説明

電圧制御装置

【課題】バッテリの仕様電圧にかかわらず技術面・コスト面での負担を軽減させることができる電圧制御装置を提供すること。
【解決手段】直流電源部2から負荷3に供給される電圧を制御する電圧制御装置1であって、直流電源部2からの入力電圧を降下、整流させた後、安定化させた所定の電圧を出力する電圧安定化部11と、直流電源部2からの入力電圧が入力されるとともに、負荷3を駆動する駆動電圧を出力する駆動部13と、電圧安定化部11からの所定の電圧が入力されるとともに、駆動部13から負荷3に向けて出力される駆動電圧が実質的に負荷3の仕様電圧となるように、駆動部13をデューティ制御する制御部12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電源から負荷に供給される電圧を制御する電圧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直流電源(バッテリ等)から負荷(ソレノイド等)に供給される電圧は、ドライバ(トランジスタ等)によりON/OFF制御することが可能である。直流電源の電圧(例えば、24V)が負荷やドライバの使用可能な電圧(例えば、12V)を超える場合、直流電源の電圧を負荷やドライバに印加すると耐圧不足で焼損のおそれがあることから、直流電源の電圧を降圧する降圧型のDC−DCコンバータ(例えば、特許文献1参照)が用いられる。DC−DCコンバータは、一般的にドライバを制御する電子制御装置の外部に設けられるが(例えば、特許文献2参照)、電子制御装置の内部に設けることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−248242号公報
【特許文献2】特開2009−284668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両用のバッテリは国(国内、外国)、車種(大型、小型など)によって電圧(12V、24V)が異なる。そのため、例えば、DC−DCコンバータを用いない場合には、バッテリの仕様電圧に応じて負荷、ドライバ、及び電子制御装置の仕様(12V仕様、24V仕様)を選択する必要がある。また、24V仕様のバッテリを用いて電圧12V仕様の負荷、ドライバ、電子制御装置を用いる場合には、降圧型のDC−DCコンバータを追加する必要がある。つまり、従来の電圧制御装置は、バッテリの仕様電圧の変更に柔軟に対応することができず、バッテリの仕様電圧に応じて設計しなければならないので、技術面・コスト面での負担が大きくなっていた。
【0005】
本発明の主な課題は、バッテリの仕様電圧にかかわらず技術面・コスト面での負担を軽減させることができる電圧制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一視点においては、直流電源部から負荷に供給される電圧を制御する電圧制御装置であって、前記直流電源部からの入力電圧を降下、整流させた後、安定化させた所定の電圧を出力する電圧安定化部と、前記直流電源部からの入力電圧が入力されるとともに、前記負荷を駆動する駆動電圧を出力する駆動部と、前記電圧安定化部からの前記所定の電圧が入力されるとともに、前記駆動部から前記負荷に向けて出力される前記駆動電圧が実質的に前記負荷の仕様電圧となるように、前記駆動部をデューティ制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の前記電圧制御装置において、前記制御部は、前記負荷の作動を検出する負荷作動検出部からの検出信号が入力されるとともに、前記検出信号がON状態を示したときにデューティ比を切り替えて、前記駆動電圧が実質的に前記負荷の仕様電圧よりも低い作動維持電圧となるように、前記駆動部をデューティ制御することが好ましい。
【0008】
本発明の前記電圧制御装置において、前記電圧安定化部の出力電圧は、前記制御部の仕様電圧に対応し、かつ、前記直流電源部の仕様電圧以下であり、前記駆動部の仕様電圧は、前記直流電源部の仕様電圧以上であり、かつ、前記負荷の仕様電圧以下であることが好ましい。
【0009】
本発明の前記電圧制御装置において、前記負荷と並列に電気的に接続されるとともに、異常電圧から前記負荷を保護する保護回路部を備えることが好ましい。
【0010】
本発明の前記電圧制御装置において、前記制御部は、予め前記直流電源部の仕様電圧に対応するように設定された所定のプログラムを実行することで動作することが好ましい。
【0011】
本発明の前記電圧制御装置において、前記制御部は、前記直流電源部の出力電圧を検出する電圧検出部からの電圧検出信号が入力されるとともに、前記電圧検出信号に応じてデューティ比を選択又は変更するように設定された所定のプログラムを実行することで動作することが好ましい。
【0012】
本発明の前記電圧制御装置において、前記制御部は、前記電圧検出信号に応じて、前記直流電源部の出力電圧が下降するにしたがい連続的又は段階的にデューティ比を高くし、前記直流電源部の出力電圧が上昇するにしたがい連続的又は段階的にデューティ比を低くするように制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、直流電源部の仕様電圧が変わったとしても、負荷、電圧安定化部、制御部、及び駆動部の仕様電圧を変更する必要がなく、直流電源部の仕様電圧の変更に柔軟に対応することができ、技術面・コスト面での負担を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1に係る電圧制御装置を含むシステムの構成を模式的に示したブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係る電圧制御装置を含むシステムの一例を模式的に示した回路図である。
【図3】本発明の実施例1に係る電圧制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の実施例1に係る電圧制御装置における12V仕様の直流電源部の場合のデューティ制御する際の切換えを説明するための模式図である。
【図5】本発明の実施例1に係る電圧制御装置における24V仕様の直流電源部の場合のデューティ制御する際の切換えを説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施例1に係る電圧制御装置を含むシステムの構成を模式的に示したブロック図である。
【図7】本発明の実施例1に係る電圧制御装置を含むシステムの一例を模式的に示した回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に係る電圧制御装置では、直流電源部(図1の2)から負荷(図1の3)に供給される電圧を制御する電圧制御装置(図1の1)であって、前記直流電源部からの入力電圧を降下、整流させた後、安定化させた所定の電圧を出力する電圧安定化部(図1の11)と、前記直流電源部からの入力電圧が入力されるとともに、前記負荷を駆動する駆動電圧を出力する駆動部(図1の13)と、前記電圧安定化部からの前記所定の電圧が入力されるとともに、前記駆動部から前記負荷に向けて出力される前記駆動電圧が実質的に前記負荷の仕様電圧となるように、前記駆動部をデューティ制御する制御部(図1の12)と、を備える。
【0016】
なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
【実施例1】
【0017】
本発明の実施例1に係る電源制御装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係る電圧制御装置を含むシステムの構成を模式的に示したブロック図である。図2は、本発明の実施例1に係る電圧制御装置を含むシステムの一例を模式的に示した回路図である。
【0018】
電圧制御装置1は、直流電源部2から負荷3に供給される電圧を制御する電子制御装置である。電圧制御装置1は、直流電源部2と負荷3との間に設けられた駆動部13をデューティ制御(ある期間に占めるON時間の割合を制御)することにより負荷3に供給される電圧を制御する。電圧制御装置1は、例えば、自動変速機(油圧回路におけるソレノイドバルブ)を制御する電子制御装置とすることができる。電圧制御装置1には、負荷3の作動を検出する負荷作動検出部4からの検出信号が入力される。電圧制御装置1は、主な構成部として、電圧安定化部11と、制御部12と、駆動部13と、保護回路部14と、を有する
【0019】
ここで、直流電源部2は、直流電圧を出力する部分(装置)である。直流電源部2の仕様電圧は、負荷3及び制御部12の仕様電圧(例えば、12V)以上であり、電圧安定化部11の出力電圧(例えば、12V)以上であり、かつ、駆動部13の仕様電圧(例えば、24V)以下である。直流電源部2には、一次電池、二次電池、燃料電池、生物電池等の化学電池、太陽電池、熱電池、原子力電池等の物理電池を用いることができ、例えば、24V仕様又は12V仕様の二次電池を用いることができる。直流電源部2の正極は、電圧制御装置1における入力端子(電圧安定化部11の入力端子、駆動部13の入力端子)と電気的に接続されている。直流電源部2の負極は、電圧制御装置1におけるグランド端子(電圧安定化部11のグランド端子、制御部12のグランド端子、保護回路部14のグランド端子)と電気的に接続されており、負荷3のグランド端子と電気的に接続(図1のように電圧制御装置1を介して電気的に接続可)されている。
【0020】
負荷3は、電力を消費する部分(素子、回路、装置)である。負荷3の仕様電圧は、駆動部13の仕様電圧以下である。負荷3には、インダクタ、抵抗等を用いることができ、例えば、自動変速機の油圧回路におけるソレノイドバルブ(インダクタ)を用いることができる。負荷3は、一端が電圧制御装置1における出力端子(駆動部13の出力端子)と電気的に接続され、他端が直流電源部2の負極と電気的に接続(図のように電圧制御装置1を介して電気的に接続でも可)されている。負荷3は、保護回路部14と並列に接続されている。負荷3の作動は、負荷作動検出部4によって直接又は間接的に検出される。
【0021】
負荷作動検出部4は、負荷3の作動を直接又は間接的に検出する部分である。負荷作動検出部4の検出信号は、制御部12に向けて出力される。負荷作動検出部4には、例えば、負荷3が自動変速機の油圧回路におけるソレノイドバルブ(インダクタ)である場合、ソレノイドバルブのロッドのストロークを検出するストロークセンサ、ソレノイドバルブの作動によって油圧回路における油路の油圧の変化を検出する油圧スイッチ等を用いることができる。また、負荷作動検出部4には、自動変速機の入力軸回転数センサ及び出力軸回転数センサを用いることができ、この場合には、制御部12にて入力軸回転数と出力軸回転数との回転比を演算し、制御部12にて当該回転比が変化したか否かを判定することにより負荷3の作動を検出することができる。
【0022】
電圧安定化部11は、直流電源部2からの入力電圧を降下(降圧)、整流させた後、制御部12の仕様電圧に安定化させた電圧を出力する部分(素子、回路、装置)である。電圧安定化部11は、直流電源部2の正極からの電圧が入力される入力端子を有し、入力された電圧を制御部12の仕様電圧に安定化させて制御部12に向けて出力する出力端子を有し、入力電圧と出力電圧の差を直流電源部2の負極に帰還するグランド端子を有する。電圧安定化部11には、例えば、三端子レギュレータを用いることができる(図2参照)。電圧安定化部11の出力電圧は、制御部12の仕様電圧(例えば12V)に対応し、直流電源部2の仕様電圧(例えば、24V)以下に設定されている。
【0023】
制御部12は、負荷3の作動を制御するコンピュータである。制御部12は、所定のプログラムを実行することで動作する。なお、所定のプログラムは、直流電源部2の仕様電圧に対応するように設定される。制御部12は、電圧安定化部11によって安定化された電圧(例えば、12V)が入力される入力端子を有し、駆動部13をデューティ制御する制御信号を出力する出力端子を有し、直流電源部2の負極に電気的に接続されるグランド端子を有する。制御部12は、負荷作動検出部4からの検出信号が入力される信号入力端子を有する。制御部12は、例えば、負荷3が自動変速機の油圧回路におけるソレノイドバルブ(インダクタ)である場合、変速線マップを記憶している。制御部12は、変速線マップに基づいて、車両の状態(車速、アクセル開度等)に応じて、負荷3の作動が必要になると、負荷3に係る作動開示指示を出す。制御部12は、負荷3に係る作動開示指示を出すと、駆動部13から負荷3に向けて出力される駆動電圧が実質的に負荷3の仕様電圧(例えば、12V)となるように、駆動部13のデューティ制御を開始する。制御部12は、駆動部13のデューティ制御を開始した後、負荷作動検出部4からの検出信号がON状態(負荷3が作動状態)を示したときに、デューティ比を切り替えて、駆動部13から負荷3に向けて出力される駆動電圧が実質的に負荷3の作動維持電圧(例えば、9.6V)となるように、駆動部13をデューティ制御する。制御部12は、負荷3を制御しているときに、変速線マップに基づいて、車両の状態(車速、アクセル開度等)に応じて、負荷3の作動が不要になると、負荷3に係る作動終了指示を出す。制御部12は、負荷3に係る作動終了指示を出すと、負荷3がOFFとなるように制御する。制御部12の仕様電圧は、電圧安定化部11の仕様電圧(出力電圧;12V)に対応する。
【0024】
駆動部13は、制御部12のデューティ制御に応じて負荷3を駆動する部分である。駆動部13は、直流電源部2の正極からの電圧が入力される入力端子を有し、制御部12の出力端子からの制御信号が入力される信号端子を有し、入力された電圧を制御信号に応じてデューティ制御して出力する出力端子を有する。駆動部13の仕様電圧は、直流電源部2の仕様電圧以上であり、負荷3の仕様電圧以下である。駆動部13は、入力端子と出力端子との間においてnpn型トランジスタとダイオードとが並列に接続されたものを用いることができる(図2参照)。
【0025】
保護回路部14は、異常電圧から負荷3を保護する回路部である。保護回路部14は、駆動部13の出力端子と直流電源部2の負極との間において負荷3と並列に電気的に接続されている。保護回路部14には、例えば、ツェナーダイオードとショットキーバリアダイオードとが直列に接続されたものを用いることができる(図2参照)。
【0026】
次に、本発明の実施例1に係る電源制御装置の動作について図面を用いて説明する。図3は、本発明の実施例1に係る電圧制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。図4は、本発明の実施例1に係る電圧制御装置における12V仕様の直流電源部の場合のデューティ制御する際の切換えを説明するための模式図である。図5は、本発明の実施例1に係る電圧制御装置における24V仕様の直流電源部の場合のデューティ制御する際の切換えを説明するための模式図である。
【0027】
なお、ここでは、図1における、負荷3を12V仕様、電圧安定化部11を12V出力、制御部12を12V仕様、駆動部13を24V仕様とする。
【0028】
まず、制御部12は、負荷3に係る作動開示指示を出しているか否かを判断する(ステップA1)。作動開示指示を出していない場合(ステップA1のNO)、ステップA1に戻る。
【0029】
作動開示指示を出している場合(ステップA1のYES)、制御部12は、駆動部13から出力される電圧が実質的に負荷3の仕様電圧(12V)となるように、駆動部13をデューティ制御する(ステップA2)。なお、ステップA2では、例えば、直流電源部2が12V仕様の場合、デューティ比を100%とし(図4の上段参照)、直流電源部2が24V仕様の場合、デューティ比を50%として(図5の上段参照)、駆動部13の出力電圧を実質的に12V(デューティ比100%の場合は12V)とする。
【0030】
ステップA2の後、制御部12は、負荷作動検出部4からの検出信号により負荷3の作動を検出できるか否かを判断する(ステップA3)。負荷3の作動を検出できない場合(ステップA3のNO)、ステップA2に戻る。
【0031】
負荷3の作動を検出できた場合(ステップA3のYES)、制御部12は、駆動部13のデューティ比を切り替えて、駆動部13から出力される電圧が実質的に負荷3の作動維持電圧となるように、駆動部13をデューティ制御する(ステップA4)。なお、ステップA4では、例えば、直流電源部2が12V仕様の場合、デューティ比を100%から80%に切り替え(図4参照)、直流電源部2が24V仕様の場合、デューティ比を50%から40%に切り替え(図5参照)、駆動部13の出力電圧を実質的に9.6V(作動維持電圧)とする。
【0032】
ステップA4の後、制御部12は、負荷3に係る作動終了指示を出しているか否かを判断する(ステップA5)。作動終了指示を出していない場合(ステップA5のNO)、ステップA4に戻る。
【0033】
作動終了指示を出している場合(ステップA5のYES)、制御部12は、負荷3がOFF(デューティ比0%)となるように制御し(ステップA6)、その後、終了する。
【0034】
実施例1によれば、直流電源部2の仕様電圧が変わったとしても、負荷3、電圧安定化部11、制御部12、及び駆動部13の仕様電圧を変更する必要がなく、制御部12における所定のプログラムを直流電源部2の仕様電圧に対応させるだけで、直流電源部2の仕様電圧の変更に柔軟に対応することができ、技術面・コスト面での負担を軽減させることができる。
【実施例2】
【0035】
本発明の実施例2に係る電源制御装置について図面を用いて説明する。図6は、本発明の実施例2に係る電圧制御装置を含むシステムの構成を模式的に示したブロック図である。図7は、本発明の実施例2に係る電圧制御装置を含むシステムの一例を模式的に示した回路図である。
【0036】
実施例2では、実施例1の変形例であり、直流電源部2の出力電圧(直流電源部2の両極間の電圧)を検出する電圧検出部5を追加し、電圧検出部5からの電圧検出信号を用いて制御部12にてデューティ制御を行うようにしたものである。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0037】
制御部12は、直流電源部2の仕様電圧を認識するために電圧検出部5からの検出信号を利用し、当該検出信号に基づいてデューティ比を選択又は変更できるように、所定のプログラムを設定する。制御部12は、例えば、電圧検出部5からの検出信号により直流電源部2の仕様電圧が24Vと認識した場合、負荷3が12V仕様であれば、負荷3の作動開始時(図3のステップA2に相当)のデューティ比を50%とし、負荷3の作動維持時(図3のステップA4に相当)のデューティ比を40%とする。また、電圧検出部5からの検出信号により直流電源部2の仕様電圧が12Vと認識した場合、負荷3が12V仕様であれば、負荷3の作動開始時(図3のステップA2に相当)のデューティ比を100%とし、負荷3の作動維持時(図3のステップA4に相当)のデューティ比を80%とする。
【0038】
また、制御部12は、電圧検出信号(直流電源部2の出力電圧の状態)に応じて、直流電源部2の出力電圧が下降するにしたがい連続的又は段階的にデューティ比を高くし、直流電源部2の出力電圧が上昇するにしたがい連続的又は段階的にデューティ比を低くするように制御することができる。
【0039】
実施例2によれば、直流電源部2の仕様電圧が変わったとしても、負荷3、電圧安定化部11、制御部12、及び駆動部13の仕様電圧を変更する必要がなく、制御部12における所定のプログラムも変更する必要がないので、直流電源部2の仕様電圧の変更に柔軟に対応することができ、実施例1よりも、技術面・コスト面での負担を軽減させることができる。また、実施例2によれば、直流電源部2の放電又は充電の状態に応じてデューティ制御することができるので、負荷3を的確に作動させることができる。
【0040】
なお、本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0041】
1 電圧制御装置
2 直流電源部
3 負荷
4 負荷作動検出部
5 電圧検出部
11 電圧安定化部
12 制御部
13 駆動部
14 保護回路部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源部から負荷に供給される電圧を制御する電圧制御装置であって、
前記直流電源部からの入力電圧を降下、整流させた後、安定化させた所定の電圧を出力する電圧安定化部と、
前記直流電源部からの入力電圧が入力されるとともに、前記負荷を駆動する駆動電圧を出力する駆動部と、
前記電圧安定化部からの前記所定の電圧が入力されるとともに、前記駆動部から前記負荷に向けて出力される前記駆動電圧が実質的に前記負荷の仕様電圧となるように、前記駆動部をデューティ制御する制御部と、
を備えることを特徴とする電圧制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記負荷の作動を検出する負荷作動検出部からの検出信号が入力されるとともに、前記検出信号がON状態を示したときにデューティ比を切り替えて、前記駆動電圧が実質的に前記負荷の仕様電圧よりも低い作動維持電圧となるように、前記駆動部をデューティ制御することを特徴とする請求項1記載の電圧制御装置。
【請求項3】
前記電圧安定化部の出力電圧は、前記制御部の仕様電圧に対応し、かつ、前記直流電源部の仕様電圧以下であり、
前記駆動部の仕様電圧は、前記直流電源部の仕様電圧以上であり、かつ、前記負荷の仕様電圧以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の電圧制御装置。
【請求項4】
前記負荷と並列に電気的に接続されるとともに、異常電圧から前記負荷を保護する保護回路部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の電圧制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、予め前記直流電源部の仕様電圧に対応するように設定された所定のプログラムを実行することで動作することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の電圧制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記直流電源部の出力電圧を検出する電圧検出部からの電圧検出信号が入力されるとともに、前記電圧検出信号に応じてデューティ比を選択又は変更するように設定された所定のプログラムを実行することで動作することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の電圧制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記電圧検出信号に応じて、前記直流電源部の出力電圧が下降するにしたがい連続的又は段階的にデューティ比を高くし、前記直流電源部の出力電圧が上昇するにしたがい連続的又は段階的にデューティ比を低くするように制御することを特徴とする請求項6記載の電圧制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−95379(P2012−95379A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238271(P2010−238271)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】