説明

銀粒子の水性分散液

0.5〜25nmの重量平均粒径を備える銀粒子及び水性担体液を含む水性分散液を調製する方法であって、i)少なくとも1つの銀塩、水性担体液及び前記粒子のための安定剤を含む混合物を提供する工程と、ii)反応混合液を形成するために前記混合物を非イオン性又は共有結合還元剤と接触させる工程と、iii)前記少なくとも1つの銀塩が前記還元剤と反応して銀粒子及び酸を含む分散液を形成することを誘発する工程とを含み、工程iii)はアニオン交換樹脂の存在下で部分的若しくは完全に実施され、それにより前記酸は前記樹脂由来のヒドロキシドイオンと交換される、及び/又は前記樹脂によって吸収される方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、特に25nm未満の平均粒径を有する銀粒子の水性分散液を作製する方法、該分散液自体、該分散液を含む組成物、詳細にはインク及び該インク由来のプリント回路に関する。
【背景技術】
【0002】
微小銀粒子の水性分散液は、それらの潜在的工業用途、例えば概して抗菌活性、触媒作用、光導波路、高周波識別アンテナ、太陽エネルギーから電気を発生させるための太陽光発電グリッド、薄膜トランジスタ用電極及びプリント電気回路のために益々多くの関心を集めつつある。
【0003】
プリント電気回路は、通常は回路基板上にエッチングされる。基板自体は、導電性金属の層、通常は銅箔を堅い支持基板上に含む。導電性回路は、銅箔電気回路を残すために酸を用いて選択的にエッチングして導電性金属の一部を除去することによって製造される。回路基板には次に電気装置又は電気構成部品を製造するのに適切な電気部品が装着される。
【0004】
回路基板は剛性で、かさ高く、そして高価なだけではなく、エッチングプロセスは汚く且つ危険である。そこで小型で柔軟性があって安価であり、安全且つ低廉なプロセスによって製造できる導電性回路を提供する必要がある。
【0005】
これを行う1つの方法は、柔軟性基板、例えばポリマー薄膜などであってもよい基板上に、銀粒子を含む導電性インクを使用して回路を直接的にプリントすることである。しかし、効率的な導電性経路を製造するためには、インクの個別金属粒子が十分に連続性の金属薄膜を形成しなければならない。
【0006】
当然ながら、銀の融点は962℃であり、ポリマーのガラス遷移温度(T)より有意に高い。実際に、そのような高温では、基板として使用できる大多数のポリマーは、分解若しくは腐食する。
【0007】
しかし、銀の微小粒子が一緒に焼結する温度は、バルク金属の融点よりはるかに低い可能性がある。例えば、バルク銀は962℃で溶融するが、平均粒径が約50nmの銀粒子は約200℃で一緒に焼結し、粒径が5〜25nmの銀粒子は約120℃で焼結する。これらのより低い温度では、多数の安価で容易に入手できるプラスチック薄膜は生き残る。
【0008】
金属粒子を製造する公知のプロセスは、高レベルの有機溶媒を使用する、及び/又は極めて低濃度の粒子を製造する。国際特許出願公開第2007/120756号は、混合すると層が分離する2つの不相溶性の溶媒を使用する1つのそのようなプロセスについて記載している。この特許出願に開示されたプロセスは、低分子量安定剤を使用して安定化された径が5〜10nmの金属又は金属オキシド粒子を製造する。製造される各1gの金属又は金属オキシド粒子に対しておよそ300〜800gの有機溶媒が必要とされる。そのような大量の有機溶媒の除去は、不都合であり、多額の費用を要し、そして環境に優しくない。欧州特許第1646095号はさらに又、加熱によって除去可能な低分子量安定剤を用いて安定化された粒径10〜100nmの沈降金属粒子を形成するために不相溶性の溶媒を使用する。このプロセスは、製造される各1gの金属粒子に対して一層多量の約2,400gの有機溶媒を必要とする。
【0009】
しかし欧州特許第1646095号は、該特許が開示するプロセスが水の存在下で機能すると主張しているが、水性媒体中で銀粒子を製造するためのプロセスを可能にする開示は存在しない。さらに本発明者らは、その中で認識されなかった重大な問題;つまり銀粒子を形成するための銀塩の還元が水中では極めて緩徐であることを見いだした。
【0010】
米国特許出願第2006/0264518号は、低固体含量及びポリマー安定剤の非存在下で微細銀粒子の凝集体を製造するためのプロセスについて記載している。分散液の固体は遠心分離によって、次に微細銀粒子の分散液を形成するために結果として生じる凝集体を再分散させることによって増加させられる。これは長期に渡る複合プロセスである。
【0011】
米国特許出願第2008/0064767号は、6〜11nmの銀粒子及び1.5重量%までの固体含量の水性分散液を作製するための複雑なプロセスを開示している。
【0012】
そこで、高濃度にある水性分散液中又は乾燥粉末としてのそのような銀粒子を製造するための簡単でより環境的に許容できるプロセスが極めて望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際特許出願公開第2007/120756号
【特許文献2】欧州特許第1646095号
【特許文献3】米国特許出願第2006/0264518号
【特許文献4】米国特許出願第2008/0064767号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本発明者らは、水性担体液中において銀粒子を調製するための方法であって、単純で、有機液体をほとんど若しくは全く使用せず、許容できる持続的速度で進行し、以前よりも高固体含量で安定性分散液を提供する方法を考案した。さらに、製造された分散液は、実質的に無機酸を含んでいない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によると、0.5〜25nmの重量平均粒径を備える銀粒子及び水性担体液を含む水性分散液を調製する方法であって、
i)少なくとも1つの銀塩、水性担体液及び該粒子のための安定剤を含む混合物を提供する工程と、
ii)反応混合液を形成するために該混合物を非イオン性又は共有結合還元剤と接触させる工程と、
iii)該少なくとも1つの銀塩が該還元剤と反応して金属粒子及び酸を形成することを誘発する工程とを含み、
工程iii)はアニオン交換樹脂の存在下で部分的若しくは完全に実施され、それにより該酸は該樹脂由来のヒドロキシドイオンと交換される、及び/又は該樹脂によって吸収される方法が提供される。
【0016】
好ましくは分散液の固体含量は、20重量%まで、より好ましくは1.6〜20重量%、さらにより好ましくは1.6〜15重量%、一層より好ましくは1.6重量%〜12重量%、及び最も好ましくは1.6〜12重量%である。
【0017】
好ましくは、工程iii)は、イオン交換樹脂の存在下で完全に実施される。
【0018】
アニオン交換樹脂の使用は、銀塩の還元によって形成される反応混合物から酸を除去するために効率的且つ便利な方法である。
【0019】
驚くべきことに、本発明者らは、酸の除去は反応が増強された速度で進行することを可能にすることを見いだした。銀塩から金属銀粒子への変換率はほぼ100%である。さらに、該樹脂はミリメートルサイズのビーズの形態にあるので、反応混合物から、特にはるかに小さな銀粒子から、該反応が完了したら、単純な濾過によって、又は該反応混合物を固定樹脂床に通過させることによって容易に分離される。
【0020】
さらに、イオン交換樹脂の存在下で反応を実施することは、そうではない粒子より小さい粒子を生成する。分散液は、さらに又貯蔵安定性である。所定の状況、特に高銀固体含量では、イオン交換樹脂が本発明によって使用されないと、銀粒子の安定性分散液よりむしろ反応容器の内部上で銀鏡が形成される。
【0021】
イオン交換樹脂の使用は、水性分散液が銀塩の還元から生成される塩及び/又は塩基を用いた該酸の中和によって生成される塩を含んでいないというさらなる利点を有する。このように、さらなる洗浄及び/又は精製はおおむね不必要である。これは、分散液を、所定の生成物、例えば抗菌製剤及び触媒を調製するための基礎として使用する場合は有益である。
【0022】
分離されると、アニオン交換樹脂は、適切な塩基を用いた処理によって再生させて再使用することができる。
【0023】
アニオン交換樹脂は、通常高分子量イオン性ポリマーを、典型的には多孔性ビーズの形態で、含む。ポリマー内に組み込まれたイオン性基は、正荷電しており、高分子網目の部分を形成する。これらの基に結び付いているのは、負荷電対イオン、例えばヒドロキシドイオンである。ヒドロキシドイオンは可動性であり、周囲媒体中に存在する他の同様に荷電したイオンと交換されうる。そこで、本発明では、銀塩の還元により形成される酸によって生成される解離したアニオン及び不定の酸性部位はヒドロキシドイオンと交換されうる。対イオンは、ヒドロキシドイオンが塩のアニオンと交換されると反応混合物中で水を形成するので、ヒドロキシドイオンであることが重要である。水は、当然ながら分散液から除去される必要はなく、プロセスを単純に維持する。
【0024】
ポリマーに結合した適切なイオン性基は、強又は弱塩基である。
【0025】
強塩基は、ナトリウムヒドロキシドが解離する方法と大体同じ方法でおおむね解離している塩基である。例えば、そのような強塩基の1ファミリーは、トリ−アルキルアンモニウムヒドロキシド:
−N(R)OH→N(R)+OH
であり、平衡は解離に好都合に右側である。
【0026】
そのような基を含有する樹脂は、強塩基アニオン交換樹脂として公知である。
【0027】
その他の強塩基の適切な例としては、第4級アンモニウム基、例えばトリアルキルアンモニウムクロライド、ジ−アルキル2−ヒドロキシエチルアンモニウムクロライド、ジ−アルキル2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。
【0028】
そのような基を含有する樹脂には、Siemens社から入手できるUSF−A−464 MEG(OH)、及びRohm & Haas社から入手できるAmbersep(商標)900 OHが含まれる。
【0029】
弱塩基は、部分的にのみ解離している塩基
−NR+HO←→−NR+OH
であり、平衡は左側である。
【0030】
そのような基を含有する樹脂は、弱塩基アニオン交換樹脂として公知である。
【0031】
弱塩基の適切な例としては、アミノ基およびアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。
【0032】
そのような基を含有する樹脂には、Dowex(商標)シリーズ、例えばDowex(商標)65、66、550;Purolite(商標);Remco(商標);USF−A−444(FB)を含むSiemens社製シリーズ及びAmberlite(商標)IRA67RFを含むRohm & Haas社製シリーズが含まれる。
【0033】
一部のアニオン交換樹脂は、少量の低分子量の、おそらくは水溶性の物質を含有することができる。これは粒子形成をいかなる実質的な方法でも妨害する可能性はないが、使用前には樹脂を任意で洗浄することが賢明である。水若しくはアルカリ水溶液が好ましい。
【0034】
実際には、弱塩基アニオン交換樹脂は、アニオン性基の不良な解離によって、真のアニオン交換を受けるよりむしろアニオン交換樹脂の孔内で緩く溶解したアニオンを単純に吸収する可能性がある。どんな場合でも、銀塩の還元から生成された酸は、反応混合物から効果的に除去される。これはpHを上昇させる効果を有する。
【0035】
好ましくは、反応混合物のpHは、3〜10、より好ましくは3〜9、一層より好ましくは4〜9、さらにより好ましくは4〜8、一層より好ましくは4〜7、及び最も好ましくは5〜7のpHで維持される。これらの範囲内で反応速度がより高いだけではなく、形成される銀粒子はより小さくなり、それらを含有する分散液はより安定性になる傾向がある。
【0036】
アニオン交換樹脂の除去後の最終銀分散液のpHは、好ましくは3〜10、より好ましくは3〜9、一層より好ましくは4〜9、さらにより好ましくは4〜8、一層より好ましくは4〜7、及び最も好ましくは5〜7である。
【0037】
本明細書で使用する用語「アニオン交換」は、真のアニオン交換及びさらにこの吸収形態;つまり吸収及び/又は吸着も又含むことが意図されている。
【0038】
好ましくは、本発明において使用されるアニオン交換樹脂の量は、十分量の負荷電対イオン、好ましくはヒドロキシドイオンを、反応混合物中で生成された酸の全部と交換できるように含有する。このアニオン交換樹脂の量は、本明細書では該酸当量であると規定されている。より好ましくは、使用されるアニオン交換樹脂の量は、酸当量の1〜2倍、一層より好ましくはその量の1〜1.5倍、及び最も好ましくはその量の1〜1.2倍である。
【0039】
イオン交換が完了すると、多孔性ポリマービーズは反応混合物から単離して再生させることができ、これは通常は塩基を用いた処理によってそれらの元の形態に戻される。これはプロセスが環境に及ぼす影響を一層さらに減少させてそれらを再使用することを可能にする。
【0040】
弱塩基アニオン交換樹脂は、それらが製造業者の取扱説明書に従うと容易且つ迅速に再生されるために好ましい。
【0041】
イオン交換樹脂は、反応中に水性混合物中に存在してもよい、又は反応が完了した後に添加されてもよい。
【0042】
好ましくは、イオン交換樹脂は全反応を通して存在するが、それは反応が合理的速度で進行することをこれが保証するからである。いずれにせよ、樹脂に他の成分を装填することはより便利である。
【0043】
あるいは、反応混合物を反応中に時折、又は連続的のいずれかで固定樹脂床を通過させることができる。
【0044】
樹脂が反応に使用される最初の時点には、銀の収率減少が生じることがある。しかし驚くべきことに、該樹脂の再生及びその後の反応における再使用後には、銀の収率は、例えば以下の化学反応式1及び2に示したように、反応の化学量論に実質的に従っている。
【0045】
当然ながら、本プロセスの工程iii)において形成された酸はpHを好ましい範囲内に維持するための塩基の添加によって中和することができる。しかしこれには、pHにおける大きな変動を回避するために全反応を通して塩基の連続的添加が必要になる。さらに、酸の中和で形成される塩は、本プロセスに複雑性と費用を付け加えるその後の工程として、好ましくは除去される必要がある。
【0046】
少なくとも1つの銀塩は、水性担体液中で好ましくは少なくとも部分的に可溶性であり、より好ましくは0.01モル・l−1〜4モル・l−1、一層より好ましくは0.1〜3モル・l−1、一層より好ましくは0.25〜3モル・l−1、さらに一層より好ましくは0.25〜2モル・l−1の濃度で可溶性である。最も好ましくは、銀塩は、該混合物中で使用された濃度で、これはより小さな粒子を製造する傾向があるので、水相中に完全に可溶性である。
【0047】
本発明において使用するための銀塩の適切な例としては、銀アセテート、銀トリフルオロアセテート、銀ラクテート、銀ベンゾエート、銀ニトレート、銀カーボネート、銀パークロレート、銀ホスフェート及びそれらの混合物が挙げられる。最も好ましいのは、それが容易に入手可能で水溶性であるので、銀ニトレートである。
【0048】
前記少なくとも1つの金属塩は、単一塩又は塩の混合物からなってもよい。
【0049】
還元剤の適切な例としてはヒドラジン及びカルボヒドラジドを含むその誘導体;ジアルキルヒドロキシルアミン類、例えばジエチルヒドロキシルアミン、ジアルキルケトオキシム類、例えばメチルエチルケトオキシム及びナトリウムボロハイドライドが挙げられる。好ましくは、還元剤は、非イオン性若しくは共有結合性である。イオン性還元剤、例えばナトリウムボロハイドライドは、一部の用途において金属分散液が使用されると除去しなければならないイオン性副生成物を生成する。そのような除去は困難な可能性があり、プロセスに複雑性と費用を付け加える。非イオン性又は共有結合性還元剤は、この複雑性を回避する。
【0050】
反応中にそれ自体は水以外の気体性副生成物しか生成しない還元剤を使用するのが好ましいが、それはこれが副生成物を除去するための追加のスクラブ工程の必要を未然に防ぐからである。
【0051】
ヒドラジン自体は、副生成物として窒素しか生成しないそのような還元剤である。例えば、銀ニトレートの還元は、以下の化学反応式1、つまり:
4AgNO+N→4Ag+4HNO+N 化学反応式1
に示したように窒素を生成する。残念なことに、ヒドラジンは毒性であるので、注意深く取り扱わなければならない。さらに、ヒドラジンは硝酸を含む所定の物質と高度に爆発性の混合物を形成する。
【0052】
硝酸は、金属ニトレート、例えば銀ニトレートが化学反応式1に示したように還元されると形成される。アニオン交換樹脂の使用は、爆発の危険性を有意に低下させるが、それはアニオン交換樹脂が混合物から酸を効果的に除去するためである。
【0053】
最も好ましいヒドラジン由来還元剤は、安価であって商業的量で容易に入手できる非毒性固体材料であるカルボヒドラジドである。カルボヒドラジドは水と反応してヒドラジン及び二酸化炭素を生成する、つまり
NHNHCONHNH+HO→2N+CO 化学反応式2
その結果として、カルボヒドラジドが還元剤として使用される場合は、銀粒子を製造する際に生成される酸以外の副生成物は二酸化炭素及び窒素である。
【0054】
ジアルキルヒドロキシルアミン類及びジアルキルケトオキシムは有効な還元剤であるが、それらはカルボヒドラジドほど好ましくない。これは、それらが気体性副生成物ではなく揮発性液体(各々カルボン酸及びケトン類)を生成するからである。それでも、便利ではないが、そのような揮発性有機化合物は容易に除去される。そこで、この群の還元剤も又本発明において有用である。
【0055】
「水性」は、担体液の少なくとも50重量%が水であり、残りが有機液体であることを意味する。好ましくは、担体液は、50〜100%の水、より好ましくは75〜100%、一層より好ましくは90〜100%の水を含有し、そして最も好ましくは担体液は水である。
【0056】
有機液体が使用される場合は、有機液体は、好ましくは使用される濃度で水と適合性である。「適合性」は、液体の相分離が存在しないことを意味する。これは、極めて複雑な混合及び攪拌レジームが不要であり、複雑な分離技術が回避されるので、単純なプロセスを提供する。
【0057】
この反応は、水性担体液の凝固点より高い、形成される銀粒子の焼結温度より低い、及び安定剤の曇り点より低い任意の温度で実施することができる。好ましくは、反応温度は、10〜75℃、より好ましくは10〜70℃、一層より好ましくは10〜60℃、さらにより好ましくは20〜50℃、及び最も好ましくは20〜30℃である。
【0058】
本発明の又別の態様では、上記で記載したプロセスによって作製された0.5〜25nmの重量平均粒径の銀粒子の水性分散液が提供される。好ましくは、粒子は1〜15nm、より好ましくは1〜10nm、及び最も好ましくは2.5〜10nmの平均粒径を有する。
【0059】
所与の平均粒径に対してより大きい粒子は常に少数になり、それにより有効焼結温度が低下するので、狭い粒径分布が好ましい。
【0060】
安定剤の役割は、2つの要素からなる;第1に、粒子形成中には安定剤は新規に形成された粒子の表面に結合して、それ以上の結晶成長及び/又は増大を防止するために、従って粒径のある程度の制御を許容するために十分な親和性を有していなければならない:第2に、反応が完了し、粒子が形成されると、安定剤はそれ以上の粒子の凝集及び/又は沈降を防止する。
【0061】
水性担体液中に使用するための安定剤は、分散相に対して、この場合には金属表面に対して水性担体液より大きな親和性を有する第1部分(そのような部分はアンカー基とも呼ばれる)及び該金属表面よりも水性担体液に対して大きな親和性を有する第2部分を含む。これは、粒子表面が少なくとも部分的に安定剤によって被覆されることを生じさせる。この方法で、電荷斥力による、又は立体相互作用を通してのいずれかで、銀粒子が相互に接触する、そしてそれにより凝集することが防止される。
【0062】
アンカー基は、銀粒子の表面に対するそれらの親和性のために選択される。銀表面へ十分に結合する基には、イオン性基、例えばホスフェート(−PO3−)、カルボキシレート(−CO)及びホスホネートが含まれる。最も好ましいのは、カルボキシレート基である。
【0063】
非イオン性基も又十分に結合することができ、適切な当該基には、アミン(−NH)、チオール(−SH)及びカルボキシル(−COH)が含まれる。
【0064】
カルボキシレート及びホスホネート基が好ましい。
【0065】
カルボキシレート基の場合には、該基が例えばマレイン酸無水物によって提供されるように隣接対として配列されると、微小粒子の安定性分散液を提供することにさらに又有益である。
【0066】
第2安定剤部分は、親水性ポリマーを含む。適切なそのようなポリマー部分には、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、アクリル酸及び/又はメタクリル酸に富んだアクリルポリマーが含まれる。ポリエチレングリコール含有ポリマーは、これらがインクに調製されると最高の特性を生成するので好ましい。
【0067】
安定剤が酸に富んだアクリルポリマーを含む場合は、分散液を少なくとも部分的に中和することが好ましい。これは水性担体液中の第2部分の可溶性を増加させる。
【0068】
適切な安定剤には、ポリマー分散剤、例えばブロックコポリマー、ランダムコポリマー又はコーム−グラフトコポリマーが含まれる。最も好ましいのは、コーム−グラフトコポリマーである。
【0069】
好ましくは、安定剤の量は、銀上の重量に基づいて計算して5〜35%、より好ましくは15〜25%である。
【0070】
コーム−グラフトコポリマーは、それらが最も小さな粒子及び最も安定性の分散液を生成するので、安定剤として好ましい。
【0071】
コーム−グラフトコポリマーは、分枝状ポリマーの1タイプである。それらはペンダント側鎖を備えるポリマー主鎖を有し、主鎖及び側鎖は何らかの点で相違している。これは、主鎖のモノマー組成が側鎖とは相違する、又はモノマーの相対量が相違するためであってもよい。安定化材料の場合には、主鎖及び側鎖における主要な差は官能基の選択である。
【0072】
本発明における安定剤として使用するために好ましいコーム−グラフトコポリマーは、マレイン酸無水物及びポリエチレングリコールメタクリレートを含むモノマーに由来する。
【0073】
安定剤として使用するために特に有用なコーム−グラフトコポリマーは、以下にその酸形で示した構造式I:
【化1】


のマレイン酸無水物−ポリエチレングリコール−メタクリレートポリマーである。
【0074】
好ましくは、nは、2〜100、より好ましくは5〜100、一層より好ましくは10〜80、さらに一層より好ましくは15〜70、及びなおさらに好ましくは20〜60である;mは、好ましくは7〜50、より好ましくは7〜25、及びなおさらに好ましくは7〜20である。全ての中で最も好ましいのは構造式I(式中、nは28〜32であり、mは10又は11である)である。
【0075】
当然ながら、上記に示した構造は、理想的構造である。当業者には、構造の統計的分布が当該モノマーの重合の結果として生じることが理解されている。
【0076】
Iに示した構造の主鎖内のカルボキシル基の1つは、カルボキシルと反応性の基を含む他の分子と反応することができるが、それでもまだ0.5〜25nmの平均粒径の粒子を製造する。このような反応性基には、アミン類及びヒドロキシル類が含まれる。適切なアミン類には、以下の第1級アミン類:β−アラニン、システアミン、ジアミノヘキサン、リシン、プロピルアミン及びエタノールアミンが含まれる。
【0077】
構造式IIは、β−アラニンと反応したマレイン酸無水物PEGメタクリレートコーム−グラフトコポリマーの反応生成物を例示している。
【化2】

【0078】
構造式Iとシステアミンとの反応生成物は、特にmが10〜12であり、nが28〜32である場合には1〜3nmに低下した平均粒径の粒子を製造することに特に有効である。
【0079】
好ましくは、コーム−グラフトコポリマー安定剤の酸価は40〜250mg KOH/g(不揮発性安定剤)、より好ましくは90〜230、一層より好ましくは120〜220、なおさらに好ましくは150〜200、さらに一層より好ましくは160〜190、及び最も好ましくは170〜190mg KOH/g(不揮発性安定剤)である。
【0080】
好ましくは、安定剤は粒子の焼結温度又はその近くの温度への曝露によっては揮発させられない。
【0081】
分散液の粘度は不揮発性含量が増加するにつれて上昇するので、これはアニオン交換樹脂が分散液から反応の終了時に分離することを困難にさせることができる。このため製造中には、不揮発性含量を、特に製造規模に基づいて15重量%未満、より好ましくは12重量%未満に維持することが好ましい。
【0082】
本発明の方法によって製造された粒子は、実質的に球形である。
【0083】
一部の状況では、乾燥粉末の形態にある銀粒子を有することが望ましい。そのような場合には、粒子は水性混合液から、例えば、濾過、スプレー乾燥及び/又は凍結乾燥によって、粒子の温度が該粒子にとっての焼結温度を超えて上昇させられないことを条件に単離することができる。好ましくは、粒子は、攪拌する工程によって水性担体液中に再分散させることができる。
【0084】
当然ながら、粒子の焼結温度を超える温度で乾燥させると、粒子が集合して接触及び/又は付着して導電路を形成するようなエネルギーが生じる。
【発明を実施するための形態】
【0085】
本発明の又別の態様では、
i)少なくとも1つの銀塩、水性担体液及び該粒子のための安定剤を含む混合物を提供する工程と、
ii)反応混合液を形成するために該混合物を非イオン性又は共有結合還元剤と接触させる工程と、
iii)該少なくとも1つの銀塩が該還元剤と反応して銀粒子及び酸を含む分散液を形成することを誘発する工程と、
iv)該反応が完了したら金属粒子の分散液からアニオン交換樹脂を分離する工程とを含み
工程iii)は部分的若しくは完全にアニオン交換樹脂の存在下で実施され、それにより該酸は該樹脂由来のヒドロキシドイオンと交換される、及び/又は該樹脂によって吸収される方法によって製造される銀粒子の無機酸を含まない水性分散液が提供される。
【0086】
本発明の又別の態様では、上記に記載した分散液のいずれか1つを含むインク調製物であって、導電路又は導電回路を形成するのに適合するインク調製物が提供される。
【0087】
好ましくは、インク調製物は、水溶性有機アルコール類及び界面活性剤からなる群より選択される成分をさらに含む。
【0088】
アルコール類の適切な例としては、エタノール、イソプロパノール及びグリコール類が挙げられる。
【0089】
インクは、インクジェット、グラビアコーティング、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン及びステンシル印刷を含む公知の技術を使用して基板に適用できる。
【0090】
本発明のさらに又別の態様では、上記に記載したインクに由来する導電路を備える基板、好ましくはポリマー基板が提供される。
【0091】
本組成物を以下の方法によって特性解析した。
【0092】
粒径分析
回転円板遠心技術を使用して分散液の粒径分布を測定した。この方法の原理は、遠心力が適用された場合の粒子の沈降速度の粒径依存性(ストークスの法則)に基づいている。一般に小さな粒子ほど長い時間を要する。粒子が回転軸の外側に到着する速度は発光ダイオードによって測定され、この情報は次に粒径分布に変換される。この技術は、銀が黄色(プラズモンバンド)であって、それらがその中に懸濁させられる流体(水)に比較して高密度であるために、銀粒子に良好に適合する。
【0093】
測定値を得るために、濃縮された銀サンプルは、浅黄色分散液を得られるように希釈される。5(w/w)%銀分散液のためには、これはおよそ1:1000の希釈係数を必要とする。正確な比率は、銀の体積がこの計算における要素ではないので重要ではない。希釈は、濃縮銀分散液はLEDから光線を完全に吸収するから、吸収の差を検出できるために不可欠である。
【0094】
CPS円板遠心分離機モデルDC24000(Analytik社製Unit 4(The Acorn Centre、英国SG18 0RA、ベッドフォードシャー州ビッグルスウェード、チェストナットアベニューから供給された、又はCPS Instruments社、米国34997フロリダ州スチュアート7349 SE シーゲートレーンから直接した)を使用して測定を実施した。サンプルを機器内に投入し、円板を24,000rpmで回転させた。最小微小粒子(2〜3nm)を沈降させるためにはおよそ1時間を要する。粒径分布は、銀の密度を10.5g/cm-3として沈降速度から計算する。LEDの波長(405nm)での銀に対する複素屈折率の実数部及び虚数部も又必要とされ、文献から入手したが、各々0.173及び1.95である。分布から、重量平均粒径を計算する。
【実施例】
【0095】
実施例に使用された成分
マレイン酸無水物及びポリエチレングリコールメタクリレート475は、Sigma Aldrich社、SP8 4XT、ドーセット州ギリンガム、ニューロード、旧ブリックヤード)から入手できる。
【0096】
Dowex 66(商標)は、弱塩基(t−アミン)アニオン交換樹脂、Dowex(商標)Marathonは強塩基(第4級アミン)アニオン交換樹脂であり、どちらもDow Corporation社(米国63103、ミズーリ州セントルイス、スプルースストリート3050)から入手できる。
【0097】
Vazo 67は、DuPont社から入手できる。
【0098】
安定剤の実施例
安定剤1
安定剤は、下記の方法に従って下記に列挙した成分を使用して調製した。
【0099】
スターラー、窒素パージ、サーモメーター及び還流冷却器を装備した1Lのフラスコに、MEK(4)、マレイン酸無水物(2)及びPEGメタクリレート475(1)を加え、還流に達するまで約85℃へ温度を上昇させた。
【0100】
この混合液に窒素ガスを用いて200cm/分の速度で全体を通してパージした。10分間の初期パージ後に、ベンゾイルペルオキシド(3)を加え、この混合液を重合が完了するために1.5時間に渡り還流下で維持した。生じた安定剤溶液を20〜25℃に冷却し、攪拌しながらジエチルエーテル(5)に添加した。添加すると安定剤が沈降したので、濾過し、より多くのジエチルエーテルを用いて洗浄し、その後に任意の残留しているジエチルエーテルはオーブン内で乾燥させることによって除去した。
【表1】

【0101】
分子量(Mw)、酸価(AV)及び非揮発性含量(nv)を測定した。
【0102】
18重量%の安定剤溶液は、2.2gの安定剤を10gの水中に溶解させ、ナトリウムヒドロキシド溶液を用いてpHを7に調整することによって作製した。
【0103】
安定剤2
これは、PEGアクリレート−マレイン酸無水物コームコポリマーのシステアミン付加化合物である。以下の成分を使用した。
ステージ1
【表2】

【0104】
安定剤1の場合と同一の方法及び装置を使用した。
【0105】
生じたステージ1のコポリマーの溶液を1.2Lのジエチルエーテル中に注入した。コポリマーが沈降するに任せ、曇ったエーテル層を廃棄し、コポリマーは3ロットの40〜50mLのエーテルで洗浄した。残留エーテルを蒸発によって除去した後、赤色ワックス状コポリマーの収量は127gであった。
【0106】
1gのコポリマーを10mLの1モルのカリウムクロライド水溶液中に溶解させ、0.1モルのカリウムヒドロキシド溶液を用いて滴定した。酸容量は、3.2モル/kg=179.5mg KOH/g(ポリマー)の酸価(AV)であることが見いだされた。
ステージ2
【表3】

【0107】
システアミンの溶液は、システアミンヒドロクロライド(3)をエタノール(5)及びトリエチルアミン(4)中に溶解させることによって作製した。ステージ1からの乾燥させたコポリマー(1)はエタノール(2)中に別個に溶解させ、その後迅速にシステアミン溶液中に攪拌して入れた。2時間後にコポリマーを200mLのジエチルエーテル中に沈降させ、エーテルの20mL部分を用いて2回洗浄した。粗生成物はエタノール中に再溶解させ、再び沈降させ、エーテルを用いて洗浄した。残留エーテルを蒸発させた後、精製した生成物の赤外線スペクトルは1565cm−1近くでの吸収を示したが、これは予想された置換アミド連結に帰せることができた。
【0108】
銀粒子分散液
反応は全部を20〜30℃で実施した。
【0109】
分散液実施例1
銀粒子の分散液は、下記の方法に従って下記に列挙した成分を使用して作製した。反応全部の温度は20〜25℃であった。
【0110】
250cmのビーカーに70gの脱塩水(1)及び16.60g(100mmol)の銀ニトレート(2)及び12.2gの18重量%の安定剤1水溶液(3)を攪拌しながら加えた。これに2時間の経過に渡って攪拌し続けながら11.16g(12.5mmol)のカルボヒドラジド溶液(4)を加えた。還元剤の全部が加えられていた場合は、40g(1.1酸当量の硝酸)のイオン交換樹脂(5)を加え、UV/可視光線分光計によって確認されて反応が完了するまでさらに14時間に渡り攪拌を継続した。
【表4】

【0111】
イオン交換樹脂は、銀粒子の分散液から、減圧の適用によって支援できる100メッシュのふるいに通して濾過することによって銀粒子の分散液から分離する。樹脂は蒸留水の2×25cm部分を用いて洗浄して、付着した全ての銀粒子を除去した。
【0112】
銀分散液の粒径は、円板遠心分離機によって4〜10nmであると決定されたが、6nmが典型的であった。この分散液は貯蔵安定性であり、室温で少なくとも4カ月間に渡り凝集及び沈降の徴候を示さなかった。
不揮発性成分含量=10.57重量%
pH=7
平均粒径=6nm
【0113】
分散液実施例2
分散液実施例1を、製法からアニオン交換樹脂であるDowex 66を除外したこと以外は繰り返した。この反応は極めて緩徐で、銀が沈降して、最初は反応容器の内面上に銀鏡が形成され、これを放置すると凝集した非再分散性の塊が形成された。
【0114】
分散液実施例3
分散液1に略述した方法を繰り返したが、Dowex 66の代わりに樹脂IRA 69(Rhom and Haas社製)を使用した。これはさらに弱塩基樹脂であり、硝酸にとって有効な吸収剤であると思われる。円板遠心分離機から11nmの平均粒径が得られた。
【0115】
分散液実施例4
この実施例では、分散液1について記載した方法を繰り返したが、16.6gの銀ニトレートは16.7gの銀アセテート(Sigma Aldrich社製)と取り替えた。銀アセテートは、水に約1重量%の程度までしか可溶性ではないので、このため前駆体が完全に可溶性であり、銀前駆体の大部分が水に分散したた銀ニトレートの例とは相違していた。反応の終了時までに、銀アセテートの全部が消費され、銀ナノ粒子の安定性分散液が得られた。円板遠心分離機によって測定した平均粒径は17.4nmであった。
【0116】
分散液実施例5
本実施例では、銀ニトレートは、13.8gの銀カーボネートAgCO(Sigma Aldrich社製)と取り替えた。この塩は、銀アセテートより一層不水溶性である。本方法を繰り返したが、16時間後には、銀カーボネートの一部は反応しなかったことに留意されたい。それでも材料のバルクは反応し、安定性銀ナノ粒子が得られた。これらは円板遠心分離機によって測定すると25nmの平均粒径を有し、これはTEMによって確認された。可溶性ははるかに低く反応の場所はほとんど確実に溶液相内であったので、本発明者らは、反応時間がより長くなると完全変換がもたらされると想定している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.5〜25nmの重量平均粒径を備える銀粒子及び水性担体液を含む水性分散液を調製する方法であって、
i)少なくとも1つの銀塩、水性担体液及び前記粒子のための安定剤を含む混合物を提供する工程と、
ii)反応混合液を形成するために前記混合物を非イオン性又は共有結合還元剤と接触させる工程と、
iii)前記少なくとも1つの銀塩が前記還元剤と反応して銀粒子及び酸を形成することを誘発する工程とを含み、
工程iii)はアニオン交換樹脂の存在下で部分的若しくは完全に実施され、それにより前記酸は前記樹脂由来のヒドロキシドイオンと交換される、及び/又は前記酸は前記樹脂によって吸収される方法。
【請求項2】
前記アニオン交換樹脂の量は、少なくとも前記酸当量である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記担体液は、水適合性液体の50重量%未満を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記担体液は、水である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記銀塩は、前記水性担体液中に少なくとも部分的に可溶性である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記銀塩は、前記水性担体液中に完全に可溶性である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記銀塩は、銀ニトレートである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記還元剤は、気体状副生成物及び/又は水だけを生成するように選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記還元剤は、ヒドラジン及びカルボヒドラジドからなるリストから選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記還元剤は、カルボヒドラジドである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アニオン交換樹脂は、弱塩基樹脂である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記安定剤は、コーム−グラフトコポリマーである、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記安定剤は、
【化3】


(式中、mは7〜50であり、nは2〜100である)を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
mは10又は11であり、nは28〜32である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記粒子は、水性担体液から分離され、乾燥してもよい、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の方法によって作製された銀粒子の水性分散液。
【請求項17】
i)少なくとも1つの銀塩、水性担体液及び前記粒子のための安定剤を含む混合物を提供する工程と、
ii)反応混合液を形成するために前記混合物を非イオン性又は共有結合還元剤と接触させる工程と、
iii)前記少なくとも1つの銀塩が前記非イオン性又は共有結合還元剤と反応して銀粒子及び酸を含む分散液を形成することを誘発する工程と、
iv)前記反応が完了したら前記分散液からアニオン交換樹脂を分離する工程とを含み、
工程iii)はアニオン交換樹脂の存在下で部分的若しくは完全に実施され、それにより前記酸は前記樹脂由来のヒドロキシドイオンと交換される、及び/又は前記樹脂によって吸収される方法によって製造された銀粒子の酸を含まない水性分散液。
【請求項18】
前記固体含量は、10〜20重量%である、請求項16又は17に記載の水性分散液。
【請求項19】
請求項18の水性分散液を含む組成物。
【請求項20】
請求項18の水性分散液を含むインク組成物。
【請求項21】
請求項20に記載のインクを用いてプリントされた基板。

【公表番号】特表2012−512323(P2012−512323A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540132(P2011−540132)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067015
【国際公開番号】WO2010/069895
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(500286643)アクゾ ノーベル コーティングス インターナショナル ビー ヴィ (67)
【Fターム(参考)】