説明

長波長シフトしたベンゾトリアゾール紫外線吸収剤およびその使用

本発明は、最大410〜420nmの著しい吸光度を有する長波長シフトした吸収スペクトルを有する、新規ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤に関するものである。本発明のさらなる態様は、その製造方法、前記紫外線吸収剤を含む紫外線安定化組成物、および、前記新規化合物の、有機材料用の紫外線光安定剤としての使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最大410〜430nmの著しい吸光度を有する、長波長シフトした吸収スペクトルを有する、新規ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤に関する。本発明のさらなる態様は、その製造方法、前記新規紫外線吸収剤を含む紫外線安定化組成物、および、前記新規化合物の、有機材料用の紫外線光安定剤としての使用である。
【背景技術】
【0002】
例えば、芳香族エポキシド、芳香族ポリエステル、または芳香族(ポリ)イソシアネートをベースとする接着剤またはコーティング樹脂等の芳香族部分を含むポリマー基材は、最大約410〜420nmの波長の紫外線/可視光線に対して感受性が高い。
【0003】
そのような接着剤またはコーティング層の上部の紫外線吸収層による保護は極めて困難であるが、これは、紫外線吸収トップコーティングを透過する、約410nmの範囲であっても、既に非常に少量の放射線は、保護コーティングの層間剥離および剥離を引き起こすのに十分であるためである。
【0004】
長波長シフトした紫外線吸収剤が極めて有用である典型的な用途は、自動車用コーティング、典型的には2コートメタリック自動車用コーティングである。
【0005】
今日の自動車用コーティングは、鋼板上に直接、防錆陰極電着塗装を適用している。陰極樹脂の著しく赤色シフトした光に対する感受性(最大約400〜420nm)が理由で、トップコーティングにおいて、陰極電着塗装を従来技術の紫外線吸収剤で十分に保護することは不可能である。
【0006】
そのような感受性層をよりよく保護するために、より長波長に向けてベンゾトリアゾールの紫外線吸収をシフトさせる試みがなされている。例えば、米国特許第5,436,349号では、ベンゾ環の5位においてアルキルスルホニル基で置換されているベンゾトリアゾール紫外線吸収剤が開示されている。しかしながら、吸収シフトは、そのような感受性の高い材料を保護するほどの大きさはない。
【0007】
例えば、米国特許第6,166,218号では、やはりわずかに長波長シフトした吸光度、および強化された光化学安定性をもたらす、ベンゾ環の5位においてCF基で置換されているベンゾトリアゾール紫外線吸収剤が開示されている。しかしながら、この吸収シフトは、最大410nmの光化学感受性を有する材料を保護するほどの大きさはまったくない。
【発明の概要】
【0008】
驚くべきことに、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤のベンゾ環が複素環系の一部である場合、可視領域に向かう急勾配を伴って430nmまで伸びる、約20〜40nmの吸収極大の大きなシフトが観察されることがわかった。この化合物は、非常に高い消衰係数を示し、意外にも光化学的に安定なままであり、典型的なコーティング用途においてほとんどマイグレーションを示さない。
【0009】
本発明の一態様は、式(I):
【0010】
【化1】

【0011】
[式中、
Qは、アニールされたフェニル環と一緒になって5員または6員環を形成する複素環基であって、
【0012】
【化2】

【0013】
[式中、
10は、O=C、S=C、R101N、S(O)(ここで、nは0、1または2である)であり;
10は、NR101、O、S(O)(ここで、nは0、1または2である)であり;
10は、O=C、S=C、R101N、O、S(O)(ここで、nは0、1または2である)である];
【0014】
【化3】

【0015】
[式中、
11は、R101、N(R101、OR101、S(O)101(ここで、nは0、1または2である)であり;
11は、C=O、NR101、O、またはS(O)(ここで、nは0、1または2である)である];
【0016】
【化4】

【0017】
[式中、
12は、C=OまたはC=Sであり;
12は、NR101、O、またはSである];
【0018】
【化5】


および
【0019】
[式中、
13およびY13は、独立してNR101、O、またはSであり;
10は、互いに独立してOまたはSである]
からなる群から選択される基であり;
101は、水素、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであるか;あるいは、該直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜Cアルキニルは、1個以上の−ハロゲン、−OH、−OR22、−NH、−NHR22、−N(R22、−NHCOR23、−NR22COR23、−OCOR24、−COR25、−SO26、−SO、−PO(R27(R282−n、−Si(R29(R303−n、−Si(R22、−N(R22、−S(R22、またはその組み合わせで置換されていてもよく;該直鎖もしくは分岐鎖の、非置換もしくは置換C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖の、非置換もしくは置換C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、またはC〜Cアルキニルは、1個以上の−O−、−S−、−NH−もしくは−NR22−基、またはその組み合わせにより中断されていてもよく;
該フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルは、−ハロゲン、−CN、−CF、−NO、−NHR22、−N(R22、−SO26、−PO(R27(R282−n、−OH、−OR22、−COR25、−R25で置換されていてもよく;ここで、
nは、0、1または2であり;
22は、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、フェニルもしくはナフチル、C〜C15フェニルアルキルであるか、あるいは、2個のR22は、NまたはSi原子に結合した際に、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、またはモルホリン環を形成することができ;
23は、水素、OR22、NHR22、N(R22であるか、またはR22と同一の意味を有し、
24は、OR22、NHR22、N(R22であるか、またはR22と同一の意味を有し、
25は、水素、OH、OR22、NHR22もしくはN(R22であるか、またはR22と同一の意味を有し、
26は、OH、OR22、NHR22またはN(R22であり、
27は、NH、NHR22またはN(R22であり、
28は、OHまたはOR22であり、
29は、ClまたはOR22であり、
30は、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキルであるか;あるいは、
101は、直鎖もしくは分岐C〜C18アルキレン、C〜C10シクロアルキレン、パラフェニレン、または基:
【0020】
【化6】

【0021】
[式中、は結合を示す]の架橋基であり、ここで、架橋は、2つの式Iで示される化合物を結合し、該C〜C12アルキレン、C〜C10シクロアルキレンは、1個以上の−O−、−S−、−NH−もしくは−NR22−基、またはその組み合わせにより中断されていてもよいか;
あるいは、Yが直接結合である場合、Zはさらに直接結合であってもよく;
102は、水素、−CN、−COR24、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであるか;あるいは、
2個の置換基R101/R101、R101/R102、またはR102/R102が隣接位置にある場合、それらが結合している原子と一緒になって脂肪族5〜8員環を形成することができ;
は、水素、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、または、1〜4個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルもしくは該フェニルアルキルであるか;あるいは、
は、基:
【0022】
【化7】

【0023】
[式中、
Lは、炭素数1〜12のアルキレン、炭素数2〜12のアルキリデン、ベンジリデン、p−キシリレン、または炭素数5〜7のシクロアルキレンである]であり;
は、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、または、1〜3個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルもしくは該フェニルアルキル;あるいは、
1個以上の−OH、−OCO−R11、−OR14、−NCOもしくは−NH基、またはその混合物で置換されている該アルキル、あるいは、1個以上の−O−、−NH−もしくは−NR14−基、またはその混合物により中断されており、かつ非置換であっても、1個以上の−OH、−OR14もしくは−NH基、またはその混合物で置換されていてもよい該アルキルまたは該アルケニルであり;ここで、
11は、水素、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキル、C〜C12シクロアルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜Cアルケニル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;
14は、水素、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキルであるか;あるいは、
は、−OR14、−C(O)−O−R14基、−C(O)−NHR14または−C(O)−NR14R’14(ここで、R’14はR14と同一の意味を有する)であるか;あるいは、
は、−SR13、−NHR13または−N(R13であるか;あるいは、
は、−(CH−CO−X−(Z)−Y−R15であり、ここで、
は、−O−または−N(R16)−であり、
Yは、−O−もしくは−N(R17)−、または直接結合であり、
Zは、C〜C12−アルキレン、1〜3個の窒素原子、酸素原子、もしくはその混合物により中断されているC〜C12アルキレン、または、いずれも水酸基でさらに置換されていてもよい、C〜C12アルキレン、ブテニレン、ブチニレン、シクロヘキシレン、もしくはフェニレン;
あるいは基:
【0024】
【化8】

【0025】
[式中、は結合を示す]であるか、
あるいは、Yが直接結合である場合、Zはさらに直接結合であってもよく;
mは、0、1または2であり、
pは1であるか、あるいは、XおよびYがそれぞれ−N(R16)−および−N(R17)−である場合、pはまた0であり、
15は、水素、C〜C12アルキル、基:
【0026】
【化9】

【0027】
または−CO−C(R18)=C(H)R19基であるか、あるいは、Yが−N(R17)−である場合、R17と一緒になって−CO−CH=CH−CO−基を形成し、ここで、
18は、水素またはメチルであり、R19は、水素、メチル、または−CO−X−R20であり、ここで、
20は、水素、C〜C12アルキル、または式:
【0028】
【化10】

【0029】
で示される基であり;
およびRは、独立して水素またはC〜C18アルキレンであり;
13は、炭素数1〜20のアルキル、炭素数2〜20のヒドロキシアルキル、炭素数3〜18のアルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、いずれも1個もしくは2個の炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよいフェニルもしくはナフチルであり;
16およびR17は、互いに独立して、水素、C〜C12−アルキル、1〜3個の酸素原子により中断されているC〜C12−アルキル、または、シクロヘキシルもしくはC〜C15フェニルアルキルであり、Zがエチレンである場合、R16はまた、R17と一緒になってエチレンを形成する]
で示される化合物である。
【0030】
いくつかの場合では、互変異性形が存在することがある。本発明においては、1つのみが明示されてはいるが、両方の互変異性形を包含することを意図している。一例は:
【0031】
【化11】


である。
【0032】
置換基のうちいずれかが炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキルである場合、そのような基は、例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−アミル、2−エチルヘキシル、tert−オクチル、ラウリル、tert−ドデシル、トリデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、またはエイコシルである。
【0033】
前記置換基のいずれかが炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニルである場合、そのような基は、例えばアリル、ペンテニル、ヘキセニル、ドセネイル(doceneyl)、またはオレイルである。炭素数が3〜16、特に3〜12、例えば2〜6のアルケニルが好ましい。
【0034】
前記置換基のいずれかが炭素数5〜12のシクロアルキルである場合、そのような基は、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、およびシクロドデシルである。C〜Cアルキル置換C〜Cシクロアルキルは、例えばメチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、トリメチルシクロヘキシル、またはtert−ブチルシクロヘキシルである。
【0035】
前記の基のいずれかが炭素数7〜15のフェニルアルキルである場合、そのような基は、例えばベンジル、フェネチル、α−メチルベンジル、またはα,α−ジメチルベンジルである。
【0036】
フェニルがアルキルで置換されている場合、これは例えばトリルおよびキシリルである。
【0037】
1個以上の−O−基で置換されており、かつ/または1個以上の−OHで置換されているアルキルは、例えば、wが1〜12である、−(OCHCHOHまたは−(OCHCHO(C〜C24アルキル)でありうる。
【0038】
1個以上の−O−により中断されているアルキルは、エチレンオキシド単位もしくはプロピレンオキシド単位、または両方の混合物から誘導することができる。
【0039】
アルキルが、−NH−または−NR14−により中断されている場合、この基は、上記の−O−により中断されている基と同様にして誘導される。エチレンジアミンの繰り返し単位が好ましい。
【0040】
例は、CH−O−CHCH−、CH−NH−CHCH−、CH−N(CH)−CH−、CH−O−CHCH−O−CHCH−、CH−(O−CHCH−)O−CHCH−、CH−(O−CHCH−)O−CHCH−、またはCH−(O−CHCH−)O−CHCH−である。
【0041】
アルキレンは、例えば、エチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、2−メチル−1,4−テトラメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、デカメチレン、およびドデカメチレンである。
【0042】
シクロアルキレンは、例えば、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロオクチレン、およびシクロドデシレンである。シクロヘキシレンが好ましい。
【0043】
酸素、NH、または−NR14−により中断されているアルキレンは、例えば、−CHCH−O−CHCH−、−CHCH−NH−CHCH−、−CHCH−N(CH)−CHCH−、−CHCH−O−CHCH−O−CHCH−、−CHCH−(O−CHCH−)O−CHCH−、−CHCH−(O−CHCH−)O−CHCH−、−CHCH−(O−CHCH−)O−CHCH−、または−CHCH−NH−CHCH−である。
【0044】
Q基は、直鎖もしくは分岐C〜C12アルキレン、C〜C10シクロアルキレン、パラフェニレン、または基:
【0045】
【化12】

【0046】
[式中、は結合を示す]である。
【0047】
この基は、容易に入手可能なジアミン、例えば、いわゆるジェフアミンから誘導することができる。ジアミンの例は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、イソホロンジアミン、または1,2−ジアミノシクロヘキサンである。
【0048】
同様に、Z基も、同一の入手可能なジアミンまたは対応するジオールから誘導することができる。
【0049】
典型的なジェフアミンは、例えばD−2000:
【0050】
【化13】

【0051】
[式中、xは33.1である]またはED−2003:
【0052】
【化14】

【0053】
[式中、a+cは5であり、bは39.5である]である。
【0054】
例えば、式(I)で示される化合物において、Qは、
【0055】
【化15】

【0056】
であり、
10は、NR101であり、
10は、O=C、S=C、R101Nであり;
10は、O=C、S=C、R101N、O、S(O)(ここで、nは0である)であるか;
あるいは、Y10は、Oであり、
10は、O=C、S=Cであり;
10は、R101Nであるか;
あるいは、Y10は、Sであり、
10は、O=C、S=Cであり;
10は、R101Nであるか;
あるいは、Qは、
【0057】
【化16】

【0058】
であり、
11は、R101、N(R101、OR101、S(O)101(ここで、nは0である)であり;
11は、C=O、NR101、O、またはS(O)(ここで、nは0である)であるか;
あるいは、Qは、
【0059】
【化17】

【0060】
であり、
12は、C=Oであり;
12は、NR101、O、またはSであるか;
あるいは、Qは、
【0061】
【化18】

【0062】
であり、
12は、C=Oであり;
12は、NR101、O、またはSであるか;
あるいは、Qは、
【0063】
【化19】

【0064】
であり、
12は、C=Oであり;
12は、NR101またはOであるか;
あるいは、Qは、
【0065】
【化20】

【0066】
であり、
12は、C=Oであり;
12は、NR101またはOであるか;
あるいは、Qは、
【0067】
【化21】

【0068】
であり、
12は、C=Oであり;
12は、NR101またはOであるか;
あるいは、Qは、
【0069】
【化22】

【0070】
であり、
13は、NR101、O、またはSであり;
13は、NR101であり;
10は、Oであるか;
あるいは、Qは、
【0071】
【化23】

【0072】
であり、
13は、NR101であり;
13は、NR101であり;
10は、Oであり;
101は、水素、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであるか;あるいは、該直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜Cアルキニルは、1個以上の−ハロゲン、−OH、−OR22、−NH、−NHR22、−N(R22、−NHCOR23、−NR22COR23、−OCOR24、−COR25、−SO26、−SO、−PO(R27(R282−n、−Si(R29(R303−n、−Si(R22、−N(R22、−S(R22、またはその組み合わせで置換されていてもよく;該直鎖もしくは分岐鎖の、非置換もしくは置換C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖の、非置換もしくは置換C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、またはC〜Cアルキニルは、1個以上の−O−、−S−、−NH−もしくは−NR22−基、またはその組み合わせにより中断されていてもよく;
該フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルは、−ハロゲン、−CN、−CF、−NO、−NHR22、−N(R22、−SO26、−PO(R27(R282−n、−OH、−OR22、−COR25、−R25で置換されていてもよく;ここで、
nは、0、1または2であり;
22は、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、フェニルもしくはナフチル、C〜C15フェニルアルキルであるか、あるいは、2個のR22は、NまたはSi原子に結合した際に、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、またはモルホリン環を形成することができ;
23は、水素、OR22、NHR22、N(R22であるか、またはR22と同一の意味を有し、
24は、OR22、NHR22、N(R22であるか、またはR22と同一の意味を有し、
25は、水素、OH、OR22、NHR22もしくはN(R22であるか、またはR22と同一の意味を有し、
26は、OH、OR22、NHR22またはN(R22であり、
27は、NH、NHR22またはN(R22であり、
28は、OHまたはOR22であり、
29は、ClまたはOR22であり、
30は、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキルであり;
102は、水素、−CN、−COR24、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルである。
【0073】
Qが、
【0074】
【化24】

【0075】
であり、
10が、NR101であり、
10が、O=C、S=Cであり、
10が、O=C、R101N、O、S(O)(ここで、nは0である)であるか;
あるいは、
10が、NR101であり、
10が、NR101であり、
10が、O=Cであるか;
あるいは、Qが、
【0076】
【化25】

【0077】
であり、
11が、R101であり;
11が、C=O、NR101、O、またはS(O)(ここで、nは0である)であるか;
あるいは、Qが、
【0078】
【化26】

【0079】
であり、
12が、C=Oであり;
12が、NR101またはOであるか;
あるいは、Qが、
【0080】
【化27】

【0081】
であり、
12が、C=Oであり;
12が、NR101またはOであるか;
あるいは、Qが、
【0082】
【化28】

【0083】
であり、
12が、C=Oであり;
12が、NR101またはOであるか;
あるいは、Qが、
【0084】
【化29】

【0085】
であり、
13が、NR101であり;
13が、NR101であり;
10が、Oであるか;
あるいは、Qが、
【0086】
【化30】

【0087】
であり、
13が、NR101であり;
13が、NR101であり;
10が、Oであり;
101が、水素、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;該直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜Cアルキニルが、1個以上の−OHで置換されていてもよいか;あるいは、1個以上の−O−、−S−、−NH−もしくは−NR22−基、またはその組み合わせにより中断されていてもよく;
22が、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、フェニルもしくはナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;
102が、水素、−CN、−COR24、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;
24が、OR22、NHR22、N(R22であるか、またはR22と同一の意味を有する、式(I)で示される化合物が好ましい。
【0088】
が、水素、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、または、1〜4個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルもしくは該フェニルアルキルであるか;あるいは、
が、基:
【0089】
【化31】

【0090】
[式中、Lは、炭素数1〜12のアルキレン、炭素数2〜12のアルキリデン、ベンジリデン、p−キシリレン、または炭素数5〜7のシクロアルキレンである]であり;
が、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、または、1〜3個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルもしくは該フェニルアルキルであるか;あるいは、
が、−(CH−CO−X−(Z)−Y−R15であり、ここで、
が、−O−であり、
Yが、−O−または直接結合であり、
Zが、C〜C12−アルキレン、1〜3個の窒素原子、酸素原子、またはその混合物により中断されているC〜C12アルキレンであるか、あるいは、Yが直接結合である場合、Zがさらに直接結合でもあってもよく;
mが、2であり、
pが、1であり、
15が、水素、C〜C12アルキル、または基:
【0091】
【化32】

【0092】
であり、
およびRが、独立して水素またはC〜Cアルキルである、
式(I)で示される化合物が特に好ましい。
【0093】
例えば、式(I)で示される化合物において、
は、水素、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、または炭素数7〜15のフェニルアルキルであり;
は、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、または炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、あるいは、1〜3個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルまたは該フェニルアルキルであり;
およびRは、水素またはC〜Cアルキルである。
【0094】
式(a)〜(i):
【0095】
【化33】

【0096】
[式中、
は、水素、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、または、1〜4個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルもしくは該フェニルアルキルであり;
は、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、または、1〜3個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルもしくは該フェニルアルキルであるか;あるいは、
は、−(CH−CO−X−(Z)−Y−R15であり、ここで、
は、−O−であり、
Yは、−O−または直接結合であり、
Zは、C〜C12−アルキレン、1〜3個の窒素原子、酸素原子、またはその混合物により中断されているC〜C12アルキレンであるか、あるいは、Yが直接結合である場合、Zはさらに直接結合でもあってもよく;
mは、2であり、
pは、1であり、
15は、水素、C〜C12アルキルであり;
およびRは、水素であり;
101は、水素、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;該直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜Cアルキニルは、1個以上の−OHで置換されていてもよいか;あるいは、該直鎖もしくは分岐鎖の非置換もしくは置換C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、またはC〜Cアルキニルは、1個以上の−O−、−S−、−NH−もしくは−NR22−基、またはその組み合わせにより中断されていてもよく;
22は、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、フェニルもしくはナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;
102は、水素、−CN、−COR24、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;
24は、OR22、NHR22、N(R22であるか、またはR22と同一の意味を有する]
の化合物である、式(I)で示される化合物がより好ましい。
【0097】
本発明の別の一態様は、式(I):
【0098】
【化34】

【0099】
[式中、置換基R〜RおよびQは、上記で定義した通りである]で示される化合物の製造方法であって、式(III):
【0100】
【化35】

【0101】
[式中、Wはハロゲンまたはニトロである]で示される化合物と、式(X):
【0102】
【化36】

【0103】
[式中、
Mは、n価の金属カチオン、
【0104】
【化37】

【0105】
であり、
201、R202、R203およびR204は、他からそれぞれ独立して、水素またはC〜C18アルキルであり、
205は、C〜C18アルキルであり、
rは、1、2または3である]で示されるアジド化合物とを反応させる工程を含む方法である。
【0106】
本発明に係る方法の好ましい反応条件は以下の通りである:
【0107】
反応は、溶融物または溶媒中で行うことができる。反応が溶媒中で行われる、式IまたはIIで示される化合物の製造方法が特に興味深い。
【0108】
好適な溶媒は、例えば、双極性非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、脂肪族または芳香族カルボン酸のエステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、芳香族溶媒、アミン、およびアルコキシベンゼンである。
【0109】
双極性非プロトン性溶媒の例は、ジアルキルスルホキシド、例えばジメチルスルホキシド;カルボキサミド、例えばホルムアミド、ジメチルホルムアミド、またはN,N−ジメチルアセトアミド;ラクタム、例えばN−メチルピロリドン;リン酸アミド、例えばヘキサメチルリン酸トリアミド;アルキル化尿素、例えばN,N’−ジメチルエチレン尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、またはN,N,N’,N’−テトラメチル尿素;およびニトリル、例えばアセトニトリルまたはベンゾニトリルである。
【0110】
プロトン性溶媒の例は、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール;ポリアルキレングリコールモノエーテル、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、および水であり、後者は単独、または上記溶媒のうち1種もしくは複数との単相もしくは二相混合物の形であり、相間移動触媒、例えばテトラアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルホスホニウム塩、またはクラウンエーテルを加えることも可能である。同一の相間移動触媒を、二相系中の固/液形態において使用することもできる。
【0111】
脂肪族または芳香族カルボン酸の好ましいエステルは、例えば酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル、および安息香酸メチルである。
【0112】
好ましいエーテルは、例えばジアルキルエーテル、特にジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、および(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテルである。
【0113】
ハロゲン化炭化水素は、例えば塩化メチレンおよびクロロホルムである。
【0114】
芳香族溶媒は、例えばトルエン、クロロベンゼン、およびニトロベンゼンである。
【0115】
好適なアミン溶媒は、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、およびベンジル−ジメチルアミンである。
【0116】
好ましいアルコキシベンゼンは、例えばアニソールおよびフェネトールである。
【0117】
式Iで示される化合物の製造方法は、イオン性または超臨界流体、例えば流体二酸化炭素中で行うこともできる。
【0118】
反応が双極性非プロトン性溶媒中で行われる、式Iで示される化合物の製造方法が特に興味深い。
【0119】
反応温度は、広範な限度内で異なりうるが、満足な変換が起こるように選択され、そのような温度は、好ましくは10〜200℃、特に20〜150℃である。
【0120】
他のベンゾトリアゾール化合物に関する類似の方法は、国際公開公報第02/24668号において既に開示されている。
【0121】
式IIIで示される化合物の量と、式Xで示されるアジド化合物の量のモル比が、1:1〜1:3、特に1:1〜1:2、例えば1:1〜1:1.3である、式Iで示される化合物の製造方法が好ましい。やはりアジドと反応可能である官能性側鎖が存在する場合、式Xで示されるアジド化合物の過剰量はこれに伴って増大する。
【0122】
特定の一態様では、反応は触媒の存在下で行われる。
【0123】
例えば、そのような触媒は、例えば銅(I)もしくは銅(II)塩、または鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金、金、もしくは亜鉛をベースとする、他の遷移金属塩を含む。そのアニオンが広範な限度内で異なりうる遷移金属塩の代わりに、同一金属の金属錯体および金属錯体塩を触媒として使用することも可能である。銅(I)および銅(II)の塩化物、臭化物、およびヨウ化物の使用が好ましく、臭化銅(I)の使用が特に好ましい。
【0124】
触媒は、使用される式III、IVまたはVで示される化合物の重量に対して、0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%、例えば0.1〜5重量%の量で有利に使用される。
【0125】
反応は、追加の塩基の存在下、またはアルカリ性pH緩衝液系の存在下で行うこともできる。適切なpH緩衝液系は、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物;アルカリ金属またはアルカリ土類金属アルコラート;アルカリ金属またはアルカリ土類金属カルボン酸塩、例えば酢酸塩または炭酸塩;アルカリ金属またはアルカリ土類金属リン酸塩;第三級アミン、例えばトリエチルアミンまたはトリブチルアミン;および非置換または置換ピリジンを含む。
【0126】
式IIIで示される出発化合物のいくつかは、文献から知られているか、または実施例に記載の手順に類似して調製することができる。
【0127】
しかしながら、本ベンゾトリアゾールを、そのような化合物を調製するための従来の方法で調製することも可能である。
【0128】
したがって、本発明の別の一態様は、式(I):
【0129】
【化38】

【0130】
[式中、置換基R〜RおよびQは上記の通りである]で示される化合物の代替的な製造方法であって、式(III):
【0131】
【化39】

【0132】
で示される化合物を還元条件下で反応させて、式(I)で示される化合物にする工程を含む方法である。
【0133】
通常の手順は、置換o−ニトロアニリンのジアゾ化、それに続く、得られたジアゾニウム塩と置換フェノールとのカップリング、および、アゾベンゼン中間体の対応する所望のベンゾトリアゾールへの還元を含む。そのような方法は、例えば米国特許第5276161号および米国特許第5977219号に記載されている。これらのベンゾトリアゾールの出発原料は、一部が市販品であるか、または、有機合成の通常の方法により調製することができる。
【0134】
さらなるベンゾトリアゾールの製造方法は、例えばScience of Synthesis 13.13,575−576において示される。
【0135】
還元プロセスは、水和だけではなく、例えば欧州特許第0751134号に記載されているような他の方法で行うこともできる。水素移動を行う場合、ギ酸もしくはその塩、ホスフィン酸もしくはその塩、または、次リン酸のアルカリ金属もしくはアンモニウム等の試薬と、触媒との併用が有用であることがある。触媒は、例えば貴金属である。
【0136】
本発明のさらなる一態様は、式(IV):
【0137】
【化40】

【0138】
[式中、置換基R〜RおよびQは、上記で定義した通りである]で示される化合物である。
【0139】
これらの化合物は、単離された際に、式(I)に係る化合物の中間体となる。
【0140】
本発明のベンゾトリアゾールは、各種基材における紫外線吸収剤として一般的に有用である。したがって、本発明のさらなる一態様は、
(a)光誘導分解に供される有機材料、および
(b)上記の式Iで示される化合物
を含む、光誘導分解に対して安定化された組成物である。
【0141】
一般に、式Iで示される化合物は、有機材料の重量に対して、0.1重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜15重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%の量で存在する。
【0142】
一態様では、有機材料は記録材料である。
【0143】
本発明に係る記録材料は、感圧複写システム、マイクロカプセルを用いる写真複写システム、感熱複写システム、写真材料、およびインクジェット印刷に好適である。
【0144】
本発明に係る記録材料は、特に耐光性に関する、性質の予期しない向上という点で際立っている。
【0145】
本発明に係る記録材料は、特定の用途に関して公知の構成を有する。それらは、1つまたは複数の層でコートされている、慣用の担体、例えば紙またはプラスチックフィルムからなる。材料の種類に応じて、これらの層は、適切な必須成分、例えば、写真材料の場合はハロゲン化銀エマルジョン、染料カプラー、染料等を含む。インクジェット印刷に特に適切な材料は、慣用の担体上のインクに対して特に吸収性のある層である。非コート紙もインクジェット印刷に使用できる。この場合、紙は、同時に担体材料およびインク吸収層として働く。インクジェット印刷用の適切な材料は、例えば、(参照により本明細書に組み入れられる)米国特許第5,073,448号に記載されている。
【0146】
記録材料はまた、例えば映写フィルムの場合のように、透明であってもよい。
【0147】
例えば、紙の製造において、紙パルプに加えることにより、式Iで示される化合物をカーダー(carder)材料に、後者の製造と同時に組み入れることができる。第二の適用方法は、カーダー材料に式Iで示される化合物の水溶液を噴霧すること、または該化合物をコーティング組成物に加えることである。
【0148】
映写に好適な透明記録材料用のコーティング組成物は、顔料および充填剤等の、光を散乱させる粒子を含むことができない。
【0149】
染料結合コーティング組成物は、多くの他の添加剤、例えば酸化防止剤、光安定剤(本発明に係る紫外線吸収剤に属さない紫外線吸収剤も含む)、粘度調整剤、蛍光増白剤、殺生剤、および/または静電防止剤を含むことができる。
【0150】
通常、コーティング組成物は、以下のように調製される。
水溶性成分、例えば結合剤を水に溶解させ、共に撹拌する。固形成分、例えば既述の充填剤および他の添加剤をこの水性媒体中に分散させる。分散は、装置、例えば超音波サンプル、タービン撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、ビードミル、サンドミル、高速撹拌機等によって有利に行われる。式Iで示される化合物は、コーティング組成物に容易に組み入れることができる。
【0151】
本発明に係る記録材料は、1〜5000mg/m、特に50〜1200mg/mの式Iで示される化合物を含むことが好ましい。
【0152】
既に言及したように、本発明に係る記録材料は広範な分野を包含する。式Iで示される化合物は、例えば感圧複写システムで使用することができる。それらを、紙に導入することで、そこにあるマイクロカプセル化染料前駆体を光から保護するか、または、現像剤層の結合剤に導入することで、そこに形成されている染料を保護することができる。
【0153】
圧力によって現像される、感光性マイクロカプセルを用いる写真複写システムは、米国特許第4,416,966号;第4,483,912号;第4,352,200号;第4,535,050号;第4,5365,463号;第4,551,407号;第4,562,137号、および第4,608,330号に、また、欧州特許出願第139,479号;欧州特許出願第162,664号;欧州特許出願第164,931号;欧州特許出願第237,024号;欧州特許出願第237,025号、または欧州特許出願第260,129号に記載されている。すべてのこれらのシステムにおいて、化合物を染料受入層に入れることができる。しかしながら、化合物を供与層に入れることで、発色剤を光から保護することもできる。
【0154】
安定化が可能である写真材料は、写真用染料、および、そのような染料またはその前駆体を含む層、例えば写真用の紙およびフィルムである。適切な材料は、例えば、(参照により本明細書に組み入れられる)米国特許第5,364,749号に記載されている。ここで、式Iに示される化合物は、静電フラッシュに対する紫外線フィルターとして働く。カラー写真材料において、カプラーおよび染料もまた、光化学分解に対して保護される。
【0155】
本化合物は、全種類のカラー写真材料に使用することができる。例えば、カラー紙、カラー反転紙、直接ポジカラー材料、カラーネガフィルム、カラーポジフィルム、カラー反転フィルム等に使用することができる。特に、反転基材を含むか、またはポジを形成する写真カラー材料に好ましく使用される。
【0156】
カラー写真記録材料は、通常、支持体上に、青感受性(blue-senitive)および/または緑感受性および/または赤感受性のハロゲン化銀エマルジョン層、ならびに、所望に応じて保護層を含み、化合物は、好ましくは、緑感受性層もしくは赤感受性層、または緑感受性層と赤感受性層との間にある層、またはハロゲン化銀エマルジョン層のうち上部の層のいずれかにある。
【0157】
式Iで示される化合物は、光重合、光可塑化、またはマイクロカプセルの破裂の原理に基づくか、あるいは、感熱性および感光性ジアゾニウム塩、酸化剤を有するロイコ染料、またはルイス酸を有する染料ラクトンが使用される場合の、記録材料に使用することもできる。
【0158】
さらに、染料拡散転写印刷、熱ワックス転写印刷、およびノットマトリックス印刷用の記録材料、ならびに、静電、電子、電気泳動、磁気、およびレーザー電子式のプリンターおよびペンプロッターと併用される記録材料において使用できる。上記のうち、例えば欧州特許出願第507,734号に記載されているような、染料拡散転写印刷用の記録材料が好ましい。
【0159】
例えば(参照により本明細書に組み入れられる)米国特許第5,098,477号にさらに記載されているような、好ましくはインクジェット印刷用のインクにも使用できる。
【0160】
本発明の別の特定の一態様では、有機材料は天然、半合成、または合成ポリマーである。
【0161】
そのようなポリマーの例を以下に示す。
【0162】
1.モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、ならびに、シクロオレフィン、例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー、(場合によって架橋されていてもよい)ポリエチレン、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)、および(ULDPE)。
【0163】
ポリオレフィン、すなわち、前段落で例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンは、異なる方法、特に下記の方法で調製することができる。
a)ラジカル重合(通常は高圧および高温下)。
b)通常は周期表のIVb、Vb、VIb、またはVIII族の1種または複数の金属を含む触媒を用いる触媒重合。通常、これらの金属は、πまたはσ配位可能である1個または複数の配位子、典型的には酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル、および/またはアリールを有する。これらの金属錯体は、遊離形であってもよく、支持体、典型的には活性塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ、または酸化ケイ素上に固定されていてもよい。これらの触媒は、重合媒体に可溶性でも不溶性でもよい。触媒は、重合においてそれ自体で使用することができ、あるいは、さらなる活性剤、典型的には金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物、または金属アルキルオキサンを使用することもでき、該金属は周期表のIa、IIaおよび/またはIIIa族の元素である。活性剤は、さらなるエステル、エーテル、アミン、またはシリルエーテル基で好都合に改質することができる。これらの触媒系は、通常、Phillips、Standard Oil Indiana、チーグラー(−ナッタ)、TNZ(DuPont)、メタロセン、またはシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。
【0164】
2.1)で言及されたポリマーの混合物、例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)、および異なる種類のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0165】
3.モノオレフィンおよびジオレフィン同士の、またはそれらと他のビニルモノマーとの共重合体、例えば、エチレン/プロピレン共重合体、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびその低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブト−1−エン共重合体、プロピレン/イソブチレン共重合体、エチレン/ブト−1−エン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/メチルペンテン共重合体、エチレン/ヘプテン共重合体、エチレン/オクテン共重合体、エチレン/ビニルシクロヘキサン共重合体、エチレン/シクロオレフィン共重合体(例えば、COCのようなエチレン/ノルボルネン)、1−オレフィンがその場で生成されるエチレン/1−オレフィン共重合体;プロピレン/ブタジエン共重合体、イソブチレン/イソプレン共重合体、エチレン/ビニルシクロヘキセン共重合体、エチレン/アルキルアクリレート共重合体、エチレン/アルキルメタクリレート共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、またはエチレン/アクリル酸共重合体、およびその塩(アイオノマー)、ならびに、エチレンとプロピレンおよびジエン(ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、またはエチリデン−ノルボルネン等)とのターポリマー;ならびに、そのような共重合体同士の、および、上記1)で言及されたポリマーとの混合物、例えば、ポリプロピレン/エチレン−プロピレン共重合体、LDPE/エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA、および交互またはランダムポリアルキレン/一酸化炭素共重合体、ならびに、他のポリマー、例えばポリアミドとのその混合物。
【0166】
4.その水素化改質体(例えば粘着性付与剤)、および、ポリアルキレンとデンプンとの混合物を含む炭化水素樹脂(例えばC〜C)。
【0167】
1.)〜4.)のホモポリマーおよび共重合体は、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック、またはアタクチックを含む任意の立体構造を有することができ、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0168】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0169】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンのすべての異性体、特にp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、およびビニルアントラセンのすべての異性体、ならびにその混合物を含む、ビニル芳香族モノマーから誘導される芳香族ホモポリマーおよび共重合体。ホモポリマーおよび共重合体は、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック、またはアタクチックを含む任意の立体構造を有することができ、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0170】
6a.エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニルおよび塩化ビニル、またはそのアクリル誘導体および混合物から選択される前記ビニル芳香族モノマーおよびコモノマーを含む共重合体、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(インターポリマー)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレン共重合体と他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー、またはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーとの高耐衝撃性混合物;ならびに、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン、またはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン等の、スチレンのブロック共重合体。
【0171】
6b.しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)と呼ばれる、アタクチックポリスチレンを水素化することで調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を特に含む、6.)で言及されたポリマーの水素化により誘導される水素化芳香族ポリマー。
【0172】
6c.6a.)で言及されたポリマーの水素化により誘導される水素化芳香族ポリマー。
【0173】
ホモポリマーおよび共重合体は、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック、またはアタクチックを含む任意の立体構造を有することができ、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0174】
7.スチレンまたはα−メチルスチレン等のビニル芳香族モノマーのグラフト共重合体、例えば、ポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレンまたはポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレンおよびアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル、およびメチルメタクリレート;ポリブタジエン上のスチレンおよび無水マレイン酸;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル、および無水マレイン酸またはマレイミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびマレイミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリレート上のスチレンおよびアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエン共重合体上のスチレンおよびアクリロニトリル、ならびに、6)で列挙した共重合体とのその混合物、例えば、ABS、MBS、ASA、またはAESポリマーとして知られている共重合体混合物。
【0175】
8.ハロゲン含有ポリマー、例えば、ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化および臭素化共重合体(ハロブチルゴム)、塩素化またはスルホクロロ化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンとの共重合体、エピクロロヒドリンのホモポリマーおよび共重合体、特に、ハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ならびに、塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル、または塩化ビニリデン/酢酸ビニルの共重合体等のその共重合体。
【0176】
9.α,β−不飽和酸およびその誘導体から誘導されるポリマー、例えば、ブチルアクリレートで耐衝撃性が改質されたポリアクリレートおよびポリメタクリレート;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ならびにポリアクリロニトリル。
【0177】
10.9)で言及したモノマー同士の、または他の不飽和モノマーとの共重合体、例えば、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/アルキルアクリレート共重合体、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート、もしくはアクリロニトリル/ハロゲン化ビニル共重合体、またはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0178】
11.不飽和アルコールおよびアミン、またはそのアシル誘導体もしくはアセタールから誘導されるポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリフタル酸アリル、またはポリアリルメラミン;および、上記1)で言及されたオレフィンとのその共重合体。
【0179】
12.環状エーテルのホモポリマーおよび共重合体、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、または、ビスグリシジルエーテルとのその共重合体。
【0180】
13.ポリアセタール、例えば、ポリオキシメチレン、および、エチレンオキシドをコモノマーとして含むそれらのポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート、またはMBSで改質されたポリアセタール。
【0181】
14.ポリフェニレンオキシドおよびスルフィド、ならびに、ポリフェニレンオキシドとスチレンポリマーまたはポリアミドとの混合物。
【0182】
15.一方ではヒドロキシル末端ポリエーテル、ポリエステル、またはポリブタジエン、他方では脂肪族または芳香族ポリイソシアネートから誘導されるポリウレタン、およびその前駆体。
【0183】
16.ジアミンおよびジカルボン酸、ならびに/またはアミノカルボン酸もしくは対応するラクタムから誘導されるポリアミドおよびコポリアミド、例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンおよびアジピン酸を出発原料とする芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミン、ならびにイソフタルまたは/およびテレフタル酸から、エラストマーを改質剤として用いるか、または用いずに調製されるポリアミド、例えば、ポリ−2,4,4,−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;ならびに、前記ポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィン共重合体、アイオノマー、または化学的に結合もしくはグラフトされたエラストマーとの;あるいは、ポリエーテルとの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはポリテトラメチレングリコールとのブロック共重合体;ならびに、EPDMまたはABSで改質されたポリアミドまたはコポリアミド;および、加工中に縮合したポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0184】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン、およびポリベンズイミダゾール。
【0185】
18.ジカルボン酸およびジオール、ならびに/またはヒドロキシカルボン酸もしくは対応するラクトンから誘導されるポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)、およびポリヒドロキシベンゾエート、ならびに、ヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されるブロックコポリエーテルエステル;ならびに、ポリカーボネートまたはMBSで改質されたポリエステル。
【0186】
19.ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。
【0187】
20.ポリケトン。
【0188】
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、およびポリエーテルケトン。
【0189】
22.一方ではアルデヒド、他方ではフェノール、尿素、およびメラミンから誘導される架橋ポリマー、例えば、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂、およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0190】
23.乾性および非乾性アルキド樹脂。
【0191】
24.飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとのコポリエステル、および架橋剤としてのビニル化合物から誘導される不飽和ポリエステル樹脂、ならびに、低燃焼性のそのハロゲン含有改質体。
【0192】
25.置換アクリレート、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、またはポリエステルアクリレートから誘導される架橋性アクリル樹脂。
【0193】
26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート、またはエポキシ樹脂で架橋しているアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、およびアクリレート樹脂。
【0194】
27.脂肪族、脂環式、複素環、または芳香族グリシジル化合物から誘導される架橋エポキシ樹脂、例えば、無水物またはアミン等の慣習的な硬化剤で、促進剤を用いるか、または用いずに架橋している、ビスフェノールAおよびビスフェノールFのジグリシジルエーテルの生成物。
【0195】
28.天然ポリマー、例えば、セルロース、ゴム、ゼラチン、およびその化学的に改質した同族誘導体、例えば、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、および酪酸セルロース、またはメチルセルロース等のセルロースエーテル;ならびにロジンおよびその誘導体。
【0196】
29.前記ポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えば、PP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6および共重合体、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS、またはPBT/PET/PC。
【0197】
例えば、ポリマーは熱可塑性ポリマーである。
【0198】
別の一態様では、有機材料は、コーティング、特に自動車用コーティングである。
【0199】
コーティング内で使用される樹脂は、典型的には、例えば一方ではアルデヒド、他方ではフェノール、尿素、およびメラミンから誘導される架橋ポリマー、例えば、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂、およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂である。
【0200】
飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとのコポリエステル、および架橋剤としてのビニル化合物から誘導される不飽和ポリエステル樹脂、ならびに、低燃焼性のそのハロゲン含有改質体も有用である。
【0201】
置換アクリレート、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、またはポリエステルアクリレートから誘導される架橋性アクリル樹脂が好ましく使用される。
【0202】
メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート、またはエポキシ樹脂で架橋しているアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、およびアクリレート樹脂も可能である。
【0203】
脂肪族、脂環式、複素環、または芳香族グリシジル化合物から誘導される架橋エポキシ樹脂、例えば、無水物またはアミン等の慣用的な硬化剤で、促進剤を用いるか、または用いずに架橋している、ビスフェノールAおよびビスフェノールFのジグリシジルエーテルの生成物。
【0204】
コーティング材料は、エチレン性不飽和モノマーまたはオリゴマー、およびポリ不飽和脂肪族オリゴマーを含む放射線硬化性組成物であってもよい。
【0205】
本発明に係る、光の作用に対して安定化が可能であるアルキド樹脂ラッカーは、自動車のコーティングに特に使用される従来の焼付ラッカー(自動車塗装ラッカー)、例えば、アルキド/メラミン樹脂およびアルキド/アクリル/メラミン樹脂をベースとするラッカーである(H.Wagner and H.F.Sarx,“Lackkunstharze”(1977),pages 99−123を参照)。他の架橋剤は、グリコウリル樹脂、ブロックイソシアネート、またはエポキシ樹脂である。
【0206】
また、本発明の化合物は、場合によってケイ素、イソシアネート、またはイソシアヌレートで改質されている、エポキシ、エポキシ−ポリエステル、ビニル、アルキド、アクリル、およびポリエステル樹脂等の、酸触媒を加えていない熱硬化性樹脂に適用可能であることに留意すべきである。エポキシおよびエポキシ−ポリエステル樹脂は、酸、酸無水物、アミン等の従来の架橋剤で架橋されている。これに対応して、主鎖構造上の反応性基の存在により改質された各種のアクリルまたはポリエステル樹脂系の架橋剤として、エポキシドを使用することができる。
【0207】
水溶性、水混和性、または水分散性のコーティングが望ましい場合、樹脂に存在する酸性基のアンモニウム塩が形成される。粉末コーティング組成物は、グリシジルメタクリレートと、選択されるアルコール成分とを反応させることで調製することができる。
【0208】
特定の一態様では、380nmを超える波長の電磁放射線に対して感受性がある上記コーティングが基材上に塗布される。
【0209】
典型的な感受性がある基材は、例えば、金属基材に付着している陰極析出コーティングである。そのようなコーティングは、典型的には自動車産業で使用される。
【0210】
例えば、440nmまで、好ましくは420nmまで、特に410nmまでの波長範囲の紫外線または可視光線が、「380nmを超える波長の電磁放射線に対して感受性がある」という用語の下で理解される。
【0211】
例えば、自動車用コーティングの組成物は、
a)金属基材上に電着されるプライマーコート;
b)請求項1記載の式(I)で示される化合物を含む、プライマーコートと直接接触している少なくとも1種の着色されたベースコート;
c)s−トリアジン、オキサニリド、ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾエート、α−シアノアクリレート、および、式(I)で示されるそれとは異なるベンゾトリアゾールからなる群から選択される紫外線吸収剤を含む、着色されたベースコートと直接接触しているクリアコートを含み、
d)場合によって、クリアコートは、式(I)で示される化合物も含む。
【0212】
特定の一態様では、上記組成物は、プライマーコート中に、式(I)で示される化合物も含む。
【0213】
式(I)で示される化合物が紫外線および/または可視光線の悪影響に対する安定剤として有用である各種有機材料において、さらなる安定剤および添加剤も存在することがある。
【0214】
続いて例を示す。
【0215】
1.酸化防止剤
【0216】
1.1.アルキル化モノフェノール、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、線状、または側鎖において分岐状であるノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデク−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデク−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデク−1’−イル)フェノール、およびその混合物。
【0217】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0218】
1.3.ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0219】
1.4.トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、およびその混合物(ビタミンE)。
【0220】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0221】
1.6.アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0222】
1.7.O−、N−、およびS−ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0223】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0224】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0225】
1.10.トリアジン化合物、例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0226】
1.11.ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0227】
1.12.アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0228】
1.13.β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル
【0229】
1.14.β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸の、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとのエステル
【0230】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル
【0231】
1.16.3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸の、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル
【0232】
1.17.β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標)XL−1、Uniroyalより供給)。
【0233】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0234】
1.19.アミン系酸化防止剤、例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノおよびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノおよびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノおよびジアルキル化tert−オクチル−フェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブト−2−エン。
【0235】
2.紫外線吸収剤および光安定剤
【0236】
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールの、ポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【0237】
【化41】

【0238】
[式中、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル]、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0239】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ、および2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0240】
2.3.置換および非置換安息香酸のエステル、例えば、4−tert−ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0241】
2.4.アクリレート、例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−シンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート。
【0242】
2.5.ニッケル化合物、例えば、2,2’−チオ−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]の、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、またはN−シクロヘキシルジエタノールアミン等の追加の配位子を用いるか、または用いないニッケル錯体、例えば1:1または1:2錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチルまたはエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールの、追加の配位子を用いるか、または用いないニッケル錯体。
【0243】
2.6.立体障害アミン、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル) n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状または環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状または環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物(CAS Reg.No.[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンと、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、ならびにN,N−ジブチルアミンおよび4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物(CAS Reg.No.[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ−[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸−α−オレフィン共重合体と、2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、Sanduvor(Clariant;CAS Reg.No.106917−31−1],5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン。
【0244】
2.7.オキサミド、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリドおよびその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ二置換オキサニリドの混合物、ならびに、o−およびp−エトキシ二置換オキサニリドの混合物。
【0245】
2.8.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0246】
3.金属不活性化剤、例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0247】
4.ホスファイトおよびホスホナイト、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0248】
下記のホスファイトが特に好ましい:
【0249】
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(Irgafos(登録商標)168、Ciba Specialty Chemicals Inc.)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
【0250】
【化42】

【0251】
5.ヒドロキシルアミン、例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、硬化牛脂アミンから誘導されるN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0252】
6.ニトロン、例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オカタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、硬化牛脂アミンから誘導されるN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されるニトロン。
【0253】
7.チオ相乗剤、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、またはジステアリルジスルフィド。
【0254】
8.過酸化物スカベンジャー、例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール、または2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0255】
9.ポリアミド安定剤、例えば、ヨウ化物および/またはリン化合物と併用される銅塩、ならびに二価マンガンの塩。
【0256】
10.塩基性補助安定剤、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム、およびパルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモン、またはピロカテコール酸亜鉛。
【0257】
11.核剤、例えば、無機物質、例えばタルク、二酸化チタンまたは酸化マグネシウム等の金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩、または硫酸塩;有機化合物、例えばモノまたはポリカルボン酸およびその塩、例えば4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム、または安息香酸ナトリウム;ポリマー化合物、例えばイオン性共重合体(アイオノマー)。1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、および1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールが特に好ましい。
【0258】
12.充填剤および補強剤、例えば、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、ガラスビーズ、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉、ならびに、他の天然物の粉末または繊維、合成繊維。
【0259】
13.他の添加剤、例えば、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流動制御剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、静電防止剤、および発泡剤。
【0260】
14.ベンゾフラノンおよびインドリノン、例えば、米国特許第4,325,863号;米国特許第4,338,244号;米国特許第5,175,312号;米国特許第5,216,052号;米国特許第5,252,643号;ドイツ特許出願第4316611号;ドイツ特許出願第4316622号;ドイツ特許出願第4316876号;欧州特許出願第0589839号、欧州特許出願第0591102号;欧州特許出願第1291384号に開示されているそれら、または、3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラン−2−オン。
【0261】
好ましくは、上記組成物は、s−トリアジン、オキサニリド、ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾエート、α−シアノアクリレート、および、上記の式(I)で示されるそれとは異なるベンゾトリアゾールからなる群から選択される、立体障害アミン安定剤および/または紫外線吸収剤をさらに含む。
【0262】
追加の紫外線吸収剤を加える場合、有機材料の重量に対して、0.1重量%〜30重量%、より好ましくは0.5重量%〜15重量%、最も好ましくは1重量%〜10重量%の量で加えることが好ましい。
【0263】
障害アミン光安定剤をさらに加える場合、有機材料の重量に対して、0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜5重量%、最も好ましくは1重量%〜3重量%の量で加えることが好ましい。
【0264】
式Iで示される紫外線吸収剤、ならびに他の紫外線吸収剤および/または障害アミン安定剤の全量は、有機材料の重量に対して、例えば0.5重量%〜15重量%である。
【0265】
障害アミン光安定剤、および異なるクラスの紫外線吸収剤の例は上記に示した通りである。
【0266】
特に好ましい紫外線吸収剤は、下記のs−トリアジンおよびベンゾトリアゾールである:
【0267】
【化43】







【0268】
ヒドロキシフェニルトリアジン紫外線吸収剤は公知であり、一部は市販品である。
【0269】
最も好適なベンゾトリアゾール紫外線吸収剤は、TINUVIN 384(RTM)、TINUVIN 928(RTM)、TINUVIN 900(RTM)、TINUVIN 328(RTM)、およびTINUVIN 1130(RTM)の商品名で市販されている。
【0270】
成分(c)の立体障害アミン化合物は、好ましくは下記の市販品からなる群から選択される:
DASTIB 845(RTM)、TINUVIN 770(RTM)、TINUVIN 765(RTM)、TINUVIN 144(RTM)、TINUVIN 123(RTM)、TINUVIN 111(RTM)、TINUVIN 783(RTM)、TINUVIN 791(RTM)、TINUVIN 123(RTM)、TINUVIN 292(RTM)、TINUVIN 152(RTM)、TINUVIN 144(RTM)、MARK LA 52(RTM)、MARK LA 57(RTM)、MARK LA 62(RTM)、MARK LA 67(RTM)、HOSTAVIN N 20(RTM)、HOSTAVIN N 24(RTM)、SANDUVOR 3050(RTM)、SANDUVOR 3058(RTM)、DIACETAM 5(RTM)、SUMISORB TM 61(RTM)、UVINUL 4049(RTM)、SANDUVOR PR 31(RTM)、GOODRITE UV 3034(RTM)、GOODRITE UV 3150(RTM)、GOODRITE UV 3159(RTM)、GOODRITE 3110 x 128(RTM)、UVINUL 4050 H(RTM)、CHIMASSORB 944(RTM)、CHIMASSORB 2020(RTM)、CYASORB UV 3346(RTM)、CYASORB UV 3529(RTM)、DASTIB 1082(RTM)、CHIMASSORB 119(RTM)、UVASIL 299(RTM)、UVASIL 125(RTM)、UVASIL 2000(RTM)、UVINUL 5050 H(RTM)、LICHTSCHUTZSTOFF UV 31(RTM)、LUCHEM HA B 18(RTM)、MARK LA 63(RTM)、MARK LA 68(RTM)、UVASORB HA 88(RTM)、TINUVIN 622(RTM)、HOSTAVIN N 30(RTM)、およびFERRO AM 806(RTM)。
【0271】
TINUVIN 770(RTM)、TINUVIN 292(RTM)、TINUVIN 123(RTM)、TINUVIN 144(RTM)、およびTINUVIN 152(RTM)が特に好ましい。
【0272】
本発明のさらに別の一態様は、式Iで示される化合物の、有機材料中の紫外線(UV)および可視光線(VIS)吸収剤としての使用である。
【0273】
化合物に関して示した定義および選好は、本発明の他の態様にも当てはまる。
【発明を実施するための形態】
【0274】
下記の例により本発明を例示する。
【0275】
A)調製例
【0276】
実施例A1 化合物1bの調製
【0277】
【化44】

【0278】
化合物1a(40.0g、62mmol)、アジ化ナトリウム(99%;6.1g、93mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(150ml)の撹拌混合物を160℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(6.5時間)。濃色溶液を一晩かけて室温に冷却した後、水(1000ml)および酢酸エチル(1500ml)を加える。水相を分離し、酢酸エチル(1×250ml)で洗浄する。合わせた有機相を水(3×100ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣を熱メタノールに溶解させる。冷却後、淡桃色の析出物を濾去し、アセトンから2回再結晶させる。
収量32.8g(54mmol、57%)
融点:148℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):364(33520)
【0279】
上記中間体1aは以下のように調製する:
【0280】
【化45】

【0281】
亜硝酸ナトリウム(4モル水溶液;32.5ml、130mmol)を、5−アミノ−1,3−ジブチル−6−ニトロ−ベンズイミダゾール−2−オン(99.5%、40.0g、130mmol)の、塩酸(32%水溶液;35g)を含む酢酸(300ml)中撹拌溶液に、0℃と5℃の間でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(1時間)、撹拌を1.5時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(95%;46.2g、135.0mmol)の、水酸化ナトリウムマイクロプリル(5.5g、137.5mmol)を含むメタノール(250ml)中撹拌溶液に−15℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−20℃と−6℃の間に維持する。pHを電極により測定し、水酸化ナトリウム(30%水溶液;全量350ml)を同時に加えることで7を超える値に維持する。添加が完了した後(2時間)、冷却浴を除去し、赤色懸濁液を終夜撹拌する。水(50ml)およびトルエン(200ml)を加えた後、塩酸(30%水溶液)を用いてpHを7未満にする。水相を分離し、トルエン(2×100ml)で洗浄する。合わせた有機相を水洗し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。メタノール(200ml)を加え、得られた溶液を氷浴によって冷却する。化合物1aを赤色固体として結晶化させ、濾去し、冷メタノールで洗浄し、乾燥させる。収量63.9g(99mmol、77%)。
融点:156℃
【0282】
実施例A2 化合物1cの調製
【0283】
【化46】

【0284】
化合物1b(10.0g、16.4mmol)、ローソン試薬(98%;16.2g、39.3mmol)、およびキシレン(500ml)の撹拌混合物を130℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(必要に応じて追加のローソン試薬を加える)。反応混合物を室温に冷却した後、水および酢酸エチルを加える。水相を分離し、酢酸エチルで洗浄する。合わせた有機相を水洗し(3×)、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル 2:1)上でクロマトグラフィーにかけ、得られた生成物をイソプロパノールから再結晶させる。
収量7.6g(12.1mmol、74%)
融点:137℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):388(56795)
【0285】
実施例3 化合物2bの調製
【0286】
【化47】

【0287】
化合物2a(8.9g;15.8mmol)、アジ化ナトリウム(99%;1.5g、23.1mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(160ml)の撹拌混合物を160℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(16時間)。濃色溶液を、氷と水との撹拌混合物中に加える。析出物を濾去し、乾燥させる。
収量5.7g(10.8mmol、69%)
融点:187℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):362(35288)
【0288】
上記中間体2aは以下のように調製する:
【0289】
【化48】

【0290】
亜硝酸ナトリウム(4モル水溶液;10ml、40mmol)を、5−アミノ−1,3−ジメチル−6−ニトロ−ベンズイミダゾール−2−オン(8g、36mmol)の、塩酸(32%水溶液;10ml)を含む酢酸(80ml)中撹拌溶液に、0℃と5℃の間でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(15分)、撹拌を1時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(95%;11.6g、35.7mmol)の、水酸化ナトリウムマイクロプリル(1.4g、36mmol)を含むメタノール(50ml)中撹拌溶液に−30℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−20℃と−5℃の間に維持する。pHを電極により測定し、水酸化ナトリウム(30%水溶液;全量130ml)を同時に加えることで7を超える値に維持する。添加が完了した後(1時間)、冷却浴を除去し、赤色懸濁液を終夜撹拌する。ブライン(200ml)および酢酸エチル(300ml)を加えた後、水相を分離し、酢酸エチル(1×50ml)で洗浄する。合わせた有機相を水洗し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。メタノール(200ml)を加え、得られた溶液を氷浴によって冷却する。化合物2aを褐赤色固体として結晶化させ、濾去し、冷メタノールで洗浄し、乾燥させる。収量8.3g(14.9mmol、41%)。
融点:269℃
【0291】
実施例4 化合物2cの調製
【0292】
【化49】

【0293】
化合物2b(2.7g、5.1mmol)、ローソン試薬(98%;5.2g、12.5mmol)、およびキシレン(100ml)の撹拌混合物を135℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(必要に応じて追加のローソン試薬を加える)。反応混合物を半分に濃縮し、冷却し、濾過する。濾液を濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル 1:1)上でクロマトグラフィーにかけ、得られた生成物をイソプロパノールから再結晶させる。
収量2.4g(4.2mmol、83%)
融点:196℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):386(49570)
【0294】
実施例5 化合物3bの調製
【0295】
【化50】

【0296】
化合物3a(5.8g;9.4mmol)、アジ化ナトリウム(99%;0.91g、14.1mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(150ml)の撹拌混合物を160℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(16時間)。濃色溶液を、氷と水との撹拌混合物中に加える。析出物を濾去し、シリカゲルカラム(酢酸エチル/メタノール 98:2)上でクロマトグラフィーにかける。
収量2.3g(39.3mmol、42%)
融点:197℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):363(33922)
【0297】
上記中間体3aは以下のように調製する:
【0298】
【化51】

【0299】
亜硝酸ナトリウム(4モル水溶液;10ml、40mmol)を、5−アミノ−1,3−ジヒドロキシエチル−6−ニトロ−ベンズイミダゾール−2−オン(8.9g、3.5mmol)の、塩酸(32%水溶液;10ml)を含む酢酸(70ml)中撹拌溶液に、0℃と5℃の間でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(15分)、撹拌を1時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(95%;10.7g、31.5mmol)の、水酸化ナトリウムマイクロプリル(1.3g、31.5mmol)を含むメタノール(50ml)中撹拌溶液に−20℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−20℃と−5℃の間に維持する。pHを電極により測定し、水酸化ナトリウム(30%水溶液;全量100ml)を同時に加えることで7を超える値に維持する。添加が完了した後(1.5時間)、冷却浴を除去し、赤色懸濁液を終夜撹拌する。ブライン(200ml)を加えた後、赤色残渣を濾去し、シリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル 1:9)上でクロマトグラフィーにかけ、得られた生成物をメタノールから再結晶させる。
収量7.1g(11.5mmol、37%)
融点:211℃
【0300】
実施例6:化合物4bの調製
【0301】
【化52】

【0302】
化合物4a(10.4g;20mmol)、アジ化ナトリウム(99%;1.7g、26mmol)、臭化銅(I)(0.29g;2mmol)、およびジメチルホルムアミド(40ml)の撹拌混合物を130℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(3.5時間)。濃色溶液を、氷と水との撹拌混合物中に加える。析出物を濾去し、シリカゲルカラム(酢酸エチル/メタノール 12:1)上でクロマトグラフィーにかける。
収量2.5g(5mmol、25%)
H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):11.23(s broad,1H),9.01(s broad,2H),8.26(s,1H),7.61(s,1H),7.33(s,2H),7.31−7.29(m,4H),7.20−7.17(m,1H),1.82(s,6H),1.79(s,2H),1.28(s,6H),0.80(s,9H).
UV−vis(ジオキサン),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):359(35801)
【0303】
上記中間体4aは以下のように調製する:
【0304】
【化53】

【0305】
亜硝酸ナトリウム(4モル水溶液;25ml、100mmol)を、5−アミノ−6−クロロ−ベンズイミダゾール−2−オン(18.36g、100mmol)の、塩酸(32%水溶液;40ml)および水(80ml)を含む酢酸(250ml)中撹拌懸濁液に、0℃と5℃の間でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(0.5時間)、撹拌を1時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(95%;34.15、100mmol)の、水酸化ナトリウムマイクロプリル(4g、100mmol)を含むメタノール/キシレン(85:15;200ml)中撹拌溶液に−15℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−15℃と−5℃の間に維持する。pHを電極により測定し、水酸化ナトリウム(30%水溶液)を同時に加えることで7を超える値に維持する。添加が完了した後(1時間)、冷却浴を除去し、懸濁液を終夜撹拌する。赤色懸濁液を濾去し、残渣を熱イソプロパノールに溶解させる。冷却後、液体を濾過し、蒸発乾固させる。固体を低熱酢酸エチルに溶解させ、水で析出させる。
収量33.1g(63.8mmol、64%)
H−NMR(400MHz,CDCl),δ(ppm):13.02(s broad,1H),9.51(s broad,1H),9.48(s broad,1H),7.77(d,1H),7.64(d like,1H),7.57(d,1H),7.31−7.25(m,4H),7.18−7.14(m,1H),7.13(d like,1H),1.86(s,2H),1.83(s,6H),1.51(s,6H),0.84(s,9H).
【0306】
実施例7:化合物5bの調製
【0307】
【化54】

【0308】
化合物5a(96%;20.0g;66mmol)、アジ化ナトリウム(99%;5.65g、85.8mmol)、臭化銅(I)(495mg;0.7mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(75ml)の撹拌混合物を150℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(2日間)。濃色溶液を、氷と水との撹拌混合物中に加える。析出物を濾去し、フィルターケーキを、ソックスレー装置内で、酢酸エチル600mlを用いて3日間洗浄する。次に、生成物を円筒濾紙から、ジオキサン500mlを用いたさらに3日間のソックスレー抽出により抽出する。ジオキサン抽出物を半分に濃縮し、生成物を水を加えることで析出させ、乾燥させる。
収量:2.5g(8.9mmol、13%)
融点:300℃分解
H−NMR(300MHz,DMSO−d),δ(ppm):10.02(s broad,2H),10.63(s broad,1H),7.76−7.75(d,1H),7.28(s,2H)7.17−7.15(dd,1H),7.04−7.02(d,1H),2.31(s,3H).
UV−vis(ジオキサン),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):355(37735)
【0309】
上記中間体5aは以下のように調製する:
【0310】
【化55】

【0311】
亜硝酸ナトリウム(4モル水溶液;20ml、80mmol)を、5−アミノ−6−クロロ−ベンズイミダゾール−2−オン(13.77g、75mmol)の、塩酸(32%水溶液;20ml)および水(40ml)を含む酢酸(200ml)中撹拌懸濁液に、0℃と5℃の間でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(0.5時間)、撹拌を1時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、p−クレゾール(99%;8.19g、75mmol)の、水酸化ナトリウムマイクロプリル(3g、75mmol)を含むメタノール/キシレン(85:15;125ml)中撹拌溶液に−15℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−15℃と−5℃の間に維持する。pHを電極により測定し、水酸化ナトリウム(30%水溶液)を同時に加えることで7を超える値に維持する。添加が完了した後(1時間)、冷却浴を除去し、濃厚懸濁液を終夜撹拌する。懸濁液を濾去し、乾燥させる。
収量17.1g(56.5mmol、73.3%;HPLC−MS:分子量301.9/95.6%紫外線領域)
融点:290℃分解
【0312】
実施例8:化合物6bの調製
【0313】
【化56】

【0314】
化合物6a(3.4g;10mmol)、アジ化ナトリウム(99%;0.85g、13mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(25ml)の撹拌混合物を160℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(16時間)。濃色溶液を、氷と水との撹拌混合物中に加える。残渣を濾去し、生成物を残渣から酢酸エチル400mlを用いたソックスレー抽出により抽出する。酢酸エチルの蒸発後、残渣を、30%水酸化ナトリウム水溶液(50ml)およびエタノール(50ml)中に懸濁させ、撹拌しながら加熱還流する。室温に冷却後、32%塩化水素水溶液を加え(30ml)、析出物を濾去する。得られた残渣を30%水酸化ナトリウム水溶液(30ml)、エタノール(30ml)、および水(10ml)中で還流させ、最後に32%塩化水素水溶液を加え(30ml)を加えることでこの手順を繰り返す。析出物を濾去し、水洗し、乾燥させる。
収量0.82g(26.5mmol、27%)。
融点:280℃
UV−vis(ジオキサン),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):357(38187)
【0315】
上記中間体6aは以下のように調製する:
【0316】
【化57】

【0317】
亜硝酸ナトリウム(4モル水溶液;27.5ml、110mmol)を、5−アミノ−1,3−ジメチル−6−ニトロ−ベンズイミダゾール−2−オン(22.2g、100mmol)の、塩酸(32%水溶液;25ml)および水(50ml)を含む酢酸(250ml)中撹拌懸濁液に、0℃と5℃の間でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(45分)、撹拌を1時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、p−クレゾール(99%;10.95g、100mmol)の、水酸化ナトリウムマイクロプリル(4g、100mmol)を含むメタノール(170ml)中撹拌溶液に−15℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−15℃と−5℃の間に維持する。pHを電極により測定し、水酸化ナトリウム(30%水溶液;350ml)を同時に加えることで7を超える値に維持する。添加が完了した後(1時間;最終pH6.3)、冷却浴を除去し、橙色懸濁液を終夜撹拌する。懸濁液を濾去し、水洗し、乾燥させる。
収量31.4g(95mmol、95%)
融点:281℃
【0318】
実施例9 化合物7b CG45−0085(FRK258/4)の調製
【0319】
【化58】

【0320】
下記のように調製した粗化合物7a(20.0g)、アジ化ナトリウム(99%;3.6g、55mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(75ml)の撹拌混合物を180℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(6時間)。濃色溶液を一晩かけて室温に冷却した後、水(100ml)およびトルエン(300ml)を加える。有機相を水(1×50ml)で洗浄し、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル 1:1)上でクロマトグラフィーにかける。
収量5.0g(4.7mmol、26%)
融点:263℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):363(66017)
【0321】
上記中間体7aは以下のように調製する:
【0322】
【化59】

【0323】
スチール反応器に1,1’−(1,3−プロパンジイル)ビス[3−メチル−5,6ジニトロベンズイミダゾール−2−オン]*)(10.3g;20mmol)、および32%アンモニア水溶液100mlを充填する。160℃で終夜撹拌後(圧力は20barに上昇)、反応混合物を室温に冷却する。こうして形成されたジアミノ−ジニトロ誘導体を、橙色析出物として濾去し、水洗する。
収量7.9g(1.1mmol、88%)
融点:296℃分解
【0324】
【化60】

【0325】
亜硝酸ナトリウム(4モル水溶液;10ml、40mmol)を、上記ジアミノジニトロ誘導体(6.9g、15mmol)の、酢酸(70ml)および塩酸(32%水溶液;10ml)中撹拌溶液に、0℃と5℃の間でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(1時間)、撹拌を1.5時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(95%;10.2g、30mmol)の、水酸化ナトリウムマイクロプリル(1.2g、30mmol)を含むメタノール/トルエン(110ml;6:5)中撹拌溶液に−20℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−20℃と−5℃の間に維持する。pHを電極により測定し、水酸化ナトリウム(30%水溶液)を同時に加えることで7を超える値に維持する。添加が完了した後(1時間;初期pHは>11.0)、冷却浴を除去し、赤色懸濁液を終夜撹拌する。水(50ml)およびトルエン(100ml)を加えた後、水相を分離し、トルエン(2×100ml)で洗浄する。合わせた有機相を水洗し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。
収量19.3g(114%)粗生成物
融点:160〜175℃(異性体混合物)
*)1,1’−(1,3−プロパンジイル)ビス[3−メチル−5,6−ジニトロベンズイミダゾール−2−オン]、および対応するo−ニトロまたはo−クロロアニリンは、公知の手順に従って調製することができる。
【0326】
実施例10 化合物7cの調製
【0327】
【化61】

【0328】
化合物7b(2.4g、2.25mmol)、ローソン試薬(98%;5.46g、13.5mmol)、およびキシレン(20ml)の撹拌混合物を130℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(必要に応じて追加のローソン試薬を加える)。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、蒸発させる。その後、シリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル 7:3)上でクロマトグラフィーにかけ、得られた生成物をアセトンから再結晶させる。
収量1.2g(1.1mmol、50%)
融点:183℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):384(98165)
【0329】
実施例11 化合物8bの調製
【0330】
【化62】

【0331】
化合物8a(17.8g;34.2mmol)、アジ化ナトリウム(99%;2.9g、44.2mmol)、臭化銅(I)(0.5g;3.5mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(150ml)の撹拌混合物を120℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(4時間)。濃色溶液を、氷と水との撹拌混合物中に加える。残渣を酢酸エチル(150ml)中に溶解させる。水相を分離し、酢酸エチル(1×50ml)で洗浄する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル 9:1)上でクロマトグラフィーにかける。
収量10.7g(21.5mmol、63%)
融点:203℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):355(22973)
【0332】
上記中間体8aは以下のように調製する:
【0333】
【化63】

【0334】
亜硝酸ナトリウム(4モル水溶液;10ml、40mmol)を、6−アミノ−5−クロロ−ベンゾキサゾール−2−オン(5g、27mmol)の、塩酸(32%水溶液;15ml)および水(10ml)を含む酢酸(50ml)中撹拌溶液に、0℃と5℃の間でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(30分)、撹拌を1時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(95%;8.8g、27mmol)の、酢酸ナトリウム(2.2g、27mmol)を含むメタノール/キシレン(120ml 85:15)中撹拌溶液に−15℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−20℃と−5℃の間に維持する。pHを電極により測定し、水酸化ナトリウム(30%水溶液)を同時に加えることで8と9の間に維持する。添加が完了した後(1時間)、冷却浴を除去し、懸濁液を終夜撹拌する。水(200ml)および酢酸エチル(300ml)を加えた後、水相を分離し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣を熱メタノールで懸濁させる。冷懸濁液を濾去し、メタノールで洗浄し、乾燥させる。収量7.2g(13.8mmol、51%)。
融点:200℃
【0335】
実施例12 化合物8cの調製
【0336】
【化64】

【0337】
化合物8b(1.0g、2mmol)、ローソン試薬(98%;3.2g、7.9mmol)、およびキシレン(30ml)の撹拌混合物を130℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(必要に応じて追加のローソン試薬を加える)。反応混合物を冷却し、濾過する。液層を濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル 7:3)上でクロマトグラフィーにかける。
収量0.8g(1.4mmol、81%)
融点:109℃。
UV−vis(CHCl λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):375(44920)
【0338】
実施例13 化合物9bの調製
【0339】
【化65】

【0340】
化合物9a(4.0g;7.5mmol)、アジ化ナトリウム(99%;2.9g、44.2mmol)、臭化銅(I)(0.11g;0.75mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(50ml)の撹拌混合物を120℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(2時間)。濃色溶液を、氷と水との撹拌混合物中に加える。残渣を酢酸エチル(150ml)中に溶解させる。水相を分離し、酢酸エチル(1×50ml)で洗浄する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル 7:3)上でクロマトグラフィーにかける。
収量2.2g(4.3mmol、57%)
融点:176℃。
UV−vis (CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):357(25423)
【0341】
上記中間体9aは以下のように調製する:
【0342】
【化66】

【0343】
亜硝酸ナトリウム(4モル水溶液;8ml、32mmol)を、6−アミノ−5−クロロ−3−メチル−ベンゾキサゾール−2−オン(5.8g、29mmol)の、酢酸(60ml)、塩酸(32%水溶液;15ml)および水(10ml)中撹拌溶液に、0℃と5℃の間でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(30分)、撹拌を1時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(95%;9.4g、27.5mmol)の、酢酸ナトリウム(2.4g、29mmol)を含むメタノール/キシレン(100ml 85:15)中撹拌溶液に−15℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−15℃と−5℃の間に維持する。pHを電極により測定し、水酸化ナトリウム(30%水溶液)を同時に加えることで6と8の間に維持する。添加が完了した後(1時間)、冷却浴を除去し、懸濁液を終夜撹拌する。ブライン(200ml)および酢酸エチル(300ml)を加えた後、水相を分離し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル 6:2)上でクロマトグラフィーにかける。
収量10.9g(20.4mmol、70.4%)
融点:231℃
【0344】
実施例14 化合物9cの調製
【0345】
【化67】

【0346】
化合物9b(1.0g、2mmol)、ローソン試薬(98%;3.2g、7.9mmol)、およびキシレン(30ml)の撹拌混合物を120℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(必要に応じて追加のローソン試薬を加える)。反応混合物を冷却し、濾過する。液層を濃縮乾固し、残渣をメタノールで結晶化させる。
収量0.8g(1.5mmol、75%)
融点:174℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):377(43647)
【0347】
実施例15 化合物10bの調製
【0348】
【化68】

【0349】
化合物10a(10.0g;18.7mmol)、アジ化ナトリウム(99%;1.6g、24.2mmol)、臭化銅(I)(0.27g;1.9mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(50ml)の撹拌混合物を125℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(8時間)。濃色溶液を、氷と水との撹拌混合物中に加える。残渣を酢酸エチル(150ml)中に溶解させる。水相を分離し、酢酸エチル(1×50ml)で洗浄する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルカラム(シクロヘキサン/酢酸エチル 8:2)上でクロマトグラフィーにかける。
収量3.3g(6.4mmol、34%)
融点:222℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):366(27881)
【0350】
上記中間体10aは以下のように調製する:
【0351】
【化69】

【0352】
亜硝酸ナトリウム(4モル水溶液;15ml、60mmol)を、6−アミノ−5−クロロ−ベンゾチアゾール−2−オン(12.0g、60mmol)の、塩酸(32%水溶液;50ml)および水(20ml)を含む酢酸(100ml)中撹拌溶液に、0℃と5℃の間でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(60分)、撹拌を1時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(95%;20.5g、60mmol)の、酢酸ナトリウム(4.9g、60mmol)を含むメタノール/キシレン(150ml 85:15)中撹拌溶液に−15℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−15℃と−5℃の間に維持する。pHを電極により測定し、水酸化ナトリウム(30%水溶液)を同時に加えることで7と9の間に維持する。添加が完了した後(1時間)、冷却浴を除去し、懸濁液を終夜撹拌する。水(200ml)および酢酸エチル(500ml)を加えた後、水相を分離し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣を冷メタノール(0℃)で懸濁させる。冷懸濁液を濾去し、冷メタノールで洗浄し、乾燥させる。収量20.4g(38.1mmol、64%)。
融点:253℃
【0353】
実施例16 化合物10cの調製
【0354】
【化70】

【0355】
化合物10b(2.4g、4.7mmol)、ローソン試薬(98%;7.8g、18.8mmol)、およびキシレン(40ml)の撹拌混合物を120℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(必要に応じて追加のローソン試薬を加える)。反応混合物を冷却し、濾過する。液層を濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル 85:15)上でクロマトグラフィーにかける。
収量1.3g(2.5mmol、53%)
融点:254℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):390(46882)
【0356】
実施例17 化合物11bの調製
【0357】
【化71】

【0358】
化合物11a(20.0g;36.4mmol)、アジ化ナトリウム(99%;3g、46.2mmol)、臭化銅(I)(0.27g;1.9mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(250ml)の撹拌混合物を125℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(4.5時間)。濃色溶液を、氷と水との撹拌混合物(1000ml)中に加える。残渣を濾去し、シリカゲルカラム(シクロヘキサン/酢酸エチル 9.5:0.5)上でクロマトグラフィーにかける。
収量16.1g(30.5mmol、84%)
融点:140℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):367(27752)
【0359】
上記中間体11aは以下のように調製する:
【0360】
【化72】

【0361】
亜硝酸ナトリウム(4モル水溶液;10ml、40mmol)を、6−アミノ−5−クロロ−3−メチル−ベンゾチアゾール−2−オン(6.7g、31.2mmol)の、塩酸(32%水溶液;20ml)および水(10ml)を含む酢酸(60ml)中撹拌溶液に、0℃と5℃の間でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(45分)、撹拌を1時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(11.5g、35mmol)の、酢酸ナトリウム(2.9g、35mmol)を含むメタノール/キシレン(120ml;85:15)中撹拌溶液に−10℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−15℃と−5℃の間に維持する。pHを電極により測定し、水酸化ナトリウム(30%水溶液)を同時に加えることで8と9の間に維持する。添加が完了した後(1時間)、冷却浴を除去し、懸濁液を終夜撹拌する。ブライン(100ml)および酢酸エチル(300ml)を加えた後、水相を分離し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣を冷メタノール(0℃)で懸濁させる。冷懸濁液を濾去し、冷メタノールで洗浄し、乾燥させる。収量10.9g(19.8mmol、57%)。
融点:255℃
【0362】
実施例18 化合物11cの調製
【0363】
【化73】

【0364】
化合物11b(1.31g、2.5mmol)、ローソン試薬(98%;4.04g、10mmol)、およびキシレン(15ml)の撹拌混合物を120℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(2時間)(必要に応じて追加のローソン試薬を加える)。反応混合物を冷却し、濾過する。液層を濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル 95:5)上でクロマトグラフィーにかける。
収量1.15g(2.1mmol、84%)
融点:120℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):392(46042)
【0365】
実施例19 化合物12bの調製
【0366】
【化74】

【0367】
化合物12a(5.35g;10mmol)、アジ化ナトリウム(99%;0.85g、13mmol)、臭化銅(I)(0.19g;1.3mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(100ml)の撹拌混合物を60℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(1.5時間)。濃色溶液を、水(100ml)および酢酸エチル(250ml)中に加える。水相を分離し、酢酸エチル(2×50ml)で洗浄する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル 4:1)上でクロマトグラフィーにかけ、ヘキサンで結晶化させる。
収量2.65g(5.2mmol、52%)
融点:188℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):364(22533)
【0368】
上記中間体12aは以下のように調製する:
【0369】
【化75】

【0370】
亜硝酸ナトリウム(4モル水溶液;10ml、40mmol)を、5−クロロ−2−メチル−ベンゾチアゾール−6−イルアミン(7.2g、31.2mmol)の、塩酸(32%水溶液;12ml)および水(25ml)を含む酢酸(50ml)中撹拌溶液に、0℃と5℃の間でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(45分)、撹拌を1時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(11.5g、35mmol)の、酢酸ナトリウム(4.7g、56mmol)および水酸化ナトリウムマイクロプリル(1.4g;35mmol)を含むメタノール/キシレン(120ml;85:15)中撹拌溶液に−10℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−15℃と−5℃の間に維持する。pHを電極により測定し、水酸化ナトリウム(30%水溶液;100ml)を同時に加えることで7と9の間に維持する。添加が完了した後(1時間)、冷却浴を除去し、懸濁液を終夜撹拌する。ブライン(100ml)およびジクロロメタン(300ml)を加えた後、水相を分離し、ジクロロメタン(2×50ml)で洗浄する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣をメタノール(500ml)から再結晶させる。収量12.4g(23.2mmol、66%)。
融点:206℃
【0371】
実施例20 化合物13bの調製
【0372】
【化76】

【0373】
化合物13a(5.45g;10mmol)、アジ化ナトリウム(99%;0.85g、13mmol)、臭化銅(I)(0.23g;1.6mmol)、およびメチルスルホキシド(20ml)の撹拌混合物を70℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(0.5時間)。濃色溶液を水(200ml)中に加え、濾去する。残渣を熱イソプロパノールに懸濁させる(25ml;0.5時間)。懸濁液を冷却した後、残渣を濾去し、乾燥させる。
収量4.6g(8.7mmol、87%)
融点:300℃。
UV−vis(ジオキサン),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):398(40539),419(33575)
【0374】
上記中間体13aは以下のように調製する:
【0375】
【化77】

【0376】
亜硝酸ナトリウム(4モル水溶液;25ml、100mmol)を、5−アミノ−6−クロロ−4−メチル−2−キノロン(20.9g、100mmol)の、塩酸(37%水溶液;35ml)および水(150ml)を含む酢酸(150ml)中撹拌溶液に、0℃と5℃の間でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(30分)、撹拌を1時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(32.5g、100mmol)の、酢酸ナトリウム(13.2g、160mmol)および水酸化ナトリウムマイクロプリル(2.0g;50mmol)を含むメタノール/キシレン(200ml;85:15)中撹拌溶液に−15℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−15℃と−5℃の間に維持する。pHを電極により測定し、水酸化ナトリウム(30%水溶液;150ml)を同時に加えることで7と12の間に維持する。添加が完了した後(1時間)、冷却浴を除去し、懸濁液を終夜撹拌する。残渣を濾去し、水洗し、乾燥させる。
収量44.3g(84.5mmol、85%)。
融点:299℃
【0377】
実施例21 化合物14bの調製
【0378】
【化78】

【0379】
化合物14a(16.6g;28mmol)、アジ化ナトリウム(99%;2.4g、39mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(100ml)の撹拌混合物を130℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(16時間)。濃色溶液を氷(200g)上に注ぎ、トルエン(2×100ml)および酢酸エチル(3×100ml)で抽出し、回収した有機相を蒸発させる。得られた赤色油状物25gをシリカゲルカラム(酢酸エチル/ヘキサン 2:8)上でクロマトグラフィーにかけて得た固体3.6gを、セミ分取LCで再度精製する。
収量1.6g(2.9mmol、10%)
融点:209℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):391(20670)
【0380】
上記中間体14aは以下のように調製する:
【0381】
【化79】

【0382】
7−アミノ−1,3−ジメチル−6−ニトロ−キナゾリン−2,4−ジオン(7.0g、28mmol)を濃硫酸(40ml)に溶解させ、ニトロシル硫酸(40%硫酸溶液;9.8g、31mmol)に滴下する。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(30分)、撹拌をさらに1時間続ける。次に、反応混合物を滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(9.1g、28mmol)の、水酸化ナトリウムマイクロプリル(1.15g、28mmol)を含むメタノール/m−キシレン(容量比で50/50;200ml)中撹拌溶液に−10℃〜−15℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−15℃と−5℃の間に維持する。pHを電極により測定し(初期pHは>11)、後で水酸化ナトリウム(30%水溶液)を同時に加えることで5と8の間に維持する。添加が完了した後、冷却浴を除去し、懸濁液を終夜撹拌する。水(100ml)、ブライン(100ml)、および酢酸エチル(250ml)を加え、水相を分離し、酢酸エチル(2×250ml)で洗浄する。合わせた有機相をブライン(200ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル/ヘキサン 2:8)上でクロマトグラフィーにかける。
収量24.0g(6.8mmol、24%)。
融点:194℃分解
【0383】
実施例22 構造15bの調製
【0384】
【化80】

【0385】
化合物15a(6.0g;10mmol)、アジ化ナトリウム(99%;0.98g、15mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(60ml)の撹拌混合物を130℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(3時間)。反応混合物を氷(100g)上に注いだ後、粗生成物を濾去し、1−メチル−2−ピロリジノンから再結晶させる。
収量1.6g(2.9mmol、29%)
融点:271℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):382(36555)
【0386】
上記中間体15aは以下のように調製する:
【0387】
【化81】

【0388】
ニトロシル硫酸(40%硫酸溶液;5.6g、18mmol)を、6−アミノ−1,4−ジメチル−7−ニトロ−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン(4.0g、16mmol)の濃硫酸(20ml)溶液に滴下する。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(30分)、撹拌を室温で終夜続ける。反応混合物を、再度氷浴で冷却し、氷25gで希釈した後、滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(5.5g、16mmol)の、水酸化ナトリウムマイクロプリル(0.7g、16mmol)を含むメタノール/m−キシレン(容量比で50/50;200ml)中撹拌溶液に−10℃〜−15℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−15℃と−10℃の間に維持する。pHを電極により測定し(初期pHは>11)、後で水酸化ナトリウム(30%水溶液)を同時に加えることで5と8の間に維持する。添加が完了した後、冷却浴を除去し、懸濁液を終夜撹拌する。水(100ml)、ブライン(100ml)、および酢酸エチル(250ml)を加え、水相を分離し、酢酸エチル(2×250ml)で洗浄する。合わせた有機相をブライン(200ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル/ヘキサン 1:1)上でクロマトグラフィーにかける。
収量4.7g(8.0mmol、50%)。
融点:190℃分解
【0389】
上記オルト−ニトロアニリンは、公知の手順に従って調製することができる。
【0390】
実施例23 構造16bの調製
【0391】
【化82】

【0392】
化合物16a(0.8g;1.4mmol)、アジ化ナトリウム(99%;0.13g、2.0mmol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(20ml)の撹拌混合物を130℃に加熱する。温度を維持し、反応の進行をTLCで監視する(5時間)。濃色溶液を氷(50g)上に注ぎ、酢酸エチル(3×20ml)で抽出し、合わせた有機相をブライン(2×30ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル/ヘキサン 7/3)上でクロマトグラフィーにかけて得た固体0.43gを、セミ分取LCで再度精製する。
収量0.06g(0.1mmol、8%)
融点:208℃。
UV−vis(CHCl),λmax/nm(ε/dmmol−1cm−1):388(20880)
【0393】
上記中間体16aは以下のように調製する:
【0394】
【化83】

【0395】
ニトロシル硫酸(40%硫酸溶液;3.5g、11mmol)を、7−アミノ−3−メチル−6−ニトロ−3H−キナゾリン−4−オン(2.0g、10mmol)の濃硫酸(30ml)溶液に滴下する。添加中、反応混合物の温度を、氷浴によって0℃と5℃の間に維持する。添加が完了した後(30分)、撹拌を室温でさらに2時間続ける。次に、反応混合物を、再度氷浴で冷却し、氷25gで希釈し、滴下漏斗に移し、2−クミル−4−t−オクチルフェノール(3.4g、10mmol)の、水酸化ナトリウムマイクロプリル(0.6g、15mmol)および酢酸ナトリウム(8g、100mmol)を含むメタノール/m−キシレン(容量比で50/50;100ml)中撹拌溶液に−10℃〜−15℃でゆっくりと加える。添加中、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス浴によって−15℃と−10℃の間に維持する。pHを電極により測定し(初期pHは>11)、後で水酸化ナトリウム(30%水溶液)を同時に加えることで5と8の間に維持する。添加が完了した後、冷却浴を除去し、懸濁液を終夜撹拌する。水(100ml)、ブライン(100ml)、および酢酸エチル(200ml)を加え、水相を分離し、酢酸エチル(2×100ml)で洗浄する。合わせた有機相をブライン(2×100ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル/ヘキサン 1:1)上でクロマトグラフィーにかける。
収量0.32g(0.6mmol、6%)
融点:236℃分解
【0396】
上記オルト−ニトロアニリンは、公知の手順に従って調製することができる。
【0397】
B)適用例
使用材料
アクリル/メラミンクリアコート調合物
a)Viacryl(登録商標)SC 303(65%キシレン/ブタノール溶液、26:9 重量/重量) 27.51g
b)Viacryl(登録商標)SC 370(75% Solvesso 100溶液) 23.34g
c)Maprenal(登録商標)MF 650(55%イソブタノール溶液) 27.29g
d)酢酸ブチル/ブタノール(37:8 重量/重量) 4.33g
e)イソブタノール 4.87g
f)Solvesso(登録商標)150 2.72g
g)Crystal oil 30 8.74g
h)Baysilone(登録商標)MA(1% Solvesso(登録商標)150溶液) 1.20g
全量 100.00g
【0398】
結合剤原料:
Viacryl(登録商標)SC 303:アクリル樹脂(Solutia、旧Vianova Resins)
Viacryl(登録商標)SC 370:アクリル樹脂(Solutia、旧Vianova Resins)
Solvesso(登録商標)100:芳香族炭化水素、沸点163〜180℃(Exxon Corp.)
Maprenal(登録商標)MF 650:メラミン樹脂(Solutia、旧Vianova Resins)
Solvesso(登録商標)150:芳香族炭化水素、沸点180〜203℃(Exxon Corp.)
Crystal oil 30:脂肪族炭化水素、沸点145〜200℃(Shell Corp.)
Baysilone(登録商標)MA:レベリング剤(Bayer AG)
【0399】
紫外線吸収剤および他の安定剤
Tinuvin 384(登録商標)
【0400】
【化84】

【0401】
(Ciba Specialty Chemicalsより市販の紫外線吸収剤)
Tinuvin 928(登録商標)
【0402】
【化85】

【0403】
(Ciba Specialty Chemicalsより市販の紫外線吸収剤)
Tinuvin 400(登録商標)
【0404】
【化86】

【0405】
(Ciba Specialty Chemicalsより市販の紫外線吸収剤)
Tinuvin 109(登録商標)
【0406】
【化87】

【0407】
(Ciba Specialty Chemicalsより市販の紫外線吸収剤)
オキサニリド−1
【0408】
【化88】

【0409】
実施例A1およびA3の化合物1bおよび3d(I)〜(V)は、本発明に係る紫外線吸収剤である。
Tinuvin 152(登録商標)(Ciba Specialty Chemicalsからの障害アミン安定剤)
【0410】
実施例B1:紫外線吸収剤の耐光性
紫外線吸収剤の耐光性は以下のように評価する:
本発明の紫外線吸収剤を、熱硬化性アクリル/メラミンクリアコート(Viacryl(登録商標)SC 303/Viacryl(登録商標)SC 370/Maprenal(登録商標)MF 650をベースとする)に、調合物の固形分(固形分:50.4%)に対して3%の濃度で組み入れる。クリアコートをガラス板上に噴霧して、硬化(130℃/30分)後に20μmのクリアコートのドライフィルム厚さを得る。
【0411】
試料の露光前に、紫外/可視分光計(Perkin Elmer、Lamda 40)を用いて紫外線吸収スペクトルを記録する。基準物質:安定化されていないアクリル/メラミンクリアコート。続いて、SAE J 1960に準拠するキセノン−WOM耐候性試験機(Atlas Corp.)内で試料を露光する。露光時に保持される紫外線吸収剤の割合(λmax.で測定)を、規則的な露光間隔後に紫外線吸収スペクトルを記録することで監視する。試験結果を表1にまとめて示す:
【0412】
【表1】

【0413】
実施例B2:
第2の例では、2種の次のクリアコートを互いの上部に塗布する。第1のクリアコート(クリアコートI)を、実施例1で詳述するように安定化および塗布する。次に、第2の熱硬化性アクリル/メラミンクリアコート(Viacryl(登録商標)SC 303/Viacryl(登録商標)SC 370/Maprenal(登録商標)MF 650をベースとする)を第1のクリアコート上に噴霧して、硬化(130℃/30分)後に40μmの第2のクリアコート(クリアコートII)のドライフィルム厚さを得る。第2のクリアコートを、3% Tinuvin 109/1.5% Tinuvin 400、および補助安定剤としての1% Tinuvin 152の紫外線吸収剤の組み合わせ(HALS)を用いて安定化する。基準物質:安定化されていない第1のクリアコート。実施例1に示すように、試料の露光前に、紫外/可視分光計(Perkin Elmer、Lamda 40)を用いて紫外線透過スペクトルを記録する。続いて、SAE J 1960に準拠するキセノン−WOM耐候性試験機(Atlas Corp.)内で試料を露光する。露光時間の関数としての透過値(396nmで測定)を、規則的な露光間隔後に透過スペクトルを記録することで監視する。試験結果を表2にまとめて示す:
【0414】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化89】


[式中、
Qは、アニールされたフェニル環と一緒になって5員または6員環を形成する複素環基であって、
【化90】


[式中、
10は、O=C、S=C、R101N、S(O)(ここで、nは0、1または2である)であり;
10は、NR101、O、S(O)(ここで、nは0、1または2である)であり;
10は、O=C、S=C、R101N、O、S(O)(ここで、nは0、1または2である)である];
【化91】


[式中、
11は、R101、N(R101、OR101、S(O)101(ここで、nは0、1または2である)であり;
11は、C=O、NR101、O、またはS(O)(ここで、nは0、1または2である)である];
【化92】


[式中、
12は、C=OまたはC=Sであり;
12は、NR101、O、またはSである];
【化93】


[式中、
13およびY13は、独立してNR101、O、またはSであり;
10は、互いに独立してOまたはSである]
からなる群から選択される基であり;
101は、水素、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであるか;あるいは、該直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜Cアルキニルは、1個以上の−ハロゲン、−OH、−OR22、−NH、−NHR22、−N(R22、−NHCOR23、−NR22COR23、−OCOR24、−COR25、−SO26、−SO、−PO(R27(R282−n、−Si(R29(R303−n、−Si(R22、−N(R22、−S(R22、またはその組み合わせで置換されていてもよく;該直鎖もしくは分岐鎖の、非置換もしくは置換C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖の、非置換もしくは置換C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、またはC〜Cアルキニルは、1個以上の−O−、−S−、−NH−もしくは−NR22−基、またはその組み合わせにより中断されていてもよく;
該フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルは、1個以上の−ハロゲン、−CN、−CF、−NO、−NHR22、−N(R22、−SO26、−PO(R27(R282−n、−OH、−OR22、−COR25、−R25で置換されていてもよく;ここで、
nは、0、1または2であり;
22は、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、フェニルもしくはナフチル、C〜C15フェニルアルキルであるか、あるいは、2個のR22は、NまたはSi原子に結合した際に、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、またはモルホリン環を形成することができ;
23は、水素、OR22、NHR22、N(R22であるか、またはR22と同一の意味を有し、
24は、OR22、NHR22、N(R22であるか、またはR22と同一の意味を有し、
25は、水素、OH、OR22、NHR22もしくはN(R22であるか、またはR22と同一の意味を有し、
26は、OH、OR22、NHR22またはN(R22であり、
27は、NH、NHR22またはN(R22であり、
28は、OHまたはOR22であり、
29は、ClまたはOR22であり、
30は、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキルであるか;あるいは、
101は、直鎖もしくは分岐C〜C18アルキレン、C〜C10シクロアルキレン、パラフェニレン、または基:
【化94】


[式中、は結合を示す]の架橋基であり、ここで、架橋は、2つの式Iで示される化合物を結合し、該C〜C12アルキレン、C〜C10シクロアルキレンは、1個以上の−O−、−S−、−NH−もしくは−NR22−基、またはその組み合わせにより中断されていてもよいか;
あるいは、Yが直接結合である場合、Zはさらに直接結合であってもよく;
102は、水素、−CN、−COR24、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであるか;あるいは、
2個の置換基R101/R101、R101/R102、またはR102/R102が隣接位置にある場合、それらが結合している原子と一緒になって脂肪族5〜8員環を形成することができ;
は、水素、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、または、1〜4個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルもしくは該フェニルアルキルであるか;あるいは、
は、基:
【化95】


[式中、
Lは、炭素数1〜12のアルキレン、炭素数2〜12のアルキリデン、ベンジリデン、p−キシリレン、または炭素数5〜7のシクロアルキレンである]であり;
は、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、または、1〜3個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルもしくは該フェニルアルキル;あるいは、
1個以上の−OH、−OCO−R11、−OR14、−NCOもしくは−NH基、またはその混合物で置換されている該アルキル、あるいは、1個以上の−O−、−NH−もしくは−NR14−基、またはその混合物により中断されており、かつ非置換であっても、1個以上の−OH、−OR14もしくは−NH基、またはその混合物で置換されていてもよい該アルキルまたは該アルケニルであり;ここで、
11は、水素、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキル、C〜C12シクロアルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜Cアルケニル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;
14は、水素、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキルであるか;あるいは、
は、−OR14、−C(O)−O−R14基、−C(O)−NHR14または−C(O)−NR14R’14(ここで、R’14はR14と同一の意味を有する)であるか;あるいは、
は、−SR13、−NHR13または−N(R13であるか;あるいは、
は、−(CH−CO−X−(Z)−Y−R15であり、ここで、
は、−O−または−N(R16)−であり、
Yは、−O−もしくは−N(R17)−、または直接結合であり、
Zは、C〜C12−アルキレン、1〜3個の窒素原子、酸素原子、もしくはその混合物により中断されているC〜C12アルキレン、または、いずれも水酸基でさらに置換されていてもよい、C〜C12アルキレン、ブテニレン、ブチニレン、シクロヘキシレン、もしくはフェニレン;
あるいは基:
【化96】


[式中、は結合を示す]であるか、
あるいは、Yが直接結合である場合、Zはさらに直接結合であってもよく;
mは、0、1または2であり、
pは1であるか、あるいは、XおよびYがそれぞれ−N(R16)−および−N(R17)−である場合、pはまた0であり、
15は、水素、C〜C12アルキル、基:
【化97】


または−CO−C(R18)=C(H)R19基であるか、あるいは、Yが−N(R17)−である場合、R17と一緒になって−CO−CH=CH−CO−基を形成し、ここで、
18は、水素またはメチルであり、R19は、水素、メチル、または−CO−X−R20であり、ここで、
20は、水素、C〜C12アルキル、または式:
【化98】


の基であり;
およびRは、独立して水素またはC〜C18アルキレンであり;
13は、炭素数1〜20のアルキル、炭素数2〜20のヒドロキシアルキル、炭素数3〜18のアルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、いずれも1個もしくは2個の炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよいフェニルもしくはナフチルであり;
16およびR17は、互いに独立して、水素、C〜C12−アルキル、1〜3個の酸素原子により中断されているC〜C12−アルキル、または、シクロヘキシルもしくはC〜C15フェニルアルキルであり、Zがエチレンである場合、R16はまた、R17と一緒になってエチレンを形成する]
で示される化合物。
【請求項2】
Qが、
【化99】


であり、
10が、NR101であり、
10が、O=C、S=C、R101Nであり;
10が、O=C、S=C、R101N、O、S(O)(ここで、nは0である)であるか;
あるいは、Y10が、Oであり、
10が、O=C、S=Cであり;
10が、R101Nであるか;
あるいは、Y10が、Sであり、
10が、O=C、S=Cであり;
10が、R101Nであるか;
あるいは、Qが、
【化100】


であり、
11が、R101、N(R101、OR101、S(O)101(ここで、nは0である)であり;
11が、C=O、NR101、O、またはS(O)(ここで、nは0である)であるか;
あるいは、Qが、
【化101】


であり、
12が、C=Oであり;
12が、NR101、O、またはSであるか;
あるいは、Qが、
【化102】


であり、
12が、C=Oであり;
12が、NR101、O、またはSであるか;
あるいは、Qが、
【化103】


であり、
12が、C=Oであり;
12が、NR101またはOであるか;
あるいは、Qが、
【化104】


であり、
12が、C=Oであり;
12が、NR101またはOであるか;
あるいは、Qが、
【化105】


であり、
12が、C=Oであり;
12が、NR101またはOであるか;
あるいは、Qが、
【化106】


であり、
13が、NR101、O、またはSであり;
13が、NR101であり;
10が、Oであるか;
あるいは、Qが、
【化107】


であり、
13が、NR101であり;
13が、NR101であり;
10が、Oであり;
101が、水素、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであるか;あるいは、該直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜Cアルキニルが、1個以上の−ハロゲン、−OH、−OR22、−NH、−NHR22、−N(R22、−NHCOR23、−NR22COR23、−OCOR24、−COR25、−SO26、−SO、−PO(R27(R282−n、−Si(R29(R303−n、−Si(R22、−N(R22、−S(R22、またはその組み合わせで置換されていてもよく;該直鎖もしくは分岐鎖の、非置換もしくは置換C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖の、非置換もしくは置換C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、またはC〜Cアルキニルが、1個以上の−O−、−S−、−NH−もしくは−NR22−基、またはその組み合わせにより中断されていてもよく;
該フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルが、−ハロゲン、−CN、−CF、−NO、−NHR22、−N(R22、−SO26、−PO(R27(R282−n、−OH、−OR22、−COR25、−R25で置換されていてもよく;ここで、
nが、0、1または2であり;
22が、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、フェニルもしくはナフチル、C〜C15フェニルアルキルであるか、あるいは、2個のR22が、NまたはSi原子に結合した際に、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、またはモルホリン環を形成することができ;
23が、水素、OR22、NHR22、N(R22であるか、またはR22と同一の意味を有し、
24が、OR22、NHR22、N(R22であるか、またはR22と同一の意味を有し、
25が、水素、OH、OR22、NHR22もしくはN(R22であるか、またはR22と同一の意味を有し、
26が、OH、OR22、NHR22またはN(R22であり、
27が、NH、NHR22またはN(R22であり、
28が、OHまたはOR22であり、
29が、ClまたはOR22であり、
30が、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキルであり;
102が、水素、−CN、−COR24、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルである、
請求項1記載の式(I)で示される化合物。
【請求項3】
Qが、
【化108】


であり、
10が、NR101であり、
10が、O=C、S=Cであり、
10が、O=C、R101N、O、S(O)(ここで、nは0である)であるか;
あるいは、
10が、NR101であり、
10が、NR101であり、
10が、O=Cであるか;
あるいは、Qが、
【化109】


であり、
11が、R101であり;
11が、C=O、NR101、O、またはS(O)(ここで、nは0である)であるか;
あるいは、Qが、
【化110】


であり、
12が、C=Oであり;
12が、NR101またはOであるか;
あるいは、Qが、
【化111】


であり、
12が、C=Oであり;
12が、NR101またはOであるか;
あるいは、Qが、
【化112】


であり、
12が、C=Oであり;
12が、NR101またはOであるか;
あるいは、Qが、
【化113】


であり、
13が、NR101であり;
13が、NR101であり;
10が、Oであるか;
あるいは、Qが、
【化114】


であり、
13が、NR101であり;
13が、NR101であり;
10が、Oであり;
101が、水素、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;該直鎖もしくは分岐鎖該直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜Cアルキニルが、1個以上の−OHで置換されていてもよいか;あるいは、1個以上の−O−、−S−、−NH−もしくは−NR22−基、またはその組み合わせにより中断されていてもよく;
22が、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、フェニルもしくはナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;
102が、水素、−CN、−COR24、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;
24が、OR22、NHR22、N(R22であるか、またはR22と同一の意味を有する、
請求項2記載の式(I)で示される化合物。
【請求項4】
が、水素、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、または、1〜4個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルもしくは該フェニルアルキルであるか;あるいは、
が、基:
【化115】


[式中、Lは、炭素数1〜12のアルキレン、炭素数2〜12のアルキリデン、ベンジリデン、p−キシリレン、または炭素数5〜7のシクロアルキレンである]であり;
が、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、または、1〜3個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルもしくは該フェニルアルキルであるか;あるいは、
が、−(CH−CO−X−(Z)−Y−R15であり、ここで、
が、−O−であり、
Yが、−O−または直接結合であり、
Zが、C〜C12−アルキレン、1〜3個の窒素原子、酸素原子、またはその混合物により中断されているC〜C12アルキレンであるか、あるいは、Yが直接結合である場合、Zがさらに直接結合でもあってもよく;
mが、2であり、
pが、1であり、
15が、水素、C〜C12アルキル、または基:
【化116】


であり、
およびRが、独立して水素またはC〜Cアルキルである、
請求項1記載の式(I)で示される化合物。
【請求項5】
が、水素、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、または炭素数7〜15のフェニルアルキルであり;
が、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、または炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、あるいは、1〜3個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルまたは該フェニルアルキルであり;
およびRが、水素またはC〜Cアルキルである、
請求項1記載の式(I)で示される化合物。
【請求項6】
式(a)〜(i):
【化117】


[式中、
は、水素、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、または、1〜4個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルもしくは該フェニルアルキルであり;
は、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、炭素数5〜12のシクロアルキル、炭素数7〜15のフェニルアルキル、フェニル、または、1〜3個の炭素数1〜4のアルキルによりフェニル環上で置換されている該フェニルもしくは該フェニルアルキルであるか;あるいは、
は、−(CH−CO−X−(Z)−Y−R15であり、ここで、
は、−O−であり、
Yは、−O−または直接結合であり、
Zは、C〜C12−アルキレン、1個〜3個の窒素原子、酸素原子、またはその混合物により中断されているC〜C12アルキレンであるか、あるいは、Yが直接結合である場合、Zはさらに直接結合でもあってもよく;
mは、2であり、
pは、1であり、
15は、水素、C〜C12アルキルであり;
およびRは、水素であり;
101は、水素、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;該直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜Cアルキニルは、1個以上の−OHで置換されていてもよいか;あるいは、該直鎖もしくは分岐鎖の非置換もしくは置換C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、またはC〜Cアルキニルは、1個以上の−O−、−S−、−NH−もしくは−NR22−基、またはその組み合わせにより中断されていてもよく;
22は、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、フェニルもしくはナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;
102は、水素、−CN、−COR24、直鎖もしくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC〜C15フェニルアルキルであり;
24は、OR22、NHR22、N(R22であるか、またはR22と同一の意味を有する]
の化合物である、請求項1記載の式(I)で示される化合物。
【請求項7】
請求項1記載の式(I):
【化118】


[式中、置換基R〜RおよびQは、請求項1で定義した通りである]で示される化合物の製造方法であって、式(III):
【化119】


[式中、Wはハロゲンまたはニトロである]で示される化合物と、式(X):
【化120】


[式中、
Mは、n価の金属カチオン、
【化121】


であり、
201、R202、R203およびR204は、他からそれぞれ独立して、水素またはC〜C18アルキルであり、
205は、C〜C18アルキルであり、
rは、1、2または3である]で示されるアジド化合物とを反応させる工程を含む方法。
【請求項8】
反応が溶媒中で行われる、請求項7記載の、式(I)で示される化合物の製造方法。
【請求項9】
式IIIで示される化合物の量と、式Xで示されるアジド化合物の量のモル比が、1:1〜1:3である、請求項7記載の、式(I)で示される化合物の製造方法。
【請求項10】
反応が触媒の存在下で行われる、請求項7記載の方法。
【請求項11】
式(IV):
【化122】


[式中、置換基R〜RおよびQは、請求項1で定義した通りである]で示される化合物。
【請求項12】
請求項1記載の式(I):
【化123】


[式中、置換基R〜RおよびQは、請求項1で定義した通りである]で示される化合物の製造方法であって、式(III):
【化124】


で示される化合物を還元条件下で反応させて、式(I)で示される化合物にする工程を含む方法。
【請求項13】
(a)光誘導分解に供される有機材料、および
(b)請求項1記載の式Iで示される化合物
を含む、光誘導分解に対して安定化された組成物。
【請求項14】
s−トリアジン、オキサニリド、ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾエート、α−シアノアクリレート、および、請求項1記載の式(I)で示されるそれとは異なるベンゾトリアゾールからなる群から選択される、立体障害アミン安定剤および/または紫外線吸収剤をさらに含む、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
有機材料が記録材料である、請求項13記載の組成物。
【請求項16】
有機材料が天然、半合成、または合成ポリマーである、請求項13記載の組成物。
【請求項17】
ポリマーが熱可塑性ポリマーである、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
有機材料がコーティングである、請求項13記載の組成物。
【請求項19】
コーティングが自動車用コーティングである、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
380nmを超える波長の電磁放射線に対して感受性があるコーティングが基材上に塗布される、請求項18記載の組成物。
【請求項21】
自動車用コーティングが、
a)金属基材上に電着されるプライマーコート;
b)請求項1記載の式(I)で示される化合物を含む、プライマーコートと直接接触している少なくとも1種の着色されたベースコート;
c)s−トリアジン、オキサニリド、ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾエート、α−シアノアクリレート、および、請求項1記載の式(I)で示されるそれとは異なるベンゾトリアゾールからなる群から選択される紫外線吸収剤を含む、着色されたベースコートと直接接触しているクリアコートを含み、
d)場合によって、プライマーコートが、請求項1記載の式(I)で示される化合物を含む、
請求項19記載の組成物。
【請求項22】
プライマーコート中に、請求項1記載の式(I)で示される化合物を含む、請求項21記載の組成物。
【請求項23】
式Iで示される化合物が、有機材料の重量に対して0.1重量%〜30重量%の量で存在する、請求項13記載の組成物。
【請求項24】
請求項1記載の式Iで示される化合物の、コーティング中の紫外線(UV)および可視光線(VIS)吸収剤としての使用。

【公表番号】特表2009−541416(P2009−541416A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517108(P2009−517108)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056004
【国際公開番号】WO2008/000646
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(508120547)チバ ホールディング インコーポレーテッド (81)
【氏名又は名称原語表記】CIBA HOLDING INC.
【Fターム(参考)】