説明

電力変換装置

【課題】システム全体として効率のよい燃料電池用の電力変換装置の提供。
【解決手段】燃料電池13に接続される昇圧回路15、およびDC/DCコンバータ17と、DC/DCコンバータ17の出力に接続される余剰電力用負荷19と、昇圧回路15の出力とDC/DCコンバータ17の出力とを直列接続した状態で、電気的に接続される系統連系用インバータ21と、系統連系用インバータ出力電流Iiを検出する電流検出器23と、制御回路25と、を備え、制御回路25は、燃料電池13の出力電力Pfcよりも、系統連系用インバータ出力電流Iiから求めた系統側負荷電力Pkの方が小さければ、出力電力Pfcと系統側負荷電力Pkとの電力差ΔPが、余剰電力用負荷19に供給されるように、かつ、系統連系用インバータ21への入力電圧Viが所定入力電圧Visとなるように、余剰電力用負荷19、DC/DCコンバータ17、昇圧回路15を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の余剰電力の処理機能を有する電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、天然ガス等の燃料ガスを改質して得られる水素によって発電する燃料電池発電システムとして、例えば特許文献1に示される燃料電池システムが提案されている。この燃料電池システムの商用電力系統への接続状態を示す回路図を図5に示す。燃料電池101は、改質装置(図示せず)により燃料ガスから得られた水素と、空気中の酸素とを化学反応させて発電を行う。発電された電力は、出力線103を介して電力変換装置105に出力される。なお、電力変換装置105は、昇圧コンバータ107と系統連系インバータ109から構成される。従って、電力変換装置105は、燃料電池101の電圧を昇圧コンバータ107で必要な電圧にまで昇圧され、系統連系インバータ109で交流電力(単相3線100/200V)を出力する。この交流電力は、連系リレー111を介して商用電力系統113に出力される。
【0003】
さらに、燃料電池システムには、燃料電池101の余剰電力を消費するための内部負荷として、電気ヒータ115が設けられている。この電気ヒータ115は、貯湯タンク117内に設けられる。なお、電気ヒータ115は、貯湯タンク117の代わりに熱回収水経路(図示せず)に設けてもよい。
【0004】
電気ヒータ115は、出力線103にヒータ制御回路119を介して接続されている。このヒータ制御回路119には、出力線103、及び商用電力系統113の配電線121にそれぞれ設けられた電流センサ123、125が接続される。
【0005】
ヒータ制御回路119は、電流センサ123により検出される出力線103の電流、及び、電流センサ125により検出される配電線121の電流に基づき、逆潮流が発生する場合、電気ヒータ115に出力線103から電流を流して発熱させ、燃料電池101の余剰電力を消費する。この電気ヒータ115への通電量はスイッチング素子を用いてヒータ制御回路119が調整し、余剰電力量に応じて的確な値に制御される。これにより、逆潮流を防止し、かつ、燃料電池101を停止させること無く、低負荷に対処できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−213985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した図5の燃料電池システムによると、余剰電力を電気ヒータ115で消費することで、逆潮流の防止と低負荷の対処ができる。ここで、昇圧コンバータ107は、系統連系インバータ109が必要とする電圧にまで燃料電池101の電圧を昇圧している。燃料電池101の電圧は、一般に1セル当たりの発電電圧が負荷電流出力時で1V未満に下がるため、複数のセルを直列接続することにより十数V程度にしている。そして、系統連系インバータ109で上記した交流100/200Vを出力するためには、昇圧コンバータ107は燃料電池101の電圧を数10倍、昇圧する必要がある。従って、昇圧コンバータ107の昇圧比が大きいため、その損失が大きくなるという課題があった。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、システム全体として効率のよい燃料電池用の電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、燃料電池に電気的に接続される絶縁型の昇圧回路、および絶縁型のDC/DCコンバータと、前記DC/DCコンバータの出力に電気的に接続される余剰電力用負荷と、前記昇圧回路の出力と前記DC/DCコンバータの出力とを直列接続した状態で、電気的に接続される系統連系用インバータと、前記系統連系用インバータの出力に接続され、系統連系用インバータ出力電流(Ii)を検出する電流検出器と、前記昇圧回路、DC/DCコンバータ、余剰電力用負荷、系統連系用インバータ、および電流検出器と電気的に接続される制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記燃料電池の出力電力(Pfc)よりも、前記系統連系用インバータ出力電流(Ii)から求めた系統側負荷電力(Pk)の方が小さければ、前記出力電力(Pfc)と前記系統側負荷電力(Pk)との電力差(ΔP)が、前記余剰電力用負荷に供給されるように、かつ、前記系統連系用インバータへの入力電圧(Vi)が所定入力電圧(Vis)となるように、前記余剰電力用負荷、DC/DCコンバータ、および昇圧回路を制御するようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電力変換装置によれば、昇圧回路の出力とDC/DCコンバータの出力とが直列接続され、直列接続された状態で系統連系用インバータに入力される構成としたので、燃料電池の電圧は昇圧回路とDC/DCコンバータにより2段階で昇圧される。従って、それぞれの昇圧比は図5の昇圧コンバータ107の昇圧比よりも小さくすることができる。その結果、昇圧回路とDC/DCコンバータの損失が低減され、さらにスイッチング素子の発熱を分散できるので、効率が向上する。
【0011】
さらに、余剰電力が発生した場合、制御回路は余剰電力(電力差ΔP)分をDC/DCコンバータから余剰電力用負荷へ出力するように制御する。そして、昇圧回路の出力にはDC/DCコンバータの出力が直列接続されており、制御回路は系統連系用インバータへの入力電圧(Vi)が所定入力電圧(Vis)となるように昇圧回路を制御する。従って、昇圧回路の出力電圧は、系統連系用インバータへの入力電圧(Vi)からDC/DCコンバータの出力電圧分を差し引いた電圧とすればよい。ゆえに、昇圧回路の昇圧比を下げることができ、効率を向上することが可能となる。
【0012】
これらのことから、システム全体として効率を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1における電力変換装置のブロック回路図
【図2】本発明の実施の形態1における電力変換装置の基本動作を示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1における電力変換装置の他の構成のブロック回路図
【図4】本発明の実施の形態2における電力変換装置の余剰電力用負荷のブロック回路図
【図5】従来の燃料電池システムの商用電力系統への接続状態を示す回路図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電力変換装置のブロック回路図である。図2は、本発明の実施の形態1における電力変換装置の基本動作を示すフローチャートである。図3は、本発明の実施の形態1における電力変換装置の他の構成のブロック回路図である。なお、図1、図3において、太線は電力系配線を、細線は信号系配線をそれぞれ示す。
【0016】
図1において、電力変換装置11は、燃料電池13に電気的に接続される絶縁型の昇圧回路15、および絶縁型のDC/DCコンバータ17と、DC/DCコンバータ17の出力に電気的に接続される余剰電力用負荷19と、昇圧回路15の出力とDC/DCコンバータ17の出力とを直列接続した状態で、電気的に接続される系統連系用インバータ21と、系統連系用インバータ21の出力に接続され、系統連系用インバータ出力電流Iiを検出する電流検出器23と、昇圧回路15、DC/DCコンバータ17、余剰電力用負荷19、系統連系用インバータ21、および電流検出器23と電気的に接続される制御回路25と、を備えている。
【0017】
そして、制御回路25は、燃料電池13の出力電力Pfcよりも、系統連系用インバータ出力電流Iiから求めた系統側負荷電力Pkの方が小さければ、出力電力Pfcと系統側負荷電力Pkとの電力差ΔPが、余剰電力用負荷19に供給されるように、かつ、系統連系用インバータ21への入力電圧Viが所定入力電圧Visとなるように、余剰電力用負荷19、DC/DCコンバータ17、および昇圧回路15とを制御する。
【0018】
これにより、昇圧回路15の出力とDC/DCコンバータ17の出力とが直列接続され、直列接続された状態で系統連系用インバータ21に入力される構成としたので、燃料電池13の電圧は、昇圧回路15とDC/DCコンバータ17により2段階で昇圧される。従って、それぞれの昇圧比を小さくすることができる。その結果、昇圧回路15とDC/DCコンバータ17の損失が低減され、さらに両者に内蔵されるスイッチング素子の発熱を分散できるので、効率が向上する。
【0019】
また、余剰電力が発生した場合、制御回路25は余剰電力(電力差ΔP)分をDC/DCコンバータ17から余剰電力用負荷19へ出力するように制御する。そして、昇圧回路15の出力にはDC/DCコンバータ17の出力が直列接続されており、制御回路25は系統連系用インバータ21への入力電圧Viが所定入力電圧Visとなるように昇圧回路15を制御する。従って、昇圧回路15の出力電圧は、系統連系用インバータ21への入力電圧ViからDC/DCコンバータ17の出力電圧分を差し引いた電圧とすればよい。ゆえに、昇圧回路15の昇圧比を下げることができ、効率を向上することが可能となる。
【0020】
これらのことから、システム全体として効率を向上することができる。
【0021】
以下、より具体的に本実施の形態1の構成、動作について説明する。
【0022】
図1において、燃料電池13は定常発電状態で10Vの直流電圧を発生する。この燃料電池13からの電力系配線は、電力変換装置11の正極端子27と負極端子29に電気的に接続される。正極端子27と負極端子29は電力変換装置11に内蔵された絶縁型の昇圧回路15と、絶縁型のDC/DCコンバータ17に、それぞれ電気的に接続される。
【0023】
昇圧回路15とDC/DCコンバータ17は、いずれも入力された燃料電池13の電圧を昇圧して出力する構成を有し、具体的には、スイッチング素子、トランス、整流ダイオード、フィルタ部品(いずれも図示せず)を備える。そして、昇圧回路15とDC/DCコンバータ17は、制御回路25(詳細は後述する)からの制御信号に応じてスイッチング素子をオンオフ制御することで、所定の電圧(詳細は後述する)を出力する。なお、本実施の形態1ではDC/DCコンバータ17として、燃料電池13の電圧を昇圧して出力する昇圧型コンバータを用いている。
【0024】
DC/DCコンバータ17の出力には余剰電力用負荷19が電気的に接続される。余剰電力用負荷19は、燃料電池13で発生した余剰電力を消費するためのもので、ここではヒータを用いた。また、ヒータへの通電をオンオフするためのスイッチ(図示せず)が余剰電力用負荷19に内蔵される。このスイッチは外部からの信号に応じてオンオフ制御が可能な構成のものであればよく、本実施の形態1ではリレーを用いた。このような構成から、発生した余剰電力は、制御回路25がスイッチをオンにすることにより、DC/DCコンバータ17を介してヒータで消費される。なお、ヒータで発生した熱は貯湯タンク内の水を加熱するために用いられる。これにより、余剰電力で温水を作ることができるので、余剰電力を無駄に消費する可能性を低減できる。
【0025】
余剰電力用負荷19の電力系配線には、余剰電力用負荷電流検出器31が接続される。余剰電力用負荷電流検出器31は余剰電力用負荷19に流れる電流を検出するものである。余剰電力用負荷電流検出器31としては、シャント抵抗器やホール素子等を適用することができる。
【0026】
DC/DCコンバータ17の出力は、電力系配線で昇圧回路15の出力と直列に接続される。従って、図1に示すように、昇圧回路15の出力とDC/DCコンバータ17の出力とを直列接続した状態で、系統連系用インバータ21と電気的に接続される構成となる。なお、系統連系用インバータ21の入力側には、平滑コンデンサ33が電気的に接続される。
【0027】
ここで、昇圧回路15とDC/DCコンバータ17の具体的な出力電圧について説明する。系統連系用インバータ21が、系統電圧と同じ単相交流200Vを出力するためには、制御誤差や系統電圧変動を考慮して、系統連系用インバータ21の入力電圧Viを、例えば直流350Vとする必要がある。そのため、直列接続された昇圧回路15とDC/DCコンバータ17の合計出力電圧は直流350Vとなる。従って、昇圧回路15とDC/DCコンバータ17は、余剰電力が発生していない場合に、燃料電池13から出力される直流10Vの電圧を、それぞれ直流175Vに昇圧する。なお、余剰電力発生時の電圧については後述する。これらのことから、本実施の形態1では、系統連系用インバータ21の所定入力電圧Visが直流350Vとなる。
【0028】
系統連系用インバータ21は、昇圧回路15とDC/DCコンバータ17から出力された電圧(所定入力電圧Vis=直流350V)を、交流200Vの出力電圧Voに変換して出力する機能を有する。なお、系統連系用インバータ21には、燃料電池13で発電した電力を出力したり切断するための連系リレー(図示せず)が内蔵されている。
【0029】
系統連系用インバータ21の出力は、電力変換装置11に設けた2つの出力端子35、37と電気的に接続される。また、系統連系用インバータ21と出力端子37の間には系統連系用インバータ21から流れる電流(以下、系統連系用インバータ出力電流Iiという)を検出する電流検出器23が接続される。電流検出器23は交流電流を検出するものであればよく、例えば電流トランスやホール素子等が適用できる。
【0030】
昇圧回路15、余剰電力用負荷19、DC/DCコンバータ17、系統連系用インバータ21、電流検出器23、および余剰電力用負荷電流検出器31は制御回路25と信号系配線で電気的に接続される。さらに、制御回路25は余剰電力用負荷19の正極側、および系統連系用インバータ21の正極入力側とも信号系配線で電気的に接続される。
【0031】
制御回路25は、マイクロコンピュータとメモリ等の周辺回路(いずれも図示せず)で構成されている。従って、制御回路25は、電流検出器23の出力から系統連系用インバータ出力電流Iiを、余剰電力用負荷電流検出器31の出力から余剰電力用負荷電流Ifを、それぞれ読み込む。また、本実施の形態1で用いたマイクロコンピュータにはA/Dコンバータが内蔵されているので、制御回路25は、余剰電力用負荷19の正極側の電圧、すなわち余剰電力用負荷電圧Vfと、系統連系用インバータ21の正極入力側の電圧、すなわち入力電圧Viとを検出することができる。
【0032】
さらに、制御回路25は、スイッチ信号SWにより、余剰電力用負荷19に内蔵されたスイッチのオンオフを制御する。また、制御回路25は、昇圧回路制御信号contsを用いて、昇圧回路15のスイッチング制御を行なうとともに、昇圧回路15の内部における入出力電圧や電流を検出する。従って、昇圧回路制御信号contsは昇圧回路15と制御回路25との間で双方向に送受信される。
【0033】
同様に、制御回路25は、DC/DCコンバータ制御信号contdを用いて、DC/DCコンバータ17のスイッチング制御を行なうとともに、DC/DCコンバータ17の内部における入出力電圧や電流を検出する。従って、DC/DCコンバータ制御信号contdはDC/DCコンバータ17と制御回路25との間で双方向に送受信される。
【0034】
また、制御回路25は、系統連系用インバータ制御信号contiを用いて、系統連系用インバータ21のスイッチング制御を行なうとともに、系統連系用インバータ21の内部における入出力電圧や電流を検出する。従って、系統連系用インバータ制御信号contiは系統連系用インバータ21と制御回路25との間で双方向に送受信される。
【0035】
電力変換装置11の出力端子35、37には、商用電力系統39が接続される。商用電力系統39は、発電所から送電される系統電源41と、家庭用等の負荷43を含む。従って、負荷43へは系統電源41からの電力と、燃料電池13で発電した電力が供給される構成となる。
【0036】
なお、制御回路25はデータ端子45を介して、燃料電池制御回路47とも信号系配線で電気的に接続される。従って、制御回路25は燃料電池制御回路47から、様々な燃料電池13の状態に関するデータや制御指令等をデータ信号dataにより受信するとともに、電力変換装置11の状態に関するデータをデータ信号dataにより燃料電池制御回路47へ送信する。
【0037】
ここで、燃料電池制御回路47は、制御回路25と同様にマイクロコンピュータと周辺回路(いずれも図示せず)で構成される。そして、信号系配線により燃料電池13と電気的に接続される。従って、燃料電池制御回路47は、燃料電池13との間で、燃料電池13の状態に関する様々なデータ(発電電圧、出力電流、出力電力Pfc等)や燃料電池13への制御指令等を、燃料電池制御信号contfcにより送受信する。
【0038】
次に、このような電力変換装置11の動作について説明する。
【0039】
燃料電池13が定常発電を行っている際に、制御回路25は図示しないメインルーチンから、図2のフローチャートに示すサブルーチンを実行する。ここで、定常発電とは、燃料電池13が起動時や停止時ではなく、系統電源41も停電等の異常状態ではない場合の燃料電池13の発電であると定義する。
【0040】
図2のサブルーチンが実行されると、制御回路25は、まず燃料電池13が現在発電している出力電力Pfcを、燃料電池制御回路47からデータ信号dataにより読み込む(ステップ番号S11)。
【0041】
次に、制御回路25は、電流検出器23の出力より、系統連系用インバータ出力電流Iiを読み込む(S13)。ここで、燃料電池13は定常発電を行っているので、上記したように系統連系用インバータ21の出力電圧Voは交流200Vである。従って、制御回路25は、S13で読み込んだ系統連系用インバータ出力電流Iiと、出力電圧Vo(交流200V)を乗ずることにより、現在、燃料電池13から負荷43に供給している電力、すなわち系統側負荷電力Pkを求める(S15)。
【0042】
次に、制御回路25は、出力電力Pfcと系統側負荷電力Pkとを比較する(S17)。もし、出力電力Pfcが系統側負荷電力Pkより大きくなければ(S17のNo)、負荷43へは燃料電池13からの発電電力が十分に供給されているので、燃料電池13の余剰電力は発生していない。この場合は、後述するS33以降の動作を行う。
【0043】
一方、出力電力Pfcより系統側負荷電力Pkの方が小さければ(S17のYes)、負荷43の消費電力が減ることにより、燃料電池13の発電電力が負荷43の消費電力を上回った状態である。ここで、燃料電池13は、負荷43の消費電力が変動しても、発電電力を絞るまでに時間がかかるので、燃料電池13から余剰電力が発生する。そこで、制御回路25は、この余剰電力を余剰電力用負荷19で消費するために、以下の動作を行う。
【0044】
まず、制御回路25は余剰電力用負荷19に内蔵されたスイッチをオンにするようスイッチ信号SWを出力する(S21)。これを受け、スイッチがオンになる。これにより、DC/DCコンバータ17の出力が余剰電力用負荷19のヒータと接続される。
【0045】
次に、制御回路25は、電力差ΔPを、ΔP=Pfc−Pkより求める(S23)。そして、制御回路25は、マイクロコンピュータに内蔵したA/Dコンバータにより余剰電力用負荷電圧Vfを読み込むとともに、余剰電力用負荷電流検出器の出力から余剰電力用負荷電流Ifを読み込む(S25)。
【0046】
次に、制御回路25は余剰電力用負荷電圧Vfと余剰電力用負荷電流Ifを乗じた値が電力差ΔPとなるように、DC/DCコンバータ17へDC/DCコンバータ制御信号contdを出力する(S27)。これを受け、DC/DCコンバータ17は余剰電力用負荷電圧Vfと余剰電力用負荷電流Ifの積が電力差ΔPとなるように動作する。その結果、余剰電力である電力差ΔPが、DC/DCコンバータ17から余剰電力用負荷19に供給される。
【0047】
この動作により、DC/DCコンバータ17の出力電圧、すなわち余剰電力用負荷電圧Vfは、余剰電力が発生していない場合の電圧(直流175V)に対し、電力差ΔPに応じて変化する。そこで、制御回路25は、変化した分を昇圧回路15で賄う動作を行う。
【0048】
具体的には、まず制御回路25が系統連系用インバータ21への入力電圧Viを読み込む(S29)。次に、制御回路25は、入力電圧Viが所定入力電圧Visとなるように昇圧回路制御信号contsを出力する(S31)。これを受け、昇圧回路15は入力電圧Viが所定入力電圧Visとなるように動作する。
【0049】
ここで、DC/DCコンバータ17はS27で余剰電力用負荷電圧Vfと余剰電力用負荷電流Ifの積が電力差ΔPとなるように制御されているので、入力電圧Viが所定入力電圧Visとなるように制御する動作は昇圧回路15のみによって行われる。
【0050】
このような動作により、電力変換装置11は、余剰電力を消費しつつ、燃料電池13から負荷43への発電電力の供給を継続できる。
【0051】
その後、制御回路25は、図2のサブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。メインルーチンは図2のサブルーチンを繰り返し実行するので、電力差ΔPが変化しても、それに応じた余剰電力の消費を行うことができる。
【0052】
ここで、具体的な数値例を用いて、S23以降の動作を説明する。
【0053】
燃料電池13は500Wの電力を発電しているとする。この状態で、負荷43の消費電力が減少し、300Wになったとする。従って、余剰電力である電力差ΔPは、ΔP=500W−300W=200Wとなる。制御回路25は、この200Wの電力が余剰電力用負荷19に供給されるようにDC/DCコンバータ17を制御する。この際、余剰電力は抵抗成分であるヒータで消費されるので、余剰電力用負荷電圧Vfと余剰電力用負荷電流Ifの値は、両者の積が200Wであれば、どのような値でも構わない。しかし、余剰電力用負荷電圧Vfが高すぎると、DC/DCコンバータ17の昇圧比が大きくなるため損失が増大する。一方、余剰電力用負荷電流Ifが大きすぎると、電力系配線による抵抗損失が大きくなり、せっかく発電した電力が無駄になる可能性がある。そこで、これらの状況から、本実施の形態1では、余剰電力が発生した際に昇圧比がそれほど大きくならずに、できるだけ余剰電力用負荷電流Ifが小さくなるように、余剰電力用負荷電圧Vfを200Vとする定電圧制御を行う構成とした。これにより、電力差ΔPが200Wであるので、余剰電力用負荷電流Ifは1Aとなる。さらに、余剰電力が発生していない場合のDC/DCコンバータ17の出力電圧が175Vで、昇圧比が17.5倍であったものが、余剰電力発生時には昇圧比が20倍となるので、DC/DCコンバータ17の損失もそれほど大きくならない。
【0054】
このようにDC/DCコンバータ17を制御することで、損失をあまり大きくせずに余剰電力の消費が可能となる。
【0055】
なお、電力差ΔPがさらに大きくなると、余剰電力用負荷電圧Vfが200VになるようなDC/DCコンバータ17の定電圧制御では、余剰電力用負荷電流Ifが大きくなる。そこで、制御回路25は次のような動作を行ってもよい。まず、DC/DCコンバータ17の昇圧比による損失と余剰電力用負荷電流Ifに応じた電力系配線による抵抗損失を求め、予め制御回路25のメモリに記憶しておく。そして、電力差ΔPに応じて、昇圧比による損失と抵抗損失の合計が最小になる余剰電力用負荷電圧Vfを求める。このように余剰電力用負荷電圧Vfを決定してDC/DCコンバータ17を動作させることにより、さらに高効率な電力変換装置11を実現できる。
【0056】
ここで、余剰電力用負荷電圧Vfを200Vとした場合の昇圧回路15の動作について述べる。
【0057】
余剰電力用負荷電圧Vfが200Vであるので、DC/DCコンバータ17の出力と直列に接続された昇圧回路15の出力には、200Vの電圧がオフセットとして印加される。一方、系統連系用インバータ21への入力電圧Viは350V(=所定入力電圧Vis)であるので、制御回路25が入力電圧Viを350Vになるように昇圧回路15を制御すると、昇圧回路15は所定入力電圧Vis(=350V)とDC/DCコンバータ17によりオフセットされた余剰電力用負荷電圧Vf(=200V)の差である150Vを出力するように動作する。その結果、昇圧回路15の昇圧比は余剰電力が発生していない場合の17.5倍から15倍に低下することになる。従って、昇圧回路15による損失が低減される。
【0058】
これらのことから、電力変換装置11を含む燃料電池システム全体としての効率を向上することができる。
【0059】
ここで、図2のS17に戻り、出力電力Pfcが系統側負荷電力Pkより大きくない場合(S17のNo)、余剰電力は発生していないので、制御回路25は、余剰電力用負荷19に内蔵されたスイッチをオフにするようスイッチ信号SWを出力する。これを受け、スイッチはオフになり、余剰電力用負荷19のヒータに電流が流れない状態となる。その結果、DC/DCコンバータ17から余剰電力用負荷19へ電力が供給されることはなくなる。
【0060】
次に、制御回路25は、系統連系用インバータ21への入力電圧Viを読み込む(S35)。次に、制御回路25は、入力電圧Viが所定入力電圧Visとなるように昇圧回路制御信号contsとDC/DCコンバータ制御信号contdを出力する(S37)。これを受け、昇圧回路15とDC/DCコンバータ17は入力電圧Viが所定入力電圧Visとなるように制御される。
【0061】
ここで、入力電圧Viが所定入力電圧Visになれば、昇圧回路15の出力電圧とDC/DCコンバータ17の出力電圧は任意に選択できる。しかし、昇圧回路15とDC/DCコンバータ17における、いずれか一方の昇圧比が大きくなると、損失が大きくなりスイッチング素子の発熱が増える。その結果、スイッチング素子の劣化が進行する可能性がある。
【0062】
そこで、本実施の形態1では、余剰電力が発生していない時は、制御回路25は、昇圧回路15とDC/DCコンバータ17の昇圧比が同じになるように制御する。具体的には、それぞれの出力電圧が175V(=350V/2)になるように制御される。その結果、昇圧回路15とDC/DCコンバータ17の昇圧比はいずれも17.5倍となり、両者のスイッチング素子の劣化進行を揃えることができる。また、ほぼ同等な両者の発熱が、昇圧回路15とDC/DCコンバータ17とで分散されるので、放熱効率が向上し、スイッチング素子への負担が軽減される。
【0063】
その後、制御回路25は図2のサブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。上記したように、メインルーチンは図2のサブルーチンを繰り返し実行するので、制御回路25は、余剰電力が発生すればS21以降の動作を行い、余剰電力が発生しなければS33以降の動作を行う。従って、余剰電力の変化に追従して適切な昇圧回路15とDC/DCコンバータ17の制御が行なわれる。
【0064】
以上の構成、動作により、昇圧回路15の出力にはDC/DCコンバータ17の出力が直列接続され、DC/DCコンバータ17の出力に余剰電力用負荷19が接続されるので、余剰電力の発生有無にかかわらず、昇圧回路15とDC/DCコンバータ17の昇圧比を小さくでき、システム全体として効率を向上することが可能な電力変換装置を実現できる。
【0065】
なお、本実施の形態1では、DC/DCコンバータ17の正極出力を昇圧回路15の負極出力に接続する構成について説明したが、これは逆であってもよい。この場合のブロック回路図を図3に示す。なお、図3において、図1と同じ構成には同じ符号を付してある。図3に示すように、昇圧回路15の正極出力にDC/DCコンバータ17の負極出力が接続される。この場合も、DC/DCコンバータ17の出力に余剰電力用負荷19が接続される。従って、図3の構成としても、動作は図2と同じである。このような構成としても、本実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0066】
また、本実施の形態1では、余剰電力用負荷19にスイッチが内蔵される構成について述べたが、この構成に限定されるものではなく、例えばヒータ制御回路を内蔵する構成としてもよい。この場合、制御回路25は、余剰電力が発生していない時はヒータ制御回路を停止し、余剰電力が発生すればヒータ制御回路を動作させるように制御する。これにより、ヒータ制御回路は、ヒータに急に大電流が流れないように制御できるので、ヒータの劣化を低減できる。
【0067】
また、本実施の形態1では、余剰電力が発生していない時は、余剰電力用負荷19に電力が供給されないように制御しているが、これは、DC/DCコンバータ17から出力される電力の一部が余剰電力用負荷19に供給されるようにしてもよい。この場合、余剰電力が発生していなくてもヒータを動作させることができるので、例えば温水の需要が増えた場合、即時的に温水を作ることができる。
【0068】
また、本実施の形態1では、余剰電力用負荷19としてヒータを用いたが、これに限定されるものではなく、余剰電力を任意のタイミングで消費できる負荷であればよい。
【0069】
また、本実施の形態1では、DC/DCコンバータ17を昇圧型コンバータとしたが、これは昇降圧型コンバータとしてもよい。これにより、回路構成は複雑になるものの、余剰電力が発生した場合に燃料電池13の電圧を下げて余剰電力用負荷19に供給することができるので、微小な余剰電力の発生時にも精度よく余剰電力用負荷19で消費することが可能となる。
【0070】
具体的には、仮に余剰電力の最大値が500Wであったとすると、DC/DCコンバータ17の出力電圧(余剰電力用負荷電圧Vf)が上記した200Vの場合に、余剰電力用負荷19には2.5Aの電流が流れる。従って、余剰電力用負荷電流検出器31はマージンを考慮して5A程度まで測定できる仕様のものが必要となる。
【0071】
これに対し、例えば発生している余剰電力が1Wであったとすると、DC/DCコンバータ17が昇圧型コンバータの場合、出力できる最小の電圧は10V(燃料電池の出力電圧)と同じになるので、余剰電力用負荷電流Ifは最大でも0.1Aとなる。ゆえに、5Aまで測定できる余剰電力用負荷電流検出器31にとって、0.1Aは測定誤差範囲となる可能性が大きい。よって、DC/DCコンバータ17が昇圧型コンバータの場合は、余剰電力が小さい場合に精度よく余剰電力用負荷19へ電力供給ができない可能性がある。
【0072】
一方、DC/DCコンバータ17が昇降圧型コンバータであれば、例えば余剰電力用負荷電圧Vfを1Vとすることができるので、余剰電力が1Wの場合には余剰電力用負荷電流Ifが1Aとなり、上記した余剰電力用負荷電流検出器31でも十分な精度で余剰電力用負荷19へ電力供給ができる。
【0073】
また、本実施の形態1の系統連系用インバータ21は、単相交流200Vの出力仕様としたが、これに限定されるものではなく、単相交流100V等、系統電力に合わせた仕様とすればよい。
【0074】
また、本実施の形態1で述べた各種電流、電圧の数値は一例であり、燃料電池13や系統電源41の電力仕様等に応じて適宜決定すればよい。
【0075】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における電力変換装置の余剰電力用負荷のブロック回路図である。本実施の形態2の電力変換装置において、実施の形態1の図1と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0076】
すなわち、本実施の形態2における特徴となる構成は、図4に示すように、余剰電力用負荷19が蓄電部51を含む構成とした点である。
【0077】
これにより、余剰電力を蓄電部51に蓄えることができるので、余剰電力が発生していない場合であって、必要なときに余剰電力用負荷19のヒータ53を動作させることができる。従って、温水の需要に応じた余剰電力の活用が図れ、システム全体の効率が向上するという効果が得られる。
【0078】
以下、より具体的に本実施の形態2の構成、動作について説明する。
【0079】
図4において、余剰電力用負荷19はDC/DCコンバータ17と電力系配線で接続される。そして、電力系配線の一方には余剰電力用負荷電流検出器31が接続される。また、この電力系配線の他方にはスイッチ55が接続される。そして、両方の電力系配線にはヒータ53と、充放電回路57を介して蓄電部51がそれぞれ電気的に接続される。なお、余剰電力用負荷電流検出器31とスイッチ55は図4と逆の電力系配線に接続してもよいし、いずれか一方に直列に接続してもよい。
【0080】
ここで、実施の形態1と同様に、ヒータ53は温水を作るためのものである。また、スイッチ55は信号系配線により制御回路25と電気的に接続される。スイッチ55の構成は実施の形態1と同じである。
【0081】
蓄電部51は二次電池や大容量キャパシタ等で構成され、余剰電力の少なくとも一部を蓄えることができる容量を有する。
【0082】
蓄電部51には、蓄電部51を充放電するために、充放電回路57が接続される。充放電回路57は信号系配線で制御回路25と電気的に接続され、制御回路25からの指令により充放電動作を行う構成を有する。そして、蓄電部51の電圧や充放電電流を検出して蓄電部51への充放電を制御する。
【0083】
上記以外の構成は実施の形態1と同じである。
【0084】
次に、このような電力変換装置11の動作について述べる。
【0085】
本実施の形態2における電力変換装置11の基本的な動作は、実施の形態1の図2と同じであるので、特徴となる動作について説明する。
【0086】
余剰電力が発生した場合、制御回路25はスイッチ55をオンにする(図2のS21)。この時、制御回路25は、充放電回路57に対して、蓄電部51を充電するように制御する。これを受け、充放電回路57は蓄電部51の蓄電電力に応じて蓄電部51を充電する。この際、蓄電部51に蓄えられた電力が少なければ、充放電回路57は蓄電部51への充電電力を多くするように制御する。
【0087】
一方、DC/DCコンバータ17は発生した余剰電力分が余剰電力用負荷19に供給されるように動作する。この際、電力差ΔPに応じて余剰電力用負荷電圧Vfと余剰電力用負荷電流Ifが決定される。従って、充放電回路57が蓄電部51へ多く充電すれば、その分、ヒータ53に供給される電力は少なくなる。
【0088】
また、蓄電部51が満充電に近い状態であれば、蓄電部51への充電電力は少なくなる。従って、ヒータ53には多くの電力が供給されることになる。
【0089】
また、蓄電部51が満充電であれば、充放電回路57は蓄電部51への充電を行わない。従って、この場合は余剰電力の全てがヒータ53で消費される。
【0090】
そして、余剰電力が発生しなくなれば、制御回路25はスイッチ55をオフにする(図2のS33)。この時、制御回路25は、充放電回路57に対して、蓄電部51への充電を止めるように制御する。これにより、余剰電力用負荷19には電流が流れない状態となる。
【0091】
次に、制御回路25は、燃料電池制御回路47からデータ信号dataにより温水を作る指令を受けると、制御回路25は次のように動作する。
【0092】
まず、余剰電力が発生している場合は、制御回路25はスイッチ55をオンにするが、充放電回路57を停止したままとする。これにより、余剰電力は全てヒータ53に供給されることになる。この状態は実施の形態1と同じである。これにより、余剰電力をフルに活用して温水を作ることができる。
【0093】
一方、余剰電力が発生していない場合は、制御回路25はスイッチ55をオフにした状態で充放電回路57が蓄電部51の電力を放電するように制御する。これにより、蓄電部51が蓄えた余剰電力がヒータ53に供給され、必要な時に温水を作ることができる。この際、スイッチ55はオフであるので、蓄電部51の電力がDC/DCコンバータ17側に逆流することはない。
【0094】
なお、蓄電部51の電力を消費してもなお、温水の需要がある場合は、制御回路25は、充放電回路57の動作を停止する。そして、制御回路25は、スイッチ55をオンにして、燃料電池13で発電された電力の一部をヒータ53に供給するようにDC/DCコンバータ17を制御する。
【0095】
上記以外の動作は実施の形態1と同じである。
【0096】
以上の構成、動作により、余剰電力のさらなる有効活用が可能となり、システム全体の効率を向上することができる。
【0097】
なお、本実施の形態2では、余剰電力用負荷19にヒータ53を内蔵する構成としたが、これに限定されず、余剰電力を消費できる負荷であればよい。但し、上記したように、蓄電部51が満充電の場合は、余剰電力の全てが前記負荷に供給されるので、いつ、どれくらい発生するかわからない余剰電力を十分に消費できる負荷とする必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明にかかる電力変換装置は、システム全体としての効率が向上するので、特に燃料電池の余剰電力の処理機能を有する電力変換装置等として有用である。
【符号の説明】
【0099】
11 電力変換装置
13 燃料電池
15 昇圧回路
17 DC/DCコンバータ
19 余剰電力用負荷
21 系統連系用インバータ
23 電流検出器
25 制御回路
51 蓄電部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池に電気的に接続される絶縁型の昇圧回路、および絶縁型のDC/DCコンバータと、
前記DC/DCコンバータの出力に電気的に接続される余剰電力用負荷と、
前記昇圧回路の出力と前記DC/DCコンバータの出力とを直列接続した状態で、電気的に接続される系統連系用インバータと、
前記系統連系用インバータの出力に接続され、系統連系用インバータ出力電流(Ii)を検出する電流検出器と、
前記昇圧回路、DC/DCコンバータ、余剰電力用負荷、系統連系用インバータ、および電流検出器と電気的に接続される制御回路と、を備え、
前記制御回路は、前記燃料電池の出力電力(Pfc)よりも、前記系統連系用インバータ出力電流(Ii)から求めた系統側負荷電力(Pk)の方が小さければ、前記出力電力(Pfc)と前記系統側負荷電力(Pk)との電力差(ΔP)が、前記余剰電力用負荷に供給されるように、かつ、前記系統連系用インバータへの入力電圧(Vi)が所定入力電圧(Vis)となるように、前記余剰電力用負荷、DC/DCコンバータ、および昇圧回路を制御するようにした電力変換装置。
【請求項2】
前記DC/DCコンバータは昇降圧型である請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記余剰電力用負荷は蓄電部を含む構成を有する請求項1に記載の電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−38052(P2013−38052A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175812(P2011−175812)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】