説明

電動ポンプ

【課題】コンパクトで、且つ、流体の吸引・吐出を適切に行う。誤動作をなくす。
【解決手段】内部が隔壁24により2つの収容空間S1、S2に区画されたケース2を備えている。収容空間S1には、インナーロータ3、アウターロータ4、回転子5及び固定子6が収容され、収容空間S2には、電装部品72が実装されたプリント基板7が収容されている。インナーロータ3、アウターロータ4及び隔壁24はアルミニウム合金材で形成されている。固定子6の磁界により回転子5、アウターロータ4、インナーロータ3を回転させることでオイルをポンプ室Prに吸引し、ポンプ室Prから吐出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インナーロータ及びアウターロータを備え、インナーロータ及びアウターロータの回転に伴って、流体をポンプ室に吸引するとともに、該ポンプ室から流体を吐出するように構成された電動ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特許文献1に開示されている電動ポンプは、所謂、内接式歯車ポンプであり、複数の外歯が外周に形成され、シャフトに回転可能に支持された平歯車状のインナーロータと、内周に内歯が上記インナーロータの歯数より多く形成され、該内歯と上記インナーロータとの間に容積可変のポンプ室を有するようにインナーロータとの回転軸心がずれた状態で噛み合う環状のアウターロータと、該アウターロータの外周に固定された円筒形の回転子と、該回転子の外周に沿って等間隔に配設された複数のコイルからなる固定子と、電装部品が上記回転子側に突出するように実装されたプリント基板と、内部が隔壁により2つの収容空間に区画されたケースとを備えている。そして、上記ケースの一方の収容空間には、上記インナーロータ、アウターロータ、回転子及び固定子が収容され、他方の収容空間には、プリント基板が収容されていて、上記固定子の磁界により回転子及びアウターロータを回転させてインナーロータを回転させることにより、上記ポンプ室の吸入ポート側の容積を拡大させて流体をポンプ室に吸引するとともに、吐出ポート側の容積を縮小させて当該ポンプ室から流体を吐出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−156081号公報(段落0025欄、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の電動ポンプでは、回転子に永久磁石が設けられているので、当該回転子周辺が鉄等の磁性体の金属で形成されていると、上記永久磁石により金属が磁性を帯びてしまい、これら磁性を帯びた金属が上記ポンプ室内を流れる流体中の金属の加工切粉屑等を引き寄せてポンプ室内の側面に付着させてしまい、ひいては、これら付着異物がポンプ室内の流体の流れを妨げてしまう。
【0005】
また、近年、この手の電動ポンプを設置する自動車等においては、高性能化を達成するために部品点数が増えたことに伴って内部構造が複雑になり、当該電動ポンプにおいても他部品との干渉を回避可能となるようにコンパクトなものが求められている。しかし、これを達成するために、プリント基板を回転子側に寄せてケースを回転軸方向にコンパクトにしようとすると、回転子の永久磁石にプリント基板が近づくこととなり、永久磁石の強い磁場によりプリント基板が誤動作してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンパクトで、且つ、流体の吸引・吐出を適切に行い、さらには、誤動作のない電動ポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、回転子周辺を非磁性体の金属にて形成したことを特徴とする。
【0008】
具体的には、本発明は、複数の外歯が外周に形成され、シャフトに回転可能に支持された平歯車状のインナーロータと、内周に内歯が上記インナーロータの歯数より多く形成され、該内歯と上記インナーロータの外歯との間に容積可変のポンプ室を有するようにインナーロータと回転軸心がずれた状態で噛み合う環状のアウターロータと、該アウターロータの外周に固定された回転子と、該回転子の外周に沿って等間隔に配設された複数のコイルからなる固定子と、電装部品が上記回転子に対応するように、且つ、該回転子側に突出するように実装されたプリント基板と、内部が隔壁により2つの収容空間に区画されたケースとを備え、該ケースの一方の収容空間には、上記インナーロータ、アウターロータ、回転子及び固定子が収容されるとともに、他方の収容空間には、上記プリント基板が収容され、上記固定子の磁界により上記回転子及びアウターロータを回転させてインナーロータを回転させることにより、流体をポンプ室に吸引するとともに、該ポンプ室から流体を吐出するように構成された電動ポンプを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0009】
すなわち、第1の発明では、少なくとも上記インナーロータ、アウターロータ及び隔壁が非磁性体の金属で形成されていることを特徴とする。
【0010】
第2の発明では、第1の発明において、少なくとも上記インナーロータ、アウターロータ及び隔壁がアルミニウム合金材で形成されていることを特徴とする。
【0011】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記回転子は、回転軸方向一端側に延出し、且つ、当該延出部分内側に延出端側に開放する凹状空間を有し、上記隔壁には、上記他方の収容空間に開放し上記電装部品を収容する収容凹部が形成された円筒形の突出部が上記回転子の凹状空間に挿入位置するように突設されていることを特徴とする。
【0012】
第4の発明では、第3の発明において、上記突出部の突出端面は、上記ケースの回転軸方向他端側の内面とで、上記インナーロータ及びアウターロータを摺動可能に回転軸方向両端側から挟み込んで上記シャフトの回転軸方向両端を軸支していることを特徴とする。
【0013】
第5の発明では、第3又は第4の発明において、上記突出部の外周面は、上記回転子の凹状空間内周面と摺接するようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明では、インナーロータ、アウターロータ及び隔壁が非磁性体で磁性を帯びないので、流体中に含まれる金属の加工切粉屑等がインナーロータ、アウターロータ及び隔壁に引き寄せられず、加工切粉等がポンプ室内の側壁に付着しなくなる。したがって、ポンプ室内の付着異物の蓄積を防止し、上記ポンプ室内の流体の流れを滑らかにすることができる。また、隔壁を非磁性体にすることで他方の収容空間の磁場が弱くなるので、プリント基板の誤動作をなくすとともにプリント基板を回転子側に寄せることができ、ケースの回転軸方向の長さが短くなって電動ポンプ全体をコンパクトにできる。
【0015】
第2の発明では、アルミニウム合金材でインナーロータ、アウターロータ及び隔壁を形成することによって、電動ポンプ全体を軽量化することができる。
【0016】
第3の発明では、プリント基板から回転子側に突出する電装部品をケースの隔壁に形成された収容凹部に収容することで、上記電装部品が回転子内方の凹状空間に位置するようになる。これにより、ケース内でプリント基板を回転子側にさらに寄せることができるようになり、ケースの回転軸方向の長さが短くなって電動ポンプ全体をコンパクトにできる。
【0017】
第4の発明では、インナーロータ及びアウターロータが、ケースの隔壁に形成した突出部の突出端面と、ケースの回転軸方向他端側の内面とに摺接しながら回転するので、インナーロータ及びアウターロータの回転が安定し、流体の吸引・吐出を適切に行うことができる。
【0018】
第5の発明では、上記回転子の凹状空間内周面が突出部の外周面と摺接しながら回転するので、上記回転子の回転が安定し、流体の吸引・吐出をさらに安定させながら行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る電動ポンプの断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る電動ポンプ1を示している。該電動ポンプ1は、例えば、自動車のパワーステアリング装置のアシスト用油圧パワーシリンダへの油圧の供給に用いられるものであり、被締結体Fに締結されている。上記電動ポンプ1は、略円筒形状のアルミニウム合金材で形成されたケース2を備えている。該ケース2は、被締結体F表面に沿って延びる板状ベース部材21と、一端が開放する第1凹部22aが形成された有底のケース本体22とを備えている。上記ケース2は、上記ベース部材21と上記ケース本体22とを締結ボルトBで被締結体Fに共締めすることにより、被締結体Fに固定されるようになっている。上記ケース本体22の第1凹部22開放側には、ケース本体22側に開放する第2凹部23aを有する略短筒状の蓋部材23が配設されていて、上記ケース本体22と上記蓋部材23との間に隔壁24を配設し、該隔壁24を介在させて上記ケース本体22及び蓋部材23を共締めすることにより上記蓋部材23がケース本体22に取り付けられるようになっている。これにより、上記隔壁24と上記ケース本体22との間に収容空間S1が、上記隔壁24と上記蓋部材23との間に収容空間S2がそれぞれ区画形成されるようになっている。
【0022】
上記収容空間S1には、ポンプとして機能するインナーロータ3及びアウターロータ4と、電動機として機能する回転子5及び固定子6とが収容されている。
【0023】
上記インナーロータ3は、アルミニウム合金材を加工形成したものであり、図2に示すように、5つの外歯3aが外周に等間隔に形成され、シャフトShに回転可能に支持された平歯車状をなしている。
【0024】
一方、上記アウターロータ4は、上記インナーロータ3と同様に、アルミニウム合金材を加工形成したものであり、図2に示すように、6つの内歯4aが内周に形成された環状をなし、その外周面には、回転中心を挟んで180°反対側に一対の嵌合凹部4bが形成されている。上記アウターロータ4は、上記内歯4aとインナーロータ3の外歯3aとの間に容積可変のポンプ室Prを有するように上記インナーロータ3と回転軸心がずれた状態で噛み合っている。
【0025】
上記回転子5は、図1及び図2に示すように、内側に位置する強磁性体の鉄製バックヨーク5aと外側に位置する永久磁石5bとが一体となった2層構造の円筒形状をなしている。上記回転子5は、上記アウターロータ4の外周に回転軸方向一端側に延出するように固定され、延出部分内側に延出端側に開放する凹状空間S3が形成されている。上記回転子5の内周面には、上記アウターロータ4の各嵌合凹部4bに対応する一対の嵌合凹部5cが形成されていて、上記嵌合凹部4b及び嵌合凹部5cにピンPを嵌合することにより、上記アウターロータ4に対して上記回転子5が回転軸周りに回転しないようになっている。
【0026】
上記固定子6は、上記回転子5の外周に沿うとともに上記ケース本体22の内周に沿うように等間隔に配設された複数のコイル6aから構成されている。上記複数のコイル6aを用いてインナーロータ3及びアウターロータ4の回転軸心を中心に一方側(図2に示すX側)に回転するように磁界をかけると、その磁界の回転と上記永久磁石5bとの吸引・反発作用に基づいてアウターロータ4が一方側に回転し、それに伴ってインナーロータ3もシャフトShを中心に一方側に回転するようになっている。
【0027】
上記隔壁24には、図1に示すように、上記収容空間S2側に開放する収容凹部24bが形成された円筒形の突出部24aが上記回転子5の凹状空間S3に挿入位置するように突設されていて、上記突出部24aの突出端面には、収容凹部24b側に窪む嵌合部24cが形成されている。そして、上記シャフトShの回転軸方向一端を上記嵌合部24cに圧着嵌合するとともに上記シャフトShの回転軸方向他端をケース本体22に圧着嵌合することにより、上記突出部24aの突出端面は、上記ケース2の回転軸方向他端側の内面とで、上記インナーロータ3及びアウターロータ4を摺動可能に回転軸方向両端側から挟み込んで上記シャフトShの回転軸方向両端を軸支するようになっている。そして、上記回転子5が回転することにより、上記突出部24aの外周面が、上記回転子5の凹状空間S3内周面と摺接するようになっている。
【0028】
上記収容空間S2には、図1に示すように、プリント基板7が収容されている。該プリント基板7は、上記蓋部材23の回転軸方向一端側の内面に沿うように配設された板状基材71と、上記回転子5に対応するように、且つ、該回転子5側に上記基材71から突出するように実装された複数の電装部品72とを備えていて、該複数の電装部品72の一部は、上記収容凹部24bに収容されている。したがって、プリント基板7から回転子5側に突出する電装部品72をケース2の隔壁24に形成された収容凹部24bに収容することで、上記電装部品72が回転子5内方の凹状空間S3に位置するようになる。これにより、ケース2内でプリント基板7を回転子5側に寄せることができるようになり、ケース2の回転軸方向の長さが短くなって電動ポンプ1全体をコンパクトにできる。また、隔壁24に形成された収容凹部24bに電装部品72を収容しても、非磁性体である隔壁24により収容凹部24b内の磁場が弱くなるので、プリント基板7の誤動作をなくすことができる。
【0029】
尚、本実施形態では、図1に示すように、複数の電装部品72のうち、最も回転子5側に突出している1つの電装部品72を収容凹部24bに収容するようにしているが、ケース2が回転軸方向にコンパクトになるのであればこの構成に限らず、例えば、複数の電装部品72が収容凹部24bに収容されるような構成であってもよい。
【0030】
上記ケース2の被締結体F側には、上記ポンプ室Prの容積が次第に大きくなる部分に連通し、外部からポンプ室Prまで流体としてのオイルが流入する吸入孔25と、上記ポンプ室Prの容積が次第に小さくなる部分に連通し、上記ポンプ室Prから外部までオイルが流出する吐出孔26とがケース2中央寄りに並設されている。上記吸入孔25のポンプ室Pr側には、図2に示すように、該ポンプ室Pr側に開口するとともに上記アウターロータ4の内周に沿って延びる吸入ポート25aが形成されている。また、吐出孔26のポンプ室Pr側には、ケース2の中心を挟んで上記吸入ポート25aに対応するように、ポンプ室Pr側に開口するとともに上記アウターロータ4の内周に沿って延びる吐出ポート26aが形成されている。そして、上記電動ポンプ1は、上記アウターロータ4を回転させて上記インナーロータ3を回転させることにより、上記ポンプ室Prの上記吸入ポート25a側の容積を拡大させてオイルをポンプ室Prに上記吸入ポート25aから吸入するとともに、上記吐出ポート26a側の容積を縮小させてオイルを上記ポンプ室Prから上記吐出ポート26aへと吐出するように構成されている。
【0031】
尚、ベース部材21の吸入孔25及び吐出孔26の周辺には、ベース部材21と被締結体Fとの間及びベース部材21とケース本体22との間のオイル漏れを防ぐために複数のOリング21aが取り付けられている。
【0032】
次に、上記電動ポンプ1の作動について説明する。
【0033】
まず、上記固定子6の複数のコイル6aに電流を流して磁界を発生させ、その磁界をインナーロータ3及びアウターロータ4の回転軸心を中心に一方側に回転させる。すると、その発生した磁界の回転と永久磁石5bとの吸引・反発作用により、アウターロータ4が一方側に回転する。該アウターロータ4が一方側に回転すると、当該アウターロータ4と噛み合うインナーロータ3がシャフトShを中心に回転する。
【0034】
そして、アウターロータ4とインナーロータ3とが噛み合いながら回転すると、アウターロータ4とインナーロータ3との間のポンプ室Prの吸入ポート25a側の容積が拡大して、吸入ポート25aからオイルが吸入され、吐出ポート26a側の容積が縮小してオイルが吐出ポート26aから吐出される。このとき、ケース2、インナーロータ3及びアウターロータ4が非磁性体であるアルミニウム合金材で形成されていて、上記ケース2、インナーロータ3及びアウターロータ4が上記永久磁石5bにより磁性を帯びないので、オイル中に含まれる金属の加工切粉屑等が上記ケース2、インナーロータ3及びアウターロータ4に引き寄せられず、加工切粉等がポンプ室Pr内の側壁に付着しなくなる。したがって、ポンプ室Pr内の付着異物の蓄積を防止し、上記ポンプ室Pr内のオイルの流れを滑らかにすることができる。
【0035】
また、隔壁24を非磁性体にすることで収容空間S2の磁場が弱くなるので、プリント基板7の誤動作をなくすとともにプリント基板7を回転子5側に寄せることができ、ケース2の回転軸方向の長さが短くなって電動ポンプ1全体をコンパクトにできる。
【0036】
また、インナーロータ3及びアウターロータ4は、ケース2の隔壁24に形成した突出部24aの突出端面と、ケース2の回転軸方向他端側の内面とに摺接しながら回転するので、インナーロータ3及びアウターロータ4の回転が安定し、オイルの吸引・吐出を適切に行うことができる。
【0037】
さらに、上記回転子5の凹状空間S3内周面が突出部24aの外周面と摺接しながら回転するので、上記回転子5の回転が安定し、オイルの吸引・吐出をさらに安定させながら行うことができる。
【0038】
それに加えて、上記ケース2はアルミニウム合金材にて形成されているので、上記電動ポンプ1全体を軽量化することができる。
【0039】
尚、本発明の実施形態では、オイルを電動ポンプ1で汲み上げる場合を説明したが、当該電動ポンプ1で扱う流体はオイルに限らず、例えば、水や空気等であってもよい。
【0040】
また、本発明の実施形態では、ケース2全てをアルミニウム合金材にて形成しているが、ポンプ室Prに面するとともに上記回転子5と電装部品72とを区画する隔壁24と、ポンプ室Pを有するインナーロータ3及びアウターロータ4とを少なくともアルミニウム合金材にて形成すればよい。
【0041】
さらに、本発明の実施形態では、インナーロータ3の外歯3aを5つとし、アウターロータ4の内歯4aを6つとしたが、インナーロータ3の歯数よりアウターロータ4の歯数の方が多く形成されていればよく、上記数量に限らない。
【0042】
それに加えて、上記アウターロータ4に対して上記回転子5が回転軸周りに回転しないように2つのピンPを用いているが、これに限らず、例えば、回転止めのために周方向に複数のピンPを用意してもよい。また、アウターロータ4に対する回転子5の回転止めを互いに接合することにより実現してもよい。
【0043】
また、本発明の実施形態では、非磁性体の金属としてアルミニウム合金材を用いたが、これに限らず、その他の非磁性体の金属を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、例えば、自動車のパワーステアリング装置のアシスト用油圧パワーシリンダへの油圧の供給に用いられる電動ポンプに適している。
【符号の説明】
【0045】
1 電動ポンプ
2 ケース
3 インナーロータ
3a 外歯
4 アウターロータ
4a 内歯
5 回転子
6 固定子
6a コイル
7 プリント基板
24 隔壁
24a 突出部
24b 収容凹部
72 電装部品
S1、S2 収容空間
S3 凹状空間
Pr ポンプ室
F 被締結体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の外歯が外周に形成され、シャフトに回転可能に支持された平歯車状のインナーロータと、
内周に内歯が上記インナーロータの歯数より多く形成され、該内歯と上記インナーロータの外歯との間に容積可変のポンプ室を有するようにインナーロータと回転軸心がずれた状態で噛み合う環状のアウターロータと、
該アウターロータの外周に固定された回転子と、
該回転子の外周に沿って等間隔に配設された複数のコイルからなる固定子と、
電装部品が上記回転子に対応するように、且つ、該回転子側に突出するように実装されたプリント基板と、
内部が隔壁により2つの収容空間に区画されたケースとを備え、
該ケースの一方の収容空間には、上記インナーロータ、アウターロータ、回転子及び固定子が収容されるとともに、他方の収容空間には、上記プリント基板が収容され、
上記固定子の磁界により上記回転子及びアウターロータを回転させてインナーロータを回転させることにより、流体をポンプ室に吸引するとともに、該ポンプ室から流体を吐出するように構成された電動ポンプであって、
少なくとも上記インナーロータ、アウターロータ及び隔壁が非磁性体の金属で形成されていることを特徴とする電動ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の電動ポンプであって、
少なくとも上記インナーロータ、アウターロータ及び隔壁がアルミニウム合金材で形成されていることを特徴とする電動ポンプ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電動ポンプであって、
上記回転子は、回転軸方向一端側に延出し、且つ、当該延出部分内側に延出端側に開放する凹状空間を有し、
上記隔壁には、上記他方の収容空間に開放し上記電装部品を収容する収容凹部が形成された円筒形の突出部が上記回転子の凹状空間に挿入位置するように突設されていることを特徴とする電動ポンプ。
【請求項4】
請求項3に記載の電動ポンプであって、
上記突出部の突出端面は、上記ケースの回転軸方向他端側の内面とで、上記インナーロータ及びアウターロータを摺動可能に回転軸方向両端側から挟み込んで上記シャフトの回転軸方向両端を軸支していることを特徴とする電動ポンプ。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の電動ポンプであって、
上記突出部の外周面は、上記回転子の凹状空間内周面と摺接するようになっていることを特徴とする電動ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−41868(P2012−41868A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183739(P2010−183739)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(391003668)トーヨーエイテック株式会社 (145)
【Fターム(参考)】