面図、図12は、図11に続く、ノズルの挿入を説明するための断面図、図13は、図12に続く、補助型による押圧を説明するための断面図、図14は、図13の線XIV−XIVに関する断面図、図15は、図13に続く、側方型による押圧を説明するための断面図、図16は、図15の線XVI−XVIに関する断面図、図17は、図15に続く、上型および下型による押圧を説明するための断面図、図18は、図17の線XVIII−XVIIIに関する断面図、図19は、液圧成形品を説明するための斜視図である。
【0031】
まず、せん断歪の付与に基づく加工硬化が引起こされた部位を有し、予備成形工程から搬入される予備成形体20が、下型235にセットされる(図11)。そして、予備成形体20の端部22,26の開口部に、ノズル210,220が挿入される(図12)。
【0032】
補助型250,255は、近接することで、予備成形体20の端部22を、上下方向から押圧し、開口部の内面と、ノズル210の外周との間を密着させ、補助型260,265は、同様に、端部26の内面と、ノズル220の外周との間を密着させる(図13および図14)。
【0033】
これによって、予備成形体20の機密性が確保される。この際、予備成形体20の端部22,26の開口部は、強制的に変形させられるため、予備成形工程におけるせん断変形加工(ねじり変形)の際に、真円度の精度が低下した場合であっても、液圧成形は、十分可能である。
【0034】
その後、配管225および流路215を経由し、成形媒体が、ノズル210の先端の開口部216から、予備成形体20の内部に導入され、予備成形体20の内部に液圧が付与される。
【0035】
液圧が上昇し、予備成形体20の膨出が開始すると共に、側方型240,245は近接し、予備成形体20を側方向から押圧する(図15および図16)。
【0036】
続いて、上型230および下型235は、徐々に近接し、予備成形体20を上下方向から押圧する(図17および図18)。予備成形体20の内部の液圧は、上型230、下型235および側方型240,245による押圧によって、座屈しないように、制御される。
【0037】
この際、予備成形体20の水平方向の側壁面24には、圧縮歪は殆ど付与されないが、縦方向の側壁面25には、圧縮歪が付与される。また、予備成形体20のしわ28は、上型230、下型235および側方型240,245による押圧と、内部液圧とに基づく膨出変形によって消失し、しわ部の曲げ戻し変形により、他の部位に比べて、より大きな歪が付与される。
【0038】
液圧が所定の最終値に到達すると、成形媒体の供給が停止され、所定時間保持される。そして、除圧した後、型開し、液圧成形品30が取り出される(図19)。液圧成形品30の端部32,36は、略円筒状であるため、トリミングすることで、金属製構造部材40(図1参照)が得られる。
【0039】
以上のように、液圧成形品30の素材である予備成形体20は、板厚減少を伴うことなく、その全面には、せん断歪が付与され、かつ、しわ部には、塑性歪が加えられることで、加工硬化が引起こされている。そして、液圧成形工程において、縦方向の側壁面35には、圧縮歪が付与され、かつ、しわ部の曲げ戻し変形が生じた強化部位39には、他の部位に比べて、より大きな歪が付与される。したがって、液圧成形品30が適用される金属製構造部材40は、高強度の高価な管状素材を適用することなく、強度が確保されており、良好な強度および製造コストを有する。
【0040】
なお、液圧成形品30の水平方向の側壁面34は、液圧成形工程において、圧縮歪は殆ど付与されないが、予備成形工程において、歪みを付与している。つまり、本実施の形態は、従来の製造方法においては歪みを付与することができなかった部位を、加工硬化させて強度を向上させることが可能である。
【0041】
予備成形工程のせん断変形加工(ねじり変形)によって発生するしわは、液圧成形工程において消失させることが可能である。また、せん断変形加工は、板厚減少を伴わないため、液圧成形工程における板厚減少に基づくネッキングによる成形不良の発生を考慮することなく、せん断変形加工の条件を決定することができる。そのため、せん断変形加工の制御条件の自由度が大きく、例えば、しわの発生を抑制しないことで、大きなせん断歪を付与することが可能である。
【0042】
管材10の素材として、歪時効性を有する金属材料、例えば、鋼あるいはアルミニウム合金を使用する場合、予備成形体20または液圧成形品30に対して、歪時効処理を施すための工程を有することも好ましい。歪時効処理は、例えば、170℃×20分の熱処理によって、強度を向上させる処理である。
【0043】
図20は、圧潰試験を説明するための斜視図、図21は、圧潰試験に適用された試験片(実施例1〜4および比較例1)の作成条件を説明するための図表である。
【0044】
圧潰試験においては、ベースプレート320に溶接により接合された試験体(実施例1〜4および比較例1)310に対し、ストライカ330を落下させて衝撃を与え、変位50mmにおけるエネルギ吸収量で評価した。
【0045】
試験片310は、75mm×75mmの矩形断面形状を有する中空管であり、その中心軸の延長方向の長さは、200mmである。試験片310の一方の端部312が溶接部340を介してベースプレート320に固定され、他方の端部316が、ストライカ330と相対する。ストライカ330の重量および落下速度は、500kgおよび10m/秒であり、試験片310の端部316と衝突する下面335は、水平かつ平坦な面を構成している。
【0046】
実施例1〜4および比較例1は、素材が共通であり、2.0mmの板厚かつ590MPaの引張強度を有する歪時効性の鋼材が適用されている。鋼材における一軸引張の2%付与後に歪時効処理として170℃×20分の熱処理を実施した後の耐力の上昇は、20〜30MPa程度である。
【0047】
実施例1は、予備成形工程のねじり変形において、22.5度回転され、液圧成形工程の後で、液圧成形品の端部を切断することで、その中心軸の延長方向の長さが、200mmに調整されている。実施例2は、予備成形工程のねじり変形において、22.5度回転後さらに22.5度逆回転されている点で、実施例1と異なる。
【0048】
実施例3は、液圧成形工程の後において、歪時効処理として170℃×20分の熱処理を施している点で、実施例1と異なる。実施例4は、歪時効処理として170℃×20分の熱処理を施している点で、実施例2と異なる。
【0049】
比較例1は、予備成形工程を経ていない点で、実施例1と異なる。
【0050】
図22は、圧潰試験の試験結果を説明するためのグラフである。
【0051】
実施例1〜4のエネルギ吸収量は、約7400J〜約7900Jである。比較例のエネルギ吸収量は、約6600Jである。したがって、実施例1〜4は、比較例と同一形状でありながら、比較例に比べ、良好な吸収エネルギ量を有し、強度が向上していることが確認された。
【0052】
実施例1および実施例2のエネルギ吸収量は、約7400Jおよび約7700Jであり、実施例3および実施例4のエネルギ吸収量は、約7600Jおよび約7900Jである。したがって、実施例2,4は、それぞれ実施例1,3より、良好な吸収エネルギ量を有しており、予備成形工程のねじり変形において、回転方向を変更しつつ、複数回繰り返すことで、せん断歪が増幅されていることが確認された。
【0053】
実施例3,4は、それぞれ実施例1,2より良好な吸収エネルギ量を有しており、歪時効処理によって、強度が向上していることが確認された。
【0054】
以上のように、本実施の形態によれば、管状素材に対して、せん断歪の付与に基づく加工硬化が引起こされて、予備成形体が形成される。せん断歪の付与は、予備成形体に板厚減少を引起こさない。そのため、高強度の高価な管状素材を使用することなく、金属製構造部材に適用される液圧成形品の強度を確保することが可能である。つまり、良好な強度および製造コストを有する金属製構造部材の製造方法を提供することができる。
【0055】
また、本実施の形態によれば、高強度の高価な管状素材を適用することなく、強度が確保された液圧成形品が製造される。したがって、前記液圧成形品が適用される金属製構造部材は、良好な強度および製造コストを有する。つまり、良好な強度および製造コストを有する金属製構造部材を提供することができる。
【0056】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。
【0057】
例えば、金属製構造部材の断面は、矩形形状に限定されず、他の形状を適用することも可能である。また、液圧成形に適用される成形型は、上型、下型、側方型、補助型を有する形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態に係る金属製構造部材を説明するための斜視図である。
【図2】図1の金属製構造部材の素材を説明するための斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る製造方法における予備成形工程の端部加工を説明するための斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る製造方法における予備成形工程のせん断変形加工を説明するための斜視図である。
【図5】図4に係るせん断変形加工装置を説明するための断面図である。
【図6】図5の線VI−VIに関する断面図である。
【図7】予備成形工程から産出される予備成形体を説明するための斜視図である。
【図8】予備成形工程に続く、液圧成形工程に係る液圧成形装置を説明するための断面図である。
【図9】図8の液圧成形装置の補助型を説明するための断面図である。
【図10】図8の液圧成形装置の側方型を説明するための断面図である。
【図11】液圧成形工程における予備成形体のセットを説明するための断面図である。
【図12】図11に続く、ノズルの挿入を説明するための断面図である。
【図13】図12に続く、補助型による押圧を説明するための断面図である。
【図14】図13の線XIV−XIVに関する断面図である。
【図15】図13に続く、側方型による押圧を説明するための断面図である。
【図16】図15の線XVI−XVIに関する断面図である。
【図17】図15に続く、上型および下型による押圧を説明するための断面図である。
【図18】図17の線XVIII−XVIIIに関する断面図である。
【図19】液圧成形品を説明するための斜視図である。
【図20】圧潰試験を説明するための斜視図である。
【図21】圧潰試験に適用された試験片(実施例1〜4および比較例1)の作成条件を説明するための図表である。
【図22】圧潰試験の試験結果を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
【0059】
10・・管材(管状素材)、
12,16・・端部、
13,17・・凹凸部、
20・・予備成形体、
22,26・・端部、
23,27・・凹凸部、
24,25・・側壁面、
28・・しわ、
30・・液圧成形品、
32,36・・端部、
34,35・・側壁面、
39・・強化部位、
40・・金属製構造部材、
44,45・・側壁面、
110,120・・クランプ部、
115,125・・突起、
200・・液圧成形装置、
210,220・・ノズル、
215・・流路、
216・・開口部、
225・・配管、
230・・上型、
235・・下型、
240,245・・側方型、
250,255,260,265・・補助型、
310・・試験片、
312,316・・端部、
320・・ベースプレート、
330・・ストライカ、
335・・下面、
340・・溶接部、
S1,S2・・中心軸、
X,Y・・延長方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状断面を有する金属製構造部材の製造方法であって、
管状素材から、せん断歪の付与に基づく加工硬化が引起こされた部位を有する予備成形体を形成するための工程、および、
前記予備成形体の内部に、液圧を付与して膨出変形させることで、前記金属製構造部材に適用される液圧成形品を形成するための工程
を有することを特徴とする金属製構造部材の製造方法。
【請求項2】
前記管状素材は、前記管状素材の中心軸の延長方向に対し直交する方向に関し、略円形断面を有することを特徴とする請求項1に記載の金属製構造部材の製造方法。
【請求項3】
前記予備成形体を形成するための工程において、前記管状素材に、せん断変形加工を施すことによって、前記管状素材の中心軸の延長方向に対する直角方向に、せん断歪が付与されることを特徴とする請求項2に記載の金属製構造部材の製造方法。
【請求項4】
前記せん断変形加工は、前記管状素材の長手方向の両端部を拘束し、前記管状素材に対して、前記管状素材の中心軸に関するねじり変形を引起こすことによって実施されることを特徴とする請求項3に記載の金属製構造部材の製造方法。
【請求項5】
前記ねじり変形は、しわを発生させることを特徴とする請求項4に記載の金属製構造部材の製造方法。
【請求項6】
前記しわは、液圧成形品を形成するための工程において、前記予備成形体の膨出変形によって消滅させられることを特徴とする請求項5に記載の金属製構造部材の製造方法。
【請求項7】
前記管状素材は、歪時効性を有する金属材料からなり、
前記予備成形体または前記液圧成形品に対して、歪時効処理を施すための工程を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属製構造部材の製造方法。
【請求項8】
前記金属材料は、鋼あるいはアルミニウム合金あるいはマグネシウム合金であることを特徴とする請求項7に記載の金属製構造部材の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属製構造部材の製造方法によって製造されたことを特徴とする金属製構造部材。
【請求項10】
前記金属製構造部材は、自動車用構造部材に適用されることを特徴とする請求項9に記載の金属製構造部材。
【請求項11】
前記自動車構造部材は、ピラーあるいはメンバーであることを特徴とする請求項10に記載の金属製構造部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−255750(P2006−255750A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−75697(P2005−75697)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】