説明

防眩性ハードコート層形成用材料及び防眩性ハードコートフィルム

【課題】防眩性を付与する微粒子を含有しないか、含有してもその量を低減することができ、かつ高精細な防眩性及び安定な光学特性を有すると共に、耐擦傷性に優れる防眩性ハードコート層を形成し得るコート材料、及び防眩性ハードコートフィルムを提供する。
【解決手段】(A)活性エネルギー線硬化型重合性化合物、(B)熱可塑性樹脂、(C)前記(A)成分と(B)成分に対する良溶媒及び(D)前記(B)成分に対する貧溶媒を含み、かつ前記(A)成分と(B)成分の含有比率が、重量基準で100:0.3〜100:50であり、(C)成分と(D)成分の含有比率が、重量基準で99:1〜30:70である防眩性ハードコート層形成用材料、及び基材フィルム上に、前記材料を用いて形成された、活性エネルギー線硬化樹脂層からなる防眩性ハードコート層を有する防眩性ハードコートフィルムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防眩性ハードコート層形成用材料及び防眩性ハードコートフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、防眩性を付与する微粒子を含有しないか、含有してもその量を低減することができ、かつ高精細な防眩性及び安定な光学特性を有すると共に、耐擦傷性に優れる防眩性ハードコート層を形成し得るコート材料、及びこのコート材料を用いて得られた、各種ディスプレイに好適に用いられる防眩性ハードコートフィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CRTや液晶表示体などのディスプレイにおいては、画面に外部から光が入射し、この光が反射して(グレアーあるいはギラツキなどといわれる)表示画像を見難くすることがあり、特に近年、ディスプレイの大型化に伴い、上記問題を解決することが、ますます重要な課題となってきている。
このような問題を解決するために、これまで種々のディスプレイに対して、様々な防眩処置がとられている。その一つとして、例えば液晶表示体における偏光板に使用されるハードコートフィルムや各種ディスプレイ保護用ハードコートフィルムなどに対し、その表面を粗面化する防眩処理が施されている。このハードコートフィルムの防眩処理方法は、一般に、(1)ハードコート層を形成するための硬化時に物理的方法で表面を粗面化する方法と、(2)ハードコート層形成用のハードコート剤にフィラーを混入する方法とに大別することができる。
これらの2つの方法の中で、後者のハードコート剤にフィラーを混入する方法が主流であり、そして、フィラーとしては、主にシリカ粒子が用いられている。シリカ粒子が使用される理由としては、得られたハードコートフィルムの白色度を低く抑えることができる上、硬度低下が少ないことなどが挙げられる。
しかしながら、通常のシリカ粒子を用いた場合、コート剤中での均質な分散が難しく、シリカ粒子の沈降や、凝集などが生じ、安定した防眩性ハードコート層を形成することは困難である。
ところで、近年ディスプレイは、高画質を得るために高精細化へ進みつつあり、それに伴い、これまでのハードコートフィルムの防眩処理方法では対応できなくなってきた。そこで、コロイダルシリカ粒子の凝集物をハードコート層に含有させる方法(例えば、特許文献1参照)などが試みられているが、さらなる鮮明性の向上が望まれていた。
一方、透明基板上に、屈折率1.40〜1.60の樹脂ビーズと電離放射線硬化型樹脂組成物から構成される防眩層が形成されてなる耐擦傷性防眩フィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この防眩フィルムにおいては、好ましい樹脂ビーズとして、粒径が3〜8μmの範囲にあるポリメタクリル酸メチルビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリスチレンビーズ、ポリアクリルスチレンビーズ、ポリ塩化ビニルビーズが用いられており、そして、これらの樹脂ビーズがコート剤中で沈降するのを防止するために、粒径0.5μm以下のシリカビーズが、電離放射線硬化型樹脂100重量部当たり、0.1重量部未満程度加えられている。
この技術においては、樹脂ビーズの沈降を防止するために、小粒径のシリカビーズが加えられているが、該樹脂ビーズの分散性は必ずしも十分ではなく、やはり安定した防眩性ハードコート層は形成されにくいという問題がある。
前記のように、フィラー粒子を加えたハードコート剤を用いる場合、良好な防眩性を得ようとして、フィラー粒子の配合量を多くすると、形成されるハードコート層の硬度(耐擦傷性)が低下するのを免れないという問題が生じる。また、高精細な防眩性ハードコート層は、粒径の細かいフィラー粒子を用いることで形成可能であるが、粒径の細かいフィラー粒子を用いると該フィラー粒子の凝集が起こりやすく、安定した高精細な防眩性ハードコート層が形成されにくいという問題が生じる。
他方、フィラー粒子を用いないで、防眩層を形成させる技術として、少なくとも1つのポリマーと少なくとも1つの硬化性樹脂前駆体と溶媒とを含む液相から、前記溶媒の蒸発に伴うスピノーダル分解により、相分離構造を形成し、前記樹脂前駆体を硬化させることにより、表面に凹凸構造を有する防眩層を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、この技術においては、前記溶媒は、各成分を均一に溶解し得るものであれば使用することができるとしており、相分離する各成分に対する溶解性については、なんら言及されていない。したがって、使用する溶媒の種類によっては、相分離した各領域が大きくなりすぎ、高精細な防眩機能が発揮されないという問題が生じる。
【特許文献1】特開平10−180950号公報
【特許文献2】特開平6−18706号公報
【特許文献3】特開2004−126495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような事情のもとで、防眩性を付与する微粒子を含有しないか、含有してもその量を低減することができ、かつ高精細な防眩性及び安定な光学特性を有すると共に、耐擦傷性に優れる防眩性ハードコート層を形成し得るコート材料、及びこのコート材料を用いて得られた、各種ディスプレイに好適に用いられる防眩性ハードコートフィルムを提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、前記の好ましい性質を有するコート材料について鋭意研究を重ねた結果、特定の割合の活性エネルギー線硬化型重合性化合物と熱可塑性樹脂を含むと共に、少なくとも2種の溶媒を含み、かつこの溶媒が、前記の活性エネルギー線硬化型重合性化合物と熱可塑性樹脂の両方に対する良溶媒及び該熱可塑性樹脂に対する貧溶媒を特定の割合で含有する混合溶媒であるコート材料は、基材上に塗工して乾燥処理した際に、細かく相分離し、表面に微細な凹凸構造を有する未硬化層が安定して形成され、これに活性エネルギー線を照射することにより、所望の性状を有する防眩性ハードコート層が形成されることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)活性エネルギー線硬化型重合性化合物、(B)熱可塑性樹脂、(C)前記(A)成分と(B)成分に対する良溶媒及び(D)前記(B)成分に対する貧溶媒を含み、かつ前記(A)成分と(B)成分の含有比率が、重量基準で100:0.3〜100:50であり、(C)成分と(D)成分の含有比率が、重量基準で99:1〜30:70であることを特徴とする防眩性ハードコート層形成用材料、
(2)(D)成分である溶媒の沸点が、(C)成分である溶媒の沸点よりも高い上記(1)項に記載の防眩性ハードコート層形成用材料、
(3)(B)成分である熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂及びアクリル系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種である上記(1)又は(2)項に記載の防眩性ハードコート層形成用材料、
(4)さらに(E)成分として無機系及び/又は有機系微粒子を、(A)成分と(B)成分との合計量100重量部に対し、0.1〜10重量部の割合で含む上記(1)、(2)又は(3)項に記載の防眩性ハードコート層形成用材料、
(5)基材フィルム上に、上記(1)〜(4)項のいずれかに記載の材料を用いて形成された、活性エネルギー線硬化樹脂層からなる防眩性ハードコート層を有することを特徴とする防眩性ハードコートフィルム、
(6)防眩性ハードコート層表面の算術平均粗さRaが、0.005〜0.300μmである上記(5)項に記載の防眩性ハードコートフィルム、
(7)ヘイズ値が2%以上である上記(5)又は(6)項に記載の防眩性ハードコートフィルム、
(8)60°グロス値が150以下である上記(5)、(6)又は(7)項に記載の防眩性ハードコートフィルム、
(9)透過鮮明度の合計値が100以上である上記(5)〜(8)項のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィルム、
(10)テーバー摩耗硬度試験前後のヘイズ値差が5%未満である上記(5)〜(9)項のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィルム、及び
(11)防眩性ハードコート層の厚さが、0.5〜20μmである上記(5)〜(10)項のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィルム、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、防眩性を付与する微粒子を含有しないか、含有してもその量を低減することができ、かつ高精細な防眩性及び安定な光学特性を有すると共に、耐擦傷性に優れる防眩性ハードコート層を形成し得るコート材料、及びこのコート材料を用いて得られた、各種ディスプレイに好適に用いられる防眩性ハードコートフィルムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
まず、本発明の防眩性ハードコート層形成用材料について説明する。
本発明の防眩性ハードコート層形成用材料(以下、単にコート剤と称することがある。)は、(A)活性エネルギー線硬化型重合性化合物、(B)熱可塑性樹脂、(C)前記(A)成分と(B)成分に対する良溶媒及び(D)前記(B)成分に対する貧溶媒を含む塗工液である。
本発明に用いる(A)成分である活性エネルギー線硬化型重合性化合物とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する重合性化合物を指す。
このような活性エネルギー線硬化型重合性化合物としては、例えば光重合性プレポリマー及び/又は光重合性モノマーを挙げることができる。また、シリカ微粒子に重合性不飽和基を有する有機化合物を結合させてなる化合物も用いることができる。上記光重合性プレポリマーには、ラジカル重合型とカチオン重合型があり、ラジカル重合型の光重合性プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系などが挙げられる。ここで、ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
【0007】
エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。ウレタンアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。さらに、ポリオールアクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。これらの光重合性プレポリマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、カチオン重合型の光重合性プレポリマーとしては、エポキシ系樹脂が通常使用される。このエポキシ系樹脂としては、例えばビスフェノール樹脂やノボラック樹脂などの多価フェノール類にエピクロルヒドリンなどでエポキシ化した化合物、直鎖状オレフィン化合物や環状オレフィン化合物を過酸化物などで酸化して得られた化合物などが挙げられる。
また、光重合性モノマーとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能アクリレートが挙げられる。これらの光重合性モノマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、前記光重合性プレポリマーと併用してもよい。
さらに、シリカ微粒子に重合性不飽和基を有する有機化合物を結合させてなる化合物としては、シリカ微粒子に、分子内に重合性不飽和基と前記シリカ微粒子表面の水酸基(シラノール基)と反応し得る官能基を有する有機化合物を反応させて得られたものを挙げることができる。前記重合性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基などが挙げられ、シラノール基と反応し得る官能基としては、アルコキシル基、イソシアネート基などが挙げられる。
このようなシリカ微粒子に重合性不飽和基を有する有機化合物を結合させてなる化合物を含む紫外線(UV)硬化型ハードコート剤として、例えばJSR(株)製、商品名「デソライトZ7530」、「デソライトZ7524」などが上市されている。
【0008】
これらの重合性化合物は、所望により光重合開始剤を併用することができる。この光重合開始剤としては、ラジカル重合型の光重合性プレポリマーや光重合性モノマーに対しては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−タ−シャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン重合型の光重合性プレポリマーに対する光重合開始剤としては、例えば芳香族スルホニウムイオン、芳香族オキソスルホニウムイオン、芳香族ヨードニウムイオンなどのオニウムと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネートなどの陰イオンとからなる化合物が挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記光重合性プレポリマー及び/又は光重合性モノマー100重量部に対して、通常0.2〜10重量部の範囲で選ばれる。
【0009】
一方、(B)成分である熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく様々な樹脂を用いることができるが、前記(A)成分の活性エネルギー線硬化型重合性化合物との相分離性や、形成される防眩性ハードコート層の性能の点などから、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などが好適である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、ポリエステル系樹脂としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシドやプロピレンオキシド付加物などのアルコール成分の中から選ばれる少なくとも1種と、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びその酸無水物などのカルボン酸成分の中から選ばれる少なくとも1種とを縮重合させて得られた重合体などを挙げることができる。
また、ポリエステルウレタン系樹脂としては、前記のアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られた末端にヒドロキシル基を有するポリエステルポリオールに、各種のポリイソシアナート化合物を反応させて得られた重合体などを挙げることができる。
【0010】
また、アクリル系樹脂としては、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中から選ばれる少なくとも1種の単量体の重合体、又は前記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと他の共重合可能な単量体との共重合体などを挙げることができる。
本発明のコート剤における前記(A)成分の活性エネルギー線硬化型重合性化合物と、前記(B)成分の熱可塑性樹脂の含有比率は、重量基準で100:0.3〜100:50の範囲で選定される。(A)成分100重量部に対し、(B)成分の含有量が0.3重量部以上であれば、形成されるハードコート層の表面に微細な凹凸構造を良好に形成することができ、50重量部以下であれば、該ハードコート層は良好な硬度(耐擦傷性)を有するものになる。前記含有比率は、重量基準で好ましくは100:0.5〜100:40、より好ましくは100:1〜100:30である。
【0011】
本発明のコート剤においては、溶媒として、(C)成分である前記(A)成分と(B)成分に対する良溶媒、及び(D)成分である前記(B)成分に対する貧溶媒からなる混合溶媒が用いられる。ここで、良溶媒及び貧溶媒とは、以下に示す方法で測定した溶解性を有する溶媒を指す。
対象となる試料の固形分3g相当に、溶解性を測定しようとする溶媒を全量が20gになるように加え、温度25℃にてかきまぜた場合に、均一で透明性を有し、粘度変化がなく相溶したものを、該試料に対し良溶媒であるとし、一方、にごりが認められたり、増粘、分離が認められたものを、該試料に対し貧溶媒であるとする。
(B)成分の熱可塑性樹脂が、例えばポリエステル系樹脂又はポリエステルウレタン系樹脂である場合、前記樹脂に対する良溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどを例示することができる。一方、貧溶媒としては、キシレン、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソブタノール、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ヘキサン、精製水などを例示することができる。
【0012】
また、(B)成分の熱可塑性樹脂がアクリル系樹脂である場合、良溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、キシレンなどを例示することができる。一方、貧溶媒としては、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソブタノール、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ヘキサン、精製水などを例示することができる。
なお、前記の良溶媒、及び精製水を除く貧溶媒は、いずれも、通常用いられる活性エネルギー線硬化型重合性化合物に対して、良溶媒である。
本発明においては、前記(C)成分の溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよく、前記(D)成分の溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のコート剤における前記(C)成分の溶媒と前記(D)成分の溶媒の含有比率は、重量基準で99:1〜30:70の範囲で選定される。該含有比率が上記範囲にあれば、ハードコート層形成時において、良好な相分離が生じ、得られるハードコート層表面に微細な凹凸構造が形成される。該含有比率は、重量基準で好ましくは97:3〜40:60、より好ましくは95:5〜60:40である。
【0013】
本発明においては、ハードコート層形成時における相分離を良好にし、得られたハードコート層表面に微細な凹凸構造をより良く形成させるために、前記(D)成分の溶媒として、前記(C)成分の溶媒の沸点よりも、高い沸点を有するものを用いることが好ましい。この場合、該(C)成分の溶媒と(D)成分の溶媒の沸点差は、通常10〜100℃程度、好ましくは20〜80℃である。
本発明のコート剤においては、前記(A)〜(D)成分を前記の割合で含むことにより、ハードコート層形成時における相分離によって、得られるハードコート層の表面に微細な凹凸構造が形成され、高精細な防眩性が付与される。このように、本発明のコート剤には、従来のように防眩性付与のための無機系微粒子や有機系微粒子を配合する必要はないが、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望により(E)成分として無機系及び/又は有機系微粒子を配合することができる。
【0014】
前記無機系微粒子や有機系微粒子に特に制限はなく、従来ハードコート層に防眩性を付与するために使用されている各種微粒子の中から、適宜選択して用いることができる。無機系微粒子としては、平均粒径が10〜100nm程度のコロイダルシリカ微粒子が特に好ましく挙げられ、有機系微粒子としては、平均粒径が1〜10μm程度のポリメタクリル酸メチル微粒子、ポリカーボネート微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリアクリルスチレン微粒子、ポリ塩化ビニル微粒子などが好ましく挙げられる。
本発明においては、これらの無機系微粒子や有機系微粒子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、その含有量は、従来の技術に比べて、はるかに少なくてよく、通常前記(A)成分と(B)成分との合計量100重量部に対し、0.1〜10重量部程度である。該微粒子の含有量が上記範囲にあれば、形成されるハードコート層は安定した光学特性が得られると共に、より良好な防眩性が付与される。該微粒子の好ましい含有量は1〜8重量部、さらに好ましくは2.5〜5重量部である。
本発明のコート剤における溶媒の含有量に特に制限はないが、塗工に適した粘度のコート剤が得られるように、該含有量を適宜選定するのがよい。
【0015】
本発明のコート剤には、前記(A)〜(E)成分以外に、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望により、各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤などを含有させることができる。
次に、本発明の防眩性ハードコートフィルムについて説明する。
本発明の防眩性ハードコートフィルムは、基材フィルム上に、前述の本発明のコート剤を用いて形成された活性エネルギー線硬化樹脂層からなる防眩性ハードコート層を有するものである。
【0016】
前記基材フィルムについては特に制限はなく、従来光学用ハードコートフィルムの基材として公知のプラスチックフィルムの中から適宣選択して用いることができる。このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等を挙げることができる。
これらの基材フィルムは、透明、半透明のいずれであってもよく、また、着色されていてもよいし、無着色のものでもよく、用途に応じて適宜選択すればよい。例えば液晶表示体の保護用として用いる場合には、無色透明のフィルムが好適である。
【0017】
これらの基材フィルムの厚さは特に制限はなく、状況に応じて適宜選定されるが、通常15〜250μm、好ましくは30〜200μmの範囲である。また、この基材フィルムは、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。
本発明においては、この基材フィルム上に、前述の本発明のコート剤を、従来公知の方法、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、コーティングして塗膜を形成させ、乾燥後、これに活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させることにより、防眩性ハードコート層が形成される。
【0018】
活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線などが挙げられる。上記紫外線は、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプなどで得られ、照射量は、通常100〜500mJ/cm2であり、一方電子線は、電子線加速器などによって得られ、照射量は、通常150〜350kVである。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、重合開始剤を添加することなく、硬化膜を得ることができる。
このようにして形成されたハードコート層の厚さは0.5〜20μmの範囲が好ましい。この厚さが0.5μm未満ではハードコートフィルムの耐擦傷性が十分に発揮されないおそれがあるし、また20μmを超えると60°グロス値が高くなるおそれがある。耐擦傷性及び60°グロス値のバランスなどの面から、このハードコート層のより好ましい厚さは1〜15μmの範囲であり、特に2〜10μmの範囲が好適である。
本発明の防眩性ハードコートフィルムにおいては、防眩性ハードコート層表面の算術平均粗さRaは、通常0.005〜0.300μm程度である。該Raが上記範囲にあれば、高精細でち密な凹凸となるので、良好な透過鮮明度が得られる。該Raの好ましい値は、0.010〜0.150μmである。
なお、前記算術平均粗さRaは、JIS B 0601−1994に準拠して測定した値である。
本発明の防眩性ハードコートフィルムは、本発明の目的を達成するために、以下に示す光学的特性及び硬度を有することが好ましい。
【0019】
本発明の防眩性ハードコートフィルムにおいては、ヘイズ値及び60゜グロス値が防眩性の指標となり、ヘイズ値は2%以上が望ましく、また60゜グロス値は150以下が好ましい。ヘイズ値が2%未満では十分な防眩性が発揮されにくいし、また、60゜グロス値が150を超えると表面光沢度が大きく(光の反射が大きい)、防眩性に悪影響を及ぼす原因となる。ただし、ヘイズ値があまり高すぎると光透過性が悪くなり、好ましくない。また、透過鮮明度の合計値は100以上が好ましい。この透過鮮明度の合計値は表示画質、すなわち視認性の指標となり、この値が100未満では十分に良好な表示画質(視認性)が得られない。さらに、全光線透過率は88%以上が好ましく、88%未満では透明性が不十分となるおそれがある。
防眩性、表示画質(視認性)、光透過性、透明性などのバランスの面から、ヘイズ値は、好ましくは3〜80%、透過鮮明度の合計値は、より好ましくは150以上、全光線透過率は、より好ましくは90%以上である。
さらに、テーバー摩耗硬度試験前後のヘイズ値差は5%未満であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。このヘイズ値差が小さいものほど表面が傷付きにくい。
なお、前記光学的特性の測定方法及びテーバー摩耗硬度試験の方法については、後で説明する。
【0020】
本発明においては、必要により、前記ハードコート層の表面に、反射防止性を付与させるなどの目的で反射防止層、例えばシロキサン系被膜、フッ素系被膜などを設けることができる。この場合、該反射防止層の厚さは、0.05〜1μm程度が適当である。この反射防止層を設けることにより、太陽光、蛍光灯などによる反射から生じる画面の映り込みが解消され、また、表面の反射率を抑えることで、全光線透過率が上がり、透明性が向上する。なお、反射防止層の種類によっては、帯電防止性の向上を図ることができる。
本発明の防眩性ハードコートフィルムにおいては、基材フィルムのハードコート層とは反対側の面に、液晶表示体などの被着体に貼着させるための粘着剤層を形成させることができる。この粘着剤層を構成する粘着剤としては、光学用途用のもの、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。この粘着剤層の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲である。
さらに、この粘着剤層の上に、必要に応じて剥離フィルムを設けることができる。この剥離フィルムとしては、例えばグラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの紙及び各種プラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗付したものなどが挙げられる。この剥離フィルムの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
【実施例】
【0021】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、防眩性ハードコートフィルムの性能は、下記の方法に従って評価した。
(1)全光線透過率及びヘイズ値
日本電色工業(株)製ヘイズメーターを使用し、JIS K 7136に準拠して測定する。
(2)60゜グロス値
日本電色工業(株)製グロスメーターを使用し、JIS K 7105に準拠して測定する。
(3)透過鮮明度の合計値
スガ試験機(株)製写像性測定器を使用し、JIS K7105に準拠して測定する。4種類のスリットの合計値を透過鮮明度と表す。
(4)テーバー摩耗硬度試験
テスター産業(株)製テーバー摩耗硬度試験機を用い、摩耗試験前後のヘイズ値を測定し、テーバー硬度をΔHとして表す。(摩耗輪CS−10F、荷重2.45N、100cycle)
(5)耐擦傷性
コート層表面をスチールウール(#0000)で擦り付けた際の傷付き度合いを目視観察し、下記の判定基準で評価する。
○:傷が付かないもの
△:表面の色目が変化するもの
×:傷がついたもの
(6)コート剤の安定性
コート剤を24時間放置した際の状態を目視観察し、下記の判定基準で評価する。
○:変化しないもの
×:沈降(ケーキング)したもの
(7)表面の算術平均粗さRa
(株)ミツトヨ製表面粗さ測定機「SV30000S4」を用い、JIS B 601−1994に準拠して測定する。
【0022】
試験例1
ポリエステル樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロン20SS」、固形分30重量%]の固形分3g相当に、各種溶媒を全量が20gになるように加え、25℃にてかきまぜ、その状態を目視で観察した。
均一透明で、粘度変化がなく相溶したものを、前記ポリエステル樹脂成分に対して良溶媒とした場合、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、酢酸エチル及びテトラヒドロフランは、良溶媒であった。
また、にごり、増粘、分離が認められたものを、前記ポリエステル樹脂成分に対して貧溶媒とした場合、キシレン、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソブタノール、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ヘキサン及び精製水は、貧溶媒であった。
試験例2
ポリエステルウレタン樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロンUR1400」、及び「バイロンUR3200」、いずれも固形分30重量%]について、試験例1と同様な試験を行ったところ、試験例1と同様な結果が得られた。
試験例3
UV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7530」、固形分75重量%]及びUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7524」、固形分75重量%]について、試験例1と同様な試験を行った。その結果、試験例1における良溶媒、及び精製水を除く貧溶媒のいずれも、UV硬化ハードコート剤の成分に対し、良溶媒であった。
【0023】
実施例1
活性エネルギー線硬化型重合性化合物としてUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7530」、活性エネルギー線硬化型重合性化合物70重量%、光重合開始剤5重量%、メチルエチルケトン25重量%]100重量部、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロン20SS」、トルエン/メチルエチルケトン溶媒(ポリエステル樹脂に対する良溶媒)を含み、固形分30重量%]7.5重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分100重量部に対し、固形分として3.2重量部)、エチルセロソルブ(ポリエステル樹脂に対する貧溶媒、沸点135.6℃)11.3重量部、トルエン(ハードコート、ポリエステル樹脂に対する良溶媒、沸点110.6℃)67.9重量部及びシクロヘキサノン(貧溶媒よりも高沸点な良溶媒、沸点155.7℃)34.0重量部を均一に混合し、固形分濃度35重量%の防眩性ハードコート用塗工液(防眩性ハードコート層形成用材料)を調製した。なお、ポリエステル樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の含有比率は92.1:7.9(重量基準)であった。
次に厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製「A4300」]の表面に、上記塗工液を硬化膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工した。80℃のオーブンで1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで300mJ/cm2の紫外線を照射し防眩性ハードコートフィルムを得た。
この防眩性ハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0024】
実施例2
活性エネルギー線硬化型重合性化合物としてUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7530」](前出)100重量部、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロン20SS」、トルエン/メチルエチルケトン溶媒(ポリエステル樹脂に対する良溶媒)を含み、固形分30重量%]12.5重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分100重量部に対し、固形分として5.4重量部)、エチルセロソルブ(ポリエステル樹脂に対する貧溶媒、沸点135.6℃)11.2重量部、トルエン(ハードコート、ポリエステル樹脂に対する良溶媒、沸点110.6℃)67.5重量部及びシクロヘキサノン(貧溶媒よりも高沸点な良溶媒、沸点155.7℃)33.8重量部を均一に混合し、固形分濃度35重量%の防眩性ハードコート用塗工液(防眩性ハードコート層形成用材料)を調製した。なお、ポリエステル樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の含有比率は92.4:7.6(重量基準)であった。
次に厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製「A4300」]の表面に、上記塗工液を硬化膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工した。80℃のオーブンで1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで300mJ/cm2の紫外線を照射し防眩性ハードコートフィルムを得た。
この防眩性ハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0025】
実施例3
活性エネルギー線硬化型重合性化合物としてUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7524」、活性エネルギー線硬化型重合性化合物70重量%、光重合開始剤5重量%、メチルエチルケトン25重量%]100重量部、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロン20SS」、トルエン/メチルエチルケトン溶媒(ポリエステル樹脂に対する良溶媒)を含み、固形分30重量%]25重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分100重量部に対し、固形分として10.7重量部)、イソブタノール(ポリエステル樹脂に対する貧溶媒、沸点107.9℃)11.1重量部、メチルエチルケトン(ハードコート、ポリエステル樹脂に対する良溶媒、沸点79.6℃)66.4重量部及びシクロヘキサノン(貧溶媒よりも高沸点な良溶媒、沸点155.7℃)33.2重量部を均一に混合し、固形分濃度35重量%の防眩性ハードコート用塗工液(防眩性ハードコート層形成用材料)を調製した。なお、ポリエステル樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の含有比率は92.8:7.2(重量基準)であった。
次に厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製「A4300」]の表面に、上記塗工液を硬化膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工した。80℃のオーブンで1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで300mJ/cm2の紫外線を照射し防眩性ハードコートフィルムを得た。
この防眩性ハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0026】
実施例4
活性エネルギー線硬化型重合性化合物としてUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7524」](前出)100重量部、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロン20SS」、トルエン/メチルエチルケトン溶媒(ポリエステル樹脂に対する良溶媒)を含み、固形分30重量%]50重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分100重量部に対し、固形分として21.4重量部)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(ポリエステル樹脂に対する貧溶媒、沸点120℃)10.7重量部、メチルエチルケトン(ハードコート、ポリエステル樹脂に対する良溶媒、沸点79.6℃)64.3重量部及びシクロヘキサノン(貧溶媒よりも高沸点な良溶媒、沸点155.7℃)32.1重量部を均一に混合し、固形分濃度35重量%の防眩性ハードコート用塗工液(防眩性ハードコート層形成用材料)を調製した。なお、ポリエステル樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の含有比率は93.6:6.4(重量基準)であった。
次に厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製「A4300」]の表面に、上記塗工液を硬化膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工した。80℃のオーブンで1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで300mJ/cm2の紫外線を照射し防眩性ハードコートフィルムを得た。
この防眩性ハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0027】
実施例5
活性エネルギー線硬化型重合性化合物としてUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7530」](前出)100重量部、熱可塑性樹脂としてポリエステルウレタン樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロンUR1400」、トルエン/メチルエチルケトン溶媒(ポリエステルウレタン樹脂に対する良溶媒)を含み、固形分30重量%]7.5重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分100重量部に対し、固形分として3.2重量部)、エチルセロソルブ(ポリエステルウレタン樹脂に対する貧溶媒、沸点135.6℃)11.3重量部、トルエン(ハードコート、ポリエステルウレタン樹脂に対する良溶媒、沸点110.6℃)67.9重量部及びシクロヘキサノン(貧溶媒よりも高沸点な良溶媒、沸点155.7℃)34.0重量部を均一に混合し、固形分濃度35重量%の防眩性ハードコート用塗工液(防眩性ハードコート層形成用材料)を調製した。なお、ポリエステルウレタン樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の含有比率は92.1:7.9(重量基準)であった。
次に厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製「A4300」]の表面に、上記塗工液を硬化膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工した。80℃のオーブンで1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで300mJ/cm2の紫外線を照射し防眩性ハードコートフィルムを得た。
この防眩性ハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0028】
実施例6
活性エネルギー線硬化型重合性化合物としてUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7530」](前出)100重量部、熱可塑性樹脂としてポリエステルウレタン樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロンUR3200」、トルエン/メチルエチルケトン溶媒(ポリエステルウレタン樹脂に対する良溶媒)を含み、固形分30重量%]5重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分100重量部に対し、固形分として2.1重量部)、エチルセロソルブ(ポリエステルウレタン樹脂に対する貧溶媒、沸点135.6℃)11.4重量部、トルエン(ハードコート、ポリエステルウレタン樹脂に対する良溶媒、沸点110.6℃)68.2重量部及びシクロヘキサノン(貧溶媒よりも高沸点な良溶媒、沸点155.7℃)34.0重量部を均一に混合し、固形分濃度35重量%の防眩性ハードコート用塗工液(防眩性ハードコート層形成用材料)を調製した。なお、ポリエステルウレタン樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の含有比率は92.0:8.0(重量基準)であった。
次に厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製「A4300」]の表面に、上記塗工液を硬化膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工した。80℃のオーブンで1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで300mJ/cm2の紫外線を照射し防眩性ハードコートフィルムを得た。
この防眩性ハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0029】
実施例7
活性エネルギー線硬化型重合性化合物としてUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7530」](前出)100重量部、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロン20SS」、トルエン/メチルエチルケトン溶媒(ポリエステル樹脂に対する良溶媒)を含み、固形分30重量%]17.5重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分100重量部に対し、固形分として7.5重量部)、エチルセロソルブ(ポリエステル樹脂に対する貧溶媒、沸点135.6℃)55.9重量部及びトルエン(ハードコート、ポリエステル樹脂に対する良溶媒、沸点110.6℃)55.9重量部を均一に混合し、固形分濃度35重量%の防眩性ハードコート用塗工液(防眩性ハードコート層形成用材料)を調製した。なお、ポリエステル樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の含有比率は62.5:37.5(重量基準)であった。
次に厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製「A4300」]の表面に、上記塗工液を硬化膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工した。80℃のオーブンで1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで300mJ/cm2の紫外線を照射し防眩性ハードコートフィルムを得た。
この防眩性ハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0030】
実施例8
活性エネルギー線硬化型重合性化合物としてUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7530」](前出)100重量部、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロン20SS」、トルエン/メチルエチルケトン溶媒(ポリエステル樹脂に対する良溶媒)を含み、固形分30重量%]12.5重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分100重量部に対し、固形分として5.4重量部)、メチルエチルケトン分散コロイダルシリカ[日産化学工業(株)製、商品名「MEK−ST−L」、平均粒径50nm、固形分30重量%]7.5重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分及びポリエステル樹脂固形分の合計100重量部に対し、固形分として3.1重量部)、エチルセロソルブ(ポリエステル樹脂に対する貧溶媒、沸点135.6℃)55.7重量部、メチルエチルケトン(ハードコート、ポリエステル樹脂に対する良溶媒、沸点79.6℃)55.7重量部を均一に混合し、固形分濃度35重量%の防眩性ハードコート用塗工液(防眩性ハードコート層形成用材料)を調製した。なお、ポリエステル樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の含有比率は63.0:37.0(重量基準)であった。
次に厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製「A4300」]の表面に、上記塗工液を硬化膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工した。80℃のオーブンで1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで300mJ/cm2の紫外線を照射し防眩性ハードコートフィルムを得た。
この防眩性ハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
なお、実施例1〜8における防眩性ハードコート層をキーエンス社製のデジタル顕微鏡(商品名「デジタルマイクロスコープVHX」)で観察したところ、いずれも相分離していることが確認できた。
【0031】
比較例1
活性エネルギー線硬化型重合性化合物としてUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7530」](前出)100重量部、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロン20SS」、トルエン/メチルエチルケトン溶媒(ポリエステル樹脂に対する良溶媒)を含み、固形分30重量%]7.5重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分100重量部に対し、固形分として3.2重量部)、メチルエチルケトン(ハードコート、ポリエステル樹脂に対する良溶媒、沸点79.6℃)113.2重量部を均一に混合し、固形分濃度35重量%の防眩性ハードコート用塗工液(防眩性ハードコート層形成用材料)を調製した。なお、ポリエステル樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の含有比率は100:0(重量基準)であった。
次に厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製「A4300」]の表面に、上記塗工液を硬化膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工した。80℃のオーブンで1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで300mJ/cm2の紫外線を照射し防眩性ハードコートフィルムを得た。
この防眩性ハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0032】
比較例2
活性エネルギー線硬化型重合性化合物としてUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7530」](前出)100重量部、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロン20SS」、トルエン/メチルエチルケトン溶媒(ポリエステル樹脂に対する良溶媒)を含み、固形分30重量%]7.5重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分100重量部に対し、固形分として3.2重量部)、エチルセロソルブ(ポリエステル樹脂に対する貧溶媒、沸点135.6℃)113.2重量部を混合し、固形分濃度35重量%の防眩性ハードコート用塗工液(防眩性ハードコート層形成用材料)を調製したが、ポリエステル樹脂の溶解性が悪く、塗工することができなかった。なお、ポリエステル樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の含有比率は21.1:78.9(重量基準)であった。
【0033】
比較例3
活性エネルギー線硬化型重合性化合物としてUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7530」](前出)100重量部、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロン20SS」、トルエン/メチルエチルケトン溶媒(ポリエステル樹脂に対する良溶媒)を含み、固形分30重量%]0.125重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分100重量部に対し、固形分として0.05重量部)、エチルセロソルブ(ポリエステル樹脂に対する貧溶媒、沸点135.6℃)11.4重量部、トルエン(ハードコート、ポリエステル樹脂に対する良溶媒、沸点110.6℃)68.6重量部及びシクロヘキサノン(貧溶媒よりも高沸点な良溶媒、沸点155.7℃)34.3重量部を均一に混合し、固形分濃度35重量%の防眩性ハードコート用塗工液(防眩性ハードコート層形成用材料)を調製した。なお、ポリエステル樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の含有比率は91.9:8.1(重量基準)であった。
次に厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製「A4300」]の表面に、上記塗工液を硬化膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工した。80℃のオーブンで1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで300mJ/cm2の紫外線を照射し防眩性ハードコートフィルムを得た。
この防眩性ハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0034】
比較例4
活性エネルギー線硬化型重合性化合物としてUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7530」](前出)100重量部、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「バイロン20SS」、トルエン/メチルエチルケトン溶媒(ポリエステル樹脂に対する良溶媒)を含み、固形分30重量%]150重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分100重量部に対し、固形分として64.3重量部)、エチルセロソルブ(ポリエステル樹脂に対する貧溶媒、沸点135.6℃)9.3重量部、メチルエチルケトン(ハードコート、ポリエステル樹脂に対する良溶媒、沸点79.6℃)55.7重量部及びシクロヘキサノン(貧溶媒よりも高沸点な良溶媒、沸点155.7℃)27.9重量部を均一に混合し、固形分濃度35重量%の防眩性ハードコート用塗工液(防眩性ハードコート層形成用材料)を調製した。なお、ポリエステル樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の含有比率は95.8:4.2(重量基準)であった。
次に厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製「A4300」]の表面に、上記塗工液を硬化膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工した。80℃のオーブンで1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで300mJ/cm2の紫外線を照射し防眩性ハードコートフィルムを得た。
この防眩性ハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0035】
比較例5
活性エネルギー線硬化型重合性化合物としてUV硬化型ハードコート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトZ7530」](前出)100重量部、シリカ微粒子[富士シリシア化学(株)製、商品名「サイリシア450」、平均粒径8μm]3.75重量部(活性エネルギー線硬化型重合性化合物の固形分100重量部に対し、5.4重量部)、エチルセロソルブ60.6重量部及びイソブタノール60.6重量部を均一に混合し、固形分濃度35重量%の防眩性ハードコート用塗工液(防眩性ハードコート層形成用材料)を調製した。
次に厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製「A4300」]の表面に、上記塗工液を硬化膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工した。80℃のオーブンで1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで300mJ/cm2の紫外線を照射し防眩性ハードコートフィルムを得た。
この防眩性ハードコートフィルムの性能を第1表に示す。
【0036】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の防眩性ハードコート層形成材料は、防眩性を付与する微粒子を含有しないか、含有してもその量を低減することができ、かつ高精細な防眩性及び安定な光学特性を有すると共に、耐擦傷性に優れる防眩性ハードコート層を形成することができ、防眩性ハードコートフィルム用に好適に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)活性エネルギー線硬化型重合性化合物、(B)熱可塑性樹脂、(C)前記(A)成分と(B)成分に対する良溶媒及び(D)前記(B)成分に対する貧溶媒を含み、かつ前記(A)成分と(B)成分の含有比率が、重量基準で100:0.3〜100:50であり、(C)成分と(D)成分の含有比率が、重量基準で99:1〜30:70であることを特徴とする防眩性ハードコート層形成用材料。
【請求項2】
(D)成分である溶媒の沸点が、(C)成分である溶媒の沸点よりも高い請求項1に記載の防眩性ハードコート層形成用材料。
【請求項3】
(B)成分である熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂及びアクリル系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の防眩性ハードコート層形成用材料。
【請求項4】
さらに(E)成分として無機系及び/又は有機系微粒子を、(A)成分と(B)成分との合計量100重量部に対し、0.1〜10重量部の割合で含む請求項1、2又は3に記載の防眩性ハードコート層形成用材料。
【請求項5】
基材フィルム上に、請求項1〜4のいずれかに記載の材料を用いて形成された、活性エネルギー線硬化樹脂層からなる防眩性ハードコート層を有することを特徴とする防眩性ハードコートフィルム。
【請求項6】
防眩性ハードコート層表面の算術平均粗さRaが、0.005〜0.300μmである請求項5に記載の防眩性ハードコートフィルム。
【請求項7】
ヘイズ値が2%以上である請求項5又は6に記載の防眩性ハードコートフィルム。
【請求項8】
60°グロス値が150以下である請求項5、6又は7に記載の防眩性ハードコートフィルム。
【請求項9】
透過鮮明度の合計値が100以上である請求項5〜8のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィルム。
【請求項10】
テーバー摩耗硬度試験前後のヘイズ値差が5%未満である請求項5〜9のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィルム。
【請求項11】
防眩性ハードコート層の厚さが、0.5〜20μmである請求項5〜10のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィルム。


【公開番号】特開2006−137835(P2006−137835A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−327987(P2004−327987)
【出願日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】