説明

集中操作型ロッカー装置

【課題】 すべての物品収納部を一斉に施錠状態に維持し使用中止とする使用中止モードを選択可能な集中操作型ロッカー装置において、管理者が確実且つ容易に使用中止作業を行うことができるとともに、使用中止中であっても物品の取出しだけは可能として利用者の利便性を高め、且つ管理者が使用中止作業を効率良く行うことができるようにする。
【解決手段】 管理者が使用中止モードを選択すると、すべての物品収納部が本施錠され(S19)、既に預け入れてある物品だけは取り出し可能で、選択された物品収納部の施錠を解除でき(S16)、その後、自動的に本施錠となる(S21〜23)ようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一箇所に設けた操作部で各物品収納部ごとの施錠および解錠の操作を行う集中操作型ロッカー装置に関し、特に、すべての物品収納部を一斉に施錠状態に維持し使用中止とする使用中止モードを選択可能な集中操作型ロッカー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テロ対策等でロッカー装置の使用を一時的に中止する場合に、管理者がマスターキーを使って各物品収納部の扉体を一つ一つ施錠するのでは、すべての物品収納部の扉体の施錠を完了するまでの作業に多大な時間がかかる上、施錠忘れなどが発生することもある。そこで、ロッカー装置を、一箇所に設けた操作部で各物品収納部ごとの施錠および解錠を行う集中操作型ロッカー装置とし、かつ、管理者によりすべての物品収納部を一斉に施錠状態に維持し使用中止とする使用中止モードを選択可能にしたものが考えられた(例えば、特許文献1参照。)。このようにロッカー装置を集中操作型で使用中止モードを選択可能とすることで、すべての物品収納部の扉体の施錠を完了し使用中止とするまでの作業にかかる時間を短縮することができ、また、施錠忘れなどの問題も解消する。
【特許文献1】特開平8−20995号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の集中操作型ロッカー装置では、すべての物品収納部を一斉に施錠状態に維持し使用中止とする使用中止モードが選択されると、管理者によって使用中止モードが選択され使用中止となる前に物品の預け入れがなされている使用中の物品収納部も使用中止の対象となってしまい、預け入れている物品の取出しが出来なくなってしまう。そのため、管理者は使用中止モードを選択する場合に、使用中の物品収納部が一つも無いことを確認した後で使用中止モード選択の操作を行う必要があり、効率の悪い作業を強いられていた。
【0004】
本発明は、すべての物品収納部を一斉に施錠状態に維持し使用中止とする使用中止モードを選択可能な集中操作型ロッカー装置において、管理者が確実且つ容易に使用中止作業を行うことができるとともに、使用中止中であっても物品の取出しだけは可能として利用者の利便性を高め、且つ管理者が使用中止作業を効率良く行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の集中操作型ロッカー装置は、物品を収納する複数の物品収納部と、該物品収納部を開閉する物品収納部ごとの扉体と、該扉体を電気的に施錠する施錠手段と、前記複数の物品収納部の扉体の前記施錠手段による施錠および解錠を集中操作する集中操作部を備え、前記集中操作部の操作により前記物品収納部のすべてを施錠状態で維持し使用中止とする使用中止モードを選択可能な集中操作型ロッカー装置であって、前記物品収納部の使用状況を記憶する使用状況記憶手段と、前記使用中止モード中に、前記使用状況記憶手段に記憶されている使用状況に基づいて、前記集中操作部による、使用中の物品収納部の解錠操作を許可する、解錠許可手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
このロッカー装置では、使用中止モード中であっても、使用中の物品収納部が判別され、預け入れられている物品の取出しだけは可能で、ロッカー装置を使用中止とする場合は、管理者は物品収納部の使用状況を考慮することなく直ちに使用中止モード選択の操作を行い、すべての物品収納部を一斉に施錠状態とすることができるため、確実且つ容易に使用中止作業を行うことができ、使用中止中に物品の取出しだけは可能として利用者の利便性を確保しつつ、効率の良い使用中止作業を行うことができる。
【0007】
また、この集中操作型ロッカー装置は、前記物品収納部の扉体の開閉を検知する扉体開閉検知手段を備え、該扉体開閉検知手段が、前記使用中止モード中に前記解錠許可手段によって解錠操作が許可された物品収納部の扉体が開放された後に、再び閉鎖されたことを前記扉体開閉検知手段が検知すると、解錠が許可された物品収納部の前記施錠手段を自動的に施錠するよう構成するのがよい。
【0008】
この場合、使用中止モード中に、使用中の物品収納部が開放された後、再び閉鎖されると、その物品収納部が自動的に施錠され、その後は施錠状態で維持される。そして、他の使用中の物品収納部は、そのまま、預け入れられている物品の取出しだけは可能な状態に維持される。そのため、ロッカー装置を使用中止とする場合は、管理者は物品収納部の使用状況を考慮することなく直ちに使用中止モード選択の操作を行い、すべての物品収納部を一斉に施錠状態とすることができ、確実且つ容易に使用中止作業を行うことができ、使用中止中に物品の取出しだけは可能として利用者の利便性を確保しつつ、効率の良い使用中止作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
以上のとおり本発明によれば、集中操作型ロッカー装置が使用中止モード中であっても、使用中の物品収納部が判別され、預け入れられている物品の取出しだけは可能で、ロッカー装置を使用中止とする場合に、管理者は物品収納部の使用状況を考慮することなく直ちに使用中止モード選択の操作を行い、すべての物品収納部を一斉に施錠状態とすることができるため、確実且つ容易に使用中止作業を行うことができ、使用中止中に物品の取出しだけは可能として利用者の利便性を確保しつつ、効率の良い使用中止作業を行うことができる。
【0010】
また、この集中操作型ロッカー装置は、使用中止モード中に、使用中の物品収納部が開放された後、再び閉鎖されると、その物品収納部が自動的に施錠されて、その後は施錠状態で維持され、他の使用中の物品収納部は、そのまま、預け入れられている物品の取出しだけは可能な状態に維持されるよう構成することができ、それにより、ロッカー装置を使用中止とする場合は、管理者は物品収納部の使用状況を考慮することなく直ちに使用中止モード選択の操作を行い、すべての物品収納部を一斉に施錠状態とすることができ、確実且つ容易に使用中止作業を行うことができ、使用中止中に物品の取出しだけは可能として利用者の利便性を確保しつつ、効率の良い使用中止作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1〜図3は、本発明の実施の形態の一例を示している。図1は実施の形態の一例におけるロッカー装置の正面図、図2は同ロッカー装置の制御システムのブロック図、図3は同ロッカー装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
【0012】
この実施の形態のロッカー装置1は集中操作型ロッカー装置で、図1に示すように、ロッカー利用者が預け入れる物品を収納する個別の物品収納部2が上下方向に複数段をなし左右方向に複数列をなす配置で複数設けられ、各物品収納部2の前面には物品収納部2ごとに各々開閉可能で待機時には解錠状態で利用時には施錠状態となる扉体3と、それら扉体3を一時的に施錠するロックレバー4と、物品収納部2が使用されている時に点灯し、利用者にその物品収納部2が使用中であることを知らせるランプとが設けられている。
【0013】
また、ロッカー装置1には、図1には現れていないが、各物品収納部2ごとに、後述の集中操作部5からの指示信号によって扉体3を電気的に施錠する施錠手段と、扉体3の開閉を検知する扉開閉検知センサが設けられている。そして、各物品収納部2には、各々、後述する制御部18によって収納部番号が付与されている。
【0014】
また、このロッカー装置1には、複数のロッカー装置または管理センターとの間で通信を行うための通信手段が設けられている。
【0015】
また、ロッカー装置1には、正面中央に、ロッカー装置1の各物品収納部2の扉体3の施錠手段による施錠および解錠を一箇所で集中操作する集中操作部5が設けられ、集中操作部5には、ロッカー利用料金を投入する現金投入口6(硬貨投入口6aおよび紙幣投入口6b)と、釣銭を払い出す釣銭払出口7と、各種操作情報やロッカー利用状況情報といった情報を表示する表示手段であるとともに各物品収納部2の扉体3の施錠手段による施錠を解除するために暗証番号を入力する暗証番号入力手段であり、物品収納部2の施錠および解錠の指示操作を行うための操作手段でもあるタッチパネル8が設けられ、また、各物品収納部2の施錠解除のための暗証番号や物品を預け入れた物品収納部の番号(ロッカー番号)や利用料金といった種々のロッカー利用情報を印刷したシート9を排出するシート排出口10が設けられている。また、ロッカー装置1にはシート排出口10の位置に対応する集中操作部5の内部に、暗証番号やロッカー番号や利用料金といった種々のロッカー利用情報をシート9に印刷し、印刷済みのシート9を利用明細書として発行するシート発行部として後述のプリンタ11が設けられ、プリンタ11には、排出したシート9を所定の位置に停止させるためにシート9の終端位置を検知するシート位置検知センサ17が設けられている。
【0016】
この実施の形態のロッカー装置1の制御システムは図2に示すとおりで、ロッカー装置1の制御部18には、各物品収納部2の扉開閉検知センサが接続され、また、タッチパネル8、プリンタ11、シート位置検知センサ17、各物品収納部2の利用状況を記憶するメモリ19、時間を測定するタイマ20が接続されている。
【0017】
このロッカー装置1に物品を預け入れる時、ロッカー利用者は、まず、使用されていない物品収納部2の扉体3を手で開き、その物品収納部2内に物品を収納した後、扉体3を閉め、ロックレバー4を押し下げて仮施錠する。すると、制御部18は、扉開閉検知センサにより物品収納部2の扉体3の開閉とロックレバー4による仮施錠が検知されたことで、利用者が、その扉体3が開閉され仮施錠された物品収納部2を選択したと判断し、ランプを点灯させる。この状態で、利用者は集中操作部5にて予め設定されている利用料金を現金投入口6に投入する。この時、所定時間経過しても現金投入口6に料金が投入されなかったり、所定時間経過しても利用料金が不足した状態が続く場合は、制御部18は、利用者がロッカー装置1を利用する意志がないと判断して、仮施錠されている物品収納部2のロックレバー4を元に戻して仮施錠を解除するとともに、その物品収納部2の選択を取り消し、ランプを消灯する。
【0018】
そして、予め設定されている料金分の現金が投入されると、制御部18はロッカー装置1の利用が開始されたと判断し、仮施錠されている物品収納部2を電気的に本施錠する。そして、制御部は18は暗証番号設定手段として、本施錠した物品収納部2が利用されたと判断し、本施錠した物品収納部2にランダムに暗証番号を設定するとともに、メモリ19に、本施錠した物品収納部2のロッカー番号と設定した暗証番号とを対応させて記録する。
【0019】
なお、暗証番号の設定については、制御部18によってロッカー装置側がランダムに設定するものでなく、利用者が任意の暗証番号を設定することができるようにしてもよい。その場合、制御部18は、本施錠した物品収納部2と利用者が任意に設定した暗証番号とを対応させてメモリ19に記録する。
【0020】
そして、制御部18は、プリンタ11に利用明細書としてのシート9の発行を指示する信号を発信する。すると、プリンタ11は、制御部18からの信号に基づいて、暗証番号、ロッカー番号、利用料金、利用日時などのロッカー利用情報をシート9に印刷し、シート排出口10から排出する。その際、印刷済みのシート9の終端がシート位置検知センサ17の位置まで搬送されると、シート位置検知センサ17がその印刷済みのシート9の終端を検知し、制御部18はシート位置検知センサ17の検知信号に基づいて排出したシート9を所定の位置に停止させる
【0021】
なお、この実施の形態のロッカー装置1では、待機時には扉体3は解錠状態であり、利用時のみ施錠状態となるが、本発明は待機時も施錠状態となるロッカー装置にも適用できる。その場合、利用者が集中操作部にて利用可能な物品収納部を検索した後、所定の料金を現金投入口に投入すると、制御部は、選択された物品収納部にランダムに暗証番号を設定し、選択された物品収納部の収納部番号と暗証番号を対応付けてメモリに記録し、プリンタにシートの発行を指示してシートを発行させるとともに、選択された物品収納部を解錠し、利用者が選択した物品収納部の扉体を開放して物品を預入れ、選択された物品収納部の扉体が再び閉鎖されたことを扉開閉検知センサが検知すると、所定時間経過後に選択された物品収納部を本施錠するようにする。
【0022】
次に、ロッカー装置1から利用者が物品を取り出す時には、まず、集中操作部5に設けられているタッチパネル8の指示に従って、利用している物品収納部2のロッカー番号を選択し、利用している物品収納部2に設定されている暗証番号を入力する。すると、制御部18は、選択された物品収納部2のロッカー番号がメモリ19に記録されているか確認し、選択された物品収納部2のロッカー番号と同じロッカー番号がメモリ19に記録されていれば、選択された物品収納部2のロッカー番号に対応する暗証番号をメモリ19から読み出し、入力された暗証番号と比較する。そして、入力された暗証番号とメモリ19に記録されている暗証番号とが一致すれば、選択されたロッカー番号の物品収納部2を解錠し、物品の取り出しを許可する。この時、預入期間の延長等で追加料金が発生していれば、利用者に追加料金の投入を促す。そして、追加料金が投入されると、選択された物品収納部を解錠し、物品の取り出しを許可する。また、入力された暗証番号が記録されている暗証番号と一致しない場合や、追加料金が投入されない場合は、選択された物品収納部2の施錠を維持する。なお、制御部18によって本施錠が解除される時には、ロックレバー4が元に戻されるとともにランプが消灯して、仮施錠も解除される。
【0023】
なお、この実施の形態は、待機時に解錠状態となるロッカー装置の場合であるが、待機時も施錠状態となるロッカー装置の場合には、入力された暗証番号と記録されている暗証番号とが一致して、選択された物品収納部の施錠が解除された後、利用者が、解錠された物品収納部の扉体を開放して物品を取り出し、解錠された物品収納部の扉体が再び閉鎖されたことを扉開閉検知センサが検知すると、制御部が所定時間経過後に、選択された物品収納部を施錠するようにする。
【0024】
また、この実施の形態のロッカー装置1は、利用者が物品の預け入れと取り出しを行う通常モードと、管理者によってロッカー装置1の各種設定を行う管理モードとを備え、管理モードにてすべての物品収納部2を本施錠して、物品収納部2の扉体3を開放できないようにする使用中止モードを選択できるようになっている。
【0025】
そして、例えばテロ対策等の諸事情でロッカー装置1の利用を一時的に中止する場合には、管理者が、マスターキーや管理モード用の暗証番号等を入力することで、通常モードから管理モードに切り換える。
【0026】
そして、管理モードになったら、管理者がタッチパネル8の指示に従い、使用中止モードを選択する。そして、管理者が使用中止モードを選択すると、制御部18は、すべての物品収納部2を本施錠して、物品収納部2の扉体3を開放できないようにする。この時、すべてのロックレバー4が自動的に下ろされて仮施錠が行われるとともに、すべてのランプが点灯され、ロッカー装置を使用できないことを利用者が一目で把握できるようになる。そして、タッチパネル8上に「預入れ中止」の表示を行う。
【0027】
この実施の形態のロッカー装置1は、使用中止モード中は、すべての物品収納部2が施錠され、物品の預け入れは出来ないが、使用中止モードを設定する以前から既に預け入れてある物品については取り出しが可能で、タッチパネル上には、物品預け入れに関するメニューは表示されないが、物品取り出しに関するメニューは通常通り表示がされる。
【0028】
そして、使用中止モード中に、既に物品を預け入れている利用者が物品を取り出そうとする時は、利用者は通常の物品の取り出しと同様に、まず、集中操作部5に設けられているタッチパネル8の指示に従って、利用している物品収納部2のロッカー番号を選択し、利用している物品収納部2に設定されている暗証番号を入力する。すると、制御部18は、選択された物品収納部2のロッカー番号がメモリ19に記録されているか確認し(メモリ19は、物品収納部の使用状況を記憶する使用状況記憶手段を構成している)、選択された物品収納部2のロッカー番号と同じロッカー番号がメモリ19に記録されていれば、選択された物品収納部2のロッカー番号に対応する暗証番号をメモリ19から読み出し、入力された暗証番号と比較する。そして、入力された暗証番号とメモリ19に記録されている暗証番号とが一致すれば、制御部18は、選択されたロッカー番号の物品収納部2を解錠し、物品の取り出しを許可する(制御部18は、使用中止モード中に、前記使用状況記憶手段に記憶されている使用状況に基づいて、集中操作部による、使用中の物品収納部の解錠操作を許可する、解錠許可手段を構成している。)。この時、預入期間の延長等で追加料金が発生していれば、利用者に追加料金の投入を促す。そして、追加料金が投入されると、選択された物品収納部を解錠し、物品の取り出しを許可する。また、入力された暗証番号が記録されている暗証番号と一致しない場合や、追加料金が投入されない場合は、選択された物品収納部2の施錠を維持する。なお、制御部18によって本施錠が解除される時には、ロックレバー4が元に戻されるとともにランプが消灯して、仮施錠も解除される。
【0029】
また、使用中止モード中は、選択された物品収納部2の施錠が解除された後、利用者が、解錠された物品収納部2の扉体3を開放して物品を取り出し、解錠された物品収納部2の扉体3が再び閉鎖されたことを扉開閉検知センサが検知すると、制御部18が所定時間経過後に、選択された物品収納部2を本施錠する。この時、すべてのロックレバー4が自動的に下ろされて仮施錠が行われるとともに、すべてのランプが点灯され、ロッカー装置を使用できないことを利用者が一目で把握できるようになる。
【0030】
そして、使用中止モードを解除して、通常のモードに戻す場合には、まず、管理者が、マスターキーや管理モード用の暗証番号等を入力することで通常モードから管理モードに切り換える。
【0031】
そして、管理モードになったら、管理者がタッチパネル8の指示に従い、使用中止モード解除を選択する。そして、管理者が使用中止モード解除を選択すると、制御部18は、メモリ19から現在使用されている物品収納部2のロッカー番号を読み出し、読み出されたロッカー番号の物品収納部2の本施錠はそのまま維持して、読み出されたロッカー番号以外の物品収納部2の本施錠を解錠して、その物品収納部2の扉体3を開放し、タッチパネル8上の「預入れ中止」の表示を消去するとともに、物品預け入れに関するメニューの表示をして、物品の預け入れを許可する。そして、この時、読み出されたロッカー番号以外の物品収納部2のロックレバー4が元に戻されるとともにランプが消灯して、仮施錠も解除される。なお、待機時も施錠状態となるロッカー装置では、物品収納部を施錠したままで、タッチパネル上の「預入れ中止」の表示を消去するとともに、物品預け入れに関するメニューの表示をし、物品の預け入れを許可する。
【0032】
なお、この実施の形態では、管理者が使用中止にしたいロッカー装置を訪問し、そのロッカー装置の集中操作部を操作して使用中止モードを設定しているが、他に、ロッカー装置に設けられている通信手段を利用し、管理センターから使用中止モードの設定および解除の指示を行えるようにしてもよい。また、通信手段によって複数のロッカー装置が接続されている場合には、その中の一つのロッカー装置から、通信手段で接続されている他のロッカー装置に対し、使用中止モードの設定および解除の指示を行えるようにしてもよい。このような方法によると、管理者が各ロッカー装置の使用中止モードの設定および解除を行う場合に、各ロッカー装置を各々訪問する必要がなく、管理者の負担が大幅に軽減される。
【0033】
この実施の形態のロッカー装置1の制御部18が行う上記制御の処理フローは図3に示すとおりで、スタートすると、まず、使用中止モード中か否かを判断し(ステップS1)、使用中止モード中でなければ、物品預入操作が行われたか否かを判断する(ステップS2)。そして、物品預入操作が行われたのでないと判断したときは、次いで、物品取出操作が行われたか否かを判断し、物品取出操作も行われていなければ、そのまま何もせずにリターンする(待機状態)。
【0034】
また、物品預入れ操作が行われたと判断したときは、物品収納部が選択されたこと確認し(ステップS4)、次いで、仮施錠が行われたか否かを判断し(ステップS5)、仮施錠が行われたことを確認すると、料金投入が完了したか否かを判断する(ステップS6)。そして、料金投入が完了したと判断したときは、本施錠を行う(ステップS7)。また、料金投入が完了していないときは、所定時間経過するまで料金投入完了の判断を繰り返す。
【0035】
そして、料金投入が完了し、本施錠を行ったときは、暗証番号を設定し(ステップS9)、次いで利用明細のシートを発行し(ステップS10)、その後、リターンする。
【0036】
料金投入が完了しないで所定時間が経過したときは、仮施錠を解除し(ステップS11)、そのままリターンする。
【0037】
また、物品預入操作が行われたのではなく、物品取出操作が行われたと判断したときは、物品収納部が選択されたことを確認し(ステップS12)、次いで、暗証番号が入力されたことを確認する(ステップS13)。
【0038】
そして、暗証番号が正しいか否かを判断し(ステップS14)、暗証番号が正しくないときは、そのままリターンし、暗証番号が正しいと判断したときは、追加料金が有るか否かを判断する(ステップS15)、そして、追加料金が無いときは、本施錠を解除する(ステップS16)。また、追加料金が有るときは、追加料金が投入されたか否かを判断し(ステップS17)、追加料金が投入されれば本施錠を解除し、追加料金が投入されなければ、そのままリターンする。
【0039】
そして、本施錠を解除すると、使用中止モード中か否かを再度判断する(ステップS18)。そして、使用中止モード中でないので、そのままリターンする。
【0040】
また、使用中止モードが選択されているときは、最初のステップ(ステップS1)で使用中止モード中であると判断し、すべての物品収納部を施錠し(ステップ19)、預入中止表示を行う(ステップS20)。そして、物品取出操作が行われたか否かを判断し、物品取出操作が行われていなければ、そのまま何もせずにリターンし、物品取出操作が行われたと判断したときは、通常の物品取出時と同様に、物品収納部が選択されたことを確認し(ステップS12)、次いで、暗証番号が入力されたことを確認し(ステップS13)、暗証番号が正しいか否かを判断し(ステップS14)、暗証番号が正しくないときは、そのままリターンし、暗証番号が正しいと判断したときは、追加料金が有るか否かを判断し(ステップS15)、追加料金が無いときは、本施錠を解除し(ステップS16)、追加料金が有るときは、追加料金が投入されたか否かを判断して(ステップS17)、追加料金が投入されれば本施錠を解除し、追加料金が投入されなければ、そのままリターンする。そして、本施錠を解除したときは、使用中止モード中か否かを再度判断し(ステップS18)、このときは使用中止モード中であると判断する。そして、扉開閉が検知されたか否かを判断し(ステップS21)、扉開閉が検知されたことを確認すると、所定時間経過したか否かを判断する(ステップS22)。そして、所定時間経過を確認すると、本施錠を行う(ステップS23)。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態の一例におけるロッカー装置の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例におけるロッカー装置の制御システムのブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例におけるロッカー装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1 ロッカー装置
2 物品収納部
3 扉体
4 ロックレバー
5 集中操作部
6 現金投入口
6a 硬貨投入口
6b 紙幣投入口
7 釣銭払出口
8 タッチパネル
9 シート
10 シート排出口
11 プリンタ
17 シート位置検知センサ
18 制御部
19 メモリ
20 タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する複数の物品収納部と、該物品収納部を開閉する物品収納部ごとの扉体と、該扉体を電気的に施錠する施錠手段と、前記複数の物品収納部の扉体の前記施錠手段による施錠および解錠を集中操作する集中操作部を備え、前記集中操作部の操作により前記物品収納部のすべてを施錠状態で維持し使用中止とする使用中止モードを選択可能な集中操作型ロッカー装置であって、
前記物品収納部の使用状況を記憶する使用状況記憶手段と、前記使用中止モード中に、前記使用状況記憶手段に記憶されている使用状況に基づいて、前記集中操作部による、使用中の物品収納部の解錠操作を許可する解錠許可手段とを備えることを特徴とする集中操作型ロッカー装置。
【請求項2】
前記物品収納部の扉体の開閉を検知する扉体開閉検知手段を備え、該扉体開閉検知手段が、前記使用中止モード中に前記解錠許可手段によって解錠操作が許可された物品収納部の扉体が開放された後、再び閉鎖されたことを前記扉体開閉検知手段が検知すると、解錠が許可された物品収納部の前記施錠手段を自動的に施錠することを特徴とする請求項1に記載の集中操作型ロッカー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−283361(P2006−283361A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−103910(P2005−103910)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000001432)グローリー工業株式会社 (1,344)
【出願人】(000105143)グローリー機器株式会社 (84)
【Fターム(参考)】