説明

鋼製地中熱交換部品

【課題】フェライト系鋼材による鋼製熱交換部品を700℃を越える高温でも耐えるようなものにして、地中での熱交換及び従来では不可能とされていた広範な地中等での熱交換を実現できる吸熱若しくは放熱する鋼製熱交換部品を提供する。
【解決手段】鋼製地中熱交換部品は、重量%で、C:1×10−3〜1×10−1%、Cr:13〜30%、N:1×10−3〜1×10−1%、Ni>10(C+N)を含有し、フェライト相が70体積%以上を占めると共に、金属間化合物や炭化物および窒化物の1種以上の析出によって強化されている高クロムフェライト耐熱鋼からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼製地中熱交換部品に関し、地熱発電時の地熱収集部品、地中水脈を加熱して人工温泉を作る時の放熱部品、あるいは、土壌改良のために地中にて放熱する放熱部品など、地中内に埋設され、その周囲と熱交換して、吸熱若しくは放熱する鋼製熱交換部品に関する。
【背景技術】
【0002】
この種、鋼製熱交換部品は、地中圧力を受けながら高熱にさらされることで高いクリープ特性を要求される。一方、熱交換時の温度は高温ほど良好に行われるので、高温での使用可能な熱交換部品が求められていた。
文献1に示すように、高温でのクリープ特性はオーステナイト系鋼又はNi基等の超合金が勝っており、フェライト系は限界があるとされていた。しかし、これらは、フェライト系鋼に比べ製造工程が極めて複雑であり、生産性が悪いものであった。また、これらの材料はフェライト系鋼に比べて高価である。さらに、オーステナイト系鋼やNi基等の超合金に比べてフェライト系鋼の方が熱伝導度が大きく、熱交換性能に優れているため、従来のフェライト系鋼よりも優れた高温強度を有するフェライト系鋼の開発が望まれていた。
〔文献1〕岩崎淳他,A-USCボイラ材料の開発,火力原子力発電,58(2007), 649.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、フェライト系鋼材による鋼製熱交換部品を700℃を越える高温でも耐えるようなものにして、地中での熱交換及び従来では不可能とされていた広範な地中等での熱交換を実現できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明1の鋼製地中熱交換部品は、重量%で、C:1×10−3〜1×10−1%、Cr:13〜30%、N:1×10−3〜1×10−1%、Ni>10(C+N)を含有し、フェライト相が70体積%以上を占めると共に、金属間化合物や炭化物および窒化物の1種以上の析出によって強化されている高クロムフェライト耐熱鋼からなることを特徴とする。
【0005】
発明2は、発明1の鋼製地中熱交換部品において、前記高クロムフェライト耐熱鋼が、さらに、Mo:5×10−1〜5%、W:5×10−1〜1×10%、V:5×10−2〜4×10−1%、Nb:1×10−2〜1×10−1%、Co:1×10−1〜1×10%、N:1×10−3〜1×10−1%、Ni:1×10−1〜2.5%かつCあるいはNの添加量が1×10−2重量%以上である場合にNi>10(C+N)、B:2×10−3〜4×10−3%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする鋼製地中熱交換部品。
【0006】
発明3は、発明2の鋼製地中熱交換部品において、前記高クロムフェライト耐熱鋼が、さらにMoおよびWを5×10−1重量%以上含有し、Mo+0.5W≧3.0重量%以上含有することを特徴とする。
【0007】
発明4は、発明1〜3のいずれかの鋼製地中熱交換部品の製造方法であって、1×10℃以上で焼きなまし熱処理をした後、金属間化合物や炭化物および窒化物等が実質的に析出しない低温度になるまで、その析出が生じない高速度で冷却することを特徴とする。
発明5は、発明4の鋼製地中熱交換部品の製造方法において、前記低温度が4×10℃で、冷却速度が1×10℃/min以上とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この出願の発明者は、ボイラー、火力発電装置、原子力発電装置、化学工業装置等々の高温構造部材として好適なクリープ強度、耐熱性、耐酸化性および靭性を有するフェライト耐熱鋼を得るために、化学組成や成形後の冷却速度を種々変化させ、各種フェライト耐熱鋼を製造した。製造したフェライト耐熱鋼の特性を測定した結果、フェライト耐熱鋼のクリープ強度、耐熱性、耐酸化性および靭性の向上にとって、次の(イ)(ロ)(ハ)の点が重要であるとの知見を見出したのである。
(イ)Crを13重量%以上含有させることで耐酸化性を向上させるとともに、MoおよびWを0.5重量%以上含有させることが、クリープ強度の増大に特に効果的である。しかも、MoとWの配合比をMo+0.5W≧3.0重量%の範囲にすることによって、その効果はさらに増大する。これは、MoおよびWを0.5重量%以上含有することによって、クリープ強度に必要な金属間化合物や炭化物および窒化物の1種以上の析出量が確保されるためであると考えられる。
(ロ)靭性を向上させるためにはNi、C、Nを適量含有させることが有効であり、それらの元素は、CあるいはNの添加量が0.01重量%以上の場合には、Ni>10(C+N)とすることが特に好ましい。
(ハ)靭性を向上させるためには、1000℃以上で焼きなまし熱処理を行った後の冷却は、空冷以上の冷却速度、具体的には、焼きなまし温度から400℃以下の温度まで、100℃/min(毎分100℃)以上の冷却速度にすることが好ましい。空冷以上の冷却速度にすることによってフェライト相が70体積%以上のフェライト耐熱鋼を効果的に製造し、靭性を飛躍的に向上させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の部品を構成する鋼は、以下のような各成分にて調整された高クロムフェライト耐熱鋼である。(以下%は、別途断りがない限り、重量%で示す)
C:1×10−3〜1×10−1
クリープ強度向上のために、1×10−3%以上の添加が必要である。また、過剰添加は靭性を低下させるため、上限は1×10−1%とするとともに、1×10−2%以上添加する場合は、Ni>10(C+N)を満足する必要がある。
Cr:13〜30%
Crは13%以上であることが欠かせないが、実際的にはフェライト相を70体積%以上確保するとともに、耐酸化性向上のために13.5%以上が好ましい。また、30%以上では靭性の低下が著しいため、上限を30%とする。
N:1×10−3〜1×10−1
クリープ強度向上のために、1×10−3%以上の添加が必要である。また、過剰添加は靭性を低下させるため、上限は1×10−1%とするとともに、1×10−2%以上添加する場合は、Ni>10(C+N)を満足する必要がある。
Ni:1×10−1〜2.5%
靭性向上のために1×10−1%以上の添加が好ましい。とくに、CあるいはNの添加量が1×10−2重量%以上である場合は、靭性確保のため、Ni>10(C+N)の添加が必要である。また、過剰添加はフェライト相の体積率を低下させるため、上限は2.5%とする。表2から明らかなように、Niの添加量がNi>10(C+N)未満の比較鋼6〜9は、冷却速度の違いによらずシャルピー衝撃値は小さいが、本発明鋼の水冷材は高いシャルピー衝撃値を示す。
フェライト相が70体積%以上を占める
焼き戻しマルテンサイト組織は、高温で不安定である。これに対してフェライト相は高温での組織安定性が高い。そのため、クリープ強度向上のためにフェライト相が70体積%以上含有されていることが望ましい。表2から明らかなように、本発明鋼3〜5を炉冷するとフェライト相の体積率は70%未満となるが、水冷によりフェライト相の体積率は70%以上となり、図1から明らかなように、本発明鋼3〜5の水冷材は炉冷材よりも約10倍の長いクリープ破断時間を示す。また図2から明らかなように、クロム量が13重量%未満で、フェライト相の体積率が70%未満の比較鋼10〜16に対して、本発明鋼の方が長いクリープ破断時間を示す。
金属間化合物や炭化物および窒化物の1種以上の析出によって強化されている。
クリープ強度を高めるためには、金属間化合物や炭化物および窒化物の1種以上を析出させることが有効である。図3から明らかなように、本発明鋼1はW添加量が多く、金属間化合物の析出量が多いため、W添加量が少ない比較鋼6よりも約100倍の長いクリープ破断時間を示す。
【0010】
さらに、上記成分に加え、以下のものを含有させることが望ましい。
Mo:5×10−1〜5%
クリープ強度を高めるために必要な金属間化合物を析出させるために、5×10−1%以上含有するのが好ましい。また、過剰添加は靭性を低下させるため、上限は5%とする。
W:5×10−1〜1×10%
クリープ強度を高めるために必要な金属間化合物を析出させるために、5×10−1%以上含有するのが好ましい。また、過剰添加は靭性を低下させるため、上限は1×10%とする。
V:5×10−2〜4×10−1
クリープ強度向上に有効な炭化物、窒化物を形成させるために、5×10−2%以上含有するのが好ましい。また、過剰添加は炭化物、窒化物の形成に有効ではないので、上限は4×10−1%とする。
Nb:1×10−2〜1×10−1
クリープ強度向上に有効な炭化物、窒化物を形成させるために、1×10−2%以上含有するのが好ましい。また、過剰添加は炭化物、窒化物の形成に有効ではないので、上限は1×10−1%とする。
Co:1×10−1〜1×10%
炭化物、窒化物及び金属間化合物などの析出物を微細化し、クリープ強度向上に有効なため、1×10−1%以上含有するのが好ましい。また、過剰添加はフェライト相の体積率を低下させるため、上限は1×10%とする。
B:2×10−3〜4×10−3
析出物を微細化かつ安定化させるとともに、粒界強化に有効なため、2×10−3%以上含有するのが好ましい。また、過剰添加は窒化ボロンを生成してしまい、クリープ強度の向上に有効ではないので、上限は4×10−3%とする。
【0011】
又さらに、上記成分に加え、以下のものを含有させることが望ましい。
クリープ強度を高めるために必要な金属間化合物の析出量を十分に確保するため、MoおよびWをそれぞれ5×10−1重量%以上含有し、Mo+0.5W≧3.0重量%以上含有する。図3から明らかなように、Mo+0.5Wが3重量%以上の本発明鋼1は、Mo+0.5Wが3.0重量%未満の比較鋼6に比べて約100倍のクリープ破断時間を示している。
【0012】
さらに、1×10℃以上で焼きなまし熱処理された後、空冷以上の冷却速度、具体的には、焼きなまし温度から4×10℃以下の温度まで、1×10℃/min(毎分1×10℃)以上の冷却速度で冷却されることが望ましい。
本発明鋼1〜5と比較鋼6〜9について、1×10℃でシャルピー衝撃試験を行った。その結果を表2に示す。比較鋼6〜9は、焼きなまし熱処理後の冷却速度の大小によらず衝撃値は小さいのに対し、本発明鋼1〜5は冷却速度が小さい炉冷では衝撃値が小さいが、冷却速度が大きい水冷では衝撃値が224J/cm以上と炉冷熱処理材および比較鋼6〜9に比べて桁違いに大きいことが示されている。また、図1から明らかなように、本発明鋼3〜5の水冷材は炉冷材よりも約10倍の長いクリープ破断時間を示す。このように高いシャルピー衝撃値とクリープ強度を得るためには、焼ならし温度から400℃以下の温度まで、1×10℃/min(毎分1×10℃)以上の速度(空冷に相当する)で冷却することが望ましい。冷却速度が小さいと、冷却中に金属間化合物や炭化物および窒化物等がまばらに析出してしまい、シャルピー衝撃特性やクリープ強度を向上させる効果が減少してしまう。そのため、高いシャルピー衝撃値とクリープ強度を得るためには、金属間化合物や炭化物および窒化物が比較的短時間で析出する温度域を急速に冷却する必要がある。そこで、短時間では金属間化合物や炭化物および窒化物等の析出がほとんど生じない低温度(通常は、4×10℃。添加物の種類や量などによりこの温度は変化する)までを、1×10℃/min(毎分100℃)以上の速度(空冷に相当する)で冷却することが望ましい。
なお、冷却速度は、5×10℃/minが本発明出願時の上限であるが、これを越えて冷却することを否とする理由は存在しない。
また、必要な冷却速度も、添加物の種類や量などにより変化するので具体的にはこれらに対応した温度に設定することとなる。
冷却速度はエネルギー効率や鋼材の生成速度などに対応して適度な速度にすることが一般に行われている。
【0013】
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん、以下の例によって発明が限定されることはない。(なお、以下に示す℃の数値は50℃単位とした)
【実施例】
【0014】
表1に示されている1〜9の組成の材料について、それぞれ10kgの鋼塊を作製し、熱間鍛造により直径15mmの丸棒に成形して、1,200℃で焼きなまし熱処理後、それぞれを、炉冷及び水冷により冷却した。また、表1に示されている10〜16の組成の材料は既存のフェライト系耐熱鋼であり、比較鋼として用いた。
【0015】
このようにして成形した試験片について、100℃でシャルピー衝撃試験を行った。その結果を示したものが表2である。Ni量が少なく、本発明鋼の範囲外である比較鋼6〜9は、焼きなまし熱処理後の冷却速度の大小によらず衝撃値は小さいのに対し、本発明鋼1〜5は冷却速度が小さい炉冷では衝撃値が小さいが、冷却速度が大きい水冷では衝撃値が224J/cm以上と炉冷熱処理材および比較鋼6〜9に比べて桁違いに大きい。
【0016】
【表1】

【0017】
【表2】

【0018】
図1は本発明鋼3〜5の、650℃でのクリープ破断時間に及ぼす冷却速度の影響を示したものであり、冷却速度の小さな炉冷材に比べて、冷却速度の大きな水冷材は約10倍の長いクリープ破断時間を示すことがわかる。
【0019】
図2は650℃でのクリープ試験結果を例示した図である。クロム量が13重量%未満で、フェライト相の体積率が70%未満の比較鋼10〜16に対して、本発明鋼2〜5の方が高いクリープ強度を有することがわかる。
【0020】
図3は650℃でのクリープ試験結果を例示した図である。Mo+0.5Wが3重量%以上の本発明鋼1は、Mo+0.5Wが3.0重量%未満の比較鋼6に比べて約100倍のクリープ破断時間を示すことがわかる。
【0021】
図4は700℃、応力100MPaでのクリープ速度と時間との関係を例示した図である。本発明鋼3および5は未破断であり、試験進行中であるが、比較鋼10〜12に比べて約1000分の1の小さなクリープ速度を示し、約100倍以上の長いクリープ破断時間を示すことがわかる。
【0022】
図5は750℃、応力50MPaでのクリープ速度と時間との関係を例示した図である。本発明鋼3および5は未破断であり、試験進行中であるが、比較鋼10および14に比べて100分の1以下の小さなクリープ速度を示し、約100倍以上の長いクリープ破断時間を示すことがわかる。
【0023】
図6は750℃におけるクリープ破断時間を例示した図である。本発明鋼3および5は、応力50および30MPaでの試験は未破断であり、進行中のクリープ試験時間である。応力80および50MPaでは、本発明鋼3および5のクリープ破断時間は、比較鋼10〜16の約100倍以上も長く、オーステナイト耐熱鋼であるSUS316よりも長いクリープ破断時間を示す。また、応力30MPaでも本発明鋼3および5は、オーステナイト耐熱鋼であるSUS316と同等以上のクリープ破断時間を示すことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
以上、詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、地熱発電時の地熱収集部品、地中水脈を加熱して人工温泉を作る時の放熱部品、あるいは、土壌改良のために地中にて放熱する放熱部品など、地中内に埋設され、その周囲と熱交換して、吸熱若しくは放熱する鋼製熱交換部品が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明鋼3〜5の、650℃でのクリープ破断時間に及ぼす冷却速度の影響を例示した図である。冷却速度の小さな炉冷材に比べて、冷却速度の大きな水冷材は約10倍の長いクリープ破断時間を示す。
【図2】実施例について、650℃でのクリープ試験結果を例示した図である。クロム量が13重量%未満で、フェライト相の体積率が70%未満の比較鋼10〜16に対して、本発明鋼2〜5の方が高いクリープ強度を有することを示している。
【図3】本発明鋼1と比較鋼6の650℃でのクリープ試験結果を例示した図である。Mo+0.5Wが3重量%以上の本発明鋼1は、Mo+0.5Wが3.0重量%未満の比較鋼6に比べて約100倍のクリープ破断時間を示している。
【図4】実施例について、700℃、応力100MPaでのクリープ速度と時間との関係を例示した図である。本発明鋼3および5は未破断であり、試験進行中であるが、比較鋼10〜12に比べて約1000分の1の小さなクリープ速度を示し、約100倍以上の長いクリープ破断時間を示す。
【図5】実施例について、750℃、応力50MPaでのクリープ速度と時間との関係を例示した図である。本発明鋼3および5は未破断であり、試験進行中であるが、比較鋼10および14に比べて100分の1以下の小さなクリープ速度を示し、約100倍以上の長いクリープ破断時間を示す。
【図6】実施例について、750℃におけるクリープ破断時間を例示した図である。本発明鋼3および5は、応力50および30MPaでの試験は未破断であり、進行中のクリープ試験時間である。応力80および50MPaでは、本発明鋼3および5のクリープ破断時間は、比較鋼10〜16の約100倍以上も長く、オーステナイト耐熱鋼であるSUS316よりも長いクリープ破断時間を示す。また、応力30MPaでも本発明鋼3および5は、オーステナイト耐熱鋼であるSUS316と同等以上のクリープ破断時間を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中内に埋設され、その周囲と熱交換して、吸熱若しくは放熱する鋼製熱交換部品であって、重量%で、C:1×10−3〜1×10−1%、Cr:13〜30%、N:1×10−3〜1×10−1%、Ni>10(C+N)を含有し、フェライト相が70体積%以上を占めると共に、金属間化合物や炭化物および窒化物の1種以上の析出によって強化されている高クロムフェライト耐熱鋼からなることを特徴とする鋼製熱交換部品。
【請求項2】
請求項1に記載の鋼製熱交換部品において、前記高クロムフェライト耐熱鋼が、さらに、Mo:5×10−1〜5%、W:5×10−1〜1×10%、V:5×10−2〜4×10−1%、Nb:1×10−2〜1×10−1%、Co:1×10−1〜1×10%、N:1×10−3〜1×10−1%、Ni:1×10−1〜2.5%かつCあるいはNの添加量が1×10−2重量%以上である場合にNi>10(C+N)、B:2×10−3〜4×10−3%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする鋼製熱交換部品。
【請求項3】
請求項2に記載の鋼製熱交換部品において、前記高クロムフェライト耐熱鋼が、さらにMoおよびWを5×10−1重量%以上含有し、Mo+0.5W≧3.0重量%以上含有することを特徴とする鋼製熱交換部品。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の鋼製熱交換部品の製造方法であって、1×10℃以上で焼きなまし熱処理をした後、金属間化合物や炭化物および窒化物等が実質的に析出しない低温度になるまで、その析出が生じない高速度で冷却することを特徴とする蒸気機関用鋼製部品の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の鋼製熱交換部品の製造方法において、前記低温度が4×10℃で、冷却速度が1×10℃/min以上とすることを特徴とする鋼製熱交換部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−18822(P2010−18822A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177559(P2008−177559)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】