説明

防水型押ボタンスイッチ装置

【課題】 筐体の厚さを可及的に薄くすることができ、また筒状の弾性部材の形状が簡単でコストを低減することができ、また筒状の弾性部材の組み込み作業を容易に行なうことができ、また筐体の貫通孔内に水分や異物が侵入しないようにすることができ、さらに水圧が比較的高い水中で使用しても押ボタンを押圧操作することができるようにする。
【解決手段】 筐体1と押ボタン3との間に配置された筒状の弾性部材5は、シリコーンゴム等の弾性材料によって、当初の形状が円筒形状となるように形成されている。組み立てた状態では、弾性部材5は上下方向から加圧されてある程度圧縮され、外形が周囲方向にある程度膨らんだ状態となっている。したがって、この状態では、弾性部材5は、筐体1の外面、押ボタン3の下面、筐体1と押ボタン3との間に存在する軸4の外周面に圧接され、これにより、筐体1の貫通孔2はシールされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は防水型押ボタンスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の防水型押ボタンスイッチ装置には、基本的には、筐体にその外側から内側に向かって大径、中径、小径の3段構造の貫通孔を形成し、大径の貫通孔内に押ボタンの一部を配置して、押ボタンの軸を小径の貫通孔に移動可能に挿通させ、押ボタンの軸の先端部に抜け止め用のリングを取り付け、中径の貫通孔内に筒状の弾性部材の一端部を配置し、筒状の弾性部材の他端部を押ボタンに設けられた収納部内に収納させたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−352662号公報(図3〜図7)
【0004】
この場合、弾性部材は、筐体の貫通孔を防水構造とし且つ押ボタンを初期位置に復帰させるためのものである。そして、特許文献1の図3〜図5に記載の弾性部材では、肉圧の不均一なほぼ円筒形状であって、一端部内面に突出部を有し、他端部外面に鍔部を有する構造であり、初期の状態では、押ボタンの軸の一部との間に隙間が形成されている。特許文献1の図6に記載の弾性部材では、肉厚の不均一なほぼ円筒形状であって、軸方向中央部内面に突出部を有する構造であり、初期の状態では、押ボタンの軸の一部との間に隙間が形成されている。特許文献1の図7に記載の弾性部材では、肉厚がほぼ一定で、断面ほぼハ字状とされた構造であり、初期の状態では、押ボタンの軸の一部との間に隙間が形成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の防水型押ボタンスイッチ装置では、基本的には、筐体にその外側から内側に向かって大径、中径、小径の3段構造の貫通孔を形成しなければならないため、筐体の厚さが厚くなる上、筐体を金属によって形成する場合には、貫通孔の加工が面倒であり、樹脂によって形成する場合には、その金型の形状が複雑になるという問題があった。
【0006】
また、特許文献1に記載の防水型押ボタンスイッチ装置では、筒状の弾性部材の形状が複雑でコスト高となり、しかも基本的には、筒状の弾性部材の一端部を中径の貫通孔内に配置し、他端部を押ボタンに設けられた収納部内に収納させ、押ボタンの一部を大径の貫通孔内に配置するため、弾性部材の最終的な組み込み状態を視認することができず、弾性部材の組み込み作業が面倒であるという問題があった。
【0007】
また、特許文献1に記載の防水型押ボタンスイッチ装置では、大径の貫通孔内に押ボタンの一部を配置するため、大径の貫通孔の内壁面と押ボタンとの間の隙間を介して海水等の水分、塵埃や砂等の異物が侵入した場合、この侵入した水分や異物が自然に排出されにくくそのまま残存し、弾性部材の劣化の原因となるため、入念な水洗いが必要になるという問題があった。
【0008】
さらに、特許文献1に記載の防水型押ボタンスイッチ装置では、初期の状態で、筒状の弾性部材と押ボタンの軸の一部との間に隙間が形成されているため、水圧が比較的高い水中で使用するとき、弾性部材が押し潰されて押ボタンの軸に密着され、押ボタンを押圧操作することができなくなってしまうという問題があった。
【0009】
そこで、この発明は、筐体の厚さを可及的に薄くすることができ、また筒状の弾性部材の形状が簡単でコストを低減することができ、また筒状の弾性部材の組み込み作業を容易に行なうことができ、また筐体の貫通孔内に水分や異物が侵入しないようにすることができ、さらに水圧が比較的高い水中で使用しても押ボタンを押圧操作することができる防水型押ボタンスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、上記目的を達成するため、貫通孔を有する筐体と、前記筐体の外側に配置され、前記筐体の貫通孔に移動可能に挿通された軸を有する押ボタンと、前記押ボタンと前記筐体との間に圧縮されて設けられ、前記押ボタンの軸が圧入されて移動可能に挿通された貫通孔を有すると筒状の弾性部材とを備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、押ボタンおよび筒状の弾性部材は筐体の外側に配置され、筐体に押ボタンの軸が移動可能に挿通される貫通孔を形成すればよいので、筐体の厚さを可及的に薄くすることができる。また、筒状の弾性部材は押ボタンの軸が圧入されて移動可能に挿通される貫通孔を有すればよいので、筒状の弾性部材の形状が簡単でコストを低減することができる。また、筒状の弾性部材を筐体の貫通孔内ではなく筐体の外側に配置すればよいので、筒状の弾性部材の組み込み作業を容易に行なうことができる。また、筐体の外側に配置された弾性部材で筐体の貫通孔を防水構造とすることができるので、筐体の貫通孔内に水分や異物が侵入しないようにすることができる。さらに、筒状の弾性部材の貫通孔に押ボタンの軸を圧入させて移動可能に挿通させているため、水圧が比較的高い水中で使用しても、弾性部材が変形しにくく初期の形状を維持し、したがって押ボタンを陸上とほぼ同様に押圧操作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1実施形態)
図1はこの発明の第1実施形態としての防水型押ボタンスイッチ装置の断面図を示す。この防水型押ボタンスイッチ装置は、一例として、デジタルカメラ(図示せず)を覆うステンレス鋼等の金属やポリプロピレン等の樹脂からなる防水ケース(筐体1)に組み込まれて、シャッターボタン等として機能する部分を構成するものであり、軸4を有する押ボタン3、筒状の弾性部材5、回路基板11上に設けられたスイッチ12等を備えている。
【0013】
このうち、筐体1には同一径の貫通孔2が設けられている。押ボタン3は円板形状であって、その下面中央部には円柱形状の軸4が形成されている。軸4を含む押ボタン3はステンレス鋼等の金属やポリプロピレン等の樹脂によって形成されている。ここで、筐体1の貫通孔2の直径は押ボタン3の軸4の直径よりもやや大きくなっている。
【0014】
筒状の弾性部材5は、シリコーンゴム等の弾性材料によって、当初、押ボタン3のサイズよりもある程度小さいサイズの円筒形状に形成されている。この場合、弾性部材5の中心部に形成された貫通孔6の当初の直径は、押ボタン3の軸4の直径よりもある程度小さくなっており、一例として、押ボタン3の軸4の直径の約1/2となっている。
【0015】
そして、押ボタン3の軸4は、弾性部材5の貫通孔6に圧入されて上下動可能に挿通され、さらに、筐体1の貫通孔2に上下動可能に挿通されている。筐体1内に配置された軸4の先端部には溝7が設けられており、この溝7には抜け止め用のEリング8が取り付けられている。
【0016】
そして、図1に示す初期の状態では、当初円筒形状である弾性部材5は、上下方向から加圧されてある程度圧縮され、外形が周囲方向にある程度膨らんだ状態となっている。したがって、この状態では、弾性部材5は、筐体1の上面、押ボタン3の下面、筐体1と押ボタン3との間に存在する軸4の外周面に圧接され、これにより、筐体1の貫通孔2は防水構造とされている。
【0017】
また、押ボタン3は、その軸4と共に、上下方向からある程度圧縮された弾性部材5の弾性復帰力により上方に付勢されているが、Eリング8が筐体1の内面に当接されていることにより、上限位置すなわち初期位置に位置決めされている。
【0018】
回路基板11上に設けられたスイッチ12は、筐体1内において押ボタン3の軸4の先端部と対向する位置に配置されている。このスイッチ12は、回路基板11上に設けられたケース13を備えている。ケース13の上板中央部には開口部14が設けられている。ケース13内に上下動可能に配置されたキートップ15の頭部は、開口部14を介してケース13の上方に突出されている。キートップ15の下方には、ドーム状の可動接点16、可動接点16の外周部下に電気的に接続されて配置された外部固定接点17、可動接点16の中心部下に配置された内部固定接点18が設けられている。
【0019】
そして、この防水型押ボタンスイッチ装置では、押ボタン3が押圧されると、軸4が下降し、それに伴い、弾性部材5が適宜に圧縮される。下降する軸4がキートツプ15を介して可動接点16の中心部を押圧し、この押圧された可動接点16の中心部が弾性変形して内部固定接点18に接触し、これにより、内部固定接点18と外部固定接点17との間が可動接点16を介して導通し、オン状態となる。
【0020】
一方、押ボタン3に対する押圧力が解除されると、弾性部材5がそれ自体の弾性力により初期の状態に復帰し、これに伴い、押ボタン3が軸4と共に上昇して初期位置に復帰する。また、可動接点16がそれ自体の弾性力により初期の状態に復帰し、これに伴い、キートツプ15が上昇して初期位置に復帰し、また、可動接点16が内部固定接点18から離間し、オフ状態となる。
【0021】
以上のように、この防水型押ボタンスイッチ装置では、押ボタン3および筒状の弾性部材5を筐体1の外側に配置し、筐体1に押ボタン3の軸4が移動可能に挿通される貫通孔2を形成すればよいので、筐体1に押ボタン3の軸4の直径よりもやや大きめの同一径の貫通孔2を形成すればよく、筐体1の厚さを可及的に薄くすることができる。この結果、筐体1をステンレス鋼等の金属によって形成する場合には、同一径の貫通孔2を比較的容易に形成することができ、ポリプロピレン等の樹脂によって形成する場合には、その金型の形状を簡単とすることができる。
【0022】
また、筒状の弾性部材4は押ボタン3の軸4が圧入されて移動可能に挿通される貫通孔6を有すればよいので、弾性部材4の当初の形状を単なる円筒形状とすることができ、したがって弾性部材4の形状が簡単でコストを低減することができる。また、筒状の弾性部材5を筐体1の貫通孔2内ではなく筐体1の外側に配置すればよいので、筒状の弾性部材5の組み込み作業を容易に行なうことができる。すなわち、押ボタン3の軸4を、弾性部材5の貫通孔6に圧入させて挿通させ、次いで、筐体1の貫通孔2に挿通させながら、弾性部材5を適宜に圧縮させ、次いで、筐体1内に配置された軸4の溝7にEリング8を取り付ければよく、筒状の弾性部材5の組み込み作業を容易に行なうことができる。
【0023】
また、筐体1の外側に配置された弾性部材5で筐体1の貫通孔2を防水構造としているので、筐体1の貫通孔2内に水分や異物が侵入しないようにすることができる。換言すれば、弾性部材5を筐体1の外側に配置しているため、弾性部材5に水分や異物が付着しても、この付着した水分や異物を簡単に除去することができ、水分や異物の付着に起因する弾性部材5の劣化を防止することができる。
【0024】
また、筒状の弾性部材5の貫通孔6に押ボタン3の軸4を圧入させて移動可能に挿通させているため、水圧が比較的高い水中で使用しても、筒状の弾性部材5が変形しにくく初期の形状を維持し、したがって押ボタン3を陸上とほぼ同様に押圧操作することができる。
【0025】
また、適宜に圧縮された弾性部材5の貫通孔6に押ボタン3の軸4を圧入しているため、弾性部材5が軸4の支えとなり、軸4の横方向からの荷重に対する抵抗力が増大し、押ボタン3に横方向からある程度の過荷重がかかっても、軸4がその支点の部分(筐体1の貫通孔2に挿通された部分)で折れにくいようにすることができる。
【0026】
さらに、弾性部材5を自己潤滑性を有するシリコーンゴムによって形成すると、弾性部材5と軸4との間の摩擦抵抗が軽減し、押ボタン3の押圧操作をスムーズとすることができる。また、軸4を含む押ボタン3を自己潤滑性を有するポリプロピレンによって形成すると、弾性部材5と軸4との間の摩擦抵抗がより一層軽減し、押ボタン3の押圧操作をより一層スムーズとすることができる。
【0027】
(第2実施形態)
図2はこの発明の第2実施形態としての防水型押ボタンスイッチ装置の要部の断面図を示す。この防水型押ボタンスイッチ装置において、図1に示す場合と異なる点は、弾性部材5を2色成形により下部弾性層5aと上部弾性層5bとからなる2層構造とし、下部弾性層5aを上部弾性層5bよりも硬度の低い弾性材料によって形成した点である。一例として、下部弾性層5aは硬度10〜30Hsのシリコーンゴムによって形成され、上部弾性層5bは硬度40〜60Hsのシリコーンゴムによって形成されている。
【0028】
この場合、下部弾性層5aおよび上部弾性層5bの当初の形状は円筒形状となっている。また、この当初の形状における下部弾性層5aの厚さは、後述する機能を発揮すればよく、あまり厚くする必要はなく、一例として、上部弾性層5bの厚さの約1/3となっている。そして、図2に示す初期の状態では、上下方向からある程度加圧されることにより、低硬度の下部弾性層5aのみがほぼ最大限に圧縮され、高硬度の上部弾性層5bはほとんど圧縮されず当初の形状を維持している。
【0029】
この防水型押ボタンスイッチ装置を組み立てる場合には、押ボタン3の軸4を、弾性部材5の貫通孔6に圧入させて挿通させ、次いで、筐体1の貫通孔2に挿通させながら、低硬度の下部弾性層5aをほぼ最大限に圧縮させ、且つ、高硬度の上部弾性層5bをやや圧縮させ、次いで、筐体1内に配置された軸4の溝7にEリング8を取り付ける。
【0030】
この場合、低硬度の下部弾性層5aは高硬度の上部弾性層5bよりも変形しやすく、また下部弾性層5aの硬度が低いので、下部弾性層5aと軸4との間の摩擦抵抗が軽減し、弾性部材5の組み込み作業をより一層容易に行なうことができる。また、組み立てた状態では、低硬度の下部弾性層5aがほぼ最大限に圧縮されているため、下部弾性層5aがそれ自体の弾性力により初期の状態に復帰しようとする力が大きく、下部弾性層5aの筐体1の外面に対する密着性が向上し、ひいては防水効果を向上することができる。
【0031】
この防水型押ボタンスイッチ装置で押ボタン3が押圧された場合には、図3に示すように、低硬度の下部弾性層5aは当初からほぼ最大限に圧縮されているため、それ以上はほとんど圧縮されず、高硬度の上部弾性層5bのみが適宜に圧縮される。この場合、軸4と弾性部材5との間に摩擦が発生し、弾性部材5の変形量はその下部で大きくなる傾向にあるが、下部弾性層5aの硬度が低いので、下部弾性層5aと軸4との間の摩擦抵抗が軽減し、押ボタン3の押圧操作をより一層スムーズとすることができる。
【0032】
ここで、図1に示す場合には、押ボタン3に対する押圧力が解除されると、軸4と弾性部材5との間の摩擦抵抗が比較的大きいため、その当初において、弾性部材5が適宜に圧縮された状態のまま浮き上がり、防水不良となることがある。これに対し、この第2実施形態では、押ボタン3に対する押圧力が解除されると、図3に示すように、高硬度の上部弾性層5bのみがそれ自体の弾性力により初期の状態に復帰するが、低硬度の下部弾性層5aと軸4との間の摩擦抵抗が軽減しているため、下部弾性層5aが浮き上がることがなく、したがって防水不良となることはない。
【0033】
(第3実施形態)
図4はこの発明の第3実施形態としての防水型押ボタンスイッチ装置の要部の断面図を示す。この防水型押ボタンスイッチ装置において、図2に示す場合と異なる点は、軸4を含む押ボタン3をポリプロピレン等の樹脂によって形成し、且つ、軸4の先端部に抜け止め用突起9を形成した点である。この場合、図2に示すEリング8が不要となるので、その分だけ部品点数が減少し、コストを低減することができる。
【0034】
この防水型押ボタンスイッチ装置を組み立てる場合には、押ボタン3の抜け止め用突起9を含む軸4を、弾性部材5の貫通孔6に圧入させて挿通させ、次いで、筐体1の貫通孔2に圧入させて挿通させ、筐体1内に配置された抜け止め用突起9を筐体1の内面に当接させればよく、組み立て作業をより一層容易に行なうことができる。
【0035】
(第4実施形態)
図5はこの発明の第4実施形態としての防水型押ボタンスイッチ装置の要部の断面図を示す。この防水型押ボタンスイッチ装置において、図2に示す場合と異なる点は、筐体1をポリプロピレン等の樹脂によって形成し、且つ、筐体1の外面に弾性部材5の下部弾性層5aに食い込むリング状の突起10を形成し、防水効果を向上させた点である。
【0036】
(第5実施形態)
図6はこの発明の第5実施形態としての防水型押ボタンスイッチ装置の要部の断面図を示す。この防水型押ボタンスイッチ装置において、図1に示す場合と異なる点は、弾性部材5の当初の外形形状を逆裁頭円錐形状とした点である。この場合も、組み立てた状態では、当初逆裁頭円錐形状である弾性部材5は、上下方向から加圧されてある程度圧縮され、外形が周囲方向にある程度膨らんだ状態となっている。
【0037】
この防水型押ボタンスイッチ装置では、弾性部材5の下部の段面積が上部の段面積よりも小さくなっているので、弾性部材5の下部が上部よりも変形しやすく、また弾性部材5の下部の軸4に対する締め付け力が上部よりも小さくなる。この結果、組み立てるとき、弾性部材5の下部が上部よりも大きく変形し、且つ、弾性部材5の下部と軸4との間の摩擦抵抗が軽減され、ひいては組立て作業をより一層容易に行なうことができる。
【0038】
また、この防水型押ボタンスイッチ装置で押ボタン3が押圧された場合には、弾性部材5の下部が上部よりも大きく変形し、且つ、弾性部材5の下部と軸4との間の摩擦抵抗が軽減され、ひいては押ボタン3の押圧操作をより一層スムーズとすることができる。また、押ボタン3に対する押圧力が解除された場合には、弾性部材5が浮き上がることがなく、したがって防水不良となることはない。
【0039】
(その他の実施形態)
例えば、図2において、下部弾性層5aと上部弾性層5bとを別部品としてもよい。また、図6において、弾性部材5の当初の外形形状を、例えば図6に図示する如く、その断面積が押ボタン3側から筐体1側に向かうに従って漸次小さくなり、且つ、周囲方向にある程度膨らんだ形状としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の第1実施形態としての防水型押ボタンスイッチ装置の断面図。
【図2】この発明の第2実施形態としての防水型押ボタンスイッチ装置の要部の断面図。
【図3】図2に示す押ボタンが押圧操作された状態を説明するために示す断面図。
【図4】この発明の第3実施形態としての防水型押ボタンスイッチ装置の要部の断面図。
【図5】この発明の第4実施形態としての防水型押ボタンスイッチ装置の要部の断面図。
【図6】この発明の第5実施形態としての防水型押ボタンスイッチ装置の要部の断面図。
【符号の説明】
【0041】
1 筐体
2 貫通孔
3 押ボタン
4 軸
5 弾性部材
6 貫通孔
8 Eリング
12 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を有する筐体と、前記筐体の外側に配置され、前記筐体の貫通孔に移動可能に挿通された軸を有する押ボタンと、前記押ボタンと前記筐体との間に圧縮されて設けられ、前記押ボタンの軸が圧入されて移動可能に挿通された貫通孔を有する筒状の弾性部材とを備えていることを特徴とする防水型押ボタンスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発明において、前記筐体内において前記押ボタンの軸の先端部と対向する位置に、前記押ボタンが押圧されるとオン状態となるスイッチが設けられていることを特徴とする防水型押ボタンスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の発明において、前記筐体の貫通孔は同一径であることを特徴とする防水型押ボタンスイッチ装置。
【請求項4】
請求項1に記載の発明において、前記弾性部材の貫通孔の当初の直径は前記押ボタンの軸の直径よりも小さくなっていることを特徴とする防水型押ボタンスイッチ装置。
【請求項5】
請求項1に記載の発明において、前記弾性部材の当初の形状は円筒形状であることを特徴とする防水型押ボタンスイッチ装置。
【請求項6】
請求項5に記載の発明において、前記弾性部材の下部の硬度は上部の硬度よりも低くなっていることを特徴とする防水型押ボタンスイッチ装置。
【請求項7】
請求項1に記載の発明において、前記弾性部材は、上部弾性部材と該上部弾性部材の硬度よりも低い硬度の下部弾性部材とからなることを特徴とする防水型押ボタンスイッチ装置。
【請求項8】
請求項7に記載の発明において、前記上部弾性部材および前記下部弾性部材の当初の形状は円筒形状であることを特徴とする防水型押ボタンスイッチ装置。
【請求項9】
請求項1に記載の発明において、前記弾性部材の当初の外形形状は、その断面積が前記押ボタン側から前記筐体側に向かうに従って漸次小さくなる形状であることを特徴とする防水型押ボタンスイッチ装置。
【請求項10】
請求項9に記載の発明において、前記弾性部材の当初の外形形状は逆裁頭円錐形状であることを特徴とする防水型押ボタンスイッチ装置。
【請求項11】
請求項1に記載の発明において、前記筐体の外面に前記弾性部材に食い込むリング状の突起が形成されていることを特徴とする防水型押ボタンスイッチ装置。
【請求項12】
請求項1に記載の発明において、前記押ボタンの軸の先端部に抜け止め用のEリングが取り付けられていることを特徴とする防水型押ボタンスイッチ装置。
【請求項13】
請求項1に記載の発明において、前記押ボタンの軸の先端部に抜け止め用突起が形成されていることを特徴とする防水型押ボタンスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−19112(P2006−19112A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195143(P2004−195143)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(592072470)カシオマイクロニクス株式会社 (17)
【Fターム(参考)】