説明

電力供給制御装置、及び、電力供給制御システム

【課題】複数の車両の蓄電池に供給する電力を簡素な構成で制御する。
【解決手段】各商用電源と各コンセント6との間に介設され、電力をON/OFFする複数のリレー4と、各リレー4のON/OFFの切り換えを制御すると共に、予めIPアドレス情報が設定された複数のリレーコントローラ3と、リレーコントローラ3に通信可能に接続されたサーバ装置1とを備える。また、サーバ装置1は、リレーコントローラ3ごとに、供給許可条件を満たすか否かを判定する許可判定部108と、供給許可条件を満たすと判定されたリレーコントローラ3のIPアドレスを付与した許可指示情報を、リレーコントローラ3に出力する許可指示部109と、を備え、リレーコントローラ3は、許可指示情報に含まれるIPアドレスが、当該リレーコントローラ3に予め設定されたIPアドレスと一致する場合に、リレー4をONする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の車両にそれぞれ搭載された蓄電池に対して、複数の商用電源からそれぞれコンセントを介して供給する電力を制御する電力供給制御装置、及び、電力供給制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車及びハイブリッド自動車等において、商用電源を用いて蓄電池(バッテリ)に充電を行うよう構成したプラグイン自動車が注目されている。また、商用電源からプラグイン自動車へ充電を行う際に、供給する電力を制御する種々の装置、方法等が提案されている。
【0003】
例えば、複数の給電スペースを有し、各給電スペースにそれぞれ対応して設けられており電気自動車に対して電力を供給する給電装置、及び、各利用者の利用情報を管理する管理装置から構成される自動車充電システムが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−213497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の自動車充電システムでは、各給電スペースにそれぞれ対応して設けられており電気自動車に対して電力を供給する各給電装置が、制御部、UI部、ICカード読み取り部、撮像部、通信部、電力供給部、給電プラグコネクタ、コネクタ遮蔽部、及び、車体情報取得部から構成されるため、各給電装置の製造コストが多大となり、その結果、自動車充電システムの製造コストが多大となる虞がある。特に、多数の給電装置を有する自動車充電システムを配設する場合には、その傾向が更に顕著となる。
【0006】
また、各給電装置が、上述のような構成を備えるため、各給電装置のメンテナンスが煩雑となる虞がある。更に、各給電装置の敷設コストも多大となる虞がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、複数の車両の蓄電池に供給する電力を簡素な構成で制御することの可能な電力供給制御装置、及び、電力供給システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る電力供給制御装置は、以下のように構成されている。
【0009】
すなわち、本発明に係る電力供給制御装置は、複数の車両にそれぞれ搭載された蓄電池に対して、複数の商用電源からそれぞれコンセントを介して供給する電力を制御する電力供給制御装置であって、前記各商用電源と前記各コンセントとの間に介設され、前記各蓄電池への電力の供給を許可又は遮断する複数の切換手段と、前記各切換手段における電力の供給に関する許可又は遮断の切り換えをそれぞれ制御すると共に、予め識別情報が設定された複数の切換制御手段と、前記切換制御手段ごとに、予め設定された電力の供給を許可する条件である供給許可条件を満たすか否かを判定する許可判定手段と、電力の供給を
許可する旨の指示情報であって、前記許可判定手段によって供給許可条件を満たすと判定された切換指示手段に対応する識別情報が付与された許可指示情報を、前記各切換制御手段に対して出力する許可指示手段と、を備え、前記各切換制御手段が、前記許可指示情報を受け付けた場合に、前記許可指示情報に含まれる識別情報が、前記各切換制御手段に対して予め設定された識別情報と一致するか否かを判定し、一致すると判定された場合に前記切換手段に対して、前記蓄電池への電力の供給を許可する。
【0010】
かかる構成を備える電力供給制御装置によれば、コンセント(切換制御手段)ごとに、予め設定された電力の供給を許可する条件である供給許可条件を満たすか否かが判定され、電力の供給を許可する旨の指示情報であって、供給許可条件を満たすと判定されたコンセントに対応する識別情報が付与された許可指示情報が、供給許可条件を満たすと判定されたコンセントに対応する切換制御手段に対して出力される。そして、各切換制御手段によって、許可指示情報を受け付けた場合に、許可指示情報に含まれる識別情報が、各切換制御手段に対して予め設定された識別情報と一致するか否かが判定され、一致すると判定された場合に、蓄電池への電力の供給が許可されるため、複数の車両の蓄電池に供給する電力を簡素な構成で制御することができる。
【0011】
すなわち、サーバ装置等の上位の装置から許可指示情報が受信された場合に、受信された許可指示情報に含まれる識別情報が、切換制御手段に対して予め設定された識別情報と一致するときに、リレー等から構成される切換手段を介して、蓄電池への電力の供給が許可されるため、複数の車両の蓄電池に供給する電力を簡素な構成で制御することができるのである。
【0012】
つまり、コンセントごとに電力の供給及び遮断を制御する装置(切換制御手段:下記の実施形態では、リレーコントローラ3)には、識別情報が一致するか否かを判断する機能と、リレー等から構成される切換手段に対して電力の供給及び遮断を指示する機能と、を備えればよいため、コンセントごとに電力の供給及び遮断を制御する装置を簡素な構成とすることができるのである。
【0013】
また、本発明に係る電力供給制御装置は、前記識別情報が、前記各切換制御手段の位置を示すアドレス情報であることが好ましい。
【0014】
かかる構成を備える電力供給制御装置によれば、前記識別情報が、前記各切換制御手段の位置を示すアドレス情報であるため、前記各切換制御手段に適正な識別情報を設定することができる。すなわち、サーバ装置等の通信機器は、アドレス情報を用いることによって、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、前記各切換制御手段に対して容易に許可指示情報等の種々の情報を送信することができる。
【0015】
また、本発明に係る電力供給制御装置は、前記識別情報が、IP(Internet Protocol)アドレス情報であることが好ましい。
【0016】
かかる構成を備える電力供給制御装置によれば、前記識別情報が、IPアドレス情報であるため、前記各切換制御手段に更に適正な識別情報を設定することができる。すなわち、サーバ装置等の通信機器は、IPアドレス情報を用いることによって、インターネット等のネットワークを介して、前記各切換制御手段に対して容易に許可指示情報等の種々の情報を送信することができる。
【0017】
また、本発明に係る電力供給制御装置は、前記許可指示手段が、前記許可指示手段に最も近い位置(すなわち、最も上流側)に配置された1つの前記切換制御手段に対して前記許可指示情報を出力し、前記各切換制御手段が、前記許可指示手段又は前記許可指示手段
に近い側である上流側に配置された1つの前記切換制御手段から前記許可指示情報を受け付ける第1通信ポートと、前記許可指示手段から離間する側である下流側に配置された1つの前記切換制御手段へ前記許可指示情報を出力する第2通信ポートと、を備え、前記第1通信ポートから受け付けられた前記許可指示情報に含まれる識別情報が、前記各切換制御手段に対して予め設定された識別情報と一致するか否かを判定し、一致しないと判定された場合に、前記第2通信ポートから前記許可指示情報を出力することが好ましい。
【0018】
かかる構成を備える電力供給制御装置によれば、前記許可指示手段によって、前記許可指示手段に最も近い位置に配置された1つの前記切換制御手段に対して前記許可指示情報が出力されるため、前記許可指示手段の処理が簡素化される。
【0019】
また、前記各切換制御手段において、第1通信ポートから、前記許可指示手段又は前記許可指示手段に近い側である上流側に配置された1つの前記切換制御手段から前記許可指示情報が受け付けられ、受け付けられた前記許可指示情報に含まれる識別情報が、前記各切換制御手段に対して予め設定された識別情報と一致するか否かが判定される。そして、一致しないと判定された場合に、第2通信ポートから前記許可指示手段から離間する側である下流側に配置された1つの前記切換制御手段へ前記許可指示情報が出力される。
【0020】
したがって、前記許可指示手段によって前記許可指示手段に最も近い位置に配置された1つの前記切換制御手段に対して出力された前記許可指示情報が、前記各切換制御手段に伝送されることになるため、前記許可指示手段からの前記許可指示情報を簡素な構成で前記各切換制御手段に伝送することができる。また、前記各切換制御手段が同一の機能を有するため、最下流側に配設された切換制御手段に更に切換制御手段を接続することによって、容易に切換制御手段を増設することができる。
【0021】
また、本発明に係る電力供給制御装置は、前記切換制御手段ごとに、予め設定された電力の供給を遮断する条件である遮断条件を満たすか否かを判定する遮断判定手段と、前記遮断判定手段によって遮断条件を満たすと判定された切換制御手段に対応する識別情報が付与され、電力の供給を遮断する旨の指示情報である遮断指示情報を前記各切換制御手段に対して出力する遮断指示手段と、を更に備え、前記各切換制御手段が、前記遮断指示情報を受け付けた場合に、前記遮断指示情報に含まれる識別情報が、前記各切換制御手段に対して予め設定された識別情報と一致するか否かを判定し、一致すると判定された場合に前記切換手段を介して、前記蓄電池への電力の供給を遮断することが好ましい。
【0022】
かかる構成を備える電力供給制御装置によれば、コンセント(切換制御手段)ごとに、予め設定された電力の供給を遮断する条件である遮断条件を満たすか否かが判定され、電力の供給を遮断する旨の指示情報であって、遮断条件を満たすと判定されたコンセントに対応する識別情報が付与された遮断指示情報が、遮断条件を満たすと判定されたコンセントに対応する切換制御手段に対して出力される。そして、各切換制御手段によって、遮断指示情報を受け付けた場合に、遮断指示情報に含まれる識別情報が、各切換制御手段に対して予め設定された識別情報と一致するか否かが判定され、一致すると判定された場合に、蓄電池への電力の供給が遮断されるため、複数の車両の蓄電池に供給する電力を簡素な構成で制御することができる。
【0023】
すなわち、サーバ装置等の上位の装置から遮断指示情報が受信された場合に、受信された遮断指示情報に含まれる識別情報が、切換制御手段に予め設定された識別情報と一致するときに、リレー等から構成される切換手段を介して、蓄電池への電力の供給が遮断されるため、複数の車両の蓄電池に供給する電力を簡素な構成で制御することができるのである。
【0024】
つまり、コンセントごとに電力の供給及び遮断を制御する装置(切換制御手段:下記の実施形態では、リレーコントローラ3)には、識別情報が一致するか否かを判断する機能と、リレー等から構成される切換手段に対して電力の供給及び遮断を指示する機能とを備えればよいため、コンセントごとに電力の供給及び遮断を制御する装置を簡素な構成とすることができるのである。
【0025】
また、本発明に係る電力供給制御装置は、前記遮断条件が、前記各コンセントから給電されている車両に搭載された蓄電池が満充電状態であるとの条件を含むことが好ましい。
【0026】
かかる構成を備える電力供給制御装置によれば、前記遮断条件が、前記各コンセントから給電されている車両に搭載された蓄電池が満充電状態であるとの条件を含むため、蓄電池が満充電状態になった場合に、車両の蓄電池に供給する電力を遮断することができる。したがって、蓄電池が満充電状態になった場合に、車両の蓄電池に供給する電力が遮断されるため、他の車両の蓄電池に電力を供給することが可能となるので、当該電力供給制御装置に配設された複数のコンセントを有効に利用することができる。
【0027】
また、本発明に係る電力供給制御装置は、ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求を受け付ける要求受付手段と、前記要求受付手段によって充電要求が受け付けられた場合に、充電中の前記切換制御手段の個数である充電個数を求める充電個数算出手段と、を更に備え、前記許可判定手段が、前記充電個数が予め設定された個数閾値以下であるか否かに応じて、前記供給許可条件を満たすか否かを判定することが好ましい。
【0028】
かかる構成を備える電力供給制御装置によれば、ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求を受け付けられた場合に、充電中の前記切換制御手段の個数である充電個数が求められる。そして、充電中の前記切換制御手段の個数である充電個数が予め設定された個数閾値(例えば、10個)以下であるか否かに応じて、前記供給許可条件を満たすか否かが判定されるため、簡素な構成で給電許否を適正に判定することができる。
【0029】
また、本発明に係る電力供給制御装置は、前記充電個数算出手段が、前記遮断判定手段によって前記切換制御手段の電力の供給が遮断された場合に、前記充電個数を求めることが好ましい。
【0030】
かかる構成を備える電力供給制御装置によれば、前記切換制御手段の電力の供給が遮断された場合に、充電中の前記切換制御手段の個数である充電個数が求められるため、当該電力供給制御装置に配設された複数のコンセントを有効に利用することができる。
【0031】
すなわち、ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求が受け付けられ、充電中の前記切換制御手段の個数である充電個数が予め設定された個数閾値より大である場合には、前記供給許可条件を満たさないと判定され、車両に搭載された蓄電池への充電を開始することができない。その後、前記切換制御手段の電力の供給が遮断された場合に、充電中の前記切換制御手段の個数である充電個数が求められるため、求められた充電個数が予め設定された個数閾値以下であると判定されて、車両に搭載された蓄電池への充電を開始することができることになるので、当該電力供給制御装置に配設された複数のコンセントを有効に利用することができるのである。
【0032】
また、本発明に係る電力供給制御装置は、前記各切換手段と前記各コンセントとの間に介設され、各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電力値を検出する電力検出手段と、ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求を受け付ける要求受
付手段と、前記要求受付手段によって充電要求が受け付けられた場合に、前記電力検出手段によって検出された電力値の和である充電電力を求める充電電力算出手段と、を更に備え、前記許可判定手段が、前記充電電力が予め設定された電力閾値以下であるか否かに応じて、前記供給許可条件を満たすか否かを判定することが好ましい。
【0033】
かかる構成を備える電力供給制御装置によれば、ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求が受け付けられた場合に、検出された各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電力値の和である充電電力が求められる。そして、各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電力値の和である充電電力が予め設定された電力閾値(例えば、300kW)以下であるか否かに応じて、前記供給許可条件を満たすか否かが判定されるため、簡素な構成で給電許否を適正に判定することができる。
【0034】
また、本発明に係る電力供給制御装置は、前記充電電力算出手段が、前記遮断判定手段によって前記切換制御手段の電力の供給が遮断された場合に、前記充電電力を求めることが好ましい。
【0035】
かかる構成を備える電力供給制御装置によれば、前記切換制御手段の電力の供給が遮断された場合に、各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電力値の和である充電電力が求められるため、当該電力供給制御装置に配設された複数のコンセントを有効に利用することができる。
【0036】
すなわち、ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求が受け付けられ、各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電力値の和である充電電力が予め設定された電力閾値より大である場合には、前記供給許可条件を満たさないと判定され、車両に搭載された蓄電池への充電を開始することができない。その後、前記切換制御手段の電力の供給が遮断された場合に、各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電力値の和である充電電力が求められるため、求められた充電電力が予め設定された電力閾値以下であると判定されて、車両に搭載された蓄電池への充電を開始することができる可能性があるので、当該電力供給制御装置に配設された複数のコンセントを有効に利用することができるのである。
【0037】
また、本発明に係る電力供給制御装置は、前記各切換手段と前記各コンセントとの間に介設され、各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電流値を検出する電流検出手段と、ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求を受け付ける要求受付手段と、前記要求受付手段によって充電要求が受け付けられた場合に、前記電流検出手段によって検出された電流値の和である充電電流を求める充電電流算出手段と、を更に備え、前記許可判定手段が、前記充電電流が予め設定された電流閾値以下であるか否かに応じて、前記供給許可条件を満たすか否かを判定することが好ましい。
【0038】
かかる構成を備える電力供給制御装置によれば、ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求が受け付けられた場合に、検出された各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電流値の和である充電電流が求められる。そして、各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電流値の和である充電電流が予め設定された電流閾値(例えば、1500A)以下であるか否かに応じて、前記供給許可条件を満たすか否かが判定されるため、簡素な構成で給電許否を適正に判定することができる。
【0039】
また、本発明に係る電力供給制御装置は、前記充電電力算出手段が、前記遮断判定手段によって前記切換制御手段の電力の供給が遮断された場合に、前記充電電流を求めることが好ましい。
【0040】
かかる構成を備える電力供給制御装置によれば、前記切換制御手段の電力の供給が遮断された場合に、各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電流値の和である充電電流が求められるため、当該電力供給制御装置に配設された複数のコンセントを有効に利用することができる。
【0041】
すなわち、ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求が受け付けられ、各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電流値の和である充電電流が予め設定された電流閾値より大である場合には、前記供給許可条件を満たさないと判定され、車両に搭載された蓄電池への充電を開始することができない。その後、前記切換制御手段の電力の供給が遮断された場合に、各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電流値の和である充電電流が求められるため、求められた充電電力が予め設定された電力閾値以下であると判定されて、車両に搭載された蓄電池への充電を開始することができる可能性があるので、当該電力供給制御装置に配設された複数のコンセントを有効に利用することができるのである。
【0042】
更に、上記課題を解決するために、本発明に係る電力供給制御システムは、以下のように構成されている。
【0043】
すなわち、本発明に係る電力供給制御システムは、サーバ装置と、給電制御装置とが、ネットワークを介して通信可能に接続され、複数の車両にそれぞれ搭載された蓄電池に対して、複数の商用電源からそれぞれコンセントを介して供給する電力を制御する電力供給制御システムであって、前記給電制御装置が、前記サーバ装置との間の通信を制御する通信制御手段と、前記各商用電源と前記各コンセントとの間に介設され、前記各蓄電池への電力の供給を許可又は遮断する複数の切換手段と、前記各切換手段に対して、それぞれ、電力の供給に関する許可又は遮断の切り換えを制御すると共に、予め識別情報が設定された複数の切換制御手段と、を備え、前記サーバ装置が、前記切換制御手段ごとに、予め設定された電力の供給を許可する条件である供給許可条件を満たすか否かを判定する許可判定手段と、前記許可判定手段によって供給許可条件を満たすと判定された切換指示手段に対応する識別情報が付与され、電力の供給を許可する許可指示情報を前記給電制御装置に対して送信する許可指示手段と、を備え、前記通信制御手段が、前記許可指示情報を受信した場合に、受信した前記許可指示情報を、前記各切換制御手段へ伝送し、前記各切換制御手段が、前記許可指示情報を受け付けた場合に、前記許可指示情報に含まれる識別情報が、前記各切換制御手段に対して予め設定された識別情報と一致するか否かを判定し、一致すると判定された場合に前記各切換手段に対して、前記各蓄電池への電力の供給を許可する。
【0044】
かかる構成を備える電力供給制御システムによれば、サーバ装置において、コンセント(切換制御手段)ごとに、予め設定された電力の供給を許可する条件である供給許可条件を満たすか否かが判定され、電力の供給を許可する旨の指示情報であって、供給許可条件を満たすと判定されたコンセントに対応する識別情報が付与された許可指示情報が、供給許可条件を満たすと判定されたコンセントに対応する給電制御装置の切換制御手段に対して出力される。そして、給電制御装置において、各切換制御手段によって、許可指示情報を受け付けた場合に、許可指示情報に含まれる識別情報が、各切換制御手段に対して予め設定された識別情報と一致するか否かが判定され、一致すると判定された場合に、蓄電池への電力の供給が許可されるため、複数の車両の蓄電池に供給する電力を簡素な構成で制御することができる。
【0045】
すなわち、給電制御装置の切換制御手段によって、サーバ装置から許可指示情報が受信された場合に、受信された許可指示情報に含まれる識別情報が、予めコンセント(切換制御手段)に付与された識別情報と一致するときに、リレー等から構成される切換手段を介
して、蓄電池への電力の供給が許可されるため、複数の車両の蓄電池に供給する電力を簡素な構成で制御することができるのである。
【0046】
つまり、コンセントごとに電力の供給及び遮断を制御する装置(切換制御手段:下記の実施形態では、リレーコントローラ3)には、識別情報が一致するか否かを判断する機能と、リレー等から構成される切換手段に対して電力の供給及び遮断を指示する機能とを備えればよいため、コンセントごとに電力の供給及び遮断を制御する装置を簡素な構成とすることができるのである。
【発明の効果】
【0047】
本発明に係る電力供給制御装置、及び、電力供給制御システムによれば、複数の車両の蓄電池に供給する電力を簡素な構成で制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る電力供給制御システムの一例を示す全体構成図である。
【図2】図1に示す電力供給制御システムに配設されるリレーコントローラ等の接続状態の一例を示す配線図である。
【図3】図1に示す認証制御装置等が収納された筐体及びコンセントの配設位置の一例を示す平面図である。
【図4】図1に示す電力供給制御システムに配設される認証制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】図1に示す電力供給制御システムに配設されるリレーコントローラのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図1に示す電力供給制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図2に示す配線図において、サーバ装置からの指示情報がリレーへ伝送される経路を示す説明図である。
【図8】図2に示す配線図において、CTの検出結果に基づき生成された情報がサーバ装置へ伝送される経路を示す説明図である。
【図9】図1に示す電力供給制御システムの動作に一例を示すラダー図である。
【図10】図1に示す電力供給制御システムに配設されるリレーコントローラの動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】図1に示す電力供給制御システムに配設される認証制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】図1に示す電力供給制御システムに配設されるサーバ装置の動作の一例を示すフローチャート(前半部)である。
【図13】図1に示す電力供給制御システムに配設されるサーバ装置の動作の一例を示すフローチャート(後半部)である。
【図14】図12のステップS115及び図13のステップS141で実行される給電許否判定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0050】
−電力供給制御システム100の全体構成−
図1は、本発明に係る電力供給制御システム100の一例を示す全体構成図である。以下に、図1を参照して電力供給制御システム100の全体構成について説明する。電力供給制御システム100は、車両に搭載された蓄電池に対して、商用電源からコンセントを介して供給する電力を制御する電力供給制御システムであって、サーバ装置1、認証制御装置2、リレーコントローラ3、リレー4、CT(Current Transformer:計器用変流器
)5、及び、携帯電話機7を備えている。なお、サーバ装置1、認証制御装置2、及び、携帯電話機7は、ネットワーク8(ここでは、インターネット)を介して、互いに通信可能に接続されている。なお、特許請求の範囲に記載の電力供給制御システムを構成する「給電制御装置」は、認証制御装置2、リレーコントローラ3、リレー4、及び、CT5に相当する。
【0051】
サーバ装置1は、インターネット8を介して、認証制御装置2及び携帯電話機7と通信可能に接続され、電力供給制御システム100全体の動作を制御するものである。サーバ装置1は、認証制御装置2から認証情報を受信して、予め登録された認証情報と照合することによって個人認証処理を行う。また、サーバ装置1は、CT5によって検出された電流値信号に基づいてリレーコントローラ3によって求められた電力値情報等を認証制御装置2から受信して、満充電等の判定を行う。更に、サーバ装置1は、認証制御装置2に対して、各種画面を表示する旨の指示情報、及び、リレー4を開(又は、閉)する旨の指示情報等を送信する。加えて、サーバ装置1は、携帯電話機7に対して各種のメールを送信する。
【0052】
認証制御装置2は、例えば、蓄電池の充電を所望する電気自動車が駐車される駐車場の出入り口近傍に配設され(図3参照)、ユーザの個人認証情報(ここでは、例えば、ICカード等に格納されたユーザID情報)を受け付けてサーバ装置1へ送信すると共に、ユーザが駐車を所望する駐車場の区画の識別情報(例えば、コンセント番号情報)をサーバ装置1へ送信する。なお、認証制御装置2は、特許請求の範囲に記載の「要求受付手段」の一部に相当する。また、認証制御装置2は、特許請求の範囲に記載の「通信制御手段」に相当する。
【0053】
また、認証制御装置2は、複数個(例えば、32個)のリレーコントローラ31、32、・・・、3n(ここでは、n=32)と通信可能に接続されている。なお、リレーコントローラ31、32、・・・、3nは、同一の構成を有しているため、以下の説明においては、リレーコントローラ3と総称することもある。リレーコントローラ3(ここでは、図6に示す開閉部302)は、特許請求の範囲に記載された「切換制御手段」に相当する。また、リレーコントローラ31、32、・・・、3nには、それぞれ、予め識別情報(ここでは、IPアドレス情報)が設定されている。
【0054】
リレーコントローラ31、32、・・・、3n(ここでは、n=32)には、それぞれ、リレー41、42、・・・、4n(ここでは、n=32)、及び、CT51、52、・・・、5n(ここでは、n=32)が接続されている。なお、リレー41、42、・・・、4nは、同一の構成を有しているため、以下の説明においては、リレー4と総称することもある。リレー4は、特許請求の範囲に記載された「切換手段」に相当する。また、CT51、52、・・・、5nは、同一の構成を有しているため、以下の説明においては、CT5と総称することもある。CT5は、特許請求の範囲に記載された電力検出手段の一部に相当する。
【0055】
携帯電話機7は、サーバ装置1に電力供給制御システム100のユーザとしてメールアドレスが登録されている携帯電話機であって、サーバ装置1から充電完了通知メール等の種々のメールを受信し、ユーザに視認可能に表示するものである。
【0056】
図2は、図1に示す電力供給制御システム100に配設されるリレーコントローラ3等の接続状態の一例を示す配線図である。以下、図2を参照して、電力供給制御システム100の構成を説明する。
【0057】
リレー4k(ここで、k=1、2、・・・、n)は、商用電源とコンセント6kとの間
に介設され、商用電源からの電力をコンセント6kから車両に搭載された蓄電池に給電可能にするか、給電を遮断するかを切り換えるものである。なお、リレー4kに対して給電及び遮断を切り換える指示情報は、サーバ装置1から送出され、認証制御装置2及びリレーコントローラ3kを順次介してリレー4kに指示信号として入力される(詳細は、図7を用いて後述する)。また、コンセント61、62、・・・、6nは、同一の構成を有しているため、以下の説明においては、コンセント6と総称することもある。
【0058】
CT5k(ここで、k=1、2、・・・、n)は、商用電源からコンセント6kを介して車両に搭載された蓄電池に供給される電流値を検出するものである。CT5kは、検出された電流値を示す信号をリレーコントローラ3kに出力する。CT5kから送出された電流値を示す信号に基づいて、リレーコントローラ3kによって電力値が求められ、求められた電力値情報は、認証制御装置2を介してサーバ装置1へ伝送される(詳細は、図8を用いて後述する)。
【0059】
リレーコントローラ3k(ここで、k=1、2、・・・、n)は、CT5kから入力される電流値から電力値を求め、求められた電力値を示す情報に、リレーコントローラ3kに予め設定されたIPアドレス情報を付与して、認証制御装置2を介してサーバ装置1へ送信する。
【0060】
ここで、例えば、リレーコントローラ32は、認証制御装置2と直接に接続されているのではなく、リレーコントローラ31を介して認証制御装置2と通信可能に接続されている。また、例えば、リレーコントローラ33は、リレーコントローラ32及びリレーコントローラ31を介して認証制御装置2と通信可能に接続されている。同様にして、リレーコントローラ3m(m=4、・・・、n)は、リレーコントローラ3(m−1)、リレーコントローラ3(m−2)、・・・、及び、リレーコントローラ31を介して認証制御装置2と通信可能に接続されている。
【0061】
また、リレーコントローラ3k(ここで、k=1、2、・・・、n)は、第1通信ポート3kaと、第2通信ポート3kbとを備えている。
【0062】
第1通信ポート3ka(ここで、k=1、2、・・・、n)は、認証制御装置2又は認証制御装置2に近い側である上流側に配置された1つのリレーコントローラ3(k−1)から許可指示情報等の種々の情報を受信するポートである。また、第1通信ポート3kaは、下流側のリレーコントローラ3(k+1)から第2通信ポート3kbを介して受信された電力値情報等の種々の情報を、リレーコントローラ3(k−1)に対して送信するポートである。なお、第1通信ポート31a、32a、・・・、3naは、同一の構成を有しているため、以下の説明においては、第1通信ポート3aと総称することもある。
【0063】
第2通信ポート3kb(ここで、k=1、2、・・・、n)は、下流側に配置された1つのリレーコントローラ3(k+1)から電力値情報等の種々の情報を受信するポートである。また、第2通信ポート3kbは、認証制御装置2又は認証制御装置2に近い側である上流側に配置された1つのリレーコントローラ3(k−1)から第1通信ポート3kaを介して受信された許可指示情報等の種々の情報を、下流側に配置された1つのリレーコントローラ3(k+1)に対して送信するポートである。なお、第2通信ポート31b、32b、・・・、3nbは、同一の構成を有しているため、以下の説明においては、第2通信ポート3bと総称することもある。
【0064】
ここで、リレーコントローラ3間の通信、及び、リレーコントローラ31と認証制御装置2との間の通信は、例えば、TIA(Telecommunications Industry Association)−485規格での通信である。
【0065】
また、認証制御装置2、32個のリレーコントローラ3、32個のリレー4、及び、32個のCT5は、筐体2Aに収納されている。更に、コンセント61、62、・・・、6nは、それぞれ、対応する駐車場の区画に配置されている(図3参照)。
【0066】
本実施形態では、リレー4が商用電源からの電力をコンセント6から車両に搭載された蓄電池に給電可能にするか、給電を遮断するかを切り換える場合について説明するが、その他の種類のスイッチ(例えば、トランジスタスイッチ等)が商用電源からの電力をコンセント6から車両に搭載された蓄電池に給電可能にするか、給電を遮断するかを切り換える形態でもよい。
【0067】
また、本実施形態では、CT5が商用電源から蓄電池に供給される電流値を検出する場合について説明するが、その他の種類の検出器(例えば、電圧降下を検出する抵抗形電流計等)が商用電源から蓄電池に供給される電流値又は電力値を検出する形態でもよい。
【0068】
更に、本実施形態では、個人認証情報が、ICカードに記憶されたID情報である場合について説明するが、個人認証情報が、その他の情報(例えば、指紋情報、網膜情報等)である形態でもよい。また、個人認証情報が、携帯電話機等に記憶されたID情報である形態でもよい。
【0069】
図3は、図1に示す認証制御装置2等が収納された筐体2A及びコンセント6の配設位置の一例を示す平面図である。図に示すように、車両が駐車される区画には、それぞれ、1〜32までの番号(以下、区画番号という)が付与されており、且つ、区画内に視認可能に表記されている。ここでは、区画番号1〜8に対応する区画が左端の一列に配置され、その右側に、順次、区画番号9〜16に対応する区画、区画番号17〜24に対応する区画、及び、区画番号25〜32に対応する区画が配置されている。また、筐体2Aは、駐車場の入口近傍に配置されている。
【0070】
区画番号1〜32に対応する各区画の車輪止めの後方(車両が後ろ向きで駐車した場合に、車両の後端位置近傍)に、それぞれ、コンセント61〜6nが配置されている。32個のコンセント61〜6nは、それぞれ、筐体2Aに収納されている32個のリレー4を介して、商用電源に接続されている。
【0071】
車両に搭載された蓄電池の充電を所望するユーザは、駐車場の入口近傍に配置された筐体2Aに収納されている認証制御装置2で個人認証を行うために、ICカードに記憶されたユーザID等を認証制御装置2に備えられたカードリーダ215(図4参照)に読み取らせる。そして、個人認証が成功すれば、ユーザは、32個の区画番号の中から、使用中でなく且つ予約されていない区画番号、又は、自分自身が予約している区画番号を、認証制御装置2に備えられたテンキー等の入力部214(図4参照)を介して選択入力する。選択入力された区画番号情報がサーバ装置1に送信され、給電が許可されれば、前記区画番号情報に対応する区画に配設されたコンセント6からの給電が可能となる。したがって、ユーザは、車両を前記区画番号情報に対応する区画に駐車して、プラグをコンセント6に差し込むことによって車両に搭載された蓄電池への給電が開始される。
【0072】
なお、本実施形態では、筐体2Aに引き込まれている電力線は、例えば、同時に車両10台分の充電が可能な容量(例えば、300kW)であって、車両に供給可能な総電流の最大値は、例えば、1500Aである。すなわち、図3に示す駐車場には、32台の車両を駐車することが可能なスペースを有しているが、同時に充電が可能な車両台数は10台である。したがって、同時に10台の車両の蓄電池を充電しているときに、充電を所望するユーザが個人認証に成功して、空きの区画番号を選択入力した場合には、当該ユーザに
対してサーバ装置1から給電が許可されることはない。この場合には、例えば、同時に充電が可能な車両台数を超えているために充電を開始することができないことを示す待機中画面が認証制御装置2のLCD216に表示される。
【0073】
また、認証制御装置2、32個のリレーコントローラ3、32個のリレー4、及び、32個のCT5が、筐体2Aに収納されているため、認証制御装置2、リレーコントローラ3、リレー4、及び、CT5のメンテナンスが容易となる。更に、図3に示す駐車場が屋外にある場合には、筐体2A及びコンンセント6を防水構造にすればよいため、電力供給制御システム100の製造コストを低減することができる。
【0074】
図4は、図1に示す電力供給制御システムに配設される認証制御装置2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。認証制御装置2は、CPU(Central Processing Unit)211、ROM(Read Only Memory)212、RAM(Random Access Memory)213、入力部214、カードリーダ215、及び、LCD(Liquid Crystal Display)216を備え、これらが、バス217を介して通信可能に接続されている。
【0075】
CPU211は、認証制御装置2全体の動作を制御するものである。図11等を参照して後述するように、具体的には、例えば、CPU211は、カードリーダ215を介して、ICカード等に格納されたユーザID情報を読み取って、読み取られたユーザID情報を、インターネット8を介してサーバ装置1へ送信する。また、例えば、CPU211は、サーバ装置1からの指示に従って、LCD216に種々の画面を表示する。更に、例えば、CPU211は、テンキー等の入力部214を介して入力された駐車場の区画番号情報を受け付けて、受け付けられた区画番号情報(=コンセント番号情報)を、インターネット8を介してサーバ装置1へ送信する。
【0076】
ROM212は、CPU211によって実行される制御プログラム等を予め記憶するメモリである。RAM213は、CPU211の作業領域等として一時的に種々の情報を記憶するメモリである。
【0077】
入力部214は、テンキー等を備え、ユーザからの操作入力を受け付けるものである。入力部214は、例えば、駐車場の区画番号情報(=コンセント番号情報)を受け付ける。カードリーダ215は、ICカード等に格納されたユーザID情報等を読み取るものである。カードリーダ215によって読み取られたユーザID情報は、個人認証に用いられる。
【0078】
LCD216は、ユーザに対するガイダンス情報等を示す種々の画面を表示するものである。LCD216は、例えば、ユーザに対してICカードをカードリーダ215に読み取らせる操作を指示する画面、ユーザに対して駐車場の区画番号の入力を促す画面等を表示する。
【0079】
図5は、図1に示す電力供給制御システム100に配設されるリレーコントローラ3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。リレーコントローラ3は、CPU311、ROM312、RAM313、スイッチ部314、LED(Light Emitting Diode)315、第1通信制御部316、及び、第2通信制御部317を備え、これらが、バス318を介して通信可能に接続されている。
【0080】
CPU311は、リレーコントローラ3全体の動作を制御するものである。図6等を用いて後述するように、具体的には、例えば、CPU311は、サーバ装置1からインターネット8及び認証制御装置2を介して入力される指示情報に基づいて、リレー4のON/OFFを制御する。また、例えば、CPU311は、CT5から入力される電流値信号に
基づいて、電力値を求め、求められた電力値情報を認証制御装置2及びインターネット8を介して、サーバ装置1へ送信する。
【0081】
ROM312は、CPU311によって実行される制御プログラム等を予め記憶するメモリである。RAM313は、CPU311の作業領域等として一時的に種々の情報を記憶するメモリである。
【0082】
スイッチ部314は、いわゆる「緊急停止ボタン」として機能するスイッチであって、ユーザからの操作入力を受け付けて、リレー4を強制的にOFFする押しボタンスイッチ等のスイッチである。
【0083】
LED315は、例えば、緑色のLED及び赤色のLEDを備え、リレーコントローラ3の状態を外部から視認可能に表示するものである。例えば、リレーコントローラ3が正常に動作している場合には、緑色のLEDが点灯される。また、リレー4がON状態であって、車両の蓄電池への充電が正常に行われている場合には、赤色のLEDが点灯される。更に、漏電等の異常を検出している場合には、赤色のLEDが点滅される。
【0084】
第1通信制御部316は、第1通信ポート3aから入力される種々の情報を受け付けて、CPU311へ出力すると共に、CPU311からの指示に基づいて、種々の情報を第1通信ポート3aから出力するものである。
【0085】
第2通信制御部317は、第2通信ポート3bから入力される種々の情報を受け付けて、CPU311へ出力すると共に、CPU311からの指示に基づいて、種々の情報を第2通信ポート3bから出力するものである。
【0086】
−電力供給制御システム100の機能構成−
図6は、図1に示す電力供給制御システム100の機能構成の一例を示すブロック図である。サーバ装置1は、CPU、ROM、RAM、HDD(Hard disk drive)等を備えている。CPUは、ROM等に記憶された制御プログラム等を読み出して実行するものである。ROMは、制御プログラム等を予め記憶するメモリである。RAMは、作業用メモリ、一時記憶メモリ等として使用されるメモリである。HDDは、個人認証に用いるID情報等の種々の情報を記憶するメモリである。
【0087】
サーバ装置1は、ここでは、ROMに格納された制御プログラムを読み出して、CPUで実行することによって、電力受信部101、満充電判定部102、遮断判定部103、遮断指示部104、充電個数算出部105、充電電力算出部106、認証部107、許可判定部108、及び、許可指示部109として機能するものである。
【0088】
リレーコントローラ3は、ここでは、ROM312に格納された制御プログラムを読み出して、CPU311で実行することによって、通信制御部301、開閉部302及び検出部303として機能するものである。
【0089】
通信制御部301は、第1通信ポート3a及び第2通信ポート3bを介して通信される情報を制御する機能部である。リレーコントローラ3k(k=1、2、・・・、n)のCPU311に形成された通信制御部301の機能について、具体的に説明する。
【0090】
通信制御部301は、サーバ装置1から送出され、認証制御装置2を介して入力される給電又は遮断を切り換える指示情報(許可指示情報、遮断指示情報)が第1通信ポート3aから入力された場合には、当該指示情報に含まれるIPアドレスが、リレーコントローラ3kに付与されたIPアドレスと一致するか否かを判定する機能部である。なお、通信
制御部301は、特許請求の範囲に記載の「通信制御手段」の一部に相当する。また、指示情報に含まれるIPアドレスがリレーコントローラ3kに付与されたIPアドレスと一致する場合には、開閉部302を介して、当該指示情報に従って、リレー4kを開閉制御する。一方、指示情報に含まれるIPアドレスがリレーコントローラ3kに付与されたIPアドレスと一致しない場合には、当該指示情報を第2通信ポート3bから下位のリレーコントローラ3(k+1)へ送出する。
【0091】
更に、通信制御部301は、下位のリレーコントローラ3(k+1)から電力値情報が第2通信ポート3bを介して入力された場合には、入力された電力値情報を、第1通信ポート3aから、上位のリレーコントローラ3(k−1)又は認証制御装置2へ送出する。
【0092】
図7は、図2に示す配線図において、サーバ装置1からの指示情報(許可指示情報、遮断指示情報)がリレー4へ伝送される経路を示す説明図である。ここでは、サーバ装置1からの指示情報がリレー43へ伝送される経路について図7を参照して説明する。なお、サーバ装置1からの指示情報がリレー43へ伝送される経路は、図7において太線で伝送方向を示す矢印を付して示している。
【0093】
まず、サーバ装置1からの指示情報は、インターネット8を介して認証制御装置2で受信される。そして、受信された指示情報は、認証制御装置2からリレーコントローラ31の第1通信ポート31aへ送信される。リレーコントローラ31の通信制御部301は、第1通信ポート32aを介して受信された指示情報に付与されたIPアドレスがリレーコントローラ31に予め付与されているIPアドレスと一致しないと判断し、リレーコントローラ31の第2通信ポート31bから、リレーコントローラ32の第1通信ポート32aへ送信する。
【0094】
次に、リレーコントローラ32の通信制御部301は、第1通信ポート32aを介して受信された指示情報に付与されたIPアドレスがリレーコントローラ32に予め付与されているIPアドレスと一致しないと判断し、リレーコントローラ32の第2通信ポート32bから、リレーコントローラ33の第1通信ポート33aへ送信する。
【0095】
そして、リレーコントローラ33の通信制御部301は、第1通信ポート33aを介して受信された指示情報に付与されたIPアドレスがリレーコントローラ33に予め付与されているIPアドレスと一致すると判断し、開閉部302(図6参照)を介して、指示情報の指示に基づいて、リレー43をON/OFF制御する。
【0096】
このようにして、サーバ装置1から許可指示情報が受信された場合に、受信された許可指示情報に含まれるIPアドレスが、予めコンセント6(リレーコントローラ3)に付与されたIPアドレスと一致するときに、リレー4を介して、蓄電池への電力の供給が許可されるため、複数の車両の蓄電池に供給する電力を簡素な構成で制御することができるのである。
【0097】
つまり、コンセント6ごとに電力の供給及び遮断を制御するリレーコントローラ3には、IPアドレスが一致するか否かを判断する機能(通信制御部301の機能に相当する)と、リレー4に対して電力の供給及び遮断を指示する機能(開閉部302の機能に相当する)とを備えればよいため、コンセント6ごとに電力の供給及び遮断を制御する装置(ここでは、リレーコントローラ3)を簡素な構成とすることができるのである。
【0098】
また、リレーコントローラ3に付与された識別情報が、IPアドレス情報であるため、リレーコントローラ3に更に適正な識別情報を設定することができる。すなわち、サーバ装置1等の通信機器は、IPアドレス情報を用いることによって、インターネット8等の
ネットワークを介して、リレーコントローラ3に対して容易に許可指示情報等の種々の情報を送信することができる。
【0099】
本実施形態では、リレーコントローラ3に付与された識別情報がIPアドレスである場合について説明するが、リレーコントローラ3に付与された識別情報が、その他の識別情報である形態でもよい。例えば、リレーコントローラ3に付与された識別情報が、リレーコントローラ3の位置を示すアドレス情報である場合には、リレーコントローラ3に適正な識別情報を設定することができる。すなわち、サーバ装置1等の通信機器は、アドレス情報を用いることによって、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、リレーコントローラ3に対して容易に許可指示情報等の種々の情報を送信することができる。
【0100】
また、リレーコントローラ3k(k=1、2、・・・、n)の通信制御部301によって、第1通信ポート3kaから、認証制御装置2又は認証制御装置2に近い側である上流側に配置された1つのリレーコントローラ3(k−1)から許可指示情報(又は、遮断指示情報)が受け付けられ、受け付けられた許可指示情報(又は、遮断指示情報)に含まれるIPアドレス情報が、リレーコントローラ3kに対して予め設定されたIPアドレス情報と一致するか否かが判定される。そして、一致しないと判定された場合に、リレーコントローラ3kの通信制御部301によって、第2通信ポート3bから認証制御装置2から離間する側である下流側に配置された1つのリレーコントローラ3(k+1)へ許可指示情報(又は、遮断指示情報)が出力される。したがって、サーバ装置1(具体的には、許可指示部109)によって認証制御装置2に最も近い位置に配置された1つのリレーコントローラ31に対して出力された許可指示情報(又は、遮断指示情報)が、リレーコントローラ3k(k=2、3、・・・、n)に伝送されることになるため、サーバ装置1(具体的には、許可指示部109、又は、遮断指示部104)からの許可指示情報(又は、遮断指示情報)を簡素な構成でリレーコントローラ3k(k=1、2、・・・、n)に伝送することができる。
【0101】
更に、各リレーコントローラ3k(k=1、2、・・・、n)が同一の機能を有するため、最下流側に配設されたリレーコントローラ3nの第2通信ポート3bに更にリレーコントローラ3(n+1)の第1通信ポート3aを接続することによって、容易にリレーコントローラを増設することができる。
【0102】
本実施形態では、リレーコントローラ3kが、認証制御装置2又は上流側に配置された1つのリレーコントローラ3(k−1)、及び、下流側に配置された1つのリレーコントローラ3(k+1)と通信可能に接続されている場合について説明するが、認証制御装置2と各リレーコントローラ3k(k=1、2、・・・、n)が、ハブ等を介して通信可能に接続されている形態でもよい。この場合には、認証制御装置2と各リレーコントローラ3kとの間の通信時間が短縮される。
【0103】
図8は、図2に示す配線図において、CT53の検出結果に基づき生成された電力値情報がサーバ装置1へ伝送される経路を示す説明図である。ここでは、CT53の検出結果に基づき生成された電力値情報がサーバ装置1へ伝送される経路について図8を参照して説明する。なお、CT53からの情報(又は信号)がサーバ装置1へ伝送される経路は、図8において太線で伝送方向を示す矢印を付して示している。
【0104】
まず、CT53によってコンセント63を介して車両に搭載された蓄電池へ供給される電流値が検出され、検出された電流値を示す信号がリレーコントローラ33へ入力される。そして、リレーコントローラ33の検出部303は、CT53からの電流値信号に基づいて、電力値を算出する。そして、リレーコントローラ33の通信制御部301は、算出
された電力値情報にリレーコントローラ33のIPアドレス情報を付与して、リレーコントローラ33の第1通信ポート32aから、リレーコントローラ32の第2通信ポート32bへ送信する。
【0105】
リレーコントローラ32の通信制御部301は、第2通信ポート32bから受信した電力値情報を、第1通信ポート32aから送信する。リレーコントローラ31の通信制御部301は、第2通信ポート31bから受信した電力値情報を、第1通信ポート31aから認証制御装置2へ送信する。認証制御装置2は、リレーコントローラ31から受信した電力値情報を、インターネット8を介してサーバ装置1(ここでは、電流受信部101)へ送信する。このようにして、CT53の検出結果に基づき生成された電力値情報が、リレーコントローラ33、リレーコントローラ32、リレーコントローラ31、及び、認証制御装置2を順次経由して、サーバ装置1へ伝送される。
【0106】
再び、図6に戻って、電力供給制御システム100の機能構成について説明する。リレーコントローラ3の開閉部302は、サーバ装置1(ここでは、許可指示部109、遮断指示部104)から通信制御部301を介して受信された指示情報(許可指示情報、遮断指示情報)に基づいて、リレー4をON及びOFFさせる機能部である。なお、開閉部302は、特許請求の範囲に記載の「切換制御手段」に相当する。具体的には、サーバ装置1からの指示情報(許可指示情報、遮断指示情報)は、インターネット8、認証制御装置2、及び、上流側のリレーコントローラ3を介して、リレーコントローラ3の通信制御部301から開閉部302へ伝送される(図7参照)。
【0107】
検出部303は、CT5によって検出された電流値信号に基づいて、電力値を算出し、算出された電力値情報に、リレーコントローラ3に対応するIPアドレス情報を付与して、サーバ装置1(ここでは、電力受信部101)へ出力する機能部である。ここでは、検出部303は、特許請求の範囲に記載された電力検出手段の一部に相当する。具体的には、リレーコントローラ3の検出部303からの電力値情報は、上流側のリレーコントローラ3、認証制御装置2、及び、インターネット8を介してサーバ装置1の電力受信部101へ伝送される(図8参照)。
【0108】
電力受信部101は、リレーコントローラ3の検出部303からの電力値情報を受信する機能部である。電力受信部101は、特許請求の範囲に記載の電力検出手段の一部に相当する。
【0109】
満充電判定部102は、各コンセント6から給電されている車両に搭載された蓄電池が満充電状態であるか否かを判定する機能部である。満充電判定部102は、特許請求の範囲に記載の「遮断判定手段」の一部に相当する。満充電判定部102は、具体的には、電力受信部101によって受信されたリレーコントローラ3の検出部303からの電力値情報に基づいて満充電状態であるか否かを判定する。例えば、満充電判定部102は、リレーコントローラ3の検出部303からの電力値が予め設定された電力閾値(例えば、3W)以下の状態が、予め設定された時間閾値(例えば、10秒)以上継続した場合に、満充電状態であると判定する。
【0110】
遮断判定部103は、リレーコントローラ3ごとに、予め設定された電力の供給を遮断する条件である遮断条件を満たすか否かを判定する機能部である。遮断判定部103は、特許請求の範囲に記載の「遮断判定手段」の一部に相当する。遮断判定部103は、ここでは、許可判定部108によって電力の供給が許可されたリレーコントローラ3ごとに、満充電判定部102によって満充電状態であると判定されたか否かを判定する。
【0111】
遮断指示部104は、遮断判定部103によって遮断条件を満たすと判定されたリレー
コントローラ3に対応するIPアドレス情報が付与され、電力の供給を遮断する旨の指示情報である遮断指示情報を、インターネット8、及び、認証制御装置2を介して、リレーコントローラ3に対して送信する機能部である。遮断指示部104は、特許請求の範囲に記載の「遮断指示手段」に相当する。
【0112】
このようにして、電力の供給を遮断する条件である遮断条件が、各コンセント6から給電されている車両に搭載された蓄電池が満充電状態であるとの条件であるため、蓄電池が満充電状態になった場合に、車両の蓄電池に供給する電力を遮断することができる。したがって、蓄電池が満充電状態になった場合に、車両の蓄電池に供給する電力が遮断されるため、他の車両の蓄電池に電力を供給することが可能となるので、当該電力供給制御システム100に配設された複数のコンセント6を有効に利用することができる。
【0113】
本実施形態では、電力の供給を遮断する条件である遮断条件が、各コンセント6から給電されている車両に搭載された蓄電池が満充電状態であるとの条件である場合について説明するが、遮断条件が、その他の条件を含む形態でもよい。例えば、遮断条件が、何らかの事情(例えば、子供の悪戯、強風等)によってプラグがコンセント6から外れたとの条件を含む形態でもよい。この場合には、当該電力供給制御システム100に配設された複数のコンセント6を更に有効に利用することができる。
【0114】
充電個数算出部105は、認証部107によって充電要求が受け付けられた場合に、充電中のリレーコントローラ3の個数である充電個数NAを求める機能部である。充電個数算出部105は、特許請求の範囲に記載の「充電個数算出手段」に相当する。充電個数算出部105は、具体的には、例えば、サーバ装置1のHDD等に形成され、充電中のコンセント番号に対応するIPアドレス情報を記憶する記憶部である「充電中アドレス記憶部」に格納されたIPアドレス情報の個数をカウントすることによって充電個数NAを求める。また、充電個数算出部105は、遮断判定部103によってリレーコントローラ3の電力の供給が遮断された場合にも、充電個数NAを求める。
【0115】
充電電力算出部106は、認証部107によって充電要求が受け付けられた場合に、電力受信部101によって受信された電力値の和である充電電力WAを求める機能部である。充電電力算出部106は、特許請求の範囲に記載の「充電電力算出手段」に相当する。充電電力算出部106は、具体的には、例えば、「充電中アドレス記憶部」に格納されたIPアドレス情報をそれぞれ含む電力値情報の電力値の和を求めることによって、充電電力WAを求める。また、充電電力算出部106は、遮断判定部103によってリレーコントローラ3の電力の供給が遮断された場合にも、充電電力WAを求める。
【0116】
認証部107は、車両に搭載された蓄電池の充電を所望するユーザがサーバ装置1に登録されたユーザであるか否かを判定する処理である個人認証処理、及び、ユーザが使用を所望するコンセント番号が選択可能であるか否かを判定する処理であるコンセント選択処理を行う機能部である。認証部107は、特許請求の範囲に記載の「要求受付手段」の一部に相当する。
【0117】
認証部107は、個人認証処理として、認証制御装置2から、ICカード等に記憶されたユーザID情報を受け付け、受け付けられたユーザID情報が、予め登録され、HDD等に記録された登録済みユーザID情報のいずれかと一致するか否かの判定を行う。すなわち、認証制御装置2から受け付けられたユーザID情報がサーバ装置1に登録されているか否かの判定を行う。
【0118】
ユーザID情報がサーバ装置1に登録されていると判定された場合には、認証部107は、コンセント選択処理を行う。すなわち、認証部107は、コンセント選択処理として
、認証制御装置2からコンセント番号情報を受け付けて、受け付けられたコンセント番号が選択可能であるか否かの判定を行う。なお、認証部107は、例えば、下記の条件A、及び、条件Bを満たす場合に、受け付けられたコンセント番号が選択可能であると判定する。
【0119】
条件A:受け付けられたコンセント番号に対応する区画が使用中ではない
条件B:受け付けられたコンセント番号に対応する区画に他のユーザの予約が入っていない
許可判定部108は、認証部107によってコンセント番号が選択可能であると判定された場合に、予め設定された電力の供給を許可する条件である供給許可条件を満たすか否かを判定する機能部である。許可判定部108は、特許請求の範囲に記載の「許可判定手段」に相当する。
【0120】
具体的には、許可判定部108は、充電個数算出部105によって求められた充電個数NAが予め設定された個数閾値Nth(例えば、10個)以下であるか否かに応じて、前記供給許可条件を満たすか否かを判定する。また、充電電力算出部106によって求められた充電電力WAが予め設定された電力閾値Wth(例えば、300kW)以下であるか否かに応じて、前記供給許可条件を満たすか否かを判定する。ここでは、許可判定部108は、充電個数NAが個数閾値Nth(ここでは、10個)以下であって、且つ、充電電力WAが電力閾値Wth(ここでは、300kW)以下である場合に、供給許可条件を満たすと判定する。
【0121】
なお、認証部107によってコンセント番号が選択可能であると判定され、許可判定部108によって供給許可条件を満たすと判定された場合には、許可指示部109によって、当該コンセント番号に対応する車両に搭載された蓄電池の充電が開始される。また、許可判定部108は、当該コンセント番号に対応するリレーコントローラ3に付与されたIPアドレス情報を、サーバ装置1のHDD等に形成され、充電中のコンセント番号に対応するIPアドレス情報を記憶する記憶部(例えば、図略の「充電中アドレス記憶部」)に記録する。一方、認証部107によってコンセント番号が選択可能であると判定され、許可判定部108によって供給許可条件を満たさないと判定された場合には、許可判定部108は、当該コンセント番号に対応するリレーコントローラ3に付与されたIPアドレス情報を、サーバ装置1のHDD等に形成され、充電待ち状態のコンセント番号に対応するIPアドレス情報を記憶する記憶部(例えば、図略の「充電待ちアドレス記憶部」)に記録する。
【0122】
このようにして、ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求を受け付けられた場合に、充電中のコンセント番号に対応するリレーコントローラ3の個数である充電個数NAが求められ、充電個数NAが予め設定された個数閾値Nth以下であるか否かに応じて、電力の供給を許可する条件である供給許可条件を満たすか否かが判定されるため、簡素な構成で給電許否を適正に判定することができる。
【0123】
また、リレーコントローラ3によってコンセント6への電力の供給が遮断された場合に、充電個数NAが求められるため、当該電力供給制御システム100に配設された複数のコンセント6を有効に利用することができる。
【0124】
すなわち、ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求が受け付けられ、充電個数NAが個数閾値Nthより大である場合には、供給許可条件を満たさないと判定され、車両に搭載された蓄電池への充電を開始することができない。その後、リレーコントローラ3によって電力の供給が遮断された場合に、充電個数NAが求められるため、求められた充電個数NAが個数閾値Nth以下であると判定されて、車両に搭載
された蓄電池への充電を開始することができることになるので、当該電力供給制御システム100に配設された複数のコンセント6を有効に利用することができるのである。
【0125】
更に、ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求が受け付けられた場合に、各商用電源から各蓄電池へ供給される電力値の和である充電電力WAが求められ、充電電力WAが電力閾値Wth以下であるか否かに応じて、電力の供給を許可する条件である供給許可条件を満たすか否かが判定されるため、簡素な構成で給電許否を適正に判定することができる。
【0126】
加えて、リレーコントローラ3によってコンセント6への電力の供給が遮断された場合に、各商用電源から各蓄電池へ供給される電力値の和である充電電力WAが求められるため、当該電力供給制御システム100に配設された複数のコンセント6を有効に利用することができる。
【0127】
すなわち、ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求が受け付けられ、充電電力WAが電力閾値Wthより大である場合には、供給許可条件を満たさないと判定され、車両に搭載された蓄電池への充電を開始することができない。その後、リレーコントローラ3によってコンセント6への供給が遮断された場合に、充電電力WAが求められるため、求められた充電電力WAが電力閾値Wth以下であると判定されて、車両に搭載された蓄電池への充電を開始することができる可能性が高いので、当該電力供給制御システム100に配設された複数のコンセント100を有効に利用することができるのである。
【0128】
なお、本実施形態では、許可判定部108が、充電個数NA及び充電電力WAに基づいて電力の供給を許可するか否かを判定する場合について説明するが、許可判定部108が、充電個数NA又は充電電力WAに基づいて電力の供給を許可するか否かを判定する形態でもよい。この場合には、処理が簡略化される。
【0129】
また、許可判定部108が、充電電力WAに換えて(又は、加えて)、各商用電源から各蓄電池へ供給される電流値の和である充電電流AMに基づいて電力の供給を許可するか否かを判定する形態でもよい。充電電力WAに換えて、充電電流AMに基づいて電力の供給を許可するか否かを判定する場合には、処理が簡略化される。充電電力WAに加えて、充電電流AMに基づいて電力の供給を許可するか否かを判定する場合には、より正確に許否を判定することができる。
【0130】
許可指示部109は、認証部107によってコンセント番号が選択可能であると判定され、且つ、許可判定部108によって供給許可条件を満たすと判定された場合に、前記コンセント番号に対応するリレーコントローラ3に付与されたIPアドレス情報を含む許可指示情報を生成する機能部である。許可指示部109は、特許請求の範囲に記載の「許可指示手段」に相当する。また、許可指示部109は、生成された許可指示情報を、インターネット8、及び、認証制御装置2を介して、リレーコントローラ3へ送信し、リレーコントローラ3の通信制御部301及び開閉部302を介して、選択されたコンセント番号に対応するリレー4をON状態として、車両に搭載された蓄電池への給電を可能とする。
【0131】
−電力供給制御システム100全体の動作−
図9は、図1に示す電力供給制御システム100の動作に一例を示すラダー図である。以下、図9を参照して、電力供給制御システム100全体の動作の概要について説明する。まず、ステップT21において、認証制御装置2のカードリーダ215(図4参照)によって、ICカード等に記憶されたID情報が読み取られる。そして、読み取られたID情報は、サーバ装置1に伝送される。次に、ステップT11において、サーバ装置1(認
証部107)によって、ID情報が受信される。
【0132】
そして、ステップT12において、サーバ装置1(認証部107)によって、ID情報が登録されたID情報であるか否かの判定が行われる。ステップT12でNOの場合には、処理がステップT22に進められる。ステップT12でYESの場合には、処理がステップT23に進められる。
【0133】
ステップT22において、認証制御装置2のLCD216に個人認証が失敗した旨のエラー画面が表示されて、処理がステップT21に戻される。ステップT23において、認証制御装置2のLCD216に、コンセント6の番号入力をユーザに促す旨のガイダンス情報を表示する画面が表示される。次に、ステップT24において、認証制御装置2の入力部214を介して、コンセント番号の入力が受け付けられる。受け付けられたコンセント番号情報は、サーバ装置1へ伝送される。
【0134】
ステップT13において、サーバ装置1(認証部107)によって、コンセント番号情報が受信される。そして、ステップT14において、サーバ装置1(認証部107)によって、受信されたコンセント番号が選択可能であるか否かの判定が行われる。ステップT14でNOの場合には、処理がステップT25に進められる。ステップT14でYESの場合には、処理がステップT15に進められる。
【0135】
ステップT25において、認証制御装置2のLCD216にコンセント選択が失敗した旨のエラー画面が表示されて、処理がステップT24に戻される。ステップT15において、サーバ装置1(許可判定部108、許可指示部109)によって、リレーコントローラ3に対してリレー4をONする旨の指示情報が送信される。そして、ステップT31において、リレーコントローラ3(通信制御部301、開閉部302)によって、リレー4がONされて車両に搭載された蓄電池の充電が開始される。
【0136】
次に、ステップT32において、リレーコントローラ3(通信制御部301、検出部303)によって、CT5からの電流値に基づいて電力値が検出され、検出された電力値情報が、サーバ装置1へ送信される。ステップT16において、サーバ装置1(電力受信部101)によって、リレーコントローラ3から電力値情報が受信される。そして、ステップT17において、サーバ装置1(満充電判定部102、遮断判定部103、及び、遮断指示部104)によって、受信された電力値情報に基づいて給電を遮断するか否かの判定が行われる。ステップT17でYESの場合には、処理がステップT33に進められる。ステップT17でNOの場合には、処理がステップT16に戻される。ステップT33において、リレーコントローラ3(通信制御部301、開閉部302)によって、リレー4がOFFされて車両に搭載された蓄電池の充電が終了される。
【0137】
−電力供給制御システム100のリレーコントローラ3の動作−
図10は、図1に示す電力供給制御システム100に配設されるリレーコントローラ3の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図6、図10を参照して、リレーコントローラ3の動作について説明する。まず、ステップS301において、通信制御部301によって、サーバ装置1(許可指示部109)からリレー4をONする旨の給電開始指示情報が受け付けたか否かの判定が行われる。ステップS301でNOの場合には、処理が待機状態とされる。ステップS301でYESの場合には、処理がステップS303に進められる。
【0138】
ステップS303において、通信制御部301によって、ステップS301において受け付けられた給電開始指示情報に含まれるIPアドレスが、当該リレーコントローラ3に付与されたIPアドレスと一致するか否かの判定が行われる。ステップS303でNOの
場合には、処理がステップS305へ進められる。ステップS303でYESの場合には、処理がステップS307へ進められる。ステップS305において、通信制御部301によって、ステップS301において受け付けられた給電開始指示情報が、下流側のリレーコントローラ3へ伝送される。そして、処理がステップS301に戻され、ステップS301以降の処理が繰り返し実行される。
【0139】
ステップS307(図9のステップT31に相当する)において、開閉部302によって、リレー4がON状態とされる。次に、ステップS309において、検出部303によってCT5から電流値信号が取得される。そして、ステップS311(図9のステップT32に相当する)において、検出部303によって、ステップS309において取得された電流値に基づいて、商用電源から供給される電力値が算出される。次いで、ステップS313において、通信制御部301によって、ステップS311において算出された電力値情報に、リレーコントローラ3のIPアドレス情報が付与されて、サーバ装置1へ送信される。
【0140】
次に、ステップS315において、通信制御部301によって、サーバ装置1(遮断指示部104)からリレー4をOFFする旨の遮断指示情報が受け付けられたか否かの判定が行われる。ステップS315でNOの場合には、処理がステップS309に戻され、ステップS309以降の処理が繰り返し実行される。ステップS315でYESの場合には、処理がステップS317へ進められる。ステップS317において、通信制御部301によって、ステップS315において受け付けられた遮断指示情報に含まれるIPアドレスが、当該リレーコントローラ3に付与されたIPアドレスと一致するか否かの判定が行われる。ステップS315でNOの場合には、処理がステップS319へ進められる。ステップS315でYESの場合には、処理がステップS321へ進められる。ステップS319において、通信制御部301によって、ステップS315において受け付けられた遮断指示情報が、下流側のリレーコントローラ3へ伝送される。そして、処理がステップS309に戻され、ステップS309以降の処理が繰り返し実行される。ステップS321(図9のステップT33に相当する)において、開閉部302によって、リレー4がOFF状態とされ、処理がステップS301へリターンされる。
【0141】
−電力供給制御システム100の認証制御装置2の動作−
図11は、図1に示す電力供給制御システム100に配設される認証制御装置2の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図4、図11を参照して、認証制御装置2の動作について説明する。なお、以下の処理は、全て、認証制御装置2のCPU211によって実行される。ステップS201(図9のステップT21に相当する)において、カードリーダ215を介して、ICカード等に記憶されたID情報が取得されたか否かの判定が行われる。ステップS201でNOの場合には処理が待機状態とされる。ステップS201でYESの場合には、処理がステップS203へ進められる。
【0142】
ステップS203において、ステップS201で取得されたID情報がサーバ装置1(認証部107)へ送信される。そして、ステップS205において、サーバ装置1(認証部107)から、認証処理が成功した旨の情報が受信されたか否かの判定が行われる。ステップS205でNOの場合(失敗した旨の情報が受信された場合)には、処理がステップS207へ進められる。ステップS205でYESの(認証処理が成功した旨の情報が受信された)場合には、処理がステップS209へ進められる。
【0143】
ステップS207(図9のステップT22に相当する)において、LCD216に認証が失敗したことを報知するエラー画面が表示され、処理がステップS201に戻され、ステップS201以降の処理が繰り返し実行される。ステップS209(図9のステップT23に相当する)において、LCD216にコンセントの番号の入力を促す画面が表示さ
れる。そして、ステップS211(図9のステップT24に相当する)において、入力部214を介してコンセントの番号が入力されたか否かの判定が行われる。ステップS211でNOの場合には、処理が待機状態とされる。ステップS211でYESの場合には、処理がステップS213へ進められる。ステップS213において、ステップS211で受け付けられたコンセント番号情報がサーバ装置1(認証部107)へ送信される。そして、ステップS215において、サーバ装置1(認証部107)から、コンセント選択を許可する旨の情報が受信されたか否かの判定が行われる。
【0144】
ステップS215でNOの場合(コンセント選択を許可しない旨の情報が受信された場合)には、処理がステップS217へ進められる。ステップS215でYESの場合(コンセント選択を許可する旨の情報が受信された場合)には、処理がステップS219へ進められる。ステップS217(図9のステップT25に相当する)において、LCD216にコンセント選択が失敗したことを報知するエラー画面が表示され、処理がステップS209に戻され、ステップS209以降の処理が繰り返し実行される。ステップS219において、ステップS211で選択されたコンセント番号への給電を許可する旨の指示情報(許可指示情報)がサーバ装置1(許可指示部109)から受信されたか否かの判定が行われる。
【0145】
ステップS219でYESの場合には、処理がステップS221へ進められる。ステップS219でNOの場合には、処理がステップS223へ進められる。ステップS221において、LCD216に給電が開始されることを報知する画面が表示され、処理がステップS201へリターンされる。ステップS223において、LCD216に待機中となる(充電個数NA又は充電電力WAが条件を満たさないため、給電が許可されない)ことを報知する画面(例えば、「容量制限により、充電中の他の車両における充電が完了するまで開始されません。」とのガイダンス情報)が表示され、処理がステップS201へリターンされる。
【0146】
−電力供給制御システム100のサーバ装置1の動作−
図12、図13は、図1に示す電力供給制御システム100に配設されるサーバ装置1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、便宜上、コンセント番号に対応するIPアドレス情報がサーバ装置1のHDD等の「アドレス記憶部」に予め記憶されている場合について説明する。まず、図12に示すステップS101(図9のステップT11に相当する)において、認証部107によって、認証制御装置2からID情報が受信されたか否かの判定が行われる。ステップS101でNOの場合には、処理が図13のステップS129に進められる。ステップS101でYESの場合には、処理がステップS103に進められる。ステップS103(図9のステップT12に相当する)において、認証部107によって、ステップS101において受信されたID情報が登録されているか否か(個人認証が成功するか否か)の判定が行われる。
【0147】
ステップS103でNOの場合には、処理がステップS105へ進められる。ステップS103でYESの場合には、処理がステップS107へ進められる。ステップS105において、認証部107によって、個人認証が失敗した旨の情報が認証制御装置2へ送信され、処理がステップS101に戻されて、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。
【0148】
ステップS107において、認証部107によって、個人認証が成功した旨の情報が認証制御装置2へ送信される。次に、ステップS109(図9のステップT13に相当する)において、認証部107によって、認証制御装置2から選択されたコンセント番号が受信されたか否かの判定が行われる。ステップS109でNOの場合には、処理が待機状態とされる。ステップS109でYESの場合には、処理がステップS111へ進められる

【0149】
ステップS111(図9のステップT14に相当する)において、認証部107によって、ステップS109において受信されたコンセント番号を選択可能か否かの判定が行われる。ステップS111でNOの場合には、処理がステップS113へ進められる。ステップS111でYESの場合には、処理がステップS115へ進められる。ステップS113において、認証部107によって、認証制御装置2に対して、ステップS109において受信されたコンセント番号は選択不可である旨の情報が送信され、処理がステップS109に戻され、ステップS109以降の処理が繰り返し実行される。
【0150】
ステップS115において、ステップS109において受信されたコンセント番号に対応するコンセント6への給電の許否を判定する給電許否判定処理(図14参照)が実行される。そして、ステップS117において、許可指示部109によって、ステップS115での判断結果が、コンセント6への給電許可であったか否かの判定が行われる。ステップS115でYESの場合(コンセント6への給電が許可された場合)には、処理がステップS119へ進められる。ステップS115でNOの場合(コンセント6への給電が拒否された場合)には、処理が図13のステップS123へ進められる。
【0151】
ステップS119において、許可指示部109によって、ステップS109において受信されたコンセント番号に対応するIPアドレス情報がHDD等に形成された「アドレス記憶部」から読み出される。そして、ステップS121(図9のステップT15に相当する)において、許可指示部109によって、ステップS121で読み出されたIPアドレス情報が付与され、ステップS109において受信されたコンセント番号に対応するコンセント6への給電を開始する旨の指示情報(許可指示情報)が生成されて、認証制御装置2を介してリレーコントローラ3へ送信される。また、許可指示部109によって、ステップS109において受信されたコンセント番号、及び、ステップS121で読み出されたIPアドレス情報が対応付けて「充電中アドレス記憶部」に記録される。そして、処理が図13のステップS129へ進められる。
【0152】
図13に示すフローチャートのステップS123において、許可判定部108によって、充電待ちの車両の台数である「待ち台数」が「1」だけインクリメントされる。そして、ステップS125において、許可判定部108によって、充電の開始待ちの状態である(待機中である)ことを示す情報を表示する旨の指示情報が認証制御装置2に対して送信される。次いで、ステップS127において、許可判定部108によって、ステップS109で受信されたコンセント番号、及び、当該コンセント番号に対応するIPアドレス情報が対応付けられて、「充電待ちアドレス記憶部」に記録される。
【0153】
次に、ステップS129(図9のステップT16に相当する)において、電力受信部101によって、認証制御装置2を介して充電中の各コンセント6に対応する各リレーコントローラ3から電力情報が受信される。そして、ステップS131において、満充電判定部102によって、各コンセント6にそれぞれ接続された車両の蓄電池が満充電状態であるか否かの判定が行われる。ステップS131でYESの場合には、処理がステップS133へ進められる。ステップS133でNOの場合には、処理が図12のステップS101へリターンされる。
【0154】
ステップS133において、満充電判定部102によって、ユーザの携帯電話機7に対して、満充電である旨のメールが送信される。そして、ステップS135において、遮断判定部103によって、ステップS131において満充電であると判定されたコンセント番号に対応するIPアドレス情報が「充電中アドレス記憶部」から読み出されると共に、「充電中アドレス記憶部」に記憶された当該コンセント番号情報及びIPアドレス情報が
消去される。次いで、ステップS137(図9のステップT17に相当する)において、遮断指示部104によって、ステップS135で読み出されたIPアドレス情報が付与され、ステップS131において満充電であると判定されたコンセント番号に対応するコンセント6への給電を遮断する旨の指示情報(遮断指示情報)が生成されて、認証制御装置2を介してリレーコントローラ3へ送信される。そして、ステップS139において、許可判定部108によって、「待ち台数」が「1」以上であるか否かの判定が行われる。ステップS139でYESの場合(「待ち台数」が「1」以上である場合)には、処理がステップS141へ進められる。ステップS139でNOの場合(「待ち台数」が「0」である場合)には、処理が図12のステップS101へリターンされる。
【0155】
ステップS141において、「充電待ちアドレス記憶部」の先頭に記憶されている(記憶されたタイミングが最も古い)コンセント番号に対応するコンセント6への給電の許否を判定する給電許否判定処理(図14参照)が実行される。そして、ステップS143において、許可指示部109によって、ステップS141での判断結果が、コンセント6への給電許可であったか否かの判定が行われる。ステップS143でYESの場合(コンセント6への給電が許可された場合)には、処理がステップS145へ進められる。ステップS143でNOの場合(コンセント6への給電が拒否された場合)には、処理が図12のステップS101へリターンされる。
【0156】
ステップS145において、許可指示部109によって、「充電待ちアドレス記憶部」の先頭に記憶されているコンセント番号に対応するIPアドレス情報が読み出される。そして、ステップS147(図9のステップT15に相当する)において、許可指示部109によって、ステップS145で読み出されたIPアドレス情報が付与され、ステップS143において給電が許可されたコンセント番号に対応するコンセント6への給電を開始する旨の指示情報(許可指示情報)が生成されて、認証制御装置2を介してリレーコントローラ3へ送信される。また、許可指示部109によって、「充電待ちアドレス記憶部」に記憶されていたコンセント番号情報、及び、IPアドレス情報が「充電中アドレス記憶部」に記録される。なお、「充電中アドレス記憶部」に記録されたコンセント番号情報、及び、IPアドレス情報は、許可指示部109によって、「充電待ちアドレス記憶部」から消去される。そして、ステップS149において、許可判定部108によって、充電待ちの車両の台数である「待ち台数」が「1」だけデクリメントされ、処理が図12のステップS101へリターンされる。
【0157】
図14は、図12のステップS115及び図13のステップS141で実行される給電許否判定処理の一例を示す詳細フローチャートである。まず、ステップS151において、充電個数算出部105によって、「充電中アドレス記憶部」に格納されたコンセント番号情報(又は、IPアドレス情報)の個数をカウントすることによって充電中のリレーコントローラ3の個数である充電個数NAが求められる。次に、ステップS153において、許可判定部108によって、ステップS151で求められた充電個数NAが、個数閾値Nth(例えば、10個)以下であるか否かの判定が行われる。ステップS153でYESの場合には、処理がステップS155へ進められる。ステップS153でNOの場合には、処理がステップS163へ進められる。
【0158】
ステップS155において、電力受信部101によって、「充電中アドレス記憶部」に格納されたコンセント番号情報(又は、IPアドレス情報)に対応する各リレーコントローラ3から電力値情報が受信される。そして、ステップS157において、充電電力算出部106によって、ステップS155において受信された電力値の和である充電電力WAが求められる。次いで、ステップS159において、許可判定部108によって、ステップS157において求められた充電電力WAが電力閾値Wth(例えば、300kW)以下であるか否かの判定が行われる。ステップS159でYESの場合には、処理がステッ
プS161へ進められる。ステップS159でNOの場合には、処理がステップS163へ進められる。
【0159】
ステップS161において、許可判定部108によって、給電の開始が許可され、処理がリターンされる。ステップS163において、許可判定部108によって、給電の開始が拒否され、処理がリターンされる。
【0160】
このようにして、コンセント6ごとに電力の供給及び遮断を制御するリレーコントローラ3が、IPアドレス情報が一致するか否かを判断する通信制御部301、及び、リレー4に対して電力の供給及び遮断を指示する開閉部302を備えればよいため、コンセント6ごとに電力の供給及び遮断を制御する装置(リレーコントローラ3)を簡素な構成とすることができる。
【0161】
−他の実施形態−
本実施形態では、サーバ装置1と認証制御装置2とがインターネット8を介して通信可能に接続されている場合について説明したが、サーバ装置1と認証制御装置2とがその他のネットワーク(例えば、LAN(Local Area Network)等)を介して通信可能に接続されている形態でもよい。
【0162】
本実施形態では、サーバ装置1が、電力受信部101、満充電判定部102、遮断判定部103、遮断指示部104、充電個数算出部105、充電電力算出部106、認証部107、許可判定部108、及び、許可指示部109等の機能部を備える場合について説明したが、認証制御装置2が、電力受信部101、満充電判定部102、遮断判定部103、遮断指示部104、充電個数算出部105、充電電力算出部106、認証部107、許可判定部108、及び、許可指示部109等の機能部の少なくとも1つを備える形態でもよい。
【0163】
また、認証制御装置2が、サーバ装置1に換えて、電力受信部101、満充電判定部102、遮断判定部103、遮断指示部104、充電個数算出部105、充電電力算出部106、認証部107、許可判定部108、及び、許可指示部109等の機能部を備える形態でもよい。この場合には、認証制御装置2、リレーコントローラ3、リレー4、及び、CT5、が本発明に係る電力供給制御装置に相当する。
【0164】
本実施形態では、サーバ装置1が、電力受信部101、満充電判定部102、遮断判定部103、遮断指示部104、充電個数算出部105、充電電力算出部106、認証部107、許可判定部108、及び、許可指示部109等の機能部を備える場合について説明したが、電力受信部101、満充電判定部102、遮断判定部103、遮断指示部104、充電個数算出部105、充電電力算出部106、認証部107、許可判定部108、及び、許可指示部109等の機能部のうち、少なくとも1つの機能部が電子回路等のハードウェアから構成される形態でもよい。
【0165】
本実施形態では、リレーコントローラ3が、通信制御部301、開閉部302及び検出部303等の機能部を備える場合について説明したが、通信制御部301、開閉部302及び検出部303の少なくとも一方が電子回路等のハードウェアから構成される形態でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本発明は、複数の車両にそれぞれ搭載された蓄電池に対して、複数の商用電源からそれぞれコンセントを介して供給する電力を制御する電力供給制御装置、及び、電力供給制御システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0167】
100 電力供給制御システム
1 サーバ装置
101 電力受信部
102 満充電判定部(遮断判定手段の一部)
103 遮断判定部(遮断判定手段の一部)
104 遮断指示部(遮断指示手段)
105 充電個数算出部(充電個数算出手段)
106 充電電力算出部(充電電力算出手段)
107 認証部(要求受付手段の一部)
108 許可判定部(許可判定手段)
109 許可指示部(許可指示手段)
2 認証制御装置(要求受付手段の一部、通信制御手段)
214 入力部
215 カードリーダ
3 リレーコントローラ
3a 第1通信ポート
3b 第2通信ポート
301 通信制御部
302 開閉部(切換制御手段)
303 検出部(電力検出手段の一部)
4 リレー(切換手段)
5 CT(電力検出手段の一部)
6 コンセント
7 携帯電話機
8 ネットワーク(インターネット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両にそれぞれ搭載された蓄電池に対して、複数の商用電源からそれぞれコンセントを介して供給する電力を制御する電力供給制御装置であって、
前記各商用電源と前記各コンセントとの間に介設され、前記各蓄電池への電力の供給を許可又は遮断する複数の切換手段と、
前記各切換手段における電力の供給に関する許可又は遮断の切り換えをそれぞれ制御すると共に、予め識別情報が設定された複数の切換制御手段と、
前記切換制御手段ごとに、予め設定された電力の供給を許可する条件である供給許可条件を満たすか否かを判定する許可判定手段と、
電力の供給を許可する旨の指示情報であって、前記許可判定手段によって供給許可条件を満たすと判定された切換指示手段に対応する識別情報が付与された許可指示情報を、前記各切換制御手段に対して出力する許可指示手段と、を備え、
前記各切換制御手段は、前記許可指示情報を受け付けた場合に、前記許可指示情報に含まれる識別情報が、前記各切換制御手段に対して予め設定された識別情報と一致するか否かを判定し、一致すると判定された場合に前記切換手段に対して、前記蓄電池への電力の供給を許可することを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力供給制御装置において、
前記識別情報は、前記各切換制御手段の位置を示すアドレス情報であることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電力供給制御装置において、
前記識別情報は、IP(Internet Protocol)アドレス情報であることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の電力供給制御装置において、
前記許可指示手段は、前記許可指示手段に最も近い位置に配置された1つの前記切換制御手段に対して前記許可指示情報を出力し、
前記各切換制御手段は、
前記許可指示手段又は前記許可指示手段に近い側である上流側に配置された1つの前記切換制御手段から前記許可指示情報を受け付ける第1通信ポートと、
前記許可指示手段から離間する側である下流側に配置された1つの前記切換制御手段へ前記許可指示情報を出力する第2通信ポートと、を備え、
前記第1通信ポートから受け付けられた前記許可指示情報に含まれる識別情報が、前記各切換制御手段に対して予め設定された識別情報と一致するか否かを判定し、一致しないと判定された場合に、前記第2通信ポートから前記許可指示情報を出力することを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の電力供給制御装置において、
前記切換制御手段ごとに、予め設定された電力の供給を遮断する条件である遮断条件を満たすか否かを判定する遮断判定手段と、
前記遮断判定手段によって遮断条件を満たすと判定された切換制御手段に対応する識別情報が付与され、電力の供給を遮断する旨の指示情報である遮断指示情報を前記各切換制御手段に対して出力する遮断指示手段と、を更に備え、
前記各切換制御手段は、前記遮断指示情報を受け付けた場合に、前記遮断指示情報に含まれる識別情報が、前記各切換制御手段に対して予め設定された識別情報と一致するか否かを判定し、一致すると判定された場合に前記切換手段を介して、前記蓄電池への電力の供給を遮断することを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電力供給制御装置において、
前記遮断条件は、前記各コンセントから給電されている車両に搭載された蓄電池が満充電状態であるとの条件を含むことを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の電力供給制御装置において、
ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求を受け付ける要求受付手段と、
前記要求受付手段によって充電要求が受け付けられた場合に、充電中の前記切換制御手段の個数である充電個数を求める充電個数算出手段と、を更に備え、
前記許可判定手段は、前記充電個数が予め設定された個数閾値以下であるか否かに応じて、前記供給許可条件を満たすか否かを判定することを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電力供給制御装置において、
前記充電個数算出手段は、前記遮断判定手段によって前記切換制御手段の電力の供給が遮断された場合に、前記充電個数を求めることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項9】
請求項5又は請求項6に記載の電力供給制御装置において、
前記各切換手段と前記各コンセントとの間に介設され、各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電力値を検出する電力検出手段と、
ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求を受け付ける要求受付手段と、
前記要求受付手段によって充電要求が受け付けられた場合に、前記電力検出手段によって検出された電力値の和である充電電力を求める充電電力算出手段と、を更に備え、
前記許可判定手段は、前記充電電力が予め設定された電力閾値以下であるか否かに応じて、前記供給許可条件を満たすか否かを判定することを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項10】
請求項9に記載の電力供給制御装置において、
前記充電電力算出手段は、前記遮断判定手段によって前記切換制御手段の電力の供給が遮断された場合に、前記充電電力を求めることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項11】
請求項5又は請求項6に記載の電力供給制御装置において、
前記各切換手段と前記各コンセントとの間に介設され、各商用電源から前記各蓄電池へ供給される電流値を検出する電流検出手段と、
ユーザから車両に搭載された蓄電池への充電を所望する旨の充電要求を受け付ける要求受付手段と、
前記要求受付手段によって充電要求が受け付けられた場合に、前記電流検出手段によって検出された電流値の和である充電電流を求める充電電流算出手段と、を更に備え、
前記許可判定手段は、前記充電電流が予め設定された電流閾値以下であるか否かに応じて、前記供給許可条件を満たすか否かを判定することを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電力供給制御装置において、
前記充電電力算出手段は、前記遮断判定手段によって前記切換制御手段の電力の供給が遮断された場合に、前記充電電流を求めることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項13】
サーバ装置と、給電制御装置とが、ネットワークを介して通信可能に接続され、複数の車両にそれぞれ搭載された蓄電池に対して、複数の商用電源からそれぞれコンセントを介して供給する電力を制御する電力供給制御システムであって、
前記給電制御装置は、
前記サーバ装置との間の通信を制御する通信制御手段と、
前記各商用電源と前記各コンセントとの間に介設され、前記各蓄電池への電力の供給を
許可又は遮断する複数の切換手段と、
前記各切換手段に対して、それぞれ、電力の供給に関する許可又は遮断の切り換えを制御すると共に、予め識別情報が設定された複数の切換制御手段と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記切換制御手段ごとに、予め設定された電力の供給を許可する条件である供給許可条件を満たすか否かを判定する許可判定手段と、
前記許可判定手段によって供給許可条件を満たすと判定された切換指示手段に対応する識別情報が付与され、電力の供給を許可する許可指示情報を前記給電制御装置に対して送信する許可指示手段と、を備え、
前記通信制御手段は、前記許可指示情報を受信した場合に、受信した前記許可指示情報を、前記各切換制御手段へ伝送し、
前記各切換制御手段は、前記許可指示情報を受け付けた場合に、前記許可指示情報に含まれる識別情報が、前記各切換制御手段に対して予め設定された識別情報と一致するか否かを判定し、一致すると判定された場合に前記各切換手段に対して、前記各蓄電池への電力の供給を許可することを特徴とする電力供給制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−135110(P2012−135110A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284485(P2010−284485)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【特許番号】特許第4763852号(P4763852)
【特許公報発行日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(503438610)福西電機株式会社 (4)
【Fターム(参考)】