説明

降雨による河川氾濫予測情報を導出する端末及びプログラム

【課題】河川の地点毎の水位情報を蓄積した水位データベースと、地点間の降水量情報を蓄積した降水データベースと通信し、河川氾濫予測情報を表示する端末を提供する。
【解決手段】端末は、河川上流に位置する第1の水位観測地点と、第1の水位観測地点よりも河川下流に位置する予測すべき第2の水位観測地点とを設定する地点設定手段と、水位データベースから、第1の水位観測地点における水位情報を取得する水位情報取得手段と、降水データベースから、第1−第2の水位観測地点間流域の降水量情報を取得する降水量情報取得手段と、河川における第1−第2の水位観測地点間の水の到達時間τ21を特定する到達時間特定手段と、水位情報、降水量情報及び到達時間τ21に基づいて、現在時刻tから予測したい未来時刻t+Iに発生すべき第2の水位観測地点における水位情報を算出する水位情報算出手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降雨に対する防災情報システムに用いられる端末及びプログラムであって、特に、河川氾濫予測情報を導出するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洪水の予測を住民に伝えるシステムとしては、固定した端末を用いて洪水の予測計算をする洪水予測情報提供システムがある(例えば特許文献1参照)。また、サーバで取得した雨量データに基づいて洪水ハザードマップを計算し、固定端末や携帯端末に伝達するリアルタイムハザードマップシステムもある(例えば特許文献2参照)。しかしながら、両システムとも、携帯端末における予測計算を考慮したものではなく、ディスプレイ表示も、単なる2次元地図であって必ずしも利用者に理解されやすいものではない。
【0003】
また、災害予測サーバが、統計的情報に基づいて、行政機関、報道機関及び住民へ通報する河川情報提供システムもある(例えば特許文献3参照)。このようなシステムによれば、河川に設置された複数の水位センサによって計測された水位情報が、災害予測サーバによって収集される。しかしながら、水位情報がどの程度になった時点で、住民へ通報(避難勧告や避難命令)するかどうかを判断することは行政機関にとっても悩ましい問題となっている。
【0004】
また、降雨量データのみから高精度の河道水位を予測することは困難であるために、河道の到達時間分だけ上流の河道水位データと、予測地点の現時点の河道水位データそれに、上流から予測地点の間の降雨量データから、予測地点の河道水位を高精度に予測する技術も、本願発明者によって開示されている(例えば非特許文献1及び非特許文献2参照)。
【0005】
尚、浸水想定区域図の作成指針については、国土交通省河川局治水課によって開示されている(例えば非特許文献3及び非特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−14868号公報
【特許文献2】特開2003−168179号公報
【特許文献3】特開2002−269656号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】平野宗夫・森山聡之・山下三平・中山比佐雄、「洪水位の短時間予測に関する研究」、第31回土木学会、水理講演会論文集、137-142,(1987)
【非特許文献2】森山聡之・平野宗夫・中山比佐雄・松尾景治・鐵谷浩之、「レーダ雨量計を用いた洪水位の短時間予測」、第33回土木学会、水理講演会論文集、85-91,(1989)
【非特許文献3】「浸水想定区域図作成マニュアル」、国土交通省河川局治水課、平成13年7月
【非特許文献4】「中小河川浸水想定区域図作成の手引き」、国土交通省河川局治水課、平成17年6月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述した従来技術によれば、住民へ配信される防災情報は、一般的に、行政機関又は民間情報(報道)機関によってフィルタされたものである。特に、行政機関が発動する防災情報は「避難」に絡むものであり、水害経験の無い自治体は、その責任の重大性から発動を躊躇することが多い。逆に、水害経験の有る自治体は、全住民避難勧告などという過剰反応になることもある。防災情報の配信タイミングは、河川氾濫のための危険閾値(水位等)の設定によって変化する。危険予測情報は、頻繁に配信すべきないが、逆に、配信のタイミングが遅れることは更に問題がある。
【0009】
現実問題として、緊急防災情報は、テレビやラジオのような報道機関に完全に依存しており、防災無線であっても、戸別受信機ではなく戸外拡声器型が採用されている場合が多い。この場合、防災通報音声が、豪雨時の雨音にかき消されて、十分に伝達されないことも多々存在する。また、河川氾濫については、紙に印刷された洪水ハザードマップが地域住民に配布されているが、結局、避難勧告時における避難行動は、住民各自の判断に委ねられている。
【0010】
現在の防災情報システムは、行政機関が主体となって、各担当部署が自らの判断で防災情報システムを構築しているために、散在している。結局、それら情報はホームページ等で公開されているが、ホームページへのアクセスは、住民に委ねられ、その災害時における防災情報の利用頻度はかなり低い。
【0011】
更に、現在の河川状況(例えば河川の水位)を住民へ見せるために、その状況をビデオカメラで常時撮影し、インターネットを介して動画配信しているシステムもある。しかしながら、現在の通信技術では、動画配信には広帯域が必要であるために、緊急時に膨大な数の住民がその動画配信サーバへアクセスすれば、直ぐに回線が逼迫することとなる。
【0012】
住民が利用する端末としては、広帯域回線に接続されたパーソナルコンピュータを使用するよりも、狭帯域回線に接続される携帯電話機の方が普及している。しかしながら、携帯電話機では、回線の帯域幅が狭く、災害が発生しそうな状況で河川状況を配信する動画配信サーバから一斉に動画を受信することは困難である。尚、回線の帯域が1つの端末分で済むマルチキャスト方式も開発されているが、出願時点で普及の見込みは立っていない。
【0013】
そこで、本発明は、携帯電話機のように狭帯域回線で通信する端末であっても、リアルタイムに河川の水位予測情報を算出でき、現在位置との関係から住民自ら危険性を判断することができる端末及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、河川に設置された水位センサの地点毎に計測された水位情報を蓄積した水位データベースと、地点間流域の降水量情報を蓄積した降水データベースと通信し、河川氾濫予測情報をディスプレイに表示する端末であって、
河川上流に位置する第1の水位観測地点と、第1の水位観測地点よりも河川下流に位置する第2の水位観測地点と、第2の水位観測地点よりも河川下流に位置する予測地点とを設定する地点設定手段と、
水位データベースから、第1の水位観測地点の第1の水位情報、及び第2の水位観測地点の第2の水位情報を取得する水位情報取得手段と、
降水データベースから、第1−第2の水位観測地点間における降水量情報を取得する降水量情報取得手段と、
河川における第1−第2の水位観測地点間における洪水の到達時間τ21を特定する到達時間特定手段と、
第1の水位情報及び第2の水位情報と降水量情報と到達時間τ21とに基づいて、現在時刻tから予測したい未来時刻t+Iに発生すべき第2の水位観測地点における中間予測水位情報を算出し、該中間予測水位情報と、第2の水位観測地点から予測地点までの河道情報とに基づいて、現在時刻tから予測したい未来時刻t+I+αに発生すべき予測地点における予測水位情報を更に算出する水位情報算出手段と
を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の端末における他の実施形態によれば、
水位情報算出手段は、水位情報を流水断面積として算出するものであって、
現在時刻tから予測したい未来時刻t+Iまでの第2の水位観測地点における流水断面積の差ΔA2を、河道の到達時間τ21だけ上流の第1の水位観測地点における流水断面積の差ΔA1と、時刻t−τ21から現在時刻tまでの第1の水位観測地点及び第2の水位観測地点の間の降雨量に基づく流水断面積の増分とによって算出し、
水位情報算出手段は、更に、第2の水位観測地点から予測地点の水位を算出することも好ましい。
【0016】
本発明の端末における他の実施形態によれば、
予測地点周辺の地図画像を蓄積した地図画像サーバと、予測地点周辺の標高データ蓄積した標高データベースと更に通信し、
予測地点周辺の地図画像と、予測地点周辺の標高データとを、位置に対応付けて蓄積した地図画像蓄積手段と、
水位情報算出手段によって算出された予測地点の水位情報が、予測地点の地図画像における河川堤防部分の標高よりも高くなった際に、予測地点におけるその水位に基づいた河川氾濫画像を、予測地点の地図画像に重畳した画像を生成する河川水位予測画像生成手段と
を更に有することも好ましい。
【0017】
本発明の端末における他の実施形態によれば、
地図画像蓄積手段が蓄積する標高データは、河川内及びその周辺をレーザプロファイラでスキャンすることにより得られた3次元地形データであり、地図画像は、そのスキャンと同時に撮影デジタル写真画像をオルソ空中写真に変換したものであることも好ましい。
【0018】
本発明の端末における他の実施形態によれば、
端末は、携帯端末又は携帯電話機であって、
測位電波を受信し、現在位置を測位する測位手段を更に有し、
地点設定手段は、測位手段によって測位された現在位置を、予測地点として特定することも好ましい。
【0019】
本発明によれば、河川に設置された水位センサの地点毎に計測された水位情報を蓄積した水位データベースと、地点間流域の降水量情報を蓄積した降水データベースと通信し、河川氾濫予測情報をディスプレイに表示する端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
河川上流に位置する第1の水位観測地点と、第1の水位観測地点よりも河川下流に位置する第2の水位観測地点と、第2の水位観測地点よりも河川下流に位置する予測地点とを設定する地点設定手段と、
水位データベースから、第1の水位観測地点の第1の水位情報、及び第2の水位観測地点の第2の水位情報を取得する水位情報取得手段と、
降水データベースから、第1−第2の水位観測地点間における降水量情報を取得する降水量情報取得手段と、
河川における第1−第2の水位観測地点間における洪水の到達時間τ21を特定する到達時間特定手段と、
第1の水位情報及び第2の水位情報と降水量情報と到達時間τ21とに基づいて、現在時刻tから予測したい未来時刻t+Iに発生すべき第2の水位観測地点における中間予測水位情報を算出し、該中間予測水位情報と、第2の水位観測地点から予測地点までの河道情報とに基づいて、現在時刻tから予測したい未来時刻t+I+αに発生すべき予測地点における予測水位情報を更に算出する水位情報算出手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の端末及びプログラムによれば、携帯電話機のように狭帯域回線で通信する端末であっても、リアルタイムに河川の水位予測情報を算出でき、現在位置との関係から住民自ら危険性を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の端末が用いられる環境構成図である。
【図2】インターネットを介して利用者へ情報を提供することができるデータベース群である。
【図3】本発明における端末の機能構成図である。
【図4】水位と降水量と流水断面積の関係を表す説明図である。
【図5】第1の水位観測地点及び第2の水位観測地点における時間経過に対する流水断面積のグラフである。
【図6】本発明における端末に表示された河川氾濫予測画像である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明を実施するための形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の端末が用いられる環境構成図である。
【0024】
図1によれば、河川流域が表されており、河川上流から河川下流へ向けて水が流れている。河川周囲には、複数の水位センサ2が設置されており、その河道における水位をリアルタイムに計測する。図1によれば、河川における第1の水位観測地点と第2の水位観測地点とに、水位センサが設置されている。第1の水位観測地点の水は、到達時間τ21経過後に、第2の水位観測地点に到達する。また、第1−第2の水位観測地点間流域では、降雨の場合、河川の水かさも高くなってきている。
【0025】
住民は、河川氾濫予測情報を得るために、携帯電話機のような携帯の端末1を所持する。端末1は、移動体通信システム(携帯電話網)の基地局と、無線リンクを介して通信することができる。移動体通信システムは、インターネットに相互接続されており、端末1は、インターネットに接続された各種データベースからデータを取得することができる。また、端末1は、GPS(Global Positioning System)衛星9からの電波を受信することによって、現在位置を測位することができる。
【0026】
図2は、インターネットを介して利用者へ情報を提供することができるデータベース群である。
【0027】
図2によれば、水位データベース3と、降水データベース4と、地図サーバ5と、標高データベース6と、氾濫データベース7とが、インターネットに接続されている。これらデータベースは全て既存のものである。
【0028】
水位データベース3は、水位センサ2から受信した水位情報を蓄積している。水位データベース3は、河川に沿って配置された膨大な数の水位センサ2から、時々刻々と水位情報を収集している。また、水位データベース3は、水位センサ2毎の個々の位置情報と、水位センサ同士の間の洪水の到達時間も予め蓄積している。
【0029】
水位データベース3は、時々刻々と変化する、第1の水位観測地点における第1の水位情報と、第2の水位観測地点における第2の水位情報とを、所定期間毎に、端末1へ送信する。第1の水位観測地点は、河川上流の水位センサの地点であって、端末1からの要求に基づいて指定された地点であってもよいし、予め特定されている地点であってもよい。
【0030】
また、水位データベース3は、端末1からの要求に応じて、第1の水位観測地点と第2の水位観測地点との間の到達時間τ21も送信する。第2の水位観測地点は、利用者が河川氾濫を予測したい予測地点(例えば現在位置)から河川上流へ向かって、最も近い水位センサが設置された地点である。第1の水位観測地点及び第2の水位観測地点は共に、水位センサの位置となる。例えば、端末1が、水位データベース3へ、現在位置を含む取得要求を送信することによって、水位データベース3は、その位置に最も近い第2の水位センサの位置を応答することもできる。
【0031】
降水データベース4は、河川周辺に設置された雨量計又は降水レーダから受信した降水量情報を蓄積している。降水データベース4は、特に、河川流域周辺の降水量情報を、時々刻々と収集している。
【0032】
降水データベース4は、河川上流の第1の水位観測地点と、河川下流の第2の水位観測地点との間の流域の降水量情報を、端末1へ送信する。第1の水位観測地点と第2の水位観測地点とは、端末1からの要求に基づいて指定された地点である。尚、第1の水位観測地点が予め特定されている場合、端末1は、第2の水位観測地点のみを指定すればよい。降水データベース4は、時々刻々と変化する第1の水位観測地点と第2の水位観測地点との間の流域の降水量情報を、所定期間毎に、端末1の要求に応じて又はデータベースが更新されるとほぼ同時に、降水量情報を端末1へ送信する。
【0033】
地図サーバ5は、河道内及びその周辺のデジタル写真画像を蓄積している。この画像は、レーザプロファイラ又は開口合成レーダでスキャンすると同時に撮影されたものである。勿論、2次元画像、3次元画像又は航空写真のような地図画像であってもよい。地図サーバ5は、第2の水位観測地点を指定する要求メッセージを端末1から受信した際に、その第2の水位観測地点に対応する地図画像を端末1へ応答する。
【0034】
標高データベース6は、標高データを蓄積している。標高データとは、位置情報と海抜高度とから構成される情報である。標高データベース6は、第2の水位観測地点を指定する要求メッセージを端末1から受信した際に、その第2の水位観測地点の周囲における標高データを端末1へ応答する。
【0035】
氾濫データベース7は、非特許文献3及び非特許文献4に基づいて、河川堤防における各河川の地点における計画高水流量に応じた氾濫予測計算を実行し、各地点の水位を蓄積している。水位情報から計画高水流量を越える流量が算出された場合、端末1から要求された予測地点に応じて、流下型・貯留型又は拡散型氾濫として、事前に計算されていた周辺流域における湛水水位を氾濫予測データとして返信する。湛水水位は、標高データが存在する各メッシュごとに計算される。他の実施形態としては、予測流量からリアルタイムに洪水予測計算を実行することもできるが、現在のところ端末上の計算処理能力の不足のため、別に高速の氾濫計算サーバが必要となる。
【0036】
尚、前述したデータベースに蓄積される情報の中で、時間経過に応じて変化する情報は、水位データベース3における水位情報と、降水データベース4における降水量情報だけある。即ち、地図サーバ5の地図画像と、標高データベース6の標高データと、氾濫データベース7の氾濫予測データとは、時間経過に応じて変化しない情報である。このような固定の情報は、端末1内に予め蓄積しておくことが好ましい。例えば、端末1が携帯端末である場合、高速のインターネット回線に接続した際に、これら固定の情報を予めダウンロードしておくことが好ましい。従って、本発明によれば、端末1は、少なくとも水位情報及び降水量情報だけを受信できればよい。
【0037】
図3は、本発明における端末の機能構成図である。
【0038】
図3によれば、端末1は、通信インターフェース101と、測位部102と、ユーザ操作部103と、ディスプレイ部104とを有する。
【0039】
通信インターフェース101は、例えば無線リンクを介して携帯電話網の基地局と通信する。基地局が接続される携帯電話網は、インターネットに相互接続されているために、端末1は、インターネットに接続されるデータベース群から各種情報を取得することができる。
【0040】
測位部102は、GPS衛星9からの電波を受信することによって、現在位置を測位する。測位された現在地点情報は、地点設定部111へ出力される。これによって、河川氾濫予測情報を導出する際に、GPSによって測位した現在位置を、予測地点して設定することができる。
【0041】
ユーザ操作部103は、利用者が端末1を操作するためのユーザインタフェースであって、キーデバイス又はポインタデバイスである。
【0042】
ディスプレイ部104は、河川氾濫予測情報を表示するユーザインタフェースである。
【0043】
端末1は、更に、地点設定部111と、水位情報取得部112と、降水量情報取得部113と、到達時間特定部114と、水位情報算出部115と、地図情報蓄積部116と、河川予測画像生成部117と、地図画像取得部118と、標高データ取得部119と、氾濫データ取得部120、氾濫データ蓄積部121と、画像送信部122とを有する。これら機能構成部は、端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0044】
地点設定部111は、予測源となる河川上流の第1の水位観測地点及び河川下流の第2の水位観測地点を設定すると共に、予測対象となる予測地点を設定する。第2の水位観測地点は、測位部102から得られた現在位置から河川上流へ向かって、最も近い水位センサの位置を設定する。第1の水位観測地点は、河川上流に位置する水位センサの位置を設定する。第1の水位観測地点は、ユーザ操作部103によって利用者に指定されるものであってもよいし、予め設定されていてもよい。河川に設置された複数の水位センサの位置は、水位データベース3から予めダウンロードされていることが好ましい。
【0045】
水位情報取得部112は、通信インターフェース101を介して、水位データベース3へ、第1の水位観測地点及び第2の水位観測地点を含む要求メッセージを送信する。これに対し、水位情報取得部112は、水位データベース3から、第1の水位観測地点の水位センサの水位情報[m]と、第2の水位観測地点の水位センサの水位情報[m]とを受信する。精度的には、[0.01m]オーダである。ここで、第1の水位観測地点の水位情報と第2の水位観測地点の水位情報とのそれぞれについて、現在の水位情報と、第1の水位観測地点から第2の水位観測地点までの洪水の到達時間だけ過去の水位情報とを取得する。
【0046】
降水量情報取得部113は、通信インターフェース101を介して、降水データベース4から、地点設定部111で設定された2つの水位センサ間の流域における過去から現在までの降水量情報(mm)を取得する。ここで、過去とは、現在時刻tから、斜面の到達時間τ21と予測したい未来の時間Iを加えた時間だけ、過去に遡った時刻である。
【0047】
到達時間特定部114は、地点設定部111で得られた第1の水位観測地点と第2に地点との間の水の到達時間τ21を特定する。水位情報取得部112によって水位データベース3から得られる地点間の水の到達時間から、第1の水位観測地点と第2の水位観測地点との間の洪水波の河道における到達時間τ21を特定する。
【0048】
水位情報算出部115は、第1の水位情報及び第2の水位情報と降水量情報と到達時間τ21とに基づいて、現在時刻tから予測したい未来時刻t+Iに発生すべき第2の水位観測地点における中間予測水位情報を算出する。更に、その中間予測水位情報と、第2の水位観測地点から予測地点までの河道情報とに基づいて、現在時刻tから予測したい未来時刻t+I+αに発生すべき予測地点における予測水位情報を算出する。予測水位情報は、河川予測画像生成部117へ出力される。予測には、カルマンフィルタが用いられる。中間予測水位情報の予測精度は、日本の大河川では「0.1m」オーダである。
【0049】
図4は、水位と降水量と河道断面積の関係を表す説明図である。また、図5は、第1の水位観測地点及び第2の水位観測地点における時間経過に対する流水断面積のグラフである。
【0050】
図4によれば、第1の水位観測地点の河道断面図と、予測地点の河道断面図と表されており、各々について水位が表されている。河道断面と水位とによって、その時点で河川に流れている流水断面積(m)を算出することができる。その流水断面積は、第1の水位観測地点から第2の水位観測地点までの洪水波の河道における到達時間τ21後に、第2の水位観測地点で第1の水位観測地点のかなり相似な形として流れることとなる。
【0051】
また、第1の水位観測地点から第2の水位観測地点までの間で降雨が発生した場合、第2の水位観測地点における流水断面積は、降水量が累積的に増加したものとなる。即ち、過去の時点(現在時刻から到達時間τ21だけ過去に遡った時点)における第1の水位観測地点の流水断面積の変化と、第1の水位観測地点から第2の水位観測地点までの間に発生した降水量に起因する流水断面積の変化との関係から、第2の水位観測地点における流水大面積の変化を予測することができる。第2の水位観測地点におけるその流水断面積の変化による水位変動と、その河川周辺の標高情報とによって、水害が発生するか否かを予測することができる。ここで、流量を用いず流水断面積を用いたのは、水位−流量曲線による変換誤差を避けるためである。
【0052】
以下のように変数を規定する。
t:現在時刻
I:予測したい未来の時間
t+I:予測したい未来時刻
τ21:第1の水位観測地点から第2の水位観測地点までの河道の到達時間
t−τ21:現在時刻から、τ21だけ過去の時刻
t+I−τ21:予測したい未来時刻から、τ21だけ過去の時刻
1:第1の水位観測地点における流水断面積
2:第2の水位観測地点における流水断面積
ΔA2:現在時刻tと未来時刻t+Iでの第2の水位観測地点における流水断面積の差
U(τ):時刻τにおける単位図をm倍したもの
r(τ):時刻τにおける有効雨量
p,αA:河道断面における特性値
L:第1の水位観測地点と第2の水位観測地点間の河道距離
N:マンニングの粗度係数
e:エネルギー勾配
f:第1の水位観測地点と第2の水位観測地点間における斜面の流出係数
【0053】
【数1】

【0054】
以下の式(1)によれば、第1の水位観測地点から第2の水位観測地点の間の流域に降雨が無い場合、現在時刻tと予測したい未来時刻t+Iでの第2の水位観測地点における流水断面積の差ΔA2は、河道の到達時間τ21分だけ上流の第1の水位観測地点における流水断面積の差ΔA1のk1倍となることを表している。
ΔA2=A2(t+I)−A2(t)
=k1{A1(t+I−τ21)−A1(t−τ21)} 式(1)
【0055】
以下の式(2)は、現在時刻t−τ21から現在時刻tまでの、第1の水位観測地点と第2の水位観測地点との間の降雨量の変化を流水断面積に変換したものを表している。
【数2】

【0056】
以下の式(3)は、第1の水位観測地点における流水断面積の差ΔA1のk1倍と、第1の水位観測地点と第2の水位観測地点との間の降雨量より求めた流水断面積の増分との和を表している。
【数3】

【0057】
更に、以下の式(4)は、距離が短いため降雨を無視すると、予測地点における流水断面積の差ΔA3は、河道の到達時間αだけ上流の第2の水位観測地点における流水断面積の差のk2倍となることを表している。
ΔA3(t)=k2{A2(t+I+α)−A2(t−α)} 式(4)
但し、以下のように変数を規定する。
【数4】

【0058】
もし、第1の水位観測地点と第2の水位観測地点の2箇所の水位観測点の代わりに、n個の観測点がある場合は、式(3)は以下のようになる。
【数5】

【0059】
但し、以下のように変数を規定する。
t:現在時刻
I:予測したい未来の時間
t+I:予測したい未来時刻
j:上流からj番目の水位観測所をあらわす添字で、1からnまで存在する
n:上流からn番目の水位観測所をあらわす添字で、流水断面積を高精度に予測すべき地点を表す。
τj+1,j:第jの地点から第j+1の地点までの到達時間
t−τj+1,j:現在時刻から、τj+1,jだけ過去の時刻
t+I−τj+1,j:予測したい未来時刻から、τj+1,jだけ過去の時刻
j:第jの地点における流水断面積
n:第nの地点における流水断面積
ΔAn:現在時刻tから未来時刻t+Iまでの第nの地点における流水断面積の差
j(τ):第jの地点から第j+1の地点の間の流域の時刻τにおける単位図をMj倍したもの
j(τ):第jの地点から第j+1の地点の間の流域の時刻τにおける有効雨量
j,αA,j:第jの地点の河道断面における特性値
j:第jの地点から第j+1の地点の間の河道距離
j:第jの地点のマンニングの粗度係数
e,j:第jの地点のエネルギー勾配
j:第jの地点から第j+1の地点の間の斜面の流出係数
【0060】
【数6】

【0061】
更に、以下の式(6)は、距離が短いため降雨を無視すると、予測地点における流水断面積の差ΔAn+1は、河道の到達時間αだけ上流の第1の水位観測地点における流水断面積の差のKn倍となることを表している。
ΔAn+1(t)=Kn+1{An(t+I−α)−An(t−α)} 式(6)
α:第2の水位観測地点と第3の予測地点までの河道の到達時間
【0062】
もし、第2の水位観測地点の上流に、n個の支流がある場合は、式(3)は以下のようになる。
【数7】

【0063】
但し、以下のように変数を規定する。
t:現在時刻
I:予測したい未来の時間
t+I:予測したい未来時刻
i:支流をあわらす添字で、1からnまで存在する
n:支流の数
H:高精度に予測すべき地点をあらわす添字
τi:第iの支流の観測点から合流点Tまでの到達時間
τH:合流点tから高精度に予測すべき地点までの到達時間
i:第iの地点における流水断面積
H:高精度に予測すべき地点Hにおける流水断面積
ΔAH:現在時刻tから未来時刻t+Iまでの第nの地点における流水断面積の差
i(τ):第iの支流の流域の時刻τにおける単位図u(τ)をmj倍したもの
H(τ):第iの支流の流域の時刻τにおける単位図u(τ)をmH倍したもの
i(τ):第iの支流の流域の時刻τにおける有効雨量
i,αA,i:第iの地点の河道断面における特性値
i:第iの地点から第i+1の地点の間の河道距離
i:第iの地点のマンニングの粗度係数
e,i:第iの地点のエネルギー勾配
i:第iの地点から合流点Tの間の斜面の流出係数
【0064】
【数8】

【0065】
更に、以下の式(8)は、距離が短いため降雨を無視すると、予測地点H+1における流水断面積の差ΔAH+1は、河道の到達時間αだけ上流の高精度に予測すべき地点Hにおける流水断面積の差のkn+1倍となることを表している。
ΔAH+1=kn+1{A(t+I−α)−A(t−α)} 式(8)
【0066】
但し、以下のように変数を規定する。
【数9】

α:高精度に予測すべき地点Hと予測地点H+1までの河道の到達時間
【0067】
地図画像取得部118は、通信インターフェース101を介して、地図サーバ5から、予測地点周辺における地図画像を取得する。取得された予測地点における地図画像は、デジタル写真画像であり、地図情報蓄積部116へ出力される。
【0068】
標高データ取得部119は、通信インターフェース101を介して、標高データベース6から、予測地点周辺における標高データを取得する。標高データは、位置情報と海抜高度情報とからなる。水位情報算出部115によって算出された水位が、河道堤防の高さを越えた(破堤)後、河川氾濫によって水没する範囲を予測するために、標高データが必要となる。携帯端末は、事前に計算されたシナリオを表示する。
【0069】
地図情報蓄積部116は、地図画像取得部118によって取得された地図画像と、標高データ取得部119によって取得された標高データとを、位置に対応付けて蓄積する。
【0070】
氾濫データ取得部120は、通信インターフェース101を介して、氾濫データベース7から氾濫予測データを取得する。氾濫予測計算データは、破堤の位置と越流水深それに越流幅に対応付けられた浸水深データである。
【0071】
氾濫データ蓄積部121は、氾濫データ取得部120によって取得された氾濫予測計算データを蓄積する。氾濫データ蓄積部121は、水位情報算出部115によって河川氾濫と判定された際に、水位情報算出部115へ氾濫予測計算データを通知する。
【0072】
河川予測画像生成部117は、最初に、予測地点における地図情報を、地図情報蓄積部116から取得する。地図情報は、地図画像に標高データが対応付けられたものである。河川予測画像生成部117は、水位情報算出部115によって算出された予測地点における水位情報と、地図画像における河川の位置及び河川堤防の高さとを比較する。予測地点の水位が、その河川堤防の高さを超えていない場合、河川予測画像生成部117は、地図画像と河道水位をそのまま、ディスプレイ部104に出力する。
【0073】
ここで、予測地点の水位が、その河川堤防の高さを超えた場合、破堤と判定される。このとき、河川予測画像生成部117は、氾濫データ蓄積部121から該当する氾濫予測計算の浸水深データを取得する。河川予測画像生成部117は、地図情報蓄積部116から得られた標高データを有する地図画像(例えば3次元画像又は航空写真)に、氾濫シミュレーションの浸水深データに基づく洪水を3次元で生成した画像を重畳的に合成する。河川氾濫状態が重畳された地図画像が、ディスプレイ部104に表示される。
【0074】
画像送信部122は、河川予測画像生成部117によって生成された画像を、他の装置へ送信することができる。例えば、SNSのようなコミュニティサーバへ送信することによって、その地点における河川予測画像を、第三者が閲覧することができる。
【0075】
図6は、本発明における端末に表示された河川氾濫予測画像である。
【0076】
図6によれば、河道内の水位の表示は、事前に河道内をレーザプロファイラでスキャンすることで、1センチメートル程度のメッシュ(間隔)で、河道の位置及び写真を取得することができる。河道外は、通常2メートル程度のメッシュ(間隔)である。本発明によれば、端末は、平常時に地図情報、標高データ及び氾濫データを予め受信しておき、災害時に水位情報及び降水量情報並びに氾濫シミュレーションデータを受信することにより、図6のようなリアルな河川氾濫を予測した3次元地図画像を表示することができる。従って、動画利用時のような大量のデータでネットワークの帯域幅を大きく占有することがない。
【0077】
以上、前述したように、本発明の端末及びプログラムによれば、携帯電話機のように狭帯域回線で通信する端末であっても、リアルタイムに、降雨による河川氾濫予測情報を導出し、現在位置との関係から住民自ら危険性を判断することができる。
【0078】
本発明によれば、水位情報と降水量情報とをオンラインでリアルタイムに取得するだけで、携帯電話機のような端末であっても河道水位の予測をすることができる。特に、端末の現在位置に最寄りの水位観測点(水位センサ設置箇所)で河道水位を予測することによって、通信回線を圧迫することなく、それをリアルな3次元表示で携帯端末に表示することができ、住民に知らせることができる。河川の状況を撮影したテレビ画像を、例えば動画圧縮方式MPEG4のH.264を用いて、640×512ピクセルの大きさで1秒間に12フレームで動画化すると、その動画送信には、1ユーザあたり約500kbpsを必要とする。これに対し、本発明によれば、端末へ送信すべき水位情報及び降水量情報は、高々数10KByteである。例えば5分毎に水位情報及び降水量情報を送信するとしても、ネットワーク回線の帯域幅はおよそ1/100以下で済むことになる。
【0079】
氾濫水位の予測に関しては、夜間や天候の悪い豪雨時に流域全体を見渡して、カメラで河川の氾濫状況を動画として送信することは現実的に難しい。これに対し、本発明によれば、端末内で河川氾濫予測情報を導出し且つ3次元地図で表示するので、利用者にとっては河川氾濫予測情報を把握することが容易になる。住民は、端末に表示された河川氾濫予測情報を見るだけで、自分で避難をすべきかどうかの判断することができる。本発明によれば、河川氾濫について、一刻も早く客観的な情報を住民に伝達する防災情報システムを提供することができる。
【0080】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0081】
1 端末
101 通信インターフェース
102 測位部
103 ユーザ操作部
104 ディスプレイ部
111 地点設定部
112 水位情報取得部
113 降水量情報取得部
114 到達時間特定部
115 水位情報算出部
116 地図情報蓄積部
117 河川予測画像生成部
118 地図画像取得部
119 標高データ取得部
120 氾濫データ取得部
121 氾濫データ蓄積部
122 画像送信部
2 水位センサ
3 水位データベース
4 降水データベース
5 地図サーバ
6 標高データベース
7 氾濫データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
河川に設置された水位センサの地点毎に計測された水位情報を蓄積した水位データベースと、地点間流域の降水量情報を蓄積した降水データベースと通信し、河川氾濫予測情報をディスプレイに表示する端末であって、
河川上流に位置する第1の水位観測地点と、第1の水位観測地点よりも河川下流に位置する第2の水位観測地点と、第2の水位観測地点よりも河川下流に位置する予測地点とを設定する地点設定手段と、
前記水位データベースから、第1の水位観測地点の第1の水位情報、及び第2の水位観測地点の第2の水位情報を取得する水位情報取得手段と、
前記降水データベースから、第1−第2の水位観測地点間における降水量情報を取得する降水量情報取得手段と、
前記河川における第1−第2の水位観測地点間における洪水の到達時間τ21を特定する到達時間特定手段と、
第1の水位情報及び第2の水位情報と前記降水量情報と前記到達時間τ21とに基づいて、現在時刻tから予測したい未来時刻t+Iに発生すべき第2の水位観測地点における中間予測水位情報を算出し、該中間予測水位情報と、第2の水位観測地点から予測地点までの河道情報とに基づいて、現在時刻tから予測したい未来時刻t+I+αに発生すべき予測地点における予測水位情報を更に算出する水位情報算出手段と
を有することを特徴とする端末。
【請求項2】
前記水位情報算出手段は、水位情報を流水断面積として算出するものであって、
現在時刻tから予測したい未来時刻t+Iまでの第2の水位観測地点における流水断面積の差ΔA2を、河道の到達時間τ21だけ上流の第1の水位観測地点における流水断面積の差ΔA1と、時刻t−τ21から現在時刻tまでの第1の水位観測地点及び第2の水位観測地点の間の降雨量に基づく流水断面積の増分とによって算出し、
前記水位情報算出手段は、更に、第2の水位観測地点から前記予測地点の水位を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の端末。
【請求項3】
予測地点周辺の地図画像を蓄積した地図画像サーバと、予測地点周辺の標高データ蓄積した標高データベースと更に通信し、
予測地点周辺の地図画像と、予測地点周辺の標高データとを、位置に対応付けて蓄積した地図画像蓄積手段と、
前記水位情報算出手段によって算出された予測地点の水位情報が、予測地点の地図画像における河川堤防部分の標高よりも高くなった際に、予測地点におけるその水位に基づいた河川氾濫画像を、予測地点の地図画像に重畳した画像を生成する河川水位予測画像生成手段と
を更に有することを特徴とする請求項2に記載の端末。
【請求項4】
前記地図画像蓄積手段が蓄積する前記標高データは、河川内及びその周辺をレーザプロファイラでスキャンすることにより得られた3次元地形データであり、前記地図画像は、そのスキャンと同時に撮影デジタル写真画像をオルソ空中写真に変換したものであることを特徴とする請求項3に記載の端末。
【請求項5】
前記端末は、携帯端末又は携帯電話機であって、
測位電波を受信し、現在位置を測位する測位手段を更に有し、
前記地点設定手段は、前記測位手段によって測位された現在位置を、予測地点として特定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の端末。
【請求項6】
河川に設置された水位センサの地点毎に計測された水位情報を蓄積した水位データベースと、地点間流域の降水量情報を蓄積した降水データベースと通信し、河川氾濫予測情報をディスプレイに表示する端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
河川上流に位置する第1の水位観測地点と、第1の水位観測地点よりも河川下流に位置する第2の水位観測地点と、第2の水位観測地点よりも河川下流に位置する予測地点とを設定する地点設定手段と、
前記水位データベースから、第1の水位観測地点の第1の水位情報、及び第2の水位観測地点の第2の水位情報を取得する水位情報取得手段と、
前記降水データベースから、第1−第2の水位観測地点間における降水量情報を取得する降水量情報取得手段と、
前記河川における第1−第2の水位観測地点間における洪水の到達時間τ21を特定する到達時間特定手段と、
第1の水位情報及び第2の水位情報と前記降水量情報と前記到達時間τ21とに基づいて、現在時刻tから予測したい未来時刻t+Iに発生すべき第2の水位観測地点における中間予測水位情報を算出し、該中間予測水位情報と、第2の水位観測地点から予測地点までの河道情報とに基づいて、現在時刻tから予測したい未来時刻t+I+αに発生すべき予測地点における予測水位情報を更に算出する水位情報算出手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする端末用のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−237732(P2010−237732A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81790(P2009−81790)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【特許番号】特許第4323565号(P4323565)
【特許公報発行日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(505298238)学校法人 君が淵学園 崇城大学 (6)
【Fターム(参考)】