説明

鋼矢板及び鋼矢板遮水壁、並びに鋼矢板の打設方法

【課題】鋼矢板を地盤に打設する際に、鋼矢板の継手部の内側に地盤構成物が浸入することを効果的に防止し、かつ壁体の構築コストの増加及び構築作業の煩雑化を抑制する。
【解決手段】継手構造42では、閉塞部材34、36が鋼矢板10の継手部16の開口19を閉塞するように鋼矢板10に取り付けられる。これにより、鋼矢板10を地盤26中に打込む際に、閉塞部材34により開口19を通して継手部16の内側に石、土砂等の地盤構成物が浸入することを阻止できるので、鋼矢板10の打設時に、継手部16に装着された止水ゴム28が地盤構成物との摩擦等により損傷し、又は脱落することを防止できると共に、後続鋼矢板10の打設時には、後続鋼矢板10の継手部16からの摩擦力により先行鋼矢板10の止水ゴム28が損傷することも防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の鋼矢板の継手部と連結可能とされた継手部を有する鋼矢板に関する。
また本発明は、他の鋼矢板の継手部と連結可能とされた継手部を有する鋼矢板が複数枚、用いられて構築された鋼矢板遮水壁に関する。
さらに本発明は、他の鋼矢板の継手部と連結可能とされた継手部を有する鋼矢板を地盤に打設する際に用いられる鋼矢板の打設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼矢板は、その幅方向の両端側それぞれに設けられた継手部を他の鋼矢板の継手部に嵌合させ、他の鋼矢板に連結することにより、高い耐久性を有する壁体を形成できる。このような複数枚の鋼矢板からなる壁体を汚染水等の拡散を防止する遮水壁として用いる場合には、遮水壁に対して極めて高い止水性が求められる。このような高い止水性を発揮できる鋼矢板としては、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載された鋼矢板は、細長いプレート状のウェブ部と、このウェブ部の幅方向に沿った一端側及び他端側にそれぞれ設けられたフランジ部と、フランジ部の先端部に形成されたラルゼン型の継手部と、この継手部の内面側に形成されたポケット溝と、を有している。この鋼矢板を用いて遮水壁を構築する際には、例えば、遮水壁を構成する複数枚の鋼矢板の各ポケット溝に水膨張性を有する棒状の止水ゴムをそれぞれ嵌挿した後、複数枚の鋼矢板を順次地盤中に打設する。この際、鋼矢板(後続鋼矢板)の継手部を、既に地盤中に打設された他の鋼矢板(先行鋼矢板)の継手部に嵌合させつつ、後続鋼矢板を地盤中に打設し、後続鋼矢板を先行鋼矢板に連結する。このようにして構築された遮水壁では、各鋼矢板の止水ゴムが地盤中の水分を吸収して膨張することにより、膨張した止水ゴムにより継手部間の隙間が閉塞されて、継手部間の止水性が確保される。
【0004】
特許文献1に記載された鋼矢板では、継手部の断面がフック状に形成されており、継手部の長手方向に沿った両端(上端及び下端)がそれぞれ開口端とされると共に、継手部の爪先側に鋼矢板の長手方向(打設方向)に沿って細長いスリット状の開口が形成されている。
ところで、特許文献1に記載されたような鋼矢板では、地盤中に打込まれる際に、継手部の爪先側の開口を通して地盤を構成する石、土砂等の地盤構成物が、継手部の内側に浸入することがある。鋼矢板における継手部の内側に地盤構成物が浸入した状態で、後続鋼矢板を地盤中に打込むと、浸入した地盤構成物との摩擦等により継手部のポケット溝に嵌挿された止水ゴムに破断、欠損等の損傷が発生するおそれがある。これにより、止水ゴムによる継手部間の止水の信頼性が低下する。
【0005】
特許文献2には、上記のような問題を解決することが可能な鋼矢板が開示されている。この特許文献2記載の鋼矢板は、継手部を取囲むようにアングル状あるいは半円状等の金属製の翼片と、継手部と翼片との間に形成される隙間(スリット部)に配置され、このスリット部を閉じると共にスリット部への後続鋼矢板の挿入を許容する弾性体とを備えている。
【0006】
ここで、翼片の内側には打設方向へ貫通する空間であるポケット部が形成され、このポケット部の下端(開口端)は、翼片の下端部に金属製の蓋が溶接されて閉塞されている。これにより、鋼矢板を地盤中へ打込む際に、翼片及び弾性体によりポケット部及び継手部の内側に地盤構成物が浸入することが阻止される。
【特許文献1】特開2003−160929号公報
【特許文献2】特開2003−138557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2記載の鋼矢板では、翼片及び弾性体の内側に形成されるポケット部の断面積が大きいので、鋼矢板を地盤中へ打込む際に、鋼矢板への抵抗が非常に大きくなることが予想される。また鋼矢板が地盤に打設された後には、ポケット部には止水用の充填材が充填される。このため、打設完了後にも翼片が鋼矢板から脱落しないように、翼片を十分に高い強度で鋼矢板に確実に連結固定する必要があり、さらに翼片には板ばね等からなる弾性体を取り付ける必要もある。これら一連の作業は非常に煩雑なものになり、しかも翼片及び弾性体が追加部品として必要となるため、複数枚の鋼矢板により構築される壁体の構築コストを大幅に増加させる要因になり得る。
【0008】
本発明の目的は、上記事実を考慮し、鋼矢板が地盤に打設される際に、鋼矢板の継手部の内側に地盤構成物が浸入することを効果的に防止でき、しかも壁体の構築コストの増加及び構築作業の煩雑化を抑制できる鋼矢板及び鋼矢板遮水壁を提供することにある。
さらに本発明の目的は、上記事実を考慮し、鋼矢板を地盤に打設する際に、鋼矢板の継手部の内側に地盤構成物が浸入することを効果的に防止でき、しかも壁体の構築コストの増加及び構築作業の煩雑化を抑制できる鋼矢板の打設方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る鋼矢板は、プレート状のウェブ部と、前記ウェブ部の側端部に設けられたフランジ部と、前記フランジ部の先端部に形成されたラルゼン型の継手部と、を有する鋼矢板であって、前記継手部の内側に、前記ウェブ部の長手方向へ延在するように装着されて、前記継手部と該継手部に嵌合する他の鋼矢板の継手部との間を止水する止水材と、前記継手部の爪先側の開口を閉塞するように前記鋼矢板に取り付けられ、前記継手部に他の鋼矢板の継手部が嵌合しつつ、他の鋼矢板が地盤に打設されると、他の鋼矢板の継手部からの押圧力を受けて前記鋼矢板から離脱し、又は破断する閉塞部材と、を有することを特徴とする。
【0010】
上記請求項1に係る鋼矢板では、閉塞部材が鋼矢板の継手部の爪先側の開口を閉塞するように鋼矢板に取り付けられたことにより、鋼矢板を地盤中に打込む際に、閉塞部材により継手部の爪先側の開口を通して継手部の内側に石、土砂等の地盤構成物が浸入することを阻止できる。
この結果、鋼矢板の打設時に、継手部の内側に装着された止水材が地盤構成物との摩擦等により損傷し、又は脱落することを防止できると共に、後続鋼矢板の打設時には、後続鋼矢板の継手部からの摩擦力が地盤構成物を介して先行鋼矢板の止水材に伝達されなくなり、後続鋼矢板の継手部からの摩擦力により先行鋼矢板の止水材が損傷することも防止できる。
【0011】
また請求項1に係る鋼矢板では、先行鋼矢板の継手部に後続鋼矢板の継手部を嵌合させつつ、後続鋼矢板を地盤中に打込めば、この後続鋼矢板の継手部からの押圧力を受けた閉塞部材が先行鋼矢板から離脱し、又は破断することから、後続鋼矢板の打設方向への移動が閉塞部材により阻害されず、後続鋼矢板を円滑に地盤中に打込むことができる。
また、請求項1に係る鋼矢板では、従来の鋼矢板と比較し、閉塞部材を鋼矢板に取り付けるだけなので、閉塞部材を鋼矢板に取り付ける作業も容易であり、かつ複数枚の鋼矢板により構築される壁体のコスト増加及び構築作業の煩雑化も抑制できる。
【0012】
また請求項2に係る鋼矢板は、請求項1記載の鋼矢板において、前記閉塞部材を、前記長手方向に沿って細長い金属体により形成し、前記鋼矢板に溶接により取り付けたことを特徴とする。
また請求項3に係る鋼矢板は、請求項2記載の鋼矢板において、前記閉塞部材の上端部に、前記継手部の爪先側の開口に対して離間する方向へ屈曲又は湾曲した剥離起点部を形成したことを特徴とする。
【0013】
また、請求項1乃至3の何れか1項記載の鋼矢板において、前記継手部の内面側に、前記ウェブ部の長手方向に沿って延在するように形成されたポケット溝を有し、該ポケット溝に水と反応して体積が膨張する水膨張性ゴムにより形成された前記止水材を嵌挿した鋼矢板とすることができる。
上記の鋼矢板では、止水材が継手部のポケット溝に嵌挿されていることから、例えば、止水材が継手部の内面側に塗布され、又は貼り付けられている場合と比較し、後続鋼矢板の継手部を先行鋼矢板の継手部に嵌合させつつ、後続鋼矢板を地盤中に打込む際に、後続鋼矢板の継手部からの摩擦力により止水材が下方へ移動し、又は継手部から脱落することを効果的に防止できる。
【0014】
さらに、止水材を、水と反応して体積が膨張する水膨張性ゴムにより形成したことにより、鋼矢板を地盤に打設した後に、ポケット溝に嵌挿された止水材により地盤中に含まれる水を吸収させ、止水材をポケット溝内から外側へ膨張させることができる。
この結果、鋼矢板を地盤中に打込む際には、止水材全体をポケット溝内に収納しておき、止水材が後続鋼矢板の継手部との摩擦等により損傷することを効果的に防止でき、また鋼矢板を地盤に打設した後には、止水材をポケット溝内から継手部間の隙間へ膨張させ、この隙間を止水材により確実にシール(止水)できる。
【0015】
また請求項1乃至3の何れか1項記載の鋼矢板において、前記止水材を、水と反応して体積が膨張する吸水膨潤性止水材により形成し、前記止水材を前記継手部に塗布した鋼矢板とすることができる。
また本発明の請求項4に係る鋼矢板遮水壁は、複数枚の鋼矢板を有し、隣接する鋼矢板の継手部同士が連結されて構築された鋼矢板遮水壁であって、前記鋼矢板が、請求項1乃至3の何れか1項記載の鋼矢板であることを特徴とする。
【0016】
また請求項5に係る鋼矢板の打設方法は、プレート状のウェブ部と、前記ウェブ部の側端部に設けられたフランジ部と、前記フランジ部の先端部に形成されたラルゼン型の継手部と、を有する鋼矢板に用いられる鋼矢板の打設方法であって、前記継手部の内側に、該継手部と該継手部に嵌合する他の鋼矢板の継手部との間を止水するための止水材を前記ウェブ部の長手方向へ延在するように装着する装着工程と、閉塞部材を前記鋼矢板に取り付け、該閉塞部材により前記継手部の爪先側の開口を閉塞する閉塞工程と、前記閉塞部材により、前記継手部の爪先側の開口を通して該継手部の内側に地盤構成物が浸入することを阻止しつつ、先行鋼矢板を地盤中に打設する先行打設工程と、前記先行打設工程完了後に、後続鋼矢板の継手部を先行鋼矢板の継手部に嵌合させつつ、後続鋼矢板を地盤中に打設すると共に、後続鋼矢板の打設方向への移動に従って後続鋼矢板の継手部により前記閉塞部材を先行鋼矢板から徐々に剥離させ又は破断させる後続打設工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
上記請求項5に係る鋼矢板の打設方法では、先行打設工程にて、閉塞部材により継手部の爪先側の開口を通して継手部の内側に地盤構成物が浸入することを阻止しつつ、先行鋼矢板を地盤中に打設することにより、先行鋼矢板の打設時に、継手部の内側に装着された止水材が地盤構成物との摩擦等により損傷し、又は脱落することを防止できると共に、後続鋼矢板の打設時に、後続鋼矢板の継手部からの摩擦力が地盤構成物を介して伝達されなくなり、後続鋼矢板の継手部からの摩擦力により止水材が損傷することも防止できる。
【0018】
また請求項5に係る鋼矢板の打設方法では、従来の鋼矢板の打設方法と比較し、閉塞工程にて、鋼矢板に閉塞部材を取り付けるだけで、継手部の内側へ地盤構成物が浸入することを阻止できるので、その取付作業も容易で、複数枚の鋼矢板により構築される壁体のコスト増加を抑制できる。
さらに、上記請求項5に係る鋼矢板の打設方法では、後続打設工程にて、後続鋼矢板の継手部を先行鋼矢板の継手部に嵌合させつつ、後続鋼矢板を地盤中に打設すると共に、後続鋼矢板の打設方向への移動に従って後続鋼矢板の継手部により前記閉塞部材を先行鋼矢板から徐々に剥離させ又は破断することにより、後続鋼矢板の打設方向への移動が閉塞部材により阻害されないので、後続鋼矢板を円滑に地盤中に打込むことができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明に係る鋼矢板及び鋼矢板遮水壁によれば、鋼矢板が地盤に打設される際に、鋼矢板の継手部の内側に地盤構成物が浸入することを効果的に防止でき、しかも壁体の構築コストの増加及び構築作業の煩雑化を抑制できる。
さらに本発明に係る鋼矢板の打設方法によれば、鋼矢板を地盤に打設する際に、鋼矢板の継手部の内側に地盤構成物が浸入することを効果的に防止でき、しかも壁体の構築コストの増加及び構築作業の煩雑化を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る鋼矢板、鋼矢板遮水壁及び鋼矢板の打設方法について図面を参照して説明する。
図1には本発明の実施形態に係る鋼矢板が示され、図2及び図3には本発明の実施形態に係る鋼矢板の継手部が拡大されて示されている。
本実施形態に係る鋼矢板10は、図1に示されるように、全体として一方向へ細長いプレート状に形成されており、略U字状の断面形状を有している。鋼矢板10には、幅方向(矢印W方向)中央部に長手方向(図1(B)の矢印L方向)に沿って細長く、一定の幅を有する平板状のウェブ部12が全長に亘って形成されると共に、このウェブ部12における幅方向の一端部及び他端部からそれぞれ斜め方向へ屈曲されたフランジ部14が形成されている。一対のフランジ部14は、それぞれ幅方向Wに沿って外側へ広がるテーパ状に形成されており、ウェブ部12の幅方向中心に対して互いに対称となる形状を有している。
【0021】
図1(A)の断面図に示されるように、フランジ部14の先端部には、幅方向Wに沿った断面形状が略フック状となったラルゼン型の継手部16が形成されている。この継手部16には、フランジ部14の先端部から幅方向Wに沿って外側へ突出する底板部17が形成されると共に、この底板部17の先端部から鋼矢板10の厚さ方向(矢印T方向)に沿ってウェブ部12側へ突出する爪部18が形成されている。爪部18は、幅方向Wに沿って内側(フランジ部14側)へ傾斜しており、その先端側の断面形状が略楔状になっている。この爪部18の内側には略平面状の噛合面20が形成されている。
【0022】
図2に示されるように、継手部16には、底板部17の内側面に凹状のポケット溝22が全長に亘って形成されている。ポケット溝22は、その深さ方向が厚さ方向Tと略一致しており、断面形状が略台形状に形成されている。ここで、ポケット溝22は、図2(B)に示されるように、入口側の幅方向Wに沿った幅(開口幅)WEが底面側の幅より若干狭くなっている。
【0023】
鋼矢板10は、図7に示されるように垂直遮水壁等の壁体24の構造部品として用いられるものである。この壁体24は、複数枚の鋼矢板10を順次、地盤26中に打込み、これらの鋼矢板10を幅方向Wに沿って直線的に配列することにより構築されている。このとき、互いに隣接する一対の鋼矢板10は、図7(B)及び(C)の部分拡大図に示されるように、継手部16同士が互いに噛合うように地盤26中に打込まれており、これらの継手部16を介して十分な強度で互いに連結されている。
【0024】
本実施形態に係る壁体24は、特に、廃棄物最終処分場や汚染土壌等から流出する汚染水の拡散を防止する用途に用いられるものであり、非常に高い止水性(例えば、換算透水係数が1×10-6cm/s以下)が要求されている。このため、鋼矢板10におけるポケット溝22には、図2(B)に示されるように、定形のシール材である止水ゴム28が嵌挿されている。止水ゴム28は、断面が略円形の丸棒状に成形されている。止水ゴム28の成形材料としては、水に接触して吸水反応を生じることにより、その体積が数倍まで膨張可能な所謂、水膨張性ゴム(広義には、水膨張性を有するエラストマ)が用いられており、例えば、天然ゴム、クロロプレンゴム等に、澱粉系、セルロース系、ポリアクリル酸塩系、ポリビニルアルコール系等の高分子物質を配合したものが用いられる。
【0025】
止水ゴム28の外径はポケット溝22の開口幅WEよりも僅かに大径とされており、ポケット溝22の深さは、止水ゴム28の外径よりも若干長くなっている。これにより、ポケット溝22に嵌挿された止水ゴム28は、その外周面の一部がポケット溝22内の開口端付近に圧接した状態になり、弾性的な復元力によりポケット溝22の底面側へ付勢されると共に、ポケット溝22内から脱落し難いようになっている。
【0026】
図2(A)に示されるように、ポケット溝22の底面部付近には、止水ゴム28が挿入される直前に、接着剤が塗布されて接着層32が形成される。これにより、止水ゴム28は、ポケット溝22に嵌挿されると、接着層32を介してポケット溝22の底面部に接着固定される。
図3(A)に示されるように、鋼矢板10には、幅方向Wに沿った断面が円形とされ鋼製の閉塞部材34が固定されている。閉塞部材34は、外周面の一部を爪部18の先端部に当接させると共に、他の一部をフランジ部14の先端付近に当接させており、外周面の一部及び他の一部がそれぞれ溶接により爪部18の先端部及びフランジ部14の先端付近に取り付けられている。これにより、継手部16の爪先側の開口19(図2参照)が閉塞部材34により閉塞される。ここで、本実施形態に係る鋼矢板10の継手構造42は、その継手部16、ポケット溝22に嵌挿された止水ゴム28及び継手部16に取り付けられた閉塞部材34により構成される。閉塞部材34の直径Dは、開口19の開口幅WH(図2(B)参照)の1〜2倍程度とされている。
【0027】
また閉塞部材34は、図4に示されるように、長手方向Lに沿って継手部16と略同一長さの丸棒状に形成されており、スリット状の開口19における上端側の一部を除いた大部分を閉塞している。また閉塞部材34と爪部18及びフランジ部14との溶接部44は、長手方向に沿って所定のピッチ(例えば、1mピッチ)で不連続に形成されている。
閉塞部材34は、この閉塞部材34が取り付けられた先行鋼矢板を打設する際には離脱又は破断せずに、後続鋼矢板の継手部を先行鋼矢板の継手部に嵌合させつつ打設する際には、後続鋼矢板の押圧力を受けて先行鋼矢板から離脱又は破断するような接合強度で、爪部18及びフランジ部14に溶接により取り付けられている。例えば、長手方向Lに沿って1m程度のピッチで、点溶接もしくは数cm程度の長さのアーク溶接を不連続に複数個所行うようにすればよい。
【0028】
図4に示されるように、閉塞部材34の上端部には、継手部16の開口19に対して離間する方向に屈曲又は湾曲した剥離起点部40が形成されている。この剥離起点部40は長手方向に対してウェブ部12側へ傾斜し、又は緩やかに湾曲している。これにより、開口19における剥離起点部40に面した上端部分は開口した状態になる。
なお、打設時の最初と最後の各1枚を除く中間の鋼矢板10に関しては、両側の継手部16のうちの片側にのみ閉塞部材34を取り付けるようにすることが望ましい。
【0029】
次に、上記のように構成された鋼矢板10により壁体24を構築する方法について説明する。
壁体24を構築する際には、鋼矢板10に対する止水ゴム28の装着工程及び継手部16の開口19を閉塞部材34により閉塞する閉塞工程が順次行われる。
装着工程では、図2(A)に示されるように、鋼矢板10におけるポケット溝22の底面付近に接着剤を塗布して接着層32を形成した後、図2(B)に示されるように、止水ゴム28をポケット溝22内に嵌挿する。このとき、例えば、円形ローラを備えたロール治具(図示省略)により止水ゴム28を一端部から他端側へ向かって連続的に押圧して行くことにより、止水ゴム28を一端部から他端側へ向かって徐々にポケット溝22内へ圧入して行き、最終的に止水ゴム28を全長に亘ってポケット溝22内に嵌挿する。ポケット溝22内に嵌挿された止水ゴム28は、ポケット溝22における底面部及び両側面部へそれぞれ圧接する。これにより、止水ゴム28が接着層32によりポケット溝22の底面部に接着される。
【0030】
装着工程の完了後に行われる閉塞工程では、予め剥離起点部40が形成された閉塞部材34を爪部18とフランジ部14との間に載置し、閉塞部材34により開口19を閉塞する。この状態で、閉塞部材34を爪部18及びフランジ部14に溶接し、溶着材料により閉塞部材34と爪部18及びフランジ部14との間に長手方向に沿って所定のピッチで溶接部44を形成する。
【0031】
上記のような装着工程及び閉塞工程は、好ましくは、鋼矢板10を地盤26へ打設する直前に行われる。これは、止水ゴム28が雨、湿気等により打設前に膨張することを確実に防止するためである。
図7に示されるように、鋼矢板10を地盤26に打設する際には、クローラクレーン54のクレーン56に吊り下げられたバイブロハンマ58により鋼矢板10の上端部を把持し、バイブロハンマ58により鋼矢板10を上下方向へ振動させつつ、クレーン56によりバイブロハンマ58を所定の打込み速度で鋼矢板10と共に下降させる。これにより、鋼矢板10の自重及び振動の衝撃力により鋼矢板10が地盤26に所定の打込み速度で打込まれる。
【0032】
このとき、図5に示されるように、後続鋼矢板10Fは、その他方の継手部16が先行鋼矢板10Pの一方の継手部16に嵌合した状態とされつつ、地盤26中に打込まれて行く。これにより、先行鋼矢板10Pに後続鋼矢板10Fがそれぞれの継手部16を介して連結されて、後続鋼矢板10Fにより壁体24が幅方向Wへ延長される。
また、後続鋼矢板10Fの継手部16が先行鋼矢板10Pの継手部16に嵌合した直後に、後続鋼矢板10Fの継手部16の先端付近が閉塞部材34の剥離起点部40へ当接する。この状態で、バイブロハンマ58及び後続鋼矢板10Fを打設方向へ下降させると、後続鋼矢板10Fの継手部16から剥離起点部40に自重及び振動衝撃が伝達される。これにより、後続鋼矢板10Fの下降直後に、剥離起点部40を介して上端側の1個乃至複数個の溶接部44に後続鋼矢板10Fの自重及び衝撃力が伝達され、この自重及び衝撃力により上端側の1個乃至複数個の溶接部44が破壊される。このように上端側の溶接部44が破壊され、後続鋼矢板10Fが更に下降すると、破壊された溶接部44の下側に位置する1個乃至複数個の溶接部44にも自重及び衝撃力が伝達されるようになり、これらの溶接部44も順次破壊されて行く。
【0033】
この結果、後続鋼矢板10Fの打設方向への移動に従って先行鋼矢板10Pの爪部18及びフランジ部14から閉塞部材34が上端側から下端側へ向かって徐々に剥離して行く。このため、閉塞部材34が下降する後続鋼矢板10Fに対して大きな抵抗を作用させないので、後続鋼矢板10Fを、その継手部16を先行鋼矢板10Pの継手部16に嵌合させつつ、円滑に地盤26中に打込むことができる。このとき、先行鋼矢板10Pの継手部16に嵌合する側の後続鋼矢板10Fの継手部16には、閉塞部材34は取り付けられていない。後続鋼矢板10Fは、他端側の継手部16に閉塞部材34が取付けられている。
【0034】
このように本実施形態では、後続鋼矢板10Fの打設が完了すると、閉塞部材34が先行鋼矢板10Pから剥離し、離脱しているので、この離脱した閉塞部材34を回収することができ、この回収によって閉塞部材34が先行鋼矢板10Pの継手部の爪先側の開口19から完全に外れたことを容易に把握することができる。
なお、本実施形態では、閉塞部材34として細長い鋼製丸棒を用いたが、図3(B)に示されるように、長手方向Lへ細長い肉薄の金属板(例えば、板厚2〜10mm程度のアングル板)を閉塞部材36として用いても良い。この閉塞部材36も、閉塞部材34と同様に、溶接により爪部18の先端部及びフランジ部14の先端側にそれぞれ取り付けられる。この場合には、継手構造42は、その継手部16、ポケット溝22に嵌挿された止水ゴム28及び爪部18及び継手部16に取り付けられた閉塞部材36により構成される。
【0035】
但し、この閉塞部材36には、その上端部に剥離起点部40を形成する必要がない。すなわち、閉塞部材36を剪断が容易な肉薄の金属板により形成したことから、後続鋼矢板10Fの打設方向への移動に従って、先行鋼矢板10Pの継手部16により閉塞部材36を上端側から下端側へ向かって徐々に剪断(破断)できる(もしくは溶接部44が破壊され破断できる)ので、後続鋼矢板10Fを、閉塞部材36により阻害されることなく、円滑に地盤26中に打込むことができる。また溶接方法としては、閉塞部材36の厚さ等に応じて、アーク溶接以外にスポット溶接を用いることもできる。
【0036】
また、閉塞部材をアルミ、銅、鋼、ステンレス等の金属により形成すると共に、この閉塞部材の幅方向Wに沿った断面を楔状又はテーパ状に形成し、この閉塞部材の先端側(細幅側)を開口19内に挿入しつつ加圧することで、閉塞部材を開口19に圧入固定して、開口19を閉塞するようにしても良い。この場合には、後続鋼矢板10Fの打設方向への移動に従って、後続鋼矢板10Fの継手部16により閉塞部材を上端側から下端側へ向かって徐々に開口19から脱落することで、後続鋼矢板10Fを円滑に地盤26中に打込むことが可能になる。
【0037】
鋼矢板10が地盤26中に打込まれると、ポケット溝22に嵌挿された止水ゴム28は、地盤26に含まれる水分を徐々に吸収して、図6(B)に示されるように、ポケット溝22内から膨張する。この結果、膨張した止水ゴム28により互いに嵌合した継手部16間の隙間を確実にシール(止水)できる。
なお、ポケット溝22に装填する止水材としては、定形の止水ゴム28以外にも、水膨張性を有する不定形のシール材をポケット溝22内に塗布又は注入し、これを止水材としても良い。
【0038】
次に、本実施形態に係る鋼矢板10の継手構造42及び鋼矢板10の打設方法の作用について説明する。
本実施形態に係る鋼矢板10の継手構造42では、閉塞部材34、36が鋼矢板10の継手部16の開口19を閉塞するように鋼矢板10に取り付けられることにより、鋼矢板10を地盤26中に打込む際に、閉塞部材34、36により開口19を通して継手部16の内側に石、土砂等の地盤構成物が浸入することを阻止できる。
【0039】
この結果、鋼矢板10の打設時に、継手部16の内側に装着された止水ゴム28が地盤構成物との摩擦等により損傷し、又は脱落することを防止できると共に、後続鋼矢板10Fの打設時には、後続鋼矢板10Fの継手部16からの摩擦力が地盤構成物を介して先行鋼矢板10Pの止水ゴム28に伝達されなくなり、後続鋼矢板10Fの継手部16からの摩擦力により先行鋼矢板10Pの止水ゴム28が損傷又は脱落することも防止できる。
【0040】
また継手構造42では、先行鋼矢板10Pの継手部16に後続鋼矢板10Fの継手部16を嵌合させつつ、後続鋼矢板10Fを地盤26中に打込めば、この後続鋼矢板10Fの継手部16からの押圧力を受けた閉塞部材34、36が先行鋼矢板10Pから離脱し、又は破断することから、後続鋼矢板10Fの打設方向への移動が閉塞部材34、36により阻害されず、後続鋼矢板10Fを円滑に地盤26中に打込むことができる。
【0041】
また継手構造42では、例えば、シール部への地盤構成物の浸入を防止する翼片、弾性体等を備えた従来の鋼矢板の継手構造と比較し、閉塞部材34、36を溶接等により先行鋼矢板10Pに取り付けるだけなので、閉塞部材34、36を鋼矢板10に取り付ける作業も容易であり、かつ複数枚の鋼矢板10により構築される壁体24のコスト増加及び構築作業の煩雑化もそれぞれ抑制できる。
【0042】
また継手構造42では、止水ゴム28が継手部16のポケット溝22に嵌挿されていることから、例えば、止水材が継手部の内面側に塗布されたり、貼り付けられている場合と比較し、後続鋼矢板10Fの継手部16を先行鋼矢板10Pの継手部16に嵌合させつつ、後続鋼矢板10Fを地盤26中に打込む際に、後続鋼矢板10Fの継手部16からの摩擦力により止水ゴム28が下方へ移動し、又は継手部16から脱落することを効果的に防止できる。
【0043】
また継手構造42では、止水ゴム28を水と反応して体積が膨張する水膨張性ゴムにより形成したことにより、鋼矢板10を地盤26に打設した後に、ポケット溝22に嵌挿された止水ゴムにより地盤26中に含まれる水を吸収させ、止水ゴム28をポケット溝22内から外側へ膨張させることができる。
この結果、鋼矢板10を地盤26中に打込む際には、止水ゴム28全体をポケット溝22内に収納しておき、止水ゴム28が後続鋼矢板10Fの継手部16との摩擦等により損傷することを効果的に防止でき、また鋼矢板10を地盤26に打設した後には、止水ゴム28をポケット溝22内から継手部16間の隙間へ膨張させ、この隙間を止水ゴム28により確実にシール(止水)できる。
【0044】
なお、本実施形態に係る鋼矢板10は、一対のテーパ状のフランジ部14を有しており、断面形状が所謂U字状のものであったが、これ以外にも、一対のフランジ部の先端側が幅方向外側へそれぞれ屈曲され、このフランジ部の先端部に継手部が形成されて、断面形状が所謂ハット状とされた鋼矢板であっても、本実施形態に係る鋼矢板10の継手構造42及び打設方法を適用できる。
【0045】
また、本実施形態では、長手方向に延在する鋼矢板10における継手部16にポケット溝22が形成され、このポケット溝22に止水ゴム28を嵌挿した場合について説明したが、図8に示されるように、鋼矢板10における継手部16の内面側に水膨張性を有する止水材として吸水膨潤性止水材60を塗布した場合についても、閉塞部材34、36により継手部16の開口19を閉塞すれば、鋼矢板10を地盤に打設する際に、鋼矢板10の継手部16の内側に地盤構成物が浸入することを効果的に防止できる。
【実施例】
【0046】
次に、本発明の実施形態に係る鋼矢板10を地盤26に打設した実験結果の一例を実施例として説明する。
鋼矢板10としては、有効幅WR=600mm、有効高さHR=210mm(図1(A)参照)、長さ16.5mのものを用いた。
止水ゴム28としては、直径=12mm、引張り強さ=2.94MPa以上、切断時伸び=500%以上、硬さ=A34±10、体積変化率=175±75%のものを用いた。
【0047】
止水ゴム28をポケット溝22の底面部に接着する接着剤としては、主成分が合成ゴム、主溶剤がトルエン及びn−ヘキサンのものを用い、これを刷毛によりポケット溝22の底面部に均一の厚さに塗布した。
本実施例では、閉塞部材34として、直径13mmで長さが16.5mの鋼製丸棒を用いた。この閉塞部材34を爪部18及びフランジ部14に長手方向に沿って1mピッチで点状に溶接し、閉塞部材34により開口19を閉塞した。また閉塞部材34の上端部には剥離起点部40を形成した。
【0048】
本実施例では、それぞれ鋼矢板10を、バイブロハンマを用いて地盤26中へ打込んだ。実施例では、4枚の鋼矢板10をそれぞれ地盤26に打込み、壁体24(継手部16の嵌合箇所:3箇所、止水ゴム28の総数:8本)を構築した後、4枚の鋼矢板10を地盤26から引き抜き、止水ゴム28の損傷の有無を目視にて検査した結果、止水ゴム28には欠損、破断等の損傷が観察されなかった。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態に係る鋼矢板の構成を示す幅方向に沿った断面図及び斜視図である。
【図2】図1に示される鋼矢板及び、この鋼矢板に装着される止水ゴムの構成を示す幅方向に沿った断面図である。
【図3】図1に示される鋼矢板及び、この鋼矢板に適用される継手構造の構成を示す幅方向に沿った断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る鋼矢板及び閉塞部材の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る一対の鋼矢板が互いに嵌合した状態を示す幅方向に沿った断面図及び斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る一対の鋼矢板における互いに嵌合した継手部及び止水ゴムを示す幅方向に沿った断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る鋼矢板により構築された壁体及び、この壁体の構築方法を示す模式図である。
【図8】本発明の実施形態に係る止水材として吸水膨潤性止水材を用いた場合の鋼矢板の継手部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0050】
10 鋼矢板
10F 後続鋼矢板
10P 先行鋼矢板
12 ウェブ部
14 フランジ部
16 継手部
17 底板部
18 爪部
19 開口
20 噛合面
22 ポケット溝
24 壁体
26 地盤
28 止水ゴム
32 接着層
34、36 閉塞部材
40 剥離起点部
42 継手構造
44 溶接部
54 クローラクレーン
56 クレーン
58 バイブロハンマ
60 吸水膨潤性止水材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート状のウェブ部と、前記ウェブ部の側端部に設けられたフランジ部と、前記フランジ部の先端部に形成されたラルゼン型の継手部と、を有する鋼矢板であって、
前記継手部の内側に、前記ウェブ部の長手方向へ延在するように装着されて、前記継手部と該継手部に嵌合する他の鋼矢板の継手部との間を止水する止水材と、
前記継手部の爪先側の開口を閉塞するように前記鋼矢板に取り付けられ、前記継手部に他の鋼矢板の継手部が嵌合しつつ、他の鋼矢板が地盤に打設されると、他の鋼矢板の継手部からの押圧力を受けて前記鋼矢板から離脱し、又は破断する閉塞部材と、
を有することを特徴とする鋼矢板。
【請求項2】
前記閉塞部材を、前記長手方向に沿って細長い金属体により形成し、前記鋼矢板に溶接により取り付けたことを特徴とする請求項1記載の鋼矢板。
【請求項3】
前記閉塞部材の上端部に、前記継手部の爪先側の開口に対して離間する方向へ屈曲又は湾曲した剥離起点部を形成したことを特徴とする請求項2記載の鋼矢板。
【請求項4】
複数枚の鋼矢板を有し、隣接する鋼矢板の継手部同士が連結されて構築された鋼矢板遮水壁であって、
前記鋼矢板が、請求項1乃至3の何れか1項記載の鋼矢板であることを特徴とする鋼矢板遮水壁。
【請求項5】
プレート状のウェブ部と、前記ウェブ部の側端部に設けられたフランジ部と、前記フランジ部の先端部に形成されたラルゼン型の継手部と、を有する鋼矢板に用いられる鋼矢板の打設方法であって、
前記継手部の内側に、該継手部と該継手部に嵌合する他の鋼矢板の継手部との間を止水するための止水材を前記ウェブ部の長手方向へ延在するように装着する装着工程と、
閉塞部材を前記鋼矢板に取り付け、該閉塞部材により前記継手部の爪先側の開口を閉塞する閉塞工程と、
前記閉塞部材により、前記継手部の爪先側の開口を通して該継手部の内側に地盤構成物が浸入することを阻止しつつ、先行鋼矢板を地盤中に打設する先行打設工程と、
前記先行打設工程完了後に、後続鋼矢板の継手部を先行鋼矢板の継手部に嵌合させつつ、後続鋼矢板を地盤中に打設すると共に、後続鋼矢板の打設方向への移動に従って後続鋼矢板の継手部により前記閉塞部材を先行鋼矢板から徐々に剥離させ又は破断させる後続打設工程と、
を有することを特徴とする鋼矢板の打設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−84386(P2010−84386A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253559(P2008−253559)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【出願人】(000217686)電源開発株式会社 (207)
【出願人】(000166627)五洋建設株式会社 (364)
【出願人】(000219406)東亜建設工業株式会社 (177)
【出願人】(000182030)若築建設株式会社 (39)
【出願人】(390001993)みらい建設工業株式会社 (26)
【Fターム(参考)】