説明

鋼から形成されたストリップを製造する方法

【課題】連続仕上げ処理が鋳造−圧延の際に確保され得るので、量的に僅かな値のストリップの割合が高い装備自由使用性で出来るだけ僅かなままである方法を提供すること。
【解決手段】この発明は、まず最初に鋳造機(2)にてスラブ(3)が鋳造され、スラブ(3)が鋳造機(2)を鋳造速度(v)で付与スラブ厚さ(H)で去り、スラブ(3)が少なくとも一つの圧延路(4、5)に引き続いて多数の圧延スタンド(6、7)でストリップ(1)に圧延されて、ストリップ(1)が最終圧延スタンド(6、7)の後部で最終厚(dE )を有し、鋼製のストリップ(1)を製造する方法に関する。最適加工条件を正確に得るために或いは期待されていない成果を実現できるために、この発明は方法工程a乃至dを備えていて;
a)作用圧延スタンド(7)の異なった数(n)と異なった端厚のために、鋳造速度(v)或いは鋳造速度とスラブ厚さ(v×H)の積として或いはストリップ速度とストリップ厚さの積としての質量流と、変形処理に参加するストリップ(1)を圧延する最終圧延スタンド(7)の後のストリップ温度(T)との間で機械制御部(8)に機能関係を保管し、
b)鋳造速度(v)或いは質量流(v×H)を検出するか、或いは予め設定して、検出値を機械制御部(8)に供給し、
c)機械制御部(8)における工程aにより記憶された機能経過に基づく圧延路において作動圧延スタンドの最適数とそれによる圧延可能な端厚と厚さ減少を自動的に検出し、付与鋳造速度(v)の際に或いは付与質量流(v×H)の際に最終作用圧延スタンド(7)の後の所望ストリップ温度(T)を達成させ、
d)場合によっては圧延路(5)の圧延スタンド(7)の数を配置させて、工程cにより検出された数の圧延スタンド(7)のみが作動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、まず最初に鋳造機にはスラブが鋳造されていて、このスラブが引き続いて少なくとも一つの圧延路においてストリップに圧延されて、圧延路が多数の圧延スタンドを有して、鋼製ストリップを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼ストリップの製造では、鋳造熱からの無端圧延が知られている。この際にこの方法は興味があればあるほど、鋳造速度が速くなる。この方法が例えば欧州特許第0889762号明細書(特許文献1)、国際出願公開第2006/106376号明細書(特許文献2)及び国際出願公開第2007/073841号明細書(特許文献3)から知られている。この際にまず最初に連続鋳造機ではスラブが製造されていて、そのスラブが金型から垂直に下方に生じて、次に水平に転向される。なお熱いストリップが圧延路に供給される。圧延路の圧延スタンドでは、ストリップが所望の厚さに製造されるまで、スラブ厚さの減少が行われる。
【0003】
この際に鋼ストリップが最も異なった使用の場合にも異なった厚さを必要とされる。
【0004】
無端−鋳造−圧延のこの方法の利点は、装置の比較的短い構造長さや装置と接続された投資費用が僅かであることである。さらに、ストリップの製造においてエネルギーが節約される。遅い圧延速度では、ストリップの変形剛性が僅かに存在する。圧延すべき製品を仕上げることが困難であり、例えば非常に薄いストリップ(例えば0.8mmの厚さ)、高力特別材料を加工し、幅広く薄いストリップを組合せて製造することが可能である。さらに、ストリップ端圧延とそれに伴う圧延障害がより良く回避される。障害割合は結局、僅かであり、特に僅かな「盛上り」しか存在しない。
【0005】
上記欧州特許第0889762号明細書(特許文献1)及び国際出願公開第2006/106376号明細書(特許文献2)には、鋳造処理と圧延処理が直接に連結されている。鋳造処理と圧延処理の間に材料クッションが存在しない。無端ストリップの剪断による分離は巻き上げ直前に行われる。比較的遅いストリップ速度の際の温度水準を改良するために、加熱は圧延路前或いは内部に設けられている。
【0006】
上記技術はCSP技術と呼ばれている。これは、鋼ストリップを薄いスラブ−薄いストリップ−鋳造圧延装備で仕上げることであり、連続鋳造装置と圧延路とのしっかりな結合と温度案内が全装置によって抑制されるときに、鋳造圧延装備が効率的生産の熱ストリップを可能とする。
【0007】
この場合には、圧延スタンドが鋳造機の直後に配置されている。若干(例えば2或いは3個の)の前スタンドの後に中間加熱が定義された中間温度でn個スタンドの仕上げ路前の基準点或いは基準位置において行われる。引き続いて、連続スタンドにおけるストリップの端厚さに関して更なる変形が行われる。仕上げスタンド前に冷間ストランドを処理して(所定稼働条件の下で)ストリップを切断する剪断機が配置されている。無端稼働を確保するために、剪断機は圧延スタンドの後或いは巻上げグループの前に所望フランジ重量に切断するために必要である。巻上げ直前の一つの剪断機は薄いストリップに使用され、他の剪断機がより厚いストリップを切断するために使用される。さらに、出口テーブルローラ工程において所望温度へのストリップの冷却が行われる。
【0008】
上記鋳造−圧延−装備の使用によって連結された完全連続鋳造−圧延−処理(無端圧延)が可能となる。けれども、鋳造と圧延の両処理の直接的連結によって装置成分の高い自由使用が必要である。あらゆる環境の下で鋳造中断が回避されるに違いない。
【0009】
この場合には、処理において、例えば鋳造の開始の際、故障の際、速度変動の際に変動を生じるならば、或いは所望鋳造速度が他の理由から調整され得ないならば、これは、ストリップの仕上げとその品質に関する著しい負的結果を有するので、著しい経済的損失が生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第0889762号明細書
【特許文献2】国際出願公開第2006/106376号明細書
【特許文献3】国際出願公開第2007/073841号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それ故に、この発明の課題は、連続仕上げ処理が鋳造−圧延の際に確保され得るので、量的に僅かな値のストリップの割合が高い装備自由使用性で出来るだけ僅かなままである前記種類の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明によるこの課題の解決策は、方法が次の工程a乃至dを有することを特徴とし、a)鋳造速度或いは鋳造速度とスラブ厚さの積として或いはストリップ速度とストリップ厚さの積としての質量流と、変形処理に参加する作動圧延スタンドの異なった数と異なった端厚用の最終圧延スタンドの後のストリップ温度との間で機械制御部に機能関係を保管し、
b)鋳造速度或いは質量流を検出するか、或いは予め設定して、検出値を機械制御部に供給し、
c)機械制御部における工程aにより記憶された機能経過に基づく圧延路において作動圧延スタンドの最適数とそれによる圧延可能な端厚と厚さ減少を自動的に検出し、付与鋳造速度の際に或いは付与質量流の際に最終作動圧延スタンドの後の所望ストリップ温度を達成させ、
d)場合によっては圧延路の圧延スタンドの数を配置させて、工程cにより検出された数の圧延スタンドのみが作動する。
【0013】
この場合に、工程aによる機能関係が特に算出モデルによって得られる。この場合には、作動圧延スタンドの数の変更の際に端ストリップ厚が変更することを注意すべきである。
【0014】
前進像は、圧延すべきストリップが仕上げ圧延路前で加熱されるので、ストリップが定義された中間温度を有することを企図する。圧延すべきストリップが少なくとも仕上げ圧延路の二つの圧延スタンドの間に冷却されることが企図され得るならば、この場合には、特に、ストリップが仕上げ圧延路の最終圧延スタンドの間で冷却されることが思い出される。
【0015】
ストリップの温度は最終作動圧延スタンドの後に測定されて測定値を機械制御部に供給され得る。それにより機械制御部の有効な端ストリップ温度が存在するので、場合によっては閉鎖制御回路においてこの影響を受け得る。
【0016】
この方法は、鋳造圧延の際に特別な成果を得るのに適している。それによると、この圧延スタンドでは所定時間に所定最高差圧延力が超過されるときに、圧延スタンドが配置され得て、この場合には、各配置された圧延スタンドが上記措置にて考慮される。圧延スタンドでは差圧延力の所定積分値が時間によって超過されるときに、圧延スタンドが配置され得て、この場合には、配置された圧延スタンドが上記措置にて考慮される。
【0017】
この圧延スタンドのストリップには、所定程度を越える不平滑性が検出されるときに、圧延スタンドが配置され得て、この場合には、配置された圧延スタンドが上記措置にて考慮される。
【0018】
さらに、この圧延スタンドのストリップには、所定程度を越える表面マークが検出されるときに、圧延スタンドが配置され得て、この場合には、各配置された圧延スタンドが上記措置にて考慮される。
【0019】
この発明による提案の変動は、配置された圧延スタンドにはロール交換が現製造中に行われ得ることを企図する。
【0020】
最終的に、圧延スタンドの故障の際にこの圧延スタンドが配置されることが可能であり、この場合には、各配置された圧延スタンドが上記措置にて考慮される。
【0021】
この発明は、圧延スタンド(点Pref の後に、特に仕上げ圧延スタンド)の自動的開放が行われ、しかも、十分に高い最終圧延温度を確保するために、鋳造速度或いは質量流に依存して、それにより材料の必要とされた特性が維持されたままであり、それで、ストリップが十分に高い品質を有することを企図する。ストリップが所望端ストリップ厚に加工されずに、むしろ、より厚い回避厚が設けられ、この場合に、ストリップの高品質が維持され、特に処理中断を抑圧すべきでない。生じるストリップ厚が多数の作用接続された(仕上げ通路)圧延スタンドから生じる。より厚い最小端厚はストリップ厚の経過の規則性に依存して多数の作用された圧延スタンドによって選択されるか、或いはこの曲線の上部に位置する他の厚さが必要性に一致してストリップにて調整される。
【0022】
無端ロールの際に鋳造速度の基準が全装備によって温度経過を決定する。遅過ぎる鋳造速度の際に所望仕上げ圧延温度とそれによる材料特性が維持され得ない。それ故に、この発明は、どのように縁条件が処理条件に、特に鋳造速度に適合され得るかの可能性を提案する。
【0023】
この場合には、使用する制御、即ち機能的経過が処理の制御或いは調整に引き合いに出される算出モデルに保管される。
【0024】
鋳造装備における問題の際に、鋳造困難な材料の際に、始動過程の際に或いは鋳造機がその所定速度に到達しないときに、鋳造速度或いは質量流が一定所定目標値を下回るならば、(仕上げ圧延)スタンドが開放されて、ストリップの他の目標厚が調整される。さらに、加熱装置が所定限度で適合された基準に調整され得るので、必要な最終圧延温度が得られる。
【0025】
遅い鋳造速度の際にのみ、目標最終圧延温度を得るために開放スタンドにより圧延されるばかりでなく、むしろ、一定成果が仕上げ路において生じるときに、圧延される。このために、特に次に上げられる:
【0026】
この発明により実現され得る可能な場合はスタンド中心からのストリップの経過である。差圧延力が調整可能な閾値(例えば2000kN)を下回り、この差圧延力が同様にパラメータ可能な臨界時間(例えば1秒)持続するならば、圧延事故が起こる確率が大きい。これは回避されなければならず、それにより鋳造中断を生じない。問題のスタンドの配置後に連続スタンドにおけるストリップ厚さの適切な増加が行われる。パラメータの変更が規則性に基づいて行われ、規則性が図4と図5に記載される。ストリップ走行が鎮めたか、或いはストリップが再び中心合せするならば、作業圧延がオンラインで行われ、スタンドが新たに圧延処理に結合される。選択的に一般に積分が差圧延力と決定用臨界時間の積から引き出される。
【0027】
別の可能な場合はストリップのより大きい不平滑性の観察或いは測定である。この後に、上記措置に類似して、大きな両側或いは片側の不平滑性の際に、不平滑性が、例えば旋回或いは作業ロール屈曲の使用のように、他の迅速な措置によって改良すべきでないときに、測定される。
【0028】
この発明によるアイデアの他の使用はストリップ上の表面マーク或いは作業ロールに関する。ストリップ上の表面マークがもはや許容されないならば、スタンドのロールが欠陥を引き起こすか、或いは損傷されるスタンドが配置され得る。即ち特に新たなストリップが開始するとすぐに、適切なスタンドが配置され、連続スタンドが厚さに関して適合され、ストリップ用の適切な他の仕上げ厚さが選択されてさらに生産される。
【0029】
さらに、ロール交換が製造中に提案された措置によって行われ得る。ロール交換が絶対に必要であるならば、ロール隙間を幅広く開放してロール交換を実施することが企図され得て、この場合に、この発明による方法が実施される。ロール交換後に作業ロールが適したストリップ箇所に載置されて、再び減少処理に結合されて、そして最終圧延厚さ、最終圧延速度と温度案内が適切に適合される。
【0030】
提案された方法がスタンドの事故を生じたときに、提案された方法がさらに利用され得る。例えばスタンドのモータが故障するならば、上記のように、実施され得る;適切なスタンドが配置されるので、スタンドの損傷が重大な欠点的作用を有せず、その損傷がむしろ単にストリップ厚の変更に現れる、けれども、ここではストリップが依然として問題のない品質に仕上げられる。
【0031】
短時間の事故或いは圧延路の故障の場合には、適切に適用される。圧延中断があらゆる予防措置にもかかわらず回避されないならば、故障が除去されるまで、自動的に刻み藁駆動に置換され得る。即ち問題が除去されるまで、仕上げ路前の剪断機がストリップを故障時間に定義された長さの小さい部材或いは板に切断される。
【0032】
パラメータの任意の切換え或いは調整によって高い程度の処理安全性が与えられるので、鋳造中断が回避され得る。これが、生産装備の運転開始の場合と臨界的製品と寸法の圧延の場合に適用される。
【0033】
それ故に、提案された方法が所望或いは必要な最終圧延温度の保持のために鋳造速度変更の場合の本質的利点をもたらす。
【0034】
圧延路の期待されない故障の際に、提案された措置により鋳造中断が回避され得る。
【0035】
この場合には、鋳造速度或いは質量流、最終圧延温度と使用されたスタンド数の間の関係が利用される。
【0036】
開放仕上げスタンドにおける仕上げ路内部のストリップの冷却が好ましく拡大された冷却区間をもたらす。
【0037】
不均一の厚さのストリップ区分の鋳造開始或いは取出しの際には、剪断機が使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】鋳造機、予備路と仕上げ路を備えるこの発明の第一実施態様による鋳造圧延装備を概略的に示す。
【図2】鋳造圧延装備の図1に対する代用的構成を示す。
【図3】鋳造圧延装備の図1に対する別の代用的コンパクトな構成を示す。
【図4】種々の数の作用仕上げスタンド用の鋳造速度或いは質量流の函数としてのストリップ最終温度の機械制御部に保管された機能的経過を示す。
【図5】作用仕上げスタンドの数に依存してストリップ端厚の経過を示す。
【図6】仕上げスタンドのより強力な負荷の際に作用仕上げスタンドの数に依存するストリップ端厚の経過を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図面には、この発明の実施例が図示されている。
【実施例】
【0040】
図1には、ストリップ1が製造される鋳造圧延装備がスケッチされている。この装備はスラブ3が連続鋳造される鋳造機2を包含する。スラブ3が縦方向に金型から下方へ流出して、公知の形式で水平に転向される。ここでは、二つの圧延スタンド6を備える第一圧延路4が配置されている。ストリップが第一剪断機10、誘導加熱或いはロール炉の形態の加熱部11及び第二剪断機12に接続されている。
【0041】
第二剪断機12の後部では、仕上げ圧延路5が開始し、この仕上げ圧延路がn個の仕上げ圧延スタンド7を有する。仕上げ圧延路5の後部には、冷却区間13が存在し、ここでは、この冷却区間の前と後に剪断機14と15が配置されている。装備の終部には公知の形式で巻上げ機16が継続する。
【0042】
処理の重要なパラメータは速度vであり、この速度により鋳造ストランドが連続鋳造機2を去る。さらに、質量流がスラブ厚さHと鋳造速度vの積に関連した基準(製品の幅と厚さが良い近似で一定とされる)として表現される。装備の終端では、スラブ3が最終厚dE を備えるストリップ1に圧延される。
【0043】
温度Tが個々の仕上げスタンド7の後部で測定され得る高温計が図示されていない。若干の圧延スタンド7の間に別体の冷却装置18が配置されている。
【0044】
図2に図示された装備は、図1による装備とは予備路4の圧延スタンド6の数だけ相違している。図3による解決手段では、圧延路が非常にコンパクトであり、加熱区間11がより短く且つ誘導加熱として形成されている。図3に一致するコンパクトな仕上げ路の前には、代用的に従来の補償炉或いは加熱炉が配置され得る。
【0045】
すべての三つの場合には、仕上げ路5の直前に位置する基準位置Pref が定義されている。基準位置Pref の後部の5以上のスタンドでは、同じ措置が適用される。けれども、追加的スタンドがより高い質量流を必要とする。
【0046】
機械制御部8は、図1で見られるように、仕上げ路5の仕上げ圧延スタンド7の出口において鋳造速度v或いは質量流v×Hと温度Tを検出するか、或いはこれらデータが存在する。機械制御部8は個々の圧延スタンド6、7の設置に関する影響を受けて、特に仕上げ路5の後部圧延スタンド7が開放するが、これは技術的に重要である限りである。
【0047】
既に説明されるように、使用すべき制御、即ち機能的経過が機械制御部8に算出モデルで保管されていて、この算出モデルが処理の制御或いは調整のために引き出される。使用すべき規則性が特に鋳造速度v或いは質量流v×H(スラブ厚さHと鋳造速度vの積として)と仕上げ路出口温度Tの間の関係のために図4に見られるように、異なったスタンド数のために生じる。図4の表示は、最終作用スタンドの後部の鋳造速度或いは質量流と達成可能な温度の間の依存性をさらに与えて、この場合に、これは、作用圧延スタンドの異なった数のために図示されている。
【0048】
図4による表示が確かにいつも具体的使用例に与えられて、他の使用例では他の曲線経過が生じることが述べられている。図4による実施例では、柔らかい炭素鋼が扱われていて、この炭素鋼は仕上げスタンド(基準位置Pref )前の1200°Cの平均温度を有し、連続鋳造装備の後の70mmの鋳造厚さの際に8mmから18mmまでの中間厚さを有する。この装備の最大ストリップ幅がおよそ1600mmである。最適加工技術の観点の下でこれら鋼には例えば850°Cの目標仕上げ圧延温度が得ようと努められ、それは水平点線によって与えられる。付与鋳造速度のために或いは付与質量流(v×H)のために、目標温度の基準(水平線Tziel)で使用されたスタンドの数が読み取られる。材料に依存して、目標仕上げ圧延温度が変更する。
【0049】
図4に図示された量的関係は、±20%の質量流まき幅、点Pref における1300°C以下の中間温度、8−18mmの中間厚さ、50−100mm間のスラブ厚さにより適用され、最終圧延温度Tzielが材料に依存して変更する。
【0050】
定義された数nの仕上げスタンド7の使用の際に生じるストリップ1の達成可能な最小最終厚さdE は図5から明らかである。ここで見るべきグラフも個々の場合に関連して、主としてさらに図4に上げられた技術的データの説明を伴う柔らかい炭素鋼を示す。
【0051】
この場合に、仕上げスタンドはより強力な負荷を受けられ得るので、作用圧延スタンドにおける付与数によりより僅かなストリップ厚さdE も達成できる。この事実内容は図6に説明されていて:図6の上曲線が下曲線への方向に押圧されて、それは矢印によって示されている。
より高い材料剛性或いはより幅広いストリップの際には、曲線がより厚い最終厚さの方向に移動して負荷を許容限度に維持する。
【0052】
図示された実施例では、70mmの鋳造厚さから出発して、中間厚さが形成されていて、中間厚さは仕上げ路の前で使用された前スタンド数と選択された厚さ分布に応じておよそ8ー18mmである。残余減少が仕上げ路において仕上げストリップ厚さdE に行われ、仕上げストリップ厚さが基準位置Pref の後部の使用されたスタンド数に依存する。ここでも、形成可能な最小最終厚さがスタンドや駆動部の寸法或いは処理と装備限度に依存して変更する。
【0053】
圧延すべきストリップが中間加熱を受けるときに、それは技術的に好ましい。このとき、図示された曲線経過における変更が算出モデルに一致して考慮され得る。
【0054】
保管された算出モデルは習得性があり;パラメータが測定された仕上げ圧延温度と他の処理パラメータに依存して適用され得る。さらに、曲線の経過が変更することが、例えば使用された冷却水量、スケール除去水量、スタンド間隔、作業ロールの直径と圧延温度或いはしかし、材料技能に依存して、生じる。
【0055】
鋳造装備2はその後に配置された圧延路4、5に連続的に材料を供給する。鋳造開始過程のために或いは通常生産稼働のために、調整可能な鋳造速度或いは質量流(スラブ厚さと速度の積)に依存して、処理パラメータの決定が行われる。
【0056】
この場合に、柔らかい炭素鋼のために、機械制御部8により引き起こされた稼働は次のように企図される(この場合に、鋳造厚さが上記70mmの不均一である):
・H×vの質量流では、280mm m/min より小さい: 使用不可能な稼働、即ち仕上げ路前の剪断機においてストリップの切り刻み或いは板の切断。
・H×vの質量流では、280と380mm m/min の間にあり:良いストランドが仕上げ路或いは中間加熱の前で2個の仕上げスタンド(Pref の後部に)と加熱出力(誘導加熱、炉)の調整により仕上げられるので、ここで850°Cの所望最終圧延温度が調整され得る。
【0057】
・H×vの質量流では、380と450mm m/min の間にあり:良いストランドが3個の仕上げスタンド(Pref の後部に)と適した中間加熱による最終圧延温度への調整により仕上げられる。
・H×vの質量流では、450と560mm m/min の間にあり:良いストランドが4個の仕上げスタンド(Pref の後部に)と適した中間加熱による最終圧延温度への調整により仕上げられる。
・H×vの質量流では、560mm m/min より大きい:良いストランドが5個の仕上げスタンド(Pref の後部に)と適した中間加熱によるここで850°の最終圧延温度への調整により仕上げられる。
【0058】
この場合に、所望ストリップ表面品質を維持するために、最高基準温度から1200°の位置Pref になった。
【0059】
仕上げストリップの冷却をとりわけ複数の開放スタンドでは最適化させ、仕上げストリップの出来るだけ速い冷却を保証させるために、中間スタンド冷却部18が最終スタンドの間に設けられている。これは生産特性を改良するために使用される。仕上げストリップのそれぞれの最終圧延温度がそれぞれの最終作用圧延スタンドの後に高温計により監視される。
【0060】
例えば850°C(実施例に求められるように)より高い最終圧延温度が発生されるので、図4の表示に一致して、温度取得の効果がスタンドの開放によって可能である;ストランドがスタンドによりより僅かに仕上げ圧延される。温度上昇は図4から付与鋳造速度或いは付与質量流の際の高半田により一方の曲線から次の曲線へ生じて、この次の曲線が経過をスタンドにより僅かに再生する。
【0061】
通常には、異なった材料用の最適或いは最高速度が試験によって知られているので、前から正しい予定基準が選択され得る。例えばおよそ6.5m/min の達成可能な鋳造速度と70mmの鋳造厚さでは、最終スタンドが仕上げ路に配置されて、目標仕上げ路温度を容易に成し得る。即ちストリップが予備スタンドににより8mmから18mmまでの中間厚さに予備圧延されて、その後に通例として4個のみ仕上げスタンドを備える仕上げ圧延が行われる。
【0062】
この企図は周辺領域で計画できる。けれども、連続鋳造装備やこの装備と接続された鋳造速度減少における問題の際には、ストリップの内部の厚さ減少が行われる。鋳造処理が再び安定化され、鋳造速度が所定最小値を越えるならば、新たなストリップの圧延が開始される限り、図4に一致する調整が再び行われる。誤った厚さを備えるストリップ範囲が記憶されて、ストリップのこの部分を後から突出し切断できる。
【0063】
圧延スタンドの配置の下では、スタンドの作業ロールはこの圧延スタンドではスラブ或いはストリップの圧延が行われないように互いに遠くに離れているものと理解される。
【符号の説明】
【0064】
1.....ストリップ
2.....鋳造機
3.....スラブ
4,5....圧延路
6,7....圧延スタンド
8.....機械制御部
9.....金型
10....剪断機
11....加熱部
12....剪断機
13....冷却区間
14,15...剪断機
16....巻上げ機
17....スケール除去装置
18....冷却装置

v.....鋳造速度
H.....スラブ厚さ
E ....ストリップの最終厚さ
T.....ストリップ温度
n.....作用圧延スタンドの数
krit....臨界時間
ΔFW ....差圧延力
ref ....基準位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
まず最初に鋳造機(2)にてスラブ(3)が鋳造され、スラブ(3)が鋳造機(2)を鋳造速度(v)で付与スラブ厚さ(H)で去り、スラブ(3)が少なくとも一つの圧延路(4、5)に引き続いて多数の圧延スタンド(6、7)でストリップ(1)に圧延されて、ストリップ(1)が最終圧延スタンド(6、7)の後部で最終厚(dE )を有し、鋼製のストリップ(1)を製造する方法において、この方法は工程a乃至dを有し:
a)作用圧延スタンド(7)の異なった数(n)と異なった端厚のために、鋳造速度(v)或いは鋳造速度とスラブ厚さ(v×H)の積として或いはストリップ速度とストリップ厚さの積としての質量流と、変形処理に参加するストリップ(1)を圧延する最終圧延スタンド(7)の後のストリップ温度(T)との間で機械制御部(8)で機能関係を保管し、
b)鋳造速度(v)或いは質量流(v×H)を検出するか、或いは予め設定して、検出値を機械制御部(8)に供給し、
c)機械制御部(8)における工程aにより記憶された機能経過に基づく圧延路において作動圧延スタンド(7)の最適数とそれによる圧延可能な端厚と厚さ減少を自動的に検出し、付与鋳造速度(v)の際に或いは付与質量流(v×H)の際に最終作用圧延スタンド(7)の後の所望ストリップ温度(T)を達成させ、
d)場合によっては圧延路(5)の圧延スタンド(7)の数を配置させて、工程cにより検出された数の圧延スタンド(7)のみが作動することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1の工程aによる機能関係が算出モデルによって得られることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
圧延すべきストリップ(1)が仕上げ圧延路(5)或いは仕上げ圧延路部分の前で加熱されるので、ストリップが位置Pref において定義された中間温度を有することを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項4】
圧延すべきストリップ(1)が少なくとも仕上げ圧延路(5)の二つの圧延スタンド(7)の間に片側或いは両側に冷却されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ストリップ(1)が仕上げ圧延路(5)の最終圧延スタンド(7)の間に冷却されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ストリップ(1)が仕上げ圧延路(5)の最終両圧延スタンド(7)の間に冷却されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ストリップ(1)の温度が最終作用圧延スタンド(7)の後に測定されて、機械制御部(8)の測定された値が供給されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
所定時間(tkrit)の間に所定差圧延力(ΔFW )が測定されるときに、圧延スタンド(7)が配置されて、配置された圧延スタンドが請求項1による措置において考慮されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
差圧延力(ΔFW )の所定積分値が時間単位によって下回られるときに、圧延スタンド(7)が配置されて、配置された圧延スタンドが請求項1による措置において考慮されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
この圧延スタンドにおけるストリップには、所定程度を越える不平滑性が検出されるときに、圧延スタンド(7)が配置されて、配置された圧延スタンドが請求項1による措置において考慮されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
この圧延スタンドにおけるストリップには、所定程度を越える表面マークが検出されるときに、圧延スタンド(7)が配置されて、配置された圧延スタンドが請求項1による措置において考慮されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
配置された圧延スタンド(7)には、ロール交換が現製造中に行われ、配置された圧延スタンドが請求項1による措置において考慮されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
圧延スタンド(7)の事故の際には、この圧延スタンドが配置されて、配置された圧延スタンドが請求項1による措置において考慮されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
不均一なストリップ厚及び/又は温度のストリップ区分が剪断機により切り取られたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−529907(P2010−529907A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512611(P2010−512611)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006316
【国際公開番号】WO2009/018957
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(390035426)エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト (320)
【Fターム(参考)】