説明

電力安定化方法、充電制御方法、充電装置及び電動車両

【課題】負荷側の利便性を損なうことなく電力品質を維持させる。
【解決手段】電力網DMで検出される周波数が所望周波数範囲となるように、例えば負荷としての電動車両EV(が搭載している車載蓄電池)への要求充電速度D(D1あるいはD2)が決定される。一方、電動車両EV側では、車載蓄電池の蓄電量や劣化度合、温度等に応じて、許容充電速度範囲Fが決定される。許容充電速度範囲Fのうち、要求充電速度Dにもっとも近い充電速度となる最終充電速度Jでもって、車載蓄電池への充電が実行される。要求充電速度Dと最終充電速度Jとの差となるギャップGを小さくするために、充電価格(売電価格)が変更されたり、電力網DM側での発電能力や充放電能力が調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力安定化方法、充電制御方法、充電装置及び電動車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力網として代表的な商用電力系統にあっては、例えば原子力発電所、水力発電所、火力発電所のような大型の発電設備(発電装置)を有している。そして、電力の品質となる電圧や周波数をある所定範囲内になるように、上記発電設備のうち、出力調整しやすい例えば火力発電所の発電能力を調整するようにしている。例えば、電力消費量が発電能力に比して大きいときは、発電用タービンの回転数が低下して電圧や周波数が低下し、逆に、電力消費量が発電能力よりも小さいときは発電用タービンの回転数が上昇して電圧や周波数が上昇する。
【0003】
ところで、最近では、太陽エネルギを利用する太陽光発電パネルや風力を利用する風力発電等の自然エネルギを利用した発電装置が広く普及するようになっている。そして、自然エネルギの利用促進のため、自然エネルギを利用した発電装置を電力網に接続することも行われている。しかしながら、自然エネルギによる発電装置が数多く電力網に接続されると、電力品質が大きく変動する原因となる。例えば、連休中で晴天の日であれば、家庭での消費電力が減少する一方、太陽光パネルによる発電能力が大きくなり、このため電力網全体としては電力が大幅に余剰になって、例えば火力発電所での発電能力低下(発電タービンの回転数低下)のみでは例えば周波数を所定範囲内に調整することが困難な状況も生じる。とりわけ、自然エネルギは、短時間の間に大きく変動することもあり、電力品質を所定範囲内に設定する上で大きな問題となる。
【0004】
特許文献1〜特許文献3には、電力品質が所定範囲内になるように、負荷つまり電力消費機器の運転状態を調整することが開示されている。すなわち、特許文献1には、商用電力系統の周波数制御のために、電気機器の電力消費量を制御することが開示されている。特許文献2には、電力需要家側の電気機器側に、電力系統の周波数を検出する手段を設けて、検出された周波数が所定範囲内になるように、電気機器側での電力消費量を調整することが開示されている。特許文献3には、自端周波数の変動に応じて、電子機器の出力を調整するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−213240号公報
【特許文献2】特開2006−042458号公報
【特許文献3】特開2003−092829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した各特許文献に記載のものは、電力品質維持のために、一方的に負荷側つまり電気機器側で調整を行うものとなっており、電力網側の都合のみを優先した制御となっている。つまり、各特許文献に記載の技術は、負荷側にとってみれば、使用を制限されたり過剰に使用をせまられる等、使い勝手(利便性)の悪いものとなっている。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、負荷側の利便性を確保しつつ電力品質を維持できるようにした電力安定化方法、充電制御方法、充電装置及び電動車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明にあっては、基本的に、次のような解決手法を採択してある。すなわち、まず、現在の電力品質に関する情報に基づいて、電力維持のために必要な充電装置での要求充電速度が決定される。要求充電速度が、例えば、検出された周波数が基準周波数より小さいときは、消費電力が大きいときであるとして、消費電力を抑制すべく要求充電速度が小さい値とされる。逆に、検出された周波数が基準周波数よりも大きいときは要求充電速度が大きい値とされる。一方、充電装置により充電される負荷側の情報に基づいて、許容充電速度が決定される。負荷側の情報としては、現在の蓄電量、劣化度合、温度、使用予定等がある。そして、最終充電速度が、上記許容充電速度の範囲内で上記要求充電速度に近い値として設定されて、この最終充電速度でもって負荷への充電が実行される。
【0009】
電力安定化方法にあっては、最終充電速度と要求充電速度との差が、電力品質維持のために必要なギャップとして決定されて、このギャップが小さくなるように、電力網に接続された発電装置や蓄電装置が制御される。充電制御方法や充電装置にあっては、上記ギャップを小さくするための手法(手段)が省略されたものとなる。電動車両にあっては、上記ギャップを小さくするための手段が省略された充電装置(のうち少なくとも充電制御手段)を搭載したものされる。
【0010】
電力品質に関する情報は、電力網側で検出してもよく、あるいは充電装置側で検出してもよい。また、要求充電速度の決定は、電力網側で行なってもよく、あるいは充電装置側で行なってもよい。さらに、上記のような充電制御の実行は、電力品質維持の制御が必要になったときに発信される電力品質制御指示情報に基づいて行うようにするのが好ましいものである。なお、電力網としては、商用電力系統、マイクログリッド、戸建て住宅内の電力網等、適宜のものとすることができる。前記ギャップを小さくするための制御は、商用電力系統に極力影響を与えないようにするため、マイクログリッドの範囲内で行ったり、戸建て住宅の範囲内で行うことが好ましい。
【0011】
前記目的を達成するため、本発明による電力安定化方法にあっては、具体的には、次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
発電装置と蓄電装置と充電装置と該充電装置により充電される負荷とこれらを接続する電力網および情報通信網を備えた電力網の電力安定化方法であって、
電力網の電力品質を検出する第1ステップと、
電力網の電力品質を所定範囲に維持するために必要な前記充電装置の要求充電速度を決定する第2ステップと、
前記負荷に関する情報を検出する第3ステップと、
前記第3ステップで検出された前記負荷に関する情報に基づいて、該負荷に対する許容充電速度を決定する第4ステップと、
前記第2ステップで決定された要求充電速度と前記第4ステップで決定された許容充電速度とに基づいて、最終充電速度を決定する第5ステップと、
前記第5ステップで決定された最終充電速度でもって前記充電装置により前記負荷を充電する第6ステップと、
前記第5ステップで決定された最終充電速度と前記第2ステップで決定された要求充電速度との差となるギャップを決定する第7ステップと、
前記第7ステップで決定されたギャップが小さくなるように、前記発電装置と前記蓄電装置との少なくとも一方を制御する第8ステップと、
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば、負荷側の利便性を確保しつつ、電力品質を維持できる。特に、上記ギャップを小さくする制御をも実行することにより、電力品質を極めて高い次元で維持することができる。
【0012】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2〜請求項5に記載のとおりである。すなわち、
電力品質制御指示情報を前記充電装置に送信する第9ステップをさらに有し、
前記第2ステップにおける前記充電装置の要求充電速度の決定は、前記第9ステップで送信される前記電力品質制御指示情報を受信したときに実行される、
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、電力品質維持のための制御を不必要に行ってしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
【0013】
前記第3ステップで検出される負荷に関する情報として負荷の使用予定に関する情報が含まれていて、負荷の使用予定をも考慮して前記第2ステップでの要求充電速度が決定される、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、負荷側の使用予定をも考慮することにより、より高い精度で電力品質を維持することができる。
【0014】
前記電力網が、商用電力系統、マイクログリッド、戸建て住宅内の電力網のいずれかとされている、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、電力網の具体的なものが提供される。
【0015】
前記電力網が、マイクログリッド、戸建て住宅内の電力網のいずれかとされ、
前記第8ステップでの前記ギャップを小さくするための制御が、前記マイクログリッドの範囲内または前記集合住宅内の電力網の範囲内で実行される、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、電力品質維持に必要な発電装置や蓄電装置の制御を、マイクログリッド内あるいは戸建て住宅内で行って、制御を簡便かつ精度よく行う上で好ましいものとなる。
【0016】
前記目的を達成するため、本発明における充電制御方法にあっては、具体的には次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項6に記載のように、
発電装置と蓄電装置と充電装置とが電力網によって接続され、該充電装置によって負荷に対して充電するようにした充電制御方法であって、
電力網の電力品質を検出する第1ステップと、
電力網の電力品質を所定範囲に維持するために必要な前記充電装置の要求充電速度を決定する第2ステップと、
前記負荷に関する情報を検出する第3ステップと、
前記第3ステップで検出された前記負荷に関する情報に基づいて、該負荷に対する許容充電速度を決定する第4ステップと、
前記第2ステップで決定された要求充電速度と前記第4ステップで決定された許容充電速度とに基づいて、最終充電速度を決定する第5ステップと、
前記第5ステップで決定された最終充電速度でもって前記充電装置により前記負荷を充電する第6ステップと、
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば、負荷側の利便性を確保しつつ、電力品質を維持できる。
【0017】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項7、請求項8下に記載のとおりである。すなわち、
電力品質制御指示情報を前記充電装置に送信する第9ステップをさらに有し、
前記第2ステップにおける前記充電装置の要求充電速度の決定は、前記第9ステップで送信される前記電力品質制御指示情報を受信したときに実行される、
ようにしてある(請求項7対応)。この場合、請求項2に対応した効果を得ることができる。
【0018】
前記第3ステップで検出される負荷に関する情報として負荷の使用予定に関する情報が含まれていて、負荷の使用予定をも考慮して前記第2ステップでの要求充電速度が決定される、ようにしてある(請求項8対応)。この場合、請求項3に対応した効果と同様の効果を得ることができる。
【0019】
前記目的を達成するため、本発明における充電装置にあっては、具体的に次のような第1の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項9に記載のように、
電力網に接続されると共に負荷に対して充電を行うための充電装置であって、
電力網用の制御手段から送信されてくる電力品質制御指示情報に基づいて、要求充電速度を決定する要求充電速度決定手段と、
前記負荷に関する情報に基づいて、該負荷に対する許容充電速度を決定する許容充電速度決定手段と、
前記許容充電速度の範囲内で、前記要求充電速度に近い充電速度を最終充電速度として決定する最終充電速度決定手段と、
前記最終充電速度でもって前記負荷に対して充電を行う充電実行手段と、
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば、負荷側の利便性を確保しつつ、電力品質を維持できる。
【0020】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項10に記載のとおりである。すなわち、
電力品質を検出する電力品質検出手段と、
前記検出された電力品質を電力網用の前記制御手段に送信する送信手段と、
をさらに備えているようにしてある(請求項10対応)。この場合、充電装置で検出された末端の電力品質の情報によって、電力品質制御指示情報をより適正なものに設定して、電力品質をより精度よく維持する上で好ましいものとなる。
【0021】
前記目的を達成するため、本発明における充電装置にあっては、具体的には次のような第2の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項11に記載のように、
電力網に接続されると共に負荷に対して充電を行うための充電装置であって、
電力網の電力品質に関する情報を検出する電力品質情報検出手段と、
前記検出された電力品質情報に基づいて、要求充電速度を決定する要求充電速度決定手段と、
前記負荷に関する情報に基づいて、該負荷に対する許容充電速度を決定する許容充電速度決定手段と、
前記許容充電速度の範囲内で、前記要求充電速度に近い充電速度を最終充電速度として決定する最終充電速度決定手段と、
前記最終充電速度でもって前記負荷に対して充電を行う充電実行手段と、
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば、負荷側の利便性を確保しつつ、電力品質を維持できる。
【0022】
請求項9ないし請求項11を前提として、次のような解決手法を採択することもできる。すなわち、請求項12に記載のように、
前記負荷が、車載蓄電池と該車載蓄電池から電力の供給を受ける走行用モータとを備えた電動式車両とされ、
前記負荷に関する情報として、前記電動車両の使用予定または前記車載蓄電池の蓄電状態との少なくとも一方が含まれる、
ようにしてある(請求項12対応)。この場合、電動車両を有効に利用して、電力品質の維持を行うことができる。
【0023】
前記目的を達成するため、本発明における電動車両にあっては、具体的に次のような第1の解決手法を採択してある。すなわち、請求項13に記載のように、
車載蓄電池と該車載蓄電池から電力の供給を受ける走行用モータと該車載蓄電池に充電を行う充電装置とを備え、該充電装置を電力網に接続した状態で該車載蓄電池への充電を行うようにされた電動車両であって、
前記充電装置は、
電力網用の制御手段から送信されてくる電力品質に関する情報に基づいて、要求充電速度を決定する要求充電速度決定手段と、
少なくとも前記車載蓄電池の蓄電状態に基づいて、該車載蓄電池に対する許容充電速度を決定する許容充電速度決定手段と、
前記許容充電速度の範囲内で、前記要求充電速度に近い充電速度を最終充電速度として決定する最終充電速度決定手段と、
前記最終充電速度でもって前記負荷に対して充電を行う充電実行手段と、
を備えている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、請求項9に記載の充電装置を搭載した電動車両が提供されて、請求項9に対応した効果と同様の効果を得ることができる。
【0024】
前記目的を達成するため、本発明における電動車両にあっては、具体的に次のような第2の解決手法を採択してある。すなわち、請求項14に記載のように、
車載蓄電池と該車載蓄電池から電力の供給を受ける走行用モータと該車載蓄電池に充電を行う充電装置とを備え、該充電装置を電力網に接続した状態で該車載蓄電池への充電を行うようにされた電動車両であって、
前記充電装置は、
電力網の電力品質に関する情報を検出する電力品質情報検出手段と、
前記電力品質に関する情報に基づいて、要求充電速度を決定する要求充電速度決定手段と、
少なくとも前記車載蓄電池の蓄電状態に基づいて、該車載蓄電池に対する許容充電速度を決定する許容充電速度決定手段と、
前記許容充電速度の範囲内で、前記要求充電速度に近い充電速度を最終充電速度として決定する最終充電速度決定手段と、
前記最終充電速度でもって前記負荷に対して充電を行う充電実行手段と、
を備えている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、請求項11に記載の充電装置を搭載した電動車両が提供されて、請求項11に対応した効果と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、負荷側の利便性を確保しつつ、電力品質を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体系統図。
【図2】本発明の制御内容を図式的に示す図。
【図3】本発明による電力安定化の基本的な制御内容を示す図。
【図4】周波数検出と要求充電速度算出とを行う部位の組み合わせ例を示す図。
【図5】図3に示す組み合わせ例に応じた具体的な制御例を示す図。
【図6】本発明の第1の制御例をブロック図的に示す図。
【図7】本発明の第2の制御例をブロック図的に示す図。
【図8】本発明の第3の制御例をブロック図的に示す図。
【図9】本発明の第4の制御例をブロック図的に示す図。
【図10】本発明の第5の制御例をブロック図的に示す図。
【図11】本発明の第6の制御例をブロック図的に示す図。
【図12】戸建て住宅内での周波数変動抑制制御例を示す図。
【図13】図12に示すHEMSの例を示す図。
【図14】電動車両の行動予測を行うための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1において、DMは電力網で、実施形態では商用電力系統とされている。この電力網DMは、原子力発電所1、水力発電所2、火力発電所3が接続されて、大規模な地域範囲に渡って大電力を供給可能となっている。この電力網DMには、発電装置4、蓄電装置5,充電装置6が接続されている。発電装置4は、自然エネルギを利用して発電を行なうもので、例えば太陽太陽光パネルや風力発電装置等とされる。蓄電装置5は、電力の過不足を補うためのものとなっていて、大容量バッテリから構成されている。充電装置6は、電動車両EVに対して充電を行うためのものとなっている。発電装置4、蓄電装置5,充電装置6は、図1ではそれぞれ1つのみ示してあるが、実際にはそれぞれ極めて多数が電力網DMに接続されているものである。
【0028】
電力網DMにおける制御装置U1と発電装置4と蓄電装置5と充電装置6とは、インターネット等の情報通信網NWを介して相互に接続されている。なお、原子力発電所1、水力発電所2、火力発電所3は、制御装置U1を介してネットワークNWに接続され、電動車両はEVは充電装置6を介してネットワークNWに接続される。
【0029】
図2は、電力網DM側の制御装置U1と充電装置6側の制御装置U2との間で、電力品質維持のために行われる情報のやりとりを示し、図2では、電力品質維持の対象が周波数とされている。この図2において、実際の(現在の)周波数の検出を、制御装置U1で行う場合が周波数検出A1として示され、制御装置U2で行う場合が周波数検出A2(自端周波数の検出となる)として示される。同様に、要求充電速度の決定(算出)を、制御装置U1側行う場合が要求充電速度算出D2として示され、制御装置U2側で行う場合が要求充電速度算出D1として示される。
【0030】
制御装置U2には、負荷としての電動車両EVから、情報の送信Eが入力される。情報の送信Eに含まれる情報としては、例えば、電動車両EVが搭載している車載蓄電池に関する情報(蓄電量、温度、劣化度合等)、および電動車両EVの使用予定に関する情報が含まれる。制御装置U2では、上述した周波数検出A2、要求充電速度算出D1を行う他、、許容充電速度Fの決定(算出)と、充電速度(最終充電速度)の決定および指示Jと、制御装置U1への決定充電速度の送信Lと、検出した周波数(自端周波数)情報の送信Nとが行われる。
【0031】
一方制御装置U1側では、前述した周波数検出A1、要求充電速度算出D2の他、ギャップ算出G、ギャップ調整Hが行われる。また、制御装置U1から制御装置U2へは、周波数制御指示の送信Bと、要求充電速度の送信Mとが行われる。
【0032】
図3は、図2に示した各種の情報のうち必要な情報を用いて、電力品質維持のために行われる基本的な情報の流れを示す。すなわち、周波数検出A(図2のA1またはA2対応)から、要求充電速度D(図2のD1またはD2)の決定が行われる。一方、電動車両EVからの情報の送信Eに基づいて、電動車両EVに搭載されている車載蓄電池への許容充電速度Fが決定される。決定された要求充電速度Dと許容充電速度Fとに基づいて、最終充電速度となる充電速度決定Jが行われる。充電速度決定Jによって決定される充電速度は、許容充電速度Fの範囲内で、要求充電速度Dに近い(実施形態ではもっとも近い)充電速度とされる。このように、負荷としての電動車両EV側での都合となる許容要求充電速度Fの範囲内で、周波数が所定範囲内(例えば基準周波数が50HZの場合に、50HZ±0.3HZの範囲等)とするのに必要な要求充電速度Dを極力満足させるように充電速度決定Jが行われることになる。
【0033】
充電速度決定Jで決定された充電速度は、制御装置U1に送信される(図2の決定充電速度の送信L対応)。制御装置U1では、送信されてきた決定充電速度と要求充電速度Dとの差を算出(ギャップ算出G)する。このギャップGは、電力品質維持のための不足分を示す値となる。そして、制御装置U1は、ギャップGが小さくなるように(ゼロになるように)、電力調整を行う(例えば火力発電所3での発電能力調整、蓄電装置5での充放電調整等)。なお、ギャップGを小さくするための電力調整は、電力品質維持のために充電速度調整を既に行っているため、充電速度調整を行わない場合に比して十分小さな調整幅ですむことになる。このようにして、電力網DMでの電力品質維持が行われる(実施形態では周波数が所定範囲内に収まる)。
【0034】
ここで、要求充電速度の決定および周波数検出は、それぞれ、電力網DM(の制御装置U1)側で行う場合と充電装置6(の制御装置U2)側とで行う場合の2通りあるので、合計の組み合わせは、図4の(1)〜(4)に示すように4通りのパターンが存在する。図5は、この図4に示す4通りのパターン(1)〜(4)について、具体的な処理の流れを示すものである。
【0035】
まず、パターン(1)は、制御装置U1側で周波数検出A1を行い、検出した周波数が電力品質維持の範囲からずれているときに、制御装置U1から制御装置U2へ、周波数制御指示の送信Bが行われる。制御装置U2側では、この周波数制御信号の送信Bの受信をトリガとして、電力品質維持のための制御を開始して、要求充電速度算出D1を行う。また、制御装置U2は、電動車両EVからの情報の送信Eを受けて、許容充電速度Fを決定する。そして、制御装置U2は、最終的な充電速度Jを決定した後、制御装置U1に対して決定された2つの充電速度DとJの送信Lを行う。そして、制御装置U1では、受信した充電速度DとJとからギャップGを算出して、このギャップGを小さくするための電力調整を行うことになる。電力品質維持は、電力網DM側の要請が強いため、周波数検出を電力網DM側で行うことと、電力品質維持のための充電速度制御を行うか否かの決定(充電速度制御を行う場合に周波数制御指示信号の送信Bの発生となる)とを行うのが好ましいものとなる。
【0036】
図5のパターン(2)は、制御装置U1側で要求充電速度D1を決定し、これに応じて制御装置U2側へ要求充電速度の送信Mを行うようになっている。パターン(2)では、電力網DM側で、電力品質維持のための制御に必要な要求充電速度D2を決定して、決定された要求充電速度D2を制御装置U2へ送信Mするので、周波数制御指示の送信Bを別途行わないようになっている。
【0037】
図5のパターン(3)は、パターン(1)の変形例となるもので、制御装置U2側で周波数検出A2を行うようになっている。このため、処理Bの前に、検出周波数の送信Nを行うようになっている。
【0038】
図5のパターン(4)は、パターン(2)の変形例となるもので、制御装置U2側で周波数検出A2を行うようになっている。このため、処理D2の前に、検出周波数の送信Nを行うようになっている。
【0039】
図6は、電動車両EVに制御装置U2の機能をもたせた(充電装置6は制御装置U2を有しない)場合に、電動車両EV側とインフラ側(充電装置6、電力網DM、制御装置U1)とでの情報処理を行う具体例を示すものである。また、図6では、図2に対応した処理部分には、図2で用いた符合を付してある。以上のことを前提として、まず、処理S1で示すように電動車両EVが充電装置6に接続されると、制御装置U1側から、周波数制御指示の信号が発信される。周波数検出(A1、A2、N対応)と最適充電速度(要求充電速度D1対応)が決定される。一方、車載蓄電池(バッテリ)のSOC(蓄電量)、劣化度合、温度等が検出され、また電動車両EVの行動予定が読み込まれて、充電可能速度範囲(許容充電速度F対応)が決定される。この充電可能速度範囲と最適充電速度とから、充電可能速度範囲を超えない範囲でもって、もっとも最適充電速度に近い速度が、充電実施速度(最終充電速度J対応)が決定される。そして、処理S2で示すように、決定された充電実施速度でもって充電が実行される。この充電実行と合わせて、インフラ側では、ギャップGが算出されて、このギャップGを小さくするための処理S11またはS12の少なくとも一方が実行される。処理S11は、電力網DM側での処理で、既述のように火力発電所2の発電能力調整や、蓄電装置5での充放電制御となる。また、処理S12は、ソフトウエア的に電力需給を所望方向に促すもので、ギャップGに応じて充電価格を決定する。すなわち、ギャップGが大きいほど充電価格を安く設定して、ギャップGが小さくなる方向に電力需給を促すようにされる。
【0040】
図7は、図6に対応した別の例を示すもので、図6とは異なる部分についてのみ説明する(このことは、以下の図7〜図11についても同じ)。この図7の例では、系統側において、周波数変動(A1対応)に基づいて最適充電速度(D2対応)を算出して、最適充電速度を電動車両EVに送信するようになっている。
【0041】
図8の例では、走行中の他の電動車両EVの充電予測をも考慮して、処理S1において充電しようしている電動車両EVの充電実施速度(最終充電速度J対応)を決定する場合を示す。すなわち、処理S3において、走行中の電動車両の過去の行動履歴に基づく行動予測から、充電開始時刻と場所(使用する充電装置6の位置)と時刻別の許容充電速度とが算出される。系統側では、処理S3で算出された情報と、電動車両EV側で決定される充電可能速度(許容充電速度F対応)とに基づいて、周波数制御信号が算出される。このS13で算出される周波数制御信号は、電力品質維持のためにどの程度周波数を変動させる必要があるかの信号となるが、走行中の電動車両の充電予測が加味されたものとして決定されることになる。そして、系統側では、処理S14において、処理S13で算出された周波数制御信号が電動車両EV側に送信される。電動車両EVは、処理S4において、周波数制御信号を受信する。そして、電動車両EV側で、最適充電速度(要求充電速度D1対応)が算出されることになる。なお、図8の例では、充電を行おうとする全ての電動車両EVについて、共通の最適充電速度(要求充電速度M対応)が決定されることになる。
【0042】
図9は、図8の場合と同様に、走行中の他の電動車両の充電予測をも加味して、充電装置6に接続された電動車両EVの充電速度を決定するものとなっている。図9の例では、系統側において、図8場合と同様の処理S13を行うようになっている。ただし、図9の場合は、系統側でもって、最適充電速度(要求充電速度D1対応)を決定し、決定した最適充電速度を電動車両EB側に送信するようになっている(送信M対応)。これに対応して、電動車両EV側では、処理S5において、送信Mを受信することになる。
【0043】
図10の例は、図8の変形例となるもので、図8の場合に比して、処理S13、S14,S4,D1の部分が変更されている。すなわち、図8の例では、全ての電動車両EVについて共通の周波数制御信号や最適充電速度を算出しているが、図10の例では、充電装置6に接続されて充電開始される電動車両EV毎に、個別に周波数制御信号や最適充電速度を算出するようになっている。図10の場合は、図8や図9の場合に比して、個別の電動車両EV毎により適切な充電速度でもって充電することが可能となる。
【0044】
図11は、図9の変形例となるもので、電動車両EV毎に、個別周波数制御信号の算出(S13)、個別最適充電速度(要求充電速度)の算出(D2対応)、個別最適充電速度の発信Mを行うようになっており、電動車両EV側では、個別最適充電速度を受信する。個別の電動車両EV毎により適切な充電速度でもって充電することが可能となる。
【0045】
図12は、電力網が、マイクログリッドあるいは戸建て住宅内の電力網である場合の周波数変動抑制制御の例を示し、すなわち、マイクログリッドあるいは戸建て住宅においては、個別に、種々の電気負荷(テレビ、エアコン等)や発電装置(太陽光パネルや風力発電)および蓄電池(バッテリ)、さらには電動車両EVに対する充電装置を有している。なお、以下の説明では、戸建て住宅に着目して説明するが、マイクログリッドの場合も戸建て住宅と同様の制御が行われる。
【0046】
まず、図12の処理S31において、自端周波数を検出することにより、あるいは系統側の電力網DM側からの周波数制御信号(例えば図9のS13対応)を受信することにより、後述するHEMS(ホーム・エネルギ・マネジメント・システム)での処理が行われる。この後、S33において、戸建て住宅に設置されている蓄電池の充放電可能な速度範囲を超えない範囲でもって、最適充電速度(要求充電速度D対応で、最適充電速度がマイナス値の場合は放電速度となる)にもっとも近い充電実施速度(最終充電速度J対応)が決定される。そして、S34において、決定された充電実施速度でもって、戸建て住宅内の蓄電池の充放電が行われる。さらに、系統側では、最適充電速度と充電実施速度のギャップGに基づいて、ギャップGを小さくする処理が行われる(S11あるいはS12の処理)。
【0047】
図13は、図12におけるHEMSの詳細を示すものである。この図13において、処理S41において、戸建て住宅内の蓄電池の蓄電量や劣化状態が検出される。また、処理S42において、戸建て住宅内の設置されている発電装置での発電量が予測される(記憶、更新されている過去の発電量履歴に基づいて予測)。さらに、処理S43において、戸建て住宅内の各種の電気機器類の過去の使用履歴に基づいて、電力需要が予測される(記憶、更新されている過去の電力需要に基づいて予測)。この後、処理S44において、処理S41〜S43での処理結果に基づいて、HEMS側での充電速度の調整可能範囲CmaxとCminが決定される。このCmaxとCminとは、蓄電池の充電速度可能範囲と電気機器の出力調整可能範囲(充電速度に換算した調整可能範囲)との両方を加味したものとなる。
【0048】
一方、処理S45において、検出した自端周波数または系統側からの周波数制御信号に基づいて、最適充電速度(要求充電速度)Aが決定される。また処理S46において、電動車両EV側から、最適充電速度(要求充電速度)Bと、充電可能速度範囲(最大値Bmax、最小値Bmin)が受信される。
【0049】
前記処理S44〜S46の後は、S47において、最適充電速度Aが、「B+Cmin」以上でかつ「B+Cmax」以下であるか否かが判別される。この処理S47の判別でYESのときは、電動車両EVについては最適充電速度Bでもって充電を実行する一方、HEMS側では調整可能範囲となるCmax〜Cminの範囲でもって出力調整が行われる。
【0050】
処理S47の判別でNOのときは、処理S49において、最適充電速度Aが、「Bmin+Cmin」以上でかつ「Bmax+Cmax」以下であるか否かが判別される。この処理S49の判別でYESのときは、処理S50において、HEMSでの出力がCminまたはCmaxとされる一方、電動車両EV側での充電速度が「A−Cmin」または「A−Cmax」に相当する値に設定される。より具体的には、電動車両EV側で「A−Cmin」としたときはHEMS側ではCminとされ、電動車両EV側で「A−Cmax」としたときはHEMS側ではCmaxとされる。
【0051】
処理S49の判別でNOのときは、電動車両EV側でBminでかつHEMS側でCminとされるか(Aが「Bmin+Cmin」より小さいとき)、あるいは電動車両EV側でBmaxでかつHEMS側でCmaxとされる(Aが「Bmax+Cmax」より大きいとき)。
【0052】
図14は、電動車両EVの行動予測の一例を示すものである。すなわち、制御装置U1とU2と電動車両EVとの少なくとも1つが、充電装置6からの離間距離の情報を記憶、更新している。記憶、更新される距離は、長期間(例えば1年)と短期間(例えば1ヶ月)との2種類とされている(各月について、毎曜日毎に、各時刻毎に記憶している)。電動車両EVについて今回予測される距離は、まず基本距離として短期間となる1ヶ月の平均値とされる。また、長期間となる1年の平均値から短期間となる1ヶ月の平均値を差し引いた偏差が、リスク距離(想定外の距離)として算出される。そして、上記基本距離にリスク距離を加算した距離が、今回予測される距離となる。そして、予測距離が大きいほど、車載蓄電池の蓄電量を大きくしておく必要性が高いものとなる(充電速度としては大きいものが要求される)。なお、電動車両EVの行動予測としては、充電装置6からの距離のみならず、充電装置6から離脱している時間を加味する等、適宜の要素を加味して行うことができる。
【0053】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。電力品質維持の対象としては、周波数に限らず電圧であってもよい。電力網としては、商用電力系統に限らず、マイクログリッド内のみの電力網、戸建て住宅内のみの電力網等適宜の電力網を選択できるものである。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
負荷側の利便性を確保しつつ、電力網の電力品質の維持を行うことができる。
【符号の説明】
【0055】
4:発電装置
5:蓄電装置
6:充電装置
DM:電力網
U1:制御装置(電力網側)
U2:制御装置(充電装置側)
NW:ネットワーク
EV:電動車両
A1、A2:周波数検出
D1、D2:要求充電速度算出
F:許容充電速度算出
J:(最終)充電速度算出
G:ギャップ算出
H:ギャップ調整

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置と蓄電装置と充電装置と該充電装置により充電される負荷とこれらを接続する電力網および情報通信網を備えた電力網の電力安定化方法であって、
電力網の電力品質を検出する第1ステップと、
電力網の電力品質を所定範囲に維持するために必要な前記充電装置の要求充電速度を決定する第2ステップと、
前記負荷に関する情報を検出する第3ステップと、
前記第3ステップで検出された前記負荷に関する情報に基づいて、該負荷に対する許容充電速度を決定する第4ステップと、
前記第2ステップで決定された要求充電速度と前記第4ステップで決定された許容充電速度とに基づいて、最終充電速度を決定する第5ステップと、
前記第5ステップで決定された最終充電速度でもって前記充電装置により前記負荷を充電する第6ステップと、
前記第5ステップで決定された最終充電速度と前記第2ステップで決定された要求充電速度との差となるギャップを決定する第7ステップと、
前記第7ステップで決定されたギャップが小さくなるように、前記発電装置と前記蓄電装置との少なくとも一方を制御する第8ステップと、
を備えていることを特徴とする電力安定化方法。
【請求項2】
請求項1において、
電力品質制御指示情報を前記充電装置に送信する第9ステップをさらに有し、
前記第2ステップにおける前記充電装置の要求充電速度の決定は、前記第9ステップで送信される前記電力品質制御指示情報を受信したときに実行される、
ことを特徴とする電力安定化方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記第3ステップで検出される負荷に関する情報として負荷の使用予定に関する情報が含まれていて、負荷の使用予定をも考慮して前記第2ステップでの要求充電速度が決定される、ことを特徴とする電力安定化方法。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記電力網が、商用電力系統、マイクログリッド、戸建て住宅内の電力網のいずれかとされている、ことを特徴とする電力網の電力安定化方法。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記電力網が、マイクログリッド、戸建て住宅内の電力網のいずれかとされ、
前記第8ステップでの前記ギャップを小さくするための制御が、前記マイクログリッドの範囲内または前記集合住宅内の電力網の範囲内で実行される、
ことを特徴とする電力安定化方法。
【請求項6】
発電装置と蓄電装置と充電装置とが電力網によって接続され、該充電装置によって負荷に対して充電するようにした充電制御方法であって、
電力網の電力品質を検出する第1ステップと、
電力網の電力品質を所定範囲に維持するために必要な前記充電装置の要求充電速度を決定する第2ステップと、
前記負荷に関する情報を検出する第3ステップと、
前記第3ステップで検出された前記負荷に関する情報に基づいて、該負荷に対する許容充電速度を決定する第4ステップと、
前記第2ステップで決定された要求充電速度と前記第4ステップで決定された許容充電速度とに基づいて、最終充電速度を決定する第5ステップと、
前記第5ステップで決定された最終充電速度でもって前記充電装置により前記負荷を充電する第6ステップと、
を備えていることを特徴とする充電制御方法。
【請求項7】
請求項6において、
電力品質制御指示情報を前記充電装置に送信する第9ステップをさらに有し、
前記第2ステップにおける前記充電装置の要求充電速度の決定は、前記第9ステップで送信される前記電力品質制御指示情報を受信したときに実行される、
ことを特徴とする充電制御方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7において、
前記第3ステップで検出される負荷に関する情報として負荷の使用予定に関する情報が含まれていて、負荷の使用予定をも考慮して前記第2ステップでの要求充電速度が決定される、ことを特徴とする電力網の電力安定化方法。
【請求項9】
電力網に接続されると共に負荷に対して充電を行うための充電装置であって、
電力網用の制御手段から送信されてくる電力品質制御指示情報に基づいて、要求充電速度を決定する要求充電速度決定手段と、
前記負荷に関する情報に基づいて、該負荷に対する許容充電速度を決定する許容充電速度決定手段と、
前記許容充電速度の範囲内で、前記要求充電速度に近い充電速度を最終充電速度として決定する最終充電速度決定手段と、
前記最終充電速度でもって前記負荷に対して充電を行う充電実行手段と、
を備えていることを特徴とする充電装置。
【請求項10】
請求項9において、
電力品質を検出する電力品質検出手段と、
前記検出された電力品質を電力網用の前記制御手段に送信する送信手段と、
をさらに備えていることを特徴とする充電装置。
【請求項11】
電力網に接続されると共に負荷に対して充電を行うための充電装置であって、
電力網の電力品質に関する情報を検出する電力品質情報検出手段と、
前記検出された電力品質情報に基づいて、要求充電速度を決定する要求充電速度決定手段と、
前記負荷に関する情報に基づいて、該負荷に対する許容充電速度を決定する許容充電速度決定手段と、
前記許容充電速度の範囲内で、前記要求充電速度に近い充電速度を最終充電速度として決定する最終充電速度決定手段と、
前記最終充電速度でもって前記負荷に対して充電を行う充電実行手段と、
を備えていることを特徴とする充電装置。
【請求項12】
請求項9ないし請求項11のいずれか1項において、
前記負荷が、車載蓄電池と該車載蓄電池から電力の供給を受ける走行用モータとを備えた電動式車両とされ、
前記負荷に関する情報として、前記電動車両の使用予定または前記車載蓄電池の蓄電状態との少なくとも一方が含まれる、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項13】
車載蓄電池と該車載蓄電池から電力の供給を受ける走行用モータと該車載蓄電池に充電を行う充電装置とを備え、該充電装置を電力網に接続した状態で該車載蓄電池への充電を行うようにされた電動車両であって、
前記充電装置は、
電力網用の制御手段から送信されてくる電力品質に関する情報に基づいて、要求充電速度を決定する要求充電速度決定手段と、
少なくとも前記車載蓄電池の蓄電状態に基づいて、該車載蓄電池に対する許容充電速度を決定する許容充電速度決定手段と、
前記許容充電速度の範囲内で、前記要求充電速度に近い充電速度を最終充電速度として決定する最終充電速度決定手段と、
前記最終充電速度でもって前記負荷に対して充電を行う充電実行手段と、
を備えている、
ことを特徴とする電動車両。
【請求項14】
車載蓄電池と該車載蓄電池から電力の供給を受ける走行用モータと該車載蓄電池に充電を行う充電装置とを備え、該充電装置を電力網に接続した状態で該車載蓄電池への充電を行うようにされた電動車両であって、
前記充電装置は、
電力網の電力品質に関する情報を検出する電力品質情報検出手段と、
前記電力品質に関する情報に基づいて、要求充電速度を決定する要求充電速度決定手段と、
少なくとも前記車載蓄電池の蓄電状態に基づいて、該車載蓄電池に対する許容充電速度を決定する許容充電速度決定手段と、
前記許容充電速度の範囲内で、前記要求充電速度に近い充電速度を最終充電速度として決定する最終充電速度決定手段と、
前記最終充電速度でもって前記負荷に対して充電を行う充電実行手段と、
を備えている、
ことを特徴とする電装車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−65432(P2012−65432A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206935(P2010−206935)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】