防音壁および防音ハウス
【課題】透光性を有して、低コストに、かつ、軽量に構築することのできる取り扱い易い簡易な構造の防音壁や防音ハウスを提供すること。
【解決手段】騒音の発生源から伝播する該騒音の透過を抑制する防音壁11であって、壁を支えるように並列する状態に立設される複数本の支柱部材12と、透光板材を一面側に取り付けられて支柱部材の間の表面側および裏面側を閉塞するように平面を縦方向にする姿勢で積み上げる複数枚の表裏一対の防音パネル14と、支柱部材および防音パネルにより形成される空間の上側開口部11aおよび下側開口部11bを閉塞する閉塞部材15と、を備えて、防音パネルの間に、支柱部材で区画されて閉塞されている空気層16を形成する。
【解決手段】騒音の発生源から伝播する該騒音の透過を抑制する防音壁11であって、壁を支えるように並列する状態に立設される複数本の支柱部材12と、透光板材を一面側に取り付けられて支柱部材の間の表面側および裏面側を閉塞するように平面を縦方向にする姿勢で積み上げる複数枚の表裏一対の防音パネル14と、支柱部材および防音パネルにより形成される空間の上側開口部11aおよび下側開口部11bを閉塞する閉塞部材15と、を備えて、防音パネルの間に、支柱部材で区画されて閉塞されている空気層16を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防音壁および防音ハウスに関し、詳しくは、騒音を抑制するのと同時に、光を透過可能な構造を容易に採用することのできる安価かつ簡易な構築を可能にするものに関する。
【背景技術】
【0002】
建築工事現場や幹線道路などから発生する騒音は、住環境等を損なうことから、騒音がそのまま周りに漏出しないように、防音壁や防音ハウスで囲うことが行われている。なお、騒音の規制値は、条例で規定されている。
【0003】
この防音壁や防音ハウスは、基本的には鉄骨フレームの構造物に防音パネルを取り付けたものであり、防音の効果は、防音パネル間の密閉性を除けば、防音パネル自体の防音性能により決まる。
【0004】
この種の防音パネルは、図11に示すように、騒音の発生源の反対側から、騒音を遮断する性能に優れる鉄板からなる遮音材101と、空気振動を減衰させる空気層102と、騒音を吸収するグラスウール等からなる吸音材103と、解かれた吸音材103が後述のパンチングメタルの穴から外部に出ないように閉塞するグラスクロスからなるカバークロス104と、鉄板に複数の穴105aが形成されているパンチングメタル105と、が積層状態に組み立てられており、この防音パネル100は、遮音効率の高い鉄板や吸音効率のよいグラスウールにより構成されて、その厚さを調整するなどして必要な性能を得るようにしている。また、防音ハウスでは、天井に防音パネルを設置して、その上に屋根材を架設するなど防水処理をするのが一般的である。
【0005】
その一方で、住居などが接近している場所に設置する場合には、隣接する建物に全く日光が当たらなくなる状況になるときもあり、その占用期間が長期にわたるときには、心理的圧迫などの問題もある。このことから、防音壁や防音ハウスでも、自主的に、できるだけ完全な日陰にならないようにすることが行われているが、防音パネルの内部の要素を除いて透光性を有する板材のみを枠内に取り付けたものでは防音性能が著しく劣るため、防音パネルとして機能するとともに透光性を備えるように工夫がなされている(特許文献1、2)。
【0006】
特許文献1には、道路における騒音を遮断するために設置する防音壁の防音パネルとして、厚板の透光材料の表面を加工して透過光を散乱させるように工夫しており、特許文献2には、図11に示す防音パネル100における遮音材101とパンチングメタル105とを透光性を持つ材料に変えるとともに、吸音材103とカバークロス104を省略して空気層にすることが提案されている。
【0007】
しかるに、特許文献1に記載のものでは、単なる厚板であることから、特に、居住地などにおける工事現場に設置する防音ハウスに採用するには、重すぎるとともに、薄くしたのでは騒音を抑制(減衰)する効果が十分ではない。また、特許文献2に記載のものでは、遮音材101は透光性を有する樹脂材料などになることから鉄板よりも騒音の遮断性能に劣るとともに、吸音材もなく、空気層も複数の穴を介して直接外部に連通していることから騒音を抑制する効果が十分ではない。
【0008】
その一方で、空気層の両面側を、透光性を有する樹脂製の板材により閉塞することにより光の透過率をそれほど低下させることなく、遮音性能を向上させている防音パネルが提案されている(特許文献3)。
【0009】
しかしながら、この特許文献3に記載の防音パネルにあっては、枠部材の両面に透光性樹脂材料からなる透光板材を接着などすることにより、閉塞されている空気層を内部に形成する構造になっており、この防音パネルを立てた姿勢のまま横方向や縦方向にネジ止めして連結することにより防音壁にする必要がある。
【0010】
このため、この防音パネルは、複数枚をネジ止め作業により連結して初めて防音壁等にすることができ、その1枚が高価であるとともに、作業に時間が掛かることから全体としては高コストになってしまうため採用し難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−65492号公報
【特許文献2】特開2002−146727号公報
【特許文献3】登録実用新案第3004928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明は、全体を低コストに、かつ、軽量に構築することのできる取り扱い易い簡易な構造の防音壁や防音ハウスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決する防音壁の発明は、騒音の発生源から伝播する該騒音の透過を抑制する防音壁であって、壁を支えるように並列する状態に立設される複数本の支柱部材と、該支柱部材の間の表面側および裏面側を閉塞するように平面を縦方向にする姿勢で積み上げる複数枚の表裏一対の防音板材と、前記支柱部材および前記防音板材により形成される空間の上側開口部および下側開口部を閉塞する閉塞部材と、を備えて、前記防音板材の間に、前記支柱部材で区画されて閉塞されている空気層を形成することを特徴とするものである。
【0014】
この発明では、支柱部材の表裏面に防音板材が積み上げられるとともに上下開口部には閉塞部材が設けられることにより閉塞された空間層が内部に形成される。したがって、騒音は、両面側の防音板材による遮音性能により透過することが妨げられるのと同時に、内部の空気層によっても減衰されるとともに、その空気層は閉塞されているので、防音板材を透過した後に空気層を外部に連通させる開口から抜けてしまうこともない。
【発明の効果】
【0015】
このように本発明によれば、支柱部材の表裏面に防音板材を積み上げて上下開口部に閉塞部材を設けるだけで、表裏両面の防音板材の内部に閉塞空間層を形成する防音壁を構築することができ、1枚の防音板材で減衰させた騒音が閉塞空気層から外部に抜けてしまうことなく、再度、1枚の防音板材で減衰させることができる。したがって、防音壁全体を取り扱い易い簡易で軽量な低コストの構造にすることができ、所望の箇所に容易に採用して安価に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る防音壁および防音ハウスの第1実施形態の概略全体構成を示す図であり、(a)はその外観斜視図、(b)はその鉛直方向の断面図である。
【図2】その要部構成を示す一部を拡大した鉛直方向の断面概念図である。
【図3】その要部部品を示す鉛直方向の断面図である。
【図4】その要部構成を示す図であり、(a)はその一部を拡大した水平方向の断面図、(b)はその一部を拡大した鉛直方向の断面図である。
【図5】その他の態様を示す図であり、(a)はその要部部品を示す鉛直方向の断面図、(b)はその要部部品を示す正面図、(c)はその一部構成を示す拡大した鉛直方向の断面図である。
【図6】本発明に係る防音壁および防音ハウスの第2実施形態の要部構成を示す一部を拡大した水平方向の断面図である。
【図7】本発明に係る防音壁および防音ハウスの第3実施形態の要部構成を示す一部を拡大した水平方向の断面図である。
【図8】本発明に係る防音壁および防音ハウスの第4実施形態を示す図であり、(a)はその要部構成を示す一部を拡大した鉛直方向の断面概念図、(b)はその要部部品を示す正面図である。
【図9】本発明に係る防音壁および防音ハウスの第5実施形態の要部構成を示す一部を拡大した鉛直方向の断面図である。
【図10】その他の態様を示す要部部品の斜視図である。
【図11】防音壁を構成する防音パネルの関連技術を示す図であり、その要部部品を示す鉛直方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態としては、上記の課題解決手段のように、騒音の発生源から伝播する該騒音の透過を抑制する防音壁であって、壁を支えるように並列する状態に立設される複数本の支柱部材と、該支柱部材の間の表面側および裏面側を閉塞するように平面を縦方向にする姿勢で積み上げる複数枚の表裏一対の防音板材と、前記支柱部材および前記防音板材により形成される空間の上側開口部および下側開口部を閉塞する閉塞部材と、を備えて、前記防音板材の間に、前記支柱部材で区画されて閉塞されている空気層を形成することを基本構成とするのに加えて、次の構成を備えてもよい。
【0018】
第1の形態としては、前記防音板材の全部または一部に、透光性を有する透光板材を用いてもよい。
【0019】
この形態では、防音壁の全部または一部、例えば、隣接する住居への日光を遮る箇所の防音板材として透光板材を用いることにより、日陰にしてしまうことなく、工事等を継続することができる。
【0020】
第2の形態としては、前記防音板材は、前記支柱部材に取り付けた保持部材により落込スペースを形成して、該落込スペース内に差し込んで積み上げてもよい。
【0021】
この形態では、支柱部材に保持部材を取り付けて形成した落込スペースに複数枚の防音板材を順次差し込むだけで積み上げることができ、容易に支柱部材の表裏面側を防音板材で閉塞する状態にすることができる。
【0022】
第3の形態としては、前記防音板材は、前記支柱部材の隣接方向あるいは高さ方向に応じて対面間隔を異ならせて、前記空気層の厚さを変化させてもよい。
【0023】
この形態では、住居の高さなど騒音を遮断する外部側の事情や、騒音の発生場所などの事情に応じて防音板材の間の対面間隔を変えて空気層の厚さを調整することができ、必要以上に厚くすることなく、効果的に騒音を遮断することができる。
【0024】
第4の形態としては、前記支柱部材としてH鋼を用いて、前記防音板材は、該H鋼の対面部の内面または外面のいずれか一方側に位置するように支持させてもよい。
【0025】
この形態では、H鋼の対面部の内面や外面を選択して防音板材を支持させることにより内部に形成する閉塞空気層の厚さを調整することができ、隣接方向や高さ方向にも選択する内面や外面を変えることにより必要な箇所に防音特性を容易に備えさせることができる。
【0026】
第5の形態としては、前記防音板材は、前記支柱部材間の表裏面の間にも介装されて、前記空気層を多層に区画するようにしてもよい。
【0027】
この形態では、支柱部材の表裏側の防音板材により閉塞されている空気層がその間の防音板材でさらに区画されて多層化されることにより、空気層の間の防音板材でも振動が低減されるとともに空気層間でそのまま伝播されることがなく、その支柱部材の表裏側の間の防音板材でも騒音が減衰される。
【0028】
第6の形態としては、前記防音板材は、平面方向に延在するリブ形状の桟が形成されていてもよい。
【0029】
この形態では、防音板材の表面または裏面の一方あるいは双方にリブ形状の桟が延在して平面方向(撓み方向)の強度を向上させることができる。
【0030】
第7の形態としては、前記防音板材の一面側または他面側の一方あるいは双方に、耐火シートが貼付されていてもよい。
【0031】
この形態では、防音板材が容易に着火してしまうことを抑制することができ、例えば、透光性を持たせるために樹脂材料により作製する場合にも自身が用意に燃焼してしまうことを制限することができる。
【0032】
第8の形態としては、騒音の発生源を覆って該騒音の外部への漏出を抑制する防音ハウスであって、上記の防音壁により前記騒音発生源の周囲を囲むとともに、当該防音壁により囲まれている空間の天井部も該防音壁の前記支柱部材を横臥姿勢に架設して前記防音板材と前記閉塞部材により閉塞されている空気層が形成されていてもよい。
【0033】
この形態では、壁だけでなく天井部でも、上記の防音壁での作用効果を得ることができ、騒音の発生源を覆って上方から抜け出てしまうことも防止することができる。
【0034】
第9の形態としては、前記天井部の上側の前記防音板材として、透光性を有する透光板材を傾斜させて屋根材にし、当該屋根材と前記天井部の下側の前記防音板材との間に厚さの変化する閉塞されている空気層を形成するようにしてもよい。
【0035】
この形態では、透光板材の屋根材と天井部下側の間に内方ほど厚さの拡大する大容量の空気層を形成することができ、より効果的に外部に放出される騒音を減衰させることができる。
【0036】
第10の形態としては、防音板材を外枠部材の両面側に固設して内部に空気層を形成する防音パネルを、前記防音板材として支柱部材の表裏面側に固設してもよい。
【0037】
この形態では、既成の防音パネルを利用して所望の厚さの空気層を有する防音壁や防音ハウスを構築することができ、表裏面の間の空気層を防音パネルの防音板材により多層に容易に区画することができる。
【0038】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図4は本発明に係る防音壁および防音ハウスの第1実施形態を示す図である。なお、本実施形態では、上述の図11に示す防音パネル100も利用することから、同一の符号を付して説明する。
【0039】
図1において、防音ハウス10は、例えば、工事するトンネル内への各種機材などの搬入・搬出口として縦穴Hが大きく開口するために、その縦穴Hから作業に伴う騒音が地上に漏出することを防止するために設置するものであり、その縦穴Hの周囲に防音壁11を立設するとともに、その防音壁11の上部開口を塞ぐように屋根としても機能する防音天井30を取り付けて全体を隙間なく覆うように構築されている。
【0040】
防音壁11は、図2にも図示するように、縦穴Hの隣接位置に作業場所を確保する四角のスペースを囲うように一定間隔で立設されている複数本の支柱部材12と、この支柱部材12の間の表面側(防音ハウス10の外部側)を閉塞するように平面を縦向き姿勢にして積み上げるようにして取り付けられている複数枚の防音パネル100と、同様に支柱部材12の間の表面側と裏面側(防音ハウス10の内部側)を閉塞するように平面を縦向き姿勢にして積み上げるようにして取り付けられている複数枚の防音パネル14と、この支柱部材12と防音パネル14により縦向きの面で囲まれている上側開口部11aと下側開口部11bを閉塞するように固設されている閉塞部材15と、により構成されており、この防音壁11は、防音パネル14に挟まれて閉塞部材15により閉塞されている空気層16が支柱部材12により並列方向に連続する複数空間に区画されている。なお、防音パネル100は、1枚で防音機能を有することから防音ハウス10の外面側に取り付けられている。
【0041】
防音天井30は、防音壁11の支柱部材12のH鋼をそのまま流用して横臥させる姿勢にした複数本の梁部材31の両端部側をその支柱部材12に並列状態になるように支持させており、防音壁11と同様に、その梁部材31には、天井の構成部材として複数枚の防音パネル100、14を横臥する姿勢で支持させることにより防音壁11により囲まれている天井部分を閉塞するようになっている。すなわち、防音パネル100は、梁部材31の間の表面側(防音ハウス10の外部側)を閉塞するように平面を横向きの水平姿勢にして隣接させるとともに、防音パネル14は、梁部材31の間の表面側と裏面側(防音ハウス10の内部側)を閉塞するように平面を横向きの水平姿勢にして隣接させることにより天井として機能するようになっており、その防音パネル14と梁部材31とで囲まれている開口部30aは、閉塞部材15が梁部材31に固設されて閉塞されている。これにより、この防音天井30でも、防音壁11と同様に、防音パネル14に挟まれて閉塞部材15により閉塞されている空気層16が梁部材31により並列方向に連続する複数空間に区画されている。なお、この防音天井30は、防音パネル100、14の境界部分には、適宜、隙間を埋める充填材を充填したり、あるいは、透明シートを被せて防水性を高めるようにすれば良い。
【0042】
防音パネル100は、上述の図11で説明したように、遮音材101と、空気層102と、吸音材103と、カバークロス104と、パンチングメタル105と、が所望の防音性能を発揮する厚さ以上にされて、負担なく搬送することができるなど、作業に適した縦横寸法(サイズ)に作製されて組み立てられている。この防音パネル100は、例えば、縦900mm、横1800mm、厚さ100mmの寸法に作製されて、防音ハウス10内で発生した騒音をパンチングメタル105の穴105aから内部に進入させて吸音材103で吸収した後にその透過分を空気層102で減衰させて遮音材101で反射することにより、防音ハウス10の外部にまで透過する騒音をできるだけ少なくするようになっている。
【0043】
また、防音パネル100は、遮音材101やパンチングメタル105を縦の姿勢にしたときの上面に、長手方向に延在する断面三角形の畝形状部100aが形成される一方、その下面には、長手方向に延在してその畝形状部100aを嵌め込んで位置決めする溝形状部100bが形成されており、その上面と下面を突き合わせて畝形状部100aと溝形状部100bとを嵌め合い係合させることにより、積み上げて1枚の防音壁11として、また、隣接させて防音天井30として機能するようになっている。
【0044】
防音パネル14は、図3に示すように、防音パネル100の外周部分に相当する枠形状に形成されて側面部21aの内方に開口部21bが両面側に開口しているフレーム部材21と、そのフレーム部材21の開口部21bよりも大面積に形成されて透光性を有するポリカーボネイトなどの樹脂材料からなる透光板材22と、が組み立てられて作製されており、透光板材22は、フレーム部材21の一面側の開口部21bを閉塞するように、周囲の4辺側端辺22aが内側から側面部21aにリベット23により固定されている。これにより、この防音パネル14は、重ねられても透光板材22がフレーム部材21の側面部21aの内方に位置して搬送時などに傷ついてしまうことを回避することができる。
【0045】
この防音パネル14の透光板材22は、閉塞空気層16と共に所望の遮音性能を発揮する厚さ以上に作製されており、日光を遮ることなく透過することを許容したり、内部から外部を、また、外部から内部を目視できるようにする場合には透明にする一方、ある程度の明り取り程度にして目視可能にするまでもない場合には、半透明にすればよい。また、この透光板材22は、周辺環境状況により両面側に耐火シート(図示は省略)を貼付するも良く、防音ハウス10の外部からの悪戯や事故により、また、防音ハウス10内での発火により容易に着火燃焼してしまうことを抑制することができる。
【0046】
また、この防音パネル14は、防音パネル100と外形寸法が同一に作製されており、同様に、上面と下面を突き合わせて畝形状部14aと溝形状部14bとを嵌め合い係合させることにより積み上げ、または、隣接させることができ、また、防音パネル100の上側や下側に位置させて積み上げたり、防音天井30では隣接させることもできるようになっている。
【0047】
支柱部材12や梁部材31は、図4(a)に示すように、断面H字形状のH鋼であり、防音パネル100、14の横幅に一致する間隔でH形のウェブ12w、31w(梁部材31は、図2を参照)を対面させており、フランジ(対面部)12f、31fが同一方向に延長されている姿勢で立設・並列されている。この支柱部材12や梁部材31には、ウェブ12w、31wの両側のフランジ12f、31fの内面12a、31a(31aは不図示)のそれぞれに防音パネル100、14の周縁部(防音パネル14では枠形状の側面部21a)を近接対面させる状態にしつつ内方に倒れないように支持する断面コ字形状の保持部材24K(断面L字形状の部材を2枚使いでも良い)がウェブ12w、31wに溶接されて(ネジ止めなどでもよい)固設されている。すなわち、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fと保持部材24Kとは、隣接する支柱部材12や梁部材31側との間で、防音パネル100、14を差込可能な厚さで開口する空間(落込スペース)を形成しており、その空間に順次差し込むだけで防音パネル100、14を積み上げたり、隣接させることができ、その防音パネル100、14を支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fに沿う姿勢に保持して、その支柱部材12や梁部材31の間を容易に閉塞状態にすることができるようになっている。なお、保持部材24Kは、防音パネル100、14の振動等を制限するように、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fに押し付ける方向に付勢する弾性機能を備えさせても良い。
【0048】
そして、この支柱部材12や梁部材31には、図1および図2に示すように、防音壁11の矢印Bで示す左側上部と防音天井30の矢印Aで示す左側で、透光性能を有する2枚の防音パネル14がそれぞれの透光板材22をフランジ12f、31f側に対面させる姿勢にして保持部材24Kとの間で支持するようにセットされており、透光性能を有さない1枚の防音パネル100が防音パネル14以外の箇所で防音ハウス10の外面側に位置するようにフランジ12f、31fと保持部材24Kとの間で支持するようにセットされている。
【0049】
閉塞部材15は、図4(b)に示すように、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fの間で、防音ハウス10の外面側にセットされる1枚の防音パネル100と、その防音パネル100の上側や隣接位置にセットされる2枚の防音パネル14との間に介装させるようにウェブ12w、31wに取り付けられており、そのウェブ12w、31wと同一幅に形成することにより防音パネル14の端辺側に密接して開口部11a、11b、30aを閉塞するようになっている。
【0050】
この閉塞部材15は、ウェブ12w、31wの幅方向中央に溶接等されて固設されている支持ブロック25に両端側を同様に溶接等されて支持されており、その両面側には、防音パネル14、100の端部側に圧接して畝形状部100aや溝形状部100bに倣うように変形して密接する、防振機能も兼ね備えるゴム部材15a、15bが貼付されている。これにより、閉塞部材15は、防音パネル14、100の振動を制限するとともに、防音パネル14による開口部11a、11b、30aを確実に閉塞することができるようになっている。なお、この閉塞部材15は、支持箇所をウェブ12w、31wの中央に限るものではなく、支持ブロック25に代えて、フランジ側にL字部材を固設して支持させるようにしても良い。
【0051】
また、閉塞部材15は、支柱部材12や梁部材31の間に架設するように長尺な部材に形成することにより、防音パネル14の全幅を閉塞する状態にして乗せるなどしている。
【0052】
これにより、防音壁11や防音天井30は、防音パネル100の上側や隣接位置に形成する、支柱部材12や梁部材31と防音パネル14の透光板材22との間の空間の開口部11a、11b、30aを閉塞部材15で閉塞することができる。このため、防音パネル100の設置位置では、本来の防音機能が発揮されるとともに、防音パネル14の設置位置では、透光板材22自体による遮音効果に加えて、フレーム部材21の厚さの2枚分に、その間の保持部材24Kの支持スペース分を加えた厚さ、例えば、250mmの閉塞された空気層16による振動の減衰効果により十分な防音効果を得ることができ、この空気層16は閉塞されているので、外部に連通する開口箇所から内部に進入した騒音が漏れてしまうこともない。ここで、透光板材22の間の閉塞空気層16の厚さとしては、支柱部材12や梁部材31の厚さがあれば十分であり、例えば、100mm以上あれば期待する防音効果を得ることができ、より好ましくは、150mm以上、さらには、防音パネル14を重ねたときの200mm程度あれば所望の防音性能を得ることができる。
【0053】
さらに、この防音壁11や防音天井30は、左側上部に透光性能を有する防音パネル14を配置しているので、遮光してしまうことなく、隣接する住居などが日陰になってしまうことを回避することができ、日光を確保しつつ騒音を低減させている環境内で工事を継続することができる。
【0054】
このように本実施形態においては、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31f間に防音パネル100や防音パネル14(透光板材22)を積み上げて、その防音パネル14の両端側に開口する開口部11a、11b、30aを閉塞部材15で閉塞するだけで、防音パネル100だけでなく、透光性能を有する防音パネル14でも2枚の透光板材22による遮音効果と共に閉塞空気層16による減衰効果で十分な防音効果を得ることができる。したがって、防音パネル14のように透光板材22を枠形状のフレーム部材21に取り付けるだけの簡易で軽量な低コストに作製可能な構造でも、防音効果を得つつ所望の透光性能を備えさせることができ、住宅地に近い現場でも騒音を低減する防音ハウス10を設置して住環境を損なうことなく工事を継続することができる。
【0055】
本実施形態の第1の他の態様としては、図示することは省略するが、上述実施形態では、既存の防音パネル100を利用する場合を一例にして説明するが、これに限らず、例えば、透光性能を必要としない箇所でも、透光板材22に代えて、遮音特性に優れる鉄板(防音板材)を取り付けて、防音パネル14と同様に積み上げるなどして防音ハウスを構築するようにしても良い。この場合には、同様な構造の防音パネルを積み上げるなどして防音ハウスを構築することができ、必要な防音性能に応じて使い分けることにより、さらに、低コスト化を図ることができる。
【0056】
また、第2の他の態様としては、上述実施形態では、透光板材22をフレーム部材21の側面部21aの内側に固定することにより内側に位置させて傷が付くことを回避するようにしているが、これに限るものではなく、例えば、図5に示すように、その側面部21aを内側に窪ませて外面側に透光板材22を取り付ける構造でも傷付くことを回避することができるとともに、リベット23が重ねる際に邪魔になることを回避することもできる。また、同図に示すように、透光板材22の一面側(両面でも良い)中央の短尺方向(長尺方向でも良い)にリブ形状で延在する桟部26を形成して、平面方向の強度を向上させることができる。また、同図に示すように、そのフレーム部材21の前面側の左右に、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fに圧接させて変形密着させる防振機能を有するゴム部材27を設けることにより、振動等の発生を制限するとともに閉塞度を向上させたり、そのフレーム部材21の上面や下面にも同様に防振機能を有するゴム部材28a、28bを両側辺と中央とで長手方向に延在するように設けることにより、積み上げるなどして互いに圧接させる際に変形させて振動等の発生を制限するとともに閉塞度を向上させてもよい。さらに、同図に示すように、フレーム部材21の側面部21aと透光板材22の4辺側端辺22aとの間の4辺にも同様に防振機能を有するゴム部材29を介在させて、リベット23で固定する際に圧接変形させて振動等の発生を制限するとともに閉塞度を向上させてもよい。
【0057】
次に、図6は本発明に係る防音壁および防音ハウスの第2実施形態を示す図である。ここで、本実施形態は、上述実施形態と略同様に構成されていることから、同様の構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する(以下で説明する他の実施形態においても同様)。
【0058】
図6において、防音ハウス10における防音壁11の支柱部材12や防音天井30の梁部材31は、フランジ12f、31fの外面12b、31b(31bは図示を省略)のそれぞれに防音パネル100、14の周縁部(防音パネル14では枠形状の側面部21a)を近接対面させる状態にしつつ外方に倒れないように支持する断面T字形状の保持部材24Tがフランジ12f、31f間のウェブ12w、31wの外側延長線上に溶接されて(ネジ止めなどでもよい)固設されている。すなわち、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fと保持部材24Tとは、隣接する支柱部材12や梁部材31側との間で、防音パネル100、14を差込可能な厚さで開口する空間(落込スペース)を形成しており、その空間に順次差し込むだけで防音パネル100、14を積み上げたり、隣接させることができ、その防音パネル100、14を支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fに沿う姿勢に保持して、その支柱部材12や梁部材31の間を容易に閉塞する状態にできるようになっている。なお、保持部材24Tは、防音パネル100、14の振動等を制限するように、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fに押し付ける方向に付勢する弾性機能を備えさせても良い。
【0059】
そして、この支柱部材12や梁部材31には、防音壁11の左側上部と防音天井30の左側に、透光性能を有する2枚の防音パネル14がそれぞれの透光板材22をフランジ12f、31fから離隔する外側で対面する姿勢にして保持部材24Tとの間で支持するようにセットされており、透光性能を有さない1枚の防音パネル100が防音パネル14以外の箇所で防音ハウス10の外面側に位置するようにフランジ12f、31fと保持部材24Tとの間で支持するようにセットされている。
【0060】
なお、閉塞部材15は、図示することは省略するが、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fの外側に位置する1枚の防音パネル100と、その防音パネル100の上側や隣接位置にセットされる2枚の防音パネル14との間に介装させることができるように、フランジ12f、31fの外側に張り出す形状に形成して防音パネル14の端辺側の開口部11a、11b、30aを閉塞するようにすればよい。
【0061】
これにより、防音壁11や防音天井30は、透光板材22の対面間隔である閉塞空気層16の厚さを変えることができ、ここでは、支柱部材12や梁部材31のH鋼の幅である250mmに、防音パネル14の厚さ100mmの2枚分を加えた厚さの閉塞空気層16による防音効果を得ることができる。
【0062】
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、住居の高さなど騒音を遮断する外部側の事情や、騒音の発生場所などの事情によって異なる隣接方向あるいは高さ方向の必要な防音機能に応じて、透光板材22間の閉塞空気層16の厚さを変えて得られる防音効果を調整することができる。したがって、防音壁11や防音天井30の全体を不必要に厚くし過ぎることなく、最適な構造の防音ハウス10を設置することができる。
【0063】
次に、図7は本発明に係る防音壁および防音ハウスの第3実施形態を示す図である。
図7において、防音ハウス10における防音壁11の支柱部材12や防音天井30の梁部材31は、上述の第1、第2実施形態における保持部材24K、24Tを備えることにより、フランジ12f、31fの内面12a、31a(31aは不図示)側と外面12b、31b(31bは不図示)側の双方に、防音パネル100、14の周縁部(防音パネル14では枠形状の側面部21a)を近接対面させる状態にして支持できるようになっている。ここで、本実施形態では、フランジ12f、31fの内側に2枚の防音パネル14を介在させているが、これに限るものではなく、1枚でもよく、また、支柱部材12や梁部材31のサイズを変えることにより、より多くの防音パネル14を介在させることができるようにしても良いことは言うまでもない。
【0064】
これにより、防音壁11や防音天井30は、防音パネル14(透光板材22)の間に防音パネル14(透光板材22)を介在させて閉塞空気層16を厚さ方向に多層化して区画することができ、透光板材22の両側の空気層16に振動がそのまま伝達されるのを制限することができるとともに、その間に介在する透光板材22による遮音効果により防音効果を向上させることができる。
【0065】
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、住居の高さなど騒音を遮断する外部側の事情や、騒音の発生場所などの事情によって異なる隣接方向あるいは高さ方向の必要な防音機能に応じて、介在させる透光板材22を追加して防音効果を調整することができる。したがって、防音壁11や防音天井30の全体を不必要に厚くし過ぎることなく、最適な構造の防音ハウス10を設置することができる。
【0066】
本実施形態の他の態様としては、図示することは省略するが、透光板材22をフレーム部材21の両面側に取り付けた防音パネル14を支柱部材12や梁部材31に支持させるようにしても良く、この場合には、より多くの枚数の透光板材22を閉塞空気層16内に介在させて区画させることができる。
【0067】
次に、図8は本発明に係る防音壁および防音ハウスの第4実施形態を示す図である。
図8において、防音ハウス10の防音天井30は、上述の実施形態における梁部材31に代えて、防音壁11の支柱部材12の側面に大梁部材32の両端部を支持させて並列させるとともに、その大梁部材32の上側で直交方向に並列させるように複数本の小梁部材33を固定して、この小梁部材33の上に防音パネル14、100を横臥する姿勢でXY方向に敷き詰めて支持させることにより防音壁11により囲まれている天井部分を閉塞するようになっている。この防音天井30は、小梁部材33の上に外側ほど高さhの低くなる屋根トラス部材37が立設されており、その屋根トラスト37の上には、防音パネル14の透光板材22に代えて、透光性を有するポリカーボネイトなどの樹脂材料からなる折板屋根材(防音板材)34が傾斜する姿勢で支持されている。
【0068】
折板屋根材34は、縦断面が谷形状と山形状の連続する波形状になるように折り曲げられて大面積の屋根材に作製されている。
【0069】
これにより、この防音天井30では、防音壁11の天井側を閉塞することができるとともに、小梁部材33上の防音パネル14、100と折板屋根材34との間に、内方ほど厚さの拡大する空気層36を閉塞状態にして形成することができ、その空気層36の厚さで効果的に騒音を減衰させることができる。また、防音パネル14、100に代えて、折板屋根材34を用いることにより防水性の透明シートを張るなどの作業を省くことができ、作業量や使用する部材を軽減することができる。
【0070】
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、上方から抜ける騒音をより低減することができ、また、専用の屋根材を用いることにより特別な防水加工をする必要をなくして、低コスト化することができる。
【0071】
次に、図9および図10は本発明に係る防音壁および防音ハウスの第5実施形態を示す図である。
【0072】
図9において、防音ハウス10における防音壁11や防音天井30は、上述実施形態では透光板材22をフレーム部材21に取り付けて積み上げることを実現していたが、これに代えて、フレーム部材21を省略して積み上げることができる程度の厚さの透光板材(防音板材)44を採用して積み上げたり、隣接させるようになっており、この透光板材44は、断面H字形状の連結部材41のフランジ41fの間に上下端部44a、44bを差し込んでウェブ41wを挟み込む状態にして積み上げるようになっている。この連結部材41は、変形して密接する防振機能を有するゴム部材42がウェブ41wの両面に貼付されており、その透光板材44の振動を制限するようになっている。
【0073】
これにより、防音壁11や防音天井30は、単なる板材の透光板材44を積み上げるだけで閉塞空気層16を形成することができ、厚めの板厚の透光板材44にしているので、より優れた防音効果を得ることができる。
【0074】
ただし、透光板材44が厚く重過ぎる場合には、図10(a)に示すように、長尺方向の上面と下面との間を相似形状で貫通して肉薄にする貫通穴45aが形成されている透光板材45を用いたり、短尺方向の側面の間を相似形状で貫通して肉薄にする貫通穴46aが形成されている透光板材46を用いることにより軽量化することもできる。この場合には、透光板材45、46の外面側に2枚の透光板材が存在するとともに、その間の貫通穴45a、46a内に空気層を形成する構造にになって、この構造でも騒音を減衰させることができる。
【0075】
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、透光板材44〜46自体を積み上げて組み立てることができ、より作業性を向上させて低コスト化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0077】
10……防音ハウス 11……防音壁 11a……上側開口部 11b……下側開口部 12……支柱部材 12f、31f……フランジ 12w、31w……ウェブ 14……防音パネル 15……閉塞部材 16、36……空気層 21……フレーム部材 21b……開口部 22、44〜46……透光板材 24K……保持部材 24T……保持部材 25……支持ブロック 26……桟部 30……防音天井 30a……開口部 31……梁部材 32……大梁部材 33……小梁部材 34……折板屋根材 41……連結部材 45a、46a……貫通穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、防音壁および防音ハウスに関し、詳しくは、騒音を抑制するのと同時に、光を透過可能な構造を容易に採用することのできる安価かつ簡易な構築を可能にするものに関する。
【背景技術】
【0002】
建築工事現場や幹線道路などから発生する騒音は、住環境等を損なうことから、騒音がそのまま周りに漏出しないように、防音壁や防音ハウスで囲うことが行われている。なお、騒音の規制値は、条例で規定されている。
【0003】
この防音壁や防音ハウスは、基本的には鉄骨フレームの構造物に防音パネルを取り付けたものであり、防音の効果は、防音パネル間の密閉性を除けば、防音パネル自体の防音性能により決まる。
【0004】
この種の防音パネルは、図11に示すように、騒音の発生源の反対側から、騒音を遮断する性能に優れる鉄板からなる遮音材101と、空気振動を減衰させる空気層102と、騒音を吸収するグラスウール等からなる吸音材103と、解かれた吸音材103が後述のパンチングメタルの穴から外部に出ないように閉塞するグラスクロスからなるカバークロス104と、鉄板に複数の穴105aが形成されているパンチングメタル105と、が積層状態に組み立てられており、この防音パネル100は、遮音効率の高い鉄板や吸音効率のよいグラスウールにより構成されて、その厚さを調整するなどして必要な性能を得るようにしている。また、防音ハウスでは、天井に防音パネルを設置して、その上に屋根材を架設するなど防水処理をするのが一般的である。
【0005】
その一方で、住居などが接近している場所に設置する場合には、隣接する建物に全く日光が当たらなくなる状況になるときもあり、その占用期間が長期にわたるときには、心理的圧迫などの問題もある。このことから、防音壁や防音ハウスでも、自主的に、できるだけ完全な日陰にならないようにすることが行われているが、防音パネルの内部の要素を除いて透光性を有する板材のみを枠内に取り付けたものでは防音性能が著しく劣るため、防音パネルとして機能するとともに透光性を備えるように工夫がなされている(特許文献1、2)。
【0006】
特許文献1には、道路における騒音を遮断するために設置する防音壁の防音パネルとして、厚板の透光材料の表面を加工して透過光を散乱させるように工夫しており、特許文献2には、図11に示す防音パネル100における遮音材101とパンチングメタル105とを透光性を持つ材料に変えるとともに、吸音材103とカバークロス104を省略して空気層にすることが提案されている。
【0007】
しかるに、特許文献1に記載のものでは、単なる厚板であることから、特に、居住地などにおける工事現場に設置する防音ハウスに採用するには、重すぎるとともに、薄くしたのでは騒音を抑制(減衰)する効果が十分ではない。また、特許文献2に記載のものでは、遮音材101は透光性を有する樹脂材料などになることから鉄板よりも騒音の遮断性能に劣るとともに、吸音材もなく、空気層も複数の穴を介して直接外部に連通していることから騒音を抑制する効果が十分ではない。
【0008】
その一方で、空気層の両面側を、透光性を有する樹脂製の板材により閉塞することにより光の透過率をそれほど低下させることなく、遮音性能を向上させている防音パネルが提案されている(特許文献3)。
【0009】
しかしながら、この特許文献3に記載の防音パネルにあっては、枠部材の両面に透光性樹脂材料からなる透光板材を接着などすることにより、閉塞されている空気層を内部に形成する構造になっており、この防音パネルを立てた姿勢のまま横方向や縦方向にネジ止めして連結することにより防音壁にする必要がある。
【0010】
このため、この防音パネルは、複数枚をネジ止め作業により連結して初めて防音壁等にすることができ、その1枚が高価であるとともに、作業に時間が掛かることから全体としては高コストになってしまうため採用し難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−65492号公報
【特許文献2】特開2002−146727号公報
【特許文献3】登録実用新案第3004928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明は、全体を低コストに、かつ、軽量に構築することのできる取り扱い易い簡易な構造の防音壁や防音ハウスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決する防音壁の発明は、騒音の発生源から伝播する該騒音の透過を抑制する防音壁であって、壁を支えるように並列する状態に立設される複数本の支柱部材と、該支柱部材の間の表面側および裏面側を閉塞するように平面を縦方向にする姿勢で積み上げる複数枚の表裏一対の防音板材と、前記支柱部材および前記防音板材により形成される空間の上側開口部および下側開口部を閉塞する閉塞部材と、を備えて、前記防音板材の間に、前記支柱部材で区画されて閉塞されている空気層を形成することを特徴とするものである。
【0014】
この発明では、支柱部材の表裏面に防音板材が積み上げられるとともに上下開口部には閉塞部材が設けられることにより閉塞された空間層が内部に形成される。したがって、騒音は、両面側の防音板材による遮音性能により透過することが妨げられるのと同時に、内部の空気層によっても減衰されるとともに、その空気層は閉塞されているので、防音板材を透過した後に空気層を外部に連通させる開口から抜けてしまうこともない。
【発明の効果】
【0015】
このように本発明によれば、支柱部材の表裏面に防音板材を積み上げて上下開口部に閉塞部材を設けるだけで、表裏両面の防音板材の内部に閉塞空間層を形成する防音壁を構築することができ、1枚の防音板材で減衰させた騒音が閉塞空気層から外部に抜けてしまうことなく、再度、1枚の防音板材で減衰させることができる。したがって、防音壁全体を取り扱い易い簡易で軽量な低コストの構造にすることができ、所望の箇所に容易に採用して安価に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る防音壁および防音ハウスの第1実施形態の概略全体構成を示す図であり、(a)はその外観斜視図、(b)はその鉛直方向の断面図である。
【図2】その要部構成を示す一部を拡大した鉛直方向の断面概念図である。
【図3】その要部部品を示す鉛直方向の断面図である。
【図4】その要部構成を示す図であり、(a)はその一部を拡大した水平方向の断面図、(b)はその一部を拡大した鉛直方向の断面図である。
【図5】その他の態様を示す図であり、(a)はその要部部品を示す鉛直方向の断面図、(b)はその要部部品を示す正面図、(c)はその一部構成を示す拡大した鉛直方向の断面図である。
【図6】本発明に係る防音壁および防音ハウスの第2実施形態の要部構成を示す一部を拡大した水平方向の断面図である。
【図7】本発明に係る防音壁および防音ハウスの第3実施形態の要部構成を示す一部を拡大した水平方向の断面図である。
【図8】本発明に係る防音壁および防音ハウスの第4実施形態を示す図であり、(a)はその要部構成を示す一部を拡大した鉛直方向の断面概念図、(b)はその要部部品を示す正面図である。
【図9】本発明に係る防音壁および防音ハウスの第5実施形態の要部構成を示す一部を拡大した鉛直方向の断面図である。
【図10】その他の態様を示す要部部品の斜視図である。
【図11】防音壁を構成する防音パネルの関連技術を示す図であり、その要部部品を示す鉛直方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態としては、上記の課題解決手段のように、騒音の発生源から伝播する該騒音の透過を抑制する防音壁であって、壁を支えるように並列する状態に立設される複数本の支柱部材と、該支柱部材の間の表面側および裏面側を閉塞するように平面を縦方向にする姿勢で積み上げる複数枚の表裏一対の防音板材と、前記支柱部材および前記防音板材により形成される空間の上側開口部および下側開口部を閉塞する閉塞部材と、を備えて、前記防音板材の間に、前記支柱部材で区画されて閉塞されている空気層を形成することを基本構成とするのに加えて、次の構成を備えてもよい。
【0018】
第1の形態としては、前記防音板材の全部または一部に、透光性を有する透光板材を用いてもよい。
【0019】
この形態では、防音壁の全部または一部、例えば、隣接する住居への日光を遮る箇所の防音板材として透光板材を用いることにより、日陰にしてしまうことなく、工事等を継続することができる。
【0020】
第2の形態としては、前記防音板材は、前記支柱部材に取り付けた保持部材により落込スペースを形成して、該落込スペース内に差し込んで積み上げてもよい。
【0021】
この形態では、支柱部材に保持部材を取り付けて形成した落込スペースに複数枚の防音板材を順次差し込むだけで積み上げることができ、容易に支柱部材の表裏面側を防音板材で閉塞する状態にすることができる。
【0022】
第3の形態としては、前記防音板材は、前記支柱部材の隣接方向あるいは高さ方向に応じて対面間隔を異ならせて、前記空気層の厚さを変化させてもよい。
【0023】
この形態では、住居の高さなど騒音を遮断する外部側の事情や、騒音の発生場所などの事情に応じて防音板材の間の対面間隔を変えて空気層の厚さを調整することができ、必要以上に厚くすることなく、効果的に騒音を遮断することができる。
【0024】
第4の形態としては、前記支柱部材としてH鋼を用いて、前記防音板材は、該H鋼の対面部の内面または外面のいずれか一方側に位置するように支持させてもよい。
【0025】
この形態では、H鋼の対面部の内面や外面を選択して防音板材を支持させることにより内部に形成する閉塞空気層の厚さを調整することができ、隣接方向や高さ方向にも選択する内面や外面を変えることにより必要な箇所に防音特性を容易に備えさせることができる。
【0026】
第5の形態としては、前記防音板材は、前記支柱部材間の表裏面の間にも介装されて、前記空気層を多層に区画するようにしてもよい。
【0027】
この形態では、支柱部材の表裏側の防音板材により閉塞されている空気層がその間の防音板材でさらに区画されて多層化されることにより、空気層の間の防音板材でも振動が低減されるとともに空気層間でそのまま伝播されることがなく、その支柱部材の表裏側の間の防音板材でも騒音が減衰される。
【0028】
第6の形態としては、前記防音板材は、平面方向に延在するリブ形状の桟が形成されていてもよい。
【0029】
この形態では、防音板材の表面または裏面の一方あるいは双方にリブ形状の桟が延在して平面方向(撓み方向)の強度を向上させることができる。
【0030】
第7の形態としては、前記防音板材の一面側または他面側の一方あるいは双方に、耐火シートが貼付されていてもよい。
【0031】
この形態では、防音板材が容易に着火してしまうことを抑制することができ、例えば、透光性を持たせるために樹脂材料により作製する場合にも自身が用意に燃焼してしまうことを制限することができる。
【0032】
第8の形態としては、騒音の発生源を覆って該騒音の外部への漏出を抑制する防音ハウスであって、上記の防音壁により前記騒音発生源の周囲を囲むとともに、当該防音壁により囲まれている空間の天井部も該防音壁の前記支柱部材を横臥姿勢に架設して前記防音板材と前記閉塞部材により閉塞されている空気層が形成されていてもよい。
【0033】
この形態では、壁だけでなく天井部でも、上記の防音壁での作用効果を得ることができ、騒音の発生源を覆って上方から抜け出てしまうことも防止することができる。
【0034】
第9の形態としては、前記天井部の上側の前記防音板材として、透光性を有する透光板材を傾斜させて屋根材にし、当該屋根材と前記天井部の下側の前記防音板材との間に厚さの変化する閉塞されている空気層を形成するようにしてもよい。
【0035】
この形態では、透光板材の屋根材と天井部下側の間に内方ほど厚さの拡大する大容量の空気層を形成することができ、より効果的に外部に放出される騒音を減衰させることができる。
【0036】
第10の形態としては、防音板材を外枠部材の両面側に固設して内部に空気層を形成する防音パネルを、前記防音板材として支柱部材の表裏面側に固設してもよい。
【0037】
この形態では、既成の防音パネルを利用して所望の厚さの空気層を有する防音壁や防音ハウスを構築することができ、表裏面の間の空気層を防音パネルの防音板材により多層に容易に区画することができる。
【0038】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図4は本発明に係る防音壁および防音ハウスの第1実施形態を示す図である。なお、本実施形態では、上述の図11に示す防音パネル100も利用することから、同一の符号を付して説明する。
【0039】
図1において、防音ハウス10は、例えば、工事するトンネル内への各種機材などの搬入・搬出口として縦穴Hが大きく開口するために、その縦穴Hから作業に伴う騒音が地上に漏出することを防止するために設置するものであり、その縦穴Hの周囲に防音壁11を立設するとともに、その防音壁11の上部開口を塞ぐように屋根としても機能する防音天井30を取り付けて全体を隙間なく覆うように構築されている。
【0040】
防音壁11は、図2にも図示するように、縦穴Hの隣接位置に作業場所を確保する四角のスペースを囲うように一定間隔で立設されている複数本の支柱部材12と、この支柱部材12の間の表面側(防音ハウス10の外部側)を閉塞するように平面を縦向き姿勢にして積み上げるようにして取り付けられている複数枚の防音パネル100と、同様に支柱部材12の間の表面側と裏面側(防音ハウス10の内部側)を閉塞するように平面を縦向き姿勢にして積み上げるようにして取り付けられている複数枚の防音パネル14と、この支柱部材12と防音パネル14により縦向きの面で囲まれている上側開口部11aと下側開口部11bを閉塞するように固設されている閉塞部材15と、により構成されており、この防音壁11は、防音パネル14に挟まれて閉塞部材15により閉塞されている空気層16が支柱部材12により並列方向に連続する複数空間に区画されている。なお、防音パネル100は、1枚で防音機能を有することから防音ハウス10の外面側に取り付けられている。
【0041】
防音天井30は、防音壁11の支柱部材12のH鋼をそのまま流用して横臥させる姿勢にした複数本の梁部材31の両端部側をその支柱部材12に並列状態になるように支持させており、防音壁11と同様に、その梁部材31には、天井の構成部材として複数枚の防音パネル100、14を横臥する姿勢で支持させることにより防音壁11により囲まれている天井部分を閉塞するようになっている。すなわち、防音パネル100は、梁部材31の間の表面側(防音ハウス10の外部側)を閉塞するように平面を横向きの水平姿勢にして隣接させるとともに、防音パネル14は、梁部材31の間の表面側と裏面側(防音ハウス10の内部側)を閉塞するように平面を横向きの水平姿勢にして隣接させることにより天井として機能するようになっており、その防音パネル14と梁部材31とで囲まれている開口部30aは、閉塞部材15が梁部材31に固設されて閉塞されている。これにより、この防音天井30でも、防音壁11と同様に、防音パネル14に挟まれて閉塞部材15により閉塞されている空気層16が梁部材31により並列方向に連続する複数空間に区画されている。なお、この防音天井30は、防音パネル100、14の境界部分には、適宜、隙間を埋める充填材を充填したり、あるいは、透明シートを被せて防水性を高めるようにすれば良い。
【0042】
防音パネル100は、上述の図11で説明したように、遮音材101と、空気層102と、吸音材103と、カバークロス104と、パンチングメタル105と、が所望の防音性能を発揮する厚さ以上にされて、負担なく搬送することができるなど、作業に適した縦横寸法(サイズ)に作製されて組み立てられている。この防音パネル100は、例えば、縦900mm、横1800mm、厚さ100mmの寸法に作製されて、防音ハウス10内で発生した騒音をパンチングメタル105の穴105aから内部に進入させて吸音材103で吸収した後にその透過分を空気層102で減衰させて遮音材101で反射することにより、防音ハウス10の外部にまで透過する騒音をできるだけ少なくするようになっている。
【0043】
また、防音パネル100は、遮音材101やパンチングメタル105を縦の姿勢にしたときの上面に、長手方向に延在する断面三角形の畝形状部100aが形成される一方、その下面には、長手方向に延在してその畝形状部100aを嵌め込んで位置決めする溝形状部100bが形成されており、その上面と下面を突き合わせて畝形状部100aと溝形状部100bとを嵌め合い係合させることにより、積み上げて1枚の防音壁11として、また、隣接させて防音天井30として機能するようになっている。
【0044】
防音パネル14は、図3に示すように、防音パネル100の外周部分に相当する枠形状に形成されて側面部21aの内方に開口部21bが両面側に開口しているフレーム部材21と、そのフレーム部材21の開口部21bよりも大面積に形成されて透光性を有するポリカーボネイトなどの樹脂材料からなる透光板材22と、が組み立てられて作製されており、透光板材22は、フレーム部材21の一面側の開口部21bを閉塞するように、周囲の4辺側端辺22aが内側から側面部21aにリベット23により固定されている。これにより、この防音パネル14は、重ねられても透光板材22がフレーム部材21の側面部21aの内方に位置して搬送時などに傷ついてしまうことを回避することができる。
【0045】
この防音パネル14の透光板材22は、閉塞空気層16と共に所望の遮音性能を発揮する厚さ以上に作製されており、日光を遮ることなく透過することを許容したり、内部から外部を、また、外部から内部を目視できるようにする場合には透明にする一方、ある程度の明り取り程度にして目視可能にするまでもない場合には、半透明にすればよい。また、この透光板材22は、周辺環境状況により両面側に耐火シート(図示は省略)を貼付するも良く、防音ハウス10の外部からの悪戯や事故により、また、防音ハウス10内での発火により容易に着火燃焼してしまうことを抑制することができる。
【0046】
また、この防音パネル14は、防音パネル100と外形寸法が同一に作製されており、同様に、上面と下面を突き合わせて畝形状部14aと溝形状部14bとを嵌め合い係合させることにより積み上げ、または、隣接させることができ、また、防音パネル100の上側や下側に位置させて積み上げたり、防音天井30では隣接させることもできるようになっている。
【0047】
支柱部材12や梁部材31は、図4(a)に示すように、断面H字形状のH鋼であり、防音パネル100、14の横幅に一致する間隔でH形のウェブ12w、31w(梁部材31は、図2を参照)を対面させており、フランジ(対面部)12f、31fが同一方向に延長されている姿勢で立設・並列されている。この支柱部材12や梁部材31には、ウェブ12w、31wの両側のフランジ12f、31fの内面12a、31a(31aは不図示)のそれぞれに防音パネル100、14の周縁部(防音パネル14では枠形状の側面部21a)を近接対面させる状態にしつつ内方に倒れないように支持する断面コ字形状の保持部材24K(断面L字形状の部材を2枚使いでも良い)がウェブ12w、31wに溶接されて(ネジ止めなどでもよい)固設されている。すなわち、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fと保持部材24Kとは、隣接する支柱部材12や梁部材31側との間で、防音パネル100、14を差込可能な厚さで開口する空間(落込スペース)を形成しており、その空間に順次差し込むだけで防音パネル100、14を積み上げたり、隣接させることができ、その防音パネル100、14を支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fに沿う姿勢に保持して、その支柱部材12や梁部材31の間を容易に閉塞状態にすることができるようになっている。なお、保持部材24Kは、防音パネル100、14の振動等を制限するように、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fに押し付ける方向に付勢する弾性機能を備えさせても良い。
【0048】
そして、この支柱部材12や梁部材31には、図1および図2に示すように、防音壁11の矢印Bで示す左側上部と防音天井30の矢印Aで示す左側で、透光性能を有する2枚の防音パネル14がそれぞれの透光板材22をフランジ12f、31f側に対面させる姿勢にして保持部材24Kとの間で支持するようにセットされており、透光性能を有さない1枚の防音パネル100が防音パネル14以外の箇所で防音ハウス10の外面側に位置するようにフランジ12f、31fと保持部材24Kとの間で支持するようにセットされている。
【0049】
閉塞部材15は、図4(b)に示すように、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fの間で、防音ハウス10の外面側にセットされる1枚の防音パネル100と、その防音パネル100の上側や隣接位置にセットされる2枚の防音パネル14との間に介装させるようにウェブ12w、31wに取り付けられており、そのウェブ12w、31wと同一幅に形成することにより防音パネル14の端辺側に密接して開口部11a、11b、30aを閉塞するようになっている。
【0050】
この閉塞部材15は、ウェブ12w、31wの幅方向中央に溶接等されて固設されている支持ブロック25に両端側を同様に溶接等されて支持されており、その両面側には、防音パネル14、100の端部側に圧接して畝形状部100aや溝形状部100bに倣うように変形して密接する、防振機能も兼ね備えるゴム部材15a、15bが貼付されている。これにより、閉塞部材15は、防音パネル14、100の振動を制限するとともに、防音パネル14による開口部11a、11b、30aを確実に閉塞することができるようになっている。なお、この閉塞部材15は、支持箇所をウェブ12w、31wの中央に限るものではなく、支持ブロック25に代えて、フランジ側にL字部材を固設して支持させるようにしても良い。
【0051】
また、閉塞部材15は、支柱部材12や梁部材31の間に架設するように長尺な部材に形成することにより、防音パネル14の全幅を閉塞する状態にして乗せるなどしている。
【0052】
これにより、防音壁11や防音天井30は、防音パネル100の上側や隣接位置に形成する、支柱部材12や梁部材31と防音パネル14の透光板材22との間の空間の開口部11a、11b、30aを閉塞部材15で閉塞することができる。このため、防音パネル100の設置位置では、本来の防音機能が発揮されるとともに、防音パネル14の設置位置では、透光板材22自体による遮音効果に加えて、フレーム部材21の厚さの2枚分に、その間の保持部材24Kの支持スペース分を加えた厚さ、例えば、250mmの閉塞された空気層16による振動の減衰効果により十分な防音効果を得ることができ、この空気層16は閉塞されているので、外部に連通する開口箇所から内部に進入した騒音が漏れてしまうこともない。ここで、透光板材22の間の閉塞空気層16の厚さとしては、支柱部材12や梁部材31の厚さがあれば十分であり、例えば、100mm以上あれば期待する防音効果を得ることができ、より好ましくは、150mm以上、さらには、防音パネル14を重ねたときの200mm程度あれば所望の防音性能を得ることができる。
【0053】
さらに、この防音壁11や防音天井30は、左側上部に透光性能を有する防音パネル14を配置しているので、遮光してしまうことなく、隣接する住居などが日陰になってしまうことを回避することができ、日光を確保しつつ騒音を低減させている環境内で工事を継続することができる。
【0054】
このように本実施形態においては、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31f間に防音パネル100や防音パネル14(透光板材22)を積み上げて、その防音パネル14の両端側に開口する開口部11a、11b、30aを閉塞部材15で閉塞するだけで、防音パネル100だけでなく、透光性能を有する防音パネル14でも2枚の透光板材22による遮音効果と共に閉塞空気層16による減衰効果で十分な防音効果を得ることができる。したがって、防音パネル14のように透光板材22を枠形状のフレーム部材21に取り付けるだけの簡易で軽量な低コストに作製可能な構造でも、防音効果を得つつ所望の透光性能を備えさせることができ、住宅地に近い現場でも騒音を低減する防音ハウス10を設置して住環境を損なうことなく工事を継続することができる。
【0055】
本実施形態の第1の他の態様としては、図示することは省略するが、上述実施形態では、既存の防音パネル100を利用する場合を一例にして説明するが、これに限らず、例えば、透光性能を必要としない箇所でも、透光板材22に代えて、遮音特性に優れる鉄板(防音板材)を取り付けて、防音パネル14と同様に積み上げるなどして防音ハウスを構築するようにしても良い。この場合には、同様な構造の防音パネルを積み上げるなどして防音ハウスを構築することができ、必要な防音性能に応じて使い分けることにより、さらに、低コスト化を図ることができる。
【0056】
また、第2の他の態様としては、上述実施形態では、透光板材22をフレーム部材21の側面部21aの内側に固定することにより内側に位置させて傷が付くことを回避するようにしているが、これに限るものではなく、例えば、図5に示すように、その側面部21aを内側に窪ませて外面側に透光板材22を取り付ける構造でも傷付くことを回避することができるとともに、リベット23が重ねる際に邪魔になることを回避することもできる。また、同図に示すように、透光板材22の一面側(両面でも良い)中央の短尺方向(長尺方向でも良い)にリブ形状で延在する桟部26を形成して、平面方向の強度を向上させることができる。また、同図に示すように、そのフレーム部材21の前面側の左右に、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fに圧接させて変形密着させる防振機能を有するゴム部材27を設けることにより、振動等の発生を制限するとともに閉塞度を向上させたり、そのフレーム部材21の上面や下面にも同様に防振機能を有するゴム部材28a、28bを両側辺と中央とで長手方向に延在するように設けることにより、積み上げるなどして互いに圧接させる際に変形させて振動等の発生を制限するとともに閉塞度を向上させてもよい。さらに、同図に示すように、フレーム部材21の側面部21aと透光板材22の4辺側端辺22aとの間の4辺にも同様に防振機能を有するゴム部材29を介在させて、リベット23で固定する際に圧接変形させて振動等の発生を制限するとともに閉塞度を向上させてもよい。
【0057】
次に、図6は本発明に係る防音壁および防音ハウスの第2実施形態を示す図である。ここで、本実施形態は、上述実施形態と略同様に構成されていることから、同様の構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する(以下で説明する他の実施形態においても同様)。
【0058】
図6において、防音ハウス10における防音壁11の支柱部材12や防音天井30の梁部材31は、フランジ12f、31fの外面12b、31b(31bは図示を省略)のそれぞれに防音パネル100、14の周縁部(防音パネル14では枠形状の側面部21a)を近接対面させる状態にしつつ外方に倒れないように支持する断面T字形状の保持部材24Tがフランジ12f、31f間のウェブ12w、31wの外側延長線上に溶接されて(ネジ止めなどでもよい)固設されている。すなわち、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fと保持部材24Tとは、隣接する支柱部材12や梁部材31側との間で、防音パネル100、14を差込可能な厚さで開口する空間(落込スペース)を形成しており、その空間に順次差し込むだけで防音パネル100、14を積み上げたり、隣接させることができ、その防音パネル100、14を支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fに沿う姿勢に保持して、その支柱部材12や梁部材31の間を容易に閉塞する状態にできるようになっている。なお、保持部材24Tは、防音パネル100、14の振動等を制限するように、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fに押し付ける方向に付勢する弾性機能を備えさせても良い。
【0059】
そして、この支柱部材12や梁部材31には、防音壁11の左側上部と防音天井30の左側に、透光性能を有する2枚の防音パネル14がそれぞれの透光板材22をフランジ12f、31fから離隔する外側で対面する姿勢にして保持部材24Tとの間で支持するようにセットされており、透光性能を有さない1枚の防音パネル100が防音パネル14以外の箇所で防音ハウス10の外面側に位置するようにフランジ12f、31fと保持部材24Tとの間で支持するようにセットされている。
【0060】
なお、閉塞部材15は、図示することは省略するが、支柱部材12や梁部材31のフランジ12f、31fの外側に位置する1枚の防音パネル100と、その防音パネル100の上側や隣接位置にセットされる2枚の防音パネル14との間に介装させることができるように、フランジ12f、31fの外側に張り出す形状に形成して防音パネル14の端辺側の開口部11a、11b、30aを閉塞するようにすればよい。
【0061】
これにより、防音壁11や防音天井30は、透光板材22の対面間隔である閉塞空気層16の厚さを変えることができ、ここでは、支柱部材12や梁部材31のH鋼の幅である250mmに、防音パネル14の厚さ100mmの2枚分を加えた厚さの閉塞空気層16による防音効果を得ることができる。
【0062】
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、住居の高さなど騒音を遮断する外部側の事情や、騒音の発生場所などの事情によって異なる隣接方向あるいは高さ方向の必要な防音機能に応じて、透光板材22間の閉塞空気層16の厚さを変えて得られる防音効果を調整することができる。したがって、防音壁11や防音天井30の全体を不必要に厚くし過ぎることなく、最適な構造の防音ハウス10を設置することができる。
【0063】
次に、図7は本発明に係る防音壁および防音ハウスの第3実施形態を示す図である。
図7において、防音ハウス10における防音壁11の支柱部材12や防音天井30の梁部材31は、上述の第1、第2実施形態における保持部材24K、24Tを備えることにより、フランジ12f、31fの内面12a、31a(31aは不図示)側と外面12b、31b(31bは不図示)側の双方に、防音パネル100、14の周縁部(防音パネル14では枠形状の側面部21a)を近接対面させる状態にして支持できるようになっている。ここで、本実施形態では、フランジ12f、31fの内側に2枚の防音パネル14を介在させているが、これに限るものではなく、1枚でもよく、また、支柱部材12や梁部材31のサイズを変えることにより、より多くの防音パネル14を介在させることができるようにしても良いことは言うまでもない。
【0064】
これにより、防音壁11や防音天井30は、防音パネル14(透光板材22)の間に防音パネル14(透光板材22)を介在させて閉塞空気層16を厚さ方向に多層化して区画することができ、透光板材22の両側の空気層16に振動がそのまま伝達されるのを制限することができるとともに、その間に介在する透光板材22による遮音効果により防音効果を向上させることができる。
【0065】
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、住居の高さなど騒音を遮断する外部側の事情や、騒音の発生場所などの事情によって異なる隣接方向あるいは高さ方向の必要な防音機能に応じて、介在させる透光板材22を追加して防音効果を調整することができる。したがって、防音壁11や防音天井30の全体を不必要に厚くし過ぎることなく、最適な構造の防音ハウス10を設置することができる。
【0066】
本実施形態の他の態様としては、図示することは省略するが、透光板材22をフレーム部材21の両面側に取り付けた防音パネル14を支柱部材12や梁部材31に支持させるようにしても良く、この場合には、より多くの枚数の透光板材22を閉塞空気層16内に介在させて区画させることができる。
【0067】
次に、図8は本発明に係る防音壁および防音ハウスの第4実施形態を示す図である。
図8において、防音ハウス10の防音天井30は、上述の実施形態における梁部材31に代えて、防音壁11の支柱部材12の側面に大梁部材32の両端部を支持させて並列させるとともに、その大梁部材32の上側で直交方向に並列させるように複数本の小梁部材33を固定して、この小梁部材33の上に防音パネル14、100を横臥する姿勢でXY方向に敷き詰めて支持させることにより防音壁11により囲まれている天井部分を閉塞するようになっている。この防音天井30は、小梁部材33の上に外側ほど高さhの低くなる屋根トラス部材37が立設されており、その屋根トラスト37の上には、防音パネル14の透光板材22に代えて、透光性を有するポリカーボネイトなどの樹脂材料からなる折板屋根材(防音板材)34が傾斜する姿勢で支持されている。
【0068】
折板屋根材34は、縦断面が谷形状と山形状の連続する波形状になるように折り曲げられて大面積の屋根材に作製されている。
【0069】
これにより、この防音天井30では、防音壁11の天井側を閉塞することができるとともに、小梁部材33上の防音パネル14、100と折板屋根材34との間に、内方ほど厚さの拡大する空気層36を閉塞状態にして形成することができ、その空気層36の厚さで効果的に騒音を減衰させることができる。また、防音パネル14、100に代えて、折板屋根材34を用いることにより防水性の透明シートを張るなどの作業を省くことができ、作業量や使用する部材を軽減することができる。
【0070】
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、上方から抜ける騒音をより低減することができ、また、専用の屋根材を用いることにより特別な防水加工をする必要をなくして、低コスト化することができる。
【0071】
次に、図9および図10は本発明に係る防音壁および防音ハウスの第5実施形態を示す図である。
【0072】
図9において、防音ハウス10における防音壁11や防音天井30は、上述実施形態では透光板材22をフレーム部材21に取り付けて積み上げることを実現していたが、これに代えて、フレーム部材21を省略して積み上げることができる程度の厚さの透光板材(防音板材)44を採用して積み上げたり、隣接させるようになっており、この透光板材44は、断面H字形状の連結部材41のフランジ41fの間に上下端部44a、44bを差し込んでウェブ41wを挟み込む状態にして積み上げるようになっている。この連結部材41は、変形して密接する防振機能を有するゴム部材42がウェブ41wの両面に貼付されており、その透光板材44の振動を制限するようになっている。
【0073】
これにより、防音壁11や防音天井30は、単なる板材の透光板材44を積み上げるだけで閉塞空気層16を形成することができ、厚めの板厚の透光板材44にしているので、より優れた防音効果を得ることができる。
【0074】
ただし、透光板材44が厚く重過ぎる場合には、図10(a)に示すように、長尺方向の上面と下面との間を相似形状で貫通して肉薄にする貫通穴45aが形成されている透光板材45を用いたり、短尺方向の側面の間を相似形状で貫通して肉薄にする貫通穴46aが形成されている透光板材46を用いることにより軽量化することもできる。この場合には、透光板材45、46の外面側に2枚の透光板材が存在するとともに、その間の貫通穴45a、46a内に空気層を形成する構造にになって、この構造でも騒音を減衰させることができる。
【0075】
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、透光板材44〜46自体を積み上げて組み立てることができ、より作業性を向上させて低コスト化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0077】
10……防音ハウス 11……防音壁 11a……上側開口部 11b……下側開口部 12……支柱部材 12f、31f……フランジ 12w、31w……ウェブ 14……防音パネル 15……閉塞部材 16、36……空気層 21……フレーム部材 21b……開口部 22、44〜46……透光板材 24K……保持部材 24T……保持部材 25……支持ブロック 26……桟部 30……防音天井 30a……開口部 31……梁部材 32……大梁部材 33……小梁部材 34……折板屋根材 41……連結部材 45a、46a……貫通穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
騒音の発生源から伝播する該騒音の透過を抑制する防音壁であって、
壁を支えるように並列する状態に立設される複数本の支柱部材と、該支柱部材の間の表面側および裏面側を閉塞するように平面を縦方向にする姿勢で積み上げる複数枚の表裏一対の防音板材と、前記支柱部材および前記防音板材により形成される空間の上側開口部および下側開口部を閉塞する閉塞部材と、を備えて、
前記防音板材の間に、前記支柱部材で区画されて閉塞されている空気層を形成することを特徴とする防音壁。
【請求項2】
前記防音板材の全部または一部に、透光性を有する透光板材を用いることを特徴とする請求項1に記載の防音壁。
【請求項3】
前記防音板材は、前記支柱部材に取り付けた保持部材により落込スペースを形成して、該落込スペース内に差し込んで積み上げることを特徴とする請求項1または2に記載の防音壁。
【請求項4】
前記防音板材は、前記支柱部材の隣接方向あるいは高さ方向に応じて対面間隔を異ならせて、前記空気層の厚さを変化させていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の防音壁。
【請求項5】
前記支柱部材としてH鋼を用いて、
前記防音板材は、該H鋼の対面部の内面または外面のいずれか一方側に位置するように支持させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の防音壁。
【請求項6】
前記防音板材は、前記支柱部材間の表裏面の間にも介装されて、前記空気層を多層に区画すること特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の防音壁。
【請求項7】
前記防音板材は、平面方向に延在するリブ形状の桟が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の防音壁。
【請求項8】
前記防音板材の一面側または他面側の一方あるいは双方に、耐火シートが貼付されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の防音壁。
【請求項9】
騒音の発生源を覆って該騒音の外部への漏出を抑制する防音ハウスであって、
上記請求項1から8のいずれかに記載の防音壁により前記騒音発生源の周囲を囲むとともに、当該防音壁により囲まれている空間の天井部も該防音壁の前記支柱部材を横臥姿勢に架設して前記防音板材と前記閉塞部材により閉塞されている空気層が形成されていることを特徴とする防音ハウス。
【請求項10】
前記天井部の上側の前記防音板材として、透光性を有する透光板材を傾斜させて屋根材にし、当該屋根材と前記天井部の下側の前記防音板材との間に厚さの変化する閉塞されている空気層を形成することを特徴とする請求項9に記載の防音ハウス。
【請求項1】
騒音の発生源から伝播する該騒音の透過を抑制する防音壁であって、
壁を支えるように並列する状態に立設される複数本の支柱部材と、該支柱部材の間の表面側および裏面側を閉塞するように平面を縦方向にする姿勢で積み上げる複数枚の表裏一対の防音板材と、前記支柱部材および前記防音板材により形成される空間の上側開口部および下側開口部を閉塞する閉塞部材と、を備えて、
前記防音板材の間に、前記支柱部材で区画されて閉塞されている空気層を形成することを特徴とする防音壁。
【請求項2】
前記防音板材の全部または一部に、透光性を有する透光板材を用いることを特徴とする請求項1に記載の防音壁。
【請求項3】
前記防音板材は、前記支柱部材に取り付けた保持部材により落込スペースを形成して、該落込スペース内に差し込んで積み上げることを特徴とする請求項1または2に記載の防音壁。
【請求項4】
前記防音板材は、前記支柱部材の隣接方向あるいは高さ方向に応じて対面間隔を異ならせて、前記空気層の厚さを変化させていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の防音壁。
【請求項5】
前記支柱部材としてH鋼を用いて、
前記防音板材は、該H鋼の対面部の内面または外面のいずれか一方側に位置するように支持させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の防音壁。
【請求項6】
前記防音板材は、前記支柱部材間の表裏面の間にも介装されて、前記空気層を多層に区画すること特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の防音壁。
【請求項7】
前記防音板材は、平面方向に延在するリブ形状の桟が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の防音壁。
【請求項8】
前記防音板材の一面側または他面側の一方あるいは双方に、耐火シートが貼付されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の防音壁。
【請求項9】
騒音の発生源を覆って該騒音の外部への漏出を抑制する防音ハウスであって、
上記請求項1から8のいずれかに記載の防音壁により前記騒音発生源の周囲を囲むとともに、当該防音壁により囲まれている空間の天井部も該防音壁の前記支柱部材を横臥姿勢に架設して前記防音板材と前記閉塞部材により閉塞されている空気層が形成されていることを特徴とする防音ハウス。
【請求項10】
前記天井部の上側の前記防音板材として、透光性を有する透光板材を傾斜させて屋根材にし、当該屋根材と前記天井部の下側の前記防音板材との間に厚さの変化する閉塞されている空気層を形成することを特徴とする請求項9に記載の防音ハウス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−36644(P2012−36644A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177903(P2010−177903)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(510215916)環境ビジョン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(510215916)環境ビジョン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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