説明

長手磁気記録媒体

【課題】より良い特性を与える配向制御層を提供し、長手磁気記録媒体の信号雑音比を向上させる。
【解決手段】基板上に、非晶質合金からなる下地層と、体心立方構造を有するCr−Mn−Fe合金からなる配向制御層と、体心立方構造を有する合金層と、六方最密構造を有する合金層と、磁性層とをこの順に有し、前記Cr−Mn−Fe合金配向制御層の(110)面が基板に垂直方向に配向しており、かつ、前記Cr−Mn−Fe合金配向制御層のMn濃度が5at%以上10at%以下であることを特徴とする長手磁気記録媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手磁気記録媒体に関する。この長手磁気記録媒体はハードディスクに有用である。
【背景技術】
【0002】
長手磁気記録媒体においては、データを記録する磁性合金層として六方最密構造(hcp)を有するCo合金が用いられている。この合金はそのhcp−c軸方向に一軸磁気異方性を示す。この合金を磁気記録層に用いて長手磁気記録を行うためにはこの合金のhcp-c軸をディスクの面内に配向させる必要があり、かつ、媒体信号雑音比向上のためにはこのhcp-c軸を円周方向に配向させることが好ましい。
【0003】
結晶配向に影響する因子としては下地となる層の結晶構造、結晶面間隔、表面エネルギー、表面残留ガス等があげられる。
【0004】
Co合金記録層の配向制御には通常、体心立方構造を有するCr合金が用いられる。これはCo合金のhcp(002)面間隔とCr基合金のbcc(110)面間隔が比較的近く、Cr合金のbcc(110)面がディスク面にと直交して配向している場合、その上に形成されるCo合金のhcp(002)面もディスク面に直交するように配向しやすいためである。
【0005】
ディスク面と直交する方向へのCr合金のbcc(110)面配向は、例えば、非晶質となる合金層をCr合金成膜前に形成し、さらにその表面を分圧0.1Pa程度の酸素に暴露、その後真空中で100℃〜250℃程度の範囲で加熱することで得られる。
【0006】
さらにディスク円周方向へのhcp(002)面配向を達成するためにはCr合金層形成前にディスク円周方向へ20nm程度の間隔で数Å程度の深さの溝加工を施すことが好ましい。この溝加工は通常テクスチャ加工と呼称され、元々はヘッド浮上性を向上させるための加工である。詳細な機構は不明であるがテクスチャ加工の影響によって互いに直交するbcc(110)面の面間隔に異方性が生じる。円周方向では圧縮、半径方向では伸張され、圧縮された円周方向の(110)面間隔がCo合金記録層のhcp(002)面間隔に近づくためと考えられる。これによりhcp−c軸はディスク面内、円周方向に配向し易くなる。
【0007】
さらに近年はCo合金記録層にBを添加する例が知られている。B添加は結晶粒径肥大化の抑制、粒子間の交換相互作用低減に有効である一方、Co合金の結晶配向性を劣化させるという問題がある。これを防ぐためにはBを添加したCo合金記録層形成前に、適当な中間層を形成することが有効である。通常は配向制御層の上に体心立方構造を有するMo合金層を1層ないしは2層成膜し、その後、六方最密構造を有する、Co−Cr合金、あるいはRu合金、もしくはその積層膜を形成することによって、配向制御層から記録層へ格子面間隔を段階的に整合させることができ、これによって配向制御層から記録層へのエピタキシャル成長が促進される。
【0008】
長手磁気記録媒体の信号雑音比向上のために前記のような複雑な結晶配向制御が行われている。その中でも配向制御層の役割は特に大きい。即ち、前記のように各層は下層の結晶、組織構造を上層に反映する、いわゆるエピタキシャル成長によって形成されるため、結晶層の最下層となる配向制御層で良好な結晶・組織構造が得られなければ良好な記録層結晶・組織、つまり結晶欠陥が少なく、hcp−c軸がディスク面内かつ円周方向に配向しており、かつ小さな結晶粒径を有し、粒同士の分離性が良い記録層組織を得ることができない。
【0009】
これまで配向制御層として用いるべく数多くの合金が研究されてきており、例えば、特許文献1では、非磁性下地層として、Cr−Mn系合金を用いると、磁気記録層に周方向を容易軸とする強い磁気異方性が発現し、磁気記録媒体の特性を向上させることができるとしている。Cr−Mn系合金のMn含有範囲は、bcc構造を持つ範囲として、5〜40at%が好ましいとしている。
【0010】
また、特許文献2には、非磁性下地層が少なくとも2層以上により構成され、1層にCr−Fe系合金、その他の層にCr層またはTi、Mo、Al、Ta、W、Ni、B、SiおよびVから選ばれる1種以上を含有するCr合金層を含む磁気記録媒体の提案があり、Cr合金層に含まれる金属としては、Crの格子定数を広げる観点から、Mo、W、V、Tiが好ましく、結晶微細化の観点からはBの添加が好ましいとしている。
【0011】
【特許文献1】特開2006−85888号公報
【特許文献2】特開2006−99948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、わずか数nmの分解能が要求される微細組織であるが故に結晶配向機構、微細組織の詳細については未だに不明な点も多く、上記特許文献1、2に記載の磁気記録媒体もその特性が充分高いとは言いがたい。
上記のような状況を顧みて、本発明はより良い特性を与える配向制御層を提供し、長手磁気記録媒体の信号雑音比を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
即ち、本発明の磁気記録媒体は、基板上に、非晶質合金からなる下地層と、体心立方構造を有するCr−Mn−Fe合金からなる配向制御層と、体心立方構造を有する合金層と、六方最密構造を有する合金層と、磁性層とをこの順に有し、前記Cr−Mn−Fe合金配向制御層の(110)面が基板に垂直方向に配向しており、かつ、前記Cr−Mn−Fe合金配向制御層のMn濃度が5at%以上10at%以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、良好な信号雑音比を有する長手磁気記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明が提供する信号雑音比向上の手段は、従来用いられているCrやCr−Mnに代わり、Cr−Mn−Feを配向制御層として用いることである。
【0016】
これまでの研究から、CrあるいはCr−Mnを配向制御層として用いる場合、その膜厚は2〜4nm程度が適当であることが分かっている。これ以下の膜厚では結晶質とならないこと、またこれ以上の膜厚では粒径が肥大化してしまい、またテクスチャ加工によるディスク面内円周方向と半径方向の結晶面間隔異方性が緩和されてしまうためであると考えられる。
【0017】
すなわち配向制御層に必要な特性としてはできるだけ薄い膜厚で結晶質となり、かつ粒子径を微細化できることと考えられる。結晶質になりやすいという観点から構成元素については融点が低いほうが望ましい。体心立方構造を有し、かつ適当な格子定数を有する、比較的融点の低い元素としてはCr以外に見当たらない。このことが従来からCrが配向制御層としても用いられてきた要因と考えられる。
【0018】
そこで以下の検討においては、Crをベースにすることとし、Crに添加する添加元素を検討した。結晶質になりやすい要因としては融点以外に溶質への固溶度も重要である。固溶度が小さい元素の存在はスムーズな結晶構造構築の妨げとなると考えられる。そこでCrへの固溶度が大きく、融点の低い元素を検討した結果、MnおよびFeを添加元素として用いるのが好ましいことを見出した。そこで、CrをベースとしてMn,Feの添加量を変化させて実験を繰り返した結果、Cr−Mn−Fe合金において、Mn濃度が5at%以上10at%以下であると、この非磁性下地層を用いてなる磁気記録媒体が良好な特性を示すことを見出し、本発明に到達したのである。
【0019】
本発明の磁気記録媒体において用いる基板としては、アルミ基板も、ガラス基板も使用可能である。この基板は、その上に下地層を形成する前に、その表面にテクスチャ加工を施したのち、適当な洗浄プロセスによって加工残渣を除去したものであることが好ましい。
【0020】
下地層は非晶質合金からなる。テクスチャ加工を施した基板上に下地層を形成する場合は、下地層によりテクスチャ加工で形成された凹凸による効果を消さないようにするため、下地層の厚みは、1〜3nm程度であることが好ましい。また、この下地層はその表面が酸素曝露されていることが好ましい。下地層として非晶質合金層を形成することで基板表面特性が合金薄膜層に影響を与えるのを防ぎ、かつ酸素暴露を併用することでこの後形成する層の結晶配向に影響を与える表面エネルギーを好ましい値に調整することができる。非晶質合金の種類としては経験的にCo−W、Ni−W、Cr−W等が好ましく使用される。
【0021】
下地層の上には配向制御層が形成される。この配向制御層は体心立方構造を有するCr−Mn−Fe合金からなる。Cr−Mn−Fe合金配向制御層はこの後形成する層の結晶成長様式を決定する役割を担えばよく、5nm程度で十分その機能を発揮する。逆にそれ以上の膜厚増加は粒径肥大化を招き、電磁変換特性向上の観点からは好ましくない。このCr−Mn−Fe合金配向制御層の(110)面が基板に垂直方向に配向している(すなわち、Cr−Mn−Fe合金の(110)軸が基板面内にある)。このCr−Mn−Fe合金配向制御層の(110)面の基板に垂直方向への配向は、下地層と配向制御層間の界面エネルギー、および基板表面のテクスチャ加工の影響による。
【0022】
Cr−Mn−Fe合金配向制御層の上には1〜3nm程度の厚みのbcc−Mo合金からなる中間層(bcc−Mo合金中間層)、更にその上に2〜3nm程度の厚みのhcp−合金からなる中間層(hcp−合金中間層)が設けられる。
【0023】
bcc−Mo合金中間層とhcp−合金中間層からなる中間層はbccからhcpへ結晶構造を変化させ、かつhcp−c軸が面内、円周方向へ向くよう結晶配向を制御する役割を担う。Mo合金の体心立方構造(110)面間隔とCo−Cr合金、もしくはRu合金の六方最密構造の(002)面間隔は比較的近い値を有し、前記したテクスチャ加工によるbcc−(110)の面間隔異方性が付与されることで、円周方向のbcc−(110)とhcp−(002)が格子整合する。
【0024】
hcp−合金中間層はその上に形成される記録層との格子整合を考えると、Ta等を添加し、格子面間隔を広げたCo−Cr合金、もしくはCr,Co等を添加して格子面間隔を縮めたRu合金を用いることが望ましい。
hcp−合金中間層はbccからhcpへ結晶構造が変化する領域に位置するため結晶構造が乱れやすいため、Co−Cr合金を用いる場合はその飽和磁化が大きいとノイズ源となる。そのため20at%程度のCrを添加することが望ましい。
【0025】
bcc−Mo合金中間層はhcp−中間層の格子面間隔に合わせてCr,V等を添加して格子面間隔を調整すればよい。Mo合金中間層、hcp−合金中間層は格子面間隔を段階的に変化させながら複数層積層すること結晶構造変化、結晶配向を促進することができる。粒径肥大化を抑え、信号雑音比を向上させるためには、Mo合金中間層の膜厚を合計3nm以下とすることが好ましい。
【0026】
粒径肥大化を抑え、信号雑音比を向上させるためには、hcp−合金中間層の総膜厚を1〜4nm程度とすることが好ましい。
【0027】
hcp−合金中間層の上には記録層が形成される。記録層は通常Co−Cr−Pt合金を2ないし3層積層する。特にBを4〜15at%添加すると、粒間相互作用が低減され、さらにCuを1〜4at%添加すると、結晶磁気異方性が向上し、信号雑音比が向上するので好ましい。添加磁気ヘッドの記録磁界を考えると記録層の膜厚は合計20nm程度とすることが好ましい。
【0028】
記録層の上には、記録層の酸化防止、ヘッド接触からの保護のため保護膜を形成することが好ましい。保護膜としては、カーボンを用いることが好ましい。カーボン保護膜はヘッドの記録・再生感度を損なわないために薄い方が良く、保護膜としての機能とのバランスから3〜5nm程度が選択される。
【0029】
本発明の磁気記録媒体は以下のようにして作製することができる。基板のテクスチャ加工は通常磁気記録媒体用基板のテクスチャ加工に用いられる加工法であればいずれも採用することができ、例えば固定砥粒を用いたラッピングテープや遊離砥粒を用いたメカニカルテクスチャ加工を挙げることができる。
【0030】
テクスチャ加工された基板の上に非晶質合金からなる下地層を形成するが、下地層はスパッタ法により形成することができる。下地層を形成後、酸素曝露を行う。酸素暴露量は非晶質合金種によって若干異なるが0.5cc程度あればよい。
【0031】
なお、基板としてアルミ基板を用いる場合、通常、その表面にはNi−Pメッキによる非晶質合金層が形成されており、これが下地層に該当し、また、次の層を形成する前にすでに大気暴露されているため、非晶質合金下地層形成プロセス、およびその後の酸素暴露プロセスは省略することができる。この場合、Ni−Pメッキによる非晶質合金下地層が形成された基板にテクスチャ加工を施すことになるが、これでもよい。この場合のNi−Pメッキの厚さは、テクスチャ加工によりメッキ層の下の基板が露出するような薄さでない限り、特に限定されるものではない。
【0032】
酸素暴露後、真空中で加熱を行う。加熱は最終到達温度が100〜250℃となる範囲で行えば良いが、特にアルミ基板を用いる場合、250℃を超える加熱を行うと表面のNi−Pメッキにうねりが生じることがあるため注意する必要がある。
【0033】
加熱後、Cr−Mn−Fe合金配向制御層をスパッタ法で2〜5nm程度形成する。この時、基板バイアスを200〜−400V程度印加すると基板上での原子拡散が促進され、良好な配向制御層結晶・組織が形成され易くなり、信号雑音比向上に好ましい。
【0034】
Cr−Mn−Fe合金配向制御層の上にbcc−Mo合金中間層とhcp−合金中間層をこの順に成膜し、その上に記録層を成膜する。これらの層の成膜もスパッタ法で行うことができる。
【0035】
記録層形成後、保護膜を形成する。保護膜としてはカーボン膜が好ましく、カーボン膜は通常CVD、あるいはスパッタによって成膜することができる。
【実施例】
【0036】
<実施例1>
図1に記載の層構成の媒体を作製した。基板として直径95mm、内径20mm、厚み1.75mmのAlディスク上に12μmのNi−Pメッキを施したものを用いた。即ち、Ni−Pメッキで下地層が形成され、大気中に露出されているので酸素曝露されていることになる。この基板にCo合金の円周/半径方向への配向制御、およびヘッド浮上性を制御するための表面形状加工(テクスチャ加工)を施し、精密洗浄を施して加工残渣を除去した。
【0037】
この基板を真空中、ランプヒーターで220℃に加熱、その後、配向制御層として表1記載の組成からなるCr−Mn−Fe合金を表1に示すような膜厚条件にて成膜した。配向制御層形成時には基板に−300Vのバイアス電位を印加した。その後、中間層としてCr70Mo30を(2nm)、Co76Cr20Ta(2.0nm)、およびRu(0.8nm)を順に成膜した。
【0038】
その後、記録層としてCo53Cr25Pt16Cu(厚み11.0nm)、Co63Cr11Pt1113Cu(厚み7.5nm)を順に成膜した。さらに保護膜としてカーボン(3nm)を形成した。層構成模式図を図1に示す。前記の加熱、成膜は枚葉式DCマグネトロンスパッタ装置を用いて行った。温度測定は前記スパッタ装置に設置した放射温度計によって行った。
【0039】
こうして得られた磁気記録媒体について磁気特性および信号雑音比(SNR)を評価した。磁気特性評価はレマネンスカーブ式磁気特性評価装置を用いた。電磁変換特性評価は、記録用の電磁誘導型ヘッドと再生用のGMR型ヘッドを有する複合型ヘッドを用い、スピンスタンド型テスターにて行った。信号雑音比(SNR)は875kFCIのパターン信号を書き込んだときの1MHzから430kFCI相当周波数までの積分ノイズを測定し、再生出力を430kFCIで測定して、SNR=20×log(再生出力/1MHzから375kFCI相当周波数までの積分ノイズ)として算出した。その結果を表1に示す。
【0040】
また、図2に配向制御層の信号雑音比の膜厚依存性を示し、図3にMn添加量を10at%としFe添加量を0〜15at%としたときの信号雑音比変化を示す。また、図4にMn添加量を10at%とし、Fe添加量を0〜15at%としたときの信号雑音比変化を示す。
【0041】
<比較例1>
Crのみからなる配向制御層を表1に記載の膜厚で構成した以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体について実施例1と同様にして磁気特性および信号雑音比(SNR)を評価した。その結果を実施例1の結果と共に表1に示す。また、配向制御層の信号雑音比の膜厚依存性を調べた。その結果を実施例1の結果と共に図2に示す。
【0042】
<比較例2>
Cr90Mn10を用いた配向制御層を表1に記載の膜厚で構成した以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体について実施例1と同様にして磁気特性および信号雑音比(SNR)を評価した。その結果を実施例1の結果と共に表1に示す。また、配向制御層の信号雑音比の膜厚依存性を調べた。その結果を実施例1の結果と共に図2に示す。
【0043】
<比較例3>
Cr90Fe10を用いた配向制御層を表1に記載の膜厚で構成した以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体について実施例1と同様にして磁気特性および信号雑音比(SNR)を評価した。その結果を実施例1の結果と共に表1に示す。また、配向制御層の信号雑音比の膜厚依存性を調べた。その結果を実施例1の結果と共に図2に示す。
【0044】
【表1】

【0045】
表1、図2から、比較例1〜3に対し、Cr−Mn−Fe合金を配向制御層とした実施例は同配向制御層膜厚において良好な信号雑音比が得られることがわかる。
【0046】
また、図3から、Mn添加量が10at%以下で特に良好な信号雑音比が得られることがわかる。また、図4から、Fe添加量が10at%以下で特に良好な信号雑音比が得られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例および比較例で作製した長手磁気記録媒体の層の構成を示す図である。
【図2】配向制御層膜厚による信号雑音比の変化を示す図である。
【図3】配向制御層のMnの添加量を変化させたとき(Fe添加量10at%)の信号雑音比変化を示す図である。
【図4】配向制御層のFeの添加量を変化させたとき(Mn添加量10at%)の信号雑音比変化を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、非晶質合金からなる下地層と、体心立方構造を有するCr−Mn−Fe合金からなる配向制御層と、体心立方構造を有する合金層と、六方最密構造を有する合金層と、磁性層とをこの順に有し、前記Cr−Mn−Fe合金配向制御層の(110)面が基板表面と直交するよう配向しており、かつ、前記Cr−Mn−Fe合金配向制御層のMn濃度が5at%以上10at%以下であることを特徴とする長手磁気記録媒体。
【請求項2】
前記配向制御層のCr−Mn−Fe合金のFe含有量が1at%以上、かつ、15at%以下であることを特徴とする請求項1記載の長手磁気記録媒体。
【請求項3】
前記体心立方構造を有する合金層がMo含有合金であることを特徴とする請求項1または2記載の長手磁気記録媒体。
【請求項4】
前記Mo含有合金がCr−Mo合金であることを特徴とする請求項3記載の長手磁気記録媒体。
【請求項5】
前記六方最密構造を有する合金層がCo−Cr合金もしくはRu合金であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の長手磁気記録媒体。
【請求項6】
前記下地層を構成する非晶質合金がNi−P合金であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の長手磁気記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−252285(P2009−252285A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98358(P2008−98358)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(503361248)富士電機デバイステクノロジー株式会社 (1,023)
【Fターム(参考)】