電力増幅装置
【課題】主信号の変調帯域と相互変調積の周波数範囲外となる周波数では高インピーダンスでスプリアス低減効果のある電力増幅装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、入力信号を第1信号及び第2信号を含む伝送信号に電力増幅するFET103と、FET103から出力される伝送信号のインダクタ成分を低減する第1のデカップリング素子104と、FET103に対し駆動電力を供給する電源回路200と、電源回路200に対しFETの出力端子106から出力されるRF成分をカットする第2のデカップリング素子300と、第1のデカップリング素子104と第2のデカップリング素子300との間に接続され、第1信号の変調帯域とFETの出力信号における相互変調積の周波数領域では所定の第1インピーダンスで、第1信号の変調帯域と相互変調積の周波数領域外では第2インピーダンスを有するフィルタ400とを備える。
【解決手段】実施形態によれば、入力信号を第1信号及び第2信号を含む伝送信号に電力増幅するFET103と、FET103から出力される伝送信号のインダクタ成分を低減する第1のデカップリング素子104と、FET103に対し駆動電力を供給する電源回路200と、電源回路200に対しFETの出力端子106から出力されるRF成分をカットする第2のデカップリング素子300と、第1のデカップリング素子104と第2のデカップリング素子300との間に接続され、第1信号の変調帯域とFETの出力信号における相互変調積の周波数領域では所定の第1インピーダンスで、第1信号の変調帯域と相互変調積の周波数領域外では第2インピーダンスを有するフィルタ400とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線設備の固体化電力増幅器といった電力増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線設備の固体化電力増幅器は、電力増幅器の電力増幅部に真空管の一種である進行波管を用いる進行波管増幅器(TWTA; Traveling Wave Tube Amplifiers)に代わって、X帯、Ku帯、Ka帯などの高い周波数領域の大電力用途であっても、FET(Field Effect Transistor:電界効果型トランジスタ)を使用する固体化電力増幅器(Solid State Power Amplifier; SSPA)が広まってきている。その背景には、電力増幅FETの高効率化・大電力化があり、特に窒化ガリウム系(以下GaN)の素材を用いたFET(GaN HEMT; 窒化ガリウム光電子移動度トランジスタ)の登場により、SSPAの送信出力が飛躍的に向上している。
【0003】
ところで、無線設備は、電波法の規格に適合した電波の質が求められており、その一つに不要波であるスプリアスの規定がある。無線設備全体でみたとき、スプリアスの発生源としては、変調器や周波数変換器など発振子を用いた装置において発振子のキャリアがリークすることで発生する場合と、電力増幅器の相互変調積による場合があるほか、主信号の倍波なども一般的である。これらスプリアスは、無線設備として電波法で求められる規格と同等ないしそれ以上が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−204472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スプリアスを削減するためには、バンドパスフィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタといったパッシブ回路で組まれたフィルタ回路を用いる方法が一般的であるが、パッシブ回路としては、以下の使用上の課題がある。
(1)主信号がフィルタの通過損により減衰する。
(2)大電力用は通過損による発熱の処理を考慮する必要も出てくる。
(3)主信号の周波数が定まっていない場合、主信号近傍のスプリアスを低減することが困難である。
【0006】
一方、能動素子を用いたアクティブフィルタを使用することも考えられる。ところが、アクティブフィルタを使用すると、
(1)主信号がフィルタの通過損により減衰する。
【0007】
(2)主信号の周波数が定まっていない場合、主信号近傍のスプリアスを削減することも困難である。
【0008】
本発明の目的は、主信号の変調帯域と相互変調積の周波数範囲外となる周波数では高インピーダンスでスプリアス低減効果のある電力増幅装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、入力端子及び出力端子を有するパッケージ内に設けられ、当該入力端子からの入力信号を所定の周波数差を有する第1信号及び当該第1信号に比して信号レベルが小さい第2信号を含むRF(Radio Frequency)帯の伝送信号に電力増幅して前記出力端子に供給するFET(Field Effect Transistor)と、FETから出力される伝送信号のインダクタ成分を低減して出力する第1のデカップリング素子と、パッケージ内のFETに対し駆動電力を供給する電源回路と、電源回路に対し出力端子から出力されるRF成分をカットする第2のデカップリング素子と、第1のデカップリング素子と第2のデカップリング素子との間に接続され、第1信号の変調帯域とFETの出力信号における相互変調積の周波数領域では所定の第1インピーダンスで、第1信号の変調帯域と相互変調積の周波数領域外では第1インピーダンスより高い第2インピーダンスを有するフィルタとを備える電力増幅装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態としてSNGシステムを示す概略構成図。
【図2】電力増幅器に2波の信号源を入力したときの出力信号の周波数特性図。
【図3】大信号と小信号の2波を共通増幅するモデルにおけるCapture Effectの発生原理を示す図。
【図4】FETの動作特性図。
【図5】Vdsの発生を示すFETの等価回路図。
【図6】2波を増幅した出力信号のコンポーネントを示す図。
【図7】小信号抑圧の量を示す図。
【図8】スプリアス(f_small)の抑圧量ΔPの3軸プロット図。
【図9】フィルタを実装した場合のFETの等価回路図。
【図10】バイアスの線路長によるインダクタ成分を抑え小信号抑圧を改善する例を示す図。
【図11】フィルタの低インピーダンス及び高インピーダンスを示す図。
【図12】本実施形態に係る電力増幅装置の等価回路図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
まず、本実施形態を説明するに先立ち、小信号のスプリアスの低減処理の原理について説明する。
図1は、一例としてSNGシステムを示す概略構成図であり、TSは親局を示している。
【0013】
先ず親局TSは、伝送すべき符号化データを変調器11に出力する。変調器11は、入力された符号化データを所定の変調方式により変調し、この変調信号を周波数変換器12に供給する。
【0014】
周波数変換器12は、上記変調信号をRF帯に周波数変換して電力増幅器13に出力する。電力増幅器13は、入力されたRF信号を所定の送信電力レベルに増幅し、この増幅された信号(主信号)をRF回路14を介してアンテナ15から衛星回線により衛星に向け送信する。
【0015】
また、親局TSは、例えば連絡回線を使用したデータ信号(小信号)を生成する。この小信号は、主信号と同様に、変調器11、周波数変換器12、電力増幅器13及びRF回路14を介してアンテナ15から衛星回線により衛星に向け送信される。
【0016】
ところで、上記小信号のスプリアスの低減処理方法として、次のような方法がある。
図2は、電力増幅器13に2波の信号源を入力したときの出力信号である。電力増幅器13の前段に接続されている変調器11や周波数変換器12などから出力される主信号1波と小信号のスプリアス1波を電力増幅器13に入力すると、主信号の近傍には三次相互変調積が発生するほか、2倍波、3倍波などが発生している様子が分かるが、これらの不要波は入力されたスプリアス信号より十分低減されたレベルになるため問題になることは少ない。一方、主信号とともに電力増幅器に入力されたスプリアスを低減する方法として、電力増幅器の入出力直線性(AM-AM特性)のひずみを利用した案が知られている。
【0017】
電力増幅器のAM-AM特性(入出力直線性)のひずみを利用した案は、2波を共通増幅する電力増幅器において、AM-AM特性に起因して小信号が抑圧される手法であり、『Capture Effect』の名称で知られている。著書としては例えば、Gerard Maral他著 SATELLITE COMMUNICATIONS SYSTEMSのP.444〜445が挙げられる。
【0018】
AM-AM特性が非線形のデバイスで、大信号と小信号の2波を共通増幅するモデルにおけるCapture Effectの発生原理を図3に示す。図3(a)は、AM−AM特性の非線形特性を用いたスプリアス低減例を示し、図3(b)は、AM−AM特性が良好でスプリアスが低減されない例を示す。大信号と小信号の2波の動作点が、Pin-Pout特性の線形部分に乗っているときは、大信号の入力のON/OFFによって小信号の出力が下がることはない(図3(b))。
【0019】
しかし、小信号の動作点が、Pin-Pout特性の線形に乗ってはいるものの、大信号の動作点がPin-Pout特性の非線形領域に差し掛かったところに乗っているときは、大信号の入力のON/OFFによって小信号の出力が下がる現象が発生し、小信号をスプリアスと見立てると、主信号である大信号と共通増幅させると、スプリアスは低減する効果がある(図3(a))。
【0020】
しかし、図3で示したようにCapture Effectの現象を用いたスプリアスの低減は、数dB程度の効果しか期待されない。また、AM-AM特性の非線形性は、IMDなどのひずみ特性に影響がでるため、一般的には線形であることが重要視されており、非線形性を線形に補正するようリニアライザを導入することのほうが一般的であり、Capture Effectによるアクティブフィルタは現実的ではない。
【0021】
GaN HEMTなどAM-AM特性が非線形の素子において、Capture Effectの効果とは別に小信号のスプリアスを効果的に低減する方法を提案する。
【0022】
FETの動作には、図4で示すようアイドル電流(Idset)の設定によって、高いIdsetからA級、AB級、B級、C級まで変化する。AB級で動作するGaN HEMTは、出力電力Poutの増減に応じて、ドレイン電流Idsが増減する。このとき、図5で示すようにドレイン回路のインピーダンスZが有限であるとき、ZとPoutによって変動するIdsによりVdsが変動する。トランジスタのデバイスパラメータは、Vdsに依存するため、Vdsで変調を受け、これがメモリ効果を生じさせ、小信号のスプリアスを低減するアクティブフィルタを構成する。
【0023】
このドレインバイアスの微分変調によるアクティブフィルタのメカニズムは以下の通りである。
【0024】
周波数ω1とω2で示す2波の入力信号を(式1)のxで示し、増幅した出力信号yを(式2)で示す。
【数1】
【0025】
この式から生成される要素(コンポーネント)は図6で示される。
【0026】
(式1)と(式2)から振幅の大きな信号f_large波FL と振幅の小さなf_small波FHは(式3)と(式4)で示される。f_largeは主信号であり、f_smallはスプリアスを指す。
【数2】
【0027】
(式3)と(式4)を分解する。
【数3】
【0028】
f_small波 FHに着目すると、f_smallの信号成分にf_largeの振幅成分A1が含まれる2次歪の項がある。この2次歪の項は、下式で示される。
【数4】
【0029】
このとき、f_largeとf_smallの信号レベルの差は大きく、A2<<A1であるため、信号レベルの小さなf_smallは信号レベルの大きなf_largeの振幅成分による抑圧が大きくなる。これらの式から、a2(非線形)とE(エンベロープ)の成分を制御することで、抑圧比を低減することが可能とわかる。
【0030】
エンベロープ(E)に着目し、バイアス回路のf特性と抑圧量ΔPの因果関係を示す。振幅の大きな信号f_largeのFL と振幅の小さなf_smallのFH は、(式3-1)と(式4-1)で示されるが、この式を、基本波a1x、2次歪a2x/2、3次歪a3x/4の項に分解すると、下記のように示される。
【数5】
【0031】
(式3-2)と(式4-2)は、(式1-1)で示される入力信号xが(式2)に入力された出力である。
【数6】
【0032】
ここで、基本波とEのみを考慮する。
【数7】
【0033】
ここで、f_small波FHが小信号側であり、 Eは複素数のみと仮定する。
【数8】
【0034】
式5で変化させるとし、このf_small波FHのレベルをf_large波FLと同じまで上げていくと、下記の式となる。
【数9】
【0035】
f_smallの出力への抑圧が殆どなくなる。つまり、f_large波FLとf_small波FHのレベル差がないときにf_smallは抑圧せず、f_large波FLとf_large波FHのレベル差があるときにf_smallは抑圧され、これはエンベロープ(E)が要因となっており、バイアス回路の周波数特性を調整し、任意の周波数領域のエンベロープを大きくすることで、効果的にスプリアス(f_small)が抑圧される。図7は式5の条件で小信号抑圧の量をグラフにしたものである。
【0036】
図8は、GaN HEMTを用いて、主信号に見立てたf_largeとスプリアスに見立てたf_smallを100MHz間隔で総当りに14.0GHz〜14.5GHzの最大500MHz差で入力させた際の、スプリアス(f_small)の抑圧量ΔPの3軸プロット図である。後述の図10で示すように、ドレインバイアス回路のエンベロープ周波数領域外のインピーダンスを高くすることで、スプリアスを大きく抑圧させている。これは、AM-AM特性のみを原因とするCapture Effectによるスプリアスを低減させるよりも効果的である。
【0037】
前述の通り、トランジスタのデバイスパラメータは、Vdsに依存する。図5で示すように、ドレイン回路のインピーダンスZについて、主信号の所望帯域幅以上の周波数領域では高くすることで、エンベロープが大きくなりVdsの変動が拡大する。これにより、図5で示すドレインバイアスの微分変調Vds(t)が働き、メモリ効果が発生し、小信号のスプリアス成分が抑圧される。
【0038】
前述の数式より、2次歪のコンポーネント内に着目することで、エンベロープ(E)の要因が抽出されたことから、GaN HEMT素子のドレイン出力側に、f_largeとf_smallの差周波数のエンベロープ(E)が、主信号f_largeの変調帯域と主たる相互変調積の周波数範囲内では小さく、主信号f_largeの変調帯域と主たる相互変調積の周波数範囲外では大きくなるようするため、主信号の波長に対するドレインバイアス回路の線路長によるインダクタ成分とデカップリングコンデンサの乗数を調整する方法が考えられる。
【0039】
図9は概要となる回路図、図10はバイアス回路のエンベロープ周波数域のインピーダンスを示す。図9に示すように、FETのドレイン端子側に接続されるデカップリング素子D1と、電源(24V)側のデカップリング素子D2との間には、インダクタLが接続されている。
【0040】
図11は、インダクタ成分が高いときと低いときのフィルタ特性を示す。インダクタ成分を高くすることでフィルタとして機能していることが分かる。ここで、図11(a)はインダクタ成分が高いときのフィルタ特性を示し、図11(b)はインダクタ成分が低いときのフィルタ特性を示す。
【0041】
上記の原理に基づき、以下に本実施形態について説明する。
【0042】
図12は、本実施形態に係る電力増幅装置の等価回路図である。ここでは、上記図1の電力増幅器13に設けられるものとして説明する。
【0043】
インターナルマッチFETのパッケージ100に入力されるRF信号は、入力端子101に供給され、LC回路102を介してFET103により電力増幅される。FET103のドレイン端子からの出力信号は、抵抗、コイル及びコンデンサから成るデカップリング素子104に供給され、当該出力信号のインダクタ成分が低減される。デカップリング素子104の出力信号は、LC回路105を介して出力端子106から取り出され、後段のRF回路14に供給される。
【0044】
また、図12中の符号200は電源回路で、パッケージ100内のFET103に対し駆動電力を供給するものである。また、電源回路200とパッケージ100との間には、抵抗、コイル及びコンデンサから成るデカップリング素子300がデカップリング素子104に対し並列となるように接続されている。
【0045】
デカップリング素子300は、電源回路200に対し出力端子106からのRF成分をカットするローパスフィルタの役割をしている。これにより、パッケージ100からの出力信号が電源回路200にノイズ混入することを防止する。また、デカップリング素子300の容量値は、デカップリング素子104よりも大きい。
【0046】
ところで、本実施形態では、FET103のドレイン端子から例えばRF信号のλ/4波長以内の位置に、インダクタLから成るフィルタ400を接続している。このフィルタ400は、f_large信号の変調帯域とFET103の出力信号における相互変調積の周波数領域では低インピーダンスを有し、またf_large信号の変調帯域と相互変調積の周波数領域外では高インピーダンスを有する。
【0047】
従って、パッケージ100から出力されるRF信号は、フィルタ400により、f_largeとf_smallの差周波数のエンベロープ成分が、抑えられることになる。
【0048】
以上のように上記実施形態では、f_small信号のスプリアスを低減する周波数範囲は、f_large信号の周波数に追従されるため、f_largeとf_smallとの差周波数のエンベロープ量が、f_large信号の変調帯域とFET103の出力信号における相互変調積の周波数領域では小さく、f_large信号の変調帯域と相互変調積の周波数領域外では大きくなるフィルタ400、つまりインダクタLをデカップリング素子104とデカップリング素子300との間に接続すれば、f_large信号近傍のスプリアスを低減することができる。
【0049】
(その他の実施形態)
その他、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0050】
11…変調器、12…周波数変換器、13…電力増幅器、14…RF回路、15…アンテナ、100…パッケージ、101…入力端子、102,105…LC回路、103…FET、104,300…デカップリング素子、106…出力端子、200…電源回路、400…フィルタ、TS…親局。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線設備の固体化電力増幅器といった電力増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線設備の固体化電力増幅器は、電力増幅器の電力増幅部に真空管の一種である進行波管を用いる進行波管増幅器(TWTA; Traveling Wave Tube Amplifiers)に代わって、X帯、Ku帯、Ka帯などの高い周波数領域の大電力用途であっても、FET(Field Effect Transistor:電界効果型トランジスタ)を使用する固体化電力増幅器(Solid State Power Amplifier; SSPA)が広まってきている。その背景には、電力増幅FETの高効率化・大電力化があり、特に窒化ガリウム系(以下GaN)の素材を用いたFET(GaN HEMT; 窒化ガリウム光電子移動度トランジスタ)の登場により、SSPAの送信出力が飛躍的に向上している。
【0003】
ところで、無線設備は、電波法の規格に適合した電波の質が求められており、その一つに不要波であるスプリアスの規定がある。無線設備全体でみたとき、スプリアスの発生源としては、変調器や周波数変換器など発振子を用いた装置において発振子のキャリアがリークすることで発生する場合と、電力増幅器の相互変調積による場合があるほか、主信号の倍波なども一般的である。これらスプリアスは、無線設備として電波法で求められる規格と同等ないしそれ以上が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−204472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スプリアスを削減するためには、バンドパスフィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタといったパッシブ回路で組まれたフィルタ回路を用いる方法が一般的であるが、パッシブ回路としては、以下の使用上の課題がある。
(1)主信号がフィルタの通過損により減衰する。
(2)大電力用は通過損による発熱の処理を考慮する必要も出てくる。
(3)主信号の周波数が定まっていない場合、主信号近傍のスプリアスを低減することが困難である。
【0006】
一方、能動素子を用いたアクティブフィルタを使用することも考えられる。ところが、アクティブフィルタを使用すると、
(1)主信号がフィルタの通過損により減衰する。
【0007】
(2)主信号の周波数が定まっていない場合、主信号近傍のスプリアスを削減することも困難である。
【0008】
本発明の目的は、主信号の変調帯域と相互変調積の周波数範囲外となる周波数では高インピーダンスでスプリアス低減効果のある電力増幅装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、入力端子及び出力端子を有するパッケージ内に設けられ、当該入力端子からの入力信号を所定の周波数差を有する第1信号及び当該第1信号に比して信号レベルが小さい第2信号を含むRF(Radio Frequency)帯の伝送信号に電力増幅して前記出力端子に供給するFET(Field Effect Transistor)と、FETから出力される伝送信号のインダクタ成分を低減して出力する第1のデカップリング素子と、パッケージ内のFETに対し駆動電力を供給する電源回路と、電源回路に対し出力端子から出力されるRF成分をカットする第2のデカップリング素子と、第1のデカップリング素子と第2のデカップリング素子との間に接続され、第1信号の変調帯域とFETの出力信号における相互変調積の周波数領域では所定の第1インピーダンスで、第1信号の変調帯域と相互変調積の周波数領域外では第1インピーダンスより高い第2インピーダンスを有するフィルタとを備える電力増幅装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態としてSNGシステムを示す概略構成図。
【図2】電力増幅器に2波の信号源を入力したときの出力信号の周波数特性図。
【図3】大信号と小信号の2波を共通増幅するモデルにおけるCapture Effectの発生原理を示す図。
【図4】FETの動作特性図。
【図5】Vdsの発生を示すFETの等価回路図。
【図6】2波を増幅した出力信号のコンポーネントを示す図。
【図7】小信号抑圧の量を示す図。
【図8】スプリアス(f_small)の抑圧量ΔPの3軸プロット図。
【図9】フィルタを実装した場合のFETの等価回路図。
【図10】バイアスの線路長によるインダクタ成分を抑え小信号抑圧を改善する例を示す図。
【図11】フィルタの低インピーダンス及び高インピーダンスを示す図。
【図12】本実施形態に係る電力増幅装置の等価回路図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
まず、本実施形態を説明するに先立ち、小信号のスプリアスの低減処理の原理について説明する。
図1は、一例としてSNGシステムを示す概略構成図であり、TSは親局を示している。
【0013】
先ず親局TSは、伝送すべき符号化データを変調器11に出力する。変調器11は、入力された符号化データを所定の変調方式により変調し、この変調信号を周波数変換器12に供給する。
【0014】
周波数変換器12は、上記変調信号をRF帯に周波数変換して電力増幅器13に出力する。電力増幅器13は、入力されたRF信号を所定の送信電力レベルに増幅し、この増幅された信号(主信号)をRF回路14を介してアンテナ15から衛星回線により衛星に向け送信する。
【0015】
また、親局TSは、例えば連絡回線を使用したデータ信号(小信号)を生成する。この小信号は、主信号と同様に、変調器11、周波数変換器12、電力増幅器13及びRF回路14を介してアンテナ15から衛星回線により衛星に向け送信される。
【0016】
ところで、上記小信号のスプリアスの低減処理方法として、次のような方法がある。
図2は、電力増幅器13に2波の信号源を入力したときの出力信号である。電力増幅器13の前段に接続されている変調器11や周波数変換器12などから出力される主信号1波と小信号のスプリアス1波を電力増幅器13に入力すると、主信号の近傍には三次相互変調積が発生するほか、2倍波、3倍波などが発生している様子が分かるが、これらの不要波は入力されたスプリアス信号より十分低減されたレベルになるため問題になることは少ない。一方、主信号とともに電力増幅器に入力されたスプリアスを低減する方法として、電力増幅器の入出力直線性(AM-AM特性)のひずみを利用した案が知られている。
【0017】
電力増幅器のAM-AM特性(入出力直線性)のひずみを利用した案は、2波を共通増幅する電力増幅器において、AM-AM特性に起因して小信号が抑圧される手法であり、『Capture Effect』の名称で知られている。著書としては例えば、Gerard Maral他著 SATELLITE COMMUNICATIONS SYSTEMSのP.444〜445が挙げられる。
【0018】
AM-AM特性が非線形のデバイスで、大信号と小信号の2波を共通増幅するモデルにおけるCapture Effectの発生原理を図3に示す。図3(a)は、AM−AM特性の非線形特性を用いたスプリアス低減例を示し、図3(b)は、AM−AM特性が良好でスプリアスが低減されない例を示す。大信号と小信号の2波の動作点が、Pin-Pout特性の線形部分に乗っているときは、大信号の入力のON/OFFによって小信号の出力が下がることはない(図3(b))。
【0019】
しかし、小信号の動作点が、Pin-Pout特性の線形に乗ってはいるものの、大信号の動作点がPin-Pout特性の非線形領域に差し掛かったところに乗っているときは、大信号の入力のON/OFFによって小信号の出力が下がる現象が発生し、小信号をスプリアスと見立てると、主信号である大信号と共通増幅させると、スプリアスは低減する効果がある(図3(a))。
【0020】
しかし、図3で示したようにCapture Effectの現象を用いたスプリアスの低減は、数dB程度の効果しか期待されない。また、AM-AM特性の非線形性は、IMDなどのひずみ特性に影響がでるため、一般的には線形であることが重要視されており、非線形性を線形に補正するようリニアライザを導入することのほうが一般的であり、Capture Effectによるアクティブフィルタは現実的ではない。
【0021】
GaN HEMTなどAM-AM特性が非線形の素子において、Capture Effectの効果とは別に小信号のスプリアスを効果的に低減する方法を提案する。
【0022】
FETの動作には、図4で示すようアイドル電流(Idset)の設定によって、高いIdsetからA級、AB級、B級、C級まで変化する。AB級で動作するGaN HEMTは、出力電力Poutの増減に応じて、ドレイン電流Idsが増減する。このとき、図5で示すようにドレイン回路のインピーダンスZが有限であるとき、ZとPoutによって変動するIdsによりVdsが変動する。トランジスタのデバイスパラメータは、Vdsに依存するため、Vdsで変調を受け、これがメモリ効果を生じさせ、小信号のスプリアスを低減するアクティブフィルタを構成する。
【0023】
このドレインバイアスの微分変調によるアクティブフィルタのメカニズムは以下の通りである。
【0024】
周波数ω1とω2で示す2波の入力信号を(式1)のxで示し、増幅した出力信号yを(式2)で示す。
【数1】
【0025】
この式から生成される要素(コンポーネント)は図6で示される。
【0026】
(式1)と(式2)から振幅の大きな信号f_large波FL と振幅の小さなf_small波FHは(式3)と(式4)で示される。f_largeは主信号であり、f_smallはスプリアスを指す。
【数2】
【0027】
(式3)と(式4)を分解する。
【数3】
【0028】
f_small波 FHに着目すると、f_smallの信号成分にf_largeの振幅成分A1が含まれる2次歪の項がある。この2次歪の項は、下式で示される。
【数4】
【0029】
このとき、f_largeとf_smallの信号レベルの差は大きく、A2<<A1であるため、信号レベルの小さなf_smallは信号レベルの大きなf_largeの振幅成分による抑圧が大きくなる。これらの式から、a2(非線形)とE(エンベロープ)の成分を制御することで、抑圧比を低減することが可能とわかる。
【0030】
エンベロープ(E)に着目し、バイアス回路のf特性と抑圧量ΔPの因果関係を示す。振幅の大きな信号f_largeのFL と振幅の小さなf_smallのFH は、(式3-1)と(式4-1)で示されるが、この式を、基本波a1x、2次歪a2x/2、3次歪a3x/4の項に分解すると、下記のように示される。
【数5】
【0031】
(式3-2)と(式4-2)は、(式1-1)で示される入力信号xが(式2)に入力された出力である。
【数6】
【0032】
ここで、基本波とEのみを考慮する。
【数7】
【0033】
ここで、f_small波FHが小信号側であり、 Eは複素数のみと仮定する。
【数8】
【0034】
式5で変化させるとし、このf_small波FHのレベルをf_large波FLと同じまで上げていくと、下記の式となる。
【数9】
【0035】
f_smallの出力への抑圧が殆どなくなる。つまり、f_large波FLとf_small波FHのレベル差がないときにf_smallは抑圧せず、f_large波FLとf_large波FHのレベル差があるときにf_smallは抑圧され、これはエンベロープ(E)が要因となっており、バイアス回路の周波数特性を調整し、任意の周波数領域のエンベロープを大きくすることで、効果的にスプリアス(f_small)が抑圧される。図7は式5の条件で小信号抑圧の量をグラフにしたものである。
【0036】
図8は、GaN HEMTを用いて、主信号に見立てたf_largeとスプリアスに見立てたf_smallを100MHz間隔で総当りに14.0GHz〜14.5GHzの最大500MHz差で入力させた際の、スプリアス(f_small)の抑圧量ΔPの3軸プロット図である。後述の図10で示すように、ドレインバイアス回路のエンベロープ周波数領域外のインピーダンスを高くすることで、スプリアスを大きく抑圧させている。これは、AM-AM特性のみを原因とするCapture Effectによるスプリアスを低減させるよりも効果的である。
【0037】
前述の通り、トランジスタのデバイスパラメータは、Vdsに依存する。図5で示すように、ドレイン回路のインピーダンスZについて、主信号の所望帯域幅以上の周波数領域では高くすることで、エンベロープが大きくなりVdsの変動が拡大する。これにより、図5で示すドレインバイアスの微分変調Vds(t)が働き、メモリ効果が発生し、小信号のスプリアス成分が抑圧される。
【0038】
前述の数式より、2次歪のコンポーネント内に着目することで、エンベロープ(E)の要因が抽出されたことから、GaN HEMT素子のドレイン出力側に、f_largeとf_smallの差周波数のエンベロープ(E)が、主信号f_largeの変調帯域と主たる相互変調積の周波数範囲内では小さく、主信号f_largeの変調帯域と主たる相互変調積の周波数範囲外では大きくなるようするため、主信号の波長に対するドレインバイアス回路の線路長によるインダクタ成分とデカップリングコンデンサの乗数を調整する方法が考えられる。
【0039】
図9は概要となる回路図、図10はバイアス回路のエンベロープ周波数域のインピーダンスを示す。図9に示すように、FETのドレイン端子側に接続されるデカップリング素子D1と、電源(24V)側のデカップリング素子D2との間には、インダクタLが接続されている。
【0040】
図11は、インダクタ成分が高いときと低いときのフィルタ特性を示す。インダクタ成分を高くすることでフィルタとして機能していることが分かる。ここで、図11(a)はインダクタ成分が高いときのフィルタ特性を示し、図11(b)はインダクタ成分が低いときのフィルタ特性を示す。
【0041】
上記の原理に基づき、以下に本実施形態について説明する。
【0042】
図12は、本実施形態に係る電力増幅装置の等価回路図である。ここでは、上記図1の電力増幅器13に設けられるものとして説明する。
【0043】
インターナルマッチFETのパッケージ100に入力されるRF信号は、入力端子101に供給され、LC回路102を介してFET103により電力増幅される。FET103のドレイン端子からの出力信号は、抵抗、コイル及びコンデンサから成るデカップリング素子104に供給され、当該出力信号のインダクタ成分が低減される。デカップリング素子104の出力信号は、LC回路105を介して出力端子106から取り出され、後段のRF回路14に供給される。
【0044】
また、図12中の符号200は電源回路で、パッケージ100内のFET103に対し駆動電力を供給するものである。また、電源回路200とパッケージ100との間には、抵抗、コイル及びコンデンサから成るデカップリング素子300がデカップリング素子104に対し並列となるように接続されている。
【0045】
デカップリング素子300は、電源回路200に対し出力端子106からのRF成分をカットするローパスフィルタの役割をしている。これにより、パッケージ100からの出力信号が電源回路200にノイズ混入することを防止する。また、デカップリング素子300の容量値は、デカップリング素子104よりも大きい。
【0046】
ところで、本実施形態では、FET103のドレイン端子から例えばRF信号のλ/4波長以内の位置に、インダクタLから成るフィルタ400を接続している。このフィルタ400は、f_large信号の変調帯域とFET103の出力信号における相互変調積の周波数領域では低インピーダンスを有し、またf_large信号の変調帯域と相互変調積の周波数領域外では高インピーダンスを有する。
【0047】
従って、パッケージ100から出力されるRF信号は、フィルタ400により、f_largeとf_smallの差周波数のエンベロープ成分が、抑えられることになる。
【0048】
以上のように上記実施形態では、f_small信号のスプリアスを低減する周波数範囲は、f_large信号の周波数に追従されるため、f_largeとf_smallとの差周波数のエンベロープ量が、f_large信号の変調帯域とFET103の出力信号における相互変調積の周波数領域では小さく、f_large信号の変調帯域と相互変調積の周波数領域外では大きくなるフィルタ400、つまりインダクタLをデカップリング素子104とデカップリング素子300との間に接続すれば、f_large信号近傍のスプリアスを低減することができる。
【0049】
(その他の実施形態)
その他、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0050】
11…変調器、12…周波数変換器、13…電力増幅器、14…RF回路、15…アンテナ、100…パッケージ、101…入力端子、102,105…LC回路、103…FET、104,300…デカップリング素子、106…出力端子、200…電源回路、400…フィルタ、TS…親局。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子及び出力端子を有するパッケージ内に設けられ、当該入力端子からの入力信号を所定の周波数差を有する第1信号及び当該第1信号に比して信号レベルが小さい第2信号を含むRF(Radio Frequency)帯の伝送信号に電力増幅して前記出力端子に供給するFET(Field Effect Transistor)と、
前記FETから出力される伝送信号のインダクタ成分を低減して出力する第1のデカップリング素子と、
前記パッケージ内のFETに対し駆動電力を供給する電源回路と、
前記電源回路に対し前記出力端子から出力されるRF成分をカットする第2のデカップリング素子と、
前記第1のデカップリング素子と前記第2のデカップリング素子との間に接続され、前記第1信号の変調帯域と前記FETの出力信号における相互変調積の周波数領域では所定の第1インピーダンスで、前記第1信号の変調帯域と前記相互変調積の周波数領域外では前記第1インピーダンスより高い第2インピーダンスを有するフィルタとを具備することを特徴とする電力増幅装置。
【請求項2】
前記フィルタは、インダクタを備えることを特徴とする請求項1記載の電力増幅装置。
【請求項3】
前記第1及び第2のデカップリング素子それぞれのキャパシタ値は、第2のデカップリング素子>第1のデカップリング素子の関係であることを特徴とする請求項1記載の電力増幅装置。
【請求項4】
前記第1のデカップリング素子は、前記パッケージの内部に配置され、
前記第2のデカップリング素子は、前記パッケージの外部に配置されることを特徴とする請求項1記載の電力増幅装置。
【請求項5】
前記第1及び第2のデカップリング素子は、複数の素子で構成されることを特徴とする請求項1記載の電力増幅装置。
【請求項1】
入力端子及び出力端子を有するパッケージ内に設けられ、当該入力端子からの入力信号を所定の周波数差を有する第1信号及び当該第1信号に比して信号レベルが小さい第2信号を含むRF(Radio Frequency)帯の伝送信号に電力増幅して前記出力端子に供給するFET(Field Effect Transistor)と、
前記FETから出力される伝送信号のインダクタ成分を低減して出力する第1のデカップリング素子と、
前記パッケージ内のFETに対し駆動電力を供給する電源回路と、
前記電源回路に対し前記出力端子から出力されるRF成分をカットする第2のデカップリング素子と、
前記第1のデカップリング素子と前記第2のデカップリング素子との間に接続され、前記第1信号の変調帯域と前記FETの出力信号における相互変調積の周波数領域では所定の第1インピーダンスで、前記第1信号の変調帯域と前記相互変調積の周波数領域外では前記第1インピーダンスより高い第2インピーダンスを有するフィルタとを具備することを特徴とする電力増幅装置。
【請求項2】
前記フィルタは、インダクタを備えることを特徴とする請求項1記載の電力増幅装置。
【請求項3】
前記第1及び第2のデカップリング素子それぞれのキャパシタ値は、第2のデカップリング素子>第1のデカップリング素子の関係であることを特徴とする請求項1記載の電力増幅装置。
【請求項4】
前記第1のデカップリング素子は、前記パッケージの内部に配置され、
前記第2のデカップリング素子は、前記パッケージの外部に配置されることを特徴とする請求項1記載の電力増幅装置。
【請求項5】
前記第1及び第2のデカップリング素子は、複数の素子で構成されることを特徴とする請求項1記載の電力増幅装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−65961(P2013−65961A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202246(P2011−202246)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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