説明

電動車両

【課題】運転者が搭乗者を乗せて走行する電動車両において、搭乗者の前方視界を確保すること。
【解決手段】電動で走行可能な電動車両100であって、運転席2を支持する車体フレーム1と、車体フレーム1を支持する後輪11と、後輪11に駆動力を付与する電動モータ15と、後輪11の前方に取り付けられ、車体フレーム1を支持する一対の前輪21と、運転席2の前方かつ前輪21と後輪11との間に配設され、搭乗者Yが搭乗可能な搭乗席3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータによって駆動される電動車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、運転者が搭乗者を乗せて走行可能な複数人乗りの自転車型の車両が用いられている。このような車両として、例えば、運転者の後方に搭乗者が搭乗可能な三輪自転車であるベロタクシー(Velotaxi)が知られている。ベロタクシーは、単に搭乗者の移動に用いられるほか、搭乗者が観光をするために用いられる場合がある。
【0003】
特許文献1には、運転者が搭乗者を乗せて走行可能な電動アシスト三輪自転車が開示されている。この電動アシスト三輪自転車では、運転者が乗るシートの後方に後部シートが設けられ、この後部シートに搭乗者が搭乗可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−8005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の電動アシスト三輪自転車では、運転者が搭乗者の前方に位置するため、搭乗者からの前方視界を確保することが困難であった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、運転者が搭乗者を乗せて走行する電動車両において、搭乗者の前方視界を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電動で走行可能な電動車両であって、運転席を支持する車体フレームと、前記車体フレームを支持する後輪と、前記後輪に駆動力を付与する電動モータと、前記後輪の前方に取り付けられ、前記車体フレームを支持する一対の前輪と、前記運転席の前方かつ前記前輪と前記後輪との間に配設され、搭乗者が搭乗可能な搭乗席と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、運転席の前方に搭乗席が設けられるため、走行中に運転者が搭乗者の視界に入ることがなく、搭乗者の前方視界を確保できる。なお、搭乗席は前輪と後輪との間に配設されるため、前輪や後輪の影響を受けずに搭乗席の高さを低く抑えることができる。よって、搭乗者が運転者の前方視界を妨げることもない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る電動車両の側面図である。
【図2】図1における正面図である。
【図3】図1における平面図である。
【図4】図1における底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る電動車両100について説明する。
【0011】
まず、図1から図4を参照して、電動車両100の構成について説明する。
【0012】
電動車両100は、運転者Xと搭乗者Yとがタンデムに搭乗可能な前輪二輪の三輪車両である。電動車両100は、電動モータ15の回転による駆動力と、運転者Xが脚で回転ペダル16を漕ぐことによって付与されるアシスト力とによって走行するものである。
【0013】
電動車両100は、運転席2を支持する車体フレーム1と、車体フレーム1を支持する単一の後輪11と、後輪11の前方に取り付けられ車体フレーム1を支持する一対の前輪21と、運転席2の前方かつ前輪21と後輪11との間に配設され搭乗者Yが搭乗可能な搭乗席3とを備える。
【0014】
車体フレーム1は、丸形や角形のパイプ材が組み合わされて形成されるフレームである。車体フレーム1は、側面視で略S字状になるように形成され、前端1aから後端1bに向かって徐々に高さが高くなる。
【0015】
車体フレーム1の前端1aは、後述する懸架装置22を介して前輪21を取り付けるために、略直方体形状に形成される。車体フレーム1のうち最も高さの高い後端1bには、運転者Xが着座可能なサドル型の運転席2が設けられる。
【0016】
後輪11は、車体フレーム1の前後方向に向かって転舵不能に設けられる駆動輪である。後輪11は、車体フレーム1における後端1bの下方に設けられ、車体フレーム1の幅方向略中央に配設される。後輪11は、車体フレーム1に対して上下運動可能に固定される。
【0017】
前輪21は、車体フレーム1に対して転舵可能に設けられる操舵輪である。一対の前輪21は、車体フレーム1における前端1aの左右に各々取り付けられ、車体フレーム1の幅方向に間隔をあけて配設される。前輪21は、車体フレーム1に対して上下運動可能に固定される。
【0018】
運転席2は、後輪11の上方に位置するように車体フレーム1の後端1b上部に設けられる。運転者Xは、車体フレーム1を跨いだ姿勢で運転席2に着座する。
【0019】
搭乗席3は、運転席2の前方に配設され、車体フレーム1上に取り付けられる。搭乗席3には、搭乗者Yが搭乗可能である。電動車両100では、搭乗者Yは、搭乗席3の横方向から乗り込んで着座する。
【0020】
搭乗席3は、運転席2の前方に設けられるため、走行中に運転者Xが搭乗者Yの視界に入ることがない。よって、搭乗席3を運転席2の前方に配設することで、搭乗者Yの前方視界を確保できる。
【0021】
また、搭乗席3は、前輪21と後輪11との間に設けられる。そのため、前輪21や後輪11の影響を受けずに、搭乗席3の高さを低く抑えることが可能である。
【0022】
なお、搭乗席3を車体フレーム1の幅方向に複数並べて配置したり、前後方向に並べて複数配置したりしてもよい。
【0023】
電動車両100は、前輪21を車体フレーム1に懸架する懸架装置22と、後輪11を車体フレーム1に懸架する懸架装置12とを備える。
【0024】
前輪21を懸架する懸架装置22は、図2に示すように、車体フレーム1に前輪21を上下運動可能に支持する四本のサスペンションアーム23と、車体フレーム1と前輪21との間に設けられるスプリングダンパ24とを備えるダブルウィッシュボーン形式のサスペンションである。
【0025】
サスペンションアーム23は、一つの前輪21に対して四本ずつ設けられる。サスペンションアーム23は、各々の両端部が車体フレーム1と前輪21とに水平軸まわりに回動可能に連結され、車体フレーム1に対して前輪21を平行移動可能に支持する平行リンク機構を構成する。
【0026】
これにより、車体フレーム1に対して前輪21が昇降しても、前輪21の姿勢が変化せず、後輪11と前輪21との位置関係(アライメント)が一定に保たれる。よって、前輪21が昇降しても、後輪11と前輪21との一方が路面から浮くことが抑制される。
【0027】
スプリングダンパ24は、路面不整などによる前輪21の上下振動を吸収して緩和し、路面からの振動が車体フレーム1に伝達されることを抑制するものである。スプリングダンパ24は、コイルスプリング24aとダンパ24bとを備え、前輪21が昇降するのに伴って伸縮する。
【0028】
コイルスプリング24aは、そのバネ力によって前輪21が受ける荷重を支持し、前輪21が昇降するのに伴って伸縮する。
【0029】
ダンパ24bは、伸縮作動するのに伴ってこれに充填された作動油が減衰弁(図示省略)を通過し、前輪21の振動を抑制する減衰力を発生する。
【0030】
なお、懸架装置22は、上述の構成に限らず、車体フレーム1に対する前輪21の姿勢が保たれるならば、他の構成であってもよい。
【0031】
後輪11を懸架する懸架装置12は、図1に示すように、前端13aが車体フレーム1に回動自在に固定されるスイングアーム13と、車体フレーム1とスイングアーム13との間に設けられるスプリングダンパ14とを備えるスイングアーム形式のサスペンションである。
【0032】
スイングアーム13は、前端13aが車体フレーム1に固定され、後端13bが上下に回動可能に設けられる。スイングアーム13の後端13bには、後輪11が回転可能に固定される。スイングアーム13は、図4に示すように、後端13bに向かって二つに枝分かれし、後輪11の両側面に各々延設される。
【0033】
スプリングダンパ14は、路面不整などによる後輪11の上下振動を吸収して緩和し、路面からの振動が車体フレーム1に伝達されることを抑制するものである。スプリングダンパ14は、スプリングダンパ24と同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。
【0034】
電動車両100は、搭乗席3に搭乗した搭乗者Yが脚を乗せることが可能なフットレスト9を備える。
【0035】
フットレスト9は、図3に示すように、搭乗席3の前方に略水平に設けられる平板である。フットレスト9は、前輪21の前端と比較して後方に配設される。これにより、電動車両100が前方の障害物などに接触した場合であっても、前輪21が先に障害物に接触するため、搭乗者Yの脚が障害物に接触することを防止できる。
【0036】
また、フットレスト9は、前輪21を懸架する懸架装置22の後方に配設される。これにより、前輪21や懸架装置22の高さの影響を受けずに、フットレスト9の位置を低くできるため、搭乗者Yの着座位置を低くすることが可能である。よって、搭乗者Yの着座位置が高くならないため、搭乗者Yが運転者Xの視界を妨げることはない。また、搭乗者Yの着座位置を低くすることによって、走行中の安定性が向上する。
【0037】
電動車両100は、運転者Xによって操作され前輪21を操舵するための操舵ハンドル25と、操舵ハンドル25と一対の前輪21とを連結する操舵ロッド26と、操舵ロッド26によって回転する回転板27と、回転板27と前輪21とを連結するタイロッド28とを備える。また、電動車両100は、運転者によって操作可能に設けられる操作部31と、操作部31の操作に応じて電動モータ15に駆動力を指令するコントローラ30と、後輪11に駆動力を付与する電動モータ15とを備える。
【0038】
操舵ハンドル25は、搭乗席3の後方かつ運転席2の前方に取り付けられ、運転者Xが運転中に手で把持可能な棒状のハンドルである。操舵ハンドル25には、操作部31が取り付けられる。また、操舵ハンドル25には、前輪21及び後輪11に取り付けられるブレーキ装置(図示省略)を操作するためのブレーキレバー(図示省略)が取り付けられる。このように、操舵ハンドル25に操作部31とブレーキレバーとが取り付けられるため、運転者Xは、操舵ハンドル25を常に把持した状態で電動車両100を運転することが可能である。
【0039】
なお、操舵ハンドル25に、電力を用いて運転者Xの操舵力を軽減するパワーステアリング装置を設けてもよい。
【0040】
操舵ロッド26は、操舵ハンドル25の操作を前輪21に伝達するロッドである。操舵ロッド26は、互いに平行に一対設けられ、車体フレーム1の下を通過する。よって、操舵ロッド26が、車体フレーム1上部の搭乗席3に着座する搭乗者Yと干渉することが防止される。
【0041】
回転板27は、図4に示すように、その中心が車体フレーム1に回転可能に支持される環状の板である。回転板27には、その周方向に間隔をあけて一対の操舵ロッド26が連結される。操舵ハンドル25が操作されると、一方の操舵ロッド26が前方へ移動し、他方の操舵ロッド26が後方へ移動する。これにより、操舵ハンドル25の操作に応じて回転板27が回転する。
【0042】
タイロッド28は、各々の前輪21に対して互いに平行に二本ずつ設けられる。タイロッド28の一端は回転板27に連結され、他端は前輪21に連結される。各々の前輪21に連結される一対のタイロッド28は、周方向に間隔をあけて回転板27に連結される。回転板27が回転すると、一方のタイロッド28が外側へ移動し、他方のタイロッド28が内側へ移動する。これにより、操舵ハンドル25の操作に応じて前輪21が操舵されることとなる。
【0043】
操作部31は、ボリュームスイッチのように無段階に操作量を調整可能なスイッチである。操作部31は、コントローラ30に電気的に接続され、その操作量に応じた電気信号をコントローラ30に送信する。操作部31は、運転者Xが操舵ハンドル25から手を離さないで操作できるように操舵ハンドル25に取り付けられる。
【0044】
コントローラ30は、電源装置や他の電子機器(図示省略)とともに車体フレーム1に搭載される。コントローラ30は、電動車両100の制御を行うものであり、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びI/Oインターフェース(入出力インターフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。RAMはCPUの処理におけるデータを記憶し、ROMはCPUの制御プログラム等を予め記憶し、I/Oインターフェースは接続された機器との情報の入出力に使用される。CPUやRAMなどをROMに格納されたプログラムに従って動作させることによって電動車両100の制御が実現される。
【0045】
コントローラ30は、操作部31の操作量に応じた駆動力を電動モータ15に発生させる制御を行い、電動車両100を前進または後退させる。コントローラ30は、操作部31が順方向に操作されると、電動車両100を前進させる駆動力を発生させ、操作部31が逆方向に操作されると、電動車両100を後退させる駆動力を発生させる。
【0046】
また、コントローラ30は、操作部31の操作量が大きくなるほど、電動モータ15から後輪11に付与される駆動力が大きくなるように制御を行う。
【0047】
電動モータ15は、コントローラ30に電気的に接続され、コントローラ30から入力される電気信号に応じて回転する。電動モータ15は、後輪11に外周から接触して駆動力を付与するものである。この他にも、後輪11の中心から回転力を付与するインホイールモータであってもよい。
【0048】
電動車両100は、前後に回転可能に設けられ運転者Xの脚によるアシスト力を後輪11に付与可能な回転ペダル16を更に備える。
【0049】
回転ペダル16は、スイングアーム13に取り付けられ、車体フレーム1に回転可能に固定される。回転ペダル16は、運転者Xによって漕がれ、チェーンやベルトなどの伝達部材(図示省略)を介して、後輪11にアシスト力を伝達する。
【0050】
回転ペダル16は、スイングアーム13に回動自在に固定される。そのため、回転ペダル16の中心と後輪11の中心との間の距離は、スイングアーム13がスイングしても変化しない。よって、スイングアーム13のスイングによって伝達部材が緩んだり外れたりするおそれはない。
【0051】
次に、電動車両100の作用について説明する。
【0052】
運転者Xが運転席2に着座し、操作部31を操作すると、電動車両100は、走行を開始する。このとき、操作部31の操作方向によって、電動車両100は、前進または後退することとなる。また、操作部31の操作量に応じて、電動モータ15から付与される駆動力の大きさが調整されるため、電動車両100の速度が調整される。
【0053】
搭乗者Yが搭乗席3に搭乗した状態で急な登り坂を走行するような場合には、電動モータ15の駆動力のみでは出力が不足する場合がある。このような場合には、運転者Xは、回転ペダル16を脚で漕いで、後輪11にアシスト力を付与することができる。これにより、電動車両100は、急な上り坂を走行することが可能となる。このように、運転者Xは、停止状態から発進する場合や加速が必要な場合など大きな駆動力を必要とするときに、回転ペダル16を漕いで、後輪11にアシスト力を付与することで、電動モータ15の駆動力を補うことができる。
【0054】
換言すれば、運転者Xが漕いでアシスト力を付与するための回転ペダル16が設けられることによって、電動モータ15の容量を小さくすることができるため、電動車両100の小型軽量化が可能となる。
【0055】
以上の実施の形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0056】
運転席2の前方に搭乗席3が設けられるため、走行中に運転者Xが搭乗者Yの視界に入ることがなく、搭乗者Yの前方視界を確保できる。なお、搭乗席3は前輪21と後輪11との間に配設されるため、前輪21や後輪11の影響を受けずに搭乗席3の高さを低く抑えることができる。よって、搭乗者Yが運転者Xの前方視界を妨げることもない。
【0057】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明に係る電動車両は、運転者が搭乗者を乗せて走行する車両として、移動用だけでなく観光用にも利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
100 電動車両
1 車体フレーム
2 運転席
3 搭乗席
9 フットレスト
11 後輪
12 懸架装置
15 電動モータ
16 回転ペダル
21 前輪
22 懸架装置
25 操舵ハンドル
26 操舵ロッド
30 コントローラ
31 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動で走行可能な電動車両であって、
運転席を支持する車体フレームと、
前記車体フレームを支持する後輪と、
前記後輪に駆動力を付与する電動モータと、
前記後輪の前方に取り付けられ、前記車体フレームを支持する一対の前輪と、
前記運転席の前方かつ前記前輪と前記後輪との間に配設され、搭乗者が搭乗可能な搭乗席と、を備えることを特徴とする電動車両。
【請求項2】
前記搭乗席に搭乗した搭乗者が脚を乗せることが可能なフットレストを更に備え、
前記フットレストは、前記前輪の前端と比較して後方に配設されることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
前記前輪を前記車体フレームに懸架する懸架装置を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
【請求項4】
前記搭乗席に搭乗した搭乗者が脚を乗せることが可能なフットレストを更に備え、
前記フットレストは、前記懸架装置の後方に配設されることを特徴とする請求項3に記載の電動車両。
【請求項5】
運転者によって操作され、前記前輪を操舵するための操舵ハンドルを備え、
前記車体フレームの下を通過して前記操舵ハンドルの操作を前記前輪に伝達する操舵ロッドと、を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の電動車両。
【請求項6】
運転者によって操作可能に設けられる操作部と、
前記操作部の操作に応じて前記電動モータに駆動力を指令するコントローラと、を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の電動車両。
【請求項7】
前後に回転可能に設けられ、運転者の脚によるアシスト力を前記後輪に付与可能な回転ペダルを更に備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の電動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−171530(P2012−171530A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36902(P2011−36902)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】