隔離環境のための対象物テーブル
隔離ゾーン10に配置される対象物を、隔離ゾーンの外側に配置される診断システム16、18、116、216の中及び外へ移動させる対象物搭載システムが与えられる。管20が、隔離ゾーンから離れるように延在する。その管は、隔離ゾーンに対してオープンとなる内部ボリューム22を持ち、診断システムと動作可能に結合される。細長い対象物支持パレット40、42、142、242が、隔離ゾーンに配置され、管に適合するよう寸法調整される。機械駆動部46、48、146、148、250を含むベース34、36、44、46、48、134、136、138、140、146、148、234、250が、隔離ゾーンに配置され、その細長い対象物支持パレットが管に揃うよう、及びその細長い対象物支持パレットが管の中及び外へ移動するよう構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、国立衛生研究所により授与された承認番号N01-A0-60001の下、政府のサポートを受けてなされたものである。政府は、本発明において特定の権利を持つ。
【0002】
以下は、医療イメージング及び環境隔離技術に関し、バイオセーフティレベル4(BSL−4)環境に含まれる対象物を画像化する医療イメージングシステムを例示的に参照して説明される。本発明は、放射性の、有害な、生物学的に伝染性のある、又は他の有害な物質にさらされるか又は可能性としてさらされる対象物を研究し、処理し、若しくは他の操作をするため又はそれらの対象物を含む隔離環境で実行される医療イメージング又は他の診断においてより一般的な用途を見出す。本発明は、更に、正常な環境状態から汚染を制限するよう制御される、無塵室、無菌室、不活性ガス環境等といった隔離環境において医療イメージング又は他の診断を実行することと組み合わされる医療イメージングに用途を見出す。
【背景技術】
【0003】
生物学的に有害で非常に接触伝染性の強い病気が、公衆の健康問題として注目されている。飛行機旅行の増加が、感染の急速な世界規模での広がりを促進させる。バイオテロは、有害な感染に公衆がさらされることになる別の可能性のあるルートである。感染の発生に対する有効な対策は、感染物質(即ち、ウイルス、バクテリア、プリオン、胞子等のタイプ又は種)、反作用剤の効果(薬又は他のタイプの処置等)、感染経路(空気感染、接触感染等)、症状が生じる前の潜伏期間等を知ることにより容易化される。この知識は、適切な研究室での研究により得られる。
【0004】
磁気共鳴(MR)スキャナ、トランスミッションコンピュータ断層撮影(CT)スキャナ、陽電子放出断層撮影(PET)スキャナ、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)のためのガンマカメラ等の医療イメージングシステムは、有害な感染、放射性又は有害物質への被ばく等によりもたらされる病気の生理的兆候を検出する際の強力なツールである。例えば、斯かるイメージング技術は、感染又は病気を示すことができる悪性腫瘍又は他の異常を検出することができる。医療イメージング技術は、生の人間又は動物といった対象物を画像化するため定期的に適用されることができる(例えば、1時間毎に、日毎に、1週間毎に、その他の基準で)。これは、病気への生理的対策、又は放射性若しくは有害物質への被ばくへの生理的対策の進行を追跡するためである。マルチ核MR分光法といった技術が、病気の進行に関連付けられる代謝的変化を追跡することができる。これらの医療イメージングベースの診断は、単に説明目的の例示である。
【0005】
医療イメージングシステムの利点はよく理解されているが、隔離環境の観点において医療イメージングシステムを適用することは、これまで困難とされてきた。国立衛生研究所(NIH)及び疾病対策予防センタ(CDC)は、有害な感染に関する生物的研究を行う研究所に対する運営上の基準を公表した。隔離についての4つのレベルが規定されている。バイオセーフティレベル1(BSL−1)、BSL−2、BSL−3及びBSL−4であり、BSLレベルが上がると隔離の度合いも上がる。BSL−3レベルは、研究所の作業領域をアクセスのための廊下から物理的に分離したり、エアフローを制御するといった隔離ステップを必要とする。BSL−4は、専用のエアフローを備える隔離ゾーン(いわゆる「ホットゾーン」と呼ばれることがある)を必要とする。隔離ゾーンは、空気感染の漏れを防ぐため密閉された部屋、部屋パーティション、又は建物である。ホットゾーンで働く研究所の人間は、内蔵型呼吸装置を備える有害物質スーツ(HAZMAT)といった密閉環境スーツを着用する。隔離ゾーンを出る研究所の人間及び任意のアイテムは、エアロックを通過しなければならず、BSL−4環境の外部に行く前に、特定の汚染除去手順を経なければならない。隔離環境は、尖った角又は特徴を最小化又は削減するよう、及び、隔離スーツのグローブを着用している間操作が困難な小さなファスナ、制御ボタン等といった細かい操作物(operational feature)を最小化又は削減するようデザインされるべきである。
【0006】
BSL−4環境は、例示である。例えば、薬物開発及び検査のための無菌環境を提供するため、有害又は放射性物質の隔離を提供するため等の理由で、他の隔離環境が使用される。これらの隔離環境は、同様な制約を課す。例えば、人間及び装置の移動は制約され、グローブをはめたり、他のスーツを着用することで人間の手の器用さが制限され、角が尖った物が制限等される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
MRスキャナ、CTスキャナ等の複雑で感度の良い医療イメージング装置を隔離環境に導入することは困難が多い。医療イメージング装置は通常、数百、数千又はそれ以上の要素を含み、そのうちのいくつかは、汚染除去を実行するにはアクセスすることが困難であり、隔離ゾーンにおいて適用可能な汚染除去手順と相溶性のない(incompatible)物質から作られている場合もある。例えば、BSL−4汚染除去において使用されることができる腐食性薬品又は加熱は、医療イメージング装置のセンサ要素を破壊する可能性がある。
【0008】
医療イメージング装置におけるボア内又は他のイメージングボリューム内に対象物を配置するのに使用される対象物テーブルに対する汚染も問題となる。感染した又は感染の可能性のある対象物が、対象物テーブルに載せられるため、対象物テーブルは頻繁に汚染除去される。例えば、BSL−4環境において、斯かる汚染除去は通常、対象物間を汚染除去薬品を用いてふき取ることを含むべきであり、時にはより大規模な汚染除去手順を含むべきである。医療イメージング装置に挿入されるとき、対象物テーブルは、安定した階層面も提供すべきであり、これは、テーブルデザインに機械的な制約を課すことになる。
【0009】
更に考慮すべきは、新しい対象物が医療イメージング装置に入れられ又は出される度に毎回、対象物テーブルが隔離環境で働く人間により手動処理又は操作される点である。こうした人々は、医療イメージング装置の動作について訓練を受けた放射線技師ではない場合があり、日常業務のテーブル保守作業の当業者でもない場合がある。更に、隔離環境にいる人間は通常、グローブ、HAZMATスーツ等を着用していることが原因で、器用さが制限されている。対象物テーブルと隔離ゾーンにおける人間との間の接触は、医療イメージング装置のボア又はイメージング領域の内外へのテーブルの並進移動といった処理を自動化することにより減少又は削除されることができるが、追加的な機械部分を導入する代償として、汚染除去を複雑化し、より頻繁な機械的エラーをもたらす場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの側面によれば、隔離ゾーンに配置される対象物を、上記隔離ゾーンの外側に配置される診断システムの中及び外へ移動させる対象物搭載システムが開示される。管が、上記隔離ゾーンから離れて延在する。上記管は、上記診断システムに動作可能に結合され、上記隔離ゾーンに対してオープンとなる内部ボリュームを持つ。細長い対象物支持パレットが、上記隔離ゾーンに配置され、上記管に適合するような大きさを持つ。機械駆動部を含むベースが、上記隔離ゾーンに配置され、上記細長い対象物支持パレットを上記管に揃えるよう構成され、上記細長い対象物支持パレットを上記管の中及び外へ移動させるよう構成される。
【0011】
別の側面によれば、対象物支持テーブルが開示され、その対象物支持テーブルは、対象物支持パレットと、床又はプラットホームに固定され、上記対象物支持パレットに移動可能に係合される前方支持柱と、上記対象物支持パレットに固定され、上記床又はプラットホームに移動可能に係合される後方支持柱と、上記前方支持柱を横切って上記対象物支持パレットを動かすため、上記前方支持柱に対して上記後方支持柱を動かすべく上記後方支持柱に係合し、上記床又はプラットホーム上又は内に配置されるモータ駆動部とを含む。
【0012】
別の側面によれば、磁気共鳴スキャナの中及び外へ対象物を移動させる対象物支持テーブルが開示される。その対象物支持テーブルは、ベースと、上記ベースに少なくとも部分的に配置されるテーブルトップと、上記ベースを横切って上記テーブルトップを移動させるよう上記ベース上又は内に配置されるモジュール式モータとを含む。上記ベースと上記モジュール式モータとは、上記モジュール式モータが上記磁気共鳴スキャナから一般に離れる方向に上記モジュール式モータを移動させることによってのみ除去可能な態様で構成される。
【0013】
別の側面によれば、隔離ゾーンで使用する対象物支持テーブルが開示される。細長い対象物支持パレットとベースとが、上記隔離ゾーンに配置される。ベースは、上記細長い対象物支持パレットを支持するよう構成される。モータ駆動部が、上記ベースに取り付けられ、関連器具に向かって上記細長い対象物支持パレットの端部を延在させるよう上記細長い対象物支持パレットを動かすよう構成される。モータ駆動部は、モジュールとして除去可能な態様で上記ベースに取り付けられるよう構成されるモジュール式モータを含む。
【0014】
1つの利点は、隔離スーツを着た人間又は他の器用さが制限されるものを着用した人間によっても容易に操作される対象物テーブルを提供できる点にある。
【0015】
別の利点は、腐食性薬品を用いる汚染除去に適用可能な対象物テーブルを提供できる点にある。
【0016】
別の利点は、潤滑状態又は他の感知的なモータ要素が密封されるモジュール式モータを備える対象物テーブルを提供できる点にある。
【0017】
別の利点は、汚染除去及び修理のための駆動要素に対するアクセス性を向上させるため、複数のパレット対象物テーブルにおける中間及び上部のパレットモータ駆動部が空間的に分離している点にある。
【0018】
別の利点は、MRスキャナの磁石から一般に離れる向きにモジュール式モータを引っ張ることによってのみ、モータが除去可能であるよう、MRスキャナテーブル用のモジュール式駆動モータを構成する点にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下の詳細な説明を読み理解すれば、当業者は、本発明の更に追加的な利点を理解されるであろう。
【0020】
本発明は、様々な要素及び要素の配列の形式並びに様々なステップ及びステップの配列の形式を取ることができる。図面は、好ましい実施形態を説明するためだけのためにあり、本発明を限定するものとして解釈されるべきものではない。
【0021】
図1及び図2は、外側に配置される結合CT及びPETスキャナを備える隔離ゾーンとその隔離ゾーンからCT及びPETスキャナのボアへと延在する対象物供給管とを図式的に示す。図1は、収縮状態にある対象物パレットを示し、図2は、部分的に管に向かって伸張状態にある対象物パレットを示す。
【0022】
図3〜図10は、図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す。図3〜図6は、隔離ゾーンと、CT及びPETスキャナと、さまざまな収縮及び伸張位置にある上部及び中間テーブルトップ又はパレットを備える第1の実施形態の対象物テーブルとの図式的な側面表示を示す。図7は、第1の実施形態の対象物テーブルの透視図を示し、下部のモータ駆動部カバーの1つが、下部の駆動部を露出させるために除去されている状態を示す。図8は、上部パレットを備える第1の実施形態の対象物テーブルの一部の透視図を示し、下部のモータ駆動部カバーが、上部及び下部の駆動部を露出させるために除去されている状態を示す。図9は、隔離ゾーンにおける床又はプラットホームを伴う第1の実施形態の対象物テーブルにおける後方柱の移動可能な係合部の近接透視表示を示す図である。図10は、下部のモータ駆動部カバーが装着された状態である第1の実施形態の対象物テーブルの透視表示を示す図である。
【0023】
図11〜図16は、例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す。図11及び図12は、隔離ゾーンと、隔離ゾーンの外側にあるCアームX線撮像器と、それぞれ管内の収縮及び伸張位置にあるテーブルトップ又はパレットを備える第2の実施形態の対象物テーブルとの透視表示を示す。図13及び図14は、第2の実施形態の対象物テーブルのブレーキと機械駆動部とをそれぞれ透視表示及び後方端部表示にしたものを示す。ブレーキはオンにした状態である。図15及び図16は、第2の実施形態の対象物テーブルのブレーキと機械駆動部とをそれぞれ後方端部表示及び透視表示にしたものを示す。ブレーキはオフにした状態である。
【0024】
図17〜図25は、例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す。図17は、隔離ゾーンと、隔離ゾーンの外側にあるMRスキャナと、収縮されたテーブルトップ又はパレットを備える第3の実施形態の対象物テーブルとの透視表示を示す。図18は、取り付けられたモジュール式モータを露出させるためベースが持ち上げられたテーブルトップ又はパレットを備える第3の実施形態の対象物テーブルの透視表示を示す。図19は、ベースに取り付けられたモジュール式モータの近接表示を示す。図20は、ベースから除去されたモジュール式モータを示す。図21は、モジュール式モータを示す。図22は、内部要素を明らかにするため除去された筐体の一部と共にモジュール式モータを示す。
【0025】
図1及び図2を参照すると、隔離施設が、バリア12によって、隔離性の低い又は未制御のゾーン14から隔離状態にある隔離ゾーン10を含む。1つの代表的なバリア12が示されるが、通常隔離ゾーン10は例えば、密封室を規定する4つの壁、床、及び天井といった複数のバリアにより囲まれるか又は封じられることになる。アクセスは、エアロック・ドアシステム(図示省略)を介して提供される。代表的なバリア12が透過的なバリアとして図示されるが、バリアは、透過的、半透明又は不透明とすることができる。例えば、ある実施形態では、隔離ゾーン10が、ステンレス鋼壁、床及び天井により囲まれる。ある実施形態では、隔離ゾーン10は、伝染性ウイルス、バクテリア、プリオン、胞子等といった感染性若しくは伝染性物質を含むか含むことができる、又は神経ガス若しくは他の有害な化学物質、放射性物質等といった他の有害物を含むか含むことができるホットゾーン又はダーティゾーンである。感染性、有害又は放射性物質は、空気、物理的接触、摂取、体液の交換等により感染されることができる。感染性、有害又は放射性物質は実際に、空気中又は隔離ゾーン10内の面に存在するとすることができるか、又はグローブボックス、密閉されたコンテナ、若しくは他の格納デバイスに含まれることができる。前者の場合、隔離ゾーン10は、感染性、有害又は放射性物質の1次格納を提供する。後者の場合、隔離ゾーン10は、バックアップ又はフェールセーフ格納を提供する。
【0026】
隔離ゾーン10における感染性、有害又は放射性物質の実際又は可能性のある存在の観点から、適切な安全基準が採用される。ある実施形態では、隔離ゾーン10は、バイオセーフティレベル4(BSL−4)に維持される生物学的ホットゾーン又はダーティゾーンである。BSL−4は、隔離ゾーン10を密閉し、隔離性の低い又は未制御のゾーン14に対して負の圧差に隔離ゾーン10を保ち、ホットゾーン10を定期的に汚染除去し、内蔵型の呼吸装置を備える密閉環境スーツを着用した、資格のある人間に隔離ゾーン10へのアクセスを制限し、隔離ゾーン10における尖った対象物又は角を制限又は削除し(密閉環境スーツの不注意の穿刺を避けるため)、隔離ゾーン10を出る人間又は対象物に対する適切な汚染除去手順を採用する等といった予防措置を必要とする。他の実施形態では、隔離ゾーンで採用される安全基準が、ホットゾーンに存在している又は存在する可能性のある感染性、放射性、又は有害物質等のタイプに基づき選択される。ある実施形態では、隔離ゾーン10は、無塵室、無菌室、不活性ガス環境、又は隔離性の低い若しくは未制御のゾーン14より清潔若しくは汚染度の低い他の隔離ゾーンとすることができる。
【0027】
ゾーン14は、隔離性の低いゾーン又は未制御のゾーンとすることができる。例えば、隔離ゾーン10は、BSL−4隔離で維持されるが、ゾーン14は、BSL−3、BSL−2、BSL−1の隔離又はセーフティレベルで維持される隔離性の低いゾーンとすることができる。また、ゾーン14は、任意の隔離又はセーフティレベルで維持されることがなく、特殊な事前措置なしに人間及び装置が出入りすることができる未制御ゾーンとすることができる。
【0028】
図1及び図2の隔離施設は、例えば図示されるような例示的な医療イメージング装置16、18といった隔離性の低い又は未制御のゾーン14に配置される1つ又は複数の診断システムを含む。医療イメージング装置16、18は、研究所の実験動物、感染した人間、感染を運ぶことができる植物といった感染伝達媒介生物等の隔離ゾーン10に配置される対象物を画像化するよう構成される。説明目的のため、医療装置16、18はそれぞれ、CT及びPETスキャナであると考えられる。しかしながら、より一般には、その1つ又は複数の医療イメージング装置16、18は例えば、磁気共鳴(MR)スキャナ、陽電子放出断層撮影(PET)スキャナ、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)データを取得するためのガンマカメラ、トランスミッションコンピュータ断層撮影(CT)スキャナ、X線撮像器等を含むことができる。更により一般的には、診断システム16、18は、光学又は磁気共鳴分光法システム、ガイガーカウンタ等(図示省略)の1つ又は複数の非撮像診断システムを含むことができる。医療イメージング装置又は他の診断システムは通常、高価であり、通常多数のパーツを含む。そのパーツのいくつかは、隔離ゾーン10にて使用される腐食性物質、加熱又は他の汚染除去手順と非相溶な場合がある。
【0029】
従って、診断システム16、18は、隔離性の低い又は未制御のゾーン14に配置され、隔離ゾーン10から離れる方向に延在するバリア12に配置される適切な管20を通して隔離ゾーン10に配置される対象物を画像化するか又は対象物と動作可能に結合する。管20は、隔離ゾーン10に対してオープンな内部ボリューム22を持ち、診断システム16、18と動作可能に結合される。管20の開口部24は、隔離ゾーン10とやり取りできる(communicate)。管20の内部ボリューム22は、隔離性の低い又は未制御のゾーン14から隔離される。その隔離は、例えば、開口部24のエッジをバリア12を用いて密封することにより、及び遠端に密封キャップ又は他の閉鎖物を設けることにより行われる。その閉鎖物は、同じ物質から作られることができ、オプションで、管と接触している。他の実施形態では、そのキャップは、管とは異なる物質から作られることができる。図示される実施形態では、管20は、円形断面を持つ円筒形であり、第1の医療イメージング装置16のボア24を通り、第2の医療イメージング装置18のボア26を通る。図示される管20は例示であることを理解されたい。即ち、想定される他の実施形態では、管は、次第に細くなる円錐形状を持つことができ、楕円、方形、正方形又は他の形状等の断面を持つことができる。
【0030】
管20は、隔離ゾーン10における対象物が、隔離ゾーン10の外側に配置される診断システム16、18と動作可能に結合されることを可能にする。例えば、診断システム16、18が、医療イメージングシステムである場合、管20は、管20の内部22に配置される対象物のイメージングを可能にする。イメージング又は診断モダリティに依存して、管20は、光学的に透過なもの又は光学的に透過でないものとすることができる。例えば、MRスキャナの場合、管20は、光学的に不透明又は光学的に透明とすることができるが、管20を通過する無線周波数場、印加磁場及び傾斜磁場が実質的に妨げられないことを可能とするよう、非磁気的であるべきである。コンピュータ断層撮影イメージングに対しては、管20は、送信されるX線に対して実質的に透過である物質から作られるべきである。PET又はSPECTイメージングに対しては、管20は、対象物に投与される放射性医薬品により放出される放射線に対して実質的に透過である物質で作られるべきである。例えば、PETイメージングでは、電子陽電子消滅イベントにより放出される511keVのガンマ光線が、管20を通るとき実質的に減衰しないで通過すべきである。写真イメージングに対しては、管20は、光学的に透過であるべきである。ガイガーカウンタを用いる診断モニタリングに対しては、管は、対象物に存在することができる放射線のタイプに対して実質的に透過的であるべきである。
【0031】
有利には、診断システム16、18は、隔離ゾーン10の外側に配置され、従って、隔離ゾーン10に配置される人及びアイテムに適用可能である汚染除去又は他の生物学的安全手順を経験することがない。診断システム16、18は例えば、密閉環境スーツを着用していない隔離性の低い又は未制御のゾーン14にいる人間により動作されることができる。しかしながら、管20の内部ボリューム22の中及び外へ対象物を動かすのに使用される対象物テーブル30は、隔離ゾーン10の内側に配置される。
【0032】
図1において、第2の医療イメージング装置18は、第1の医療イメージング装置16から距離D分離れて動かされる。図示される実施形態において、イメージング装置18と、隔離ゾーン10の外側でイメージング装置18を支持するプラットホーム又は床との間には、図示されるようなレール32といった移動可能な係合部32が存在する。移動可能な係合部は、イメージングシステム18が、(図2に示される)動作位置と(図1に示される)保守位置との間で管20に沿って線形に移動されることを可能にする。図1の保守位置において、医療イメージング装置16、18の修復又は保守を容易にするため、第2の医療イメージング装置18は、第1の医療イメージング装置16から隔てられる。例えば、医療イメージング装置16がCTスキャナである場合、医療イメージング装置16、18を距離D分だけ隔てることは、交換のため(図示省略された)X線管にアクセスすべく、CTスキャナのガントリ筐体パネルを除去することを容易化することができる。保守及び動作位置は、離れた位置でも、近接した位置又は位置範囲でもよいことを理解されたい。例えば、保守位置は、意図された保守活動を容易にするよう十分大きな距離Dに対する位置又は値の連続範囲とすることができる。
【0033】
引き続き図1及び図2を参照して、更に図3〜図10を参照すると、対象物テーブル30は、前方支持柱34と後方支持柱36とを含むベースを含む。パレットアセンブリは、中間の細長いテーブルトップ又はパレット40と、上部の細長いテーブルトップ又はパレット42とを含む。前方支持柱34は、床又はプラットホーム44に固定され、その中間の細長いパレット40に移動可能に係合される。例えば、中間の細長いパレット40は、前方柱34を横切ってスライドすることができるか、又は中間の細長いパレット40と前方柱34の上部との間に配置されるローラ43の上を転がることができる、等である。後方支持柱36は、中間の細長いパレット40に固定され、床又はプラットホーム44に移動可能に係合される。モジュール式モータ48を含む下部のモータ駆動部46は、床又はプラットホーム44上又は内に配置され、前方支持柱34に対して後方支持柱36を動かすため、後方支持柱36と係合し、中間の細長いパレット40と上部の細長いパレット42とを一緒に前方支持柱34を横切って、管20の中及び外へそれぞれ動かす。更に、モジュール式モータ52を含む上部のモータ駆動部50は、中間の細長いパレット40上又は内に配置され、中間の細長いパレット40に対してそれぞれ上部の細長いパレット42を動かすよう、上部の細長いパレット42と係合する。
【0034】
モータ駆動部46、50は空間的に分離されている。中間の細長いパレット40に対するモータ駆動部46は、床又はプラットホーム44上又は内に配置され、上部の細長いパレット42に対するモータ駆動部50は、中間の細長いパレット40上又は内に配置される。駆動部の斯かる空間分離は、駆動部の要素の汚染除去又は修復に対するアクセス性を向上させる。更に、中間の細長いパレット40に対するモータ駆動部46を床の上に配置することは、柱34、36により支持される重量を減らし、中間の細長いパレット40が、軽量化され、よりコンパクトになることを可能にする。これらは、図1及び図2の隔離環境においては利点となるが、従来の病院又は他の医療施設設定を含む他の設定においても利点となる。
【0035】
図3は、両方のパレット40、42が完全に収縮された状態の対象物テーブル30を示す。図3は、中間の細長いパレット40と係合し、管20への挿入の進行を止めるため、傾斜台56といった管20に配置される係合要素56も示す。図示される構成において、係合要素56は、隔離ゾーン10の外側に配置される管支持部58に揃えられ、管20を支持する。その結果、管20は、他方のカンチレバー型パレット40のたわみを減らすため、管支持部58の位置で係合要素56を支持する。
【0036】
図4は、下部のモータ駆動部46を用いるときの中間の細長いパレット40の伸張を示す。一方図5は、上部のモータ駆動部50(図5参照)を用いるときの上部の細長いパレット42の更なる伸張を示す。図4に示されるように、中間の細長いパレット40は、係合要素56と係合するよう延在し、これは、その伸張位置で、中間の細長いパレット40に対する支持部を与える。係合要素56が管支持部58に揃えられるので、管20にかかる圧力は制限される。しかしながら、管20が十分に強く剛性な物質から作られる実施形態においては、係合要素を管内の管支持部と揃わない位置に配置することも想定される。図5に示されるように、上部の細長いパレット42も伸張されるとき、それは、第2の医療イメージング装置18(これは例えばPETスキャナとすることができる)のボア28内に配置され、中間の細長いパレット40からカンチレバー態様で支持される。
【0037】
オプションで、上部の細長いパレット42が収縮位置にないならば、中間の細長いパレット40が、管20の外へ動かされることができないよう、下部のモータ機械駆動部46が連結される。その連結は、中間の細長いパレット40が部分的に収縮し、従って係合要素56により支持されず、一方上部パレット42は、中間パレット40上の実質的なトルクを生み出すよう伸張されるといった不均衡なテーブル構成を避ける。
【0038】
図6を参照すると、隔離ゾーン10に最も近接して配置される第1の医療イメージング装置16(これは例えばCTスキャナとすることができる)を用いて撮像を実行するため、図3の完全に収縮された位置から説明を始める。中間の細長いパレット40は収縮されたままである。第1の医療イメージング装置16のボア26に揃えられた管20内に上部の細長いパレット42を動かすため、上部の細長いパレット42は、上部モータ駆動部50を用いて伸張される。この構成において、上部の細長いパレット42は、収縮された中間パレット40を含むベースからカンチレバー態様で支持される。
【0039】
BSL−4又は他の高レベルな隔離環境において対象物テーブル30を使用するため、汚染除去手順を支持するための提案が適切になされる。例えば、図10に示されるように、下部のモータ駆動部46はオプションで、カバー60、62により覆われる。カバー60、62間に配置されるラバーストリップシール64が実質的に、駆動部カバー60、62におけるスロットを密封する。スロットに沿って、後方支持柱36は移動可能に係合される。柱36は、狭いストリップシール64での密封を可能にするよう、下部においてT型となるよう適切に狭められる。この態様で、下部のモータ駆動部46は実質的に、下部のモータ駆動部46への不注意な液体進入又は対象物落下に対抗しうるよう密封される。ある実施形態では、下部及び上部のモータ駆動部46、50のモジュール式モータ48、52がそれぞれ、交換可能であり、その結果、シングルタイプのモジュール式モータが、汚染除去のため又はモータ故障を解決することを可能にするため、モジュール式モータを交換取り出し(swap out)可能とするよう隔離ゾーン10に格納されることができる。モジュール式モータ48、52はオプションで、モータの外側だけが、隔離ゾーン10の環境にさらされるよう密封されることもある。ある実施形態では、上部の細長いパレット42が、下にある上部のモータ駆動部50の汚染除去を容易にするため、容易に除去可能であるよう構成される。
【0040】
対象物テーブル30の要素は、例えばBSL−4隔離で採用される通常の汚染除去薬品及び処理と相溶性のある(compatible)スレンレス鋼で適切に作られる。ネジは、汚染除去薬品及び処理に対する耐性を与えるため、及びネジが固着する可能性を減らすため、適切にテフロン(登録商標)コートされる。スルーホール、カウンタボア等が、感染の収集点を減らすため、エポキシ、シリコン等で適切に充填される。モータ駆動部46、50に対する変換電気ケーブルは、適切なリボンケーブルであり、日常的な汚染除去の間しっかり拭くことが簡単である。モータ駆動部46、50はオプションで、汚染除去又は交換を促進させため簡単に取り外せるよう構成される。例えば、ある実施形態では、モータ駆動部を持ち上げるため、駆動部アセンブリの反対側端部にあるテフロン(登録商標)コートされたネジが除去される。前方及び後方柱34、36は、適切な中空ステンレス鋼円筒である。前方柱34の端部は、鋼による円筒の内部に封をするよう適切に溶接され閉じられる。その結果、前方柱34の外側だけが、隔離ゾーン10にさらされる。後方柱36の端部は、汚染物質の進入を防ぐべくラバーブーツで適切に封をされる。ケーブルの簡単な交換及び汚染除去を促進させるため、電気ケーブルがオプションで、柱34、36の外側に配置される。
【0041】
対象物支持部30は、説明的な例示であり、医療イメージング装置16のボア26又は医療イメージング装置18のボア28のいずれかにおける上部の細長いパレット42に配置される対象物の配置を可能にするよう適切に適合される。
【0042】
図11〜図16を参照すると、別の対象物テーブル130が記載される。これは、例えば、隔離性の低い又は未制御のゾーン14に配置され、図式的に示されるCアームX線撮像器116における対象物を配置するのに適している。対象物テーブル130は、隔離ゾーン10に配置され、前方及び後方支持柱134、136を含む。その両方が、例えば図示されるベースプレート138を介して、隔離ゾーン10の床又はプラットホームに固定される。支持柱134、136の反対側端部は、細長い水平のベース部材140に固定される。細長いテーブルトップ又はパレット142は、細長い水平のベース部材140により支持され、管20の内部に適合するような寸法にされる(図11及び図12におけるファントム図に示される)。収縮位置において(図11)、パレット142は、ベース部材140の上部に実質的に横たわる。伸張位置において(図12)、パレット142は、ベース部材140のレール144に沿って、管20内部へと動かされる。水平ベース部材140から離れて延在するパレット142の部分は、ベース部材140によりカンチレバー態様で支持される。なぜなら、それは、CアームX線撮像器116のイメージング領域と一致するよう管20へと延在するからである。対象物テーブル130は、対象物テーブル30に示されるような2つのパレット要素40、42ではなく単一のパレット要素142を含むので、対象物テーブル130は、対象物がイメージングの間平行移動されないシングルイメージングシステムといった、対象物の並進運動が限定されているか又は短距離であるようなイメージング作業に適している。しかしながら、対象物テーブル130は、他の使用にも想定される。例えば、対象物がイメージングの間並進する螺旋CTイメージングといった使用である。
【0043】
モータ駆動の対象物テーブル30とは異なり、図11〜図16の対象物テーブル130は、図13〜図16に最も良く見られる手動の機械駆動部146を含む。グローブ又は他の器用さが制限される隔離衣服を着用する人間による操作を容易にするため、機械駆動部146は、パレット142の手動による押し又は引き、及びハンドブレーキ148の操作のみを含むようデザインされる。図13及び図14は、ハンドブレーキ148が「オン」(即ち、ブレーキがかけられている)位置を示し、その場合、ハンドブレーキ148のレバーが、摩擦ブレーキを生み出すようパレット142と水平ベース部材140との間の摩擦ブレーキ要素150を押す。摩擦ブレーキ要素150は、ブレーキ148がオンであるときベース部材140に対してパレット142が動かないようベース部材140に対してパレット142を摩擦でロックする。図15及び図16は、ハンドブレーキが「オフ」(即ち、ブレーキがかけられていない)位置にある構成を示し、その場合、細長い水平ベース部材140に対してパレット142が動かされることを可能にするようその摩擦ブレーキ要素150が引かれる。ハンドブレーキ148又はパレットハンドル152といった適切な握り部(handhold)を押す又は引くことにより、パレット142の動きは手動で適切に実行される。
【0044】
図17〜図25を参照すると、別の対象物テーブル230が記載され、それは、例えば、磁気共鳴(MR)スキャナ216のスキャナボア226を通る管20と共に隔離性の低い又は未制御のゾーン14に配置される、図式的に示されるMRスキャナ216における対象物を配置するのに適している。他の実施形態では、MRスキャナはオープンボアスキャナとすることができるか、又は他のイメージング領域構成を持つとすることができる。対象物テーブル230は、隔離ゾーン10における床又はプラットホームに配置されるベース234と、ベース234により支持されるテーブルトップ又はパレット242とを含む。ベース234に配置されるモジュール式モータ250は、ベース234の一般に水平な上部表面に沿って管20へとテーブルトップ又はパレット242を移動させるよう適合される。ある実施形態では、管20が、管20が実質的な重みを支えるよう、スキャナボア226の壁により支持される。斯かる実施形態では、テーブルトップ又はパレット242は、それが管20へと動くとき下部の管壁(lower tube wall)により支持されることができる。他の実施形態では、テーブルトップ242が、それが、管20へと動くときベース234の端部からカンチレバー態様で支持されるようにすることが想定される。これは、例えば、図11〜図16の対象物テーブル130のパレット142のカンチレバー構成と同様のものである。
【0045】
図18に示されるように、汚染除去と下にある要素へのアクセスとを容易にするために、テーブルトップ又はパレット242は、モジュール式モータ250を露出させるためベース234から除去可能である。図20に示されるように、モジュール式モータ250から除去されたテーブルトップ242は、ベース234からユニットとして除去されることができる。図21及び図22に示されるように、モジュール式モータ250は、モータ駆動によるテーブルトップ駆動部の潤滑要素を含む密封されるユニットである(図22参照。図22では、モータ250の密封された筐体の上部カバーが、内部要素を明らかにするため除去されている。)。従って、モジュール式モータ250はユニットとして除去され、汚染除去のため袋に入れられ、及び別のモジュール式モータと交換されることができる。モジュール式モータ250は、隔離ゾーン10における電気パネル(図示省略)と接続するよう構成される電気ケーブル252を含む。モジュール式モータ250は、テーブルトップ又はパレット242の下側で、対応する機械的ギア(図示省略)と動作可能に接続する露出した機械的ギア254も含む。
【0046】
モジュール式モータ250は、MRスキャナ216に対して比較的近接している。従って、MRスキャナ216は、管20及びボア226に向かってモジュール式モータ250を引き付けることができる引力磁場を生み出す。モジュール式モータ250が、磁場による除去の間、MRスキャナ216に向かって不注意で引きずられることになるリスクを最小化するため、ベース234におけるモジュール式モータ250の取り付けは、MRスキャナ216により生成される引力磁場から離れる向きにモジュール式モータを動かすため、モジュール式モータ250が、診断システムから離れる方向にスロット260に沿ってベース234からユニットとして除去されるよう構成される。スロット260は、モジュール式モータ250が握られることができること、及び握る手でつまむことなくMRスキャナ磁石から離れる一般的な方向に引っ張られることができることを確実にする。
【0047】
図23〜図25を参照すると、ある実施形態では、モジュール式モータ250がMRスキャナ216により生成される引力磁場から一般に離れる向きに引きずられることを確実にするため、バイオネット鍵穴構成が使用される。モジュール式モータは、ベース234のプレート274の鍵穴272に挿入するバイオネット270を含む下部面266を持つ。(また、バイオネットがベースに、鍵穴又は鍵スロットがモータに配置されることもできる)。図24は、ロックされた位置を示し、そこでは、バイオネット270が、鍵穴272の狭い位置にある。その構成は、モータ250上のMRスキャナ磁石により課される力(図24及び図25においてFmagnetで示される)が、モジュール式モータ250を図24のロックされた位置に保つ傾向にあるようにされる。図25は、モータ250に除去力(モータ250で動作する図25における矢印Fremovalで示される)を加える人間により実現されるロックされていない位置を示す。除去力は、磁力と反対向きで磁力より大きい。除去力(Fremoval)は、鍵穴272の広い部分へと上にバイオネット270を動かす。図25のこのロックされていない位置では、モジュール式モータ250は、例えば図20に示されるようにベース234から離れるように上昇されることができる。なぜなら、バイオネット270の頭は、鍵穴272の広い部分を通過することができるからである。図示されるバイオネット鍵穴構成の代わりに、適切なリリース方向を持つ別の線形作動するクイックリリース結合が使用されることができる。スロット260は、握る手又は指をつまむことなく、それを磁石から離して持ち上げるため、モジュール式モータ250をつかむのに十分な余地を持つ。
【0048】
指向性のクイックリリース結合270、272は、モータが引力磁力Fmagnetから離れて引きずられることを確実にする。これは、MRスキャナ216に向かってモータが引きずられる可能性を減らす。更に、この構成は、引力磁力Fmagnetの認識をモータを除去する人間に与える。なぜなら、その人間は、磁力Fmagnetの抵抗に対してモータを引っ張る(即ち、除去力Fremovalを行使する)ことをしなければならないからである。
【0049】
BSL−4といった隔離環境に対しては、図示される例示的な対象物テーブル30、130、230はオプションで、単一のツールを用いて、分解又は修復されるようデザインされる。例えば、すべてのユーザアクセス可能な要素は、従来のねじ回しを用いて動作可能な単一のタイプの頭を持つネジを用いて固定されることができる。ネジの代わりに、ボルトといった他の標準化された取り外し可能な固定具も使用されることができる。対象物テーブル30、130、230はオプションで、殺菌、交換又は保守のため、パレットの除去及び下にある要素へのアクセスを容易にするクイックリリース上部パレット(例えば、テーブル30の上部の細長いテーブルトップ若しくはパレット42、テーブル130のテーブルトップ若しくはパレット142、又はテーブル230のテーブルトップ若しくはパレット242)を持つ。斯かるクイックリリースパレットは、管20からのパレット(及び対象物の)緊急手動排出を容易にするため、モータ駆動部から高速に取り外されることもできる。
【0050】
対象物テーブル30、130、230はオプションで、隔離ゾーン10における要素の袋詰め及び高速な交換を容易にするための高次のモダリティを持つ。例えば、駆動モータ48、52、250は、ユニットとして除去され、汚染除去のため袋詰めされることができ、交換モジュール式駆動モータが装着される。更に、対象物テーブル30の下部及び上部駆動モータ48、52はオプションで、隔離ゾーン10に保たれる交換モータの在庫を減らすため交換可能である。ある実施形態では、機械駆動部は高度にモジュール化されており、その結果、例えば、ある実施形態では、対象物テーブル30の各モータ駆動部46、50のギアアセンブリ及びドライブシャフトがユニットとして装着及び除去されることができる。
【0051】
対象物テーブル30、130、230は、ステンレス鋼、テフロン(登録商標)コートされた固定具、及び隔離ゾーン10における汚染除去に使用される汚染除去薬品に耐性のある他の露出要素で適切に作られる。BSL−4の場合、隔離ゾーン10、例えば、対象物テーブル30、130、230の露出要素は、少なくともClydox−S、Microchem,QuatTB,Para−Formaldehyde,Chlorine−Dioxide,Vaporized Hydrogen Peroxide、及びAmmonium Carbonateを含む化学物質に耐性があるべきである。これらの化学物質は通常、BSL−4環境の汚染除去に使用される化学物質である。他方、モジュール式モータ250の内部要素といった密封されたユニットの内部要素はオプションで、斯かる化学物質に対する耐性が低く、BSL−4環境で一般に好まれない滑剤といった物質又は薬物を含むことができる。
【0052】
本発明は、好適な実施例を参照して記述されている。上記詳細な説明を読み理解すれば、第三者は、修正及び変形を思い付くことになろう。本発明は、添付の請求項及びそれらと均等な範囲内である限り、斯かる修正及び変更を含むものとして解釈されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】外側に配置される結合CT及びPETスキャナを備える隔離ゾーンとその隔離ゾーンからCT及びPETスキャナのボアへと延在する対象物供給管とを図式的に示す図である。
【図2】外側に配置される結合CT及びPETスキャナを備える隔離ゾーンとその隔離ゾーンからCT及びPETスキャナのボアへと延在する対象物供給管とを図式的に示す図である。
【図3】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図4】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図5】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図6】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図7】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図8】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図9】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図10】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する対象物テーブルの第1の実施形態を示す図である。
【図11】例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図12】例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図13】例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図14】例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図15】例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図16】例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図17】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図18】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図19】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図20】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図21】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図22】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図23】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図24】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図25】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、国立衛生研究所により授与された承認番号N01-A0-60001の下、政府のサポートを受けてなされたものである。政府は、本発明において特定の権利を持つ。
【0002】
以下は、医療イメージング及び環境隔離技術に関し、バイオセーフティレベル4(BSL−4)環境に含まれる対象物を画像化する医療イメージングシステムを例示的に参照して説明される。本発明は、放射性の、有害な、生物学的に伝染性のある、又は他の有害な物質にさらされるか又は可能性としてさらされる対象物を研究し、処理し、若しくは他の操作をするため又はそれらの対象物を含む隔離環境で実行される医療イメージング又は他の診断においてより一般的な用途を見出す。本発明は、更に、正常な環境状態から汚染を制限するよう制御される、無塵室、無菌室、不活性ガス環境等といった隔離環境において医療イメージング又は他の診断を実行することと組み合わされる医療イメージングに用途を見出す。
【背景技術】
【0003】
生物学的に有害で非常に接触伝染性の強い病気が、公衆の健康問題として注目されている。飛行機旅行の増加が、感染の急速な世界規模での広がりを促進させる。バイオテロは、有害な感染に公衆がさらされることになる別の可能性のあるルートである。感染の発生に対する有効な対策は、感染物質(即ち、ウイルス、バクテリア、プリオン、胞子等のタイプ又は種)、反作用剤の効果(薬又は他のタイプの処置等)、感染経路(空気感染、接触感染等)、症状が生じる前の潜伏期間等を知ることにより容易化される。この知識は、適切な研究室での研究により得られる。
【0004】
磁気共鳴(MR)スキャナ、トランスミッションコンピュータ断層撮影(CT)スキャナ、陽電子放出断層撮影(PET)スキャナ、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)のためのガンマカメラ等の医療イメージングシステムは、有害な感染、放射性又は有害物質への被ばく等によりもたらされる病気の生理的兆候を検出する際の強力なツールである。例えば、斯かるイメージング技術は、感染又は病気を示すことができる悪性腫瘍又は他の異常を検出することができる。医療イメージング技術は、生の人間又は動物といった対象物を画像化するため定期的に適用されることができる(例えば、1時間毎に、日毎に、1週間毎に、その他の基準で)。これは、病気への生理的対策、又は放射性若しくは有害物質への被ばくへの生理的対策の進行を追跡するためである。マルチ核MR分光法といった技術が、病気の進行に関連付けられる代謝的変化を追跡することができる。これらの医療イメージングベースの診断は、単に説明目的の例示である。
【0005】
医療イメージングシステムの利点はよく理解されているが、隔離環境の観点において医療イメージングシステムを適用することは、これまで困難とされてきた。国立衛生研究所(NIH)及び疾病対策予防センタ(CDC)は、有害な感染に関する生物的研究を行う研究所に対する運営上の基準を公表した。隔離についての4つのレベルが規定されている。バイオセーフティレベル1(BSL−1)、BSL−2、BSL−3及びBSL−4であり、BSLレベルが上がると隔離の度合いも上がる。BSL−3レベルは、研究所の作業領域をアクセスのための廊下から物理的に分離したり、エアフローを制御するといった隔離ステップを必要とする。BSL−4は、専用のエアフローを備える隔離ゾーン(いわゆる「ホットゾーン」と呼ばれることがある)を必要とする。隔離ゾーンは、空気感染の漏れを防ぐため密閉された部屋、部屋パーティション、又は建物である。ホットゾーンで働く研究所の人間は、内蔵型呼吸装置を備える有害物質スーツ(HAZMAT)といった密閉環境スーツを着用する。隔離ゾーンを出る研究所の人間及び任意のアイテムは、エアロックを通過しなければならず、BSL−4環境の外部に行く前に、特定の汚染除去手順を経なければならない。隔離環境は、尖った角又は特徴を最小化又は削減するよう、及び、隔離スーツのグローブを着用している間操作が困難な小さなファスナ、制御ボタン等といった細かい操作物(operational feature)を最小化又は削減するようデザインされるべきである。
【0006】
BSL−4環境は、例示である。例えば、薬物開発及び検査のための無菌環境を提供するため、有害又は放射性物質の隔離を提供するため等の理由で、他の隔離環境が使用される。これらの隔離環境は、同様な制約を課す。例えば、人間及び装置の移動は制約され、グローブをはめたり、他のスーツを着用することで人間の手の器用さが制限され、角が尖った物が制限等される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
MRスキャナ、CTスキャナ等の複雑で感度の良い医療イメージング装置を隔離環境に導入することは困難が多い。医療イメージング装置は通常、数百、数千又はそれ以上の要素を含み、そのうちのいくつかは、汚染除去を実行するにはアクセスすることが困難であり、隔離ゾーンにおいて適用可能な汚染除去手順と相溶性のない(incompatible)物質から作られている場合もある。例えば、BSL−4汚染除去において使用されることができる腐食性薬品又は加熱は、医療イメージング装置のセンサ要素を破壊する可能性がある。
【0008】
医療イメージング装置におけるボア内又は他のイメージングボリューム内に対象物を配置するのに使用される対象物テーブルに対する汚染も問題となる。感染した又は感染の可能性のある対象物が、対象物テーブルに載せられるため、対象物テーブルは頻繁に汚染除去される。例えば、BSL−4環境において、斯かる汚染除去は通常、対象物間を汚染除去薬品を用いてふき取ることを含むべきであり、時にはより大規模な汚染除去手順を含むべきである。医療イメージング装置に挿入されるとき、対象物テーブルは、安定した階層面も提供すべきであり、これは、テーブルデザインに機械的な制約を課すことになる。
【0009】
更に考慮すべきは、新しい対象物が医療イメージング装置に入れられ又は出される度に毎回、対象物テーブルが隔離環境で働く人間により手動処理又は操作される点である。こうした人々は、医療イメージング装置の動作について訓練を受けた放射線技師ではない場合があり、日常業務のテーブル保守作業の当業者でもない場合がある。更に、隔離環境にいる人間は通常、グローブ、HAZMATスーツ等を着用していることが原因で、器用さが制限されている。対象物テーブルと隔離ゾーンにおける人間との間の接触は、医療イメージング装置のボア又はイメージング領域の内外へのテーブルの並進移動といった処理を自動化することにより減少又は削除されることができるが、追加的な機械部分を導入する代償として、汚染除去を複雑化し、より頻繁な機械的エラーをもたらす場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの側面によれば、隔離ゾーンに配置される対象物を、上記隔離ゾーンの外側に配置される診断システムの中及び外へ移動させる対象物搭載システムが開示される。管が、上記隔離ゾーンから離れて延在する。上記管は、上記診断システムに動作可能に結合され、上記隔離ゾーンに対してオープンとなる内部ボリュームを持つ。細長い対象物支持パレットが、上記隔離ゾーンに配置され、上記管に適合するような大きさを持つ。機械駆動部を含むベースが、上記隔離ゾーンに配置され、上記細長い対象物支持パレットを上記管に揃えるよう構成され、上記細長い対象物支持パレットを上記管の中及び外へ移動させるよう構成される。
【0011】
別の側面によれば、対象物支持テーブルが開示され、その対象物支持テーブルは、対象物支持パレットと、床又はプラットホームに固定され、上記対象物支持パレットに移動可能に係合される前方支持柱と、上記対象物支持パレットに固定され、上記床又はプラットホームに移動可能に係合される後方支持柱と、上記前方支持柱を横切って上記対象物支持パレットを動かすため、上記前方支持柱に対して上記後方支持柱を動かすべく上記後方支持柱に係合し、上記床又はプラットホーム上又は内に配置されるモータ駆動部とを含む。
【0012】
別の側面によれば、磁気共鳴スキャナの中及び外へ対象物を移動させる対象物支持テーブルが開示される。その対象物支持テーブルは、ベースと、上記ベースに少なくとも部分的に配置されるテーブルトップと、上記ベースを横切って上記テーブルトップを移動させるよう上記ベース上又は内に配置されるモジュール式モータとを含む。上記ベースと上記モジュール式モータとは、上記モジュール式モータが上記磁気共鳴スキャナから一般に離れる方向に上記モジュール式モータを移動させることによってのみ除去可能な態様で構成される。
【0013】
別の側面によれば、隔離ゾーンで使用する対象物支持テーブルが開示される。細長い対象物支持パレットとベースとが、上記隔離ゾーンに配置される。ベースは、上記細長い対象物支持パレットを支持するよう構成される。モータ駆動部が、上記ベースに取り付けられ、関連器具に向かって上記細長い対象物支持パレットの端部を延在させるよう上記細長い対象物支持パレットを動かすよう構成される。モータ駆動部は、モジュールとして除去可能な態様で上記ベースに取り付けられるよう構成されるモジュール式モータを含む。
【0014】
1つの利点は、隔離スーツを着た人間又は他の器用さが制限されるものを着用した人間によっても容易に操作される対象物テーブルを提供できる点にある。
【0015】
別の利点は、腐食性薬品を用いる汚染除去に適用可能な対象物テーブルを提供できる点にある。
【0016】
別の利点は、潤滑状態又は他の感知的なモータ要素が密封されるモジュール式モータを備える対象物テーブルを提供できる点にある。
【0017】
別の利点は、汚染除去及び修理のための駆動要素に対するアクセス性を向上させるため、複数のパレット対象物テーブルにおける中間及び上部のパレットモータ駆動部が空間的に分離している点にある。
【0018】
別の利点は、MRスキャナの磁石から一般に離れる向きにモジュール式モータを引っ張ることによってのみ、モータが除去可能であるよう、MRスキャナテーブル用のモジュール式駆動モータを構成する点にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下の詳細な説明を読み理解すれば、当業者は、本発明の更に追加的な利点を理解されるであろう。
【0020】
本発明は、様々な要素及び要素の配列の形式並びに様々なステップ及びステップの配列の形式を取ることができる。図面は、好ましい実施形態を説明するためだけのためにあり、本発明を限定するものとして解釈されるべきものではない。
【0021】
図1及び図2は、外側に配置される結合CT及びPETスキャナを備える隔離ゾーンとその隔離ゾーンからCT及びPETスキャナのボアへと延在する対象物供給管とを図式的に示す。図1は、収縮状態にある対象物パレットを示し、図2は、部分的に管に向かって伸張状態にある対象物パレットを示す。
【0022】
図3〜図10は、図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す。図3〜図6は、隔離ゾーンと、CT及びPETスキャナと、さまざまな収縮及び伸張位置にある上部及び中間テーブルトップ又はパレットを備える第1の実施形態の対象物テーブルとの図式的な側面表示を示す。図7は、第1の実施形態の対象物テーブルの透視図を示し、下部のモータ駆動部カバーの1つが、下部の駆動部を露出させるために除去されている状態を示す。図8は、上部パレットを備える第1の実施形態の対象物テーブルの一部の透視図を示し、下部のモータ駆動部カバーが、上部及び下部の駆動部を露出させるために除去されている状態を示す。図9は、隔離ゾーンにおける床又はプラットホームを伴う第1の実施形態の対象物テーブルにおける後方柱の移動可能な係合部の近接透視表示を示す図である。図10は、下部のモータ駆動部カバーが装着された状態である第1の実施形態の対象物テーブルの透視表示を示す図である。
【0023】
図11〜図16は、例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す。図11及び図12は、隔離ゾーンと、隔離ゾーンの外側にあるCアームX線撮像器と、それぞれ管内の収縮及び伸張位置にあるテーブルトップ又はパレットを備える第2の実施形態の対象物テーブルとの透視表示を示す。図13及び図14は、第2の実施形態の対象物テーブルのブレーキと機械駆動部とをそれぞれ透視表示及び後方端部表示にしたものを示す。ブレーキはオンにした状態である。図15及び図16は、第2の実施形態の対象物テーブルのブレーキと機械駆動部とをそれぞれ後方端部表示及び透視表示にしたものを示す。ブレーキはオフにした状態である。
【0024】
図17〜図25は、例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す。図17は、隔離ゾーンと、隔離ゾーンの外側にあるMRスキャナと、収縮されたテーブルトップ又はパレットを備える第3の実施形態の対象物テーブルとの透視表示を示す。図18は、取り付けられたモジュール式モータを露出させるためベースが持ち上げられたテーブルトップ又はパレットを備える第3の実施形態の対象物テーブルの透視表示を示す。図19は、ベースに取り付けられたモジュール式モータの近接表示を示す。図20は、ベースから除去されたモジュール式モータを示す。図21は、モジュール式モータを示す。図22は、内部要素を明らかにするため除去された筐体の一部と共にモジュール式モータを示す。
【0025】
図1及び図2を参照すると、隔離施設が、バリア12によって、隔離性の低い又は未制御のゾーン14から隔離状態にある隔離ゾーン10を含む。1つの代表的なバリア12が示されるが、通常隔離ゾーン10は例えば、密封室を規定する4つの壁、床、及び天井といった複数のバリアにより囲まれるか又は封じられることになる。アクセスは、エアロック・ドアシステム(図示省略)を介して提供される。代表的なバリア12が透過的なバリアとして図示されるが、バリアは、透過的、半透明又は不透明とすることができる。例えば、ある実施形態では、隔離ゾーン10が、ステンレス鋼壁、床及び天井により囲まれる。ある実施形態では、隔離ゾーン10は、伝染性ウイルス、バクテリア、プリオン、胞子等といった感染性若しくは伝染性物質を含むか含むことができる、又は神経ガス若しくは他の有害な化学物質、放射性物質等といった他の有害物を含むか含むことができるホットゾーン又はダーティゾーンである。感染性、有害又は放射性物質は、空気、物理的接触、摂取、体液の交換等により感染されることができる。感染性、有害又は放射性物質は実際に、空気中又は隔離ゾーン10内の面に存在するとすることができるか、又はグローブボックス、密閉されたコンテナ、若しくは他の格納デバイスに含まれることができる。前者の場合、隔離ゾーン10は、感染性、有害又は放射性物質の1次格納を提供する。後者の場合、隔離ゾーン10は、バックアップ又はフェールセーフ格納を提供する。
【0026】
隔離ゾーン10における感染性、有害又は放射性物質の実際又は可能性のある存在の観点から、適切な安全基準が採用される。ある実施形態では、隔離ゾーン10は、バイオセーフティレベル4(BSL−4)に維持される生物学的ホットゾーン又はダーティゾーンである。BSL−4は、隔離ゾーン10を密閉し、隔離性の低い又は未制御のゾーン14に対して負の圧差に隔離ゾーン10を保ち、ホットゾーン10を定期的に汚染除去し、内蔵型の呼吸装置を備える密閉環境スーツを着用した、資格のある人間に隔離ゾーン10へのアクセスを制限し、隔離ゾーン10における尖った対象物又は角を制限又は削除し(密閉環境スーツの不注意の穿刺を避けるため)、隔離ゾーン10を出る人間又は対象物に対する適切な汚染除去手順を採用する等といった予防措置を必要とする。他の実施形態では、隔離ゾーンで採用される安全基準が、ホットゾーンに存在している又は存在する可能性のある感染性、放射性、又は有害物質等のタイプに基づき選択される。ある実施形態では、隔離ゾーン10は、無塵室、無菌室、不活性ガス環境、又は隔離性の低い若しくは未制御のゾーン14より清潔若しくは汚染度の低い他の隔離ゾーンとすることができる。
【0027】
ゾーン14は、隔離性の低いゾーン又は未制御のゾーンとすることができる。例えば、隔離ゾーン10は、BSL−4隔離で維持されるが、ゾーン14は、BSL−3、BSL−2、BSL−1の隔離又はセーフティレベルで維持される隔離性の低いゾーンとすることができる。また、ゾーン14は、任意の隔離又はセーフティレベルで維持されることがなく、特殊な事前措置なしに人間及び装置が出入りすることができる未制御ゾーンとすることができる。
【0028】
図1及び図2の隔離施設は、例えば図示されるような例示的な医療イメージング装置16、18といった隔離性の低い又は未制御のゾーン14に配置される1つ又は複数の診断システムを含む。医療イメージング装置16、18は、研究所の実験動物、感染した人間、感染を運ぶことができる植物といった感染伝達媒介生物等の隔離ゾーン10に配置される対象物を画像化するよう構成される。説明目的のため、医療装置16、18はそれぞれ、CT及びPETスキャナであると考えられる。しかしながら、より一般には、その1つ又は複数の医療イメージング装置16、18は例えば、磁気共鳴(MR)スキャナ、陽電子放出断層撮影(PET)スキャナ、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)データを取得するためのガンマカメラ、トランスミッションコンピュータ断層撮影(CT)スキャナ、X線撮像器等を含むことができる。更により一般的には、診断システム16、18は、光学又は磁気共鳴分光法システム、ガイガーカウンタ等(図示省略)の1つ又は複数の非撮像診断システムを含むことができる。医療イメージング装置又は他の診断システムは通常、高価であり、通常多数のパーツを含む。そのパーツのいくつかは、隔離ゾーン10にて使用される腐食性物質、加熱又は他の汚染除去手順と非相溶な場合がある。
【0029】
従って、診断システム16、18は、隔離性の低い又は未制御のゾーン14に配置され、隔離ゾーン10から離れる方向に延在するバリア12に配置される適切な管20を通して隔離ゾーン10に配置される対象物を画像化するか又は対象物と動作可能に結合する。管20は、隔離ゾーン10に対してオープンな内部ボリューム22を持ち、診断システム16、18と動作可能に結合される。管20の開口部24は、隔離ゾーン10とやり取りできる(communicate)。管20の内部ボリューム22は、隔離性の低い又は未制御のゾーン14から隔離される。その隔離は、例えば、開口部24のエッジをバリア12を用いて密封することにより、及び遠端に密封キャップ又は他の閉鎖物を設けることにより行われる。その閉鎖物は、同じ物質から作られることができ、オプションで、管と接触している。他の実施形態では、そのキャップは、管とは異なる物質から作られることができる。図示される実施形態では、管20は、円形断面を持つ円筒形であり、第1の医療イメージング装置16のボア24を通り、第2の医療イメージング装置18のボア26を通る。図示される管20は例示であることを理解されたい。即ち、想定される他の実施形態では、管は、次第に細くなる円錐形状を持つことができ、楕円、方形、正方形又は他の形状等の断面を持つことができる。
【0030】
管20は、隔離ゾーン10における対象物が、隔離ゾーン10の外側に配置される診断システム16、18と動作可能に結合されることを可能にする。例えば、診断システム16、18が、医療イメージングシステムである場合、管20は、管20の内部22に配置される対象物のイメージングを可能にする。イメージング又は診断モダリティに依存して、管20は、光学的に透過なもの又は光学的に透過でないものとすることができる。例えば、MRスキャナの場合、管20は、光学的に不透明又は光学的に透明とすることができるが、管20を通過する無線周波数場、印加磁場及び傾斜磁場が実質的に妨げられないことを可能とするよう、非磁気的であるべきである。コンピュータ断層撮影イメージングに対しては、管20は、送信されるX線に対して実質的に透過である物質から作られるべきである。PET又はSPECTイメージングに対しては、管20は、対象物に投与される放射性医薬品により放出される放射線に対して実質的に透過である物質で作られるべきである。例えば、PETイメージングでは、電子陽電子消滅イベントにより放出される511keVのガンマ光線が、管20を通るとき実質的に減衰しないで通過すべきである。写真イメージングに対しては、管20は、光学的に透過であるべきである。ガイガーカウンタを用いる診断モニタリングに対しては、管は、対象物に存在することができる放射線のタイプに対して実質的に透過的であるべきである。
【0031】
有利には、診断システム16、18は、隔離ゾーン10の外側に配置され、従って、隔離ゾーン10に配置される人及びアイテムに適用可能である汚染除去又は他の生物学的安全手順を経験することがない。診断システム16、18は例えば、密閉環境スーツを着用していない隔離性の低い又は未制御のゾーン14にいる人間により動作されることができる。しかしながら、管20の内部ボリューム22の中及び外へ対象物を動かすのに使用される対象物テーブル30は、隔離ゾーン10の内側に配置される。
【0032】
図1において、第2の医療イメージング装置18は、第1の医療イメージング装置16から距離D分離れて動かされる。図示される実施形態において、イメージング装置18と、隔離ゾーン10の外側でイメージング装置18を支持するプラットホーム又は床との間には、図示されるようなレール32といった移動可能な係合部32が存在する。移動可能な係合部は、イメージングシステム18が、(図2に示される)動作位置と(図1に示される)保守位置との間で管20に沿って線形に移動されることを可能にする。図1の保守位置において、医療イメージング装置16、18の修復又は保守を容易にするため、第2の医療イメージング装置18は、第1の医療イメージング装置16から隔てられる。例えば、医療イメージング装置16がCTスキャナである場合、医療イメージング装置16、18を距離D分だけ隔てることは、交換のため(図示省略された)X線管にアクセスすべく、CTスキャナのガントリ筐体パネルを除去することを容易化することができる。保守及び動作位置は、離れた位置でも、近接した位置又は位置範囲でもよいことを理解されたい。例えば、保守位置は、意図された保守活動を容易にするよう十分大きな距離Dに対する位置又は値の連続範囲とすることができる。
【0033】
引き続き図1及び図2を参照して、更に図3〜図10を参照すると、対象物テーブル30は、前方支持柱34と後方支持柱36とを含むベースを含む。パレットアセンブリは、中間の細長いテーブルトップ又はパレット40と、上部の細長いテーブルトップ又はパレット42とを含む。前方支持柱34は、床又はプラットホーム44に固定され、その中間の細長いパレット40に移動可能に係合される。例えば、中間の細長いパレット40は、前方柱34を横切ってスライドすることができるか、又は中間の細長いパレット40と前方柱34の上部との間に配置されるローラ43の上を転がることができる、等である。後方支持柱36は、中間の細長いパレット40に固定され、床又はプラットホーム44に移動可能に係合される。モジュール式モータ48を含む下部のモータ駆動部46は、床又はプラットホーム44上又は内に配置され、前方支持柱34に対して後方支持柱36を動かすため、後方支持柱36と係合し、中間の細長いパレット40と上部の細長いパレット42とを一緒に前方支持柱34を横切って、管20の中及び外へそれぞれ動かす。更に、モジュール式モータ52を含む上部のモータ駆動部50は、中間の細長いパレット40上又は内に配置され、中間の細長いパレット40に対してそれぞれ上部の細長いパレット42を動かすよう、上部の細長いパレット42と係合する。
【0034】
モータ駆動部46、50は空間的に分離されている。中間の細長いパレット40に対するモータ駆動部46は、床又はプラットホーム44上又は内に配置され、上部の細長いパレット42に対するモータ駆動部50は、中間の細長いパレット40上又は内に配置される。駆動部の斯かる空間分離は、駆動部の要素の汚染除去又は修復に対するアクセス性を向上させる。更に、中間の細長いパレット40に対するモータ駆動部46を床の上に配置することは、柱34、36により支持される重量を減らし、中間の細長いパレット40が、軽量化され、よりコンパクトになることを可能にする。これらは、図1及び図2の隔離環境においては利点となるが、従来の病院又は他の医療施設設定を含む他の設定においても利点となる。
【0035】
図3は、両方のパレット40、42が完全に収縮された状態の対象物テーブル30を示す。図3は、中間の細長いパレット40と係合し、管20への挿入の進行を止めるため、傾斜台56といった管20に配置される係合要素56も示す。図示される構成において、係合要素56は、隔離ゾーン10の外側に配置される管支持部58に揃えられ、管20を支持する。その結果、管20は、他方のカンチレバー型パレット40のたわみを減らすため、管支持部58の位置で係合要素56を支持する。
【0036】
図4は、下部のモータ駆動部46を用いるときの中間の細長いパレット40の伸張を示す。一方図5は、上部のモータ駆動部50(図5参照)を用いるときの上部の細長いパレット42の更なる伸張を示す。図4に示されるように、中間の細長いパレット40は、係合要素56と係合するよう延在し、これは、その伸張位置で、中間の細長いパレット40に対する支持部を与える。係合要素56が管支持部58に揃えられるので、管20にかかる圧力は制限される。しかしながら、管20が十分に強く剛性な物質から作られる実施形態においては、係合要素を管内の管支持部と揃わない位置に配置することも想定される。図5に示されるように、上部の細長いパレット42も伸張されるとき、それは、第2の医療イメージング装置18(これは例えばPETスキャナとすることができる)のボア28内に配置され、中間の細長いパレット40からカンチレバー態様で支持される。
【0037】
オプションで、上部の細長いパレット42が収縮位置にないならば、中間の細長いパレット40が、管20の外へ動かされることができないよう、下部のモータ機械駆動部46が連結される。その連結は、中間の細長いパレット40が部分的に収縮し、従って係合要素56により支持されず、一方上部パレット42は、中間パレット40上の実質的なトルクを生み出すよう伸張されるといった不均衡なテーブル構成を避ける。
【0038】
図6を参照すると、隔離ゾーン10に最も近接して配置される第1の医療イメージング装置16(これは例えばCTスキャナとすることができる)を用いて撮像を実行するため、図3の完全に収縮された位置から説明を始める。中間の細長いパレット40は収縮されたままである。第1の医療イメージング装置16のボア26に揃えられた管20内に上部の細長いパレット42を動かすため、上部の細長いパレット42は、上部モータ駆動部50を用いて伸張される。この構成において、上部の細長いパレット42は、収縮された中間パレット40を含むベースからカンチレバー態様で支持される。
【0039】
BSL−4又は他の高レベルな隔離環境において対象物テーブル30を使用するため、汚染除去手順を支持するための提案が適切になされる。例えば、図10に示されるように、下部のモータ駆動部46はオプションで、カバー60、62により覆われる。カバー60、62間に配置されるラバーストリップシール64が実質的に、駆動部カバー60、62におけるスロットを密封する。スロットに沿って、後方支持柱36は移動可能に係合される。柱36は、狭いストリップシール64での密封を可能にするよう、下部においてT型となるよう適切に狭められる。この態様で、下部のモータ駆動部46は実質的に、下部のモータ駆動部46への不注意な液体進入又は対象物落下に対抗しうるよう密封される。ある実施形態では、下部及び上部のモータ駆動部46、50のモジュール式モータ48、52がそれぞれ、交換可能であり、その結果、シングルタイプのモジュール式モータが、汚染除去のため又はモータ故障を解決することを可能にするため、モジュール式モータを交換取り出し(swap out)可能とするよう隔離ゾーン10に格納されることができる。モジュール式モータ48、52はオプションで、モータの外側だけが、隔離ゾーン10の環境にさらされるよう密封されることもある。ある実施形態では、上部の細長いパレット42が、下にある上部のモータ駆動部50の汚染除去を容易にするため、容易に除去可能であるよう構成される。
【0040】
対象物テーブル30の要素は、例えばBSL−4隔離で採用される通常の汚染除去薬品及び処理と相溶性のある(compatible)スレンレス鋼で適切に作られる。ネジは、汚染除去薬品及び処理に対する耐性を与えるため、及びネジが固着する可能性を減らすため、適切にテフロン(登録商標)コートされる。スルーホール、カウンタボア等が、感染の収集点を減らすため、エポキシ、シリコン等で適切に充填される。モータ駆動部46、50に対する変換電気ケーブルは、適切なリボンケーブルであり、日常的な汚染除去の間しっかり拭くことが簡単である。モータ駆動部46、50はオプションで、汚染除去又は交換を促進させため簡単に取り外せるよう構成される。例えば、ある実施形態では、モータ駆動部を持ち上げるため、駆動部アセンブリの反対側端部にあるテフロン(登録商標)コートされたネジが除去される。前方及び後方柱34、36は、適切な中空ステンレス鋼円筒である。前方柱34の端部は、鋼による円筒の内部に封をするよう適切に溶接され閉じられる。その結果、前方柱34の外側だけが、隔離ゾーン10にさらされる。後方柱36の端部は、汚染物質の進入を防ぐべくラバーブーツで適切に封をされる。ケーブルの簡単な交換及び汚染除去を促進させるため、電気ケーブルがオプションで、柱34、36の外側に配置される。
【0041】
対象物支持部30は、説明的な例示であり、医療イメージング装置16のボア26又は医療イメージング装置18のボア28のいずれかにおける上部の細長いパレット42に配置される対象物の配置を可能にするよう適切に適合される。
【0042】
図11〜図16を参照すると、別の対象物テーブル130が記載される。これは、例えば、隔離性の低い又は未制御のゾーン14に配置され、図式的に示されるCアームX線撮像器116における対象物を配置するのに適している。対象物テーブル130は、隔離ゾーン10に配置され、前方及び後方支持柱134、136を含む。その両方が、例えば図示されるベースプレート138を介して、隔離ゾーン10の床又はプラットホームに固定される。支持柱134、136の反対側端部は、細長い水平のベース部材140に固定される。細長いテーブルトップ又はパレット142は、細長い水平のベース部材140により支持され、管20の内部に適合するような寸法にされる(図11及び図12におけるファントム図に示される)。収縮位置において(図11)、パレット142は、ベース部材140の上部に実質的に横たわる。伸張位置において(図12)、パレット142は、ベース部材140のレール144に沿って、管20内部へと動かされる。水平ベース部材140から離れて延在するパレット142の部分は、ベース部材140によりカンチレバー態様で支持される。なぜなら、それは、CアームX線撮像器116のイメージング領域と一致するよう管20へと延在するからである。対象物テーブル130は、対象物テーブル30に示されるような2つのパレット要素40、42ではなく単一のパレット要素142を含むので、対象物テーブル130は、対象物がイメージングの間平行移動されないシングルイメージングシステムといった、対象物の並進運動が限定されているか又は短距離であるようなイメージング作業に適している。しかしながら、対象物テーブル130は、他の使用にも想定される。例えば、対象物がイメージングの間並進する螺旋CTイメージングといった使用である。
【0043】
モータ駆動の対象物テーブル30とは異なり、図11〜図16の対象物テーブル130は、図13〜図16に最も良く見られる手動の機械駆動部146を含む。グローブ又は他の器用さが制限される隔離衣服を着用する人間による操作を容易にするため、機械駆動部146は、パレット142の手動による押し又は引き、及びハンドブレーキ148の操作のみを含むようデザインされる。図13及び図14は、ハンドブレーキ148が「オン」(即ち、ブレーキがかけられている)位置を示し、その場合、ハンドブレーキ148のレバーが、摩擦ブレーキを生み出すようパレット142と水平ベース部材140との間の摩擦ブレーキ要素150を押す。摩擦ブレーキ要素150は、ブレーキ148がオンであるときベース部材140に対してパレット142が動かないようベース部材140に対してパレット142を摩擦でロックする。図15及び図16は、ハンドブレーキが「オフ」(即ち、ブレーキがかけられていない)位置にある構成を示し、その場合、細長い水平ベース部材140に対してパレット142が動かされることを可能にするようその摩擦ブレーキ要素150が引かれる。ハンドブレーキ148又はパレットハンドル152といった適切な握り部(handhold)を押す又は引くことにより、パレット142の動きは手動で適切に実行される。
【0044】
図17〜図25を参照すると、別の対象物テーブル230が記載され、それは、例えば、磁気共鳴(MR)スキャナ216のスキャナボア226を通る管20と共に隔離性の低い又は未制御のゾーン14に配置される、図式的に示されるMRスキャナ216における対象物を配置するのに適している。他の実施形態では、MRスキャナはオープンボアスキャナとすることができるか、又は他のイメージング領域構成を持つとすることができる。対象物テーブル230は、隔離ゾーン10における床又はプラットホームに配置されるベース234と、ベース234により支持されるテーブルトップ又はパレット242とを含む。ベース234に配置されるモジュール式モータ250は、ベース234の一般に水平な上部表面に沿って管20へとテーブルトップ又はパレット242を移動させるよう適合される。ある実施形態では、管20が、管20が実質的な重みを支えるよう、スキャナボア226の壁により支持される。斯かる実施形態では、テーブルトップ又はパレット242は、それが管20へと動くとき下部の管壁(lower tube wall)により支持されることができる。他の実施形態では、テーブルトップ242が、それが、管20へと動くときベース234の端部からカンチレバー態様で支持されるようにすることが想定される。これは、例えば、図11〜図16の対象物テーブル130のパレット142のカンチレバー構成と同様のものである。
【0045】
図18に示されるように、汚染除去と下にある要素へのアクセスとを容易にするために、テーブルトップ又はパレット242は、モジュール式モータ250を露出させるためベース234から除去可能である。図20に示されるように、モジュール式モータ250から除去されたテーブルトップ242は、ベース234からユニットとして除去されることができる。図21及び図22に示されるように、モジュール式モータ250は、モータ駆動によるテーブルトップ駆動部の潤滑要素を含む密封されるユニットである(図22参照。図22では、モータ250の密封された筐体の上部カバーが、内部要素を明らかにするため除去されている。)。従って、モジュール式モータ250はユニットとして除去され、汚染除去のため袋に入れられ、及び別のモジュール式モータと交換されることができる。モジュール式モータ250は、隔離ゾーン10における電気パネル(図示省略)と接続するよう構成される電気ケーブル252を含む。モジュール式モータ250は、テーブルトップ又はパレット242の下側で、対応する機械的ギア(図示省略)と動作可能に接続する露出した機械的ギア254も含む。
【0046】
モジュール式モータ250は、MRスキャナ216に対して比較的近接している。従って、MRスキャナ216は、管20及びボア226に向かってモジュール式モータ250を引き付けることができる引力磁場を生み出す。モジュール式モータ250が、磁場による除去の間、MRスキャナ216に向かって不注意で引きずられることになるリスクを最小化するため、ベース234におけるモジュール式モータ250の取り付けは、MRスキャナ216により生成される引力磁場から離れる向きにモジュール式モータを動かすため、モジュール式モータ250が、診断システムから離れる方向にスロット260に沿ってベース234からユニットとして除去されるよう構成される。スロット260は、モジュール式モータ250が握られることができること、及び握る手でつまむことなくMRスキャナ磁石から離れる一般的な方向に引っ張られることができることを確実にする。
【0047】
図23〜図25を参照すると、ある実施形態では、モジュール式モータ250がMRスキャナ216により生成される引力磁場から一般に離れる向きに引きずられることを確実にするため、バイオネット鍵穴構成が使用される。モジュール式モータは、ベース234のプレート274の鍵穴272に挿入するバイオネット270を含む下部面266を持つ。(また、バイオネットがベースに、鍵穴又は鍵スロットがモータに配置されることもできる)。図24は、ロックされた位置を示し、そこでは、バイオネット270が、鍵穴272の狭い位置にある。その構成は、モータ250上のMRスキャナ磁石により課される力(図24及び図25においてFmagnetで示される)が、モジュール式モータ250を図24のロックされた位置に保つ傾向にあるようにされる。図25は、モータ250に除去力(モータ250で動作する図25における矢印Fremovalで示される)を加える人間により実現されるロックされていない位置を示す。除去力は、磁力と反対向きで磁力より大きい。除去力(Fremoval)は、鍵穴272の広い部分へと上にバイオネット270を動かす。図25のこのロックされていない位置では、モジュール式モータ250は、例えば図20に示されるようにベース234から離れるように上昇されることができる。なぜなら、バイオネット270の頭は、鍵穴272の広い部分を通過することができるからである。図示されるバイオネット鍵穴構成の代わりに、適切なリリース方向を持つ別の線形作動するクイックリリース結合が使用されることができる。スロット260は、握る手又は指をつまむことなく、それを磁石から離して持ち上げるため、モジュール式モータ250をつかむのに十分な余地を持つ。
【0048】
指向性のクイックリリース結合270、272は、モータが引力磁力Fmagnetから離れて引きずられることを確実にする。これは、MRスキャナ216に向かってモータが引きずられる可能性を減らす。更に、この構成は、引力磁力Fmagnetの認識をモータを除去する人間に与える。なぜなら、その人間は、磁力Fmagnetの抵抗に対してモータを引っ張る(即ち、除去力Fremovalを行使する)ことをしなければならないからである。
【0049】
BSL−4といった隔離環境に対しては、図示される例示的な対象物テーブル30、130、230はオプションで、単一のツールを用いて、分解又は修復されるようデザインされる。例えば、すべてのユーザアクセス可能な要素は、従来のねじ回しを用いて動作可能な単一のタイプの頭を持つネジを用いて固定されることができる。ネジの代わりに、ボルトといった他の標準化された取り外し可能な固定具も使用されることができる。対象物テーブル30、130、230はオプションで、殺菌、交換又は保守のため、パレットの除去及び下にある要素へのアクセスを容易にするクイックリリース上部パレット(例えば、テーブル30の上部の細長いテーブルトップ若しくはパレット42、テーブル130のテーブルトップ若しくはパレット142、又はテーブル230のテーブルトップ若しくはパレット242)を持つ。斯かるクイックリリースパレットは、管20からのパレット(及び対象物の)緊急手動排出を容易にするため、モータ駆動部から高速に取り外されることもできる。
【0050】
対象物テーブル30、130、230はオプションで、隔離ゾーン10における要素の袋詰め及び高速な交換を容易にするための高次のモダリティを持つ。例えば、駆動モータ48、52、250は、ユニットとして除去され、汚染除去のため袋詰めされることができ、交換モジュール式駆動モータが装着される。更に、対象物テーブル30の下部及び上部駆動モータ48、52はオプションで、隔離ゾーン10に保たれる交換モータの在庫を減らすため交換可能である。ある実施形態では、機械駆動部は高度にモジュール化されており、その結果、例えば、ある実施形態では、対象物テーブル30の各モータ駆動部46、50のギアアセンブリ及びドライブシャフトがユニットとして装着及び除去されることができる。
【0051】
対象物テーブル30、130、230は、ステンレス鋼、テフロン(登録商標)コートされた固定具、及び隔離ゾーン10における汚染除去に使用される汚染除去薬品に耐性のある他の露出要素で適切に作られる。BSL−4の場合、隔離ゾーン10、例えば、対象物テーブル30、130、230の露出要素は、少なくともClydox−S、Microchem,QuatTB,Para−Formaldehyde,Chlorine−Dioxide,Vaporized Hydrogen Peroxide、及びAmmonium Carbonateを含む化学物質に耐性があるべきである。これらの化学物質は通常、BSL−4環境の汚染除去に使用される化学物質である。他方、モジュール式モータ250の内部要素といった密封されたユニットの内部要素はオプションで、斯かる化学物質に対する耐性が低く、BSL−4環境で一般に好まれない滑剤といった物質又は薬物を含むことができる。
【0052】
本発明は、好適な実施例を参照して記述されている。上記詳細な説明を読み理解すれば、第三者は、修正及び変形を思い付くことになろう。本発明は、添付の請求項及びそれらと均等な範囲内である限り、斯かる修正及び変更を含むものとして解釈されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】外側に配置される結合CT及びPETスキャナを備える隔離ゾーンとその隔離ゾーンからCT及びPETスキャナのボアへと延在する対象物供給管とを図式的に示す図である。
【図2】外側に配置される結合CT及びPETスキャナを備える隔離ゾーンとその隔離ゾーンからCT及びPETスキャナのボアへと延在する対象物供給管とを図式的に示す図である。
【図3】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図4】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図5】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図6】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図7】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図8】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図9】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する第1の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図10】図1及び図2のCT及びPETスキャナと共に使用する対象物テーブルの第1の実施形態を示す図である。
【図11】例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図12】例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図13】例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図14】例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図15】例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図16】例えば、CアームX線撮像器の中及び外へ対象物を動かすのに適した第2の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図17】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図18】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図19】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図20】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図21】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図22】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図23】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図24】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【図25】例えば、磁気共鳴(MR)スキャナの中及び外へ対象物を動かすのに適した第3の対象物テーブルの実施形態を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔離ゾーンに配置される対象物を、前記隔離ゾーンの外側に配置される診断システムの中及び外へ移動させる対象物搭載システムであって、
前記隔離ゾーンから離れて延在する管であって、前記隔離ゾーンに対してオープンとなる内部ボリュームを持ち、前記診断システムに動作可能に結合される管と、
前記隔離ゾーンに配置され、前記管に適合するような大きさの細長い対象物支持パレットと、
前記細長い対象物支持パレットを前記管に揃えるよう構成され、前記細長い対象物支持パレットを前記管の中及び外へ移動させるよう構成され、及び前記隔離ゾーンに配置される機械駆動部を含むベースとを有する、対象物搭載システム。
【請求項2】
前記管が、円筒形及び先細形のいずれかであり、円、楕円、方形及び正方形からなるグループから選択される断面を持つ、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項3】
前記管が、磁気共鳴スキャンと相溶性のある非磁気物質、トランスミッションコンピュータ断層撮影スキャン又はX線イメージングの間生成されるX線に実質的に透過な物質、及び電子陽電子消失イベントにより生成される511keVガンマ線に実質的に透過な物質の少なくとも1つを有する、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項4】
前記細長い対象物支持パレットが少なくとも部分的に前記管に延在されるとき、前記ベース及び前記機械駆動部が、前記管に近いベースの端部からカンチレバー態様で前記細長い対象物支持パレットを支持するよう構成される、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項5】
前記細長い対象物支持パレットが少なくとも部分的に前記管に延在されるとき、前記細長い対象物支持パレットが、前記管の下部面により支持される、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項6】
前記ベースが、
前記隔離ゾーンにおける床又はプラットホームに固定され、前記細長い対象物支持パレットに移動可能に係合される前方支持柱と、
前記管から離れた前記細長い対象物支持パレットの端部に固定され、前記隔離ゾーンにおける前記床又はプラットホームに移動可能に係合される後方支持柱とを含む、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項7】
前記後方支持柱が沿って動く機械駆動部カバーにおけるスロットを実質的に封じるラバーストリップシールを更に含む、請求項6に記載の対象物搭載システム。
【請求項8】
前記細長い対象物支持パレットが、
少なくとも部分的に前記管内に移動する前記ベースに移動可能に係合される細長い中間パレットと、
前記細長い中間パレットに配置され、前記細長い中間パレットより更に管内に延在するよう前記細長い中間パレットに移動可能に係合される細長い上部パレットとを含む、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項9】
前記細長い中間パレットが、
前記細長い上部パレットが前記管内に更に延在するよう駆動する上部モータ機械駆動部であって、密封されたユニットとして前記上部モータ機械駆動部から除去可能な密封モジュール式モータを含む、上部モータ機械駆動部を含む、請求項8に記載の対象物搭載システム。
【請求項10】
前記ベースが、
下部モータ機械駆動部であって、密封されたユニットとして前記下部モータ機械駆動部から除去可能な密封モジュール式モータを含む、請求項9に記載の対象物搭載システム。
【請求項11】
前記下部及び上部のモータ機械駆動部のモジュール式モータが、交換可能である、請求項10に記載の対象物搭載システム。
【請求項12】
前記細長い上部パレットが収縮位置にない場合、前記細長い中間パレットが前記管の外へ移動されることができないよう、前記下部モータ機械駆動部が連結される、請求項10に記載の対象物搭載システム。
【請求項13】
前記細長い中間パレットの前記管への前進挿入に係合し、前記前進挿入を停止させるよう前記管に配置される係合要素を更に含む、請求項8に記載の対象物搭載システム。
【請求項14】
前記係合要素が、前記隔離ゾーンの外側に配置される管支持部に揃えられ、前記管は、前記管支持部の位置で前記係合要素を支持する、請求項13に記載の対象物搭載システム。
【請求項15】
前記ベースが、
モータ機械駆動部であって、密封されたユニットとして前記モータ機械駆動部から除去可能な密封モジュール式モータを含むモータ機械駆動部を含む、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項16】
前記細長い対象物支持パレット及び前記ベースが、前記隔離ゾーンにおける汚染除去において使用される汚染除去薬品に耐性がある、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項17】
前記診断システムと前記隔離ゾーンの外側で前記診断システムを支持するプラットホーム又は床との間の移動可能な係合要素であって、動作位置と保守位置との間で前記管に沿って、前記診断システムが線形に動かされることを可能にする移動可能な係合要素を更に含む、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項18】
前記ベースの前記機械駆動部が、ユニットとして前記ベースから除去可能なモジュール式モータを含むモータ駆動の機械駆動部である、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項19】
前記ベースが、スロットを含み、前記診断システムにより生成される引力磁場から一般に離れるよう前記モジュール式モータを移動させるため、前記モジュール式モータが、前記診断システムから離れる向きに前記スロットに沿ってユニットとして前記ベースから除去される、請求項18に記載の対象物搭載システム。
【請求項20】
前記モジュール式モータが、汚染除去を可能にするよう封じられたユニットとして封じられる、請求項18に記載の対象物搭載システム。
【請求項21】
前記ベースの前記機械駆動部が、
前記細長い対象物支持パレットの移動を防ぐオン設定と、前記細長い対象物支持パレットの移動を可能にするオフ設定とを持つハンドブレーキを含む、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項22】
対象物支持パレットと、
床又はプラットホームに固定され、前記対象物支持パレットに移動可能に係合される前方支持柱と、
前記対象物支持パレットに固定され、前記床又はプラットホームに移動可能に係合される後方支持柱と、
前記前方支持柱を横切って前記対象物支持パレットを動かすため、前記前方支持柱に対して前記後方支持柱を動かすべく前記後方支持柱に係合するモータ駆動部とを有する、対象物支持テーブル。
【請求項23】
前記モータ駆動部が、前記床又はプラットホーム上又は内に配置される、請求項22に記載の対象物支持テーブル。
【請求項24】
前記モータ駆動部が、
ユニットとして前記モータ駆動部から除去可能なモジュール式モータを含む、請求項22に記載の対象物支持テーブル。
【請求項25】
前記モータ駆動部が、
密封されたユニットとして前記モータ駆動部から除去可能な密封モジュール式モータを含む、請求項22に記載の対象物支持テーブル。
【請求項26】
前記モータ駆動部を覆うモータ駆動部カバーにおけるスロットを実質的に封じるラバーストリップシールを更に含み、前記後方支持柱が、前記スロットに沿って移動する、請求項22に記載の対象物支持テーブル。
【請求項27】
前記対象物支持パレットが、
前記前方支持柱に移動可能に係合し、前記後方支持柱に固定される中間パレットと、
前記中間パレットの上に配置され、前記中間パレットに移動可能に係合する上部パレットとを含む、請求項22に記載の対象物支持テーブル。
【請求項28】
磁気共鳴スキャナの中及び外へ対象物を移動させる対象物支持テーブルであって、
ベースと、
前記ベースに少なくとも部分的に配置されるテーブルトップと、
前記ベースを横切って前記テーブルトップを移動させるよう前記ベース上又は内に配置されるモジュール式モータとを有し、前記モジュール式モータが前記磁気共鳴スキャナから一般に離れる方向に前記モジュール式モータを移動させることによってのみ除去可能な態様で、前記ベースと前記モジュール式モータとが構成される、対象物支持テーブル。
【請求項29】
前記ベースが、前記磁気共鳴スキャナから一般に離れる方向に前記モジュール式モータを移動させることによって前記モジュール式モータを除去するためのアクセスを提供するスロットを含む、請求項28に記載の対象物支持テーブル。
【請求項30】
前記モジュール式モータ及び前記ベースを接続するクイックリリース結合を更に含み、前記結合が、前記磁気共鳴スキャナから一般に離れる方向に前記モジュール式モータを移動させることによってのみリリースされることができる、請求項28に記載の対象物支持テーブル。
【請求項31】
隔離ゾーンで使用する対象物支持テーブルであって、
前記隔離ゾーンに配置される細長い対象物支持パレットと、
前記隔離ゾーンに配置され、前記細長い対象物支持パレットを支持するよう構成されるベースと、
関連器具に向かって前記細長い対象物支持パレットの端部を延在させるよう前記細長い対象物支持パレットを動かすよう構成され、前記ベースに取り付けられるモータ駆動部であって、モジュールとして前記ベースに除去可能に取り付けられるよう構成されるモジュール式モータを含む、モータ駆動部とを有する、対象物支持テーブル。
【請求項32】
前記モジュール式モータが、密封される、請求項31に記載の対象物支持テーブル。
【請求項33】
前記ベースが、
固定される支持部と、
前記細長い対象物支持パレットに固定される移動可能な支持部とを含み、前記モータ駆動部が、前記固定される支持部を横切って前記細長い対象物支持パレットを動かすよう前記移動可能な支持部と結合する、請求項31に記載の対象物支持テーブル。
【請求項34】
前記細長い対象物支持パレットが、
前記ベースに配置される中間パレットであって、前記関連器具に向かって前記中間パレットの端部を延在させるよう前記中間パレットを動かすため前記モータ駆動部に結合される、中間パレットと、
前記中間パレットに配置される上部パレットと、
前記関連器具に向かって前記上部パレットの端部を延在させるため前記上部パレットを動かすよう構成され、前記中間パレットに取り付けられる上部モータ駆動部であって、モジュールとして前記中間パレットに除去可能に取り付けられるよう構成される上部モジュール式モータを含む、上部モータ駆動部とを含む、請求項31に記載の対象物支持テーブル。
【請求項35】
前記モジュール式モータ及び前記上部モジュール式モータが交換可能である、請求項34に記載の対象物支持テーブル。
【請求項1】
隔離ゾーンに配置される対象物を、前記隔離ゾーンの外側に配置される診断システムの中及び外へ移動させる対象物搭載システムであって、
前記隔離ゾーンから離れて延在する管であって、前記隔離ゾーンに対してオープンとなる内部ボリュームを持ち、前記診断システムに動作可能に結合される管と、
前記隔離ゾーンに配置され、前記管に適合するような大きさの細長い対象物支持パレットと、
前記細長い対象物支持パレットを前記管に揃えるよう構成され、前記細長い対象物支持パレットを前記管の中及び外へ移動させるよう構成され、及び前記隔離ゾーンに配置される機械駆動部を含むベースとを有する、対象物搭載システム。
【請求項2】
前記管が、円筒形及び先細形のいずれかであり、円、楕円、方形及び正方形からなるグループから選択される断面を持つ、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項3】
前記管が、磁気共鳴スキャンと相溶性のある非磁気物質、トランスミッションコンピュータ断層撮影スキャン又はX線イメージングの間生成されるX線に実質的に透過な物質、及び電子陽電子消失イベントにより生成される511keVガンマ線に実質的に透過な物質の少なくとも1つを有する、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項4】
前記細長い対象物支持パレットが少なくとも部分的に前記管に延在されるとき、前記ベース及び前記機械駆動部が、前記管に近いベースの端部からカンチレバー態様で前記細長い対象物支持パレットを支持するよう構成される、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項5】
前記細長い対象物支持パレットが少なくとも部分的に前記管に延在されるとき、前記細長い対象物支持パレットが、前記管の下部面により支持される、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項6】
前記ベースが、
前記隔離ゾーンにおける床又はプラットホームに固定され、前記細長い対象物支持パレットに移動可能に係合される前方支持柱と、
前記管から離れた前記細長い対象物支持パレットの端部に固定され、前記隔離ゾーンにおける前記床又はプラットホームに移動可能に係合される後方支持柱とを含む、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項7】
前記後方支持柱が沿って動く機械駆動部カバーにおけるスロットを実質的に封じるラバーストリップシールを更に含む、請求項6に記載の対象物搭載システム。
【請求項8】
前記細長い対象物支持パレットが、
少なくとも部分的に前記管内に移動する前記ベースに移動可能に係合される細長い中間パレットと、
前記細長い中間パレットに配置され、前記細長い中間パレットより更に管内に延在するよう前記細長い中間パレットに移動可能に係合される細長い上部パレットとを含む、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項9】
前記細長い中間パレットが、
前記細長い上部パレットが前記管内に更に延在するよう駆動する上部モータ機械駆動部であって、密封されたユニットとして前記上部モータ機械駆動部から除去可能な密封モジュール式モータを含む、上部モータ機械駆動部を含む、請求項8に記載の対象物搭載システム。
【請求項10】
前記ベースが、
下部モータ機械駆動部であって、密封されたユニットとして前記下部モータ機械駆動部から除去可能な密封モジュール式モータを含む、請求項9に記載の対象物搭載システム。
【請求項11】
前記下部及び上部のモータ機械駆動部のモジュール式モータが、交換可能である、請求項10に記載の対象物搭載システム。
【請求項12】
前記細長い上部パレットが収縮位置にない場合、前記細長い中間パレットが前記管の外へ移動されることができないよう、前記下部モータ機械駆動部が連結される、請求項10に記載の対象物搭載システム。
【請求項13】
前記細長い中間パレットの前記管への前進挿入に係合し、前記前進挿入を停止させるよう前記管に配置される係合要素を更に含む、請求項8に記載の対象物搭載システム。
【請求項14】
前記係合要素が、前記隔離ゾーンの外側に配置される管支持部に揃えられ、前記管は、前記管支持部の位置で前記係合要素を支持する、請求項13に記載の対象物搭載システム。
【請求項15】
前記ベースが、
モータ機械駆動部であって、密封されたユニットとして前記モータ機械駆動部から除去可能な密封モジュール式モータを含むモータ機械駆動部を含む、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項16】
前記細長い対象物支持パレット及び前記ベースが、前記隔離ゾーンにおける汚染除去において使用される汚染除去薬品に耐性がある、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項17】
前記診断システムと前記隔離ゾーンの外側で前記診断システムを支持するプラットホーム又は床との間の移動可能な係合要素であって、動作位置と保守位置との間で前記管に沿って、前記診断システムが線形に動かされることを可能にする移動可能な係合要素を更に含む、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項18】
前記ベースの前記機械駆動部が、ユニットとして前記ベースから除去可能なモジュール式モータを含むモータ駆動の機械駆動部である、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項19】
前記ベースが、スロットを含み、前記診断システムにより生成される引力磁場から一般に離れるよう前記モジュール式モータを移動させるため、前記モジュール式モータが、前記診断システムから離れる向きに前記スロットに沿ってユニットとして前記ベースから除去される、請求項18に記載の対象物搭載システム。
【請求項20】
前記モジュール式モータが、汚染除去を可能にするよう封じられたユニットとして封じられる、請求項18に記載の対象物搭載システム。
【請求項21】
前記ベースの前記機械駆動部が、
前記細長い対象物支持パレットの移動を防ぐオン設定と、前記細長い対象物支持パレットの移動を可能にするオフ設定とを持つハンドブレーキを含む、請求項1に記載の対象物搭載システム。
【請求項22】
対象物支持パレットと、
床又はプラットホームに固定され、前記対象物支持パレットに移動可能に係合される前方支持柱と、
前記対象物支持パレットに固定され、前記床又はプラットホームに移動可能に係合される後方支持柱と、
前記前方支持柱を横切って前記対象物支持パレットを動かすため、前記前方支持柱に対して前記後方支持柱を動かすべく前記後方支持柱に係合するモータ駆動部とを有する、対象物支持テーブル。
【請求項23】
前記モータ駆動部が、前記床又はプラットホーム上又は内に配置される、請求項22に記載の対象物支持テーブル。
【請求項24】
前記モータ駆動部が、
ユニットとして前記モータ駆動部から除去可能なモジュール式モータを含む、請求項22に記載の対象物支持テーブル。
【請求項25】
前記モータ駆動部が、
密封されたユニットとして前記モータ駆動部から除去可能な密封モジュール式モータを含む、請求項22に記載の対象物支持テーブル。
【請求項26】
前記モータ駆動部を覆うモータ駆動部カバーにおけるスロットを実質的に封じるラバーストリップシールを更に含み、前記後方支持柱が、前記スロットに沿って移動する、請求項22に記載の対象物支持テーブル。
【請求項27】
前記対象物支持パレットが、
前記前方支持柱に移動可能に係合し、前記後方支持柱に固定される中間パレットと、
前記中間パレットの上に配置され、前記中間パレットに移動可能に係合する上部パレットとを含む、請求項22に記載の対象物支持テーブル。
【請求項28】
磁気共鳴スキャナの中及び外へ対象物を移動させる対象物支持テーブルであって、
ベースと、
前記ベースに少なくとも部分的に配置されるテーブルトップと、
前記ベースを横切って前記テーブルトップを移動させるよう前記ベース上又は内に配置されるモジュール式モータとを有し、前記モジュール式モータが前記磁気共鳴スキャナから一般に離れる方向に前記モジュール式モータを移動させることによってのみ除去可能な態様で、前記ベースと前記モジュール式モータとが構成される、対象物支持テーブル。
【請求項29】
前記ベースが、前記磁気共鳴スキャナから一般に離れる方向に前記モジュール式モータを移動させることによって前記モジュール式モータを除去するためのアクセスを提供するスロットを含む、請求項28に記載の対象物支持テーブル。
【請求項30】
前記モジュール式モータ及び前記ベースを接続するクイックリリース結合を更に含み、前記結合が、前記磁気共鳴スキャナから一般に離れる方向に前記モジュール式モータを移動させることによってのみリリースされることができる、請求項28に記載の対象物支持テーブル。
【請求項31】
隔離ゾーンで使用する対象物支持テーブルであって、
前記隔離ゾーンに配置される細長い対象物支持パレットと、
前記隔離ゾーンに配置され、前記細長い対象物支持パレットを支持するよう構成されるベースと、
関連器具に向かって前記細長い対象物支持パレットの端部を延在させるよう前記細長い対象物支持パレットを動かすよう構成され、前記ベースに取り付けられるモータ駆動部であって、モジュールとして前記ベースに除去可能に取り付けられるよう構成されるモジュール式モータを含む、モータ駆動部とを有する、対象物支持テーブル。
【請求項32】
前記モジュール式モータが、密封される、請求項31に記載の対象物支持テーブル。
【請求項33】
前記ベースが、
固定される支持部と、
前記細長い対象物支持パレットに固定される移動可能な支持部とを含み、前記モータ駆動部が、前記固定される支持部を横切って前記細長い対象物支持パレットを動かすよう前記移動可能な支持部と結合する、請求項31に記載の対象物支持テーブル。
【請求項34】
前記細長い対象物支持パレットが、
前記ベースに配置される中間パレットであって、前記関連器具に向かって前記中間パレットの端部を延在させるよう前記中間パレットを動かすため前記モータ駆動部に結合される、中間パレットと、
前記中間パレットに配置される上部パレットと、
前記関連器具に向かって前記上部パレットの端部を延在させるため前記上部パレットを動かすよう構成され、前記中間パレットに取り付けられる上部モータ駆動部であって、モジュールとして前記中間パレットに除去可能に取り付けられるよう構成される上部モジュール式モータを含む、上部モータ駆動部とを含む、請求項31に記載の対象物支持テーブル。
【請求項35】
前記モジュール式モータ及び前記上部モジュール式モータが交換可能である、請求項34に記載の対象物支持テーブル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公表番号】特表2009−539496(P2009−539496A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514470(P2009−514470)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/069838
【国際公開番号】WO2008/079429
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/069838
【国際公開番号】WO2008/079429
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]