説明

開閉チャック

【課題】ワークの把持を正確に検出することが可能な開閉チャックを提供する。
【解決手段】爪によりワークを把持する開閉チャックであって、ガイドレールを有するガイド部材と、ガイドレール上を摺動するよう設置され、爪を取り付け可能な第1及び第2のスライダと、第1及び第2のスライダが互いに離間又は接近するよう、第1及び第2のスライダを摺動させる駆動源と、ガイド部材において、第1及び第2のスライダに取り付けられた爪がワークを把持した際にひずみが生じる位置に取り付けられたひずみセンサと、を備える開閉チャック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを把持するための開閉チャックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業設備等においてワークを搬送する場合、産業用ロボットが広く用いられており、この産業用ロボットはアームに取り付けられた開閉チャックによりワークを把持する。このような開閉チャックとして、例えば、特許文献1にはエアシリンダにより作動するものが提案されている。この開閉チャックは、内部にシリンダ室及びこのシリンダ室内を移動するピストンを有しており、このピストンにはワークを把持するための一対の把持部材がリンク機構を介して連結されている。この開閉チャックは、シリンダ室の後端側に空気を供給すると、ピストンがシリンダ室内を前方へと移動し、一対の把持部材は互いに離間する方向に移動する。一方、シリンダ室の先端側に空気を供給すると、ピストンがシリンダ室内を後方へと移動し、一対の把持部材は互いに接近する方向に移動する。上記開閉チャックは、このように一対の把持部材を開閉させることで搬送対象のワークを把持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−141265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような開閉チャックは、内部に取り付けられた磁気センサ及びピストンの外周面に取り付けられた永久磁石によりピストンの位置を検出することで、一対の把持部材の開閉動作を検出している。しかしながら、このような検出機構では、ピストンの位置によって間接的に把持部材の位置を検出することができるのみであり、把持部材がワークを実際に把持したかどうかを正確に検出することは困難であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、ワークの把持を正確に検出することが可能な開閉チャックを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る開閉チャックは、上記課題を解決するためになされたものであり、爪によりワークを把持する開閉チャックであって、ガイドレールを有するガイド部材と、前記ガイドレール上を摺動するよう設置され、爪を取り付け可能な第1及び第2のスライダと、前記第1及び第2のスライダが互いに離間又は接近するよう、前記第1及び第2のスライダを摺動させる駆動源と、前記ガイド部材において、前記第1及び第2のスライダに取り付けられた爪がワークを把持した際にひずみが生じる位置に取り付けられたひずみセンサと、を備えている。
【0007】
上記開閉チャックは、第1及び第2のスライダに取り付けられた爪によりワークを把持した際、ワークからの反力によって第1及び第2のスライダと接するガイド部材にモーメントが作用し、これにより、ガイド部材にひずみが生じる。このひずみは、ガイド部材に取り付けられたひずみセンサによって検出される。このように、上記開閉チャックは、第1及び第2のスライダに取り付けられた爪がワークを実際に把持した際に生じるガイド部材のひずみを検出することができ、これにより、ワークを把持したことを正確に検出することができる。また、この開閉チャックは、ガイド部材にひずみセンサを取り付けたため、爪を小型化することができ、摩耗によって爪が消耗する場合や、消耗により又は把持するワークに応じて爪を交換する場合にも、ひずみセンサが影響されることがない。
【0008】
上記開閉チャックのガイド部材において、第1及び第2のスライダに取り付けられた爪がワークを把持した際、第1及び第2のスライダが設置された面と反対の面に生じるひずみはその他の部分に生じるひずみと比較して大きくなる。このため、ひずみセンサは上記反対の面に取り付けられることが好ましい。これにより、ひずみセンサが確実にひずみを検出することができ、ワークの把持をより正確に検出することができる。
【0009】
また、上記開閉チャックのガイド部材において、第1及び第2のスライダに取り付けられた爪がワークを把持した場合における第1及び第2のスライダの中央点を通り第1及び第2のスライダの摺動方向に直交する面とガイド部材表面とが交差する位置に生じるひずみは、その他の部分に生じるひずみと比較して大きくなる。このため、ひずみセンサは、少なくとも一部が上記位置に取り付けられることが好ましい。これにより、ひずみセンサが確実にひずみを検出することができ、ワークの把持をより正確に検出することができる。
【0010】
上記開閉チャックは、駆動源がシリンダ室及びこのシリンダ室内に往復動可能に設置されたピストンを有するシリンダ機構であってもよい。
【0011】
上記開閉チャックは、第1及び第2のスライダがリンク機構を介して上記シリンダ機構のピストンに接続されていてもよい。上記リンク機構は、ピストンの往復方向と第1及び第2のスライダの摺動方向が直交するようピストンの移動を第1及び第2のスライダに伝達する。これにより、ピストンの往復方向と直交する方向に第1及び第2のスライダが摺動させることができる
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ワークの把持を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る開閉チャックの分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る開閉チャックのガイド部材の平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る開閉チャックの正面部分断面図である。
【図4】本発明の一実施例における開閉チャックの変位分布図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る開閉チャックの一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0015】
本実施形態に係る開閉チャック1は、図1に示すように、ガイド部材2、ガイド部材2上を摺動するよう設置された第1及び第2のスライダ3a、3b、及びガイド部材2に取り付けられたひずみセンサ4を備えている。また、上記開閉チャック1は、第1及び第2のスライダ3a、3bを駆動するためのシリンダ機構を内蔵したケーシング5を備えている。
【0016】
ガイド部材2は、図1に示すように、第1及び第2のスライダ3a、3bを案内するためのものであり、横軸方向に延びる凹状のガイドレール21が上面に形成されている。このガイドレール21の内壁には後述するボールベアリングのボール群を案内するための軌道溝22が形成されている。また、ガイド部材2は、図2に示すように、ガイドレール21の底面に横軸方向に長い第1及び第2の長孔23a、23bが形成されている。
【0017】
第1及び第2のスライダ3a、3bは、図1に示すように、ガイドレール21に沿って摺動するようガイド部材2に設置されている。第1及び第2のスライダ3a、3bは、ボールベアリングが組み込まれており、ガイドレール21の内壁と対向する面において上記ボールベアリングのボール群の一部が露出している。このボール群がガイドレール21の軌道溝22に沿って転動することにより、第1及び第2のスライダ3a、3bはガイド部材2の表面を円滑に摺動する。また、第1及び第2のスライダ3a、3bにはねじ穴31が形成されており、このねじ穴31にはワークを把持するための金属や樹脂などを材質とする爪(図示省略)が取り付けられる。
【0018】
図3に示すように、第1及び第2のスライダ3a、3bは、後述する第1及び第2のリンク機構6a、6bに、第1及び第2の連結部材14a、14bによって連結されている。この第1及び第2の連結部材14a、14bは、上端部が第1及び第2のスライダ3a、3bの上面に突出し、下端部が第1及び第2の長孔23a、23bを介して後述するケーシング5の収容室52内に延びている。第1の連結部材14aは、上端部が第1のスライダ3aに圧入等で固定されており、下端部に第1の挿入ピン141aを有している。この第1の挿入ピン141aが後述する第1のリンク部材61aの挿入部63に挿入されることにより、第1の連結部材14aは第1のリンク機構6aに連結されている。同様に、第2の連結部材14bは、上端部が第2のスライダ3bに圧入等で固定されており、下端部の第2の挿入ピン(図示省略)が後述する第2のリンク部材61bの挿入部(図示省略)に挿入されることで第2のリンク機構6bに連結されている。
【0019】
ひずみセンサ4は、ガイド部材2の下面且つ横軸方向中央に取り付けられており、コネクタ連結部41に連結されたコネクタ(図示省略)と電気的に接続されている。なお、ひずみセンサとしては、微小なひずみであっても検出可能な高感度のものが好ましく、例えば、長方形ステンレスを基板とし、この基板の中央部に半導体シリコン薄膜を素材とするひずみゲージ4本を口型に形成しブリッジ回路を構成したひずみセンサであることが好ましい。
【0020】
ケーシング5は、図1に示すように、フランジ部51を有しており、このフランジ部51の上にはガイド部材2がねじ等により固定されている。ケーシング5の内部には、上端が開口した収容室52が形成されており、この収容室52には後述する第1及び第2のリンク機構6a、6bが収容されている。また、ケーシング5の内部には、図3に示すように、収容室52に連通し縦軸方向に延びるシリンダ室53が形成されている。シリンダ室53は、小径部531及び大径部532を有しており、この小径部531と大径部532とによって段差533が画定されている。小径部531には環状溝が内周面に沿って形成されており、この環状溝には第1のパッキン7が収容されている。また、シリンダ室53の下端部には密閉部材8が取り付けられている。この密閉部材8は、外周面に沿って形成された環状溝にOリング81が収容されており、シリンダ室53の後端部を気密に封鎖している。
【0021】
また、ケーシング5は、図1及び図3に示すように、正面に第1及び第2の供給孔10、11が形成されており、右側面には第3及び第4の供給孔12、13が形成されている。この第1〜第4の供給孔10〜13はシリンダ室53内に空気を供給可能なようシリンダ室53に連通しており、第1及び第3の供給孔10、12から送られた空気はピストンヘッド541と密閉部材8との間に供給され、第2及び第4の供給孔11、13から送られた空気はピストンヘッド541と段差533との間に供給されるよう構成されている。
【0022】
シリンダ室53内には、図3に示すように、ピストン54が摺動可能に設置されている。より詳細には、ピストン54は、ピストンヘッド541、及びピストンヘッド541に連結されたピストンロッド542を有している。ピストンヘッド541は、円柱状に形成され、シリンダ室53における大径部532の内壁に対して摺動可能となっている。また、ピストンヘッド541は、外周面に沿って環状溝が形成され、この環状溝に収容された第2のパッキン9によって、大径部532の内壁に気密に接触している。ピストンロッド542は、シリンダ室53の小径部531を貫通し、先端部が収容室52内に突出している。このピストンロッド542は、小径部531の内壁に対して摺動可能となっており、小径部531の第1のパッキン7と気密に接触している。ピストンロッド542にはオサエカバー544が装着されており、このオサエカバー544は、ピストン54がシリンダ室53内を前方へと摺動した際、シリンダ室53の段差533に当接することによりピストン54の前方への移動を規制する。なお、オサエカバー544とピストンヘッド541との間にはマグネット545が収容されており、このマグネット545とシリンダ室53内に設置された近接センサ(図示省略)によりピストン541の位置を検出することができる。また、ピストンロッド542は、先端部に第3の挿入ピン543が形成されており、この第3の挿入ピン543が収容室52内の後述する第1及び第2のリンク部材61a、61bの挿入部63に挿入されている。
【0023】
第1及び第2のリンク機構6a、6bは、図1及び図3に示すように、第1及び第2のリンク部材61a、61bを有しており、この第1及び第2のリンク部材61a、61bはそれぞれ第1の支点ピン62a及び第2の支点ピン(図示省略)に回動自在に取り付けられている。第1及び第2のリンク部材61a、61bは、略L字状に形成されており、両端には略U字状の挿入部63を有している。第1のリンク部材61aは、下端側の挿入部63にピストンロッド542先端の第3の挿入ピン543が挿入されることでピストン54に連結され、上端側の挿入部63に第1の連結部材14aの第1の挿入ピン141aが挿入されることで第1の連結部材14aに連結されている。同様に、第2のリンク部材61bは、上端側の圧入部(図示省略)がピストンロッド542の第3の挿入ピン543に連結され、下端側の圧入部(図示省略)が第2の連結部材14bの第2の挿入ピン(図示省略)に連結されている。
【0024】
次に、上述したように構成された開閉チャック1のワークを把持する際の作動について説明する。本実施形態では、ケーシング5の第1及び第2の供給孔10、11を使用するため、空気の流れ方向を切り替え可能な切り替え弁や、継手、チューブ等を介して第1及び第2の供給孔10、11に空気供給源(図示省略)を接続し、第3及び第4の供給孔12、13をねじ等で封鎖しておく。なお、第1の供給孔10の代わりに第3の供給孔12を使用してもよく、第1及び第3の供給孔10、12の両方を使用することもできる。また、第2の供給孔11の代わりに第4の供給孔13を使用してもよく、第2及び第4の供給孔11、13の両方を使用することもできる。
【0025】
まず、第1の供給孔10よりシリンダ室53内に空気を供給し、第1及び第2のスライダ3a、3bを互いに離間させる。より詳細には、空気供給源より第1の供給孔10を介してシリンダ室53内に空気を供給すると、この空気によってピストンヘッド541の下面が押され、ピストン54がシリンダ室53内を前方へと移動する。このとき、ピストンヘッド541と段差533との間に存在する空気はピストンヘッド541に押されて第2の供給孔11より排出される。ピストン54が前方に移動すると、ピストンロッド542の先端に連結された第1のリンク部材61aは第1の支点ピン62aを中心に図3における時計回りに回転する。これにより、第1のリンク部材61aに連結された第1の連結部材14aは第1の長孔23a内を外側に向かって移動し、第1の連結部材14aに連結された第1のスライダ3aはガイド部材2のガイドレール21上を外側へと摺動する。一方、第2のリンク部材61bは、第2の支点ピン(図示省略)を中心に図3における反時計回りに回転する。これにより、第2のリンク部材61bに連結された第2の連結ピン14bは第2の長孔23b内を外側に向かって移動し、第2の連結部材14bに連結された第2のスライダ3bはガイドレール21上を外側へと摺動する。
【0026】
次に、互いに離間した第1のスライダ3aと第2のスライダ3bとの間にワークを配置し、第2の供給孔11よりシリンダ室53内に空気を供給して第1及び第2のスライダ3a、3bを互いに接近させる。より詳細には、空気供給源より第2の供給孔11を介してシリンダ室53内に空気を供給すると、この空気によってピストンヘッド541の上面が押されピストン54は後方へと移動する。このとき、ピストンヘッド541と密閉部材8との間に存在する空気はピストンヘッド541に押されて第1の供給孔10より排出される。ピストン54が後方に移動すると、ピストンロッド542に連結された第1のリンク機構6aは第1の支点ピン62aを中心に図3における反時計回りに回転する。これにより、第1の連結部材14aは第1の長孔23a内を内側に向かって移動し、第1のスライダ3aはガイドレール21上を内側へと摺動する。一方、第2のリンク機構6bは、第2の支点ピン(図示省略)を中心に図3における時計回りに回転する。これにより、第2の連結ピン14bは第2の長孔23b内を内側に向かって移動し、第2のスライダ3bはガイドレール21上を内側へと摺動する。このようにして第1及び第2のスライダ3a、3bを互いに接近させ、第1及び第2のスライダ3a、3bに取り付けた爪によりワークを把持する。
【0027】
上述したように第1及び第2のスライダ3a、3bに取り付けられた爪によりワークを把持すると、この爪にワークからの反力が作用する。この反力によって、上記第1及び第2のスライダ3a、3bに接しているガイド部材2にはモーメントが作用し、ガイド部材2に横軸及び縦軸方向のひずみが生じる。このひずみは、ガイド部材2の下面且つ横軸方向中央に取り付けられたひずみセンサ4によって検出される。
【0028】
以上のように、本実施形態の開閉チャック1によれば、ひずみセンサ4は、第1及び第2のスライダ3a、3bに取り付けられた爪によりワークを実際に把持した際にガイド部材2に生じるひずみを検出することができる。これにより、上記開閉チャック1は、第1及び第2のスライダがワークを把持したかどうかを正確に検出することができる。
【0029】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、ひずみセンサ4はガイド部材2の横軸方向中央且つ下面に取り付けられていたが、ワークを把持した際にひずみが生じる位置に取り付けられていればこれに限定されず、例えば、ガイド部材の上面、正面や背面に取り付けられていてもよい。
【0030】
また、上記実施形態においては、第1及び第2の供給孔10、11からシリンダ室53内に空気を供給してピストン54を作動させていたが、第1及び第2の供給孔10、11を封鎖し、第3及び第4供給孔12、13に空気供給源を接続して第3及び第4供給孔12、13から空気を供給することもできる。
【0031】
また、上記実施形態においては、第1及び第2のリンク機構6a、6bにより、ピストン54の移動方向と直交する方向に第1及び第2のスライダ3a、3bが摺動するようピストン54の往復移動が変換されていたが、これに限定されるものではなく、ピストンの移動方向と第1及び第2のスライダの移動方向とが平行となるようピストンと第1及び第2のスライダとが接続されていてもよい。
【0032】
また、上記実施形態においては、第1及び第2のスライダ3a、3bの駆動源はエアシリンダ機構であったがこれに限定されるものではなく、例えば油圧シリンダ機構や電動シリンダ機構等であってもよい。
【0033】
また、上記実施形態においては、第1及び第2のスライダ3a、3bは取り外し可能な爪を有していたが、ワークを把持することができればこれに限定されず、例えば、第1及び第2のスライダと爪とが一体的に形成されていてもよい。
【実施例】
【0034】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
【0035】
図1における開閉チャック1を使用して以下のような解析を行った。開閉チャック1のガイド部材2を剛体の板に4本のボルトで固定した。4本のボルトの横軸方向のピッチは42.5mm、奥行き方向のピッチは15mmとした。このように固定されたガイド部材2のガイドレール21に30mmの間隔をあけて第1及び第2のスライダ3a、3bを設置し、ガイドレール21に形成された軌道溝22の中心から上方20mmの位置において、第1及び第2のスライダ3a、3bの爪に25Nの力を外向きに加え、このときのガイド部材2の各部の変位を測定した。その結果、ガイド部材2には縦軸方向の微小な変位が生じており、特に横軸方向中央部分における変位が比較的大きいことが判明した。ガイド部材2の横軸方向中央部分の変位のうち、下面中心部における変位は0.00028mm、下面前端部における変位は0.00025mm、背面における変位は0.00022mmであった(図4)。
【0036】
以上のように、開閉チャック1によりワークを把持した際、ガイド部材2において横軸方向中央部分に比較的大きな変位が生じるため、ひずみセンサ4はガイド部材2の横軸方向中央部分に取り付けられることが好ましい。さらに、横軸方向中央部分の中でも特に下面において大きな変位が生じるため、ひずみセンサ4はガイド部材2の横軸方向中央部分且つ下面に取り付けられることがより好ましい。
【符号の説明】
【0037】
2 ガイド部材
21 ガイドレール
3a 第1のスライダ
3b 第2のスライダ
4 ひずみセンサ
53 シリンダ室
54 ピストン
6a 第1のリンク機構
6b 第2のリンク機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪によりワークを把持する開閉チャックであって、
ガイドレールを有するガイド部材と、
前記ガイドレール上を摺動するよう設置され、爪を取り付け可能な第1及び第2のスライダと、
前記第1及び第2のスライダが互いに離間又は接近するよう、前記第1及び第2のスライダを摺動させる駆動源と、
前記ガイド部材において、前記第1及び第2のスライダに取り付けられた爪がワークを把持した際にひずみが生じる位置に取り付けられたひずみセンサと、
を備える開閉チャック。
【請求項2】
前記ひずみセンサは、前記ガイド部材において前記第1及び第2のスライダが設置された面と反対の面に取り付けられる、請求項1に記載の開閉チャック。
【請求項3】
前記ひずみセンサは、前記第1及び第2のスライダに取り付けられた爪がワークを把持した場合における前記第1及び第2のスライダの中央点を通り前記第1及び第2のスライダの摺動方向に直交する面と前記ガイド部材の表面とが交差する位置に、少なくとも一部が取り付けられる、請求項1又は2に記載の開閉チャック。
【請求項4】
前記駆動源は、シリンダ室及び前記シリンダ室内に往復動可能に設置されたピストンを有するシリンダ機構である、請求項1〜3のいずれかに記載の開閉チャック。
【請求項5】
前記第1及び第2のスライダは、リンク機構を介して前記ピストンの一方端部に接続され、
前記リンク機構は、前記ピストンの往復方向と前記第1及び第2のスライダの摺動方向が直交するよう、前記ピストンの移動を前記第1及び第2のスライダに伝達する、請求項4に記載の開閉チャック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−212754(P2011−212754A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80204(P2010−80204)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(391003521)株式会社ニューエラー (15)
【出願人】(000150707)長野計器株式会社 (62)
【Fターム(参考)】