説明

電力管理システム、管理装置、電力管理方法、電力管理プログラム、及び電力管理プログラムを記録する記録媒体

【課題】施設全体の消費電力を削減しつつ、利用者に対して使い勝手の良い施設の電力管理を実現することのできる電力管理システム、管理装置、電力管理方法、電力管理プログラム、及び電力管理プログラムを記録する記録媒体を提供する。
【解決手段】電力管理システム1は、複数の消費電力モードを有する機器200〜500の消費電力を制御する管理装置100と、管理装置100の制御対象となる機器200〜500とが接続されるシステムであって、施設使用に関係する一定期間の予定を示すスケジュール情報52に基づいて、期間ごとに使用される機器200〜500を特定する制御対象特定手段41と、制御対象特定手段41により特定された機器200〜500の前記消費電力モードを、スケジュール情報52に基づいて所定のモードに切り替え、機器200〜500の消費電力を制御する制御手段42とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の消費電力を制御する電力管理システム、管理装置、電力管理方法、電力管理プログラム、及び電力管理プログラムを記録する記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大気中の温室効果ガス(二酸化炭素、メタンなど)の増大が地球を温暖化し自然の生態系等に悪影響を及ぼすおそれがあることを背景に、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的として、京都議定書が平成17年2月16日に発効され、わが国においても改正地球温暖化対策の推進に関する法律が施行されている。
【0003】
このような状況から、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO)の排出量を削減するため、設備(機器)単体や施設全体の消費電力の削減が求められている。
【0004】
一般的に、電子写真プロセス方式による画像形成装置では、露光、潜像、現像、転写、定着の画像形成工程を経て、入力された画像データを記録紙に印刷する。この画像形成工程の中で、記録紙上に形成されたトナー像を定着させる定着ローラは、加熱用のヒータに電源を入れてから使用可能な温度になるまで時間がかかるため予熱しておく必要があり、要求に応じて直ちに印刷するために、画像形成装置が待機状態(ジョブ待ち状態)の場合においても常に予熱しておく必要がある。その結果、画像形成装置は、無駄に電力を消費することになる。
【0005】
このため、例えば、特許文献1に記載された「画像形成装置」は、出力要求時刻を監視し、出力要求の多い時間帯を算出する監視算出手段と、監視算出手段により算出された出力要求の多い時間帯の前に定着器などの定着手段を予熱する温度制御手段とを設け、消費電力を削減する技術が開示されている。
【0006】
また、画像形成装置に限らず、設備(機器)単体や施設全体の消費電力を削減する技術が開示されている。
【0007】
特許文献2に記載された「負荷制御システム及びマネジメントシステム」は、照明の調光制御装置と人の有無検知機能とを連携させ、人の有無により照明の調光を自動で行わせて電力削減をする技術が開示されている。
【0008】
特許文献3に記載された「サーバ装置、ネットワーク装置、ネットワークシステム並びにそれらの制御方法」は、ネットワークに接続された機器の電力消費を管理することにより、システム全体の安定した稼動が可能なシステムとして、ネットワークに接続された機器が開始しようとする動作によって、ネットワーク全体の消費電力量が予め定められた許容消費電力量を超える場合には、所定の条件が満たされるまで動作の開始を行わないように機器を制御する制御することが開示されている。
【特許文献1】特開2001−235966号公報
【特許文献2】特開2004−180412号公報
【特許文献3】特開2002−142385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された「画像形成装置」は、過去の使用実績から出力要求の多い時間帯を決定することから、常に同じ使用状況であれば対応可能であるが、日々使用状況が変化する環境や過去の使用実績と異なる特異な日においては効果が低下するばかりか逆に無駄に電力を消費するという問題点がある。
【0010】
また、特許文献2に記載された「負荷制御システム及びマネジメントシステム」は、赤外線などの人の有無検知機能からの情報に基づいて照明の調光を行うため、体育館など大規模照明に使用する水銀ランプなどで使用時の立ち上がり(準備)時間が長く即応性が低いものでは、事前に点灯させるなど意図した調光が難しく、また人検知センサからの情報に基づく制御のため検知範囲が限定される点や、多数のセンサが必要になるという使い難い点、更に検知精度の悪さや画像認識処理などシステムが複雑になるという問題点がある。
【0011】
また、特許文献3に記載された「サーバ装置、ネットワーク装置、ネットワークシステム並びにそれらの制御方法」は、機器が動作する直前に同時に動作状態になる機器の総消費電力量を計算し、規定電力量を超えるか否かで動作対象の機器を制限したり、より低電力なモードに移行させることで、複数台の機器を管理する場合のトータル電力量を削減することを可能としたりするものであるが、開始直前にならないと対象機器が動作可能かどうか分からないため、使用したいときに使用できないという問題点がある。
【0012】
このように、従来技術では、施設に設置された機器を利用する利用者の使用目的と、機器や施設全体の消費電力を削減するための消費電力制御とがバランス良く対応できておらず、その結果、利用者が使用したときの無駄な電力消費や使い勝手の悪さに繋がるという問題点があった。
【0013】
そこで、本発明では、上記従来技術の問題点に鑑み、施設全体の消費電力を削減しつつ、利用者に対して使い勝手の良い(使用したいときにすぐ使用できる)施設の電力管理を実現することができる電力管理システム、管理装置、電力管理方法、電力管理プログラム、及び電力管理プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の電力管理システムは、複数の消費電力モードを有する機器の消費電力を制御する管理装置と、該管理装置の制御対象となる前記機器とが接続される電力管理システムであって、施設使用に関係する一定期間の予定を示すスケジュール情報に基づいて、期間ごとに使用される前記機器を特定する制御対象特定手段と、前記制御対象特定手段により特定された前記機器の前記消費電力モードを、前記スケジュール情報に基づいて所定のモードに切り替え、前記機器の消費電力を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0015】
これによって、本発明の電力管理システムは、施設の使用スケジュールから、施設に設置されている機器のうち、利用者が使用する機器を特定し、施設使用の目的に応じて機器が有する複数の消費電力モードを切り替え、機器の消費電力を制御することにより、施設全体の消費電力を削減しつつ、利用者に対して使い勝手の良い(使用したいときにすぐ使用できる)施設を提供することができる。
【0016】
更に、上記目的を達成するため、本発明の管理装置は、複数の消費電力モードを有する機器の消費電力を制御する管理装置であって、施設使用に関する一定期間の予定を示すスケジュール情報に基づいて、期間ごとに使用される前記機器を特定する制御対象特定手段と、前記制御対象特定手段により特定された前記機器の消費電力モードを、前記スケジュール情報に基づいて所定のモードに切り替え、前記機器の消費電力を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0017】
また、上記目的を達成するため、本発明の電力管理方法は、複数の消費電力モードを有する機器の消費電力を制御する電力管理方法であって、施設使用に関する一定期間の予定を示すスケジュール情報に基づいて、期間ごとに使用される前記機器を特定する制御対象特定手順と、前記制御対象特定手順により特定された前記機器の消費電力モードを、前記スケジュール情報に基づいて所定のモードに切り替え、前記機器の消費電力を制御する制御手順とを有することを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の情報処理プログラムは、複数の消費電力モードを有する機器の消費電力を制御する電力管理プログラムであって、コンピュータを、施設使用に関する一定期間の予定を示すスケジュール情報に基づいて、期間ごとに使用される前記機器を特定する制御対象特定手段と、前記制御対象特定手段により特定された前記機器の消費電力モードを、前記スケジュール情報に基づいて所定のモードに切り替え、前記機器の消費電力を制御する制御手段として機能させる。
【0019】
これによって、本発明の電力管理プログラムは、コンピュータを、施設の使用スケジュールから、施設に設置されている機器のうち、利用者が使用する機器を特定し、施設使用の目的に応じて機器が有する複数の消費電力モードを切り替え、機器の消費電力を制御するように動作させることができる。
【0020】
よって、本発明の情報処理プログラムは、機器の消費電力を制御することにより、施設全体の消費電力を削減しつつ、利用者に対して使い勝手の良い(使用したいときにすぐ使用できる)施設の電力管理機能を実現することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、施設の使用スケジュールから、施設に設置されている機器のうち、利用者が使用する機器を特定し、施設使用の目的に応じて機器が有する複数の消費電力モードを切り替え、機器の消費電力を制御することにより、施設全体の消費電力を削減しつつ、利用者に対して使い勝手の良い(使用したいときにすぐ使用できる)施設を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、「実施形態」と言う。)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
[第1の実施形態]
<システム構成>
まず、本実施形態に係る電力管理システム1の構成について図1を用いて説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力管理システム1のシステム構成例を示す図である。図1には、本実施形態に係る電力管理システム1の最小のシステム構成例が示されている。
【0025】
本実施形態に係る電力管理システム1は、機器の消費電力を制御する管理装置100と、管理装置100の制御対象となる機器500(図中ではレーザプリンタ)とが、データ伝送路90を介して接続され、データ通信可能な形態となっている。管理装置100と機器500との間を繋ぐデータ伝送路90は、ネットワーク、公衆回線、専用信号線など、有線、無線の形式によらず、2者の間でデータのやり取りを行うことができればよい。
【0026】
では、本実施形態に係る電力管理システム1を、実際の施設に導入したときの例について図2を用いて説明する。
【0027】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電力管理システム1の導入例を示す図である。
図2には、利用者端末であるPC(Personal Computer)600a〜cと、施設設備である機器200〜500と、これらの機器200〜500の消費電力を制御する管理装置100とが、データ伝送路90であるネットワークを介して接続されるシステム形態の例が示されている。機器200〜500は、管理装置100の管理下にある施設に設置された、照明設備を管理する照明管理装置200と、空調設備300と、映像設備400と、画像形成装置500とから構成され、各機器はそれぞれにおいて複数の消費電力モードを有している。
【0028】
<<ハードウェア構成>>
次に、図2に示す電力管理システム1を構成する各装置のハードウェア構成例について、図3〜7を用いて説明する。
【0029】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る管理装置100のハードウェア構成例を示す図である。
【0030】
本実施形態に係る管理装置100は、入力装置101と、表示装置102と、ドライブ装置103と、記録媒体104と、ROM(Read Only Memory)105と、RAM(Random Access Memory)106と、CPU(Central Processing Unit)107と、インタフェース装置108と、HDD(Hard Disk Drive)109とから構成され、それぞれバスで相互に接続されている。
【0031】
入力装置101は、キーボード及びマウスなどで構成され、管理装置100に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置102は、ディスプレイなどで構成され、消費電力管理に関する情報など各種情報を表示する。インタフェース装置108は、管理装置100をネットワークなどのデータ伝送路90に接続するインタフェースである。HDD109は、基本ソフトウェアであるOS(Operating System)や、本実施形態に係る電力管理機能を含む各種機能を実現するアプリケーションソフトウェアなどに関するプログラムやデータを格納している。また、HDD109には、電力管理機能の中で用いる各種データを管理するための情報管理DBが構築されている。
【0032】
本実施形態に係る電力管理機能を実現するための電力管理プログラムは、例えばCD−ROMなどの記録媒体104によって管理装置100に提供されるか、データ伝送路90であるネットワークなどを通じてダウンロードされる。記録媒体104は、ドライブ装置103にセットされ電力管理プログラムが記録媒体104からドライブ装置103を介してHDD109にインストールされる。
【0033】
ROM105は、管理装置100が起動されるときに実行されるBIOS(Basic Input/Output System)のプログラムや各種データを格納している。RAM106は、ROM105やHDD109から読み出された各種プログラムやデータを一時保持する。CPU107は、RAM106が一時保持しているプログラムを実行する。
【0034】
このように、本実施形態に係る管理装置100では、RAM106に読み出された電力管理プログラムがCPU107で実行され、HDD109に格納された各種データに基づいて、消費電力モードを切り替える制御コマンド/制御信号を各機器200〜500に送信することにより、施設に設置された機器200〜500の消費電力制御を行う。
【0035】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る照明管理装置200のハードウェア構成例を示す図である。
【0036】
本実施形態に係る照明管理装置200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、NVRAM(Non Volatile RAM)204と、各種センサ205と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)206と、調光器207と、通信I/F208と、照明用電源回路209とから構成されており、NVRAM204に格納されたプログラムがRAM203に読み出され、読み出されたプログラムはCPU201で実行され、照明設備を管理する。
【0037】
照明管理装置200は、他の機器300〜500や管理装置100と、データ伝送路90であるネットワークを経由し通信I/F208を介して接続されており、管理装置100からの制御コマンド/制御信号を受信することにより、受信した制御コマンド/制御信号に基づいて、照明用電源回路209による点灯や消灯の動作、及び指示された消費電力モードに移行する。
【0038】
照明管理装置200は、予め設定された照明設備の明るさ信号を調光器207に出力する。調光器207は、明るさ信号に応じた電圧出力を行い、照明設備の明るさを調整する。また、照明管理装置200には、輝度センサ205が接続されており、この輝度センサ205により室内の明るさを検出する。また、居室内に配置された赤外線センサが接続されていれば、この赤外線センサによる在席状態の検知結果に連動し、自動点灯や消灯をすることも可能である。
【0039】
また、照明管理装置200は、管理装置100から状態情報通知を指示する制御コマンド/制御信号を受信した場合に、照明設備の状態情報を管理装置100へ通知する。
【0040】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る空調設備300のハードウェア構成例を示す図である。
【0041】
本実施形態に係る空調設備300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、NVRAM304と、温湿度センサ305と、フィルタ目詰まり検知センサ306と、ASIC307と、通信I/F308と、空調用制御I/F回路309と、温度制御器310と、除湿器制御器311と、電源制御回路312と、アラート通知回路313とから構成されており、NVRAM304に格納されたプログラムがRAM303に読み出され、読み出されたプログラムはCPU301で実行され空調する。
【0042】
空調設備300は、他の機器200、400、及び500や管理装置100と、データ伝送路90であるネットワークを経由し通信I/F308を介して接続されており、管理装置100からの制御コマンド/制御信号を受信することにより、受信した制御コマンド/制御信号に基づいて、電源制御回路312による空調開始や停止の動作、及び指示された消費電力モードに移行する。
【0043】
空調設備300は、温湿度センサ305によってフィードバックされた情報に基づいて、温度や湿度の調整を行い、予め設定された温度や湿度の設定値の状態になるように風量などを調整し動作させる。また、空調設備300は、管理装置100から状態情報通知を指示する制御コマンド/制御信号を受信した場合に、温湿度センサ305やフィルタ目詰まり検知センサ306により得た空調設備300の状態情報(例えば、温湿度、結露状態、フィルタ目詰まり状態など。)を管理装置100へ通知する。
【0044】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る映像設備400のハードウェア構成例を示す図である。
【0045】
本実施形態に係る映像設備400は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、NVRAM404と、バックライト切れ検知センサ405と、温度センサ406と、ASIC407と、通信I/F408と、電源制御回路409と、アラート通知回路410とから構成されており、NVRAM404に格納されたプログラムがRAM403に読み出され、読み出されたプログラムはCPU401で実行され、画像データをスクリーンなどに投影する。
【0046】
映像設備400は、他の機器200、300、及び500や管理装置100と、データ伝送路90であるネットワークを経由し通信I/F408を介して接続されており、管理装置100からの制御コマンド/制御信号を受信することにより、受信した制御コマンド/制御信号に基づいて、電源制御回路409による映像開始や停止の動作、及び指示された消費電力モードに移行する。
【0047】
映像設備400は、管理装置100から状態情報通知を指示する制御コマンド/制御信号を受信した場合に、バックライト切れセンサ405により得た映像設備400の状態情報(例えば、投影不可能状態など。)を管理装置100へ通知する。
【0048】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置500のハードウェア構成例を示す図である。
【0049】
本実施形態に係る画像形成装置500は、画像読み取り用のCCD(Charge Coupled Devices)カラーイメージセンサ501と、ビデオ処理回路502と、画像処理回路503と、ビデオ書込処理回路504と、レーザーダイオード(LD)制御部505と、画像メモリ506と、内部バス507と、内部システムバス508と、CPU509と、ROM510と、RAM511と、ASIC512と、通信I/F513と、操作パネル514と、電源回路515と、レーザーダイオード(LD)516とから構成されており、ROM510に格納されたプログラムがRAM511に読み出され、読み出されたプログラムはCPU509で実行され、画像データを記録紙に印刷する。
【0050】
画像形成装置500は、他の機器200〜400や管理装置100と、データ伝送路90であるネットワークを経由し通信I/F513を介して接続されており、管理装置100からの制御コマンド/制御信号を受信することにより、受信した制御コマンド/制御信号に基づいて、電源回路515による電源オン/オフの動作、及び指示された消費電力モードに移行する。
【0051】
画像形成装置500は、管理装置100から状態情報通知を指示する制御コマンド/制御信号を受信した場合に、各種センサ(非図示)により得た画像形成装置500の状態情報(例えば、トナー残量や紙詰まり状態など。)を管理装置100へ通知する。
【0052】
<<動作例>>
図2に戻り、上記のようなシステム構成例の場合、本実施形態に係る電源管理システム1は、以下に示すように動作する。
(1)利用者のスケジュール登録
PC600aの入力画面から利用者によって入力された利用者のスケジュールや、そのスケジュールの中で使用する施設予約などの情報が、管理装置100が有する情報管理DBに登録される。
(2)消費電力制御コマンド/制御信号の発行
管理装置100は、登録された利用者のスケジュールの中で使用される施設に関する情報に基づいて、利用者が使用する機器を特定し、特定した各機器へ、データ伝送路90であるネットワークを介して消費電力モードを切り替える制御コマンド/制御信号を送信する。
(3)消費電力の制御
機器200〜500は、受信した制御コマンド/制御信号に基づいて、消費電力モードを所定のモードに切り替える。
【0053】
このように、本実施形態に係る電力管理システム1は、利用者のスケジュールの中で使用される機器200〜500を特定し、特定した機器200〜500の消費電力モードを切り替えることによって、機器200〜500の消費電力を制御する。
【0054】
<機能構成>
図8は、本発明の第1の実施形態に係る消費電力制御機能の機能構成例を示す図である。
【0055】
本実施形態に係る電力管理システム1は、管理装置100が有する消費電力制御機能によって、各機器200〜500の消費電力の制御を行っている。
【0056】
本実施形態に係る管理装置100は、制御対象特定手段41、制御手段42、登録手段43、表示手段44とから構成される消費電力制御機能を有している。
【0057】
制御対象特定手段41は、利用者のスケジュールの中で、使用する施設に設置された機器のうち実際に使用する機器200〜500を特定する。
【0058】
制御手段42は、制御対象特定手段41により特定された機器200〜500に対して、それぞれの消費電力を制御する。
【0059】
登録手段43は、例えば、PC600aから入力された利用者のスケジュールや、そのスケジュールの中で使用する施設予約などの情報などを、HDD109に構築された情報管理DBに登録(所定の記憶領域にデータを格納)する。
【0060】
表示手段44は、電力管理に関する情報や、スケジュールなどの情報管理DBに登録する各種情報を入力するためのGUI(Graphical User Interface)などを表示する。
【0061】
では、以下に、上記に示した各手段について、図9〜14を用いて詳細に説明する。
まず、制御対象特定手段41及び制御手段42が有する機能(制御対象特定機能及び制御機能)を実現するために用いる各種情報について説明する。本実施形態では、以下に説明する各種情報が、管理装置100が有するHDD109の情報管理DBに登録され管理されている。
【0062】
制御対象特定手段41及び制御手段42が用いる各種情報は、主に、利用者や施設使用などに関する一定期間の予定を示すスケジュール情報と、施設に設置された機器200〜500の動作状況を示す動作情報、機器200〜500が有する複数の消費電力モードにおいて、消費電力モードの移行範囲を示す消費電力モード情報の3つである。
【0063】
[スケジュール情報]
図9は、本発明の第1の実施形態に係る利用者及び利用者のスケジュールに関する情報のデータ構成例を示す図である。また、図10は、本発明の第1の実施形態に係る施設使用に関する情報のデータ構成例を示す図である。
【0064】
利用者に関する情報(以下、「利用者情報」という。)51は、電力管理システム1において、管理対象とする利用者を特定するための情報である。利用者情報51は、図9(a)に示すように、管理対象候補を識別する候補識別情報(図中の「社員ID」)と、その社員が使用する施設が消費電力管理対象か否かを示す管理対象有無情報(図中の「管理対象」)とから構成されている。
【0065】
上記の利用者情報51は、例えば、管理者によって管理装置100の表示画面に表示されたGUIを介して入力・設定され、情報管理DBで管理される。
【0066】
また、利用者のスケジュールに関する情報(以下、「利用者スケジュール情報」という。)52は、各利用者の一定期間の予定を示すスケジュール情報であり、図9(a)に示した利用者情報51の候補識別情報と、管理対象候補ごとに関連付けられている。利用者スケジュール情報52は、図9(b)に示すように、期間を識別する期間識別情報(図中の「スケジュールID」)と、期間内における予定の遂行開始から終了までの時間を示す開始終了時間情報(図中の「時刻」)と、期間内における予定の中で遂行される内容を示す予定内容情報(図中の「イベント名」)とから構成されている。
【0067】
また、施設使用に関する情報(以下、「施設使用情報」という。)53は、利用者が使用する施設の一定期間の予定を示すスケジュール情報であり、図9(b)に示した利用者スケジュール情報52の予定内容情報と、期間ごとに関連付けられている。施設使用情報53は、図10に示すように、予定内容情報である施設使用の目的を示す施設目的情報(図中の「プリンタ市場調査報告会議」)と、施設を利用する日時を示す利用日時情報(図中の「利用日時」)と、使用する施設名称を示す施設名情報(図中の「場所」)と、施設で行われるイベントに参加する参加者を示す参加者情報(図中の「参加者(社員ID)」)と、施設で行われるイベントの中で利用する機器200〜500を示す利用機器情報(図中の「利用機器」)とから構成されている。
【0068】
上記の利用者スケジュール情報52及び施設使用情報53は、例えば、利用者によってPC600aから表示画面に表示されたGUIを介して入力され、後述する管理装置100が有する登録手段44により、情報管理DBに登録され管理される。
【0069】
[動作情報]
図11は、本発明の第1の実施形態に係る機器の動作状況に関する情報のデータ構成例を示す図である。
【0070】
動作状況に関する情報(以下、「動作状況情報」という。)54は、施設に設置された各機器200〜500の動作状況を示す情報である。動作状況情報54は、図11に示すように、電力管理システム1の管理下にある施設の名称を示す施設名称情報(図中の「施設名称」)と、機器200〜500の名称を示す機器名称情報(図中の「機器名称」)と、各機器200〜500の稼動状況を示す稼動状況情報(図中の「稼動状況」)とから構成される。
【0071】
上記の動作状況情報54は、例えば、管理者によって管理装置100の表示画面に表示されたGUIを介して入力・設定され、情報管理DBで管理される。
【0072】
[消費電力モード情報]
図12は、本発明の第1の実施形態に係る消費電力モードの移行範囲に関する情報のデータ構成例を示す図である。
【0073】
消費電力モードの移行範囲に関する情報(以下、「消費電力モード移行範囲情報」という。)55は、各機器200〜500が有する複数の消費電力モードの移行手順において、移行を許可するモードの範囲を示す情報であり、施設使用情報53の施設目的情報と関連付けられている。消費電力モード移行範囲情報55は、施設使用の目的を示す施設目的情報(図中の「プリンタ市場調査報告会議」)と、施設で使用する機器200〜500の名称を示す(図中の「機器名称」)と、各機器200〜500が有する消費電力モードの移行範囲を示す移行範囲情報(図中の「消費電力モード移行範囲」)とから構成されている。
【0074】
上記の消費電力モード移行範囲情報55は、例えば、管理者によって管理装置100の表示画面に表示されたGUIを介して入力・設定され、情報管理DBで管理される。
【0075】
<<制御対象特定手段41及び制御手段42>>
図8に戻り、制御対象特定手段41は、利用者のスケジュールの中で、使用する施設に設置された機器のうち実際に使用する機器200〜500を特定する。制御対象特定手段41は、以下の方法で機器200〜500を特定する。
【0076】
(1)利用者を特定
制御対象特定手段41は、情報管理DBに登録された利用者情報51にアクセスし、候補識別情報から利用者を特定する。
【0077】
(2)利用者スケジュール情報52を取得
制御対象特定手段41は、候補識別情報(図9(a)の破線Aに示す「001」)に基づいて情報管理DBにアクセスし、管理対象候補ごとに関連付けられて登録されている利用者スケジュール情報52を取得する。
【0078】
(3)施設使用情報53を取得
制御対象特定手段41は、取得した利用者スケジュール情報52の予定内容情報(図9(b)の破線Bに示す「プリンタ市場調査報告会議」)に基づいて情報管理DBをアクセスし、期間ごとに関連付けて登録されている施設使用情報53を取得する。
【0079】
(4)機器200〜500を特定
制御対象特定手段41は、取得した施設使用情報53の利用機器情報(図10の破線Cに示す「照明、空調、プリンタ」)に基づいて、使用される機器200〜500を特定する。
【0080】
このように、本実施形態に係る電力管理システム1では、制御対象特定手段41により利用者のスケジュールに基づいて、消費電力の制御対象である機器200〜500を特定することができる。
【0081】
次に、制御手段42は、制御対象特定手段41により特定された機器200〜500に対して、それぞれの消費電力を制御する。
【0082】
制御対象の機器200〜500は、機器ごとに複数の消費電力モードを有している。そこで、制御手段42は、特定された機器200〜500の消費電力モードを、利用者スケジュール情報52の開始終了時間情報に基づいて所定のモードに切り替え、機器200〜500の消費電力を制御する。例えば、図9(b)の利用者スケジュール情報52の期間識別情報(スケジュールID)が「3」のスケジュールの場合に、制御手段42は、開始時間「10:00」〜終了時間「12:00」に基づいて、この期間の消費電力モードを切り替え、機器200〜500の消費電力を制御する。
【0083】
制御手段42は、所定のモードに切り替える際に、施設使用情報53の施設使用情報53の施設目的情報と関連付けられている消費電力モード移行範囲情報55に基づいて、機器200〜500の段階的な消費電力モードへの移行を制御する。例えば、画像形成装置500は、「通常動作モード」、「低電力モード」、「エンジンスリープモード」、「コントローラスリープモード」、及び「シャットダウン」の消費電力モードを有している。このとき、画像形成装置500に対応する消費電力モード移行範囲情報55に「低電力モード」が設定されている場合に、制御手段42は、消費電力モード移行範囲情報55に基づいて、画像形成装置500が有する複数の消費電力モードの移行手順において、「通常動作モード」から「低電力モード」までを移行範囲としてモードを切り替える。
【0084】
また、制御手段42は、消費電力モードの切り替えを指示する制御コマンド/制御信号を、制御対象の機器200〜500に対して送信し、機器200〜500の段階的な消費電力モードへの移行を制御する。
【0085】
このとき、動作状況情報54の稼動状況情報は、制御手段42により機器200〜500の消費電力制御が開始されるタイミングで更新される。図11(b)には、制御手段42により制御開始された際に制御対象となる機器200〜500の稼動状態(図中の破線D2)が「停止予約」の状態へ更新された例が示されている。
【0086】
このように、本実施形態に係る電力管理システム1では、制御手段42により利用者のスケジュールに基づいて、消費電力の制御対象である機器200〜500の消費電力を制御することができる。
【0087】
また、制御対象となる機器200〜500は、例えば、施設に備えられた人を検知するセンサと連動し、制御終了時刻となっても施設を使用していることをセンサが検知した場合に、センサの検知結果に従って継続して使用可能な状態を維持することも可能である。すなわち、制御手段42による使用終了を指示する制御コマンド/制御信号より、センサの検知結果を優先し、利用者の使用状況に応じた柔軟な機器200〜500の制御を行うことができる。
【0088】
<<登録手段43及び表示手段44>>
登録手段43は、例えば、PC600aから入力された利用者のスケジュールや、そのスケジュールの中で使用する施設予約などの情報などを情報管理DBに登録する。また、表示手段44は、電力管理に関する情報や、スケジュールなどの情報管理DBに登録する各種情報を入力するためのGUIなどを表示する。
【0089】
本実施形態に係る電力管理システム1では、表示手段44により表示された電力管理に関する情報を基に、GUI機能を介して利用者が、自らのスケジュールに合わせて施設使用予約などを行い、入力・設定された各種情報を、登録手段43により情報管理DBに登録する。
【0090】
図13は、本発明の第1の実施形態に係る利用者端末600a(PC)側の表示画面例を示す図である。図13(a)には、PC600aの表示画面61に、利用者が自らのスケジュールに合わせて使用する施設予約を行う際に参考にする電力消費状況分析結果の画面例が示されている。
【0091】
表示手段44は、情報管理DBに登録された利用者スケジュール情報52や施設使用情報53に基づいて、所定の時点(例えば、利用者に図13(a)の表示画面61を提供した時点)で消費電力が最小となる機器200〜500に関する情報を表示する。例えば、利用者が開始時間「15:00」〜終了時間「16:00」の期間で、会議予約を行おうとしている場合に、表示手段44は、情報管理DBに登録された利用者スケジュール情報52や施設使用情報53に基づいて、利用者の使用施設の候補となる各会議室に設置されている各機器200〜500のうち、消費電力の使用量が少ない順に使用可能な会議室の情報を表示する。図13の場合には、「14:00」〜「15:00」の期間に「第1会議室」が使用されており、「第1会議室」に設置された各機器200〜500が、他の会議室に設置された機器200〜500より最適な使用状態となっていることから、第1会議室の情報を他の会議室より優先順位を上げて表示画面61に表示(図中では最上位に表示)している。
【0092】
このように、表示手段44は、機器200〜500の消費電力が最小となるような施設使用を利用者に促す表示画面61を表示する。
【0093】
利用者は、表示手段44により、電力管理に関する情報が表示された表示画面61を閲覧し、GUI機能を介して各種情報を入力する。図13(b)には、利用者のスケジュールの中で使用する施設スケジュールを登録するGUI機能を有する入力画面62の表示例が示されている。
【0094】
登録手段43は、図13(b)に示すような入力画面62から入力・設定された各種情報を取得し、HDD109に構築された情報管理DBの所定の記憶領域に格納し登録する。図13(c)には、同図(a)の入力画面62を介して各種情報(図中の「イベント名」、「利用日時」、「参加者」など)が入力され、管理装置100の情報管理DBに登録された施設利用に関する情報が表示画面63に表示されたときの例が示されている。
【0095】
このとき、動作状況情報54の稼動状況情報は、登録手段43により各種情報が登録されるタイミングで更新される。図11(a)には、登録手段43により新たなスケジュール情報が登録されたときの施設使用の際に使用する機器200〜500の稼動状態(図中の破線D1)が「稼動予約」の状態へ更新された例が示されている。
【0096】
また、本実施形態に係る電力管理システム1では、施設に設置された機器200〜500からも、登録手段43により情報管理DBに登録された各種情報を確認することができる。
【0097】
図14は、本発明の第1の実施形態に係る機器500(画像形成装置)側の表示画面例を示す図である。図14には、画像形成装置500が設置されている施設使用に関する登録情報が、画像形成装置500が有する表示画面64に表示された例が示されている。
【0098】
このように、本実施形態に係る電力管理システム1は、上記に説明を行った管理装置100が有する消費電力制御機能により、施設使用に関係する一定期間の予定を示すスケジュール情報52に基づいて、そのスケジュールの中で使用される機器200〜500を特定し、特定した機器200〜500に対して、利用者の使い勝手を考慮した消費電力制御を実現することができる。
【0099】
<処理手順>
ここからは、本実施形態に係る電力管理システム1の具体的な処理手順について図15〜18を用いて説明を行う。
【0100】
<<利用者端末(PC)600a>>
図15は、本発明の第1の実施形態に係る利用者端末600a(PC)側の基本処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0101】
本実施形態に係るPC600aは、管理装置100が有する表示手段44から取得した画面に表示するデータを基に、スケジュールを登録するためのログイン画面を表示し、利用者のログイン情報を受け付ける(ステップS101)。
【0102】
PC600aは、利用者がログイン後に、再び、管理装置100が有する表示手段44から取得した画面に表示するデータを基に、電力管理に関する情報を表示する表示画面61や、利用者のスケジュールや施設使用に関する各種情報を入力する入力画面62を表示し、GUI機能を介して各種情報を受け付ける(ステップS102)。
【0103】
PC600aは、利用者のスケジュール登録/変更が確定した場合(ステップS103がYESの場合)、管理装置100が有する登録手段43に対して入力データを送信し、利用者のスケジュールを登録/変更を指示する。また、利用者のスケジュール登録/変更が確定しない間(ステップS103がNOの間)は、ステップS102へ戻り、確定するまで処理を繰り返す。
【0104】
<<管理装置100>>
図16は、本発明の第1の実施形態に係る管理装置100側の基本処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0105】
本実施形態に係る管理装置100は、PC600aから最新のスケジュールに関する入力データを受け取り、情報管理DBが更新(スケジュール登録/変更)された場合や、例えば日付が変わったときなど利用者や施設に関するスケジュールが変わる場合(ステップS201がYESの場合)、情報管理DBにアクセスし、利用者情報51の候補識別情報に基づいて、最新のスケジュール情報52を取得し、RAM106上に読み出す(ステップS202)。
【0106】
また、情報管理DBが更新(スケジュール登録/変更)されない間や、同日中の間などの場合(ステップS201がNOの場合)、特に何もしない。
【0107】
管理装置100は、制御対象特定手段41及び制御手段42により、RAM106上に読み出したスケジュール情報52に基づいて、スケジュールの中で使用する施設に設置された機器200〜500の消費電力を制御する消費電力制御処理を行う(ステップS203)。
【0108】
図17は、本発明の第1の実施形態に係る消費電力制御機能の処理手順の一例を示すフローチャートである。図17に示す処理手順は、図16に示したステップS203の「消費電力制御処理」の詳細な処理手順を示すものである。
【0109】
本実施形態に係る管理装置100は、現在時刻を取得し(ステップS301)、取得した時刻以降に行われるスケジュールがあるか否かを、RAM106上に読み出されたスケジュール情報52の開始終了時間情報を基に、所定時間後(例えば数分後)に行われるスケジュールがあるか否かで判定する(ステップS302)。
【0110】
管理装置100は、該当するスケジュールがない場合(ステップS302がNOの場合)、処理を終了する。
【0111】
管理装置100は、該当するスケジュールがあった場合(ステップS302がYESの場合)、制御対象特定手段41により、RAM106上に読み出されたスケジュール情報52に基づいて、情報管理DBに関連付けられて登録された施設使用情報53をアクセスし、施設使用情報53の利用機器情報から制御対象となる機器200〜500を特定する(ステップS303)。
【0112】
このとき、管理装置100は、施設使用情報53の施設目的情報に関連付けられ情報管理DBに登録されている消費電力モード移行範囲設定55に基づいて、以降の処理手順で行う消費電力制御時における各機器200〜500の消費電力モードを設定する(ステップS304)。
【0113】
管理装置100は、RAM106上に読み出されたスケジュール情報52の開始終了時間情報に基づいて、制御を開始する時刻になるまで待つ(ステップS305がNOの間)
管理装置100は、制御を開始する時刻になった場合(ステップS305がYESの場合)、制御手段42により、設定された消費電力モードに切り替える制御コマンド/制御信号を、制御対象である各機器200〜500に送信する(ステップS306)。その後、ステップS301へ戻り、期間ごとのスケジュール内容を検索する処理を繰り返す。
【0114】
<<機器200〜500>>
図18は、本発明の第1の実施形態に係る機器200〜500側の基本処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0115】
本実施形態に係る機器200〜500は、管理装置100が有する制御手段42により送信された制御コマンド/制御信号を受信するまで、現状の動作状態で待つ(ステップS401がNOの間)。
【0116】
機器200〜500は、制御コマンド/制御信号を受信した場合(ステップS401がYESの場合)、受信した制御コマンド/制御信号に従って、消費電力モードを切り替える(ステップS402)。
【0117】
<まとめ>
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、本実施形態に係る電力管理システム1は、施設の消費電力制御を以下の処理手順により実現している。
【0118】
(手順1)利用者スケジュールの取得
本実施形態に係る管理装置100は、PC600aから最新のスケジュールに関する入力データを受け取り、情報管理DBが更新(スケジュール登録/変更)された場合や、例えば日付が変わったときなど利用者や施設に関するスケジュールが変わる場合、情報管理DBにアクセスし、最新のスケジュール情報52を取得する。
【0119】
(手順2)制御対象機器を特定
管理装置100は、制御対象特定手段41により、スケジュール情報52に基づいて、情報管理DBに関連付けられて登録された施設使用情報53をアクセスし、施設使用情報53の利用機器情報から制御対象となる機器200〜500を特定する。
【0120】
(手順3)消費電力制御コマンド/制御信号を送信
管理装置100は、制御を開始する時間になった場合、制御手段42により、所定の消費電力モードに切り替える制御コマンド/制御信号を、特定した各機器200〜500に送信する。
【0121】
(手順4)消費電力モードの切り替え
本実施形態に係る機器200〜500は、管理装置100が有する制御手段42により送信された制御コマンド/制御信号を受信すると、受信した制御コマンド/制御信号に従って、消費電力モードを切り替える。
【0122】
このように、本実施形態に係る電力管理システム1は、上記(手順1)〜(手順4)によって、施設の使用スケジュールから、施設に設置されている機器200〜500のうち、利用者が使用する機器200〜500を特定し、施設使用の目的に応じて機器200〜500が有する複数の消費電力モードを切り替え、機器200〜500の消費電力を制御することができる。
【0123】
よって、本実施形態に係る電力管理システム1は、施設全体の消費電力を削減しつつ、利用者に対して使い勝手の良い(使用したいときにすぐ使用できる)施設の電力管理機能を提供することができる。
【0124】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、利用者のスケジュールや施設使用に関係するスケジュール情報52に基づいて、特定した機器200〜500の消費電力モードを切り替え、機器200〜500の消費電力を制御していた。本実施形態では、より利用者の使い勝手を考慮し、特定した機器200〜500が「どのように使用されるのか」という使用可能性を、所定の情報を基に予測し、予測結果に基づいて消費電力モードを切り替え、機器200〜500の消費電力を制御する。
【0125】
ここからの説明は、第1の実施形態と本実施形態との違いについてのみ説明を行い、第1の実施形態と同様の技術的事項については、同じ図面及び参照符号をもって説明を省略する。
【0126】
<機能構成>
図19は、本発明の第2の実施形態に係る消費電力制御機能の機能構成例を示す図である。
【0127】
本実施形態に係る電力管理システム1は、図19に示すように、第1の実施形態において説明を行った消費電力制御機能に加えて、使用可能性予測手段45を有する管理装置100によって、各機器200〜500の消費電力の制御を行っている。
【0128】
<<使用可能性予測手段45>>
使用可能性予測手段45は、利用者スケジュール情報52に関連付けられて情報管理DBに登録された施設使用情報53から、制御対象特定手段41により特定された機器200〜500の使用可能性を予測する。
【0129】
図20は、本発明の第2の実施形態に係る施設使用に関する情報のデータ構成例を示す図である。
【0130】
例えば、使用可能性予測手段45は、施設使用情報53から所定の文字列を抽出し、抽出した所定の文字列から、機器200〜500の使用可能性を予測する。
【0131】
使用可能性予測手段45は、施設目的情報の文字列を抽出し、抽出した文字列に対して文字列解析を行い、意味のある1つ以上の文字列群(例えば単語など)に分解した後、分解後の文字列から施設使用の目的を判断し、使用可能性を予測する。図20(a)の破線E2に示す施設目的情報に設定された文字列「"プリンタ市場調査報告会議"」の場合には、使用可能性予測手段45は、抽出した文字列「"プリンタ市場調査報告会議"」に対して文字列解析を行い、「"プリンタ"」、「"市場"」、「"調査"」、「"報告"」、「"会議"」などの意味のある文字列群に分解した後、分解後の文字列から施設使用の目的が「報告会議」であると判断し、「映像設備400や画像形成装置500の使用頻度が高いこと」や「照明設備200の暗くしておくこと」などの各機器200〜500の使用可能性を予測する。
【0132】
更に、使用可能性予測手段45は、参加者情報の文字列を抽出し、抽出した文字列に対して文字列解析を行い、施設を使用する参加者の人数を割り出した後、割り出した人数から使用可能性を予測する。図20(b)の破線E1に示す参加者情報に背呈された文字列「"001,002,003,004,005,006,007,008,009"」の場合には、使用可能性予測手段45は、抽出した文字列「"001,002,003,004,005,006,007,008,009"」に対して文字列解析を行い、施設を使用する参加者の人数「9」を割り出した後、割り出した人数「9」から、「人数が多ければ機器200〜500の使用頻度が高いこと」などの各機器200〜500の使用可能性を予測する。
【0133】
また、例えば、PC600aにおいて、利用者が入力画面を介して、施設使用の目的を連想させるようなキーワードとなる文字列を入力することができる場合には、図20(b)の破線E2に示すような、入力されたキーワードを示すキーワード情報が付加され、登録手段43により情報管理DBに登録される。
【0134】
このような場合には、使用可能性予測手段45は、施設目的情報の文字列を抽出する替わりに、キーワード情報の文字列を抽出する。
【0135】
<<制御手段42>>
制御手段42は、例えば、機器200〜500が有する複数の消費電力モードのうち、使用可能性予測手段45による予測結果に応じて最適な消費電力モードに切り替える制御コマンド/制御信号を、制御対象の機器200〜500へ送信する。
【0136】
このように、本実施形態に係る電力管理システム1は、使用可能性予測手段45により、機器200〜500の使用目的に応じた使用可能性を予測し、制御手段42により予測結果に応じて、消費電力モードを切り替え、機器200〜500の消費電力の制御を行う。
【0137】
<処理手順>
ここからは、本実施形態に係る電力管理システム1の具体的な処理手順について図21及び図22を用いて説明を行う。
【0138】
<<管理装置100>>
図21は、本発明の第2の実施形態に消費電力制御機能の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0139】
図21に示す処理手順は、図16に示したステップS203の「消費電力制御処理」の詳細な処理手順を示すものである。
【0140】
本実施形態に係る管理装置100は、現在時刻を取得し(ステップS501)、取得した時刻以降に行われるスケジュールがあるか否かを、RAM106上に読み出されたスケジュール情報52の開始終了時間情報を基に、所定時間後(例えば数分後)に行われるスケジュールがあるか否かで判定する(ステップS502)。
【0141】
管理装置100は、該当するスケジュールがない場合(ステップS502がNOの場合)、処理を終了する。
【0142】
管理装置100は、該当するスケジュールがあった場合(ステップS502がYESの場合)、制御対象特定手段41により、RAM106上に読み出されたスケジュール情報52に基づいて、情報管理DBに関連付けられて登録された施設使用情報53をアクセスし、施設使用情報53の利用機器情報から制御対象となる機器200〜500を特定する(ステップS503)。
【0143】
管理装置100は、使用可能性予測手段45により、施設使用情報53から所定の文字列を抽出し、抽出した所定の文字列から、機器200〜500の使用可能性を予測する使用可能性予測処理を行う(ステップS504)。
【0144】
管理装置100は、使用可能性予測手段45により機器200〜500の使用可能性を予測した結果から、消費電力モードの変更が必要か否かを判定し(ステップS505)、必要な場合(ステップS505がYESの場合)には、施設使用情報53の施設目的情報に関連付けられ情報管理DBに登録されている消費電力モード移行範囲設定55を、予測結果に応じて適切な消費電力モードの移行範囲に変更する(ステップS506)。また、消費電力モードの変更が必要ない場合(ステップS505がNOの場合)には、次に説明するステップS507の処理に移行する。
【0145】
管理装置100は、施設使用情報53の施設目的情報に関連付けられ情報管理DBに登録されている消費電力モード移行範囲設定55に基づいて、以降の処理手順で行う消費電力制御時における各機器200〜500の消費電力モードを設定する(ステップS507)。
【0146】
管理装置100は、RAM106上に読み出されたスケジュール情報52の開始終了時間情報に基づいて、制御を開始する時刻になるまで待つ(ステップS508がNOの間)
管理装置100は、制御を開始する時刻になった場合(ステップS508がYESの場合)、制御手段42により、設定された消費電力モードに切り替える制御コマンド/制御信号を、制御対象である各機器200〜500に送信する(ステップS509)。その後、ステップS501へ戻り、期間ごとのスケジュール内容を検索する処理を繰り返す。
【0147】
図22は、本発明の第2の実施形態に係る機器使用予測機能の処理手順の一例を示すフローチャートである。図22には、施設使用情報53にキーワード情報が付加されている場合の処理手順の例が示されている。
【0148】
本実施形態に係る管理装置100は、使用可能性予測手段45により施設使用情報53のキーワード情報に設定された文字列を抽出する(ステップS601)。
【0149】
管理装置100は、抽出した文字列に対して文字列解析を行い、意味のある文字列群に分解した後、分解後の文字列に「"報告"」と「"会議"」とが含まれているか否かを判定する(ステップS602)。
【0150】
管理装置100は、「"報告"」と「"会議"」とが含まれている場合(ステップS602がYESの場合)、施設使用の目的が「報告会議」であると判断し、「映像設備400や画像形成装置500の使用頻度が高い」ことから、制御対象として特定した機器が、映像設備400及び/又は画像形成装置500か否かを判定する(ステップS603)。
【0151】
管理装置100は、制御対象として特定した機器が、映像設備400及び/又は画像形成装置500であった場合(ステップS603がYESの場合)、各機器400及び500の使用頻度に応じて、消費電力モードの移行範囲を迅速に通常モードに復帰できる範囲(例えば「通常モード」から「低電力モード」までの範囲)に変更する(ステップS604)。
【0152】
また、分解後の文字列に「"報告"」と「"会議"」とが含まれていなかった場合、又は「"報告"」と「"会議"」とが含まれていて、かつ制御対象として特定した機器が映像設備400及び/又は画像形成装置500でなかった場合(ステップS602又はステップS603がNOの場合)、通常の消費電力モードの移行範囲で行う(ステップS605)。
【0153】
<まとめ>
以上のように、本発明の第2の実施形態によれば、本実施形態に係る電力管理システム1は、施設の使用スケジュールから、施設に設置されている機器200〜500のうち、利用者が使用する機器200〜500を特定し、施設に設定された機器200〜500の使用可能性を予測し、施設使用の目的に応じて機器200〜500が有する複数の消費電力モードを切り替え、機器200〜500の消費電力を制御することができる。
【0154】
よって、本実施形態に係る電力管理システム1は、施設全体の消費電力を削減しつつ、利用者に対して使い勝手の良い(使用したいときにすぐ使用できる)施設の電力管理機能を提供することができる。
【0155】
[第3の実施形態]
第1の実施形態では、利用者のスケジュールや施設使用に関係するスケジュール情報52に基づいて、特定した機器200〜500の消費電力モードを切り替え、機器200〜500の消費電力を制御していた。本実施形態では、より利用者の使い勝手を考慮し、特定した機器200〜500が「過去にどのように使用されたのか」という使用履歴に基づいて消費電力モードを切り替え、機器200〜500の消費電力を制御する。また、制御対象となる機器200〜500が備える消耗部品の状態を使用履歴から予測する。
【0156】
ここからの説明は、第1の実施形態と本実施形態との違いについてのみ説明を行い、第1の実施形態と同様の技術的事項については、同じ図面及び参照符号をもって説明を省略する。
【0157】
<機能構成>
図23は、本発明の第3の実施形態に係る消費電力制御機能の機能構成例を示す図である。
【0158】
本実施形態に係る電力管理システム1は、図23に示すように、第1の実施形態において説明を行った消費電力制御機能を有する管理装置100によって、各機器200〜500の消費電力の制御を行っている。また、制御対象となる機器200〜500が備える消耗部品の交換タイミングを予測する交換タイミング予測手段46を有している。
【0159】
<<制御手段42>>
制御手段42は、制御対象特定手段41により特定された機器200〜500に対して、それぞれの消費電力を制御する。このとき、制御手段42は、施設使用情報53の施設目的情報と関連付けられている消費電力モード移行範囲情報55に基づいて、機器200〜500の段階的な消費電力モードへの移行を制御する。
【0160】
図24は、本発明の第3の実施形態に係る機器の使用履歴に関する情報のデータ構成例を示す図である。
本実施形態では、利用者のスケジュールの中で過去に使用された各機器200〜500の履歴に関する情報を、例えば、図24に示すようなデータ構成で、施設に設置された機器200〜500ごとに情報管理DBへ記録している。図24には、施設に設置された画像形成装置500の使用履歴に関する情報の例が示されている。
【0161】
履歴に関する情報(以下、「履歴情報」という。)56は、機器200〜500がどのような消費電力モードで制御されたかを示す消費電力モード移行履歴情報(図中の「低電力モード」)と、使用開始から終了までの期間を示す開始終了時間情報(図中の「14:00〜15:00」)と、どのような目的で使用されたかを示す使用目的情報(図中の「プリンタ市場調査報告会議」)とから構成されている。履歴情報56の記録は、制御手段42により消費電力制御されるときに、予め情報管理DBの所定の記憶領域に、新たな履歴データが付加されて更新される。
【0162】
例えば、制御手段42は、機器200〜500の段階的な消費電力モードへの移行を制御するときに、施設使用情報53の施設目的情報を基に、上記に示した各機器200〜500ごとに情報管理DBへ記録された履歴情報56にアクセスし、施設使用情報53の施設目的情報と履歴情報56の施設目的情報とが一致する履歴情報56を検索し、該当する履歴情報56があった場合に、その履歴情報56の消費電力モード移行履歴情報に基づいて、消費電力モードの切り替え及び/又は制御開始・終了時刻の変更を行う。また、該当する履歴情報56がなかった場合には、施設使用情報53の施設目的情報と関連付けられている消費電力モード移行範囲情報55に基づいて消費電力モードの切り替えを行う。
【0163】
例えば、制御手段42は、施設使用情報53の施設目的情報が「プリンタ市場調査報告会議」であった場合に、履歴情報56にアクセスし、履歴情法56の施設目的情報が「プリンタ市場調査報告会議」であるデータ項目を検索する。その結果、該当する項目(図24の破線F)を見つけると、該当したデータ項目の消費電力モード移行履歴情報の「低電力モード」に基づいて、消費電力モードの切り替え設定の変更を行う。このとき、履歴情報56の中で複数該当するデータ項目が見つかった場合には、施設使用情報53の開始終了時間情報と履歴情報56の開始終了時間情報とを比較し、一致したデータ項目の消費電力モード移行履歴情報を優先的に使用する。
【0164】
このように、本実施形態に係る電力管理システム1は、制御手段42により、過去に行った最適な消費電力制御を反映する。
【0165】
<<交換タイミング予測手段46>>
交換タイミング予測手段46は、前回の機器200〜500が備える消耗部品の交換時からの履歴情報56に基づいて、消耗部品の交換タイミングを予測する。例えば、交換タイミング予測手段46は、画像形成装置500が備えるトナーユニット部の交換タイミングを予測する場合に、画像形成装置500の履歴情報56に基づいて、トナーユニット部のトナー残量及び感光体寿命を判断する。このとき、交換タイミング予測手段46は、履歴情報56の使用目的情報や、使用目的情報と関連する施設使用情報53の参加者情報から、「これまでにどの程度印刷されたのか」を判断し、この判断結果に基づいてトナーユニット部の交換タイミングを予測する。
【0166】
その結果、制御手段42は、交換タイミング予測手段46による予測結果に応じて、機器200〜500の消費電力モードを、電源をオフするモード(例えば画像形成装置500の場合には「シャットダウンモード」)に切り替える制御コマンド/制御信号を、制御対象となる機器500へ送信する。
【0167】
このように、本実施形態に係る電力管理システム1は、交換タイミング予測手段46により、利用者が施設を使用したときに、使用中の機器200〜500が消耗部品交換による作業中段を未然に防止する。
【0168】
<処理手順>
ここからは、本実施形態に係る電力管理システム1の具体的な処理手順について図25及び図26を用いて説明を行う。
【0169】
<<管理装置100>>
図25は、本発明の第3の実施形態に係る消費電力制御機能の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0170】
図25に示す処理手順は、図16に示したステップS203の「消費電力制御処理」の詳細な処理手順を示すものである。
【0171】
本実施形態に係る管理装置100は、現在時刻を取得し(ステップS701)、取得した時刻以降に行われるスケジュールがあるか否かを、RAM106上に読み出されたスケジュール情報52の開始終了時間情報を基に、所定時間後(例えば数分後)に行われるスケジュールがあるか否かで判定する(ステップS702)。
【0172】
管理装置100は、該当するスケジュールがない場合(ステップS702がNOの場合)、処理を終了する。
【0173】
管理装置100は、該当するスケジュールがあった場合(ステップS702がYESの場合)、制御対象特定手段41により、RAM106上に読み出されたスケジュール情報52に基づいて、情報管理DBに関連付けられて登録された施設使用情報53をアクセスし、施設使用情報53の利用機器情報から制御対象となる機器200〜500を特定する(ステップS703)。
【0174】
管理装置100は、施設使用情報53の使用目的情報を基に、情報管理DBに記録された履歴情報56にアクセスし、該当する履歴情報56のデータがあるか否かを判定し(ステップS704)、該当するデータがあった場合(ステップS704がYESの場合)には、施設使用情報53の施設目的情報に関連付けられ情報管理DBに登録されている消費電力モード移行範囲設定55を、履歴情報56の消費電力モード移行履歴情報に基づいて適切な消費電力モードの移行範囲及び/又は制御開始・終了時刻の変更を行う(ステップS705)。また、該当する履歴情報56のデータがなかった場合(ステップS704がNOの場合)には、次に説明するステップS706の処理に移行する。
【0175】
管理装置100は、施設使用情報53の施設目的情報に関連付けられ情報管理DBに登録されている消費電力モード移行範囲設定55に基づいて、以降の処理手順で行う消費電力制御時における各機器200〜500の消費電力モード及び/又は制御開始・終了時刻を設定する(ステップS706)。
【0176】
管理装置100は、RAM106上に読み出されたスケジュール情報52の開始終了時間情報に基づいて、制御を開始する時刻になるまで待つ(ステップS707がNOの間)
管理装置100は、制御を開始する時刻になった場合(ステップS707がYESの場合)、制御手段42により、設定された消費電力モードに切り替える制御コマンド/制御信号を、制御対象である各機器200〜500に送信する(ステップS708)。その後、ステップS701へ戻り、期間ごとのスケジュール内容を検索する処理を繰り返す。
【0177】
図26は、本発明の第3の実施形態に係る消耗部品交換タイミング予測機能の処理手順の一例を示すフローチャートである。図26には、会議室の使用履歴を基に、会議室に設置された画像形成装置500が備えるトナーユニット部の交換タイミングの処理手順の例が示されている。
【0178】
管理装置100は、交換タイミング予測手段46により、施設使用情報53の使用目的情報を基に、情報管理DBに記録された履歴情報56にアクセスし、該当する履歴情報56のデータがあるか否かを判定し(ステップS801)、該当するデータがあった場合(ステップS801がYESの場合)には、施設使用情報53の参加者情報と履歴情報56のデータとから、過去の施設使用において機器200〜500を使用した可能性のある人数(参加者人数)と施設の使用回数(会議回数)を取得する(ステップS802)。
【0179】
管理装置100は、使用した可能性のある人数(参加者人数)と施設の使用回数(会議回数)とに基づいて、施設に設置された画像形成装置500の累積印刷枚数を予測し(ステップS803)、予測結果から消耗部品であるトナーユニット部の交換が必要か否かを判定する(ステップS804)。
【0180】
管理装置100は、トナーユニット部の交換が必要な場合(ステップS804がYESの場合)、制御手段42により、交換タイミング予測手段46による予測結果に応じて、機器200〜500の消費電力モードを、電源をオフするモード(例えば画像形成装置500の場合には「シャットダウンモード」)に切り替える制御コマンド/制御信号を、制御対象となる機器500へ送信する。また、該当する履歴情報56のデータがなかった場合や、トナーユニット部の交換が必要ない場合(ステップS801やS804がNOの場合)、処理を終了する。
【0181】
<まとめ>
以上のように、本発明の第3の実施形態によれば、本実施形態に係る電力管理システム1は、施設の使用スケジュールから、施設に設置されている機器200〜500のうち、利用者が使用する機器200〜500を特定し、過去に行った最適な消費電力制御に応じて機器200〜500が有する複数の消費電力モードを切り替え、機器200〜500の消費電力を制御することができる。
【0182】
また、本実施形態に係る電力管理システム1では、施設に設置された機器200〜500が備える消耗部品の交換タイミングを履歴情報56から予測する交換タイミング予測処理によって、利用者が施設を使用したときに、使用中の機器200〜500が消耗部品交換による作業中段を未然に防止することができる。
【0183】
よって、本実施形態に係る電力管理システム1は、施設全体の消費電力を削減しつつ、利用者に対して使い勝手の良い(使用したいときにすぐ使用できる)施設の電力管理機能を提供することができる。
【0184】
<消費電力制御に用いる各種情報の変形例について>
これまで第1及び第3の実施形態において、利用者のスケジュールや施設使用に関係するスケジュール情報52や、更には機器200〜500の使用可能性予測、また機器200〜500の履歴情報56などに基づいて、特定した機器200〜500の消費電力モードを切り替え、機器200〜500の消費電力を制御する電力管理システム1について説明を行った。
【0185】
このような電力管理システム1では、特定した機器200〜500の消費電力を制御するときに、更に、本システム1が導入された地域や環境に関する情報などを加味して制御を行っても良い。
【0186】
図27は、本発明の変形例に係る消費電力制御機能の機能構成例を示す図である。図27には、管理装置100が有する情報管理DBに、本システム1が導入された地域を特定する情報(以下、「地域特定情報」という。)が格納されており、この地域特定情報に基づいて制御を行うシステム構成例が示されている。ここで言う「地域特定情報」とは、例えば、電話番号や郵便番号などである。
【0187】
地域によって、利用者が施設を使用するときの環境は異なる。例えば、夏期であっても、九州地方の施設と北海道地方の施設では、湿度や温度などが異なるため、施設全体の消費電力の削減や利用者の使い勝手を考慮すると、それぞれの地域の特定を考慮した電力管理が必要となる。
【0188】
このことから、図27に示す電力管理システム1では、例えば、情報管理DBに格納された地域特定情報から本システム1が稼働する地域を特定し、特定した地域の環境に関する情報(例えば、天候、湿度、気温など。)を、利用者のスケジュールや施設使用に関係するスケジュール情報52に加え、制御対象となる機器200〜500の消費電力制御を行う。また、図27に示す電力管理システム1では、情報管理DBに地域特定情報が格納されている構成をとっているが、管理装置100がインタフェース装置108を介してインターネットなどの回線に接続されデータ通信可能な状態であれば、地域の気象情報を取得して環境に関する情報として用いても良い。
【0189】
<電力管理システム1の各種情報管理構成に関する変形例について>
また、第1及び第3の実施形態において説明を行った電力管理システム1は、管理装置100のHDD109に構築された情報管理DBに、消費電力制御のときに用いる各種情報を格納している構成としたが、この構成によって本発明が限定されるものではない。他の構成について図28を用いて説明する。
【0190】
図28は、本発明の変形例に係る電力管理システム1のシステム構成例(その1)を示す図である。図28には、利用者のスケジュールや施設使用に関する情報を別の管理装置(スケジュール管理サーバ)700に持たせたシステム構成例が示されている。
【0191】
このようなシステム構成にすることによって、市販されているグループウェアやスケジュール管理ソフトウェア(例えばLotus Development社が開発したグループウェアであるNotesなど)などが既に導入された管理装置(スケジュール管理サーバ)700によって管理・運用されている情報を利用することが可能となる。すなわち、利用者が日常使用するソフトウェアにおいて管理・運用する情報と連携し、電力管理システム1を運用することができる。
【0192】
<電力管理システム1の利用者端末構成に関する変形例について>
また、第1及び第3の実施形態において説明を行った電力管理システム1は、利用者端末としてPC600aを利用する構成としたが、この構成によって本発明が限定されるものではない。他の構成について図29を用いて説明する。
【0193】
図29は、本発明の変形例に係る電力管理システム1のシステム構成例(その2)を示す図である。図29には、利用者端末としてモバイル端末を利用するシステム構成例が示されている。
【0194】
このようなシステム構成にすることによって、PDA(Personal Digital Assistants)や携帯電話などを利用して、利用者のスケジュールや施設使用に関する情報を登録・変更することが可能となる。すなわち、利用者が遠隔地からでも電力管理システム1を利用することができる。
【0195】
<電力管理システムが有する機能を実現するプログラムについて>
これまで第1及び第3の実施形態では、管理装置100が有する消費電力制御機能を実現する電力管理システム1について説明を行ってきた。
【0196】
本実施形態に係る電力管理システム1が有する消費電力制御機能は、複数の管理装置で実現する機能を分けた形で構成しても良い。管理装置のハードウェア資源に応じて制御の性能が最適となるように実装すればよい。
【0197】
また、各実施形態において説明を行った管理装置100の各機能は、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化された電力管理プログラムを、CPU107で実行することにより実現される。
【0198】
よって、各実施形態に係る電力管理プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体104に記憶させることによって、これらの記憶媒体104を読み取り可能なドライブ装置103から、管理装置100にインストールすることができる。また、管理装置100は、インタフェース装置108を備えていることから、インターネットを用いて電力管理プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0199】
最後に、上記各実施形態に挙げた形状に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電力管理システムのシステム構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る電力管理システムの導入例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る照明管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る空調設備のハードウェア構成例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る映像設備のハードウェア構成例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る消費電力制御機能の機能構成例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る利用者及び利用者のスケジュールに関する情報のデータ構成例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る施設使用に関する情報のデータ構成例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る機器の動作状況に関する情報のデータ構成例を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る消費電力モードの移行範囲に関する情報のデータ構成例を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る利用者端末(PC)側の表示画面例を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施形態に係る機器(画像形成装置)側の表示画面例を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施形態に係る利用者端末(PC)側の基本処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第1の実施形態に係る管理装置側の基本処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第1の実施形態に係る消費電力制御機能の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第1の実施形態に係る機器側の基本処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第2の実施形態に係る消費電力制御機能の機能構成例を示す図である。
【図20】本発明の第2の実施形態に係る施設使用に関する情報のデータ構成例を示す図である。
【図21】本発明の第2の実施形態に消費電力制御機能の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第2の実施形態に係る機器使用予測機能の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第3の実施形態に係る消費電力制御機能の機能構成例を示す図である。
【図24】本発明の第3の実施形態に係る機器の使用履歴に関する情報のデータ構成例を示す図である。
【図25】本発明の第3の実施形態に係る消費電力制御機能の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図26】本発明の第3の実施形態に係る消耗部品交換タイミング予測機能の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図27】本発明の変形例に係る消費電力制御機能の機能構成例を示す図である。
【図28】本発明の変形例に係る電力管理システムのシステム構成例(その1)を示す図である。
【図29】本発明の変形例に係る電力管理システムのシステム構成例(その2)を示す図である。
【符号の説明】
【0201】
41 制御対象特定手段
42 制御手段
43 登録手段
44 表示手段
45 使用可能性予測手段
46 交換タイミング予測手段
51 利用者に関する情報
52 利用者のスケジュールに関する情報
53 施設使用に関する情報
54 機器の動作状況に関する情報
55 消費電力モードの移行範囲に関する情報
56 機器の使用履歴に関する情報
61〜63 利用者端末の表示画面
64 機器の表示画面
90 データ伝送路(例えばネットワークやUSBなど)
100 管理装置
101 入力装置(例えばキーボードやマウスなど)
102 表示装置(例えばCRTやLCDなど)
103 ドライブ装置
104 記録媒体(例えばCDやDVDなど)
105 ROM
106 RAM
107 CPU
108 インタフェース装置
109 HDD
200 機器(照明管理装置)
300 機器(空調設備)
400 機器(映像設備)
500 機器(画像形成装置)
600a〜c 利用者端末(PC)
700 スケジュール管理サーバ(PC)
800 モバイル端末(PDAなど)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の消費電力モードを有する機器の消費電力を制御する管理装置と、該管理装置の制御対象となる前記機器とが接続される電力管理システムであって、
施設使用に関係する一定期間の予定を示すスケジュール情報に基づいて、期間ごとに使用される前記機器を特定する制御対象特定手段と、
前記制御対象特定手段により特定された前記機器の前記消費電力モードを、前記スケジュール情報に基づいて所定のモードに切り替え、前記機器の消費電力を制御する制御手段とを有することを特徴とする電力管理システム。
【請求項2】
前記管理装置は、
前記スケジュール情報に関連付けられた前記施設使用に関する施設使用情報から前記機器の使用可能性を予測する使用可能性予測手段を有し、
前記制御手段は、
前記使用可能性予測手段による予測結果に応じて、前記消費電力モードを前記所定のモードに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項3】
前記使用可能性予測手段は、
前記施設使用情報から所定の文字列を抽出し、抽出した前記所定の文字列から、前記機器の使用可能性を予測することを特徴とする請求項2に記載の電力管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、
前記使用可能性予測手段は、
入力された前記所定の文字列から、前記機器の使用可能性を予測することを特徴とする請求項2又は3に記載の電力管理システム。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記スケジュール情報に示される予定に対応した前記機器の使用履歴を示す履歴情報に基づいて、前記消費電力モードの切り替え及び/又は制御開始・終了時刻の変更を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力管理システム。
【請求項6】
前記管理装置は、
前回の前記機器が有する消耗部品の交換時からの前記履歴情報に基づいて、前記消耗部品の交換タイミングを予測する交換タイミング予測手段を有し、
前記制御手段は、
前記交換タイミング予測手段による予測結果に応じて、前記機器の消費電力モードを、電源をオフするモードに切り替えることを特徴とする請求項5に記載の電力管理システム。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記機器が有する複数の消費電力モードにおいて、前記消費電力モードの移行範囲を示す消費電力モード移行範囲情報に基づいて、前記機器の段階的な前記消費電力モードへの移行を制御することを特徴とする請求項1、2、及び5のいずれか一項に記載の電力管理システム。
【請求項8】
前記管理装置は、
前記機器の電力管理に関する情報を表示する表示手段を有し、
前記表示手段は、
前記スケジュール情報に基づいて、所定の時点で消費電力が最小となる前記機器に関する情報を表示することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の電力管理システム。
【請求項9】
複数の消費電力モードを有する機器の消費電力を制御する管理装置であって、
施設使用に関する一定期間の予定を示すスケジュール情報に基づいて、期間ごとに使用される前記機器を特定する制御対象特定手段と、
前記制御対象特定手段により特定された前記機器の消費電力モードを、前記スケジュール情報に基づいて所定のモードに切り替え、前記機器の消費電力を制御する制御手段とを有することを特徴とする管理装置。
【請求項10】
当該管理装置は、
前記スケジュール情報に関連付けられた前記施設使用に関する施設使用目的情報から前記機器の使用可能性を予測する使用可能性予測手段を有し、
前記制御手段は、
前記使用可能性予測手段による予測結果に応じて、前記消費電力モードを前記所定のモードに切り替えることを特徴とする請求項9に記載の管理装置。
【請求項11】
前記使用可能性予測手段は、
前記施設使用情報から所定の文字列を抽出し、抽出した前記所定の文字列から、前記機器の使用可能性を予測することを特徴とする請求項10に記載の管理装置。
【請求項12】
当該管理装置は、
前記使用可能性予測手段は、
入力された前記所定の文字列から、前記機器の使用可能性を予測することを特徴とする請求項10又は11に記載の管理装置。
【請求項13】
前記制御手段は、
前記スケジュール情報に示される予定に対応した前記機器の使用履歴を示す履歴情報に基づいて、前記消費電力モードの切り替え及び/又は制御開始・終了時刻の変更を行うことを特徴とする請求項9又は10に記載の管理装置。
【請求項14】
当該管理装置は、
前回の前記機器が有する消耗部品の交換時からの前記履歴情報に基づいて、前記消耗部品の交換タイミングを予測する交換タイミング予測手段を有し、
前記制御手段は、
前記交換タイミング予測手段による予測結果に応じて、前記機器の消費電力モードを、電源をオフするモードに切り替えることを特徴とする請求項13に記載の管理装置。
【請求項15】
前記制御手段は、
前記機器が有する複数の消費電力モードにおいて、前記消費電力モードの移行範囲を示す消費電力モード移行範囲情報に基づいて、前記機器の段階的な前記消費電力モードへの移行を制御することを特徴とする請求項9、10、及び13のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項16】
当該管理装置は、
前記機器の電力管理に関する情報を表示する表示手段を有し、
前記表示手段は、
前記スケジュール情報に基づいて、所定の時点で消費電力が最小となる前記機器に関する情報を表示することを特徴とする請求項9ないし15のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項17】
複数の消費電力モードを有する機器の消費電力を制御する電力管理方法であって、
施設使用に関する一定期間の予定を示すスケジュール情報に基づいて、期間ごとに使用される前記機器を特定する制御対象特定手順と、
前記制御対象特定手順により特定された前記機器の消費電力モードを、前記スケジュール情報に基づいて所定のモードに切り替え、前記機器の消費電力を制御する制御手順とを有することを特徴とする電力管理方法。
【請求項18】
複数の消費電力モードを有する機器の消費電力を制御する電力管理プログラムであって、
コンピュータを、
施設使用に関する一定期間の予定を示すスケジュール情報に基づいて、期間ごとに使用される前記機器を特定する制御対象特定手段と、
前記制御対象特定手段により特定された前記機器の消費電力モードを、前記スケジュール情報に基づいて所定のモードに切り替え、前記機器の消費電力を制御する制御手段として機能させる電力管理プログラム。
【請求項19】
請求項18に記載の電力管理プログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2009−55716(P2009−55716A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220252(P2007−220252)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】