説明

開閉ユニット及びこれを備えた画像形成装置

【課題】機種に関係なく全てに捩りコイル状のアースバネを適用してその抜けを簡単な構成で防ぐことができる開閉ユニットを提供すること。
【解決手段】ユニット本体を支点ピン32によってベースに対して開閉可能に支持して成る開閉ユニットにおいて、
前記開閉支持ピン32に前記本体ユニットを開き方向に付勢する捩りコイル状のアースバネ34を取り付け、
組立時のアースバネ内径≧支点ピン外径>使用時のアースバネ内径>支点ピン溝部外径
に設定する。
又、使用時のアース接点荷重>組立時のアース接点荷重
に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニット本体を支点ピンによってベースに対して開閉可能に支持して成る開閉ユニットとこれを備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子写真方式によって用紙に画像を形成する複写機等の画像形成装置には、原稿画像を光学的に読み取るための画像読取装置が備えられているが、この画像読取装置は、メンタナンス等を考慮してユニット本体がベースに対して開閉可能に支持されている。具体的には、ユニット本体は、その一端が支点ピンによってベースに回動可能に支持されており、この本体ユニットは使用時には閉じられており、メンテナンスの必要が生じた場合等には本体ユニットが開かれる。
【0003】
ところで、本体ユニットは、支点ピンに取り付けられた捩りコイルコイルバネによって常時開き方向に付勢されているが、捩りコイルバネはアースバネとしての機能も備えている。
【0004】
開閉ユニットには捩りコイルバネは一般的に使用されているが(例えば、特許文献1参照)、この捩りコイルバネの取り付けに際しては、抜け防止のために捩りコイルバネを2部材で挟み込んだり、捩りコイルバネに引っ掛け形状を設ける等の手法が採られており、これらの手法を採用することができない場合は捩りコイルバネの使用を断念していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−021424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のように抜け防止のために捩りコイルバネを2部材で挟み込んだり、捩りコイルバネに引っ掛け形状を設ける等の構成の採用は全ての装置に対して可能である訳ではなく、装置によっては採用することができない場合がある他、そのような抜け防止方法は構造の複雑化を招くという問題がある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、機種に関係なく全てに捩りコイル状のアースバネを適用してその抜けを簡単な構成で防ぐことができる開閉ユニット及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ユニット本体を支点ピンによってベースに対して開閉可能に支持して成る開閉ユニットにおいて、
前記開閉支持ピンに前記本体ユニットを開き方向に付勢する捩りコイル状のアースバネを取り付け、
組立時のアースバネ内径≧支点ピン外径>使用時のアースバネ内径>支点ピン溝部外径
に設定したことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、
使用時のアース接点荷重>組立時のアース接点荷重
に設定したことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の画像形成装置は、請求項1又は2記載の開閉ユニットを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、組立時のアースバネの内径は支点ピンの外径以上に設定されているため、アースバネを支点ピンに簡単に通して組み込むことができる。そして、開閉ユニットの使用時にはユニット本体を支点ピンを中心として回動させて閉じるが、ユニット本体を閉じる動作によってアースバネは縮径し、その内径が支持ピンの外径よりも小さくなって支点ピンの溝部外周に締め付けられるため、該アースバネの支点ピンからの抜けが確実に防がれるともに、導電性のアースバネと支点ピンとが導通して本体ユニットのアースが確実に取られる。このようにアースバネは、支点ピンに通すだけの簡単な構成で、本体ユニットの閉じ動作によって縮径してその抜けが防がれるともに、アース機能を果たすため、如何なる開閉ユニットに対して使用され得る。
【0012】
又、使用時のアース接点荷重が組立時のアース接点荷重よりも大きく設定されるため、使用時のアース取りが確実になされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一形態としてのカラー画像形成装置の断面図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明に係る開閉ユニットの一形態としての画像読取装置の開閉を示す側面図である。
【図3】図2(c)のA部拡大詳細図である。
【図4】(a)は組立時のアースバネと支点ピンの正面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図5】(a)は使用時のアースバネと支点ピンの正面図、(b)は(a)のC−C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
[画像形成装置]
図1は本発明に係るカラー画像形成装置の断面図であり、図示のカラー画像形成装置は複写機能とプリンタ機能及びファクシミリ機能を備えたカラー複合機であって、その矩形ボックス状の装置本体100の上部には画像読取装置30が配置され、その上部には自動原稿搬送装置(ADF)50が設けられている。そして、装置本体100と画像読取装置30との間には手前に向かって開口する排紙トレイ20が設けられている。
【0015】
次に、上記装置本体100の内部構造について以下に説明する。
【0016】
装置本体100内の中央部には、マゼンタ画像形成ユニット1M、シアン画像形成ユニット1C、イエロー画像形成ユニット1Y及びブラック画像形成ユニット1Kが一定の間隔で前後方向にタンデムに配置されている。
【0017】
上記各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kには、像担持体である感光ドラム2a,2b,2c,2dがそれぞれ配置されており、各感光ドラム2a〜2dの周囲には、帯電器3a,3b,3c,3d、現像装置4a,4b,4c,4d、1次転写ローラ5a,5b,5c,5d及びドラムクリーニング装置6a,6b,6c,6dがそれぞれ配置されている。
【0018】
ここで、前記感光ドラム2a〜2dは、ドラム状の感光体であって、不図示の駆動モータによって図示矢印方向(時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。又、前記帯電器3a〜3dは、これに印加される帯電電圧によって各感光ドラム2a〜2dの表面をそれぞれ所定の電位に均一に帯電させるものである。
【0019】
更に、前記現像装置4a〜4dは、マゼンタ(M)トナー、シアン(C)トナー、イエロー(Y)トナー、ブラック(K)トナーをそれぞれ収容しており、各感光ドラム2a〜2d上に形成された各静電潜像に各色のトナーを付着させて各静電潜像を各色のトナー像として可視像化するものである。
【0020】
又、前記1次転写ローラ5a〜5dは、各1次転写部にて中間転写体である無端状の中間転写ベルト7を介して各感光ドラム2a〜2dに当接可能に配置されている。ここで、中間転写ベルト7は、側に配された駆動ローラ8と手前側に拝されたテンションローラ9との間に前後方向に張設されており、この中間転写ベルトの下方に前記各感光ドラム2a〜2dが前後方向に沿ってタンデムに配置されている。そして、前記駆動ローラ8は、2次転写部において中間転写ベルト7を介して2次転写ローラ10に当接可能に配置されており、テンションローラ9の近傍にはベルトクリーニング装置11が設けられている。
【0021】
更に、装置本体100内の各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kの下方にはレーザースキャナユニット(LSU)12が配置され、その下方の本体100の底部には給紙カセット13が着脱可能に設置されている。そして、給紙カセット13には複数枚の不図示の用紙が積層収容されており、この給紙カセット13の近傍には、給紙カセット13から用紙を取り出すピックアップローラ14と、取り出された用紙を分離して搬送路S1へと1枚ずつ送り出すフィードローラ15とリタードローラ16が設けられている。
【0022】
他方、装置本体100内の中間転写ベルト7の上方には、前記各現像装置4a〜4dに補給するためのマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各トナーをそれぞれ収容したトナーコンテナ17a,17b,17c,17dが前後方向に沿って配置されている。
【0023】
ところで、前記搬送路S1は装置本体100の奥側に略垂直に配置されており、その奥には、用紙の両面に画像を形成する場合に使用される別の搬送路S2が略垂直に配置されている。そして、これらの搬送路S1,S2同士は上下で互いに連通しており、上部において両搬送路S1,S2が連通する箇所にフラッパ18が回動可能に設けられている。
【0024】
ここで、上記搬送路S1には、前記給紙カセット13から供給される用紙を一時待機させた後に所定のタイミングで前記2次転写ローラ10と中間転写ベルト7との当接部である2次転写部へと供給するレジストローラ対19が設けられている。そして、搬送路S1の2次転写部から前記排紙トレイ20へと上方に延びる部分には定着装置21と搬送ローラ対22及び排紙ローラ対23がそれぞれ設けられている。又、両面に画像を形成する際に使用される搬送路S2には複数の反転ローラ対24が適当な間隔で設けられている。
【0025】
又、装置本体100の前面には、手差しトレイ25が開閉可能に設けられており、該手差しトレイ25からは搬送路S3が奥側に向かって略水平に延びており、その端部は前記搬送路S1に合流している。そして、搬送路S3にはフィードローラ26と複数の搬送ローラ対27が設けられている。
【0026】
次に、以上の構成を有するカラー画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0027】
画像形成開始信号が発せられると、例えば自動原稿搬送装置50によって画像読取装置30の原稿載置台上に送られた原稿は、画像読取装置30によって読み取られ、読み取られた画像データはレーザースキャナユニット12のメモリに記憶される。
【0028】
他方、各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kにおいて各感光ドラム2a〜2dが図示矢印方向(時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動され、これらの感光ドラム2a〜2dは、帯電 器3a〜3dによって一様に帯電される。又、レーザースキャナユニット12は、メモリに記憶された画像データに基づいて各色毎のカラー画像信号によって変調されたレーザー光を出射し、そのレーザー光を各感光ドラム2a〜2dの表面に照射し、各感光ドラム2a〜2d上に各色のカラー画像信号に対応した静電潜像をそれぞれ形成する。
【0029】
そして、先ず、マゼンタ画像形成ユニット1Mの感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、該感光ドラム2aの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aによってマゼンタトナーを付着させ、該静電潜像をマゼンタトナー像として可視像化する。このマゼンタトナー像は、感光ドラム2aと転写ローラ5aとの間の1次転写部(転写ニップ部)において、トナーと逆極性の1次転写バイアスが印加された転写ローラ5aの作用によって、図示矢印方向に回転駆動されている中間転写ベルト7上に1次転写される。
【0030】
上述のようにしてマゼンタトナー像が1次転写された中間転写ベルト7は、次のシアン画像形成ユニット1Cへと移動する。そして、シアン画像形成ユニット1Cにおいても、前記と同様にして、感光ドラム2b上に形成されたシアントナー像が1次転写部において中間転写ベルト7上のマゼンタトナー像に重ねて転写される。
【0031】
以下同様にして、中間転写ベルト7上に重畳転写されたマゼンタ及びシアントナー像の上に、イエロー及びブラック画像形成ユニット1Y,1Kの各感光ドラム2c,2d上にそれぞれ形成されたイエロー及びブラックトナー像が各1次転写部において順次重ね合わせられ、中間転写ベルト7上にはフルカラーのトナー像が形成される。尚、中間転写ベルト7上に転写されないで各感光ドラム2a〜2d上に残留する転写残トナーは、各ドラムクリーニング装置6a〜6dによって除去され、各感光ドラム2a〜2dは次の画像形成に備えられる。
【0032】
そして、中間転写ベルト7上のフルカラートナー像の先端が中間転写ベルト7と2次転写ローラ10間の2次転写部(転写ニップ部)に達するタイミングに合わせて、給紙カセット13からピックアップローラ14とフィードローラ15及びリタードローラ16によって搬送路S1へと送り出された用紙がレジストローラ対19によって2次転写部へと搬送される。そして、2次転写部に搬送された用紙に、トナーと逆極性の2次転写バイアスが印加された2次転写ローラ10によってフルカラーのトナー像が中間転写ベルト7から一括して2次転写される。
【0033】
而して、フルカラーのトナー像が転写された用紙は、定着装置21へと搬送され、フルカラーのトナー像が加熱及び加圧されて用紙の表面に定着され、トナー像が定着された用紙は、搬送ローラ対22と排紙ローラ対23によって排紙トレイ20上に奥側から手前側に向かって排出されて一連の画像形成動作が完了する。尚、用紙上に転写されないで中間転写ベルト7上に残留する転写残トナーは、前記ベルトクリーニング装置11によって除去され、中間転写ベルト7は次の画像形成に備えられる。又、このように用紙の片面に画像を形成する場合には、フラッパ18は図1に実線にて示す位置にある。
【0034】
以上はカセット給紙による画像形成動作であるが、手差しによって用紙に画像を形成する場合には、図1に示すように手差しトレイ25を開き、この開かれた手差しトレイ25から用紙を供給する。すると、用紙は、フィードローラ26によって搬送路S3へと送り出され、複数の搬送ローラ対27によって搬送路S3を奥側に向かって搬送されて搬送路S1へと受け渡され、以後は前記と同様のプロセスを経て片面に画像が形成される。
【0035】
又、用紙の両面に画像を形成する場合には、前記プロセスを経て片面に画像が形成された用紙が排紙トレイ20に排出される直前においてフラッパ18を図1に破線に示すように切り替えられるとともに、排紙ローラ対23が逆転されて用紙が搬送路S2へとスイッチバックされる。そして、この用紙は反転ローラ対24によって搬送路S2を下方に向かって搬送されて搬送路S1へと受け渡され、その後は前記と同様のプロセスを経て反対の面(裏面)にも画像が形成され、両面に画像が形成された用紙は排紙ローラ対23によって排紙トレイ20に奥側から手前側に向かって排出される。尚、このとき、フラッパ18は図1に実線にて示す位置に戻されている。
[開閉ユニット]
次に、本発明に係る開閉ユニットの一形態である前記画像読取装置30の実施の形態について説明する。
【0036】
図2(a)〜(c)は画像読取装置の開閉を示す側面図、図3は図2(c)のA部拡大詳細図、図4(a)組立時のアースバネと支点ピンの正面図、図4(b)は図4(a)のB−B線断面図、図5(a)は使用時のアースバネと支点ピンの正面図、図5(b)は図5(a)のC−C線断面図である。
【0037】
図2に示すように、画像読取装置30は、ユニット本体31を支点ピン32によってベース33に対して開閉可能に支持して構成されており、ユニット本体31は、支点ピン32に取り付けられた捩りコイル状のアースバネ34によって開き方向に常時付勢されている。尚、図示しないが、本体ユニット31内には、光源や反射ミラー等を備えた光学系キャリッジが副走査方向(図2の左右方向)に往復動可能に収容されている。
【0038】
ここで、支点ピン32とアースバネ34は共に導電性金属で構成されており、図3に示すように、アースバネ34は支点ピン32の軸方向端部に形成された小径の溝部32aに巻き付けられており、その直線状に延びる両端34a,34b(図4及び図5参照)のうちの一端34aは本体ユニット31に係止され、他端34bはベース33に係止されている。尚、このアースバネ34は、本体ユニット31のアース取りを行う機能も備えており、本体ユニット31に発生した静電気等を支点ピン32とベース33を経て外部に逃がす役目を果たす。
【0039】
而して、画像読取装置30の使用時には図2(a)に示すように本体ユニット31は閉じられており、この本体ユニット31の閉じ状態は不図示のロック機構によって保持されている。
【0040】
そして、画像読取装置30にメンテナンス等の必要が生じた場合には、図2(b)に示すように本体ユニット31は支点ピン32を中心として図示の角度だけ回動されて開かれる。このとき、本体ユニット31はアースバネ34によって開き方向に付勢されているため、この本体ユニット31の開き動作は容易に行われ、又、不図示のロック機構によって本体ユニット31は図2(b)に示す角度に保持されている。
【0041】
ところで、組み立てに際してアースバネ34を支点ピン32に取り付ける場合には、本体ユニット31は支点ピン32を中心として略90°の角度だけ回動されて図2(c)に示すように略垂直に起立される。
【0042】
而して、図2(c)に示すように本体ユニット31が略垂直に起立した状態でアースバネ34が支点ピン32に取り付けられるが、本実施の形態では、図4及び図5に示すように、組立時のアースバネ34の内径dと使用時のアースバネ34の内径d’、支点ピン32の外径D1と支点ピン32の溝部32aの外径D2との間には以下の大小関係が成立している。
【0043】
d≧D1>d’>D2 … (1)
上述のように組立時のアースバネ34の内径dは支点ピン32の外径D1≧に設定されているため、組み立てに際してアースバネ34は図4に示すように支点ピン32に容易に通され、該アースバネ34は支点ピン32の溝部32aに嵌め込まれる。このとき、前述のように((1)式参照))アースバネ34の組立時の内径dは支点ピン32の溝部32aの外径D2よりも大きいため(d>D2)、図4(b)に示すようにアースバネ34と支点ピン32の溝部32aとの間には径方向の隙間δ(=(d−D2)/2)が生じている。
【0044】
而して、上述のようにアースバネ34を支点ピン32に通してこれを支点ピン32の溝部32aに嵌め込んだ図2(c)に示す状態から本体ユニット31を支点ピン32を中心として回動させて図2(a)に示すように閉じると、アースバネ34の本体ユニット31に係止された直線状の一端34aが図5(b)に破線にて示す位置から実線にて示す位置まで回動するため、アースバネ34は図5に示すように縮径し、その内径がdからd’へと縮小する(d’<d)。ここで、(1)式に示すように、使用時(開閉ユニット31が閉じた状態)のアースバネ34の内径d’は支点ピン32の外径D1よりも小さいため(d’<D1)、該アースバネ34が支点ピン32から抜けることがなく、図2(b)に示すように本体ユニット31をメンテナンス等のために所定角度だけ開いた状態においてもアースバネ34の内径d’が支点ピン32の外径D1よりも小さい状態(d’<D1)が維持されるため、使用中にアースバネ34が支点ピン32から抜けることはない。
【0045】
又、図2(a)に示すように本体ユニット31を閉じた状態では、縮径したアースバネ34は支点ピン32の溝部32aの外周に締め付けられるため、導電性のアースバネ34と支点ピン32とが導通して本体ユニット31のアースが確実に取られる。特に、本実施の形態では、図2(a)に示すように本体ユニット31を閉じた使用時にアースバネ34に作用する荷重(アース接点荷重)P1の方が図2(c)に示すように本体ユニット31を略垂直に起立させた組立時にアースバネ34に作用する荷重(アース接点荷重)P2よりも大きいため(P1>P2)、使用時の本体ユニット31のアース取りが確実になされる。
【0046】
以上のように、本実施の形態では、アースバネ34は、支点ピン32に通すだけの簡単な構成で、本体ユニット31の閉じ動作によって縮径してその抜けが防がれるともに、アース機能を果たすため、画像読取装置30の機種に関わらず、或いは他の任意の如何なる開閉ユニットに対して使用され得ることとなる。
【0047】
尚、以上は本発明をカラー画像形成装置とこれに備えられた画像読取装置に対して適用した形態について説明したが、本発明は、カラー複写機やモノクロ複写機等の他の任意の画像形成装置とこれに備えられた画像読取装置或いはそれ以外の開閉ユニットに対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
1M マゼンタ画像形成ユニット
1C シアン画像形成ユニット
1Y イエロー画像形成ユニット
1K ブラック画像形成ユニット
2a〜2d 感光ドラム
3a〜3d 帯電器
4a〜4d 現像装置
5a〜5d 転写ローラ
6a〜6d ドラムクリーニング装置
7 中間転写ベルト
8 駆動ローラ
9 テンションローラ
10 2次転写ローラ
11 ベルトクリーニング装置
12 レーザースキャナユニット(LSU)
13 給紙カセット
14 ピックアップローラ
15 フィードローラ
16 リタードローラ
17a〜17d トナーコンタナ
18 フラッパ
19 レジストローラ対
20 排紙トレイ
21 定着装置
22 搬送ローラ対
23 排紙ローラ対
24 反転ローラ対
25 手差しトレイ
26 フィードローラ
27 搬送ローラ対
30 画像読取装置(開閉ユニット)
31 本体ユニット
32 支点ピン
32a 支点ピンの溝部
33 ベース
34 アースバネ
34a,34b アースバネの端部
50 自動原稿搬送装置(ADF)
100 画像形成装置本体
D1 支点ピンの外径
D2 支点ピン溝部の外径
d アースバネの組立時の内径
d’ アースバネの使用時の内径
S1〜S3 搬送路
δ 組立時のアースバネの内径と支点ピン溝部の間の隙間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニット本体を支点ピンによってベースに対して開閉可能に支持して成る開閉ユニットにおいて、
前記開閉支持ピンに前記本体ユニットを開き方向に付勢する捩りコイル状のアースバネを取り付け、
組立時のアースバネ内径≧支点ピン外径>使用時のアースバネ内径>支点ピン溝部外径
に設定したことを特徴とする開閉ユニット。
【請求項2】
使用時のアース接点荷重>組立時のアース接点荷重
に設定したことを特徴とする請求項1記載の開閉ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2記載の前記開閉ユニットを備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−232560(P2011−232560A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103000(P2010−103000)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】