説明

電力管理イベントの検出によるディスプレイ更新特性の切り替え

システム及び方法は、電力管理イベントに応じて、画面解像度、画素深度やリフレッシュ・レートなどのディスプレイ更新特性の自動切り替えを備える。ディスプレイ更新特性は、AC電源からDC電源に電力が切り替わる場合に、例えば、システムの電源プラグがコンセントから抜かれ、システムがバッテリ電源で動作中である場合に低減させ得る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、コンピュータ装置に関し、特に、電力管理イベントの検出による、そうした装置上の、画面解像度、画素深度やリフレッシュ・レートなどのディスプレイ更新特性の切り替えに関する。
【背景技術】
【0002】
ラップトップ型コンピュータ、ノートブック型コンピュータ、PDA(携帯情報端末)等などのモバイル・コンピューティング・システムは、ますます一般的になってきている。そうしたシステムは、重要な局面として、AC電源に接続されていないか接続することができない場合にバッテリ電力を用いて通常、動作する。その結果、モバイル・コンピュータは通常、できる限り長い間、バッテリ電源で動作するために、電力管理機能を備える。
【0003】
コンピューティング・システム上の種々の構成部分が、電力を消費する。例えば、ビデオ・ディスプレイ(通常、モバイル・コンピューティング・システム上のLCD)と、ビデオ・ディスプレイに関連したメモリは電力を消費する。ビデオ・ディスプレイは、通常、グラフィックス・コントローラ上のグラフィックス・エンジンによって、常にリフレッシュしなければならない。ディスプレイは、画素単位でリフレッシュされ、グラフィックス・エンジンは画素データをメモリからフェッチする。データをフェッチする動作はグラフィックス・エンジン上(又はコントローラ上)で電力を消費し、メモリ・サブシステムは画素データと、ディスプレイ・デバイス自体とを含む。通常、消費される電力量は、ビデオ・ディスプレイをサポートするのに必要なリフレッシュ・レート及びメモリ量に関係する。このことは同様に、画面解像度に関係する。例えば、画面解像度が高いほど、要求されるメモリが多くなり、よって、要求されるメモリ・アクセスが多くなり、その結果、解像度が低い場合よりも、リフレッシュ毎に生じる電力消費が多くなる。したがって、今日のモバイル・コンピューティング・デバイス上の高解像度画面は、向上させた画像品質を備える一方、消費電力も多くなり、その結果、バッテリ寿命が短くなる可能性が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に鑑みて、本発明に対する必要性が当該技術分野において存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の例示的な実施例の以下の詳細な説明では、その一部を構成し、かつ、本発明を実施し得る特定の例示的実施例を例証として示す添付図面を参照する。こうした実施例は本発明の種々の実施例を当業者が実施することを可能にするうえで十分詳細に説明し、かつ、他の実施例を利用し得るものであり、本発明の範囲から逸脱することなく論理的変更、機械的変更、電気的変更や他の変更を行い得ることとする。以下の詳細な説明は、よって、限定する意味合いで解するものでない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
添付図面では、同じ参照数字を通しで用いて、複数の図面に存在する同一の構成部分を表す。
【0007】
信号及び接続は、同じ参照数字又は参照ラベルによって表し得るものであり、実際の意味は、本願の記載の意味合いで用いることから明らかなものである。
【0008】
詳細な説明は、複数の節に分割している。第1の節では、本発明の別々の実施例のハードウェア動作環境及びソフトウェア動作環境を説明する。第2の節では、本発明の種々の実施例による方法を説明する。
【実施例】
【0009】
図1は、本発明の種々の実施例を組み入れたハードウェア環境100の主要な構成部分の構成図である。一般的に、本発明の種々の実施例のシステム及び方法は、複数の電源、例えば、AC電源130及びDC電源132をサポートする何れかのハードウェア・システム上に組み入れ得る。そうしたハードウェアの例として、ラップトップ型コンピュータ、ポータブル・ハンドヘルド型コンピュータ、携帯情報端末(PDA)、ネットワークによってイネーブルされる携帯電話機や、上記デバイスのハイブリッドがある。本発明の一部の実施例では、ハードウェア環境100は、プロセッサ102と、グラフィックス及びメモリのコントローラ104と、メモリ106と、ビデオ出力108とを備える。プロセッサと、一体化された、グラフィックス及びメモリのコントローラ104との間の通信は、本発明の一部の実施例では、プロセッサ・システム・バス120を介して行われる。特定の実施例では、プロセッサ・システム・バス120は、400MHzのソース同期フロント・サイド・バスである。
【0010】
プロセッサ102は、マイクロプロセッサ、CISC(複雑命令セット・コンピューティング)マイクロプロセッサ、RISC(限定命令セット・コンピューティング)マイクロプロセッサ、VLIW(超長命令語)マイクロプロセッサ、グラフィックス・プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)や、何れかの他の種類のプロセッサ、処理回路、実行装置又は計算機マシンに限定されないがそうしたものなどの何れかの種類の計算機回路であり得る。本発明の一部の実施例では、プロセッサ102は、カリフォルニア州サンタクララのインテル社から入手可能なペンティアム(登録商標)又はセレロン(登録商標)のファミリのプロセッサであり得る。1つのプロセッサ102を示しているが、複数のプロセッサをシステム・バス120に接続し得る。
【0011】
グラフィクス及びメモリのコントローラ104はグラフィックス及びビデオの機能を備え得るものであり、1つ又は複数のメモリ装置をプロセッサ・システム・バス120にインタフェースし得る。一部の実施例では、グラフィックス及びメモリのコントローラ104は、単一のチップ上で一体化され得るものであり、グラフィックス・コントローラ104.1及びメモリ・コントローラ104.2を含み得る。別の実施例では、グラフィックス・コントローラ104.1は、メモリ・コントローラ104.2とは別個のチップ上又はチップセット上に常駐し得る。更に別の実施例では、グラフィックス・コントローラ104.1は、ビデオ・コントローラ・カード(図示せず)上に常駐し得る。グラフィックス・コントローラ104.1は、3次元(3D)エンジン、2次元(2D)エンジン、ビデオ・エンジン等などの種々のグラフィックス・サブ部分を含み得る。
【0012】
グラフィックス・コントローラ104.1は、ビデオ出力108を供給し得る。ビデオ出力108は、システム100が常駐するモバイル・コンピューティング環境に一体化されたLCD(液晶ディスプレイ)とのインタフェースであってもよく、外部ディスプレイとのインタフェースであってもよい。一部の実施例では、LCDとのインタフェースは、LVDS(低電圧差分信号)インタフェースであり得る。更に、ビデオ出力108は、ディジタル・ビデオ出力ポート(DVOB若しくはDVOC)又は、VGAインタフェースなどのCRTインタフェースであり得る。
【0013】
メモリ・コントローラ104.2は、システム・メモリ106とインタフェースし得る。システム・メモリ106は、何れかの種類のRAM(ランダム・アクセス・メモリ)、ROM(読み取り専用メモリ)、フラッシュ・メモリ等を含む何れかの種類の揮発性メモリ又は非揮発性メモリであり得る。一部の実施例では、メモリ106は、各クロック・サイクルの(立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとの)両方のエッジ上でのデータ転送をサポートし、事実上、メモリ・チップのデータ・スループットを2倍にする種類のSDRAMであるDDR-SDRAM(ダブル・データ・レート‐シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)を備え得る。DDR-DRAMは通常、消費する電力が少なく、それによって、モバイル・コンピューティング環境に非常に適切なものになっている。
【0014】
一部の実施例では、フレーム・バッファ110はシステム・メモリ106の一部である。フレーム・バッファ110は、一体型のLCDモニタなどの、ビデオ出力108に接続されるモニタ上の画素の画素値を記憶するメモリであり得る。フレーム・バッファ110に要求されるメモリの量は通常、画素深度(例えば、色毎に用いられるビットの数)と、画面幅と、画面の高さとによって変わってくる。別の実施例では、フレーム・バッファ110は、システム・メモリ106とは別個のメモリ110’であり得る。更なる別の実施例では、フレーム・バッファ110は、グラフィックス・コントローラ・カード上に常駐し得る。
【0015】
図2は、本発明の種々の実施例による例示的なソフトウェア環境200を示す。一部の実施例では、ソフトウェア環境200は、オペレーティング・システム202と、ビデオ・ドライバ204と、電力管理ドライバ206と、BIOS(基本入出力システム)ソフトウェア208と、電力管理ユーザ・インタフェース210とを含む。オペレーティング・システム202は、プロセッサ102上で実行するプログラム及びタスクの実行を管理し、ハード・ドライブ、フロッピー(登録商標)・ドライブ、CD-ROMドライブ、DVD-ROMドライブ、ネットワーク・インタフェースや他のデバイスなどのデバイスを管理する。本発明の一部の実施例では、オペレーティング・システム202は、ワシントン州レッドモンドのマイクロソフト社から入手可能なマイクロソフト・ウインドウズ・ファミリの1つであり得る。こうしたオペレーティング・システムは、ウインドウズ95(登録商標)、ウインドウズ98(登録商標)、ウインドウズCE(登録商標)、ウインドウズNT(登録商標)、ウインドウズ2000(登録商標)、ウインドウズME(登録商標)及びウインドウズXP(登録商標)を含む。更に、オペレーティング・システム202は、UNIX(登録商標)オペレーティング・システム又は、リナックス(登録商標)やフリーBSDなどのUNIX(登録商標)ベースのオペレーティング・システムであり得る。あるいは、オペレーティング・システム202は、カリフォルニア州クパチーノのアップル・コンピュータ社によるマックOS(登録商標)オペレーティング・システムであり得る。本発明の実施例は何れも、特定のオペレーティング・システムに限定されるものでない。
【0016】
ビデオ・ドライバ204は、オペレーティング・システム202や、オペレーティング・システム202によって制御されるアプリケーションなどのソフトウェアと、グラフィックス及びメモリのコントローラ104などのビデオ・ハードウェアとの間のインタフェースを備える。ビデオ・ドライバ204は通常、オペレーティング・システム202の標準オペレーティング・システム・ビデオ機能を、コンピュータ・システム100上に常駐している特定のビデオのハードウェア及び/又はファームウェアが要求する特定のコマンドに変換する。こうしたコマンドは、ビデオ・ハードウェアの解像度設定、画素深度設定及びリフレッシュ・レートを制御するコマンドを含む。
【0017】
一部の実施例では、電力管理ドライバ206は、コンピュータ・システム100上の電力管理のハードウェア及びソフトウェアとインタフェースするソフトウェアを備える。そうした機能の例は、コンピュータ・システムがAC電源に現在接続されているか否かを検出する機能と、電力を供給するのに用いるバッテリの現在の状態を得る機能と、バッテリにおける充電のレベルを検出する機能とを含む。
【0018】
BIOSソフトウェア108は、システム・メモリ106とは別個のメモリに常駐し得るものであり、コンピュータ・システム100の一部であり得るハードウェア及びハードウェア・コントローラの基本的な局面を制御する機能群を備える。BIOSソフトウェア108は、ビデオ・デバイスの解像度を制御する機能も含み得るものであり、電力管理ドライバ206に関して前述した機能などの、電力管理に関する機能も含み得る。
【0019】
一部の実施例はBIOSソフトウェア108を含む一方、全ての実施例がBIOSソフトウェア108を含むもの又はBIOSソフトウェア108を利用するものである必要がある訳でなく、別の実施例では、ビデオ・ドライバ204や電力管理ドライバ206などのドライバ・レイヤ・ソフトウェアは、BIOSソフトウェア108を介してではなく、ハードウェアと直接、インタフェースする。
【0020】
電力管理ポリシー212は、電力管理イベントの生起によって行われる動作を規定する1つ又は複数のポリシー群を備える。こうしたポリシーは、デフォールト動作を備えていてもよく、電力管理ユーザ・インタフェース210を介してユーザがカスタマイズしてもよい。本発明の一部の実施例では、特定の電力管理イベントの生起によって用いることとする画面解像度設定を規定するポリシーを含む。本発明の別の実施例では、電力管理ポリシーは、特定の電力管理イベントの生起によって用いることとする画素深度設定を規定するポリシーを含む。更に別の実施例では、電力管理ポリシーは、特定の電力管理イベントの生起によって用いることとするリフレッシュ・レート設定を規定するポリシーを含む。こうした電力管理イベントは、AC(交流)からDC(直流)への電源の切り替えと、バッテリ充電レベル・イベント(例えば、バッテリが、バッテリに残っている充電量の特定の割合、又は残余バッテリ時間、に達すること)とを含む。一部の実施例では、電力管理ユーザ・インタフェース210は、「制御パネル」インタフェースの一部として備え得るものであり、電力管理イベントによって行われることとする動作の選択及び/又は規定を行う種々のユーザ・インタフェース機構(メニュー、ボタン、アイコン等)を備え得る。
【0021】
方法
図3A及び図3Bは、本発明の実施例による、電力管理イベントの生起によってディスプレイ更新特性を自動的に切り替える方法を示す流れ図である。方法は、図1及び図2を参照しながら前述したものなどのハードウェア及びソフトウェアの動作環境内で行い得る。動作環境によって行うこととする方法は、コンピュータ実行可能命令から構成されるコンピュータ・プログラムを構成する。流れ図を参照することによって方法を説明することによって、(RAM、ROM、CD-ROM、DVD-ROM、フラッシュ・メモリ等などのコンピュータ判読可能媒体からの命令を、コンピュータのプロセッサが実行する)適切なコンピュータ上で方法を行う当該命令を含む当該プログラムを当業者が開発することが可能になる。図3A及び図3Bに示す方法は、本発明の例示的な実施例を実行する動作環境によって行われる動作を含む。
【0022】
図3Aは、電力管理イベントに基づいてディスプレイ更新特性を動的に切り替える方法300を示す。本明細書の目的では、ディスプレイ更新特性は、画面解像度設定と、画素深度(すなわち、色品質としても表す、画素毎ビット数)及びリフレッシュ・レートの設定とを含む。一部の実施例では、方法は、方法を実行するシステムが電力管理イベントを受け取ると始まる(ブロック302)。一部の実施例では、イベントは、変更が電源において行われたということを示し得る。例えば、イベントは、システムがAC電源にもう接続されていないということを示し得るか、システムがAC電源に接続されているということを示し得る。オペレーティング・システムがマイクロソフト・ウインドウズ・ベースのオペレーティング・システムである実施例では、イベントは、システム上で実行する1つ又は複数のアプリケーションに送られる「PBT_APMPOWERSTATUSCHANGE」イベントであり得る。
【0023】
AC電源からDC電源への切り替えが行われたか、すなわち、システムが現在、バッテリ電源で動作中であるかを判定するうえでチェックが行われる(ブロック304)。そうである場合、システムは、1つ又は複数のディスプレイ更新特性を自動的に低減させ得る(ブロック306)。一部の実施例では、システムは画像解像度を低減させる(ブロック307)。別の実施例では、システムは画素深度を低減させる(ブロック308)。更に別の実施例では、システムはリフレッシュ・レートを低減させる(ブロック309)。本発明の種々の実施例は、ブロック307とブロック308とブロック309とのうちの1つ又は複数のものの何れかの組み合わせを実行し得る。例えば、画面解像度は、比較的高い解像度、例えば、1600x1200又は1280x1024に設定された場合、800x600又は640x480に削減し得る。同様に、画素深度が画素毎で32ビットである場合、システムは画素深度を画素毎16ビット又は8ビットに低減させ得る。同様に、リフレッシュ・レートは、60Hzである場合、50Hzや40Hzなどの、60Hz未満の値に削減し得る。選ばれる特定のリフレッシュ・レート値は、グラフィックス・コントローラ及びディスプレイ・ソフトウェアによってサポートされるレートによって変わってくることがあり得る。なお、本発明は、画面解像度、画素深度又はリフレッシュ・レートにおける何れかの特定の低減に限定されるものでない。更に、画面解像度又は画素深度が相対的に低い値に既にある場合、値における低減は何ら必要でないことがあり得る。同様に、リフレッシュ・レートが相対的に低いリフレッシュ・レートに既にあった場合、リフレッシュ・レートにおける低減は何ら必要でないことがあり得る。
【0024】
オペレーティング・システムがマイクロソフト・ウインドウズ・ベースのオペレーティング・システムである実施例では、システムは、「GetSystemPowerStatus」機能を実行してシステムの現在の電力ステータスを判定し、オペレーティング・システム機能を用いて解像度を設定し得る。
【0025】
更に、システムは、DC電源からAC電源に切り替えが行われたので、すなわち、システムが現在はAC電源に接続されており、バッテリが再充電していることがあり得るので、イベントが生成されるかを判定するようチェックし得る(ブロック310)。そうである場合、システムは、1つ又は複数のディスプレイ更新特性を自動的に増加させ得る(ブロック312)。一部の実施例では、システムは画像解像度を増加させる(ブロック314)。別の実施例では、システムは画素深度を増加させる(ブロック316)。更に別の実施例では、システムはリフレッシュ・レートを増加させる(ブロック318)。本発明の種々の実施例は、ブロック314とブロック316とブロック318とのうちの1つ又は複数のものの何れかの組み合わせを実行し得る。例えば、画面解像度は、比較的低い解像度、例えば、800x600又は640x480に設定された場合、1600x1200又は1280x1024に増加させ得る。同様に、画素深度が画素毎で16ビットに設定されている場合、システムは画素深度を画素毎32ビットに増加させ得る。同様に、リフレッシュ・レートは、40Hz又は50Hzである場合、60Hz以上の値に増加させ得る。この場合も又、選ばれる特定のリフレッシュ・レート値は、グラフィックス・コントローラ及びディスプレイ・ソフトウェアによってサポートされるレートによって変わってくることがあり得る。なお、本発明は、画面解像度、画素深度又はリフレッシュ・レートにおける何れかの特定の増加に限定されるものでない。更に、画面解像度又は画素深度が相対的に高い値に既にある場合、増加は何ら必要でないことがあり得る。同様に、リフレッシュ・レートが相対的に高いレートにある場合、増加は何ら必要でないことがあり得る。
【0026】
システムは更に、ブロック302に戻って、次の電力管理イベントを待つ。
【0027】
図3Bは、電力管理イベントに基づいて画面解像度の、ポリシー・ベースの動的切り替えを行う、本発明の種々の実施例による方法320を示す。一部の実施例では、方法は、方法を実行するシステムが電力管理イベントを受け取ると始まる(ブロック302)。一部の実施例では、イベントは、変更が電源において行われたということを示し得る。例えば、イベントは、システムがAC電源にもう接続されていないということを示し得るか、システムがAC電源に接続されているということを示し得る。別の実施例では、イベントは、バッテリにおける充電のレベルを示す所定の閾値を超えるバッテリ電力レベルを含み得る。所定の閾値は、バッテリ内に残っている充電の割合として表し得るか、システムを動作させ続けるのに十分な電力をバッテリが供給することがもうできない状態になるまでの残余時間によって表し得る。
【0028】
次に、システムは、1つ又は複数のディスプレイ更新特性(すなわち、画面解像度、画素深度及び/又はリフレッシュ・レート)を規定する所定の電力管理ポリシーに電力管理イベントが一致するかを判定するようチェックする(ブロック322)。所定の電力管理ポリシーは、デフォールト・ポリシーであってよく、モバイル・コンピュータ・システムのユーザが規定するポリシーであってもよい。
【0029】
イベントに一致する、1つ又は複数のディスプレイ更新特性に関する電力管理ポリシーが存在する場合、システムは、ポリシーによって規定される1つ又は複数のディスプレイ更新特性を設定する(ブロック324)。さもなければ、システムは、ブロック302に戻って、次の電力管理イベントを待つ。
【0030】
前述した図3A及び図3Bを参照しながら説明したタスクは、オペレーティング・システム、グラフィックス・コントローラ上に常駐しているソフトウェア、電力管理コントローラ上で実行中のソフトウェアや、それらの何れかの組み合わせによって実行し得る。本発明の実施例は、方法において示す機能の何れかの特定の分布に限定されるものでない。
【0031】
電力管理イベントの検出によって画面解像度を自動的に切り替えるシステム及び方法を説明した。本発明の実施例は、従来のシステムに対する利点を備える。例えば、本発明の種々の実施例のシステム及び方法は、AC電源からDC電源への切り替えの検出によって画面解像度、画素深度及び/又はビデオ・リフレッシュ・レートを低減させる手段を備える。画面解像度、画素深度及び/又はリフレッシュ・レートの低減によって、システムによる電力消費が低減され得る。このことは同様に、モバイル・コンピューティング・システムのバッテリ寿命を延ばし得る。同様に、DC電源からAC電源への切り替えの検出によって、本発明の種々の実施例のシステム及び方法は、ディスプレイ更新特性を増加させて、バッテリ電力の消費についてユーザが気にしなくてよい場合に所望の画像品質をもたらし得る。
【0032】
特定の実施例を本明細書中に示し、説明したが、同じ目的を達成するよう企図された何れかの機構を、示している特定の実施例と置き換え得るということを当業者は分かる。本願は、本発明の何れかの適合又は変形を包含することが意図されている。
【0033】
本願において使用する用語は、こうした環境を全て含んでいるものとする。なお、上記記載は、限定的であることを意図するものでなく、例証的であることを意図するものである。多くの他の実施例は、当業者には、上記記載をレビューすることによって明らかである。よって、本発明が本特許請求の範囲記載の請求項と、その均等物とによってのみ限定されるということを明示的に意図している。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例を組み入れたハードウェア環境の概要を示す構成図である。
【図2】本発明の実施例を組み入れたソフトウェア環境の詳細を備える構成図である。
【図3A】本発明の実施例による、電力管理イベントを受け取ることによって画面解像度を動的に切り替える方法を示す流れ図である。
【図3B】本発明の実施例による、電力管理イベントを受け取ることによって画面解像度を動的に切り替える方法を示す流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
電力管理イベントを検出する工程と、
該電力管理イベントに応じてビデオ・ディスプレイのディスプレイ更新特性を変更する工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記ディスプレイ更新特性が画面解像度を備えることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、前記ディスプレイ更新特性が画素深度を備えることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、前記ディスプレイ更新特性がリフレッシュ・レートを備えることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、前記電力管理イベントを検出する工程が、AC電源からDC電源への電源における変更を検出する工程を含み、前記ディスプレイ更新特性を変更する工程が、前記ディスプレイ更新特性を低減させる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、前記電力管理イベントを検出する工程が、DC電源からAC電源への電源における変更を検出する工程を含み、前記ディスプレイ更新特性を変更する工程が、前記ディスプレイ更新特性を増加させる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、前記電力管理イベントを検出する工程が、所定の閾値を超えた、バッテリの電力レベルの低減を検出する工程を含み、前記ディスプレイ更新特性を変更する工程が、前記ディスプレイ更新特性を低減させる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、前記電力管理イベントを検出する工程が、所定の閾値を超えた、バッテリの電力レベルの増加を検出する工程を含み、前記ディスプレイ更新特性を変更する工程が、前記ディスプレイ更新特性を増加させる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法であって、前記電力管理イベントについてポリシーが存在するかを判定する工程を更に備え、前記ディスプレイ更新特性を変更する工程は、前記ポリシーに応じて前記ディスプレイ更新特性を変更する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
システムであって、
プロセッサと、
該プロセッサに結合されるグラフィックス・コントローラと、
該グラフィックス・コントローラに結合されるフレーム・バッファとを備え、該フレーム・バッファは画面解像度及び画素深度に相当する容量を有し、
前記プロセッサは、
電力管理イベントを検出し、かつ、
該電力管理イベントに応じて前記画面解像度を変更するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項10記載のシステムであって、前記電力管理イベントは、AC電源からDC電源への電源の変更を含み、更に、前記プロセッサは、前記画面解像度を低減させるよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項10記載のシステムであって、前記電力管理イベントは、AC電源からDC電源への電源の変更を含み、更に、前記プロセッサは、前記画素深度を低減させるよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項10記載のシステムであって、前記電力管理イベントは、DC電源からAC電源への電源の変更を含み、前記プロセッサは、前記画面解像度を増加させるよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項10記載のシステムであって、前記電力管理イベントは、DC電源からAC電源への電源の変更を含み、更に、前記プロセッサは、前記画素深度を増加させるよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項10記載のシステムであって、前記電力管理イベントは、所定の閾値を超えた、バッテリの電力レベルにおける低減を含み、前記プロセッサは、前記画面解像度を低減させるよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項10記載のシステムであって、前記電力管理イベントは、所定の閾値を超えた、バッテリの電力レベルにおける増加を含み、前記プロセッサは、前記画面解像度を増加させるよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項10記載のシステムであって、前記プロセッサは、前記電力管理イベントについてポリシーが存在するかを判定するよう更に動作可能であり、前記プロセッサは、前記ポリシーに応じて前記画面解像度を変更するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項10記載のシステムであって、
メモリ・コントローラと、
該メモリ・コントローラに結合されるシステム・メモリとを更に備え、
前記フレーム・バッファは前記システム・メモリ内に常駐していることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項18記載のシステムであって、前記グラフィックス・コントローラ及び前記メモリ・コントローラは単一のチップセットに一体化されることを特徴とするシステム。
【請求項20】
システムであって、
プロセッサと、
フレーム・バッファと、
前記プロセッサ及び前記フレーム・バッファに結合されるグラフィックス・コントローラとを備え、前記グラフィックス・コントローラは、リフレッシュ・レートによって前記フレーム・バッファからのビデオ・ディスプレイを更新し、
前記プロセッサは、
電力管理イベントを検出し、かつ、
該電力管理イベントに応じて前記リフレッシュ・レートを変更するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項20記載のシステムであって、前記電力管理イベントは、AC電源からDC電源への電源の変更を含み、前記プロセッサは、前記リフレッシュ・レートを低減させるよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項20記載のシステムであって、前記電力管理イベントは、DC電源からAC電源への電源の変更を含み、前記プロセッサは、前記リフレッシュ・レートを増加させるよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項23】
グラフィックス・コントローラであって、
プロセッサと、
該プロセッサに結合されるフレーム・バッファとを備え、
前記プロセッサが、
電力管理イベントを受け取り、かつ、
該電力管理イベントに応じて、前記フレーム・バッファからレフレッシュされたビデオ・ディスプレイの画面解像度を変更するよう動作可能であることを特徴とするグラフィックス・コントローラ。
【請求項24】
請求項23記載のグラフィックス・コントローラであって、前記電力管理イベントは、AC電源からDC電源への電源の変更を含み、前記プロセッサは、前記画面解像度を低減させるよう動作可能であることを特徴とするグラフィックス・コントローラ。
【請求項25】
請求項24記載のグラフィックス・コントローラであって、前記プロセッサは、前記フレーム・バッファの画素深度を低減させるよう更に動作可能であることを特徴とするグラフィックス・コントローラ。
【請求項26】
請求項23記載のグラフィックス・コントローラであって、前記電力管理イベントは、DC電源からAC電源への電源の変更を含み、前記プロセッサは、前記画面解像度を増加させるよう動作可能であることを特徴とするグラフィックス・コントローラ。
【請求項27】
請求項26記載のグラフィックス・コントローラであって、前記プロセッサは、前記フレーム・バッファの画素深度を増加させるよう更に動作可能であることを特徴とするグラフィックス・コントローラ。
【請求項28】
方法を行うマシン実行可能命令を有するマシン判読可能媒体であって、前記方法は、
電力管理イベントを検出する工程と、
該電力管理イベントに応じてビデオ・ディスプレイのディスプレイ更新特性を変更する工程とを備えることを特徴とするマシン判読可能媒体。
【請求項29】
請求項28記載のマシン判読可能媒体であって、前記ディスプレイ更新特性が画面解像度を備えることを特徴とするマシン判読可能媒体。
【請求項30】
請求項28記載のマシン判読可能媒体であって、前記ディスプレイ更新特性が画素深度を備えることを特徴とするマシン判読可能媒体。
【請求項31】
請求項28記載のマシン判読可能媒体であって、前記ディスプレイ更新特性がリフレッシュ・レートを備えることを特徴とするマシン判読可能媒体。
【請求項32】
請求項28記載のマシン判読可能媒体であって、前記電力管理イベントを検出する工程が、AC電源からDC電源への電源における変更を検出する工程を含み、前記ディスプレイ更新特性を変更する工程が、前記ディスプレイ更新特性を低減させる工程を含むことを特徴とするマシン判読可能媒体。
【請求項33】
請求項28記載のマシン判読可能媒体であって、前記電力管理イベントを検出する工程が、DC電源からAC電源への電源における変更を検出する工程を含み、前記ディスプレイ更新特性を変更する工程が、前記ディスプレイ更新特性を増加させる工程を含むことを特徴とするマシン判読可能媒体。
【請求項34】
請求項28記載のマシン判読可能媒体であって、前記電力管理イベントを検出する工程が、所定の閾値を超えた、バッテリの電力レベルの低減を検出する工程を含み、前記ディスプレイ更新特性を変更する工程が、前記ディスプレイ更新特性を低減させる工程を含むことを特徴とするマシン判読可能媒体。
【請求項35】
請求項28記載のマシン判読可能媒体であって、前記電力管理イベントを検出する工程が、所定の閾値を超えた、バッテリの電力レベルの増加を検出する工程を含み、前記ディスプレイ更新特性を変更する工程が、前記ディスプレイ更新特性を増加させる工程を含むことを特徴とするマシン判読可能媒体。
【請求項36】
請求項28記載のマシン判読可能媒体であって、前記電力管理イベントについて既定ポリシーが存在するかを判定する工程を更に備え、前記ディスプレイ更新特性を変更する工程は、前記既定ポリシーに応じて前記ディスプレイ更新特性を変更する工程を含むことを特徴とするマシン判読可能媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2007−508583(P2007−508583A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534047(P2006−534047)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/031908
【国際公開番号】WO2005/033919
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【Fターム(参考)】