説明

離型剤塗布方法、離型剤塗布装置、及び離型剤供給装置。

【課題】タイヤ加硫用ブラダが取り付けられた型に対する離型剤の付着が抑制された離型剤塗布方法、離型剤塗布装置、及び離型剤供給装置を提供することを目的とする。
【解決手段】挿入工程においてケース42の内部にブラダ18を挿入する。次に、ブラダ18を膨張させ、ケース42の内壁42Dに設けられた塗布部材44にブラダ18の外面を接触させる。そして、塗布工程において、ブラダ18の中心軸Cを中心としてケース42を回転し、ブラダ18の外面に沿って塗布部材44を周方向へ移動させる。これにより、膨張したブラダ18の外面に接触した塗布部材44によって、ブラダ18の外面に離型剤が塗布される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離型剤塗布方法、離型剤塗布装置、及び離型剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤの製造工程における加硫工程では、一般に、金型内に配置された未加硫タイヤ(以下、「生タイヤ」という)の内部にタイヤ加硫用ブラダが配置され、このタイヤ加硫用ブラダを膨張させて生タイヤを金型に押し付けることにより、生タイヤを金型に密着させる。この際、生タイヤの内周面には、タイヤ加硫用ブラダとの溶着を防止する離型剤が、スプレーガン等によって塗布されることが多い。
【0003】
一方、特許文献1には、タイヤ加硫用ブラダの外面に、スプレーガン等によって離型剤を塗布する離型剤塗布方法が提案されている。しかしながら、この離型剤塗布方法では、飛散した離型剤が金型に付着し、製品タイヤの外観不良等に繋がる恐れがあるため、更なる改善が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−334352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の事実を考慮し、未加硫タイヤを加硫する型に対する離型剤の付着が抑制された離型剤塗布方法、離型剤塗布装置、及び離型剤供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の離型剤塗布方法は、未加硫タイヤを加硫する型に取り付けられたタイヤ加硫用ブラダをケースの内部に挿入する挿入工程と、前記タイヤ加硫用ブラダを膨張させ、前記ケースの内壁に設けられた塗布部材に該タイヤ加硫用ブラダの外面を接触させる膨張行程と、前記タイヤ加硫用ブラダの軸を中心として前記ケースを回転し、前記塗布部材を膨張した前記タイヤ加硫用ブラダに外面に沿って該タイヤ加硫用ブラダの周方向へ移動させながら、該外面に離型剤を塗布する塗布工程と、を備えている。
【0007】
請求項1に係る発明によれば、先ず、挿入工程においてケースの内部にタイヤ加硫用ブラダを挿入する。次に、タイヤ加硫用ブラダを膨張させ、ケースの内壁に設けられた塗布部材に当該タイヤ加硫用ブラダの外面を接触させる。そして、塗布工程において、タイヤ加硫用ブラダの軸を中心としてケースを回転し、塗布部材をタイヤ加硫用ブラダの外面に沿って周方向へ移動させる。これにより、膨張したタイヤ加硫用ブラダの外面に接触した塗布部材によって、タイヤ加硫用ブラダの外面に離型剤が塗布される。
【0008】
このように、タイヤ加硫用ブラダの外面に塗布部材を接触させた状態で、当該タイヤ加硫用ブラダの外面に離型剤を塗布することにより、離型剤の飛散が抑制される。これにより、タイヤ加硫用ブラダが取り付けられた型に付着する離型剤が低減される。従って、加硫後の空気入りタイヤ(以下、「製品タイヤ」という)の外観品質が向上する。
【0009】
また、タイヤ加硫用ブラダを膨張させた状態で離型剤を塗布することにより、タイヤ加硫用ブラダを膨張させずに収縮した状態で離型剤を塗布する方法と比較して、塗布ムラが抑制される。これにより、製品タイヤの内面とタイヤ加硫用ブラダの外面との剥離性が向上するため、製品タイヤの破損、損傷が抑制される。
【0010】
請求項2に記載の離型剤塗布方法は、請求項1に記載の離型剤塗布方法において、前記挿入工程の前に、前記ケースの内部に供給部材を配置し、該供給部材に形成された噴射口から前記塗布部材に向けて離型剤を噴射して該塗布部材に離型剤を供給する供給工程を備えている。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、挿入工程の前に行われる供給工程において、ケースの内部に供給部材を挿入し、当該供給部材に形成された噴射口から、ケースの内壁に設けられた塗布部材に向けて離型剤を噴射する。これにより、塗布部材に離型剤が供給される。
【0012】
従って、例えば、タイヤ加硫用ブラダが取り付けられた型から離れた位置や、密閉空間において、塗布部材に離型剤を供給することにより、型に対する離型剤の付着が抑制される。よって、製品タイヤの外観品質が向上する。
【0013】
請求項3に記載の離型剤塗布装置は、未加硫タイヤを加硫する型に取り付けられたタイヤ加硫用ブラダが内部に挿入されるケースと、前記ケースの内壁に設けられ、膨張した前記タイヤ加硫用ブラダの外面に接触して該外面に離型剤を塗布する塗布部材と、前記タイヤ加硫用ブラダの軸を中心として前記ケースを回転し、前記塗布部材を前記タイヤ加硫用ブラダの外面に沿って該タイヤ加硫用ブラダの周方向へ移動させる回転手段と、を備えている。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、回転手段によって、ケースがタイヤ加硫用ブラダの軸を中心として回転される。これにより、膨張したタイヤ加硫用ブラダの外面に接触した塗布部材が、当該外面に沿って周方向へ移動し、タイヤ加硫用ブラダの外面に離型剤が塗布される。
【0015】
このように、タイヤ加硫用ブラダの外面に塗布部材を接触させた状態で、当該外面に離型剤を塗布することにより、離型剤の飛散が抑制される。これにより、タイヤ加硫用ブラダが取り付けられた型に付着する離型剤が低減される。従って、製品タイヤの外観品質が向上する。
【0016】
また、タイヤ加硫用ブラダを膨張させた状態で離型剤を塗布することにより、タイヤ加硫用ブラダを膨張させずに収縮した状態で離型剤を塗布する方法と比較して、塗布ムラが抑制される。これにより、製品タイヤの内面とタイヤ加硫用ブラダの外面との剥離性が向上するため、製品タイヤの破損、損傷が抑制される。
【0017】
請求項4に記載の離型剤塗布装置は、請求項3に記載の離型剤塗布装置において、前記タイヤ加硫用ブラダの内部に流体を供給して該タイヤ加硫用ブラダを膨張し、該タイヤ加硫用ブラダの外面を前記塗布部材に接触させる膨張手段を備えている。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、膨張手段によってタイヤ加硫用ブラダの内部に流体を供給することにより、タイヤ加硫用ブラダが膨張し、当該タイヤ加硫用ブラダの外面が塗布部材に接触される。この状態で、ケースを回転手段でタイヤ加硫用ブラダの軸を中心として回転させることにより、膨張したタイヤ加硫用ブラダの外面に沿って塗布部材が周方向へ移動する。これにより、タイヤ加硫用ブラダの外面に離型剤が塗布される。
【0019】
請求項5に記載の離型剤供給装置は、請求項3又は請求項4に記載の離型剤塗布装置における前記ケースの内部に挿入される供給部材と、前記供給部材に形成された噴射口から前記塗布部材に向けて離型剤を噴射する噴射手段と、を備えている。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、噴射手段によって、供給部材に形成された噴射口からケースの内壁に設けられた塗布部材に向けて離型剤を噴射することにより、塗布部材に離型剤が供給される。
【0021】
従って、例えば、タイヤ加硫用ブラダが取り付けられた型から離れた位置や、密閉空間において、塗布部材に離型剤を供給することにより、型に対する離型剤の付着が抑制される。よって、製品タイヤの外観品質が向上する。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明に係る離型剤塗布方法、離型剤塗布装置、及び離型剤供給装置は、未加硫タイヤを加硫する型に対する離型剤の付着を抑制することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るケースの内部にタイヤ加硫用ブラダが挿入された状態を示す、縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るケースを示す、斜視図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る支持部材を示す、図3の要部拡大図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るケースの上部を示す、斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る離型剤供給装置を示す、斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るケースの内部にタイヤ加硫用ブラダが挿入された状態を示す、縦断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る離型剤塗布方法を説明する説明図であり、(A)は本発明の一実施形態に係るケースの内部にタイヤ加硫用ブラダが挿入された状態を示す縦断面図であり、(B)は本発明の一実施形態に係るタイヤ加硫用ブラダが膨張した状態を示す縦断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る離型剤塗布方法を説明する説明図であり、(A)は本発明の一実施形態に係るタイヤ加硫用ブラダに離型剤を塗布した状態を示す縦断面図であり、(B)は本発明の一実施形態に係るケースの内部からタイヤ加硫用ブラダが抜かれた状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る離型剤塗布方法、離型剤塗布装置、及び離型剤供給装置について説明する。なお、各図において適宜示される矢印Xは、タイヤ加硫装置に設置された未加硫タイヤの径方向(タイヤ径方向)を示し、矢印Yは未加硫タイヤの軸方向(タイヤ軸方向)を示している。
【0025】
先ず、本実施形態に係るタイヤ加硫装置の構成について説明する。
【0026】
図1には、未加硫タイヤ(以下、「生タイヤ」という)を加硫するタイヤ加硫装置10が示されている。タイヤ加硫装置10は、生タイヤのタイヤ軸方向(矢印Y方向)片側に配置された下金型(型)12と、下金型12に取り付けられたベース14と、ベース14の上に立てられたセンターポスト16と、センターポスト16の周囲に設けられたタイヤ加硫用ブラダ(以下、単に「ブラダ」という)18を備えている。
【0027】
なお、図示を省略するが、タイヤ加硫装置10は、下金型12の上方に配置される上金型と、タイヤ径方向(矢印X方向)外側に配置される複数の側金型(図示省略)を備えている。上金型は、下金型12に対してタイヤ軸方向に接離可能となっており、これらの上金型と下金型12との間に図示しない生タイヤが配置され、加硫後の生タイヤ(以下、「製品タイヤ」という)のビード部、サイド部等が成形されるようになっている。また、複数の側金型は生タイヤの周方向に配列され、タイヤ径方向にそれぞれ移動可能になっている。これらの側金型によって、製品タイヤのトレッド部等が成形されるようになっている。なお、本実施形態に係る下金型12等は金属で構成されているが、非金属(例えば、砂)等で構成しても良い。
【0028】
下金型12の中央部には取付孔20が形成されており、この取付孔20に円柱状のベース14が取り付けられている。ベース14の上端部には、下ブラダリング22が取り付けられている。下ブラダリング22は、ブラダ18の下端部を把持する一対の上リング22A、下リング22Bを備えている。また、ベース14の内部には、上下方向に延びると共に、ブラダ18の内部に通じる流路24が形成されている。この流路24にはヒータ付きのエアコンプレッサ26が接続されている。また、流路24には、当該流路24を開閉する電磁弁28が設けられている。この電磁弁28には、当該電磁弁28の開閉を制御する制御手段30が接続されている。この制御手段30によって電磁弁28の開放することにより、流路24を通してエアコンプレッサ26からブラダ18の内部に加熱流体(例えば、高温スチーム、高温窒素ガス等)が供給されるようになっている。なお、流路24における電磁弁28の下流側には、図示しない排出弁が設けられており、当該排出弁を開放することにより、ブラダ18の内部の空気が外部へ排出されるようになっている。
【0029】
ベース14の上端部に立てられたセンターポスト16は円柱状で、その上部に上ブラダリング32が取り付けられている。上ブラダリング32は、ブラダ18の上端部を把持する一対の上リング32A、下リング32Bを備えている。また、センターポスト16の周囲には、ブラダ18が配置されている。ブラダ18はシート状の弾性体で、その下端部が下ブラダリング22に固定されると共に、その上端部が上ブラダリング32に固定されている。これらの下ブラダリング22及び上ブラダリング32によってブラダ18の内部が密閉されている。これにより、ブラダ18の内部に加熱流体が供給されると、ブラダ18がタイヤ径方向外側へ膨張するようになっている。
【0030】
ここで、生タイヤとは、例えば、インナーライナー、カーカス、ベルト、トレッド等のタイヤ構成部材を積層したものを環状に成形したものである。生タイヤを加硫する際は、生タイヤの内部にセンターポスト16及びブラダ18が挿入した状態でエアコンプレッサ26を駆動し、ベース14に形成された流路24を通してブラダ18の内部に加熱流体(例えば、高温スチーム、窒素ガス等)を供給してブラダ18をタイヤ径方向外側へ膨張させる。これにより、膨張したブラダ18によって生タイヤの内面が下金型12、上金型、及び側金型にそれぞれ押し付けられる。そして、ブラダ18の内部に供給された高温、高圧の加熱流体によって生タイヤが加硫され、製品タイヤが成形される。
【0031】
次に、本実施形態に係る離型剤塗布装置の構成について説明する。
【0032】
図1に示されるように、本実施形態に係る離型剤塗布装置40は、ケース42と、塗布部材44と、回転手段としての回転モータ73と、膨張手段としてのエアコンプレッサ26を備えている。なお、本実施形態では、エアコンプレッサ26をタイヤ加硫装置10及び離型剤塗布装置40で兼用しているが、エアコンプレッサ26とは別に、エアコンプレッサ、加圧流体ボンベ等の膨張手段を設けても良い。また、離型剤の塗布時には、加熱流体ではなく、圧縮空気等でブラダ18を膨張させても良い。
【0033】
ケース42は金属製のタイヤ形状とされ、筒状の側周壁42Cと、側周壁42Cの下端部に設けられた底壁42Aと、側周壁42Cの上端部に設けられた天壁42Bを備え、その内部にセンターポスト16が挿入可能となっている。
【0034】
底壁42Aの円盤状で、その中央部に貫通孔46が形成されている。この貫通孔46には下ブラダリング22の下リング22Bが挿入可能とされ、ケース42がセンターポスト16の中心軸(軸)Cを中心として回転可能に取り付けられるようになっている。また、貫通孔46の縁は、シート状の弾性体48によって被覆されており、この弾性体48によって下リング22Bの破損、損傷が抑制されている。
【0035】
図1〜図3に示されるように、ケース42の天壁42Bは円盤状で、その中央部に貫通孔50が形成されている。この貫通孔50の縁にはボス52が設けられている。ボス52は環状で、貫通孔50の縁から立ち上げられている。このボス52の内周壁における下部には、複数(本実施形態では、8つ)の連結部54が設けられている。これらの連結部54は、ボス52の内周壁の周方向に間隔を空けて形成された溝とされており、後述する連結アーム80の爪部84が挿入(係止)可能になっている。なお、連結部54は溝に限らず、突起等でも良い。
【0036】
ケース42の内壁42Dには、当該ケース42の周方向に所定の間隔を空けて配置された複数(本実施形態では、4つ)の塗布部材44が設けられている。各塗布部材44は、ケース42の内壁42Dに沿った断面U字状で、天壁42Bから底壁42Aに渡って配置されている。また、各塗布部材44は吸水性を有するスポンジ、フェルト等で構成され、液状の離型剤が含浸可能になっている。各塗布部材44におけるU字状の開口内には、膨張したブラダ18が入り込むようになっており、膨張したブラダ18の外面が塗布部材44の開口内の面(以下、「塗布面44A」という)に密着可能となっている。これにより、塗布部材44に含浸された離型剤が、ブラダ18の外面に塗布されるようになっている。なお、離型剤としては、例えば、液状のマイカ、シリコン等が用いられる。
【0037】
これらの塗布部材44は、図4(A)及び図4(B)に示されるように、支持部材56を介してケース42の側周壁42Cに取り付けられている。支持部材56は、塗布部材44におけるケース42の側周壁42Cと対向する部位に設けられた外筒体56Aと、外筒体56A内に一端部がスライド可能に挿入され、他端部がケース42の側周壁42Cに固定された内筒体56Bを備えており、膨張したブラダ18によって塗布部材44がタイヤ径方向外側へ移動されると、外筒体56Aの内部に内筒体56Bの一端部が押し込まれるようになっている。この内筒体56Bの内部には、検知手段としてのスイッチ58が設けられている。また、スイッチ58には、前述した制御手段30が接続されている。このスイッチ58はプッシュ形式のスイッチ58とされ、外筒体56Aの内部に内筒体56Bの一端部が挿入されると、外筒体56Aによってスイッチ58が押されて通電し、制御手段30に対して無線等で電気信号を発信するようになっている。制御手段30は、スイッチ58から発信された電気信号を受信すると、電磁弁28に対して弁を閉じる制御信号を発信するように構成されている。これにより、ブラダ18に対する加熱流体の供給が停止される。
【0038】
なお、図示を省略するが、内筒体56Bの内部には外筒体56Aを塗布部材44側に付勢するコイルばね等の弾性体(図示省略)が設けられている。この弾性体の弾性力(ばね剛性)を増減することにより、塗布部材44の塗布面44Aの略全域に膨張したブラダ18の外面が密着したときに、スイッチ58が押されるようになっている。
【0039】
図1に示されるように、タイヤ加硫装置10の上方には、搬送手段60が設けられている。搬送手段60は、略水平に配置された断面C型の搬送レール62と、搬送レール62に沿って移動する搬送ユニット64を備えている。搬送ユニット64の内部には、図示しない駆動ローラ及び従動ローラが設けられており、これらの駆動ローラと従動ローラとの間に搬送レール62の下フランジ62Aが配置されている。この駆動ローラを搬送モータ(図示省略)で回転駆動することにより、搬送ユニット64が搬送レール62の下フランジ62Aに沿って横方向へ移動し、搬送ユニット64に支持されたケース42がタイヤ加硫装置10と後述する離型剤供給装置90との間を移動可能となっている。
【0040】
また、搬送ユニット64の外面には、上下方向に延びる一対の昇降レール66が設けられている。これらの昇降レール66は略平行に配置されており、当該昇降レール66に昇降ユニット68がスライド可能に取り付けられている。昇降ユニット68の内部には、駆動ローラ及び従動ローラが設けられており、これらの駆動ローラと従動ローラとの間に昇降レール66が配置されている。この駆動ローラを搬送モータ(図示省略)で回転駆動することにより、昇降ユニット68が昇降レール66に沿って、昇降レール66の下部に設けられた塗布位置(図1に示す位置)と、同じく昇降レール66の下部に設けられた供給位置(図7に示す位置)と、昇降レール66の上部に設けられた搬送位置(図示省略)との間を移動するようになっている。
【0041】
なお、塗布位置では、後述する連結具74に設けられた軸受け部78が、その内部にセンターポスト16の上端部が挿入可能な位置に配置されると共に、連結具74に連結されたケース42が、その底壁42Aに形成された貫通孔46にタイヤ加硫装置10の下リング32Bが挿入可能な位置に配置される。また、供給位置では、連結具74に連結されたケース42が、その底壁42Aに形成された貫通孔46に後述する離型剤供給装置90の段部96が挿入可能な位置に配置される。更に、搬送位置では、連結具74に連結されたケース42が、タイヤ加硫装置10のセンターポスト16及びブラダ18、若しくは後述する離型剤供給装置90の供給部材94の上方に配置され、ケース42が搬送レール62に沿って横方向へ移動可能となる。
【0042】
昇降ユニット68の下部には、回転ユニット70が設けられている。回転ユニット70には、上下方向に延びる回転軸72が回転可能に取り付けられている。回転軸72の外周面には、当該回転軸72と一体に回転するギア(図示省略)が取り付けられている。このギアは、回転ユニット70の内部に設けられた回転モータ(回転手段)73のピニオン(図示省略)に噛み合わされている。この回転モータ73を駆動することにより、ピニオン及びギアを介して回転軸72に駆動力が伝達され、回転軸72が回転するように構成されている。
【0043】
図1及び図5に示されるように、回転軸72の下端部には、連結具74が設けられている。連結具74は、回転体76と、軸受け部78と、複数(本実施形態では、8つ)の連結アーム80を備えている。回転体76は円盤状で、回転軸72の軸線O(図1参照)を中心として当該回転軸72と一体に回転可能になっている。
【0044】
回転体76の下面における中央部には、軸受け部78が設けられている。軸受け部78は筒状で、回転体76の下面から下方へ向かって突出しており、回転軸72の軸線Oを中心として回転体76と一体に回転可能になっている。この軸受け部78の内部には、センターポスト16の上端部が回転可能に挿入される。また、軸受け部78の内径は、センターポスト16の上端部の外径よりも僅かに大きくなっており、当該軸受け部78の内部にセンターポスト16の上端部が挿入(係合)されることにより、回転軸72の軸線Oとセンターポスト16の中心軸Cとが一致又は略一致し、回転軸72及び回転体76がセンターポスト16の中心軸Cを中心として回転するようになっている。
【0045】
また、回転体76の下面には、回転軸72の軸線Oを中心として回転体76の径方向へ放射状に延びる複数(本実施形態では、8つ)の長溝82(図1参照)が形成されている。各長溝82には、連結アーム80の上端部が、当該長溝82に沿ってスライド可能に取り付けられている。各連結アーム80は、回転体76の下面から下方に向かって延びており、その下端部に爪部84が設けられている。爪部84は、連結アーム80の下端部から回転体76の径方向外側へ向かって突出しており、ケース42のボス52に設けられた連結部54内に挿入(係合)可能となっている。
【0046】
ここで、連結具74にケース42を連結する際は、先ず、各連結アーム80を回転体76の径方向内側へ移動した状態で、各連結アーム80をケース42のボス52内に挿入する。次に、各連結アーム80を回転体76の径方向外側へ移動し、連結アーム80の下端部に設けられた爪部84を連結アーム80のボス52に設けられた連結部54に挿入する。これにより、爪部84が連結部54に引っ掛けられ、連結具74がケース42に連結される。また、回転軸72の軸線Oとケース42の中心軸とが一致又は略一致し、ケース42が回転軸72と一体となって当該回転軸72の軸線Oを中心として回転可能になる。
【0047】
なお、各連結アーム80は、図示しないボールネジ、及び当該ボールネジを回転駆動するモータ等から構成されたスライド機構によって、長溝82内を回転体76の径方向に移動可能となっている。また、ボス52の連結部54に対する連結アーム80の爪部84の位置決めは、回転モータ73を適宜駆動し、回転軸72を回転させることにより行われる。
【0048】
次に、本実施形態に係る離型剤供給装置の構成について説明する。
【0049】
図6及び図7に示されるように、離型剤供給装置90は、基台92と、基台92に立てられた供給部材94を備えている。基台92は円盤状で、その中央部にケース42の底壁42Aに形成された貫通孔46に挿入される段部96が設けられている。段部96の中央部には、供給部材94が立てられている。供給部材94は角柱状で、ケース42の内部に挿入可能となっている。供給部材94の各側壁には、複数の噴射ノズル(噴射口)98が設けられている。これらの噴射ノズル98は供給部材94の長手方向に間隔を空けて配列されており、当該噴射ノズル98がケース42の内部に配置されたときに、各噴射ノズル98がケース42の内壁42Dに設けられた塗布部材44と対向するようになっている。また、塗布部材44の内部には、離型剤が収容された離型剤サーバ(噴射手段)97が設けられている。この離型剤サーバ97と各噴射ノズル98とは図示しない供給管で連結されており、この供給管を通して離型剤サーバ97から供給された離型剤が、噴射ノズル98から塗布部材44に向けて噴射されるようになっている。なお、離型剤サーバ97には、離型剤を汲み上げるポンプ等が設けられている。
【0050】
なお、噴射ノズルとしては、例えば、空気と離型剤を混合して霧状に噴射するスプレーガン(エアーガン)や、離型剤のみを噴射するエアーレスガン等を用いることができる。また、噴射ノズル98に対する塗布部材44の位置決めは、例えば、ケース42の内壁42Dにおける所定部位に設けられた位置決め用のマーキングを、供給部材94に設けられた光センサ等の検出手段で検出することにより行なわれる。具体的には、噴射ノズル98と塗布部材44とを対向させた状態で、ケース42の内壁42Dにおける所定部位に位置決め用のマーキングを予め設けておく。噴射ノズル98に対して塗布部材44を位置決めする際は、ケース42の内部に供給部材94を挿入した後に、昇降ユニット68に設けられた回転モータ73を駆動してケース42を回転させ、供給部材94に設けられた反射型の光センサで、ケース42の内壁42Dに設けられたマーキングを検出する。この検出情報を回転モータ73の駆動を制御するモータ制御手段に出力し、回転モータ73の駆動を停止させる。これにより、噴射ノズル98と塗布部材44とが対向した状態でケース42の回転が停止し、噴射ノズル98に対して塗布部材44が位置決めされる。
【0051】
次に、本実施形態に係る離型剤塗布装置を用いた離型剤塗布方法について説明する。
【0052】
先ず、ケース42の塗布部材44に離型剤を供給する。具体的には、搬送モータ(図示省略)を駆動し、搬送ユニット64を搬送レール62に沿って横方向へ移動させ、連結具74に連結されたケース42を離型剤供給装置90の上方に配置する。なお、回転軸72の連結具74には、ケース42を予め連結しておく。
【0053】
次に、図7に示されるように、昇降モータ(図示省略)を駆動し、昇降ユニット68を昇降レール66に沿って供給位置(図7に示す位置)に移動させ、ケース42の内部に供給部材94を挿入すると共に、ケース42の底壁42Aに形成された貫通孔46に、基台92の段部96を挿入する。次に、回転モータ73を駆動して回転軸72を回転させ、連結具74に連結されたケース42を回転して、当該ケース42の内壁42Dに設けられた塗布部材44を供給部材94の噴射ノズル98に対向させる。次に、噴射手段としての離型剤サーバ97を駆動し、噴射ノズル98から離型剤を塗布部材44に向けて噴射させることにより、各塗布部材44に離型剤を含浸させる(供給工程)。これにより、各塗布部材44に離型剤が供給される。
【0054】
次に、搬送手段60によってケース42をタイヤ加硫装置10に搬送し、塗布部材44を用いて下金型12に取り付けられたブラダ18の外面に離型剤を塗布する。具体的には、昇降モータ(図示省略)を駆動し、昇降ユニット68を昇降レール66に沿って搬送位置に移動させ、ケース42を供給部材94の上方に配置する。次に、搬送モータ(図示省略)を駆動し、搬送ユニット64を搬送レール62に沿って横方向へ移動させ、ケース42をタイヤ加硫装置10の上方に配置する。
【0055】
次に、図8(A)に示されるように、昇降モータ(図示省略)を駆動し、昇降ユニット68を昇降レール66に沿って塗布位置(図8(A)に示す位置)に移動させ、ケース42の内部にブラダ18を挿入すると共に、ケース42の底壁42Aに形成された貫通孔46に、下ブラダリング22の下リング22Bを挿入する(挿入工程)。
【0056】
次に、制御手段30によって電磁弁28を開放し、流路24を通してブラダ18の内部に加熱流体を供給して当該ブラダ18をタイヤ径方向外側へ膨張させる。なお、エアコンプレッサ26は予め駆動しておく。これにより、図8(B)に示されるように、膨張したブラダ18が塗布部材44のU字状の開口内に入り込み、ブラダ18の外面が塗布部材44の塗布面44Aに密着する(膨張行程)。更に、ブラダ18を膨張させると、当該ブラダ18によって塗布部材44が押圧されてタイヤ径方向外側へ移動し、支持部材56に設けられたスイッチ58(図4参照)が押される。この結果、スイッチ58から制御手段30に電気信号が無線等で発信される。電気信号を受信した制御手段30は、電磁弁28に対して制御信号を発信し、当該電磁弁28を閉じる。これにより、ブラダ18に対する加熱流体の供給が停止され、ブラダ18の膨張が止まる。
【0057】
次に、回転モータ73(図1参照)を駆動し、センターポスト16の中心軸Cを中心としてケース42を所定量(本実施形態では、少なくとも1/4回転)回転させ、膨張したブラダ18の外面に密着した塗布部材44を、当該ブラダ18の外面に沿って周方向へ移動する。これにより、ブラダ18の外面に離型剤H(図9(A)参照)が塗布される(塗布工程)。なお、ケース42の回転量は、塗布部材44の数等に応じて適宜調整すれば良い。
【0058】
次に、回転モータ73を停止してケース42を静止させると共に、排出弁(図示省略)を開放してブラダ18の内部から加熱流体を外部へ排出する。これにより、ブラダ18がその弾性力によって収縮する。次に、図9(B)に示されるように、昇降モータ(図示省略)を駆動して、ケース42をセンターポスト16及びブラダ18の上方へ移動する。その後、ブラダ18の周囲に生タイヤ等が配置され、生タイヤを加硫する加硫工程が開示される。
【0059】
このように本実施形態に係る離型剤塗布方法では、ブラダ18の外面に塗布部材44を接触(密着)させた状態でブラダ18の外面に離型剤を塗布することにより、スプレーガン等で塗布する従来の方法(例えば、特許文献1)と比較して、離型剤の飛散が抑制される。従って、上ブラダリング32、下ブラダリング22、下金型12等に対する離型剤の付着が低減される。これにより、下金型12等を介して生タイヤの外面等の余分な部分に付着する離型剤が低減されるため、製品タイヤの外観品質が向上する。また、ブラダ18の外面に塗布部材44を接触させることにより、ブラダ18の外面の所定の領域に離型剤を塗布することができる。更に、スプレーガン等で塗布する従来の方法では、離型剤の拡散を防止するために密閉空間内で塗布作業を行う必要があるところ、本実施形態に係る離型剤塗布方法では、このような密閉空間が不要になる。従って、コスト削減を図ることができる。
【0060】
また、スプレーガン等によって生タイヤの内面に離型剤を直接塗布する従来の方法では、タイヤの内面を構成する部材(例えば、インナーライナー)とタイヤの骨格をなす部材(例えば、カーカス)とのジョイント部に液状の離型剤が浸入して、製品タイヤのクラック(割れ)やエアー漏れ等の原因となる恐れがある。そのため、従来では、ジョイント部にマスキング等を施して、離型剤の浸入を防止する必要があった。また、離型剤の乾燥に時間を要すると共に、乾燥待ちの生タイヤを保管するスペースが必要になっていた。これに対して、本実施形態に係る離型剤塗布方法では、ブラダ18の外周面に離型剤を塗布することにより、生タイヤを加硫する際にブラダ18の内部に供給される加熱流体によって離型剤の乾燥が促進される。従って、乾燥した状態の離型剤が生タイヤの内面に付着するため、前述したジョイント部への離型剤の浸入が抑制される。よって、製品タイヤのクラック(割れ)やエアー漏れが抑制されるため、製品タイヤの品質が向上する。また、ジョイント部に対するマスキング等を省略することができると共に、離型剤の乾燥に時間を要しないため、生産性が向上する。
【0061】
更に、本実施形態に係る離型剤塗布方法では、ブラダ18を膨張させた状態で離型剤を塗布することにより、ブラダ18を膨張させずに収縮した状態で離型剤を塗布する方法と比較して、塗布ムラが抑制される。特に、生タイヤを加硫する際と同じ又は略同じ大きさにブラダ18を膨張させた状態で離型剤を塗布することにより、生タイヤの内面に接触するブラダ18の接触面に離型剤を直接塗布することができる。これにより、製品タイヤの内面とブラダ18の外面との剥離性が向上するため、製品タイヤの破損、損傷が抑制される。なお、ブラダ18を膨張させる大きさは、離型剤の粘度等によって適宜変更可能であり、必ずしも生タイヤを加硫する際と同じ又は略同じ大きさにする必要はない。
【0062】
また、例えば、タイヤ加硫装置10から離れた位置や、密閉空間に離型剤供給装置90を設置することにより、塗布部材44に離型剤を供給する際に飛散した離型剤が、タイヤ加硫装置10の下金型12、下ブラダリング22、上ブラダリング32等に付着することを抑制することができる。従って、製品タイヤの外観品質が向上する。
【0063】
なお、塗布部材44に離型剤を供給する供給工程は、生タイヤの内部にブラダ18を挿入する挿入工程の前に必ずしも毎回行う必要はなく、必要に応じて行えば良い。
【0064】
また、本実施形態では、タイヤ形状のケース42を用いたが、これに限らない。ケース42は、膨張したブラダ18が内部に配置可能であれば良く、例えば、球形や箱形でも良い。また、本実施形態では、ケース42を金属製で構成したが、シリコンや樹脂等で構成しても良い。この場合、貫通孔46の縁に設けた弾性体48を省略することができる。
【0065】
また、本実施形態では、4つの塗布部材44を設けたが、塗布部材44は1つ以上あれば良い。更に、塗布部材44の形状、配置は、前述したものに限らない。塗布部材44は、ブラダ18の外面に接触して離型剤を塗布可能であれば良く、例えば、塗布部材44を3つに分割し、ケース42の各底壁42A、天壁42B、側周壁42Cにそれぞれ固定しても良いし、ブロック状の塗布部材44をケース42の内壁42Dに千鳥状に配置しても良い。
【0066】
また、塗布部材44には、毛細管現象等を利用して離型剤を供給しても良い。例えば、各塗布部材44に繊維等をより合わせた芯材の一端部を取り付け、芯材の他端部をケース42に外面に取り付けられた離型剤容器内に収容された離型剤に浸ける。これにより、毛細管現象によって離型剤容器から離型剤が吸い上げられ、塗布部材44に供給される。
【0067】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0068】
12 下金型(型)
18 タイヤ加硫用ブラダ
26 エアコンプレッサ(膨張手段)
40 離型剤塗布装置
42 ケース
44 塗布部材
73 回転モータ(回転手段)
90 離型剤供給装置
94 供給部材
97 離型剤サーバ(噴射手段)
98 噴射ノズル(噴射口)
C 中心軸(軸)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
未加硫タイヤを加硫する型に取り付けられたタイヤ加硫用ブラダをケースの内部に挿入する挿入工程と、
前記タイヤ加硫用ブラダを膨張させ、前記ケースの内壁に設けられた塗布部材に該タイヤ加硫用ブラダの外面を接触させる膨張行程と、
前記タイヤ加硫用ブラダの軸を中心として前記ケースを回転し、前記塗布部材を膨張した前記タイヤ加硫用ブラダに外面に沿って該タイヤ加硫用ブラダの周方向へ移動させながら、該外面に離型剤を塗布する塗布工程と、
を備える離型剤塗布方法。
【請求項2】
前記挿入工程の前に、前記ケースの内部に供給部材を配置し、該供給部材に形成された噴射口から前記塗布部材に向けて離型剤を噴射して該塗布部材に離型剤を供給する供給工程を備える請求項1に記載の離型剤塗布方法。
【請求項3】
未加硫タイヤを加硫する型に取り付けられたタイヤ加硫用ブラダが内部に挿入されるケースと、
前記ケースの内壁に設けられ、膨張した前記タイヤ加硫用ブラダの外面に接触して該外面に離型剤を塗布する塗布部材と、
前記タイヤ加硫用ブラダの軸を中心として前記ケースを回転し、前記塗布部材を前記タイヤ加硫用ブラダの外面に沿って該タイヤ加硫用ブラダの周方向へ移動させる回転手段と、
を備える離型剤塗布装置。
【請求項4】
前記タイヤ加硫用ブラダの内部に流体を供給して該タイヤ加硫用ブラダを膨張し、該タイヤ加硫用ブラダの外面を前記塗布部材に接触させる膨張手段を備える請求項3に記載の離型剤塗布装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の離型剤塗布装置における前記ケースの内部に挿入される供給部材と、
前記供給部材に形成された噴射口から前記塗布部材に向けて離型剤を噴射する噴射手段と、
を備える離型剤供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−16907(P2012−16907A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156190(P2010−156190)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】