説明

鉄道航法システム

【課題】鉄道航法システムにおいて、高度情報データベース等を利用することなく取得した3次元情報を鉄道車両の運行管理に効果的に活用すること。
【解決手段】鉄道車両に搭載され、線路上を走行する鉄道車両のための鉄道航法システムであって、人工衛星からの電波を受信することにより現在位置の緯度、経度および高度を含む3次元位置情報を測位するGPS受信器21と、GPS受信器21が検出した高度情報に基づき、線路4上の一の地点と、線路4上の他の地点との間の勾配値を演算する演算部22と、演算部22が演算した勾配値を3次元位置情報に関連づけて表示する表示部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道航法システムに関し、特に鉄道車両の運行管理を支援するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の車載型あるいは携帯型のナビゲーション装置では、人工衛星からの電波を受信することにより現在位置を出力するGPS(Global Positioning System)受信器が搭載されている。GPS受信器は、複数の人工衛星からそれぞれ送信された電波が自己に到達するまでの所要時間をそれぞれ計測し、これらの所要時間に基づいて複数の人工衛星からの各距離を算出し、自己の現在位置を算出する処理を実行する。
【0003】
また、上記のようなGPS受信器を鉄道車両に搭載し、線路網上を走行する鉄道車両のための鉄道航法システムを開示した公報が存在する(例えば、特許文献1)。この特許文献1では、方向変化率指示計および走行距離計を用いて、鉄道車両が走行している線路の曲率値を算出するとともに、算出された曲率データと、カーブおよび分岐器の位置を含む鉄道線路の位置を表す線路データベース内のデータと、の比較結果に基づいて、線路網のカーブおよび分岐器に対する鉄道車両の位置を算出するようにしている。なお、この特許文献1の鉄道航法システムでは、GPS受信器から得られる情報は2次元情報として取り扱われており、3次元的な処理の概念はない。
【0004】
一方、鉄道車両に関する装置等ではないものの、GPS受信器を搭載し、緯度、経度の2次元情報に高度情報を加えた3次元情報を取り扱うようにした公報が存在する(例えば、特許文献2,3)。
【0005】
例えば、特許文献2に開示される位置検出装置では、その演算処理部は、GPS受信処理部が3次元測位を行っている場合には、一群のエリアの内の現在位置が属するエリアの高度マップを、3次元測位された現在位置の経度、緯度および高度を用いて更新し、GPS受信処理部が2次元測位を行っている場合には、一群のエリアの内の現在位置が属するエリアの高度マップを用いて高度を算出する処理を行うようにしている。なお、この高度マップは、演算処理部によって予め作成され、高度情報格納部に格納されている。すなわち、特許文献2による位置検出装置では、測位対象の全領域における高度情報が必要となる。
【0006】
また、特許文献3に開示される測位装置等では、移動端末からGPSサーバへの接続が確立すると、移動端末が接続したアクセスポイントの情報をGPSサーバに伝達し、GPSサーバは、移動端末によって伝達され、移動端末が接続したアクセスポイントの情報に基づき、データベースに保持されている高度テーブルを検索することにより、現在の移動端末の位置に対応した高度情報を取得して移動端末に送信する処理が行われる。すなわち、特許文献3による測位装置等でも、移動端末の位置に対応する高度情報の算出には、測位対象の全領域における高度情報が必要となる。
【0007】
【特許文献1】特開平09−240470号公報
【特許文献2】特開2007−003195号公報
【特許文献3】特開2006−119006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記特許文献2の位置検出装置および上記特許文献3の測位装置は、車載型あるいは携帯型の装置としての利用態様が想定される。このため、これらの装置の利用者の行動範囲は、道路や道路近傍に位置する建物等に限定されることが多くなる。特に、道路は、不特定多数の者によって利用されるインフラ手段であり、公共性が極めて高いので、道路情報に関する既設の電子データも構築されている。したがって、これらの装置においては、高度情報データベースの構築を容易かつ低コストで行うことができ、高度情報データベースの利用を躊躇させるような要因は殆どないといってもよい。
【0009】
一方、鉄道車両に搭載されるシステムでは、その行動範囲が鉄道線路に限定されるとともに、線路の敷設箇所が平地のみならず山岳地帯等を含んでいる。また、線路は、線路を利用する鉄道会社のみが利用するものである。このため、敷設線路の高度情報をデータベース化するには、多くの時間および多くのコストが必要となる。
【0010】
他方、鉄道車両において、3次元情報を活用した航法システムを整備することは、経済性および定時到達性を追求した運行管理を行う観点において、看過することはできない。例えば、特急列車などの長距離列車であれば、敷設線路の勾配情報を利用することで、より経済的な運行管理を支援することが期待される。また、貨物列車などの長距離列車であれば、敷設線路の勾配情報を利用することで、経済性と定時到達性とを両立させるような運行管理を支援することが期待される。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高度情報データベース等を利用することなく取得した3次元情報を鉄道車両の運行管理に効果的に活用することができる鉄道航法システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる鉄道航法システムは、鉄道車両に搭載され、線路上を走行する鉄道車両のための鉄道航法システムであって、人工衛星からの電波を受信することにより現在位置の緯度、経度および高度を含む3次元位置情報を測位するGPS受信器と、前記GPS受信器が検出した高度情報に基づき、線路上の一の地点と、該線路上の他の地点との間の勾配値を演算する演算部と、前記演算部が演算した勾配値を前記3次元位置情報に関連づけて表示する表示部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる鉄道航法システムによれば、人工衛星からの電波を受信することにより現在位置の緯度、経度および高度を含む3次元位置情報を測位するとともに、検出された3次元位置情報のうちの高度情報に基づいて演算された、線路上の一の地点と他の地点との間の勾配値を3次元位置情報に関連づけて表示するようにしているので、高度情報が格納されたデータベース等を利用することなく取得した3次元情報を鉄道車両の運行管理に効果的に活用することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の好適な実施の形態にかかる鉄道航法システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
実施の形態1.
(システムの構成)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる鉄道航法システムの構成を示す図である。同図において、実施の形態1にかかる鉄道航法システムは、鉄道車両1の先頭車両(または後部車両)2に搭載される構成部として、GPSアンテナ20、GPS受信器21、演算部22、記憶部23、データ処理装置12、制御コンソール18、送信器11、表示器14および送信アンテナ10を備えるとともに、線路4近傍の所定位置に設置される受信アンテナ9および受信器8、ならびに伝送路7を通じて受信器8と接続され、地上中央局や駅舎等に設置される運行管理装置6を備えている。
【0016】
(各構成部の機能)
GPSアンテナ20は、複数の衛星(好ましくは4個以上)から送信された電波(GPS信号)を受信する。GPS受信器21は、GPSアンテナ20を介して受信したGPS信号から鉄道車両の現在位置(緯度、経度、標高)および当該現在位置における時刻の情報を演算して演算部22に伝送する。演算部22は、GPS受信器21から伝達された位置(緯度、経度、標高)の情報に基づいて線路勾配を演算する。演算した線路勾配の情報は、位置および時刻情報と共に記憶部23およびデータ処理装置12に出力される。記憶部23は、伝達された線路勾配の情報、時刻および位置の情報に関連づけて蓄積する。運転台5に設置された制御コンソール18は、所要情報の入力部およびデータ処理装置12、表示器14などの制御部である。データ処理装置12は、伝達された位置、線路勾配、時刻等の情報を表示器14に伝送する。また、データ処理装置12は、必要に応じ、送信器11、送信アンテナ10、受信アンテナ9、受信器8を通じて運行管理装置6に所要情報を伝送する。
【0017】
なお、図1において、データ処理装置12、制御コンソール18、送信器11、表示器14、送信アンテナ10、受信アンテナ9、受信器8および運行管理装置6は、列車の運行管理に必要な既設のシステムである。すなわち、本実施の形態の鉄道航法システムは、既設のシステムの機能を利用する実施態様を一例として示しており、既設の列車情報管理装置の処理部であるデータ処理装置12にデータを伝送し、既設の列車情報管理装置の表示部である表示器14の機能を利用して所要情報を鉄道車両の運転手、車掌等に通知している。
【0018】
(システムの動作)
つぎに、実施の形態1にかかる鉄道航法システムの動作について図1〜図3を参照して説明する。なお、図2は、実施の形態1にかかる鉄道航法システムの動作を説明するためのフローチャートであり、図3は、図2に示した勾配検出処理の細部フローを示すフローチャートである。
【0019】
図2において、まず、GPS受信器21の電源をオンすることによって、GPS受信器21はイニシャライズされる(ステップS11)。つぎに、制御コンソール18を通じて入力した目的地の情報(要すれば経由地の情報)が設定される(ステップS12)。GPS受信器21は、鉄道車両の現在位置を検出し(ステップS13)、演算部22は、後述するサブフローである勾配値演算処理を実行する(ステップS14)。GPS受信器21によって検出された位置情報および演算部22によって演算された勾配情報はデータ処理装置12に伝送され、表示器14を用いて表示されるとともに、記憶部23に記憶される(ステップS15)。なお、表示器14に対する表示制御、および記憶部23に対する伝送制御は、制御コンソール18を通じて行うことができる。
【0020】
また、図3において、時刻t1ときの位置を始点P(東経α1°,北緯β1°,標高h1[m])とし、時刻t2ときの位置を終点R(東経α2°,北緯β2°,標高h2[m])とするとき、演算部22に対し、これらの始点情報および終点情報が入力される(ステップS101)。つぎに、演算部22は、始点Pと終点Rとの間の水平距離Lを算出するとともに(ステップS102)、次式に基づいて線路4の勾配値θを演算する(ステップS103)。
【0021】
θ=tan-1[(h2−h1)/L] …(1)
【0022】
なお、終点Rを算出するときの時刻t2と、始点Pを算出するときの時刻t1との時間間隔ΔT(=t2−t1)は、線路勾配を演算する際の処理間隔であり、任意に設定することができる。
【0023】
(システム利用の効果)
つぎに、実施の形態1にかかる鉄道航法システムを利用することによる効果について説明する。
【0024】
まず、実施の形態1にかかる鉄道航法システムによれば、線路4の勾配情報を表示することができるので、運転手および車掌等に与える情報の質および量を従来よりも増加させることができる。即ち、2次元の位置情報に加えて、勾配情報を含めた3次元情報が得られるため、例えば勾配情報を考慮した、より経済的な列車の走行や、線路勾配を考慮した列車速度の設定による定時到達性の向上を図ることができる。
【0025】
また、実施の形態1にかかる鉄道航法システムによれば、必要に応じ、送信器11、送信アンテナ10、受信アンテナ9、受信器8を通じて運行管理装置6に所要情報を伝送するようにしているので、例えば中央監視局等の地上局において、詳細な列車情報を得ることができ、中央監視局等の監視能力を向上させることができる。特に、位置情報等のデータ伝送を定期的に行うような運用により、例えば列車事故が起こった場合などにおいて、事故の状況を迅速かつ的確に把握することが可能となる。
【0026】
また、実施の形態1にかかる鉄道航法システムにおいて、地図データベースの情報(2次元情報)をデータ処理装置12に保持することにより、例えば表示器14に走行位置情報や遅延時間等の運行情報を視覚的に表示することができ、また、取得した線路勾配の情報に基づいて、減速、加速等の警告、注意喚起等を行うことができるので、経済性と定時到達性とを両立させた運行管理を支援することができ、運転手および車掌にかかる負荷を軽減することができる。
【0027】
なお、主要駅の絶対位置情報をデータ処理装置12に保持するようにすれば、主要駅に到着する都度、現在位置情報の補正を行うことができるので、位置情報および勾配情報の誤差の累積的増加を減少させることが可能となる。
【0028】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2にかかる鉄道航法システムの構成を示す図である。同図の鉄道航法システムでは、図1に示した鉄道航法システムの構成において、鉄道車両の進行方位を検出するための方位センサ15をさらに備えるように構成されている。方位センサ15は、先頭車両2の進行方位を検出することができる方位センサであり、例えばジャイロコンパス、振動ジャイロ、光ファイバジャイロ、磁気コンパス等によって実現することができる。なお、その他の構成については、図1に示した実施の形態1の構成と同一または同等であり、これらの共通の構成部には、同一の符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
【0029】
図5は、実施の形態2の鉄道航法システムにおける勾配検出処理の細部フローを示すフローチャートであり、図3に示した処理フローと同一または同等の部分には、同一符号を付して示している。
【0030】
図5において、時刻t1ときの位置を始点P(東経α1°,北緯β1°,標高h1[m])とし、時刻t2ときの位置を終点R(東経α2°,北緯β2°,標高h2[m])とするとき、演算部22に対し、これらの始点情報および終点情報が入力される(ステップS101)。データ処理装置12は、方位センサ15が検出した進行方位の情報に基づき、始点Pにおける進行方位φ1および終点Rにおける進行方位φ2を検出し、検出したこれらの方位情報を演算部22に通知する(ステップS201)。なお、図4の構成において、方位センサ15の出力を演算部22に入力し、ステップS201の処理を演算部22が行うようにしてもよい。つぎに、演算部22は、演算上の仮想的な地点(図5の例では、演算上の中間点)である地点Qを設定し、始点Pと地点Qとの間の距離PQと地点Qと終点Rとの間の距離QRとを演算するとともに(ステップS202)、始点Pと終点Rとの間の水平距離Lを次式に基づいて算出する(ステップS203)。
【0031】
L=√[PQ2+QR2+2・PQ・QR・cos(φ2−φ1)] …(2)
【0032】
さらに、演算部22は、上記(2)式にて算出された水平距離Lの情報に基づき、線路4の勾配値θを上記(1)式を用いて演算する(ステップS103)。
θ=tan-1[(h2−h1)/L] …(1) (再掲)
【0033】
なお、終点Rを算出するときの時刻t2と、始点Pを算出するときの時刻t1との時間間隔ΔT(=t2−t1)は、線路勾配を演算する際の処理間隔であり、任意に設定することができる。
【0034】
(システム利用の効果)
実施の形態2にかかる鉄道航法システムによれば、実施の形態1と同様の効果が得られる他、以下に示す固有の効果が得られる。
【0035】
まず、実施の形態2にかかる鉄道航法システムによれば、始点Pと終点Rとの間の水平距離Lを、演算上の仮想的な地点である地点Qを設定して算出しているので、始点Pと終点Rとの間で進行方位が大きく変化するような演算区間における演算誤差の抑制が可能となる。
【0036】
また、実施の形態2にかかる鉄道航法システムによれば、進行方位の情報や進行方位の変化率の情報を保持することにより、取得した線路勾配およびカーブの情報に基づいて、減速、加速等の警告、注意喚起等を行うことができるので、運転手および車掌にかかる負荷をより効果的に軽減することが可能となる。
【0037】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3にかかる鉄道航法システムの構成を示す図である。同図の鉄道航法システムは、図1に示した実施の形態1にかる鉄道航法システムを、D−GPS(差動−GPS)として構成したものである。図6において、後述するD−GPSの基準局として機能するGPS受信器を搭載した送受信器8aが設けられるとともに、送受信器8aが生成する補正信号を送信するための送受信アンテナ9a、補正信号を受信するための受信アンテナ17が備えられ、生成された補正信号がGPS受信器21に入力されるように構成される。なお、その他の構成については、図1に示した実施の形態1の構成と同一または同等であり、これらの共通の構成部には、同一の符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
【0038】
(D−GPSの概念)
ここで、D−GPSの概念について簡単に説明する。D−GPSとは、位置が既知である基準局が発信するFM放送等の電波を利用して、GPSの計測結果の誤差を修正して精度を高める技術である。基準局で、GPSによる測量を行い、実際の位置とGPSで算出された位置のずれをFM放送等などの地上波で送信することにより、GPS衛星からの信号により計測した結果を補正する。通常のGPSでは、100m程度の位置誤差が生じるが、D−GPSによっておおむね5m程度(水平方向)に誤差が軽減される。ただし、100mの位置誤差は、米国防総省が提供していたGPSに安全保障を理由として故意にノイズが混入されていたために発生したものであり、ノイズ混入が行われなくなった現在では、D−GPSを採用しなくても誤差は10m程度までに収まると言われている。逆に、ノイズ混入が行われなくなった現在において、D−GPSを利用することにより、水平方向の測位誤差である位置誤差は、±1mの精度までに減少させることができるとの内容が、下記特許文献4に示されている。
【0039】
【特許文献4】特表2002−509603号公報
【0040】
(GPSの垂直方向における測位誤差)
ところで、GPSの場合、垂直方向の測位誤差を表す標高誤差は、水平方向の測位誤差を表す位置誤差に比べて、非常に大きいと言われている。しかしながら、下記非特許文献1には、GPSの高度測定誤差は、水平方向の測位誤差の約1.5倍と規定されており、GPSにおける垂直方向の測位誤差を改善することは可能である。
【0041】
【非特許文献1】Global Positioning System Standard Positioning Service Perfomance Standard,Department of Defense,Oct,2001.
【0042】
(システム利用の効果)
実施の形態3にかかる鉄道航法システムによれば、D−GPS方式の処理が可能なシステムとして構成しているので、実施の形態1と同様の効果が得られる他、経済性と定時到達性とを両立させた運行管理を効果的に支援することが可能となる。
【0043】
なお、実施の形態3にかかる鉄道航法システムは、図1に示す実施の形態1にかる鉄道航法システムをD−GPSとして構成する一例を示したが、図4に示す実施の形態2にかる鉄道航法システムに対しても適用することができ、さらに実施の形態2にかかる効果をも得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、本発明にかかる鉄道航法システムは、高度情報データベース等を利用することなく取得した3次元情報を鉄道車両の運行管理に効果的に活用することができる発明として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる鉄道航法システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態1にかかる鉄道航法システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】図2に示した勾配検出処理の細部フローを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる鉄道航法システムの構成を示す図である。
【図5】実施の形態2の鉄道航法システムにおける勾配検出処理の細部フローを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態3にかかる鉄道航法システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 鉄道車両
2 先頭車両
4 線路
5 運転台
6 運行管理装置
7 伝送路
8 受信器
8a 送受信器
9,17 受信アンテナ
9a 送受信アンテナ
10 送信アンテナ
11 送信器
12 データ処理装置
14 表示器
15 方位センサ
18 制御コンソール
20 GPSアンテナ
21 GPS受信器
22 演算部
23 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両に搭載され、線路上を走行する前記鉄道車両のための鉄道航法システムであって、
人工衛星からの電波を受信することにより現在位置の緯度、経度および高度を含む3次元位置情報を測位するGPS受信器と、
前記GPS受信器が検出した高度情報に基づき、前記線路上の一の地点と、該線路上の他の地点との間の勾配値を演算する演算部と、
前記演算部が演算した前記勾配値を前記3次元位置情報に関連づけて表示する表示部と、
を備えたことを特徴とする鉄道航法システム。
【請求項2】
前記鉄道車両の進行方位を検出するための方位センサをさらに備え、
前記演算部は、前記方位センサが検出した前記一の地点の進行方位および前記他の地点の進行方位の情報を考慮して、前記勾配値を演算することを特徴とする請求項1に記載の鉄道航法システム。
【請求項3】
前記線路近傍の所定位置に設置され、D−GPSの基準局として機能するGPS受信器を搭載した送受信器をさらに備え、
前記送受信器内のGPS受信器によって生成された補正信号が、前記鉄道車両内のGPS受信器に伝達されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄道航法システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−302820(P2008−302820A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152035(P2007−152035)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】