説明

防振連結ロッド

【課題】同一形状の2枚の金属板を用いて安価に製造することができ、しかも、組み立て作業性に優れた防振連結ロッドを提供する。
【解決手段】ロッド本体が、第1金属板34と、第1金属板34に重ね合わせられた第2金属板36とをかしめ固定してなる防振連結ロッドにおいて、第1金属板34は、第2金属板36の周縁部を挟持する第1かしめ部50を複数備え、複数の第1かしめ部50は、第1防振ブッシュ18が備える第1内筒22と第2防振ブッシュ20が備える第2内筒28とを結ぶ中心線Cを挟み、かつ、1の第1かしめ部50が他の第1かしめ部50の中心線Cを対称軸とする線対称位置を避けて設けられ、第2金属板36は、第1金属板34の周縁部を挟持する第2かしめ部52を複数備え、第1金属板34と同一形状をなしていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車のエンジンを車体に対して防振しながら連結するトルクロッド等として用いることのできる防振連結ロッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体と振動発生源であるエンジンとの間には、エンジンのロール方向の動きや振動を抑制するためにトルクロッドと称される防振連結ロッドが設けられている。
【0003】
かかる防振連結ロッドとして、例えば、長手方向の一端部に設けられた第1筒部と、長手方向の他端部に設けられた第2筒部と、第1筒部と第2筒部とを連結するロッド本体と、第1内筒と第1ゴム状弾性部とを備えて第1筒部内に設けられた第1防振ブッシュと、第2内筒と第2ゴム状弾性部とを備えて第2筒部内に設けられた第2防振ブッシュとを備え、第1内筒及び第2内筒を取付部材としてエンジンや車体に取り付けられるものが知られている(下記特許文献1参照)。
【0004】
この防振連結ロッドでは、2枚の金属板を重ね合わせた状態で、一方の金属板に設けられたかしめ部が他方の金属板の周縁部を挟持するようにかしめ固定して構成されており、2枚の金属板のうち一方の金属板のみにかしめ部が設けられているため、2枚の金属板の形状が異なり製造コストが増大する問題がある。
【0005】
また、2枚の金属板の形状を同一形状にすれば構成部品の共通化を図り製造コストを抑えることができるが、このような場合、いずれの金属板にもかしめ部が設けられることとなり、一方の金属板に設けられたかしめ部が他方の金属板の周縁部を挟持するようにかしめ固定する第1のかしめ工程と、他方の金属板に設けられたかしめ部が一方の金属板の周縁部を挟持するようにかしめ固定する第2のかしめ工程とを、同時に行うことができないため、先に行うかしめ工程の際(例えば、第1のかしめ工程の際)に、一方の金属板が引っ張られ位置ずれを起こしやすく、組み立て作業が困難となる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−29432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記問題を考慮してなされたものであり、同一形状の2枚の金属板を用いて安価に製造することができ、しかも、組み立て作業性に優れた防振連結ロッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る防振連結ロッドは、長手方向の一端部に設けられた第1筒部と、長手方向の他端部に設けられた第2筒部と、前記第1筒部と前記第2筒部とを連結するロッド本体と、第1内筒と第1ゴム状弾性部とを備えて前記第1筒部内に設けられた第1防振ブッシュと、第2内筒と第2ゴム状弾性部とを備えて前記第2筒部内に設けられた第2防振ブッシュとを備え、前記ロッド本体が、第1金属板と、前記第1金属板に重ね合わせられた第2金属板とをかしめ固定してなる防振連結ロッドにおいて、前記第1金属板は、前記第2金属板の周縁部を挟持する第1かしめ部を複数備え、複数の前記第1かしめ部が、前記第1内筒と前記第2内筒とを結ぶ直線を挟み、かつ、前記直線を対称軸とする線対称位置を避けて設けられ、前記第2金属板は、前記第1金属板の周縁部を挟持する第2かしめ部を複数備え、前記第1金属板と同一形状をなしていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る防振連結ロッドでは、ロッド本体を構成する第1金属板と第2金属板とが同一形状をなしているため製造コストを削減できる。しかも、第1金属板に設けられた複数の第1かしめ部が、第1内筒と前記第2内筒とを結ぶ直線を挟み、かつ、前記直線を対称軸とする線対称位置を避けて設けられているため、第1金属板の第1かしめ部を折り曲げて第2金属板を挟持する際に第1金属板へ作用する張力が打ち消され金属板の位置ずれが生じにくく組み立て作業が容易となるとともに、第1金属板と第2金属板とを重ね合わせた時に第1かしめ部と第2かしめ部とが互いに妨げ合うことがない。
【0010】
また、本発明に係る防振連結ロッドにおいて、前記第1金属板は、前記直線の左右両側に同数の前記第1かしめ部が設けられてもよく、このような場合、第1金属板の第1かしめ部を折り曲げて第2金属板を挟持する際に第1金属板へ作用する張力をより確実に打ち消すことができ一層位置ずれが生じにくくなる。
【0011】
また、本発明に係る防振連結ロッドにおいて、前記第1金属板は、前記第1かしめ部を4つ備え、前記第1内筒を挟む位置に一対の前記第1かしめ部が設けられ、前記第2内筒を挟む位置に他の一対の前記第1かしめ部が設けられてもよい。
【0012】
このような構成の防振連結ロッドでは、第1金属板の第1かしめ部を折り曲げて第2金属板を挟持する際に第1内筒及び第2内筒の位置ずれを効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、2枚の金属板をかしめ固定してなるロッド本体を備えた防振連結ロッドを安価で、しかも、組み立て作業容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る防振連結ロッドの平面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る防振連結ロッドの分解斜視図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】第1金属板の平面図である。
【図5】第2金属板の平面図である。
【図6】第1金属板と第2金属板とをかしめ固定する前の状態を示す防振連結ロッドの平面図である。
【図7】本発明の変更例に係る防振連結ロッドであって、第1金属板と第2金属板とをかしめ固定する前の状態を示す平面図である。
【図8】本発明の他の変更例に係る防振連結ロッドであって、第1金属板と第2金属板とをかしめ固定する前の状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態の防振連結ロッド10は、自動車の車体と振動発生源であるエンジンとの間に組付けられて、エンジンのロール方向の動きや振動を抑制するトルクロッドである。
【0017】
この防振連結ロッド10は、図1及び図2に示すように、第1筒部12と第2筒部14とを備えたロッド本体16と、第1内部12に設けられた第1防振ブッシュ18と、第2筒部14内に設けられた第2防振ブッシュ20とからなる。
【0018】
第1防振ブッシュ18は、第1筒部12内に軸平行に配された第1内筒22と、第1内筒22の外周面を覆い第1内筒22と第1筒部12の間に介設された第1ゴム状弾性部24とから構成される。
【0019】
第1内筒22は、鉄、鋼やアルミニウムなどの金属製の円筒状の部材であり、車体とエンジンのいずれか一方、例えば車体側に連結される。第1ゴム状弾性部24は、第1内筒22の外周面に一体に加硫接着されたもので、第1内筒22の外周面における互いに対向する位置から径方向外方に突出する一対の凸部26を備える。
【0020】
第2防振ブッシュ20は、円筒状に設けられた第2筒部14内に軸平行かつ同軸状に配された第2内筒28と、第2内筒28の外周面を覆い第2内筒28と第2筒部14の間に介設された第2ゴム状弾性部30とから構成される。
【0021】
第2内筒28は、第1内筒22と同様、鉄、鋼やアルミニウムなどの金属製の円筒状の部材であり、車体とエンジンのいずれか一方、例えばエンジン側に連結される。第2ゴム状弾性部30は、第2内筒28の外周面に一体に加硫接着されたもので、第2内筒28の軸方向の中央部に径方向外方へ膨出する環状の膨出部32を備える。
【0022】
ロッド本体16は、長手方向Lの一端部に第1防振ブッシュ18を保持する第1筒部12と、他端部に第2防振ブッシュ20を保持する第2筒部14と、第1筒部12及び第2筒部14を連結する連結部15とを備え、互いに同一形状をなした第1金属板34と第2金属板36とを重ね合わせることで形成されている。
【0023】
詳細には、図2及び図3に示すように、第1筒部12は、開口部が角を丸めた矩形状をなした筒形状に設けられており、その内周面に外方へ陥没する一対の第1ゴム収容部38が設けられている。この一対の第1ゴム収容部38は、第1防振ブッシュ18の第1ゴム状弾性部24に設けられた凸部26が予圧縮された状態で嵌り込み第1防振ブッシュ18を保持する凹形状をなしており、第1筒部12に設けられた第1防振ブッシュ18の第1内筒22の軸心O1と、第2筒部14に設けられた第2防振ブッシュ20の第2内筒28の軸心O2とを結ぶ直線(以下、中心線という)Cを回転対称軸とする線対称位置、言い換えれば、中心線C及び第1筒部12の軸方向に対して垂直な方向Wに対向配置されている。
【0024】
第2筒部14は、円筒状に設けられており、その内周面に外方へ陥没する環状の第2ゴム収容部40が設けられている。第2ゴム収容部40は、第2防振ブッシュ20の第2ゴム状弾性部30に設けられた環状の膨出部32が嵌り込み、第2防振ブッシュ20を保持する。
【0025】
ロッド本体16を構成する第1金属板34は、図2〜図4に示すように、金属板を所定形状にプレス成形したものであり、その長手方向Lの一端部に角を丸めた矩形状の第1矩形孔部42が穿設され、他端部に円形状の第1円孔部46が穿設されている。
【0026】
第1矩形孔部42の周縁部にはロッド本体16の外方(つまり、第1金属板34に重ね合わせた第2金属板36から離れる方向)へ立ち上がる第1筒部分12aが形成されている。第1筒部分12aには、第1筒部分12aの外方に陥没するとともに第2金属板36との合わせ面へ開口する第1ゴム収容部分38aが設けられている。
【0027】
第1円孔部46の周縁部には、ロッド本体16の外方へ立ち上がる第2筒部分14aが形成されている。第2筒部分14aには、第1円孔部46の周縁部から先端側に行くほど径方向内方に傾斜するテーパ状の第2ゴム収容部分40aが設けられている。
【0028】
また、第2金属板36は、金属板を第1金属板34と同一形状にプレス成形したものであり、具体的には、図2、図3及び図5に示すように、その長手方向Lの一端部に角を丸めた矩形状の第2矩形孔部44が穿設され、他端部に円形状の第2円孔部48が穿設されている。
【0029】
第2矩形孔部44の周縁部にはロッド本体16の外方(つまり、第2金属板36に重ね合わせた第1金属板34から離れる方向)へ立ち上がる第1筒部分12bが形成されている。第1筒部分12bには、第1筒部分12aの外方に陥没するとともに第1金属板34との合わせ面へ開口する第1ゴム収容部分38bが設けられている。
【0030】
第2円孔部48の周縁部には、ロッド本体16の外方へ立ち上がる第2筒部分14bが形成されている。第2筒部分14bには、第2円孔部48の周縁部から先端側に行くほど径方向内方に傾斜するテーパ状の第2ゴム収容部分40bが設けられている。
【0031】
そして、図6に示すように、第1金属板34と、第1金属板34に対して中心線Cを回転対称軸として表裏反転させて配置した第2金属板36とを重ね合わせることで、第1ゴム収容部分38aと第1ゴム収容部分38bを連結してなる第1ゴム収容部38を備えた第1筒部12が第1筒部分12a及び第1筒部分12bから形成されるとともに、第2ゴム収容部分40aと第2ゴム収容部分40bを連結してなる第2ゴム収容部40を備えた第2筒部14が第2筒部分14a及び第2筒部分14bから形成される。このように重ね合わせた2枚の金属板34,36は、第1金属板34に設けられた第1かしめ部50と、第2金属板36に設けられた第2かしめ部52によってかしめ固定され、ロッド本体16を形成する。
【0032】
詳細には、第1かしめ部50は、図4及び図6に示すように、第1金属板34の周縁部に複数(本実施形態では4つ)設けられ、中心線Cを挟む第1金属板34の一対の側縁部、つまり、第1金属板34の周縁部を中心線Cで区画して形成される一対の側縁部34a,34bに、それぞれ少なくとも1つ以上設けられており、また、第1金属板34に設けられた複数の第1かしめ部50は、他の第1かしめ部50が設けられた位置の中心線Cを対称軸とする線対称位置を避けて設けられている。
【0033】
本実施形態では、中心線Cによって区画された第1金属板34の一方の側縁部(図4の左側縁部)34aに2つの第1かしめ部50a,50bが設けられ、他方の側縁部(図4の右側縁部)34bに一方の側縁部34aと同数の2つの第1かしめ部50c,50dが設けられている。
【0034】
より具体的には、一方の側縁部34aには、第1筒部分12aよりもロッド本体16の長手方向Lの端部側に第1かしめ部50aが設けられ、第2筒部分14aよりもロッド本体16の中心側に第1かしめ部50bが設けられており、他方の側縁部34bには、第1筒部分12aよりもロッド本体16の中心側に第1かしめ部50cが設けられ、第2筒部分14aよりもロッド本体16の長手方向Lの端部側に第1かしめ部50dが設けられている。これにより、本実施形態では、第1筒部12に設けられた第1防振ブッシュ18の第1内筒22を挟む位置に一対の第1かしめ部50a,50cが設けられ、第2筒部14に設けられた第2防振ブッシュ20の第2内筒28を挟む位置に他の一対の第1かしめ部50b,50dが設けられている。
【0035】
また、第2金属板36は、図5及び図6に示すように、上記のように第1金属板34と同一形状であり、第2金属板36に設けられた第2かしめ部52の構成も、第1金属板34に設けられた第1かしめ部50の構成と同一であり、ここでは詳細な説明を省略するが、中心線Cによって区画された第2金属板36の一方の側縁部(図5の左側縁部)36aには、第1筒部分12bよりもロッド本体16の端部側に第2かしめ部52aが設けられ、第2筒部分14bよりもロッド本体16の中心側に第2かしめ部52bが設けられており、他方の側縁部(図5の右側縁部)36bには、第1筒部分12bよりもロッド本体16の中心側に第2かしめ部52cが設けられ、第2筒部分14bよりもロッド本体16の端部側に第2かしめ部52dが設けられている。
【0036】
以上のような構成の防振連結ロッド10を組み立てるには、第1金属板34及び第2金属板36のいずれか一方(例えば、ここでは第2金属板36)の第1ゴム収容部分38bに第1防振ブッシュ18の凸部26を配設するとともに、第2ゴム収容部分40bに第2防振ブッシュ20の膨出部32を配設する。
【0037】
次に、第2の金属板36に対して中心線Cを回転対称軸として表裏反転させた第1金属板34を第2金属板36に重ね合わせる。第1金属板34を第2金属板36に重ね合わせる際に、第1金属板34に設けられた第1ゴム収容部分38aに第1防振ブッシュ18の凸部26を嵌め込み、第2ゴム収容部分40bに第2防振ブッシュ20の膨出部32を嵌め込むことで、第1金属板34及び第2金属板36との間で第1防振ブッシュ18及び第2防振ブッシュ20を挟持させる。
【0038】
なお、本実施形態では、第1金属板34と第2金属板36とが同一形状をなしているものの、第1金属板34に設けられた第1かしめ部50は他の第1かしめ部50の中心線Cを対称軸とする線対称位置を避けて設けられているため、上記のように第1金属板34と第2金属板36とを重ね合わせた際に、第1金属板34に設けられた第1かしめ部50と、第2金属板36に設けられた第2かしめ部52とが互いに妨げ合うことがない。
【0039】
次に、第2金属板36の周縁部を挟持するように第1金属板34に設けられた複数の第1かしめ部50a,50b,50c,50dを折り曲げる第1のかしめ工程を行い、第1金属板34と第2金属板36とをかしめ固定する。
【0040】
そして、第1金属板34の周縁部を挟持するように第2金属板36に設けられた複数の第2かしめ部52a,52b,52c,52dを折り曲げる第2のかしめ工程を行い、第1金属板34と第2金属板36とを更にかしめ固定することで、防振連結ロッド10の組み立てを完了する。
【0041】
以上のように本実施形態では、第1金属板34の一方の側縁部34aに第1かしめ部50a,50bが設けられ、他方の側縁部34bに第1かしめ部50c,50dが設けられており、中心線Cを挟む第1金属板34の一対の側縁部34a,34bのそれぞれに2つずつ第1かしめ部50が設けられているため、上記した第1のかしめ工程時に第1金属板34に作用する張力が打ち消され第1金属板34の位置ずれを防止することができ、防振連結ロッド10の組み立て作業性に優れる。
【0042】
特に、本実施形態では、第1かしめ部50a,50cが第1筒部12に設けられた第1防振ブッシュ18の第1内筒22を挟む位置に設けられ、第1かしめ部50b,50dが第2筒部14に設けられた第2防振ブッシュ20の第2内筒28を挟む位置に設けられているため、上記した第1のかしめ工程時に第1金属板34と第2金属板36との間で挟持される第1防振ブッシュ18及び第2防振ブッシュ20が所望位置からずれにくく、第1防振ブッシュ18及び第2防振ブッシュ20の挟み込み不良が生じにくい。
【0043】
なお、上記した本実施形態では、第1金属板34及び第2金属板36にかしめ部を4つずつ設ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図7に示すように第1金属板34及び第2金属板36にそれぞれ2つずつかしめ部を設けたり、あるいは図8に示すように第1金属板34及び第2金属板36にそれぞれ3つずつかしめ部を設けてもよい。
【0044】
すなわち、図7に示す場合では、第1金属板34の一方の側縁部34aに1つの第1かしめ部50aを設けるとともに、他方の側縁部34bに1つの第1かしめ部50cを設けて第1金属板34に2つの第1かしめ部50a,50c(総称して第1かしめ部50という)を設けている。また、第2金属板36は、第1金属板34と同一形状をなし、具体的には、一方の側縁部36aに1つの第2かしめ部52aを設け、他方の側縁部36bに1つの第1かしめ部52cを設けて第2金属板36に2つの第2かしめ部52a,52c(総称して第2かしめ部52という)を設けている。
【0045】
また、図8に示す場合では、第1金属板34の一方の側縁部34aに1つの第1かしめ部50aを設けるとともに、他方の側縁部34bに2つの第1かしめ部50c,50dを設けて第1金属板34に3つの第1かしめ部50a,50c,50d(総称して第1かしめ部50という)を設けている。また、第2金属板36は、第1金属板34と同一形状をなし、具体的には、一方の側縁部36aに1つの第2かしめ部52aを設け、他方の側縁部36bに2つの第1かしめ部52c,52dを設けて第2金属板36に3つの第2かしめ部52a,52c,52d(総称して第2かしめ部52という)を設けている。
【0046】
図7及び図8に示すような本実施形態の変更例に係る防振連結ロッド10であっも、第2金属板36の周縁部を挟持するように第1金属板34に設けられた複数の第1かしめ部50を折り曲げる第1のかしめ工程を行い、第1金属板34と第2金属板36とをかしめ固定する際に、第1金属板34に作用する張力が打ち消され第1金属板34の位置ずれを防止することができ、防振連結ロッド10の組み立て作業性に優れる。
【0047】
なお、上記した構成以外は第1の実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0048】
10…防振連結ロッド
12…第1筒部
14…第2筒部
15…連結部
16…ロッド本体
18…第1防振ブッシュ
20…第2防振ブッシュ
22…第1内筒
24…第1ゴム状弾性部
26…凸部
28…第2内筒
30…第2ゴム状弾性部
32…膨出部
34…第1金属板
36…第2金属板
38…第1ゴム収容部
40…第2ゴム収容部
50…第1かしめ部
52…第2かしめ部
C…中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の一端部に設けられた第1筒部と、長手方向の他端部に設けられた第2筒部と、前記第1筒部と前記第2筒部とを連結するロッド本体と、第1内筒と前記第1内筒の外周部を覆う第1ゴム状弾性部とを備えて前記第1筒部内に設けられた第1防振ブッシュと、第2内筒と前記第2内筒の外周部を覆う第2ゴム状弾性部とを備えて前記第2筒部内に設けられた第2防振ブッシュとを備え、前記ロッド本体が、第1金属板と、前記第1金属板に重ね合わせられた第2金属板とをかしめ固定してなる防振連結ロッドにおいて、
前記第1金属板は、前記第2金属板の周縁部を挟持する第1かしめ部を複数備え、
複数の前記第1かしめ部は、前記第1内筒と前記第2内筒とを結ぶ直線を挟み、かつ、1の前記第1かしめ部が他の前記第1かしめ部の前記直線を対称軸とする線対称位置を避けて設けられ、
前記第2金属板は、前記第1金属板の周縁部を挟持する第2かしめ部を複数備え、前記第1金属板と同一形状をなしていることを特徴とする防振連結ロッド。
【請求項2】
前記第1金属板は、その周縁部を前記直線で区画して形成される一対の側縁部に同数の前記第1かしめ部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防振連結ロッド。
【請求項3】
前記第1金属板は、前記第1かしめ部を4つ備え、前記第1内筒を挟む位置に一対の前記第1かしめ部が設けられ、前記第2内筒を挟む位置に他の一対の前記第1かしめ部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の防振連結ロッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−189141(P2012−189141A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53181(P2011−53181)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】