説明

鋼帯連続酸洗ラインの制御方法

【課題】再酸洗処理における表面不良部を確実かつ効率的に除去できると共に、二重圧延などといった不都合を確実に回避できる新規な鋼帯連続酸洗ラインの制御方法の提供。
【解決手段】酸洗処理中に鋼帯B表面に不良が発生したときは、圧延処理と矯正処理を中断した後、その鋼帯のうち酸洗槽10の出口に達した部分が少なくとも酸洗槽10の入口側に戻るようにラインを逆転させてから再びそのラインを正転させてその鋼帯Bの逆転領域に対して再度酸洗処理を実施し、しかる後、その鋼帯Bのうちその検出部分が酸洗槽10の出口に到達したときに、圧延処理による荷重と矯正処理を再開する。これによって、再酸洗処理における表面不良部を確実かつ効率的に除去できると共に、二重圧延などといった不都合を確実に回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製鉄所における熱間圧延処理後の鋼帯に対して酸洗処理などを実施するための鋼帯連続酸洗ラインに係り、特に再酸洗処理時の鋼帯連続酸洗ラインの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、熱間圧延処理後の鋼帯は、酸洗処理ラインに送られ、酸液が溜められた酸洗槽内を連続して通過させることによって表面に付着したスケールなどが洗浄・除去されるようになっているが、この酸洗処理中に何らかのトラブルによってラインが一時停止したり、その速度が所定よりも遅くなってしまうと、空気との接触時間が長くなってその鋼帯表面に錆が発生したり、あるいは黄色などに変色して品質を大きく損ねることがある。
【0003】
そのため、従来では例えば以下の特許文献1などに示すように、鋼帯表面に錆や黄変色などの表面不良が発生した場合には、そのラインを一旦逆転させてその錆や黄変色が発生した部分を元の位置まで戻した後、再び同じ酸洗槽内を通過させて再度酸洗処理を行うことで発生した錆や黄変色を除去して清浄化するようにしている。
【特許文献1】特開平5−140773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通常このような鋼帯の酸洗処理を行うに際しては、その酸洗槽の上流側にスキンパスミルやテンションレベラーなどを直列に設け、その酸洗処理の直前に予めその鋼帯に対して圧延処理や矯正処理を実施するようになっている。
そのため、前述した従来技術のようにラインを逆転させてその鋼帯の表面不良部分を元の位置まで戻して再酸洗処理を行った場合、以下に示すような不都合が発生することがある。
【0005】
1.先ず、この再酸洗処理に伴うラインの逆転操作は非定常作業であるため、通常オペレータによる手動によって行われており、必ずしも一定していない。そのため、逆転する距離が長すぎてしまうと、再酸洗処理する必要がない部分までも処理されてしまって操業能率が低下したり、また、逆転する距離が不足してしまうと、確実な再酸洗処理が行われずに表面不良部がそのまま残ってしまう可能性があった。
【0006】
2.次に、このラインの逆転および再正転操作時には、スキンパスミルによる二重圧延を防止するためにスキンパスミルの荷重を一時的に下げる必要があるが、この操作もオペレータが手動によって行っているため、スキンパスミルの荷重を下げるのを忘れたり、再正転時に荷重を戻すタイミングが早すぎたりすると二重圧延になる部分が発生したり、あるいは再正転時に荷重を戻すタイミングが遅すぎると未圧延部分が残ってしまうといった不都合が発生する。
【0007】
3.また、このスキンパスミルの操作と同様に、ラインの逆転および再正転操作時には、テンションレベラーの操作も一時的に中断すべきであるが、テンションレベラーを開閉動作すると板が弛んだり過度に引っ張られたりするために張力の補正が必要である。しかし、オペレータの手動操作では、そのような補正は入らないため、実際にはテンションレベラーを中断することは困難であった。
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、再酸洗処理における表面不良部を確実かつ効率的に除去できると共に、二重圧延などといった不都合を確実に回避できる新規な鋼帯連続酸洗ラインの制御方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために請求項1の発明は、
連続的に送られてくる鋼帯に対して所定の張力を掛けながら圧延処理および矯正処理を行った後、引き続き酸洗槽を通過させて酸洗処理を連続して実施する鋼帯連続酸洗ラインの制御方法において、前記酸洗処理中又は酸洗処理後の鋼帯表面に、ライン停止したことによる表面不良が発生したときは、前記圧延処理による荷重と前記鋼帯の張力とを通常運転時よりも下げると共に、前記矯正処理を中断した後、前記鋼帯のうち前記表面不良の下流側最先端部分が少なくとも前記酸洗槽の入口側よりも所定長さだけ上流側に戻るように前記ラインを逆転させてから再び当該ラインを正転させて当該鋼帯の表面不良部分に対して再度酸洗処理を実施し、しかる後、当該再酸洗処理の先頭部分が前記酸洗槽の出口、あるいはその直前に到達したときに、前記圧延処理による荷重と前記鋼帯の張力とを補正しながら通常運転時に戻すと共に、前記矯正処理を再開することを特徴とする鋼帯連続酸洗ラインの制御方法である。
【0009】
また、請求項2の発明は、
請求項1に記載の鋼帯連続酸洗ラインの制御方法において、
前記圧延処理を、前記鋼帯の両面を挟んで位置する一対の加圧ローラを有するスキンパスミルを用いて実施すると共に、当該スキンパスミルによる前記鋼帯の荷重を通常運転時よりも下げるときは、
当該鋼帯の表面に接する前記加圧ローラが常に当該鋼帯の通過方向および速度と同期して回転するようにその荷重を所定荷重まで下げることを特徴とする鋼帯連続酸洗ラインの制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、酸洗処理中又は酸洗処理後に前記鋼帯に表面不良が発生したときは、その鋼帯のうちその表面不良の下流側最先端部分が少なくともその酸洗槽の入口側よりも所定長さだけ上流側に戻るようにそのラインを逆転させるようにしたことから、常に一定の距離だけラインを戻してから再酸洗処理を実施することができる。
従って、逆転する距離が長すぎることによる操業能率の低下や、また、逆転距離が不足することによる表面不良部の残存などといった不都合を確実に回避することができる。
【0011】
また、この再酸洗処理を実施するに際しては、スキンパスミルなどによる圧延処理時の荷重と鋼帯の張力とを通常運転時よりも下げると共に、テンションレベラーなどによる矯正処理をその間だけ中断するようにしたため、この再酸洗処理時における鋼帯に対する二重圧延や二重矯正などといった不都合を確実に回避できる。
また、さらに矯正処理を再開するに際しては、その鋼帯の張力を適宜補正しながら行うようにしたため、矯正処理を中断できると共に、その中断後に矯正処理を再開しても矯正ムラや矯正不足などといった問題が生ずることはない。
【0012】
一方、請求項2の発明によれば、酸洗処理前の鋼帯の圧延処理をスキンパスミルを用いて行った場合には、常にその加圧ローラがその鋼帯の通過方向および速度と同期して回転するようになるため、再酸洗処理時における加圧ローラによる鋼帯表面の擦り傷や圧接跡などの表面疵の発生を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明方法の制御対象となる鋼帯連続酸洗ライン100の実施の一形態を示したものである。
図中符号10は、通過ラインL上を図中右側から左側に流れる鋼帯Bに対して酸洗処理する酸洗槽であり、その上流側には、この鋼帯Bに対して所定の張力を掛けるための一対のブライドルロール20a、20bがその通過ラインLの前後に設けられていると共に、このブライドルロール20a、20b間には、この鋼帯Bに対してそれぞれ圧延処理するためのスキンパスミル30と矯正処理するためのテンションレベラー40とが順に設けられている。
【0014】
先ず、この酸洗槽10は、その内部を通過する鋼帯Bを酸液中に連続して浸漬させてその表面のスケールなどを酸洗処理して除去するものであり、その下流側にはリンス槽11とドライヤ12とが順次連続して付設されている。
そして、このリンス槽11によって酸洗処理直後の鋼帯B表面にリンス水を吹き付けてその表面を十分に洗浄すると共に、このドライヤ12によってそのリンス水などを瞬時に乾燥・除去してその鋼帯B表面の再酸化などを防止するようになっている。
【0015】
次に、スキンパスミル30は、前記鋼帯の両面を挟んで位置する一対の加圧ローラ31a、31bと、この加圧ローラ31a、31bによる圧延荷重を発生する荷重発生部32と、その圧延荷重を計測する荷重計33と、この加圧ローラ31a、31bによる圧延荷重を制御するコントローラ34とから主に構成されており、このコントローラ34によって圧延荷重を制御することで酸洗処理の直前にその鋼帯Bに対して所定の圧延処理、すなわち鋼帯Bをこの加圧ローラ31a、31bによって連続して圧延してその機械的性質(強度、表面粗度など) および表面形状を向上させるようになっている。
【0016】
また、このスキンパスミル30の加圧ローラ31a、31bには、その加圧ローラ31a、31bの周速を検出するための周速計35が付設されており、この周速計35で計測された値に基づいてコントローラ34がその通過ラインL上を流れる鋼帯Bの通過速度および所定時間内における通過距離(長さ)を随時演算して算出するようになっている。
テンションレベラー40は、鋼帯Bの上下に位置する複数のローラ(本実施の形態では、3つの上部ローラ41a、41a、41aと、2つの下部ローラ41b、41bとからなる)から構成されており、圧延直後の鋼帯Bを上下に蛇行するように通過させて連続的に引き延ばすことによって鋼帯Bに残っている反りや歪みを矯正して平坦化すると共に、その鋼帯Bの表面に形成されたスケールを剥離・破壊して以後の酸洗処理などを確実にするようになっている。
【0017】
なお、これら各ローラ41a、41a、41a、41b、41bは、コントローラ34によって制御される図示しないアクチュエータによってそれぞれ鋼帯Bに対して接触離間方向(上下方向)に移動自在となっており、以下の説明ではこれら各ローラ41a、41a、41a、41b、41bが鋼帯Bに対して離間方向に移動したとき、すなわち全く作用していない状態を「開動作」といい、これら各ローラ41a、41a、41a、41b、41bが鋼帯Bに対して接触して前記のような作用を及ぼしている状態を「閉動作」という。また、本発明ではこのテンションレベラー40によるこれらの一連の処理を単に「矯正処理」と称する。
【0018】
ブライドルロール20a、20bは、それぞれ複数のロール(通常4つ)から構成されており、この鋼帯Bを通過ラインLの下流側のみならず上流側にも流すように作用すると共に、前記圧延処理および矯正処理時を確実に行わしめるために互いの送り速度を調節することによってその鋼帯Bに対して所定の張力を掛けることができるようになっている。
【0019】
また、このブライドルロール20a、20b間であって前記スキンパスミル30の前後には、それぞれ張力計21a、21bが設けられており、この張力計21a、21bで検出された値に基づいてコントローラ34がそのブライドルロール20a、20bによる張力を適宜調節できるようになっている。
なお、このコントローラ34には、キーボードなどの入力手段やモニターなどの出力手段が設けられており、各種情報をオペレータに通知すると共にオペレータの操作によって前記各部の制御などが任意に行えるようになっている。
【0020】
次に、このような構成した鋼帯連続酸洗ライン100を用いた本発明の制御方法の一例を主に図2のフローチャートおよび図3のタイムチャートを参照しながら説明する。
通常運転時においてオペレータは、この鋼帯連続酸洗ライン100による圧延・矯正処理および酸洗処理といった一連の処理状況を直接目視あるいはモニターなどを介して常時監視している。
そして、何らかのトラブルによりそのライン100が停止した場合は、トラブル処理後再運転が可能となったときに、その酸洗処理中又は酸洗処理後の鋼帯B表面に、錆や黄変色といったライン停止したことによる表面不良が発生したか否かを判断する。そして、この判断の結果、その鋼帯B表面に製品に影響を与えるような表面不良が発生したときは、図2に示す制御を開始する。
【0021】
ここで、図2に示す最初のステップS102−1の荷重制御とは、図3に示すように前述したスキンパスミル30による鋼帯Bの圧延荷重をある程度の最低荷重にする(0Ton<)制御をいい、また、ステップS102−2の鋼帯張力制御とは、同じく前述したブライドルロール20a、20bによる鋼帯Bの張力を通常時よりも低くする(0Ton<)制御をいい、さらにステップS102−3のTL制御とは、同じく前述したテンションレベラー40による矯正処理を解除(開動作)する制御をいう。
【0022】
すなわち、製品に影響を与えるような表面不良が発生したときは、オペレータは、コントローラ34を操作してこれらによる一連の処理を中断することになる。なお、これらの各処理は、それぞれ独立して操作できるようにしても良いが、いずれか1つの処理、例えばスキンパスミル30による圧延処理を操作した場合にテンションレベラー40やブライドルロール20a、20bもこれと連動して所定の動作がほぼ同時になされるようにしても良い。
【0023】
そして、次のステップS104に移行してそのライン100を逆転させてそのライン100上の鋼帯Bを所定距離(長さ)、すなわちその表面不良部分の下流側先端(全体)が完全に酸洗槽10の上流側に位置するまで戻すことになる。例えば、その酸洗処理中又は酸洗処理直後に鋼帯Bの表面不良が図1に示すように酸洗槽10内およびリンス槽11内で発生したならば、その酸洗槽10の下流側端部に付設されたドライヤ12の出口付近の位置X点に到達している正常な部分が、その酸洗槽10の入口上流側の所定の位置Y点に戻るまでの距離(例えば、約120m程度)分だけそのライン100を逆転させる。
【0024】
なお、この逆転距離の計測は、前述したようにスキンパスミル30の周速計35で検出された値が入力されるコントローラ34によって正確に演算することができる。また、このライン逆転時の速度としては特に限定されるものではないが、戻しすぎたり戻し不足がないように正確に元の位置まで戻すべく例えば図3に示すように通常運転時の半分程度の速度とすることが望ましい。
【0025】
このようにして通過ラインLの逆転が実施されたならば、次のステップS106に移行してその鋼帯BのX点が酸洗槽10の入口側のY点に到達したか否かを判断し、その判断の結果、到達していないと判断したとき(No)は、引き続きそのままライン逆転を継続することになるが、Y点に到達したと判断したとき(Yes)は、次のステップS108に移行してそのライン100を正転方向に戻して再度その鋼帯Bの表面不良部分を酸洗槽10内に送り込むことになる。
【0026】
これによって、その鋼帯Bの表面不良部分に対して再度酸洗処理が行われるようになるため、その表面不良部分が完全に除去されて清浄化される。従って、従来方法のように逆転する距離が長すぎることによる操業能率の低下や、また、逆転距離が不足することによる表面不良部の残存などといった不都合を確実に回避することができる。なお、図3に示すようにこの時点では、スキンパスミル30やブライドルロール20a、20bおよびテンションレベラー40などの操作は行わない。
【0027】
そして、このような再酸洗処理が実施されたならば、これと同時にそのライン100の正転距離を演算し、次のステップS110に移行する。
ステップS110では、その鋼帯BのY点が逆転前の位置であるX点に到達したか否かを判断し、到達していないと判断したとき(No)は、引き続きそのままの状態を継続することになるが、X点に到達したと判断したとき(Yes)は、次のステップS112−1、S112−2、S112−3に移行して、それぞれ図3に示すようにスキンパスミル30による圧延荷重とブライドルロール20a、20bによる鋼帯の張力を適宜補正しながら元の通常運転時に戻して圧延処理を再開すると共に、テンションレベラー40を閉動作して矯正処理を再開することになる。
【0028】
これによって、従来方法のように再酸洗処理時における鋼帯Bに対する二重圧延や二重矯正などといった不都合は勿論、未圧延部分や未矯正部分の発生などといった不都合を確実に回避することができる。
また、この再酸洗処理時においてスキンパスミル30による鋼帯Bの荷重を通常運転時よりも下げるときは、この鋼帯Bの表面に接する加圧ローラ31a、31bが常にこの鋼帯Bの通過方向および速度と同期して回転するようにその荷重を所定荷重まで下げるようにしたことから、通過ラインLの逆転および正転距離を正確に演算できると共に、鋼帯B表面の擦り傷や圧接跡などの表面疵の発生を回避することが可能となる。
【0029】
すなわち、この再酸洗処理時には、このスキンパスミル30による鋼帯Bに対する圧延処理が全く行われないようにするために、この加圧ローラ31a、31bを鋼帯Bから完全に離した状態としても良いが、通常、この加圧ローラ31a、31bのいずれか一方は、常に鋼帯Bに接した状態となっている。そのため、この加圧ローラ31a、31bの他方が鋼帯Bから完全に離れてしまうと、その鋼帯Bに常時接触している側の加圧ローラの回転がその鋼帯Bの通過方向および速度と同期しなくなったり、完全に停止してしまってその鋼帯Bの表面に加圧ローラ31a、31bとの接触による擦り傷が発生してしまう。また、その鋼帯Bに対して完全に離れた側の加圧ローラが正常運転に戻ったときに鋼帯Bと衝突したり圧接してその表面に加圧ローラの圧接跡などの表面疵が発生してしまうことが考えられる。
【0030】
従って、本発明ではこの再酸洗処理時においてスキンパスミル30による鋼帯Bの荷重を通常運転時よりも下げるときは、この鋼帯Bの表面に接する加圧ローラ31a、31bが常にこの鋼帯Bの通過方向および速度と同期して回転するようにその荷重を所定荷重まで下げるようにすれば、再酸洗処理時における加圧ローラ31a、31bによる鋼帯表面の擦り傷や圧接跡などの表面疵の発生を確実に防止することができる。
【0031】
また、さらにこのテンションレベラー40による矯正処理を再開するに際しては、ブライドルロール20a、20bによってその鋼帯の張力を適宜補正しながら行うようにしたため、テンションレベラー40による矯正処理を中断できると共に、その中断後に矯正処理を再開しても矯正ムラや矯正不足などといった問題が生ずることはない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明方法の制御対象となる鋼帯連続酸洗ライン100の実施の一形態を示し全体図である。
【図2】本発明の制御方法の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図3】本発明の制御方法に係るタイムチャート図である。
【符号の説明】
【0033】
100…鋼帯連続酸洗ライン
10…酸洗槽
11…リンス槽
12…ドライヤ
20a、20b…ブライドルロール
30…スキンパスミル
40…テンションレベラー
34…コントローラ
35…周速計
B…鋼帯
L…通過ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に送られてくる鋼帯に対して所定の張力を掛けながら圧延処理および矯正処理を行った後、引き続き酸洗槽を通過させて酸洗処理を連続して実施する鋼帯連続酸洗ラインの制御方法において、
前記酸洗処理中又は酸洗処理後の鋼帯表面に、ライン停止したことによる表面不良が発生したときは、前記圧延処理による荷重と前記鋼帯の張力とを通常運転時よりも下げると共に、前記矯正処理を中断した後、
前記鋼帯のうち前記表面不良の下流側最先端部分が少なくとも前記酸洗槽の入口側よりも所定長さだけ上流側に戻るように前記ラインを逆転させてから再び当該ラインを正転させて当該鋼帯の表面不良部分に対して再度酸洗処理を実施し、
しかる後、当該再酸洗処理の先頭部分が前記酸洗槽の出口、あるいはその直前に到達したときに、前記圧延処理による荷重と前記鋼帯の張力とを補正しながら通常運転時に戻すと共に、前記矯正処理を再開することを特徴とする鋼帯連続酸洗ラインの制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の鋼帯連続酸洗ラインの制御方法において、
前記圧延処理を、前記鋼帯の両面を挟んで位置する一対の加圧ローラを有するスキンパスミルを用いて実施すると共に、当該スキンパスミルによる前記鋼帯の荷重を通常運転時よりも下げるときは、
当該鋼帯の表面に接する前記加圧ローラが常に当該鋼帯の通過方向および速度と同期して回転するようにその荷重を所定荷重まで下げることを特徴とする鋼帯連続酸洗ラインの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−246541(P2008−246541A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−91861(P2007−91861)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】