説明

鏡面冷却式センサ

【課題】メインコントローラ側での制御状況と関連付けたサブクーラの動作制限を行う。
【解決手段】熱伝導体17(センサボディ13、冷却ブロック15、冷却板16)の一端に鏡面冷却用の熱電冷却素子(第1の熱電冷却素子)2を取り付ける。熱伝導体17の他端に補助冷却器として冷却能力の大きい熱電冷却素子(第2の熱電冷却素子)18を取り付ける。第1の熱電冷却素子2への供給電流の制御はメインコントローラ24で行い、第2の熱電冷却素子18への供給電流の制御はサブコントローラ25で行う。この構成において、サブクーラ制御ON/OFFスイッチ29からのON/OFFの指令は、メインコントローラ24を経由してサブコントローラ25へ与える。メインコントローラ24は、各種の異常診断を行い、異常と判断した場合、サブコントローラ25の起動を阻止したり、サブコントローラ25の動作を停止させたりする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一方の面が低温側、他方の面が高温側とされる熱電冷却素子を用いて冷却される鏡面の上に生じる結露や結霜を検出する鏡面冷却式センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、湿度測定法として、被測定気体の温度を低下させ、その被測定気体に含まれる水蒸気の一部を結露させたときの温度を測定することにより露点を検出する露点検出法が知られている。例えば、寒剤、冷凍機、電子冷却器などを用いて鏡を冷却し、この冷却した鏡の鏡面上の反射光の強度の変化を検出し、反射光の強度が平衡状態になった時の鏡面の温度を測定することによって、被測定気体中の水分の露点を検出する鏡面冷却式露点計が用いられている。
【0003】
この鏡面冷却式露点計には、利用する反射光の種類によって、2つのタイプがある。1つは、正反射光を利用する正反射光検出方式(例えば、特許文献1参照)、もう1つは、散乱光を利用する散乱光検出方式(例えば、特許文献2参照)である。
【0004】
〔正反射光検出方式〕
図13に正反射光検出方式を採用した従来の鏡面冷却式露点計におけるセンサ部の構成を示す。このセンサ部101は、被測定気体が流入されるチャンバ1と、このチャンバ1の底部に設けられた熱電冷却素子(ペルチェ素子)2を備えている。熱電冷却素子2の冷却面2−1には鏡3が取り付けられており、熱電冷却素子2の加熱面2−2にはヒートパイプ4を介して放熱部材5が取り付けられている。すなわち、ヒートパイプ4の一端4−1が熱電冷却素子2の加熱面2−2に取り付けられており、熱電冷却素子2から離されたヒートパイプ4の他端4−2に放熱部材5が取り付けられている。
【0005】
また、熱電冷却素子2とヒートパイプ4の一端4−1にはその周囲を覆うように断熱部材6が設けられており、鏡3の上面(鏡面)3−1には温度検出素子7が取り付けられている。また、チャンバ1の上部に、鏡3の鏡面3−1に対して斜めに光を照射する発光素子8と、この発光素子8から鏡面3−1に対して照射された光の正反射光を受光する受光素子9とが設けられている。また、熱電冷却素子2へのリード線10が断熱部材6を貫通して設けられている。
【0006】
このセンサ部101において、チャンバ1内には、不図示の主配管から分岐された分岐管路を介して、被測定気体が流入される。これにより、チャンバ1内の鏡面3−1が、被測定気体に晒される。鏡面3−1に結露が生じていなければ、発光素子8から照射された光はそのほゞ全量が正反射し、受光素子9で受光される。したがって、鏡面3−1に結露が生じていない場合、受光素子9で受光される反射光の強度は大きい。
【0007】
熱電冷却素子2への電流を増大し、熱電冷却素子2の冷却面2−1の温度を下げて行くと、被測定気体に含まれる水蒸気が鏡面3−1に結露し、その水の分子に発光素子8から照射した光の一部が吸収されたり、乱反射したりする。これにより、受光素子9で受光される反射光(正反射光)の強度が減少する。この鏡面3−1における正反射光の変化を検出することにより、鏡面3−1上の状態の変化、すなわち鏡面3−1上に水分(水滴)が付着したことを知ることができる。さらに、この時の鏡面3−1の温度を温度検出素子7で測定することにより、被測定気体中の水分の露点を知ることができる。
【0008】
〔散乱光検出方式〕
図14に散乱光検出方式を採用した従来の鏡面冷却式露点計におけるセンサ部の構成を示す。このセンサ部102は、正反射光検出方式を採用したセンサ部101とほゞ同構成であるが、受光素子9の取り付け位置が異なっている。このセンサ部102において、受光素子9は、発光素子8から鏡面3−1に対して照射された光の正反射光を受光する位置ではなく、散乱光を受光する位置に設けられている。
【0009】
このセンサ部102において、チャンバ1内には、不図示の主配管から分岐された分岐管路を介して、被測定気体が流入される。これにより、チャンバ1内の鏡面3−1が、被測定気体に晒される。鏡面3−1に結露が生じていなければ、発光素子8から照射された光はそのほゞ全量が正反射し、受光素子9での受光量は極微量である。したがって、鏡面3−1に結露が生じていない場合、受光素子9で受光される反射光の強度は小さい。
【0010】
熱電冷却素子2への電流を増大し、熱電冷却素子2の冷却面2−1の温度を下げて行くと、被測定気体に含まれる水蒸気が鏡面3−1に結露し、その水の分子に発光素子8から照射した光の一部が吸収されたり、乱反射したりする。これにより、受光素子9で受光される乱反射された光(散乱光)の強度が増大する。この鏡面3−1における散乱光の変化を検出することにより、鏡面3−1上の状態の変化、すなわち鏡面3−1上に水分(水滴)が付着したことを知ることができる。さらに、この時の鏡面3−1の温度を温度検出素子7で測定することにより、被測定気体中の水分の露点を知ることができる。
【0011】
なお、上述した露点計においては、鏡面3−1に生じる結露(露点)を検出する例で説明したが、同様の構成によって鏡面3−1に生じる結霜(霜点)を検出することも可能である。
【0012】
この種の鏡面冷却式露点計において、露点の測定下限は、鏡面の温度を何度まで冷却することができるかによって決まる。このため、図13や図14に示したセンサ部101,102では、熱電冷却素子2の冷却面2−1をさらに冷却することができるように、熱電冷却素子2の加熱面2−2にヒートパイプ4の一端4−1を取り付け、熱電冷却素子2から離されたヒートパイプ4の他端4−2に放熱部材5を取り付けている。これにより、加熱面2−2に生じた熱がヒートパイプ4の一端4−1から他端4−2へと移動し、放熱部材5を通して放熱される。しかし、放熱部材5を設けただけでは、露点の測定下限をそれほど低くすることはできない。
【0013】
これに対し、特許文献3に示されている光学式露点計では、鏡面を多段ペルチェによって冷却するようにしている。すなわち、熱電冷却素子を何段も積み重ねることによって、鏡面の冷却能力を向上させている。この多段ペルチェを図13や図14に示したセンサ部101,102に採用すれば、低露点(例えば、−50℃DP以下)の測定が可能となる。
【0014】
また、特許文献4に示されているガス中の微量水分量測定装置では、鏡面をヘリウム冷凍機や液体窒素源により冷却するようにしている。すなわち、熱電冷却素子を用いて鏡面を冷却するのではなく、ヘリウムや液体窒素などの冷媒を用いて鏡面を冷却するようにしている。この冷却方式を冷媒式と呼ぶ。この冷媒式の冷却方式を図13や図14に示したセンサ部101,102に採用すれば、熱電冷却素子2を省略し、ヒートパイプ4や放熱部材5の代わりに冷媒式の冷却器を設けるようにして、低露点(例えば、−50℃DP以下)の測定が可能となる。
【0015】
しかしながら、多段ペルチェを用いる方式とした場合、鏡面周りの熱容量が大きくなり、応答性が悪化する。また、鏡面周りのサイズが大きくなり、センサが大型化する、というような問題がある。
【0016】
また、冷媒式の冷却器を用いる方式とした場合、冷媒のための配管やチラー(冷却装置)が必要で、装置が複雑化、大型化し、冷媒が漏れる可能性もある。また、鏡面のメンテナンス時などに鏡面周りを常温に戻す際、冷媒の熱容量が大きいため時間がかかる、というような問題がある。
【0017】
そこで、本出願人は、熱伝導体の一端に鏡面冷却用の熱電冷却素子(第1の熱電冷却素子)を取り付ける一方、熱伝導体の他端に補助冷却器(サブクーラ)として冷却能力の大きい熱電冷却素子(第2の熱電冷却素子)を取り付けることを考えている。
【0018】
このような構成とすると、第1の熱電冷却素子として、冷却能力が比較的小さい小型の素子(冷却スピードの速いペルチェ)を用いることができるため、応答性が犠牲になることがなく、鏡面周りのサイズの大型化も避けることができる。なお、この構成では、第1の熱電冷却素子への供給電流の制御をメインコントローラで行い、第2の熱電冷却素子への供給電流の制御をサブコントローラで行う。また、サブクーラのON/OFF制御信号(スタート/ストップ信号)は、サブコントローラに直接入力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開昭61−75235号公報
【特許文献2】特公平07−104304号公報
【特許文献3】特開平05−099846号公報
【特許文献4】特公平07−104304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、上述したメインコントローラとサブコントローラとを設けるようにした構成において、サブクーラのON/OFF制御信号(スタート/ストップ信号)をサブコントローラに直接入力する方式とした場合、メインコントローラによる鏡面上の結露量の調整および鏡面温度の制御とサブクーラの温度制御とが独立して行われるため、メインコントローラ側で異常が生じていても、サブクーラの温度制御が開始されたり、メインコントローラ側で異常が生じても、サブクーラの温度制御が続行されるなど、メインコントローラと関連付けたサブクーラの動作制限を行うことができかなかった。
【0021】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、メインコントローラ側での制御状況と関連付けたサブクーラの動作制限を行うことが可能な鏡面冷却式センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
このような目的を達成するために、本発明に係る鏡面冷却式センサは、被測定気体に晒される鏡面と、鏡面の裏面側に低温側の面が取り付けられた第1の熱電冷却素子と、鏡面に対して光を照射する投光手段と、投光手段から鏡面に対して照射された光の反射光を受光する受光手段と、第1の熱電冷却素子の高温側の面にその一端が取り付けられた熱伝導体と、熱伝導体の他端に低温側の面が取り付けられた第2の熱電冷却素子と、第2の熱電冷却素子の低温側の面の温度をサブクーラ温度として検出する温度検出手段と、受光手段が受光する反射光の光量に基づいて第1の熱電冷却素子へ供給する電流を制御する第1の制御手段と、温度検出手段が検出するサブクーラ温度に基づいて第2の熱電冷却素子へ供給する電流を制御する第2の制御手段とを備え、第1の制御手段は、第2の制御手段の起動および停止を制御する起動/停止制御手段を備えることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、第1の熱電冷却素子の高温側の面が熱伝導体を介して、第2の熱電冷却素子によって冷却される。すなわち、本発明では、第2の熱電冷却素子が補助冷却器(サブクーラ)の役割を果たし、第1の熱電冷却素子の高温側の面を冷却する。そして、第1の制御手段(メインコントローラ)が鏡面に対して照射された光の反射光の光量に基づいて第1の熱電冷却素子へ供給する電流を制御し、第2の制御手段(サブコントローラ)がサブクーラ温度に基づいて第2の熱電冷却素子へ供給する電流を制御する。また、第1の制御手段が第2の制御手段の起動および停止を制御する。すなわち、本発明において、サブクーラの起動および停止は、第1の制御手段によって制御される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、第1の制御手段に第2の制御手段の起動および停止を制御する起動/停止制御手段を設けたので、サブクーラの起動および停止が第1の制御手段によって制御されるものとなり、メインコントローラにおいて、予め定められた異常診断を行い、異常と診断された場合、サブコントローラの起動を阻止したり、サブコントローラの動作を停止させるなど、メインコントローラ側での制御状況と関連付けたサブクーラの動作制限を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る鏡面冷却式センサの一実施の形態を示す鏡面冷却式露点計の概略構成図である。
【図2】この鏡面冷却式露点計におけるサブコントローラ側での動作を示すフローチャートである。
【図3】この鏡面冷却式露点計における鏡面に対して照射されるパルス光および鏡面から受光される反射パルス光を示す図である。
【図4】この鏡面冷却式露点計におけるサブクーラおよび第1の熱電冷却素子の冷却曲線(特性I,II)を示す図である。
【図5】この鏡面冷却式露点計におけるメインコントローラ側でのサブクーラ起動時の動作を示すフローチャートである。
【図6】この鏡面冷却式露点計におけるメインコントローラ側での定期的に行われる異常監視の動作を示すフローチャートである。
【図7】この鏡面冷却式露点計におけるメインコントローラ側での露点計測ON/OFFスイッチOFF時の鏡面の状態の正常/異常の判断動作を示すフローチャートである。
【図8】この鏡面冷却式露点計に鏡面状態の確認スイッチを設けるようにした場合のメインコントローラ側での鏡面の状態の正常/異常の判断動作を示すフローチャートである。
【図9】この鏡面冷却式露点計に鏡面状態の確認スイッチを設けるようにした場合のメインコントローラ側での鏡面の状態の正常/異常の判断動作の変形例を示すフローチャートである。
【図10】この鏡面冷却式露点計において鏡面状態の正常/異常の判断を定期的に行うようにした場合のメインコントローラ側での動作を示すフローチャートである。
【図11】この鏡面冷却式露点計において鏡面状態の正常/異常の判断を鏡面温度の変化が生じなくなったことを確認して行うようにした場合のメインコントローラ側での動作を示すフローチャートである。
【図12】サンプリングチャンバ内に検出部を位置させるようにしてサンプリングチャンバにセンサ部を取り付けるようにした例を示す図である。
【図13】正反射光検出方式を採用した従来の鏡面冷却式露点計におけるセンサ部の構成を示す図である。
【図14】散乱光検出方式を採用した従来の鏡面冷却式露点計におけるセンサ部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はこの発明に係る鏡面冷却式センサの一実施の形態を示す鏡面冷却式露点計の概略構成図である。この鏡面冷却式露点計201はセンサ部201Aとコントロール部201Bとを有している。
【0027】
〔センサ部〕
センサ部201Aにおいて、11は鏡であり、その表面11−1が鏡面とされている。鏡11は、例えばシリコンチップとされており、鏡11の裏面11−2側に第1の熱電冷却素子(ペルチェ素子)2の冷却面2−1が取り付けられている。また、鏡11と第1の熱電冷却素子2の冷却面2−1との間には、例えば白金による第1の温度センサ12が設けられている。第1の温度センサ12は鏡11の裏面11−2の温度を鏡面温度tPpvとして検出する。
【0028】
また、第1の熱電冷却素子2は、その加熱面2−2を底面として、センサボディ13の先端部13aの傾斜面13bに取り付けられている。傾斜面13bはセンサボディ13の中心軸に対して30゜〜45゜の傾斜角とされている。したがって、第1の熱電冷却素子2の冷却面2−1に第1の温度センサ12を挟んで取り付けられた鏡11の鏡面11−1もセンサボディ13の中心軸に対して30゜〜45゜の角度で傾けられている。
【0029】
センサボディ13の先端部13aにつながる後端部13cは円柱状とされている。この後端部13cには、その先端面を鏡面11−1に対向させて、投受光一体型の光ファイバ14が保持されている。投受光一体型の光ファイバ14の投光軸および受光軸はセンサボディ13の中心軸と平行とされている。なお、この例では、後端部13cから鏡面11−1に向かって突き出ている投受光一体型の光ファイバ14の光ファイバ14−1,14−2のうち、14−1を投光側の光ファイバ、14−2を受光側の光ファイバとしている。
【0030】
センサボディ13の後端部13cの後部には冷却ブロック15が接合されている。また、冷却ブロック15の後部には、冷却板16が接合されている。センサボディ13、冷却ブロック15、冷却板16はいずれも熱伝導性の部材とされており、このセンサボディ13と冷却ブロック15と冷却板16とによって熱伝導体17が構成されている。
【0031】
冷却板15の後部には第2の熱電冷却素子(ペルチェ素子)18が設けられている。第2の熱電冷却素子18は、その冷却面18−1を冷却板15側として、熱伝導体17に取り付けられている。すなわち、熱伝導体17の一端に第1の熱電冷却素子2の加熱面2−2が取り付けられ、熱伝導体17の他端に第2の熱電冷却素子18の冷却面18−1が取り付けられている。本実施の形態において、第2の熱電冷却素子18の冷却能力は、そのサイズを比較しても分かるように、第1の熱電冷却素子2の冷却能力よりも遙かに大きいものとされている。
【0032】
第2の熱電冷却素子18の加熱面18−2にはヒートシンク19が放熱体として接合されている。ヒートシンク19には多数の放熱フィン19aが形成されている。このヒートシンク19も熱伝導体17と同様、熱伝導性の部材とされている。また、ヒートシンク19の後方には冷却ファン20が設けられており、冷却板16には第2の温度センサ21が設けられている。第2の温度センサ21は、第2の熱電冷却素子18の冷却面18−1の温度をサブクーラ温度tSpvとして検出する。
【0033】
本実施の形態では、冷却板16と第2の熱電冷却素子18とヒートシンク19と冷却ファン20とを合わせた構成を補助冷却器(サブクーラ)と呼ぶが、補助冷却器(サブクーラ)の主要構成は第2の熱電冷却素子18であり、第2の熱電冷却素子18単体を補助冷却器(サブクーラ)と呼んでもよい。ここでは、冷却板16と第2の熱電冷却素子18とヒートシンク19と冷却ファン20とを合わせた構成をサブクーラSCとする。
【0034】
また、センサ部201Aには、光電変換器22が設けられている。光電変換器22は、コントロール部201Bからの電気信号を光信号に変換して投光側の光ファイバ14−1へ与えたり、受光側の光ファイバ14−2からの光信号を電気信号に変換してコントロール部201Bへ与えたりする。光電変換器22とコントロール部201Bとの接続関係については後述する。また、センサ部201Aに対しては、冷却ファン20が吸い込む外気の温度をtoutとして検出する外気温度センサ23が設けられている。外気温度センサ23が検出する外気温度toutはコントロール部201Bへ送られる。
【0035】
〔コントロール部〕
コントロール部201Bには、メインコントローラ24と、サブコントローラ25と、電源26と、電源スイッチ27と、露点計測ON/OFFスイッチ28と、サブクーラ制御ON/OFFスイッチ29と、サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30とが設けられている。
【0036】
メインコントローラ24は、CPU24−1と、第1のA/D変換器24−2と、第2のA/D変換器24−3と、表示部24−4と、RAM24−5と、ROM24−6とを備えている。CPU24−1は、外部からの各種入力情報を得て、RAM24−5にアクセスしながら、ROM24−6に格納されたプログラムに従って動作する。ROM24−6には、本実施の形態特有のプログラムとして、露点計測表示プログラムが格納されている。
【0037】
なお、メインコントローラ24において、第1のA/D変換器24−2は、光電変換器22からの電気信号に変換された受光側の光ファイバ14−2からの光信号(信号S4)をデジタル信号に変換してCPU24−1へ与える。また、第2のA/D変換器24−3は、第1の温度センサ12からの鏡面温度tPpv(信号S2)をデジタル信号に変換して表示部24−4およびCPU24−1へ与える。表示部24−4は第1の温度センサ12からのデジタル信号に変換された鏡面温度tPpvを表示する。
【0038】
サブコントローラ25は、CPU25−1と、第1のA/D変換器25−2と、第2のA/D変換器25−3と、RAM25−4と、ROM25−5とを備えている。CPU25−1は、外部からの各種入力情報を得て、RAM25−4にアクセスしながら、ROM25−5に格納されたプログラムに従って動作する。ROM25−5には、本実施の形態特有のプログラムとして、サブクーラ制御プログラムが格納されている。
【0039】
なお、サブコントローラ25において、第1のA/D変換器25−2は、第2の温度センサ21からのサブクーラ温度tSpv(信号S6)をデジタル信号に変換してCPU25−1へ与える。また、第2のA/D変換器25−3は、外気温度センサ23からの外気温度tout(信号S8)をデジタル信号に変換してCPU25−1へ与える。また、CPU25−1には、メインコントローラ24における第2のA/D変換器24−3を介して、第1の温度センサ12からの鏡面温度tPpvが与えられる。
【0040】
〔センサ部のダクトへの取り付け〕
この鏡面冷却式露点計201において、例えばダクト内を流れる被測定気体中の水分の露点を検出する場合、第1の熱電冷却素子2や鏡面11−1,投光側の光ファイバ14−1,受光側の光ファイバ14−2などを含む検出部DTを被測定気体中に位置させるようにして、センサ部201Aをダクトに取り付ける。この際、第2の熱電冷却素子18を含むサブクーラSCはダクトの外に位置させる。
【0041】
〔サブクーラ低温/高温/連動の切替設定〕
本実施の形態では、サブクーラSCに対して、「低温(例えば、−5℃固定)」で動作させるのか、「高温(例えば、25℃固定)」で動作させるのか、「連動(鏡面温度+α)」で動作させるのかについて、サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30を用いてその動作モードを選択的に設定することが可能である。
【0042】
〔動作モードを「低温」としての露点計測〕
今、センサ部201Aをダクトに取り付けた状態において、サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30を「低温」に設定して、露点計測を開始するものとする。なお、この場合、電源スイッチ27は既にONとされており、メインコントローラ24およびサブコントローラ25には電源が供給された状態にあるものとする。
【0043】
露点計測を開始させる場合、露点計測ON/OFFスイッチ28とサブクーラ制御ON/OFFスイッチ29とを共にONとする。なお、先に、サブクーラ制御ON/OFFスイッチ29をONとし、ある程度時間が経った後に露点計測ON/OFFスイッチ28をONとするようにしてもよいが、ここでは露点計測ON/OFFスイッチ28とサブクーラ制御ON/OFFスイッチ29とを同時にONとするものとする。
【0044】
メインコントローラ24のCPU24−1は、サブクーラ制御ON/OFFスイッチ29がONとされると、サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30の現在の設定状態と合わせて、サブクーラ制御ON/OFFスイッチ29がONとされた旨をサブコントローラ25のCPU25−1に知らせる。
【0045】
〔サブコントローラ側での動作〕
サブコントローラ25のCPU25−1は、メインコントローラ24からサブクーラ制御ON/OFFスイッチ29がONとされた旨の知らせを受けると(図2:ステップS101のYES)、冷却ファン20の運転を開始する(ステップS102、信号S5)。なお、電源スイッチ27がONとされたときに冷却ファン20の運転を開始するように構成してもよい。
【0046】
また、サブコントローラ25のCPU25−1は、メインコントローラ24から知らされるサブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30の現在の設定状態をチェックする(ステップS103)。この場合、サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30の設定状態は「低温」とされているので、ステップ106を経てステップS107へ進み、サブクーラの設定目標温度Tspを低温(例えば、−5℃)とする。
【0047】
そして、第2の温度センサ21からのサブクーラ温度tSpvを取り込み(ステップS112、信号S6)、サブクーラ温度tSpvと設定目標温度Tspとが一致するように、第2の熱電冷却素子18へ供給する電流をON/OFF制御する(ステップS113、信号S7)。
【0048】
〔メインコントローラ側での動作〕
一方、メインコントローラ24のCPU24−1は、露点計測ON/OFFスイッチ28がONとされると、光電変換器22へ信号S3を送り、投光側の光ファイバ14−1の先端面より、鏡面11−1に対して所定の周期で光を照射させる(図3(a)参照)。なお、電源スイッチ27がONされると投光側の光ファイバ14−1の先端面より光を照射させるように光電変換器22を構成してもよい。
【0049】
鏡面11−1は被測定気体に晒されており、鏡面11−1に結露が生じていなければ、投光側の光ファイバ14−1の先端から照射された光はそのほゞ全量が正反射し、受光側の光ファイバ14−2を介して受光される鏡面11−1からの反射光(散乱光)の量は極微量である。したがって、鏡面11−1に結露が生じていない場合、受光側の光ファイバ14−2を介して受光される反射光の強度は小さい。受光側の光ファイバ14−2を介して受光される反射光は、光電変換器22によって電気信号に変換され、メインコントローラ24の第1のA/D変換器24−2へ送られ、デジタル信号に変換されてCPU24−1に取り込まれる。
【0050】
CPU24−1は、受光側の光ファイバ14−2を介して受光される反射光の上限値と下限値との差を反射光の強度として求める。この場合、反射光の強度はほゞ零であり、予め定められている閾値(結露判定用の設定値)に達していないので、CPU24−1は、第1の熱電冷却素子2への電流を増大させる(信号S1)。これにより、第1の熱電冷却素子2の冷却面2−1の温度が下げられて行く。
【0051】
第1の熱電冷却素子2の冷却面2−1の温度、すなわち鏡面11−1の温度を下げて行くと、被測定気体に含まれる水蒸気が鏡面11−1に結露し、その水の分子に投光側の光ファイバ14−1の先端から照射された光の一部が吸収されたり、乱反射したりする。これにより、受光側の光ファイバ14−2を介して受光される鏡面11−1からの反射光(散乱光)の強度が増大する。
【0052】
ここで、受光側の光ファイバ14−2を介して受光される反射光の強度が閾値を超えると、CPU24−1は、第1の熱電冷却素子2への電流を減少させる。これにより、第1の熱電冷却素子2の冷却面2−1の温度の低下が抑えられ、結露の発生が抑制される。この結露の抑制により、受光側の光ファイバ14−2を介して受光される反射光の強度が小さくなり、閾値を下回ると、CPU24−1は、第1の熱電冷却素子2への電流を増大させる。
【0053】
この動作の繰り返しによって、受光側の光ファイバ14−2を介して受光される反射光の強度が閾値とほゞ等しくなるように、第1の熱電冷却素子2の冷却面2−1の温度が調整される。この調整された温度、すなわち鏡面11−1に生じた結露が平衡状態に達した温度(露点温度)が、露点温度として表示部24−4に表示される。
【0054】
この露点の検出動作において、第1の熱電冷却素子2の加熱面2−2は熱伝導体17を介して、第2の熱電冷却素子18を含むサブクーラSCによって冷却される。図4に特性IとしてサブクーラSCの冷却曲線を示し、特性IIとして第1の熱電冷却素子2の冷却曲線を示す。また、参考として、サブクーラSCを用いず、鏡面冷却用の熱電冷却素子を大型の多段ペルチェとした場合の冷却曲線を特性IIIとして示す。
【0055】
特性IIと特性IIIとを比較して分かるように、鏡面冷却用の熱電冷却素子を大型の多段ペルチェとした場合には、鏡面周りの熱容量が大きくなるので、応答性が悪化する。これに対して、サブクーラSCを用いた場合には、鏡面周りの熱容量を小さなままとすることができるので、応答性が悪化することがない。
【0056】
このようにして、本実施の形態では、サブクーラSCを用いることによって、第1の熱電冷却素子2として冷却能力が比較的小さい小型の素子(冷却スピードの速いペルチェ)を用いることができている。このため、応答性が犠牲になることがなく、鏡面周りのサイズの大型化も避けられる。また、サブクーラSCにペルチェ式の冷却器を採用していることから、冷媒式の冷却器や配管が不要であり、装置が複雑化せず、小型となる。また、冷媒漏れの心配もない。
【0057】
〔動作モードを「連動」としての露点計測〕
次に、センサ部201Aをダクトに取り付けた状態において、サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30を「連動」に設定して、露点計測を開始する場合について説明する。この場合も、露点計測ON/OFFスイッチ28とサブクーラ制御ON/OFFスイッチ29とを同時にONとするものとする。
【0058】
メインコントローラ24のCPU24−1は、サブクーラ制御ON/OFFスイッチ29がONとされると、サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30の現在の設定状態と合わせて、サブクーラ制御ON/OFFスイッチ29がONとされた旨をサブコントローラ25のCPU25−1に知らせる。
【0059】
〔サブコントローラ側での動作〕
サブコントローラ25のCPU25−1は、メインコントローラ24からサブクーラ制御ON/OFFスイッチ29がONとされた旨の知らせを受けると(図2:ステップS101のYES)、冷却ファン20の運転を開始する(ステップS102)。
【0060】
また、サブコントローラ25のCPU25−1は、メインコントローラ24から知らされるサブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30の現在の設定状態をチェックする(ステップS103)。この場合、サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30の設定状態は「連動」とされているので、第1の温度センサ12からの鏡面温度tPpvを取得し(ステップS104)、サブクーラの設定目標温度Tspを鏡面温度tPpv+αとする(ステップS105)。
【0061】
そして、外気温度センサ23からの外気温度toutを取り込み(ステップS109)、ステップS105で定めた設定目標温度Tspと外気温度toutとを比較する(ステップS110)。ここで、設定目標温度Tspが外気温度tout以下であれば(ステップS110のYES)、第2の温度センサ21からのサブクーラ温度tSpvを取り込み(ステップS112)、サブクーラ温度tSpvと設定目標温度Tspとが一致するように、第2の熱電冷却素子18へ供給する電流をON/OFF制御する(ステップS113)。
【0062】
これに対し、設定目標温度Tspが外気温度toutよりも高い場合には(ステップS110のNO)、設定目標温度Tspを外気温度toutとし(ステップS111)、すなわち設定目標温度Tspの上限値を外気温度toutで規制し、サブクーラ温度tSpvと設定目標温度Tspとが一致するように、第2の熱電冷却素子18へ供給する電流をON/OFF制御する(ステップS112、S113)。
【0063】
〔メインコントローラ側での動作〕
メインコントローラ24側での動作は、サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30を「低温」に設定した場合と同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0064】
サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30を「低温」に設定した場合、すなわちサブクーラの設定目標温度Tspを低温(例えば、−5℃)に固定するものとした場合、その固定された設定目標温度Tspよりも高い露点は測定することができない。また、測定範囲の上限付近の露点を測定する際でも、設定目標温度Tspが固定であるので、多くのエネルギーを消費してしまう。
【0065】
これに対して、サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30を「連動」に設定すると、すなわちサブクーラの設定目標温度Tspを鏡面温度tPpv+αとすると、鏡面温度tPpvが上昇すると設定目標温度Tspも上昇することになるので、周囲温度と同じ温度まで露点計測を行うことが可能となる。また、設定目標温度Tspは、常に鏡面温度tPpv+αで変動しているため、消費されるエネルギーも必要最小限となる。
【0066】
〔鏡面のメンテナンス(1)〕
例えば、動作モードを「低温」としての露点計測中、鏡面11−1のメンテナンスを行いたいものとする。この場合、露点計測ON/OFFスイッチ28をOFFとし、サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30を「高温」に設定する。
【0067】
すると、メインコントローラ24のCPU24−1は、第1の熱電冷却素子2による鏡面11−1の冷却動作を中断すると共に、サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30が「高温」に設定された旨をサブコントローラ25のCPU25−1に知らせる。
【0068】
サブコントローラ25のCPU25−1は、メインコントローラ24からサブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30が「高温」に設定された旨の知らせを受けると、サブクーラの設定目標温度Tspを高温(例えば、25℃)とする(図2:ステップS106,S108)。
【0069】
そして、第2の温度センサ21からのサブクーラ温度tSpvを取り込み(ステップS112)、サブクーラ温度tSpvと設定目標温度Tspとが一致するように、第2の熱電冷却素子18へ供給する電流をON/OFF制御する(ステップS113)。この場合、設定目標温度Tspがサブクーラ温度tSpvよりも高いので、第2の熱電冷却素子18へは逆電流がかけられる。これにより、サブクーラSCが加熱器として利用され、鏡面周りが短時間で常温に戻される。
【0070】
〔鏡面のメンテナンス(2)〕
例えば、動作モードを「連動」としての露点計測中、鏡面11−1のメンテナンスを行いたいものとする。この場合、動作モードを「低温」としての露点計測中と同様にして、露点計測ON/OFFスイッチ28をOFFとし、サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ30を「高温」に設定するようにしてもよいが、露点計測ON/OFFスイッチ28をOFFとするだけとしてもよい。
【0071】
露点計測ON/OFFスイッチ28がOFFにされると、メインコントローラ24のCPU24−1は、第1の熱電冷却素子2による鏡面11−1の冷却動作を中断する。この場合、サブコントローラ25のCPU25−1は、サブクーラの設定目標温度Tspを鏡面温度tPpv+αとする制御を続ける。これにより、鏡面11−1の冷却動作の中断による温度の上昇に伴って、サブクーラの設定目標温度Tspも上昇して行く。
【0072】
このようにして、動作モードを「連動」としての露点計測中でれば、露点計測ON/OFFスイッチ28をOFFとするのみで、サブクーラの設定目標温度Tspを高温に切り替えることなく、自動的に鏡面周りを常温に戻すようにすることができる。
【0073】
〔メインコントローラおよびサブコントローラの性能〕
本実施の形態において、鏡面11−1上での結露の生成スピードは非常に速く、また鏡面温度tPpvや鏡面からの反射光の光量は高精度に測定する必要がある。その一方で、サブクーラSCの制御は、熱容量が大きいため制御スピードが遅く、また、サブクーラ温度tSpvの検出はあまり精度を必要としない。
【0074】
そこで、本実施の形態では、メインコントローラ24は、高速制御と高精度測定が必要であるので、高性能・高価格コントローラを用い、サブコントローラ25は、制御性能・計測精度はあまり必要としないので、低性能・低価格のコントローラを用いるようにして、メインコントローラ24とサブコントローラ25のコストと性能をバランスさせ、製品コストを安くしている。
【0075】
この点について、さらに具体的に述べる。メインコントローラ24は、受光側の光ファイバ14−2が受光する反射光の光量をA/D変換し、そのA/D変換値に基づいて第1の熱電冷却素子2へ供給する電流を所定の制御周期で制御する。また、第1の温度センサ12が検出する鏡面温度tPpvをA/D変換し、その刻々の鏡面温度tPpvを表示する。そして、鏡面11−1に生じた結露が平衡状態に達した時の温度を露点温度として表示する。一方、サブコントローラ25は、第2の温度センサ21が検出するサブクーラ温度tSpvをA/D変換し、そのA/D変換値に基づいて第2の熱電冷却素子18へ供給する電流を所定の制御周期で制御する。
【0076】
メインコントローラ24において、受光側の光ファイバ14−2が受光する反射光の光量のA/D変換は第1のA/D変換器24−2で行われ、そのA/D変換値に基づく第1の熱電冷却素子2への供給電流の所定の制御周期での制御はCPU24−1で行われる。また、第1の温度センサ12が検出する鏡面温度tPpvのA/D変換は第2のA/D変換器24−3で行われる。一方、サブコントローラ25において、第2の温度センサ21が検出するサブクーラ温度tSpvのA/D変換は第1のA/D変換器25−2で行われ、そのA/D変換値に基づく第2の熱電冷却素子18への供給電流の所定の制御周期での制御はCPU25−1で行われる。
【0077】
ここで、メインコントローラ24とサブコントローラ25のコストと性能をバランスさせるために、メインコントローラ24における第1のA/D変換器24−2や第2のA/D変換器24−3のA/D変換の精度は、サブコントローラ25における第1のA/D変換器25−2のA/D変換の精度よりも高くされている。また、メインコントローラ24における第1の熱電冷却素子2への供給電流の制御周期は、サブコントローラ25における第2の熱電冷却素子18への供給電流の制御周期よりも短周期とされている。
【0078】
なお、サブコントローラ25において、第2のA/D変換器24−3のA/D変換の精度は、第1のA/D変換器25−2と同程度とされている。この例では、説明上、第1のA/D変換器25−2と第2のA/D変換器25−3とを別々に設けるものとしたが、第1のA/D変換器25−2と第2のA/D変換器25−3とを1つとし、その1つのA/D変換器を時分割で用いるようにしてもよい。
【0079】
また、本実施の形態では、メインコントローラ24に第2のA/D変換器24−3および表示部24−4を設けているが、第2のA/D変換器24−3および表示部24−4はメインコントローラ24から切り離して設けられる場合もある。また、鏡面温度tPpvを上位の装置へ送り、その上位の装置の表示部で表示させるというようなことも考えられる。
【0080】
また、本実施の形態において、メインコントローラ24からの第1の熱電冷却素子2への供給電流の制御周期はサブコントローラ25からの第2の熱電冷却素子18への供給電流の制御周期よりも短周期とされているが、メインコントローラ24からの第1の熱電冷却素子2への供給電流の制御を比例制御、サブコントローラ25からの第2の熱電冷却素子18への供給電流の制御をON/OFF制御とするようにしてもよい。
【0081】
すなわち、結露を平衡状態に制御するメインコントローラ24は、高速で緻密な制御を必要とするので比例制御を採用し、サブクーラの温度を制御するサブコントローラ25は、比較的アバウトな制御でよいので、制御性能が高くなく低価格で実現可能なON/OFF制御を採用するというように、その制御方式を異ならせるようにしてもよい。勿論、メインコントローラ24/サブコントローラ25ともに、その供給電流の制御を比例制御で行うようにしてもよい。
【0082】
〔メインコントローラを経由してのサブコントローラの起動/停止〕
次に、メインコントローラ24を経由してのサブコントローラ25の起動/停止時のメインコントローラ24での動作について説明する。
【0083】
〔(1)光電変換器の入出力チェック〕
メインコントローラ24のCPU24−1は、サブクーラ制御ON/OFFスイッチ29がONとされると(図5:ステップS201のYES)、光電変換器22の入出力チェックを行う(ステップS202)。すなわち、光電変換器22からの入力として光電変換器22からの信号S4のレベルをチェックし、光電変換器22への出力としてCPU24−1からの光電変換器22への信号S3のレベルをチェックする。
【0084】
ここで、光電変換器22からの信号S4のレベルが正常範囲になかったり、光電変換器22への信号S3のレベルが正常範囲になかったり、信号S4(S3)のレベルに対する信号S3(S4)のレベルが予測される範囲から外れているような場合、異常と判断する(ステップS203のYES)。
【0085】
なお、この例では、光電変換器22の入出力チェックを行うようにしたが、光電変換器22の入力チェックのみを行うようにしてもよく、光電変換器22の出力チェックのみを行うようにしてもよい。
【0086】
〔(2)制御出力のチェック〕
光電変換器22の入出力が正常であれば(ステップS203のNO)、CPU24−1は、制御出力をチェックする(ステップS204)。すなわち、メインコントローラ24からの制御出力として、第1の熱電冷却素子2への信号S1のレベルをチェックする。ここで、第1の熱電冷却素子2への信号S1のレベルが正常範囲になかった場合、異常と判断する(ステップS205のYES)。
【0087】
〔(3)温度センサ入力のチェック〕
メインコントローラ24からの制御出力が正常であれば(ステップS205のNO)、CPU24−1は、温度センサ入力をチェックする(ステップS206)。すなわち、温度センサ入力として、第1の温度センサ12からの信号S2のレベルをチェックする。ここで、第1の温度センサ12からの信号S2のレベルが正常範囲になかった場合、異常と判断する(ステップS207のYES)。
【0088】
〔(4)メインコントローラの自己チェック〕
温度センサ入力が正常であれば(ステップS207のNO)、CPU24−1は、メインコントローラ24の自己チェックを行う(ステップS208)。すなわち、メインコントローラ24について、予め定められた各種パラメータのチェックなどを行う。ここで、1つでも問題があれば、異常と判断する(ステップS209のYES)。
【0089】
〔(5)サブコントローラと冷却ファンとの間の結線の有無のチェック〕
メインコントローラの自己チェックが正常であれば(ステップS209のNO)、CPU24−1は、サブコントローラと冷却ファンとの間の結線の有無のチェックを行う(ステップS210)。すなわち、サブコントローラ25から冷却ファン20への信号S5のラインについて、実際に結線されているか否かをチェックする。
【0090】
本実施の形態では、設計上、サブコントローラ25から冷却ファン20への信号S5のラインが信号S1〜S4とともに中継ケーブルJ1に収容されており、信号S6,S7のラインは中継ケーブルJ2に収容されている。このために、中継ケーブルJ1をセンサ部201に接続せずに、サブコントローラ25を起動すると、第2の熱電冷却素子18の冷却動作は始まるが、冷却ファン20が回転しないという問題が生じる。そこで、サブコントローラ25から冷却ファン20への信号S5のラインについて、実際に結線されているか否かをチェックし、結線されていない場合に異常と判断する(ステップS211のYES)。
【0091】
なお、サブコントローラ25から冷却ファン20への信号S5のラインの結線の有無のチェックは、中継ケーブルJ1をセンサ部201Aに接続した時、例えば信号S3のラインとの間でショートされるピンP1からの戻り信号S9を結線チェック信号として、CPU24−1内で判断するようにする。
【0092】
サブコントローラと冷却ファンとの間の結線の有無のチェックが正常であれば(ステップS211のNO)、CPU24−1は、サブクーラ制御ON/OFFスイッチ29がONとされた旨の知らせをサブコントローラ25のCPU25−1へ送り、サブコントローラ25を起動させる(ステップS212)。
【0093】
CPU24−1は、ステップS203,S205,S207,S209,S211の何れか1つでも異常と判断されると、サブコントローラ25の起動は行わずに(ステップS213)、すなわちサブコントローラ25の起動を阻止し、表示部24−4においてアラーム表示を行う(ステップS214)。
【0094】
また、CPU24−1は、サブコントローラ25の動作中、サブクーラ制御ON/OFFスイッチ29がOFFとされると(ステップS215のYES)、サブクーラ制御ON/OFFスイッチ29がOFFとされた旨の知らせを無条件でサブコントローラ25のCPU25−1へ送り、サブコントローラ25を停止させる(ステップS216)。
【0095】
〔異常監視〕
メインコントローラ24のCPU24−1は、サブコントローラ25の動作中も異常監視として、上述した「(1)光電変換器の入出力チェック」、「(2)制御出力のチェック」、「(3)温度センサ入力のチェック」、(4)メインコントローラの自己チェック」、「(5)サブコントローラと冷却ファンとの間の結線の有無のチェック」を定期的に繰り返す。図6にこの場合のフローチャートを示す。このフローチャートの処理は割り込み処理によって繰り返し行われる。
【0096】
この異常監視において、CPU24−1は、1つでも異常と判断されると、すなわちステップS302,S304,S306,S308,S310の何れか1つでも異常と判断されると、サブコントローラ25の動作を停止させて(ステップS311)、表示部24−4においてアラーム表示を行う(ステップS312)。
【0097】
なお、図5や図6に示したフローチャートでは、「(1)光電変換器の入出力チェック」、「(2)制御出力のチェック」、「(3)温度センサ入力のチェック」、(4)メインコントローラの自己チェック」、「(5)サブコントローラと冷却ファンとの間の結線の有無のチェック」を順にチェックして行くようにしたが、そのチェックして行く順番は自由であり、またこれら異常のチェック項目の何れか1つを行うようにしてもよい。また、異常のチェック項目は、これらに限られるものでもない。また、異常が回復した場合、それまで停止させていたサブコントローラ25の動作を自動的に復旧させるようにしてもよい。
【0098】
〔受光量基準範囲を用いての鏡面の状態の正常/異常判断〕
メインコントローラ24のCPU24−1は、露点計測ON/OFFスイッチ28がOFFとされると(図7:ステップS401のYES)、第1の熱電冷却素子2への供給電流の制御を中断し、露点計測を停止する(ステップS402)。
【0099】
そして、所定時間の経過を待って(ステップS403のYES)、受光側の光ファイバ14−2を介して受光される鏡面11−1からの反射光の光量(受光量)Rpvを求める(ステップS404)。
【0100】
そして、この求めた受光量Rpvが予め定められている受光量基準範囲に入っているか否かをチェックし(ステップS405)、受光量Rpvが受光量基準範囲から外れていた場合(ステップS405のNO)、表示部24−4においてアラーム表示を行う(ステップS406)。
【0101】
すなわち、CPU24−1は、第1の熱電冷却素子2への供給電流の制御の中断後(ステップS402)、所定時間の経過を待つことによって(ステップS403)、鏡面11−1に結露が生じていない状態を作り出し、この時の鏡面11−1からの反射光の受光量Rpvを求め(ステップS404)、この受光量Rpvが正常であると認められる受光量基準範囲に入っていなければ(ステップS405のNO)、鏡面の汚れや検出系の劣化など異常が生じているものと判断し、警報を発する(ステップS406)。本実施の形態において、鏡面の状態の異常とは、鏡面の汚れ以外にも検出系の劣化なども含むものである。
【0102】
なお、この例では、露点計測ON/OFFスイッチ28がOFFとされた場合について説明したが、鏡面状態の確認スイッチを独立して設け、この鏡面状態の確認スイッチがONとされた場合に、鏡面の状態の正常/異常の判断が行われるようにしてもよい。
【0103】
図8に鏡面状態の確認スイッチを設けるようにした場合のフローチャートを示す。鏡面状態の確認スイッチ(図示せず)がONとされると(ステップS501のYES)、メインコントローラ24のCPU24−1は、第1の熱電冷却素子2への供給電流の制御を中断し、露点計測を休止する(ステップS502)。
【0104】
そして、所定時間の経過を待って(ステップS503のYES)、受光側の光ファイバ14−2を介して受光される鏡面11−1からの反射光の光量(受光量)Rpvを求める(ステップS504)。
【0105】
そして、この求めた受光量Rpvが受光量基準範囲から外れていた場合(ステップS505のNO)、アラーム表示を行い(ステップS506)、露点計測を停止する(ステップS507)。
【0106】
受光量Rpvが受光量基準範囲に入っていた場合(ステップS505のYES)、CPU24−1は、第1の熱電冷却素子2への供給電流の制御の中断を解除し、露点計測を再開する(ステップS508)。
【0107】
なお、図9に示すように、受光量Rpvが受光量基準範囲から外れていた場合(ステップS505のNO)、アラーム表示を行う一方(ステップS506)、露点計測を再開させるようにしてもよい(ステップS508)。
【0108】
また、この鏡面状態の確認中、サブクーラSCの運転を停止するようにしてもよいが、この例ではチェック時間を最短にするために、鏡面状態の確認中はサブクーラSCの運転を継続するものとする。
【0109】
また、図10に示すように、メインコントローラ24のCPU24−1の定期的な割り込み処理動作として、図8に示したステップS502〜S508に対応するステップS601〜S607の処理動作を繰り返させるようにしてもよい。この場合も、ステップS605においてアラーム表示をさせた後、図に点線で示したようにステップS607へ進み、露点計測を再開させるようにしてもよい。
【0110】
また、図7〜図10に示したフローチャートでは、第1の熱電冷却素子2への供給電流の制御を中断した後、所定時間経過後の鏡面11−1からの反射光の受光量Rpvを求めるようにしたが、第1の熱電冷却素子2への供給電流の制御を中断した後、第1の温度センサ12からの鏡面温度tPpvの変化をチェックし、鏡面温度tPpvの変化が生じなくなった時の鏡面11−1からの反射光の受光量Rpvを求めるようにしてもよい。
【0111】
図11にこの場合のフローチャートを例示する。このフローチャートは図10に対応するフローチャートであり、ステップS602−1において鏡面温度tPpvの変化をチェックし、ステップS602−2において鏡面温度tPpvの変化が生じなくなった時点を判断する。なお、鏡面温度tPpvの変化が生じなくなった時点は、鏡面温度tPpvの変化する割合が所定値を下回ったタイミングとして判断する。
【0112】
なお、上述した実施の形態では、鏡面11−1に生じる結露(露点)を検出するようにしているが、同様の構成によって鏡面11−1に生じる結霜(霜点)を検出することもできる。すなわち、鏡面11−1に生じる結霜の増減がなくなる平衡状態になるように第1の熱電冷却素子2への供給電流を制御することによって、鏡面11−1に生じる結霜(霜点)を検出することも可能である。
【0113】
また、上述した実施の形態では、露点計測ON/OFFスイッチ28とサブクーラ制御ON/OFFスイッチ29とを別個に設けるようにしたが、露点計測ON/OFFスイッチ28とサブクーラ制御ON/OFFスイッチ29とを1つのスイッチで構成するようにしてもよい。この場合、露点計測のONとサブクーラの制御のONが同時に行われ、露点計測のOFFとサブクーラの制御のOFFが同時に行われるものとなる。
【0114】
また、上述した実施の形態では、第1の熱電冷却素子2を1段のペルチェとしているが、2段のペルチェとするなどしてもよい。すなわち、鏡面回りのサイズや応答性に余裕があれば、多段のペルチェとサブクーラとを組み合わせた構成としても構わない。
【0115】
また、上述した実施の形態では、センサ部201Aをダクトに取り付けるようにしたが、図12に示すように、被測定気体が引き込まれるサンプリングチャンバ31内に検出部DTを位置させるように、サンプリングチャンバ31に断熱材32を介してセンサ部201Aを取り付けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明の鏡面冷却式センサは、熱電冷却素子(ペルチェ素子)によるサブクーラを用いた鏡面冷却式センサとして、鏡の鏡面上に生じる結露や結霜を検出する露点計などに利用することが可能である。
【符号の説明】
【0117】
201…鏡面冷却式露点計、201A…センサ部、201B…コントロール部、2…第1の熱電冷却素子(ペルチェ素子)、2−1…冷却面、2−2…加熱面、11…鏡、11−1…表面(鏡面)、11−2…裏面、12…第1の温度センサ、13…センサボディ、13a…先端部、13b…傾斜面、13c…後端部、14…投受光一体型の光ファイバ、14−1…投光側の光ファイバ、14−2…受光側の光ファイバ、15…冷却ブロック、16…冷却板、17…熱伝導体、18…第2の熱電冷却素子(ペルチェ素子)、18−1…冷却面、18−2…加熱面、19…ヒートシンク、19a…放熱フィン、20…冷却ファン、21…第2の温度センサ、22…光電変換器、23…外気温度センサ、DT…検出部、SC…サブクーラ、24…メインコントローラ、24−1…CPU、24−2…第1のA/D変換器、24−3…第2のA/D変換器、24−4…表示部、24−5…RAM、24−6…ROM、25…サブコントローラ、25−1…CPU、25−2…第1のA/D変換器、25−3…第2のA/D変換器、25−4…RAM、25−5…ROM、26…電源、27…電源スイッチ、28…露点計測ON/OFFスイッチ、29…サブクーラ制御ON/OFFスイッチ、30…サブクーラ低温/高温/連動切替セレクタスイッチ、J1,J2…中継ケーブル、P1…ピン、31…サンプリングチャンバ、32…断熱材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定気体に晒される鏡面と、
前記鏡面の裏面側に低温側の面が取り付けられた第1の熱電冷却素子と、
前記鏡面に対して光を照射する投光手段と、
前記投光手段から前記鏡面に対して照射された光の反射光を受光する受光手段と、
前記第1の熱電冷却素子の高温側の面にその一端が取り付けられた熱伝導体と、
前記熱伝導体の他端に低温側の面が取り付けられた第2の熱電冷却素子と、
前記第2の熱電冷却素子の低温側の温度をサブクーラ温度として検出する温度検出手段と、
前記受光手段が受光する反射光の光量に基づいて前記第1の熱電冷却素子へ供給する電流を制御する第1の制御手段と、
前記温度検出手段が検出するサブクーラ温度に基づいて前記第2の熱電冷却素子へ供給する電流を制御する第2の制御手段とを備え、
前記第1の制御手段は、前記第2の制御手段の起動および停止を制御する起動/停止制御手段
を備えることを特徴とする鏡面冷却式センサ。
【請求項2】
請求項1に記載された鏡面冷却式センサにおいて、
前記起動/停止制御手段は、予め定められた異常診断を行い、異常と診断された場合、前記第2の制御手段の起動を阻止する
ことを特徴とする鏡面冷却式センサ。
【請求項3】
請求項1に記載された鏡面冷却式センサにおいて、
前記起動/停止制御手段は、予め定められた異常診断を行い、異常と診断された場合、前記第2の制御手段の動作を停止させる
ことを特徴とする鏡面冷却式センサ。
【請求項4】
請求項2又は3に記載された鏡面冷却式センサにおいて、
前記投光手段および受光手段と前記第1の制御手段との間に設けられた光電変換手段を備え、
前記起動/停止制御手段は、前記異常診断として、前記光電変換手段からの前記第1の制御手段への入力チェックおよび前記第1の制御手段から前記光電変換手段への出力チェックの少なくとも一方を行う
ことを特徴とする鏡面冷却式センサ。
【請求項5】
請求項2又は3に記載された鏡面冷却式センサにおいて、
前記起動/停止制御手段は、前記異常診断として、前記第1の制御手段からの前記第1の熱電冷却素子への制御出力のチェックを行う
ことを特徴とする鏡面冷却式センサ。
【請求項6】
請求項2又は3に記載された鏡面冷却式センサにおいて、
前記鏡面の温度を検出する鏡面温度検出手段を備え、
前記起動/停止制御手段は、前記異常診断として、前記鏡面温度検出手段からの前記第1の制御手段への入力チェックを行う
ことを特徴とする鏡面冷却式センサ。
【請求項7】
請求項2又は3に記載された鏡面冷却式センサにおいて、
前記起動/停止制御手段は、前記異常診断として、前記第1の制御手段自身の内部チェックを行う
ことを特徴とする鏡面冷却式センサ。
【請求項8】
請求項2又は3に記載された鏡面冷却式センサにおいて、
前記第2の熱電冷却素子の高温側を冷却する冷却ファンを備え、
前記起動/停止制御手段は、前記異常診断として、前記第2の制御手段と前記冷却ファンとの間の結線の有無のチェックを行う
ことを特徴とする鏡面冷却式センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−93222(P2012−93222A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240825(P2010−240825)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】