説明

電圧発生回路、共振回路、通信装置、通信システム、ワイヤレス充電システム、電源装置、及び、電子機器

【課題】 可変容量素子の容量を制御するための制御電圧を発生する電圧発生回路において、より簡易で、かつ、より低価格な構成を提供する。
【解決手段】 電圧発生回路3を、抵抗回20と、複数の入力ポート11〜18と、出力ポート30とで構成する。抵抗回路20は、複数の抵抗21〜27を有し、複数の抵抗21〜27を直列又は並列に接続して構成される。複数の入力ポート11〜18には、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される。そして、出力ポート30は、複数の入力ポート11〜18のそれぞれの電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号Vcを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、可変容量素子の制御電圧を発生する電圧発生回路、並びに、それを含む共振回路、通信装置、通信システム、ワイヤレス充電システム、電源装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば交通乗車券や電子マネー等で使用される非接触IC(Integrated Circuit)カードと同等の機能を備える情報処理端末の普及が著しい。このような情報処理端末では、専用のリーダ/ライタ(以下、R/Wと記す)装置の送信アンテナから送信される送信信号(電磁波)を情報処理端末内に設けられた受信アンテナ(共振回路)で電磁誘導作用により受信する。
【0003】
上述のような非接触通信機能を備える情報処理端末では、例えば、温度、湿度、周辺機器等の周囲の環境により、受信アンテナの共振周波数が変化する。この場合、R/W装置と、情報処理端末との間で安定して情報を送受信することが困難になる。
【0004】
そこで、従来、上述のような非接触通信機能を備える情報処理端末では、受信アンテナに可変容量素子を設けて、受信アンテナの共振周波数を調整する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、可変容量素子に外部から印加する制御電圧を変化させることにより、受信アンテナの共振周波数を調整する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−151457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、従来、非接触ICカードと同等の機能(非接触通信機能)を備える情報処理端末では、受信アンテナ(共振回路)の共振周波数を可変容量素子に印加する制御電圧を変化させることにより調整する。それゆえ、このような情報処理端末には、制御電圧の電圧発生回路が搭載される。そこで、非接触通信機能を備える情報処理端末の分野では、より簡易で、かつ、より低コストで構成可能な制御電圧の電圧発生回路の開発が要望されている。
【0007】
本開示は、上記要望に応えるためになされたものである。そして、本開示の目的は、より簡易で、かつ、より低コストで構成可能な制御電圧の電圧発生回路、及び、それを備える共振回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示の電圧発生回路は、抵抗回路と、複数の入力ポートと、出力ポートとを備える構成とし、各部の構成及び機能を次のようにする。抵抗回路は、複数の抵抗を有し、複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成される。複数の入力ポートは、抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される。出力ポートは、抵抗回路に接続され、複数の入力ポートのそれぞれの電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する。
【0009】
また、本開示の共振回路は、上記本開示の電圧発生回路と、電圧発生回路に接続され、出力ポートから出力される電圧信号により、容量が変化する可変容量素子とを備える構成とする。
【0010】
本開示の通信装置は、上記本開示の電圧発生回路と、受信アンテナ部と、制御部とを備える構成とし、受信アンテナ部及び制御部の構成を次のようにする。受信アンテナ部は、電圧発生回路に接続され、出力ポートから出力される電圧信号により、容量が変化する可変容量素子を含む共振コンデンサと、共振コイルとにより構成され、外部と非接触通信を行う。また、制御部は、複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する。
【0011】
本開示の通信システムは、送信装置と、送信装置と非接触通信を行う受信装置とを備える構成とする。また、本開示の通信システムでは、送信装置は、上記本開示の電圧発生回路と、送信アンテナ部と、制御部とを有し、送信アンテナ部及び制御部の構成を次のようにする。送信アンテナ部は、電圧発生回路に接続され、出力ポートから出力される電圧信号により、容量が変化する可変容量素子を含む共振コンデンサと、共振コイルとにより構成される。そして、制御部は、複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する。
【0012】
本開示のワイヤレス充電システムは、給電装置と、受電装置とを備える構成とする。また、本開示のワイヤレス充電システムでは、給電装置は、上記本開示の第1電圧発生回路と、給電アンテナ部と、第1制御部とを有し、給電アンテナ部及び第1制御部の構成を次のようにする。給電アンテナ部は、第1電圧発生回路に接続され、第1出力ポートから出力される電圧信号により、容量が変化する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、第1共振コイルとにより構成される。そして、第1制御部は、複数の第1入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する。さらに、本開示のワイヤレス充電システムでは、受電装置は、上記本開示の第2電圧発生回路と、受電アンテナ部と、第2制御部とを有し、受電アンテナ部及び第2制御部の構成を次のようにする。受電アンテナ部は、第2電圧発生回路に接続され、第2出力ポートから出力される電圧信号により、容量が変化する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、第2共振コイルとにより構成され、給電アンテナ部と非接触通信を行う。そして、第2制御部は、複数の第2入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する。
【0013】
本開示の電源装置は、電源供給部と、整流回路部と、可変インピーダンス部と、制御部とを備える構成とし、各部の構成を次のようにする。整流回路部は、電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する。可変インピーダンス部は、上記本開示の電圧発生回路と、電圧発生回路に接続され、出力ポートから出力される電圧信号により、容量が変化する可変容量素子とを有し、電源供給部と整流回路部との間に設けられる。そして、制御部は、複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する。
【0014】
本開示の第1の電子機器は、上記本開示の電圧発生回路と、通信部と、制御部とを備える構成とし、通信部及び制御部の構成を次のようにする。通信部は、電圧発生回路に接続され、出力ポートから出力される電圧信号により、容量が変化する可変容量素子を含む共振コンデンサと、共振コイルとにより構成され、外部と非接触通信を行う。そして、制御部は、複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する。
【0015】
本開示の第2の電子機器は、上記本開示のワイヤレス給電システムの給電装置及び受電装置と、それぞれ同様の構成を有する給電装置部及び受電装置部で構成される。
【0016】
本開示の第3の電子機器は、上記本開示の電源装置の電源供給部、整流回路部、可変インピーダンス部及び制御部を備える構成とする。
【0017】
本開示の第4の電子機器は、上記第1の電子機器と同様の構成の通信装置部と、上記第2の電子機器と同様の構成の給電装置部及び受電装置部とを備える構成とする。
【0018】
本開示の第5の電子機器は、上記第1の電子機器と同様の構成の通信装置部と、上記第3の電子機器と同様の構成の電源装置部とを備える構成とする。
【0019】
本開示の第6の電子機器は、上記第2の電子機器と同様の構成の給電装置部及び受電装置部と、上記第3の電子機器と同様の構成の電源装置部とを備える構成とする。
【0020】
本開示の第7の電子機器は、上記第1の電子機器と同様の構成の通信装置部と、上記第2の電子機器と同様の構成の給電装置部及び受電装置部と、上記第3の電子機器と同様の構成の電源装置部とを備える構成とする。
【0021】
本開示の第8の電子機器は、上記本開示の電圧発生回路と、電圧発生回路に接続され、出力ポートから出力される電圧信号により、容量が変化する可変容量素子と、複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する制御部とを備える構成とする。
【発明の効果】
【0022】
上述のように、本開示の電圧発生回路は、複数の入力ポート、及び、出力ポートを抵抗回路に接続しただけの構成である。それゆえ、本開示によれば、より簡易で、かつ、より低コスト(低価格)で構成可能な電圧発生回路、並びに、それを備える共振回路、通信装置、通信システム、ワイヤレス充電システム、電源装置及び電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態に係る共振回路部の概略構成図である。
【図2】共振周波数のチューニング特性の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る電圧発生回路の概略構成図である。
【図4】独立型の抵抗アレイの外観図である。
【図5】独立型の抵抗アレイの等価回路図である。
【図6】第1の実施形態における制御電圧の調整手法1で利用可能な調整テーブルの構成例を示す図である。
【図7】第1の実施形態における制御電圧の調整手法2で利用可能な調整テーブルの構成例を示す図である。
【図8】調整手法2における制御電圧の調整特性を示す図である。
【図9】第1の実施形態における制御電圧の調整手法3で利用可能な調整テーブルの構成例を示す図である。
【図10】調整手法3における制御電圧の調整特性を示す図である。
【図11】比較例1の電圧発生回路に用い得る梯子型抵抗回路の概略構成図である。
【図12】比較例1の電圧発生回路として用いるDAC(Digital to Analog Converter)の概略構成図である。
【図13】比較例2の電圧発生回路の概略構成図である。
【図14】変形例1の電圧発生回路の概略構成図である。
【図15】変形例1で利用可能な制御電圧の調整テーブルの構成例を示す図である。
【図16】変形例1で利用可能な制御電圧の調整テーブルの構成例を示す図である。
【図17】変形例1の電圧発生回路における制御電圧の調整特性を示す図である。
【図18】変形例2の電圧発生回路の概略構成図である。
【図19】第2の実施形態に係る電圧発生回路の概略構成図である。
【図20】内部接続型の抵抗アレイの外観図である。
【図21】内部接続型の抵抗アレイの等価回路図である。
【図22】第2の実施形態で利用可能な制御電圧の調整テーブルの構成例を示す図である。
【図23】第2の実施形態で利用可能な制御電圧の調整テーブルの構成例を示す図である。
【図24】第2の実施形態における制御電圧の調整特性を示す図である。
【図25】本開示の電圧発生回路を含む通信装置(応用例1)の概略構成図である。
【図26】本開示の電圧発生回路を含む通信システム(応用例2)の概略ブロック構成図である。
【図27】本開示の電圧発生回路を含むワイヤレス充電システム(応用例3)の概略ブロック構成図である。
【図28】本開示の電圧発生回路を含む電源装置(応用例4)の概略ブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本開示の各種実施形態に係る電圧発生回路の構成例を、図面を参照しながら下記の順で説明する。ただし、本開示は下記の例に限定されない。
1.第1の実施形態:複数の抵抗を直列接続して構成された抵抗回路を備える電圧発生回路の構成例
2.第2の実施形態:複数の抵抗を並列接続して構成された抵抗回路を備える電圧発生回路の構成例
3.各種応用例
【0025】
<1.第1の実施形態>
[共振回路部の構成]
まず、第1の実施形態に係る電圧発生回路の構成を説明する前に、それを含む共振回路部の一例を説明する。図1に、本実施形態の共振回路部の概略構成を示す。なお、本実施形態では、例えば後述の応用例1で説明する非接触通信装置等で用いられる共振回路部について説明する。
【0026】
共振回路部1(共振回路)は、共振アンテナ2(受信アンテナ)と、共振アンテナ2に直流の制御電圧Vcを印加する電圧発生回路3と、コイル4とを備える。なお、共振回路部1は、例えば外部のR/W装置(不図示)から非接触通信により送信される信号を共振アンテナ2で受信し、その受信信号を、2つの出力端子1aを介して整流回路(不図示)に出力する。
【0027】
また、図1には示さないが、本実施形態の非接触通信装置は、その動作全般を制御するための例えばCPU(Central Processing Unit)等の回路を含む制御部を備える。電圧発生回路3の動作、すなわち、制御電圧Vcの調整動作は、この制御部(具体的にはCPU)により制御される。なお、共振アンテナ2に制御電圧Vcを印加する電圧発生回路3の内部構成は、後で詳述する。
【0028】
共振アンテナ2は、共振コイル5と、共振コンデンサ6とを有する。共振コイル5は、例えばスパイラルコイル等の素子により構成される。また、共振コイル5の等価回路は、共振コイル5のインダクタンス成分5a(Ls)及び抵抗成分5b(rs:数オーム程度)の直列回路で表される。
【0029】
共振コンデンサ6は、容量Coの定容量コンデンサ7と、可変容量コンデンサ8(可変容量素子:以下、単に可変コンデンサ8という)と、可変コンデンサ8の両端子にそれぞれ接続された2個のバイアス除去用コンデンサ9とで構成される。そして、定容量コンデンサ7と、可変コンデンサ8及び2個のバイアス除去用コンデンサ9からなる直列回路とは、共振コイル5に並列接続される。
【0030】
すなわち、この例の共振アンテナ2は、共振コンデンサ6の一部を可変コンデンサ8で構成したチューナブル共振アンテナである。また、この例の共振アンテナ2の共振周波数は、共振コイル5全体のインダクタンスL及び共振コンデンサ6全体の容量Cから、(LC)1/2で計算される。なお、共振コイル5全体のインダクタンスLは、例えば、スパイラルコイル(アンテナ)及びスパイラルコイル上に設けられた磁気シート(不図示)の特性により決定される。また、共振コンデンサ6全体の容量Cは、主に、定容量コンデンサ7の容量Coと、可変コンデンサ8の容量Cvとで決定される。ただし、共振コイル5をスパイラルコイルで構成した場合には、その線間容量も考慮する。
【0031】
また、可変コンデンサ8の両方の端子は、電圧発生回路3の2つの出力端子にそれぞれ接続される。なお、この例では、可変コンデンサ8の一方の端子は、コイル4を介して、電圧発生回路3の一方の出力端子に接続される。
【0032】
可変コンデンサ8は、例えば、比誘電率の大きな強誘電体材料で形成され、その容量Cvは、電圧発生回路3から印加される制御電圧Vc(電圧信号)に応じて変化する。具体的には、電圧発生回路3から制御電圧Vcが印加されると、可変コンデンサ8の容量Cvは低下する。それゆえ、制御電圧Vcが印加されると、共振アンテナ2の共振周波数は高くなる(後述の図2参照)。
【0033】
コイル4は、可変コンデンサ8の一方の端子と電圧発生回路3の一方の出力端子との間に設けられる。そして、本実施形態では、コイル4及び可変コンデンサ8からなる回路がノイズフィルタとして作用するように、コイル4のインダクタンスLnが適宜設定される。
【0034】
ここで、図2に、この例で用いる共振アンテナ2の共振周波数のチューニング特性の一例を示す。なお、図2に示すチューニング特性の横軸は、電圧発生回路3から共振アンテナ2に印加する制御電圧Vcの値である。また、図2に示すチューニング特性の縦軸は、制御電圧Vc=0.0[V]のときの共振アンテナ2の共振周波数からの共振周波数のシフト量Δfである。この例の共振アンテナ2では、図2から明らかなように、制御電圧Vcが増加すると(可変コンデンサ8の容量Cvが低下すると)、共振周波数は直線的に増加せず、非線形(2次曲線状)に増加する。
【0035】
それゆえ、図2に示す例において、例えば、共振アンテナ2の共振周波数を100kHz間隔で調整するためには、制御電圧Vcを約0.0、1.4、1.9、2.4、2.7及び3.0[V]と変化させて調整する必要がある。この場合には、電圧発生回路3の構成を、制御電圧Vcが不等間隔で出力され、かつ、低電圧側より高電圧側で制御電圧Vcの調整ステップ間隔が小さくなるような構成にする必要がある。
【0036】
[電圧発生回路の構成]
次に、本実施形態の電圧発生回路3の構成について説明する。図3に、本実施形態の電圧発生回路3の概略構成を示す。
【0037】
電圧発生回路3は、8つの入力ポート(第1入力ポート11〜第8入力ポート18)と、抵抗回路20と、出力ポート30と、増幅器40とを備える。
【0038】
第1入力ポート11〜第8入力ポート18は、図示しないCPUの対応する8つの出力ポート(I/Oポート)にそれぞれ接続される。各入力ポートの電位状態は、CPUから印加される制御信号により、ハイ状態(3.0[V])、ロー状態(0.0[V])、及び、開放状態(ハイインピーダンス状態)のいずれかに設定される。そして、本実施形態では、生成する制御電圧Vcの値に応じて、制御信号により、第1入力ポート11〜第8入力ポート18のそれぞれの電位状態の組み合わせを適宜設定する。
【0039】
なお、この例では、入力ポートの数を8つとする構成例を示すが、本開示は、これに限定されない。入力ポートの数は、例えば、用途、必要とする共振周波数の調整間隔(制御電圧Vcの調整ステップ間隔)等の条件に応じて適宜変更することができる。
【0040】
抵抗回路20は、7個の抵抗(第1抵抗21〜第7抵抗27)を有し、第1抵抗21〜第7抵抗27をこの順で直列接続することにより構成される。なお、抵抗の数及び各抵抗の抵抗値は、例えば、用途、必要とする共振周波数の調整間隔(制御電圧Vcの調整ステップ間隔)等の条件に応じて適宜設定される。
【0041】
本実施形態では、各抵抗間の接続点は、対応する入力ポート及び/又は出力ポート30に接続される。具体的には、第1抵抗21の一方の端子は、第1入力ポート11に接続され、第1抵抗21の他方の端子は、第2入力ポート12、第2抵抗22の一方の端子及び出力ポート30に接続される。すなわち、出力ポート30は、第1抵抗21及び第2抵抗22間の接続点に接続される。
【0042】
また、第2抵抗22の他方の端子は、第3入力ポート13及び第3抵抗23の一方の端子に接続される。第3抵抗23の他方の端子は、第4入力ポート14及び第4抵抗24の一方の端子に接続される。第4抵抗24の他方の端子は、第5入力ポート15及び第5抵抗25の一方の端子に接続される。第5抵抗25の他方の端子は、第6入力ポート16及び第6抵抗26の一方の端子に接続される。第6抵抗26の他方の端子は、第7入力ポート17及び第7抵抗27の一方の端子に接続される。そして、第7抵抗27の他方の端子は、第8入力ポート18に接続される。
【0043】
増幅器40は、例えばバッファアンプ(増幅率=1)で構成され、その入力端子は出力ポート30に接続される。増幅器40は、抵抗回路20内の第1抵抗21及び第2抵抗22間の接続点から出力ポート30を介して入力される電圧信号を増幅する。そして、増幅器40は、増幅した電圧信号(制御電圧Vc)を可変コンデンサ8に出力する。なお、この例では、電圧発生回路3の出力端に増幅器40を設ける例を説明したが、本開示はこれに限定されず、電圧発生回路3の出力端に増幅器40を設けない構成にしてもよい。
【0044】
また、図3に示す本実施形態の電圧発生回路3は、例えば複数の抵抗が基板上に実装された市販の独立型の抵抗アレイを用いて構成することができる。図4(a)及び(b)に、図3に示す電圧発生回路3に利用可能な市販の独立型の抵抗アレイの外観図を示す。ただし、図4(a)は、独立型の抵抗アレイの上面図であり、図4(b)は、独立型の抵抗アレイの短辺側の側面図である。また、図5に、図4(a)及び(b)に示す独立型の抵抗アレイの等価回路を示す。
【0045】
図4(a)及び(b)、並びに、図5に示す独立型の抵抗アレイ50は、基板(不図示)上に個別に実装された8個の抵抗51(抵抗素子)を有する。そして、各抵抗51の両方の端子52が外部に露出するように形成される。すなわち、図4(a)及び(b)、並びに、図5に示す例では、16個の端子52が外部に露出するように設けられる。
【0046】
なお、図4(a)及び(b)に示す抵抗アレイ50の外形寸法は、長さ4.0±0.2mm×幅1.6±0.1mm×厚さ0.4±0.1mmである。また、外部に露出した端子52のサイズは0.3±0.1mm×0.3±0.2mmであり、端子52のピッチは0.5mmである。
【0047】
図4(a)及び(b)、並びに、図5に示す独立型の抵抗アレイ50を、本実施形態の電圧発生回路3に適用する場合には、抵抗アレイ50内の8個の抵抗51のうち、7個の抵抗51を選択して使用する。そして、選択した7個の抵抗51の各端子52を適宜、電気的に接続して、図3に示す電圧発生回路3と同様の回路を作製する。
【0048】
[制御電圧の調整手法]
次に、本実施形態の電圧発生回路3における制御電圧Vcの各種調整手法について説明する。
【0049】
(1)調整手法1
本実施形態では、CPUから電圧発生回路3に入力される制御信号に基づいて、各入力ポートの電位状態(ハイ状態、ロー状態、又は、開放状態)の組み合わせを適宜変更することにより、制御電圧Vcを調整する。
【0050】
図6に、各入力ポート(第1入力ポート11〜第8入力ポート18)の電位状態の組み合わせと、各組み合わせにおいて生成される制御電圧Vcとの関係表(以下、調整テーブルという)を示す。図6に示す制御電圧Vcの調整テーブルは、第1抵抗21〜第7抵抗27の抵抗値R1〜R7を全て同じ値(1.0R:基準値)にしたときの例である。なお、抵抗値の基準値(1.0R)は、例えば用途等の条件に応じて適宜設定される。
【0051】
図6に示す調整テーブルに記載の「C1」〜「C14」は、各入力ポートの電位状態の組み合わせを示す組み合わせ番号である。図6に示す調整テーブルに記載の「P1」〜「P8」は、それぞれ第1入力ポート11〜第8入力ポート18のポート番号である。
【0052】
また、図6に示す調整テーブル中の各ポート番号(「P1」〜「P8」)の列に記載の数値「3」は、入力ポートの電位状態がハイ状態(3.0[V])であることを示し、数値「0」は、入力ポートの電位状態がロー状態(0.0[V])であることを示す。なお、図6に示す調整テーブル中の各ポート番号(「P1」〜「P8」)の列の空欄は、入力ポートの電位状態が開放状態であることを示す。
【0053】
さらに、図6に示す調整テーブル中の「状態番号」の列に記載の数値「1」〜「14」は、生成される制御電圧Vcを小さい方から順に並べたときの順番を示すインデックスである。すなわち、図6に示す例では、状態番号「1」は、制御電圧Vcが最小となるときの状態を示すインデックスであり、状態番号「14」は、制御電圧Vcが最大となるときの状態を示すインデックスである。
【0054】
図6の調整テーブルに示すように、本実施形態において、電圧発生回路3の第1入力ポート11〜第8入力ポート18のそれぞれに印加される制御信号により、各入力ポートの電圧状態の組み合わせ(「C1」〜「C14」)を変更すると、制御電圧Vcは変化する。
【0055】
例えば、図6中の組み合わせ「C1」は、出力ポート30に直接接続された第2入力ポート12のみをハイ状態(3.0[V])とし、その他の入力ポートを開放状態にした場合であり、この場合には、制御電圧Vcは3.00[V]になる。また、組み合わせ「C2」は、第2入力ポート12のみをロー状態(0.0[V])とし、その他の入力ポートを開放状態にした場合であり、この場合には、制御電圧Vcは0.00[V]になる。
【0056】
また、組み合わせ「C3」〜「C14」は、第2入力ポート12以外の入力ポートにおいて、一つの入力ポートをハイ状態(3.0[V])とし、別の一つの入力ポートをロー状態(0.0[V])とした場合である。なお、組み合わせ「C3」〜「C14」では、ハイ状態及びロー状態にした入力ポート以外の入力ポートは開放状態とする。
【0057】
組み合わせ「C3」〜「C14」では、その組み合わせに応じて、ハイ状態の入力ポート及びロー状態の入力ポート間の抵抗値が変化する。また、組み合わせ「C3」〜「C14」では、その組み合わせに応じて、ハイ状態の入力ポート及びロー状態の入力ポート間の抵抗値に対する第1抵抗21(外付け抵抗)の抵抗値R1の割合も変化する。それゆえ、組み合わせ「C3」〜「C14」においても、その組み合わせに応じて、制御電圧Vcは変化する。
【0058】
例えば、組み合わせ「C5」のように、第1入力ポート11をハイ状態とし、第5入力ポート15をロー状態とし、それ以外の入力ポートを開放状態にした場合には、制御電圧Vcは2.25[V]になる。逆に、組み合わせ「C11」のように、第1入力ポート11をロー状態とし、第5入力ポート15をハイ状態とし、それ以外の入力ポートを開放状態にした場合には、制御電圧Vcは0.75[V]になる。
【0059】
本実施形態の電圧発生回路3では、図6に示す調整テーブルから明らかなように、第1入力ポート11〜第8入力ポート18の電位状態の組み合わせは、14通りとなる。しかしながら、そのうち、組み合わせ「C3」及び「C9」(状態番号「8」及び「7」)では、制御電圧Vcが同じ値(1.50[V])になる。それゆえ、電圧発生回路3において、第1抵抗21〜第7抵抗27の抵抗値を全て同じ値(1.0R)としたときには、制御電圧Vcを13通りの状態(状態数=13)に調整することができる。すなわち、本実施形態では、入力ポート数(=8)より多い状態数(=13)の制御電圧Vcを生成することができる。
【0060】
また、図6の調整テーブルから、本実施形態の電圧発生回路3では、状態番号に対して制御電圧Vcが、不等間隔(非線形)に変化することが分かる。すなわち、本実施形態では、第1抵抗21〜第7抵抗27の抵抗値R1〜R7が全て同じ値(1.0R)であるが、調整ステップ毎に、制御電圧Vcを不等間隔(非線形)に出力することができる。
【0061】
(2)調整手法2
上記調整手法1では、第1抵抗21〜第7抵抗27の抵抗値R1〜R7が全て同じ値(1.0R)である場合の例を説明したが、本開示はこれに限定されない。第1抵抗21〜第7抵抗27の各抵抗値を、例えば、用途、必要とする共振周波数の調整間隔(制御電圧Vcの調整ステップ間隔)等の条件に応じて適宜変更することができる。例えば、第1抵抗21(外付け抵抗)の抵抗値R1のみを他の抵抗(第2抵抗22〜第7抵抗27)の抵抗値(R2〜R7)と異なる構成にしてもよい。
【0062】
図7に、第1抵抗21の抵抗値R1のみを変化させた場合に電圧発生回路3で生成される制御電圧Vcの調整テーブルを示す。ただし、図7には、第2抵抗22〜第7抵抗27の抵抗値R2〜R7をそれぞれ1.0Rとし、かつ、第1抵抗21の抵抗値R1を0.5R、0.9R、1.0R及び1.1Rと変化させたときの例を示す。なお、図7に示す調整テーブルに記載の状態番号は、図6に示す調整テーブルの状態番号に対応する。それゆえ、図7に示す調整テーブルに記載の状態番号と、それに対応する各入力ポートの電位状態の組み合わせとの関係は、図6の調整テーブルに示す両者の関係と一致する。また、図7に示す調整テーブル中の最下行に記載の「状態数」の数値は、電圧発生回路3で、実質的に生成可能な制御電圧Vcの状態数(調整ステップ数)である。
【0063】
また、図8に、図7に示す調整テーブルを利用したときの制御電圧Vcの調整特性(制御電圧Vcの状態番号に対する制御電圧Vcの変化特性)を示す。図8に示す特性では、縦軸に制御電圧Vcを示し、横軸に制御電圧Vcに対応する状態番号を示す。なお、図8では、第1抵抗21の抵抗値R1を0.5R、0.9R、1.0R及び1.1Rとしたときの特性を、それぞれ、二点差線、一点鎖線、実線及び破線のグラフで示す。
【0064】
図7及び8から明らかなように、第1抵抗21の抵抗値R1のみを変化させることにより、制御電圧Vcの調整特性が第1抵抗21の抵抗値R1毎に変化する。具体的には、第1抵抗21〜第7抵抗27の各抵抗値(R1〜R7)が全て同じ値である場合には、状態番号「7」及び「8」で制御電圧Vcが同じ値(1.50[V])になる。しかしながら、第1抵抗21の抵抗値R1のみを変化させた場合には、状態番号「7」及び「8」の制御電圧Vcが互いに異なった値となる。
【0065】
それゆえ、本実施形態の電圧発生回路3において、第1抵抗21の抵抗値R1を他の抵抗の抵抗値と異なる構成にした場合には、14通りの状態(状態数=14)の制御電圧Vcを生成することができる。すなわち、本実施形態では、第1抵抗21の抵抗値R1のみを変化させることにより、生成可能な制御電圧Vcの状態数(調整ステップ数)を容易に増加させることができる。
【0066】
また、図7及び8から明らかなように、本実施形態では、第1抵抗21の抵抗値R1に関係なく、例えば、状態番号「8」以降の高電圧側における制御電圧Vcの調整特性が、略対数的に変化する特性になる。このことから、本実施形態の電圧発生回路3が、例えば、図2に示すような2次曲線状の共振周波数のチューニング特性を有する非接触通信装置に対して相性の良い回路であることが分かる。
【0067】
(3)調整手法3
図2に示すような2次曲線状の共振周波数のチューニング特性を有する非接触通信装置において等周波数間隔で共振周波数の調整を行う場合、上述のように、低電圧側より高電圧側で制御電圧Vcの調整ステップ間隔を小さくすることが好ましい。それゆえ、図2に示すような2次曲線状の共振周波数のチューニング特性を有する非接触通信装置では、例えば図8に示すような制御電圧Vcの調整特性において、制御電圧Vcの高電圧側での変化が小さい方が好ましい。
【0068】
しかしながら、上述した制御電圧Vcの調整手法1及び2では、図8に示すように、制御電圧Vcが最大(3.0[V])となる状態番号「14」と、その一つ前の状態番号「13」との間で、制御電圧Vcの変化が比較的大きくなる。すなわち、可変コンデンサ8の容量調整に必要な制御電圧Vcの最大値(出力ポート30から出力すべき電圧信号の最大電圧値)が3.0[V]である場合、その制御電圧Vcの最大値付近において状態番号に対する制御電圧Vcの変化が比較的大きくなる。それゆえ、図2に示すような2次曲線状の共振周波数のチューニング特性を有する非接触通信装置に対して、本実施形態の電圧発生回路3を適用した場合には、高電圧側における制御電圧Vcの調整が難しくなる可能性もある。
【0069】
そこで、調整手法3では、制御電圧Vcの最大値(3.0[V])付近における状態番号に対する制御電圧Vcの変化を小さくするために、電圧発生回路3の入力ポートにおけるハイ状態の電位を、必要な制御電圧Vcの最大値より大きくする。
【0070】
図9に、入力ポートのハイ状態の電圧値Vと電圧発生回路3で生成される制御電圧Vcとの関係を表す調整テーブルを示す。なお、図9は、入力ポートのハイ状態の電圧値Vを3.0及び3.3[V]と変化させたときの制御電圧Vcの調整テーブルの構成例である。ただし、図9には、第2抵抗22〜第7抵抗27の抵抗値R2〜R7をそれぞれ1.0Rとし、かつ、第1抵抗21の抵抗値R1を0.7Rとしたときの例を示す。すなわち、上記調整手法2に調整手法3を組み合わせた例を示す。
【0071】
また、図10に、図9に示す調整テーブルを利用したときの制御電圧Vcの調整特性を示す。なお、図10に示す特性では、縦軸に制御電圧Vcを示し、横軸に制御電圧Vcに対応する状態番号を示す。さらに、図10では、入力ポートのハイ状態の電圧値Vを3.0及び3.3[V]としたときの制御電圧Vcの調整特性を、それぞれ、菱形印及びバツ印のグラフで示す。
【0072】
図10から明らかなように、入力ポートのハイ状態の電圧値Vを増加させると、制御電圧Vcの高電圧側の調整特性が、高電圧側にシフトしたような特性となる。そして、入力ポートのハイ状態の電圧値Vが3.3[V]の場合、状態番号「14」の一つ前の状態番号「13」で制御電圧Vc=2.96[V]となる。それゆえ、入力ポートのハイ状態の電圧値Vを3.3[V]とした場合には、制御電圧Vcの最大値(3.0[V])付近において、状態番号に対する制御電圧Vcの変化を小さくすることができる。
【0073】
なお、この場合、電圧発生回路3から実際に出力する制御電圧Vcの状態数(調整ステップ数)は13となり、入力ポートのハイ状態の電圧値Vを3.0[V]にしたときの状態数(14)より減る。しかしながら、例えば、図2に示すチューニング特性を用いる非接触通信装置において共振周波数を等間隔で調整するときには、この調整手法3を用いることにより、高電圧側における制御電圧Vcの調整が容易になり、調整精度を向上させることができる。
【0074】
具体的には、例えば、図2に示すチューニング特性を用いる非接触通信装置において、共振周波数を100kHz間隔で調整する場合を考える。この場合、上述のように、制御電圧Vcを0.0、1.4、1.9、2.4、2.7及び3.0[V]と変化させて調整する必要がある。それに対して、本実施形態において、まず、入力ポートのハイ状態の電圧値Vを3.3[V]に設定する。そして、状態番号「1」、「7」、「8」、「9」、「10」及び「13」を選択すると、それぞれ、0.0、1.36、1.94、2.44、2.68及び2.96[V]の制御電圧Vcが得られる。すなわち、本実施形態の電圧発生回路3では、入力ポートのハイ状態の電圧値Vを3.3[V]に設定することにより、図2に示すチューニング特性に適合した制御電圧Vcの調整が可能になる。
【0075】
また、ここで用いた3.3[V]という入力ポートのハイ状態の電圧値Vは、一般に、非接触通信装置で行う各種動作の制御に用いられる電源の電圧値である。それゆえ、電圧発生回路3の入力ポートに印加するハイ状態の電圧値Vを3.3[V]とした場合には、他の各種動作の制御に用いる電源を共振周波数の調整動作にも用いることができる。すなわち、この場合には、共振周波数調整用の電源を別途設ける必要がない。
【0076】
なお、本実施形態では、例えば第1抵抗21等の外付け抵抗の抵抗値のみを変化させ、かつ、入力ポートのハイ状態の電圧値Vを変化させた例、すなわち、調整手法2に調整手法3を組み合わせた例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、すべての抵抗の抵抗値を同じにし、かつ、入力ポートのハイ状態の電圧値Vを変化させて、生成可能な制御電圧Vcの状態数(調整ステップ数)及び調整特性を調整してもよい。
【0077】
上記調整手法1〜3で説明した制御電圧Vcの調整動作は、非接触通信装置の制御部(CPUを含む)により制御される。具体的には、上記図6、7及び/又は9で示すような各種調整テーブルを予め制御部内に記憶しておき、CPUがその調整テーブルに基づいて、電圧発生回路3に設けられた複数の入力ポートの電位状態の組み合わせを制御し、制御電圧Vcの調整を行う。なお、本実施形態では、制御電圧Vcの調整処理を、共振周波数の変化をモニターしながら、フィードバック制御して行ってもよい。
【0078】
また、上記調整手法1〜3では、共振周波数を100kHz間隔(調整ステップ)で調整する例を挙げて説明したが、本開示はこれに限定されない。共振周波数の調整ステップは、例えば用途等の条件に応じて変更することができ、例えば、共振周波数の調整ステップをより細かくする場合には、抵抗回路20内の各抵抗の抵抗値を適宜変更したり、抵抗の数を増やしたりすればよい。
【0079】
[各種比較例]
本実施形態では、電圧発生回路3の構成を上記構成にすることにより、より簡易で、かつ、低コスト(低価格)の電圧発生回路3を提供することができる。このことを、次に説明する各種比較例と比較して説明する。
【0080】
(1)比較例1
可変コンデンサ8に印加する制御電圧Vcの発生回路としては、DAC(比較例1)を用いることができる。DACでは、一般に梯子型抵抗回路が用いられる。図11に、DACで用いられる梯子型抵抗回路(R−2R梯子型抵抗回路)の概略構成を示す。
【0081】
図11に示す梯子型抵抗回路200は、抵抗値Rの5個の第1抵抗201と、抵抗値2Rの4個の第2抵抗202とを有する。
【0082】
図11に示す例では、5個の第1抵抗201は、直列に接続される。なお、5個の第1抵抗201からなる直列回路の一方の端子には、DACの電源205が接続され、該直列回路の他方の端子は接地される。また、各第2抵抗202の一方の端子は、対応する第1抵抗201間の接続点に接続され、各第2抵抗202の他方の端子は接地される。ただし、5個の第1抵抗201からなる直列回路の接地側に位置する第1抵抗201間の接続点には、第2抵抗202を接続しない。図11に示す例では、このようにして、複数の第1抵抗201と複数の第2抵抗202とを梯子状に接続する。
【0083】
図11に示す梯子型抵抗回路200を用いたDACでは、複数の第1抵抗201及び第2抵抗202間の接続点から、図示しないスイッチ回路部により所定の接続点を選択することにより、異なる電圧値(図11中の電圧V1〜V4)の電圧信号を出力する。
【0084】
ここで、R−2R梯子型抵抗回路を用いたDACの構成を、図12を参照しながら、より具体的に説明する。図12は、R−2R梯子型抵抗回路を用いたDACの概略構成図であり、図12において、図11に示す梯子型抵抗回路200及びその周辺回路の構成と同様に構成には、同じ符号を付して示す。
【0085】
DAC210は、梯子型抵抗回路211と、電源205と、スイッチ回路部212と、差動増幅器213と、差動増幅器213の出力端子及び負極側入力端子間に設けられた抵抗214とを有する。なお、抵抗214の抵抗値はRである。
【0086】
梯子型抵抗回路211は、抵抗値Rの8個の第1抵抗201と、抵抗値2Rの7個の第2抵抗202とを有する。そして、これらの抵抗が梯子状に接続される。図12示す例では、第1抵抗201及び第2抵抗202の数を図11に示す例より増やし、DAC210のビット数が8となるように構成した。なお、図12に示す梯子型抵抗回路211において、第1抵抗201及び第2抵抗202の数を増やしたこと以外の構成は、図11に示す梯子型抵抗回路200の構成と同様である。
【0087】
スイッチ回路部212は、7個のスイッチS〜Sで構成され、各スイッチは、対応する第2抵抗202の他方の端子(第1抵抗201に接続されていない側の端子)に接続される。そして、スイッチ回路部212の2つの出力端子は、差動増幅器213の正極側及び負極側の入力端子にそれぞれ接続される。
【0088】
上記構成のDAC210では、スイッチ回路部212内の各スイッチの接続状態を変更することにより、差動増幅器213から各スイッチの接続状態に対応した出力電圧Voutが出力される。具体的には、図12中の各スイッチが左側に倒れて第2抵抗202が差動増幅器213のプラス端子(GND)に接続された場合が「0」の状態に相当する。一方、図12中の各スイッチが右側に倒れて差動増幅器213のマイナス端子(仮想接地)に電流が流れた場合が「1」の状態に相当する。そして、図12に示すDAC210では、仮想接地に流れた電流分に対応する電圧が差動増幅器213から出力される。
【0089】
しかしながら、非接触通信装置では、例えば、図2に示す共振周波数のチューニング特性で説明したように、可変コンデンサ8に印加する制御電圧Vcに対して、共振周波数は直線的に変化しない。それゆえ、図2に示す共振周波数のチューニング特性を有する非接触通信装置において、共振周波数を等間隔で調整する場合には、制御電圧Vcの調整ステップ間隔が不等間隔(変化量が不均一)になるように、電圧発生回路で制御電圧Vcを生成する必要がある。
【0090】
それに対して、図12に示すようなDAC210の出力電圧Voutの変化特性は直線性に優れたものとなるので、出力電圧Voutの調整ステップ間隔は等間隔(変化量が一定)となる。それゆえ、DAC210を、例えば、図2に示すような非線形の共振周波数のチューニング特性を有する非接触通信装置に適用した場合には、共振周波数の調整間隔が一定にならない。
【0091】
具体的には、図2に示すような非線形の共振周波数のチューニング特性において、必要とする共振周波数の調整ステップ数(状態数)が8である場合には、制御電圧Vcを8通りに変化させればよいので、3ビットのDAC210で対応することができる。しかしながら、上述のように、DAC210の出力電圧Voutの調整ステップ間隔は等間隔となるので、3ビットのDAC210を制御電圧Vcの電圧発生回路として用いた場合には共振周波数の調整間隔を一定にすることができない。
【0092】
このようなDAC210の欠点を解消するためには、DAC210のビット数を増やして生成可能な出力電圧Voutの状態数(調整ステップ数)を増加させる必要がある。例えば、図12に示す8ビットのDAC210では、256通りの出力電圧Voutを出力することができ、この多数の出力電圧Voutの中から、共振周波数の調整間隔が一定になるような状態の出力電圧Voutを、制御電圧Vcとして選択すればよい。ただし、この手法では、DAC210内の抵抗の数及びスイッチの数が増加し、コストが高くなる。
【0093】
なお、現在、例えば20円以下の低価格で、低速のDACを市場で入手することは可能である。しかしながら、例えば、非接触通信装置における共振周波数の出荷時の調整のように、6〜8通り程度の制御電圧Vcの調整ステップが必要な用途では、このようなDAC210は、過剰品質であり、かつ、高コストである。
【0094】
さらに、DAC210の制御には、DAC210内に設けられたスイッチの数と同数のスイッチ制御信号が必要となるので、DAC210内のスイッチの数が増加すると、スイッチ制御信号の数も増加し、回路構成が複雑になる。
【0095】
それに対して、本実施形態の電圧発生回路3では、図3に示すように、DAC210で用いるようなスイッチを設ける必要がない。それゆえ、本実施形態の電圧発生回路3では、制御電圧Vcの発生回路としてDAC210を用いる場合(比較例1)に比べて、コストを低減することができる。さらに、本実施形態では、電圧発生回路3の内部にスイッチを設けないので、電圧発生回路3の構成を、比較例1に比べて、より簡易で、かつ、省スペースな構成にすることができる。
【0096】
(2)比較例2
また、制御電圧Vcの発生回路としては、抵抗分割の手法を利用した電圧発生回路(比較例2)を用いることもできる。
【0097】
図13に、比較例2の電圧発生回路の概略構成を示す。この例の電圧発生回路220は、2つの入力ポート221と、抵抗回路222と、スイッチ回路部223と、出力ポート224と、増幅器225とを有する。
【0098】
2つの入力ポート221のうち、一方の入力ポート221には、所定の直流電圧(図13に示す例では3.0[V])が印加され、他方の入力ポート221は接地される。
【0099】
抵抗回路222は、7個の抵抗(第1抵抗231〜第7抵抗237)を有し、第1抵抗231〜第7抵抗237をこの順で直列接続することにより構成される。図13に示す例では、第1抵抗231の抵抗値を1R(基準値)とし、第2抵抗232及び第3抵抗233の抵抗値を、それぞれ2R及び3Rとする。また、図13に示す例では、第4抵抗234及び第5抵抗235の抵抗値を、ともに、5Rとし、第6抵抗236及び第7抵抗237の抵抗値を、ともに、7Rとする。
【0100】
また、第1抵抗231の第2抵抗232側とは反対側の端子は、一方の入力ポート221(所定の直流電圧が印加される入力ポート)、及び、後述の第1スイッチ241の入力端子に接続される。一方、第7抵抗237の第6抵抗236側とは反対側の端子は、他方の入力ポート221(接地される入力ポート)、及び、後述の第8スイッチ248の入力端子に接続される。
【0101】
スイッチ回路部223は、8個のスイッチ(第1スイッチ241〜第8スイッチ248)を有する。第2スイッチ242〜第7スイッチ247のそれぞれの入力端子は、対応する抵抗間の接続点に接続される。そして、第1スイッチ241〜第8スイッチ248の各出力端子は、出力ポート224を介して、増幅器225の入力端子に接続される。なお、この例では、第1スイッチ241〜第8スイッチ248のON/OFF動作は、外部の制御部(例えばCPU等)の出力ポートから出力されるセレクト信号(図13中の破線矢印)により制御される。
【0102】
この例の電圧発生回路220では、上述のように、各抵抗の抵抗値を重み付けすることにより、第1スイッチ241〜第8スイッチ248の入力端の電位は、それぞれ、3.0、2.9、2.7、2.4、1.9、1.4、0.7及び0.0[V]となる。すなわち、この例の電圧発生回路220では、セレクト信号により、0.0、0.7、1.4、1.9、2.4、2.7、2.9及び3.0[V]の出力電圧Voutを選択的に出力することができ、出力電圧Voutのステップ間隔を不等間隔にすることができる。それゆえ、比較例2では、比較例1の構成(DAC210を用いる構成)に比べて、抵抗やスイッチの数を増やすことなく、図2に示すような非線形の共振周波数のチューニング特性に対応可能である。
【0103】
上述のように、比較例2の電圧発生回路220は、比較例1に比べて、低コストでかつ簡易な構成である。しかしながら、この例においても、上記比較例1と同様に、電圧発生回路220内にスイッチを設ける必要がある。
【0104】
それに対して、本実施形態の電圧発生回路3では、上述のように、その回路内にスイッチを設ける必要がない。それゆえ、本実施形態の電圧発生回路3は、比較例2の電圧発生回路220と比べて、コストを低減することができる。さらに、本実施形態では、電圧発生回路3の内部にスイッチを設けないので、電圧発生回路3の構成を、比較例2に比べて、より簡易で、かつ、省スペースな構成にすることができる。
【0105】
さらに、本実施形態の電圧発生回路3では、上記効果以外にも、例えば、次のような効果が得られる。上記比較例2の電圧発生回路220では、生成可能な出力電圧Voutの値は、各抵抗の抵抗値で決まり、出力電圧Voutの状態数(調整ステップ数)は、スイッチの数(抵抗の数)で決まる。具体的には、上記比較例2の電圧発生回路220で生成可能な出力電圧Voutの状態数は、スイッチの数又はスイッチのセレクト信号の数(電圧発生回路220に接続するCPUの出力ポート数)と同じになる。
【0106】
それゆえ、比較例2の電圧発生回路220において、出力電圧Voutの状態数(調整ステップ数)を増やすためには、抵抗、スイッチ、及び、セレクト信号の数を増やす必要がある。したがって、共振回路の共振周波数(制御電圧Vc)をより細かく調整する必要がある用途に比較例2の電圧発生回路220を適用した場合には、抵抗、スイッチ、及び、セレクト信号の数も多くなる。
【0107】
それに対して、本実施形態の電圧発生回路3では、上述のように、抵抗の数、及び、入力ポート数(電圧発生回路3に接続するCPUの出力ポート数)より多くの状態数の制御電圧Vcを発生させることができる。それゆえ、本実施形態の電圧発生回路3では、抵抗の数、入力ポート数を増やすことなく、共振回路の共振周波数をより細かく調整することができる。
【0108】
また、比較例2の電圧発生回路220では、出力電圧Voutの出力特性を非線形とするためには、図13で説明したように、抵抗値の異なる複数種の抵抗を用いる必要がある。それに対して、本実施形態の電圧発生回路3では、複数の抵抗の抵抗値を全て同じにしても、制御電圧Vcの出力特性(調整特性)を非線形にすることができるというメリットもある。
【0109】
[変形例1]
上記第1の実施形態では、出力ポート30を第2入力ポート12に接続する例を説明したが、本開示はこれに限定されず、例えば、出力ポート30を第3入力ポート13〜第7入力ポート17のいずれか一つに接続してもよい。
【0110】
変形例1では、その一例として、出力ポート30を第3入力ポート13に接続した例を説明する。図14に、変形例1の電圧発生回路の概略構成を示す。なお、図14に示す変形例1の電圧発生回路60において、図3に示す上記第1の実施形態の電圧発生回路3と同様の構成には同じ符号を付して示す。
【0111】
この例の電圧発生回路60は、第1入力ポート11〜第8入力ポート18と、抵抗回路20と、出力ポート30と、増幅器40とを備える。そして、この例では、出力ポート30を第3入力ポート13、すなわち、第2抵抗22及び第3抵抗23間の接続点に接続する。なお、図14と図3との比較から明らかなように、この例の電圧発生回路60は、出力ポート30を接続する入力ポートを変更したこと以外は、上記第1の実施形態の電圧発生回路3(図3)と同様の構成である。
【0112】
この例においても、電圧発生回路60の各入力ポート(第1入力ポート11〜第8入力ポート18)の電位状態(ハイ状態、ロー状態、又は、開放状態)の組み合わせを適宜変更することにより、制御電圧Vcを調整することができる。
【0113】
図15に、この例における、各入力ポートの電位状態の組み合わせと、各組み合わせにおいて出力される制御電圧Vcとの関係を表す調整テーブルを示す。なお、図15に示す制御電圧Vcの調整テーブルは、第1抵抗21〜第7抵抗27の抵抗値を全て同じ値(1.0R)としたときの構成例である。また、この例では、入力ポートのハイ状態の電位を3.0[V]とし、ロー状態の電位を0.0[V]とする。
【0114】
図15に示す調整テーブルから明らかなように、この例の電圧発生回路60では、各入力ポートの電位状態の組み合わせは、22通りとなる。しかしながら、組み合わせ「C19」、「C11」及び「C3」(状態番号「6」〜「8」)では、制御電圧Vcが1.00[V]になる。また、組み合わせ「C18」、「C13」、「C9」及び「C4」(状態番号「10」〜「13」)では、制御電圧Vcが1.50[V]になる。さらに、組み合わせ「C14」、「C8」及び「C6」(状態番号「15」〜「17」)では、制御電圧Vcが2.00[V]になる。それゆえ、電圧発生回路60において、第1抵抗21〜第7抵抗27の抵抗値を全て同じ値(1.0R)としたときには、制御電圧Vcを15通りの状態(状態数=15)に調整することができる。
【0115】
上述のように、この例の電圧発生回路60においても、各入力ポートの電位状態の組み合わせを変えることにより、入力ポート数(又は抵抗の数)より多くの状態数(調整ステップ数)の制御電圧Vcを生成することができる。また、この例では、出力ポート30を接続する入力ポートを第2入力ポート12から第3入力ポート13に変更するだけで、制御電圧Vcの状態数を、第1の実施形態より増加させることができる。
【0116】
また、この例においても、第1抵抗21〜第7抵抗27の各抵抗値を、例えば用途等の条件に応じて適宜変更してもよい。例えば、第1抵抗21の抵抗値R1のみを他の抵抗の抵抗値と異なる構成にしてもよい。
【0117】
図16に、第1抵抗21の抵抗値R1のみを変化させた場合に電圧発生回路60で生成される制御電圧Vcの調整テーブルを示す。ただし、図16には、第2抵抗22〜第7抵抗27の抵抗値R2〜R7をそれぞれ1.0Rとし、かつ、第1抵抗21の抵抗値R1を0.5R、0.9R、1.0R及び1.1Rと変化させたときの例を示す。
【0118】
図16に示す調整テーブルから明らかなように、この例では、第1抵抗21の抵抗値R1のみを変化させることにより、制御電圧Vcの状態数を20まで増加させることができる。すなわち、この例においても、上記第1の実施形態と同様に、第1抵抗21(外付け抵抗)の抵抗値R1のみを変化させることにより、生成可能な制御電圧Vcの状態数を容易に増加させることができる。
【0119】
また、図17に、図16に示す調整テーブルを利用したときの制御電圧Vcの調整特性(制御電圧Vcの状態番号に対する制御電圧Vcの変化特性)を示す。なお、図17に示す特性では、縦軸に制御電圧Vcを示し、横軸に制御電圧Vcに対応する状態番号を示す。また、図17では、第1抵抗21の抵抗値R1を0.5R、0.9R、1.0R及び1.1Rとしたときの特性を、それぞれ、二点鎖線、一点鎖線、実線及び破線のグラフで示す。
【0120】
図17から明らかなように、この例においても、上記第1の実施形態と同様に、第1抵抗21の抵抗値R1のみを変化させることにより、制御電圧Vcの調整特性が、第1抵抗21の抵抗値R1毎に変化する。また、この例における制御電圧Vcの調整特性(図17)と、上記第1の実施形態における制御電圧Vcの調整特性(図8)との比較から明らかなように、この例では、制御電圧Vcの調整特性の直線性が第1の実施形態のそれより強くなる。それゆえ、この例の電圧発生回路60は、共振周波数のチューニング特性が線形である用途に好適である。
【0121】
また、図17から明らかなように、この例においても、制御電圧Vcが最大(3.0[V])となる状態番号「22」と、その一つ前の状態番号「21」との間において、制御電圧Vcの変化が比較的大きくなる。すなわち、制御電圧Vcの最大値付近における制御電圧Vcの変化が比較的大きくなる。それゆえ、制御電圧Vcの最大値付近における制御電圧Vcの変化が小さくするために、この例においても、上記第1の実施形態で説明した調整手法3と同様にして、電圧発生回路60の入力ポートにおけるハイ状態の電圧値を3.0[V]より大きくしてもよい。
【0122】
上述のように、この例では、出力ポート30の接続先、及び、第1抵抗21(外付け抵抗)の抵抗値R1を変えるだけで、生成可能な制御電圧Vcの状態数を第1の実施形態より増加させることができる。それゆえ、この例では、より少ない入力ポート数で必要な制御電圧Vcの状態数を設計することができる。また、この例の電圧発生回路60においても、その内部にスイッチを設けないので、上記第1の実施形態と同様に、コストを低減することができ、かつ、電圧発生回路60の構成をより簡易で省スペースな構成にすることができる。
【0123】
[変形例2]
上記第1の実施形態及び変形例1では、出力ポートを1つ設ける例を説明したが、本開示はこれに限定されず、例えば、複数の出力ポートを設け、複数の出力ポートから所定の出力ポートを選択する構成にしてもよい。変形例2では、その一例として、2つの出力ポートを設ける例を説明する。
【0124】
図18に、変形例2の電圧発生回路の概略構成を示す。なお、図18に示す変形例2の電圧発生回路70において、図3に示す上記第1の実施形態の電圧発生回路3と同様の構成には同じ符号を付して示す。
【0125】
この例の電圧発生回路70は、第1入力ポート11〜第8入力ポート18と、抵抗回路20と、第1出力ポート71と、第2出力ポート72と、切り替えスイッチ73(スイッチ)と、増幅器40とを備える。なお、この例の第1入力ポート11〜第8入力ポート18、抵抗回路20、及び、増幅器40は、上記第1の実施形態(図3)のそれらと同様の構成であるので、ここでは、これらの構成の説明は省略する。
【0126】
この例の電圧発生回路70では、第1出力ポート71を第2入力ポート12に接続し、第2出力ポート72を第3入力ポート13に接続する。すなわち、この例では、第1出力ポート71並びに第2出力ポート72を、それぞれ、第1抵抗21及び第2抵抗22間の接続点、並びに、第2抵抗22及び第3抵抗23間の接続点に接続する。
【0127】
切り替えスイッチ73は、第1出力ポート71及び第2出力ポート72と、増幅器40との間に設けられる。そして、切り替えスイッチ73は、適宜、第1出力ポート71及び第2出力ポート72の一方を選択して、該選択した出力ポートを増幅器40の入力端子に接続する。なお、切り替えスイッチ73の切り替え動作は、例えば、非接触通信装置内の制御部(不図示)により制御される。
【0128】
この例において、切り替えスイッチ73で第1出力ポート71を選択した場合には、電圧発生回路70は、上記第1の実施形態の電圧発生回路3(図3)と同様の構成になる。一方、切り替えスイッチ73で第2出力ポート72を選択した場合には、電圧発生回路70は、上記変形例1の電圧発生回路60(図14)と同様の構成になる。それゆえ、この例では、切り替えスイッチ73で選択する出力ポートを、第1出力ポート71から第2出力ポート72に切り替えるだけで、生成可能な制御電圧Vcの状態数を簡単に増加させることができる。すなわち、この例では、より少ない入力ポート数で、より簡単に、制御電圧Vcの状態数を増加させることができる。
【0129】
また、この例では、例えば必要とする共振周波数のチューニング特性に応じて、簡単に、電圧発生回路70を適宜最適な構成に設定することができる。例えば、図2に示すような非線形の共振周波数のチューニング特性を必要とする用途に電圧発生回路70を用いる場合には、切り替えスイッチ73で第1出力ポート71を選択すればよい。一方、例えば、直線性の高いチューニング特性を必要とする用途に電圧発生回路70を用いる場合には、切り替えスイッチ73で第2出力ポート72を選択すればよい。
【0130】
<2.第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、電圧発生回路3内の抵抗回路20を、複数の抵抗を直列接続して構成する例を説明したが、本開示はこれに限定されず、複数の抵抗を並列接続して抵抗回路を構成してもよい。第2の実施形態では、その一構成例を説明する。なお、ここでは、上記第1の実施形態と同様に、入力ポート数が8である場合の構成例を説明する。
【0131】
[電圧発生回路の構成]
図19に、本実施形態の電圧発生回路の概略構成を示す。なお、図19に示す本実施形態の電圧発生回路80において、図3に示す上記第1の実施形態の電圧発生回路3と同様の構成には同じ符号を付して示す。
【0132】
電圧発生回路80は、8つの入力ポート(第1入力ポート11〜第8入力ポート18)と、抵抗回路90と、出力ポート30と、増幅器40とを備える。なお、本実施形態の第1入力ポート11〜第8入力ポート18、出力ポート30、及び、増幅器40は、上記第1の実施形態のそれらと同様の構成である。すなわち、本実施形態の電圧発生回路80において、抵抗回路90以外の構成は、上記第1の実施形態と同様であるので、ここでは、抵抗回路90の構成についてのみ説明する。
【0133】
抵抗回路90は、8個の抵抗(第1抵抗91〜第8抵抗98)を有し、それらの抵抗を並列接続して構成される。具体的には、第1抵抗91〜第8抵抗98の一方の端子は、それぞれ、第1入力ポート11〜第8入力ポートに接続され、第1抵抗91〜第8抵抗98の他方の端子は、すべて、出力ポート30に接続される。なお、第1抵抗91〜第8抵抗98の各抵抗値(r1〜r8)は、例えば、用途、必要とする共振周波数の調整間隔(制御電圧Vcの調整ステップ)等の条件に応じて適宜設定される。
【0134】
図19に示す電圧発生回路80は、例えば複数の抵抗が基板上に実装された市販の内部接続型(共通端子型)の抵抗アレイを用いて構成することができる。図20(a)及び(b)に、本実施形態の電圧発生回路80に適用可能な内部接続型の抵抗アレイの外観図を示す。なお、図20(a)は、内部接続型の抵抗アレイの上面図であり、図20(b)は、内部接続型の抵抗アレイの短辺側の側面図である。また、図21に、図20(a)及び(b)に示す内部接続型の抵抗アレイの等価回路を示す。
【0135】
内部接続型の抵抗アレイ100は、基板(不図示)上に個別に実装された8個の抵抗101(抵抗素子)を有する。抵抗アレイ100の各抵抗101の一方の端子は独立端子102として外部に露出するように形成される。すなわち、図20(a)及び(b)、並びに、図21に示す抵抗アレイ100では、8個の独立端子102(図19中の第1入力ポート11〜第8入力ポート18に対応)が外部に露出するように設けられる。また、各抵抗101の他方の端子は、抵抗アレイ100の内部で電気的に接続され、共通端子103として外部に露出するように形成される。なお、図20(a)及び(b)、並びに、図21には、共通端子103を2個設けた抵抗アレイ100の例を示す。
【0136】
抵抗アレイ100の上面形状は、略矩形状であり、その寸法は、長さ3.2±0.2mm×幅1.6±0.1mmである。また、抵抗アレイ100の厚さは、0.5±0.1mmである。すなわち、この例では、上記第1の実施形態で用い得る独立型の抵抗アレイ50(図4(a)及び(b))より、小さいサイズの抵抗アレイ100を用いることができる。
【0137】
また、図20(a)及び(b)に示す抵抗アレイ100では、対向する一対の長辺部のそれぞれに、5個ずつ端子を露出させる。その外部に露出した10個の端子のうち、4つの角部付近にそれぞれ設けられた4個の端子の寸法は、それぞれ0.49±0.15mm×0.3±0.2mmであり、残りの6個の端子の寸法は、それぞれ0.34±0.15mm×0.3±0.2mmである。なお、図20(a)及び(b)に示す抵抗アレイ100の端子ピッチは0.635mmである。
【0138】
図20(a)及び(b)、並びに、図21に示す内部接続型の抵抗アレイ100を、本実施形態の電圧発生回路80に適用する場合には、抵抗アレイ100の8個の独立端子102をCPUの対応する8つの出力ポートにそれぞれ接続する。そして、抵抗アレイ100の2個の共通端子103のうちの一方を出力ポート30に接続する。
【0139】
[制御電圧の調整手法]
次に、本実施形態の電圧発生回路80における制御電圧Vcの調整手法について説明する。本実施形態では、上記第1の実施形態と同様に、CPUから電圧発生回路80に入力される制御信号に基づいて、各入力ポートの電位状態(ハイ状態、ロー状態、又は、開放状態)の組み合わせを適宜変更することにより、制御電圧Vcを調整する。
【0140】
図22に、各入力ポート(第1入力ポート11〜第8入力ポート18)の電位状態の組み合わせと、各組み合わせにおいて出力される制御電圧Vcとの関係を表す調整テーブルを示す。なお、図22に示す制御電圧Vcの調整テーブルは、第1抵抗91〜第8抵抗98の抵抗値r1〜r8を全て同じ値(1.0r:基準値)にしたときの例である。なお、抵抗値の基準値(1.0r)は、例えば用途等の条件に応じて適宜設定される。
【0141】
図22に示す調整テーブルから明らかなように、本実施形態の電圧発生回路80では、各入力ポートの電位状態の組み合わせは、60通りとなる(図22中の「C1」〜「C60」)。しかしながら、この60通りの組み合わせのうち、同じ制御電圧Vcが得られる組み合わせが数種類存在するので、本実施形態の電圧発生回路80で生成可能な制御電圧Vcの状態数は、23となる。それゆえ、本実施形態において、第1抵抗91〜第8抵抗98の抵抗値を全て同じ値(r1〜r8=1.0r)としたときには、制御電圧Vcを23通りの状態に調整することができる。すなわち、本実施形態においても、入力ポート数(=8)より多い状態数(=23)の制御電圧Vcを生成することができる。
【0142】
また、本実施形態では、第1抵抗91〜第8抵抗98の各抵抗値を、例えば、用途、必要とする共振周波数の調整間隔(制御電圧Vcの調整ステップ)等の条件に応じて適宜変更することができる。例えば、第8抵抗98の抵抗値r8のみを他の抵抗(第1抵抗91〜第7抵抗97)の抵抗値(r1〜r8)と異なる値にして、制御電圧Vcを調整することもできる。
【0143】
図23に、第8抵抗98の抵抗値r8のみを変化させた場合に電圧発生回路80で生成される制御電圧Vcの調整テーブルを示す。ただし、図23には、第1抵抗91〜第7抵抗97の抵抗値r1〜r7をそれぞれ1.0rとし、かつ、第8抵抗98の抵抗値r8を0.5r、0.9r、1.0r及び1.1rと変化させたときの調整テーブルの例を示す。
【0144】
また、図24に、図23に示す調整テーブルを利用したときの制御電圧Vcの調整特性(制御電圧Vcの状態番号に対する制御電圧Vcの変化特性)を示す。なお、図24に示す特性では、縦軸に制御電圧Vcを示し、横軸に制御電圧Vcに対応する状態番号を示す。また、図24では、第8抵抗98の抵抗値r8を0.5r、0.9r、1.0r及び1.1rとしたときの特性を、それぞれ、二点鎖線、一点鎖線、実線及び破線のグラフで示す。
【0145】
図23及び24から明らかなように、第8抵抗98の抵抗値r8のみを変化させると、制御電圧Vcの調整特性は、第8抵抗98の抵抗値r8毎に変化する。そして、第8抵抗98の抵抗値r8のみを変化させることにより、制御電圧Vcの状態数を、53まで増加させることができる。
【0146】
なお、図23及び24に示す例では、第1抵抗91〜第7抵抗97の抵抗値r1〜r7を同じ値(1.0r)とし、第8抵抗98の抵抗値r8のみを変化させて制御電圧Vcを調整する例を説明したが、第1抵抗91の抵抗値r1のみを変化させてもよい。この場合も、第8抵抗98の抵抗値r8のみを変化させた場合と同様の制御電圧Vcの調整特性及び制御電圧Vcの状態数が得られる。
【0147】
また、図24に示す制御電圧Vcの調整特性から明らかなように、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、制御電圧Vcの最大値(3.0[V])付近において状態番号に対する制御電圧Vcの変化が比較的大きくなる。それゆえ、本実施形態においても、上記第1の実施形態で説明した調整手法3と同様にして、入力ポートのハイ状態の電圧値Vを大きくし、制御電圧Vcの最大値付近における制御電圧Vcの変化を小さくしてもよい。
【0148】
なお、本実施形態の電圧発生回路80では、出力ポート30が共通であるので、上記変形例1及び2のように、出力ポート30と抵抗回路90との接続点を変更して制御電圧Vcの状態数を増やすことはできない。しかしながら、本実施形態では、上述のように、各抵抗の抵抗値を適宜変更することにより、制御電圧Vcの状態数を大幅に増加させることができ、上記第1の実施形態の構成より制御電圧Vcの状態数を増加させることができる。
【0149】
上述のように、本実施形態の電圧発生回路80では、上記第1の実施形態と同様にして制御電圧Vcを調整して出力することができる。そして、本実施形態においても、抵抗の数、及び、入力ポート数(電圧発生回路80に接続するCPUの出力ポート数)より多くの状態数の制御電圧Vcを発生させることができる。それゆえ、本実施形態の電圧発生回路80においても、上記第1の実施形態と同様に、抵抗の数、入力ポート数を増やすことなく、共振回路の共振周波数をより細かく調整することができる。
【0150】
また、本実施形態の電圧発生回路80では、上記第1の実施形態と同様に、その内部にスイッチを設けないので、コストを低減することができ、かつ、電圧発生回路80の構成をより簡易で省スペースな構成にすることができる。
【0151】
さらに、本実施形態の電圧発生回路80では、上記第1の実施形態で用い得る市販の独立型の抵抗アレイ50(図4(a)及び(b))よりサイズの小さな市販の内部接続型の抵抗アレイ100(図20(a)及び(b))を用いることができる。それゆえ、本実施形態の構成は、上記第1の実施形態の構成に比べて、省スペースの観点で優位な構成になる。
【0152】
なお、上記各種実施形態及び各種変形例では、制御信号により、電圧発生回路の複数の入力ポートの電位状態を、ハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに設定する例を説明したが、本開示は、これに限定されない。例えば、複数の入力ポートのうち、少なくとも一つの入力ポートの電位状態を、ハイ状態又はロー状態に固定してもよい。
【0153】
<3.各種応用例>
上記各種実施形態及び各種変形例では、本開示に係る電圧発生回路を共振回路部に適用する例を説明したが、本開示はこれに限定されない。本開示の電圧発生回路は、可変コンデンサ(可変容量素子)に直流の制御電圧を印加して、その容量を調整する必要のあるシステム及び装置(電子機器)であれば、任意のシステム及び装置に適用可能であり、同様の効果が得られる。以下では、本開示の電圧発生回路の各種応用例(適用例)について説明する。
【0154】
[応用例1:通信装置]
まず、応用例1では、例えば非接触通信機能を備える情報処理端末等の通信装置に、上記各種実施形態及び各種変形例に係る電圧発生回路を適用した例を説明する。
【0155】
図25に、応用例1に係る通信装置の概略回路構成を示す。なお、図25に示す通信装置110において、図1に示す上記第1の実施形態の共振回路部1と同様の構成には、同じ符号を付して示す。また、図25では、説明を簡略化するため、通信装置110の受信系(復調系)の回路部の構成のみを示す。信号の送信系(変調系)の回路部を含む他の構成は、従来の通信装置と同様に構成することができる。
【0156】
通信装置110は、受信部111と、信号処理部112と、制御部113とを備える。
【0157】
受信部111は、共振アンテナ2(受信アンテナ部,通信部)と、共振アンテナ2に直流の制御電圧Vcを印加する電圧発生回路3と、コイル4とを有する。なお、この例の受信部111は、上記第1の実施形態の共振回路部1と同様の構成であり、例えば外部のR/W装置(不図示)から非接触通信により送信される信号を共振アンテナ2で受信し、その受信信号を、信号処理部112に出力する。そして、この例では、電圧発生回路3に、上記各種実施形態及び各種変形例で説明した電圧発生回路のいずれかを適用する。
【0158】
信号処理部112は、受信部111で受信した交流信号に対して所定の処理を施し、交流信号を復調する。
【0159】
制御部113は、通信装置110の動作全般を制御するための例えばCPU(Central Processing Unit)等の回路により構成される。CPU(制御部113)の複数の出力ポート(I/Oポート)は、電圧発生回路3の対応する複数の入力ポートに接続される。
【0160】
この例では、上記各種実施形態及び各種変形例と同様に、CPU(制御部113)から電圧発生回路3の各入力ポートに入力される制御信号に基づいて、各入力ポートの電位状態(ハイ状態、ロー状態、又は、開放状態)の組み合わせを適宜変更する。そして、これにより、可変コンデンサ8に印加する制御電圧Vcを調整して、受信部111(共振アンテナ2)の共振周波数を調整する。
【0161】
上述のように、この例の通信装置110では、上記各種実施形態及び各種変形例で説明した電圧発生回路を用いるので、コストを低減することができ、かつ、より簡易で省スペースな構成にすることができる。
【0162】
[応用例2:通信システム]
次に、非接触通信で情報の送受信を行う通信システムに、上記各種実施形態及び各種変形例に係る電圧発生回路を適用した例(応用例2)を説明する。
【0163】
図26に、応用例2に係る通信システムの概略ブロック構成を示す。なお、図26には、説明を簡略化するため、非接触通信に関与する要部の構成のみを示す。また、図26では、各回路ブロック間において情報の入出力に関する配線を実線矢印で示し、電力の供給に関する配線は、点線矢印で示す。
【0164】
通信システム120は、送信装置121と、受信装置122とを備える。通信システム120では、送信装置121及び受信装置122間で非接触通信により情報の送受信を行う。なお、図26に示す構成の通信システム120の例としては、例えば、Felica(登録商標)に代表されるような非接触ICカード規格と、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)規格とを組み合わせた通信システムが挙げられる。以下、各装置の構成をより詳細に説明する。
【0165】
(1)送信装置
送信装置121は、受信装置122に対して非接触でデータを読み書きするリーダライタ機能を有する装置である。送信装置121は、一次側アンテナ部(送信アンテナ部)123、可変インピーダンスマッチング部124、送信信号生成部125、変調回路126、復調回路127、送受信制御部128及び送信側システム制御部129を備える。さらに、送信装置121は、送信装置121の動作全般を制御するための制御部130を備える。
【0166】
送信装置121内の各部間の電気的な接続関係は、次の通りである。一次側アンテナ部123は、可変インピーダンスマッチング部124に接続され、信号の入出力を行う。また、一次側アンテナ部123の一方の制御端子は、送受信制御部128に接続され、他方の制御端子は、制御部130に接続される。可変インピーダンスマッチング部124の入力端子は、送信信号生成部125の出力端子に接続され、可変インピーダンスマッチング部124の出力端子は、復調回路127の入力端子に接続される。また、可変インピーダンスマッチング部124の一方の制御端子は、送受信制御部128に接続され、他方の制御端子は、制御部130に接続される。
【0167】
送信信号生成部125の入力端子は、変調回路126の出力端子に接続される。また、変調回路126の入力端子は、送信側システム制御部129の一方の出力端子に接続される。復調回路127の出力端子は、送信側システム制御部129の入力端子に接続される。また、送受信制御部128の一方の入力端子は、送信信号生成部125の出力端子に接続され、他方の入力端子は、送信側システム制御部129の他方の出力端子に接続される。
【0168】
次に、送信装置121の各部の構成及び機能について説明する。一次側アンテナ部123は、上記第1の実施形態の共振回路部1(図1)と同様の構成を有し、共振コイル及び共振コンデンサからなる共振回路と、共振コンデンサの容量を調整する電圧発生回路とを有する。一次側アンテナ部123は、共振回路により所望の周波数の送信信号を送信すると共に、後述する受信装置122からの応答信号を受信する。この際、共振回路の共振周波数が所望の周波数となるように、電圧発生回路が、共振コンデンサの容量を調整する。そして、この例では、一次側アンテナ部123に含まれる電圧発生回路に、上記各種実施形態及び各種変形例で説明した電圧発生回路のいずれかを適用する。
【0169】
可変インピーダンスマッチング部124は、送信信号生成部125と一次側アンテナ部123との間のインピーダンスの整合を取る回路である。なお、図26には示さないが、可変インピーダンスマッチング部124は、可変コンデンサと、該可変コンデンサの容量を調整するための電圧発生回路を有する。この例では、電圧発生回路で可変コンデンサの容量を調整することにより、送信信号生成部125及び一次側アンテナ部123間のインピーダンスマッチングを実現する。なお、この例では、可変インピーダンスマッチング部124に含まれる電圧発生回路に、上記各種実施形態及び各種変形例で説明した電圧発生回路のいずれかを適用する。
【0170】
送信信号生成部125は、変調回路126から入力された送信データにより所望の周波数(例えば13.56MHz)のキャリア信号を変調し、該変調したキャリア信号を、可変インピーダンスマッチング部124を介して一次側アンテナ部123に出力する。
【0171】
変調回路126は、送信側システム制御部129から入力された送信データを変調し、該変調した送信データを送信信号生成部125に出力する。
【0172】
復調回路127は、一次側アンテナ部123で受信した応答信号を、可変インピーダンスマッチング部124を介して取得し、該応答信号を復調する。そして、復調回路127は、復調した応答データを送信側システム制御部129に出力する。
【0173】
送受信制御部128は、送信信号生成部125から可変インピーダンスマッチング部124に送出されるキャリア信号の送信電圧、送信電流などの通信状態をモニタリングする。そして、送受信制御部128は、通信状態のモニタ結果に応じて、可変インピーダンスマッチング部124及び一次側アンテナ部123に制御信号を出力する。
【0174】
送信側システム制御部129は、外部からの指令や内蔵するプログラムにしたがって、各種制御用のコントロール信号を生成し、該コントロール信号を変調回路126及び送受信制御部128に出力して、両回路部の動作を制御する。また、送信側システム制御部129は、コントロール信号(指令信号)に対応した送信データを生成し、該送信データを変調回路126に供給する。さらに、送信側システム制御部129は、復調回路127で復調された応答データに基づいて所定の処理を行う。
【0175】
制御部130は、例えばCPU等の回路により構成される。CPU(制御部130)の複数の出力ポート(I/Oポート)は、可変インピーダンスマッチング部124及び一次側アンテナ部123内の電圧発生回路の対応する複数の入力ポートにそれぞれ接続される。そして、制御部130は、送受信制御部128から可変インピーダンスマッチング部124及び一次側アンテナ部123に入力される制御信号に基づいて、各入力ポートの電位状態(ハイ状態、ロー状態、又は、開放状態)の組み合わせを適宜変更する。これにより、可変インピーダンスマッチング部124及び一次側アンテナ部123内に含まれる可変コンデンサに印加する制御電圧を調整する。この際、送信信号生成部125と一次側アンテナ部123との間のインピーダンスマッチング、及び、一次側アンテナ部123の共振周波数が最適になるように制御電圧を調整する。
【0176】
なお、図26に示す例では、送信装置121において、送受信制御部128、送信側システム制御部129及び制御部130(CPU)をそれぞれ別個に設ける例を説明したが、本開示はこれに限定されない。制御部130が送受信制御部128及び送信側システム制御部129を含むような構成であってもよい。
【0177】
(2)受信装置
次に、受信装置122について説明する。なお、図26に示す例では、受信装置122を非接触ICカード(データキャリア)で構成した例を示す。また、この例では、受信装置122が、自身の共振周波数を調整する機能を備える例を説明する。
【0178】
受信装置122は、二次側アンテナ部(受信アンテナ部)131、整流部132、定電圧部133、受信制御部134、復調回路135、受信側システム制御部136、変調回路137、バッテリー138を備える。
【0179】
受信装置122内の各部間の電気的な接続関係は、次の通りである。二次側アンテナ部131の出力端子は、整流部132の入力端子、受信制御部134の一方の入力端子及び復調回路135の入力端子に接続される。また、二次側アンテナ部131の入力端子は、変調回路137の出力端子に接続され、二次側アンテナ部131の制御端子は、受信制御部134の出力端子に接続される。整流部132の出力端子は、定電圧部133の入力端子に接続される。また、定電圧部133の出力端子は、受信制御部134、変調回路137及び復調回路135の各電源入力端子に接続される。
【0180】
受信制御部134の他方の入力端子は、受信側システム制御部136の一方の出力端子に接続される。復調回路135の出力端子は、受信側システム制御部136の入力端子に接続される。また、変調回路137の入力端子は、受信側システム制御部136の他方の出力端子に接続される。そして、受信側システム制御部136の電源入力端子は、バッテリー138の出力端子に接続される。
【0181】
次に、受信装置122の各部の構成及び機能について説明する。二次側アンテナ部131は、図示しないが、共振コイル及び共振コンデンサからなる共振回路を有し、共振コンデンサは、制御電圧を印加することにより容量が変化する可変コンデンサを含む。二次側アンテナ部131は、送信装置121(一次側アンテナ部123)と電磁結合により通信を行う部分であり、一次側アンテナ部123が発生する磁界を受け、送信装置121からの送信信号を受信する。この際、二次側アンテナ部131の共振周波数が所望の周波数となるように、可変コンデンサの容量が調整される。
【0182】
整流部132は、例えば整流用ダイオードと整流用コンデンサとからなる半波整流回路で構成され、二次側アンテナ部131で受信した交流電力を直流電力に整流し、該整流した直流電力を定電圧部133に出力する。
【0183】
定電圧部133は、整流部132から入力された電気信号(直流電力)に対して電圧変動(データ成分)の抑制処理及び安定化処理を施し、該処理された直流電力を受信制御部134に供給する。なお、整流部132及び定電圧部133を介して出力された直流電力は、受信装置122内のICを動作させるための電源として使用される。
【0184】
受信制御部134は、例えばIC等で構成され、二次側アンテナ部131で受信される受信信号の大きさや電圧/電流の位相などをモニタする。そして、受信制御部134は、受信信号のモニタ結果に基づいて二次側アンテナ部131の共振特性を制御して、受信時における共振周波数の最適化を図る。具体的には、二次側アンテナ部131内に含まれる可変コンデンサに制御電圧を印加してその容量を調整し、これにより、二次側アンテナ部131の共振周波数を調整する。
【0185】
復調回路135は、二次側アンテナ部131で受信した受信信号を復調し、該復調した信号を受信側システム制御部136に出力する。
【0186】
受信側システム制御部136は、復調回路135で復調された信号に基づいて、その内容を判断して必要な処理を行い、変調回路137及び受信制御部134を制御する。
【0187】
変調回路137は、受信側システム制御部136で判断された結果(復調信号の内容)に従って受信キャリアを変調して応答信号を生成する。そして、変調回路137は、生成した応答信号を二次側アンテナ部131に出力する。なお、変調回路137から出力された応答信号は、非接触通信により、二次側アンテナ部131から一次側アンテナ部123に送信される。
【0188】
バッテリー138は、受信側システム制御部136に電力を供給する。このバッテリー138への充電は、その充電端子を外部電源139に接続することにより行われる。この例のように、受信装置122がバッテリー138を内蔵する構成である場合には、より安定した電力を受信側システム制御部136に供給することができ、安定した動作が可能となる。なお、この例では、バッテリー138を使用せずに、整流部132及び定電圧部133を介して生成される直流電力を用いて、受信側システム制御部136を駆動する構成にしてもよい。
【0189】
上記構成の通信システム120では、送信装置121の一次側アンテナ部123及び受信装置122の二次側アンテナ部131間において、電磁結合を介して非接触でデータ通信を行う。それゆえ、送信装置121及び受信装置122において効率良く通信を行うために、一次側アンテナ部123及び二次側アンテナ部131の各共振回路が同じキャリア周波数(本実施形態では13.56MHz)で共振するように構成される。
【0190】
そして、この例では、一次側アンテナ部123及び可変インピーダンスマッチング部124に含まれる可変コンデンサの容量を、上記各種実施形態及び各種変形例で説明した電圧発生回路のいずれかにより調整する。それゆえ、この例の通信システム120では、共振周波数及びインピーダンスマッチング特性の両方を最適に保つことができ、通信特性を向上させることができる。
【0191】
また、上述のように、この例の送信装置121では、上記各種実施形態及び各種変形例で説明した電圧発生回路を用いるので、共振周波数の調整機能を有する送信装置において、コストを低減することができ、かつ、より簡易で省スペースな構成にすることができる。
【0192】
なお、この例では、受信装置122を非接触ICカード(データキャリア)で構成する例を示したが、本開示はこれに限定されない。受信装置122として、上記応用例1で説明した、例えば非接触通信機能を備える情報処理端末等の通信装置を用いてもよい。また、非接触ICカード(データキャリア)が、例えば非接触通信機能を備える情報処理端末等の通信装置に搭載されるシステムCPUと同等の性能を有するCPUを備える場合には、本開示の電圧発生回路をそのような非接触ICカードにも適用することができる。
【0193】
この場合、一次側アンテナ部123及び二次側アンテナ部131の各共振周波数を別個に上記各種実施形態及び各種変形例で説明した電圧発生回路で調整することができる。それゆえ、このような構成の通信システム120では、様々な要因により受信共振周波数及び/又は送信共振周波数がずれても、各共振周波数のずれを各装置内で容易に調整することができ、安定した通信特性を得ることができる。
【0194】
[応用例3:ワイヤレス充電システム]
次に、非接触通信で電力の送受信(伝送)を行うワイヤレス充電システムに、上記各種実施形態及び各種変形例に係る電圧発生回路を適用した例(応用例3)を説明する。
【0195】
図27に、応用例3に係るワイヤレス充電システムの概略ブロック構成を示す。なお、図27には、説明を簡略化するため、非接触通信に関与する要部の構成のみを示す。また、図27では、各回路ブロック間において情報の入出力に関する配線を実線矢印で示し、電力の供給に関する配線は、点線矢印で示す。
【0196】
ワイヤレス充電システム140は、給電装置141(給電装置部)と、受電装置142(受電装置部)とを備える。ワイヤレス充電システム140では、給電装置141及び受電装置142間で非接触通信により電力の送受信(伝送)を行う。なお、この例のワイヤレス充電システム140では、非接触で給電(充電)を行うための充電方式として、電磁誘導や磁界共鳴などの方式を適用することができる。以下、各装置の構成をより詳細に説明する。
【0197】
(1)給電装置
給電装置141は、所望の電子機器(受電装置142)に非接触で電力を供給する装置である。給電装置141は、一次側アンテナ部(給電アンテナ部)143、可変インピーダンスマッチング部144、送信信号生成部145、変調回路146、復調回路147、送受信制御部148、送信側システム制御部149及び制御部150を備える。
【0198】
給電装置141の一次側アンテナ部143及び可変インピーダンスマッチング部144は、それぞれ、上記応用例2の送信装置121の一次側アンテナ部123及び可変インピーダンスマッチング部124と同様に構成される。すなわち、この例においても給電装置141の一次側アンテナ部143及び可変インピーダンスマッチング部144には、上記各種実施形態及び各種変形例で説明した電圧発生回路のいずれかが設けられる。
【0199】
また、給電装置141の、送信信号生成部145、変調回路146及び復調回路147は、それぞれ、上記応用例2の送信装置121の、送信信号生成部125、変調回路126及び復調回路127と同様に構成される。さらに、給電装置141の、送受信制御部148、送信側システム制御部149及び制御部150は、それぞれ、上記応用例2の送信装置121の、送受信制御部128、送信側システム制御部129及び制御部130と同様に構成される。なお、給電装置141内の各部の電気的接続関係も、上記応用例2の送信装置121内のそれと同様である。
【0200】
なお、図27に示す例では、給電装置141において、送受信制御部148、送信側システム制御部149及び制御部150(CPU)をそれぞれ別個に設ける例を説明したが、本開示はこれに限定されない。制御部150が送受信制御部148及び送信側システム制御部149を含むような構成であってもよい。
【0201】
(2)受電装置
受電装置142は、例えば非接触通信機能を有する携帯機器等の装置で構成される。受電装置142は、二次側アンテナ部(受電アンテナ部)151、整流部152、充電制御部153、受信制御部154、復調回路155、受信側システム制御部156、変調回路157、バッテリー158及び制御部159を備える。
【0202】
受電装置142内の各部間の電気的な接続関係は、次の通りである。二次側アンテナ部151の出力端子は、整流部152の入力端子、受信制御部154の一方の入力端子及び復調回路155の入力端子に接続される。また、二次側アンテナ部151の入力端子は、変調回路157の出力端子に接続される。さらに、二次側アンテナ部151の一方の制御端子は、受信制御部154の出力端子に接続され、他方の制御端子は、制御部159の出力端子に接続される。
【0203】
整流部152の出力端子は、充電制御部153の入力端子に接続される。充電制御部153の出力端子は、受信側システム制御部156の一方の入力端子に接続される。また、充電制御部153の一方の電源出力端子は、受信制御部154、変調回路157及び復調回路155の各電源入力端子に接続され、他方の電源出力端子は、バッテリー158の充電端子に接続される。受信制御部154の他方の入力端子は、受信側システム制御部156の一方の出力端子に接続される。復調回路155の出力端子は、受信側システム制御部156の他方の入力端子に接続される。また、変調回路157の入力端子は、受信側システム制御部156の他方の出力端子に接続される。そして、受信側システム制御部156の電源入力端子は、バッテリー158の出力端子に接続される。
【0204】
次に、受電装置142の各部の構成及び機能について説明する。なお、この例において、二次側アンテナ部151、充電制御部153及び制御部159以外の構成は、上記応用例2の通信システム120の受信装置122の対応する各部と同様の構成である。それゆえ、ここでは、二次側アンテナ部151、充電制御部153及び制御部159の構成についてのみ説明する。
【0205】
二次側アンテナ部151は、上記第1の実施形態の共振回路部1と同様の構成を有し、共振コイル及び共振コンデンサからなる共振回路と、共振コンデンサの容量を調整する電圧発生回路とを有する。二次側アンテナ部151は、給電装置141(一次側アンテナ部143)と電磁結合により電力伝送を行うアンテナ部であり、一次側アンテナ部143が発生する磁界を受け、給電装置141からの送信電力を受信する。この際、二次側アンテナ部151の共振周波数が所望の周波数となるように、電圧発生回路により制御された制御電圧を可変コンデンサに印加して、可変コンデンサの容量が調整される。なお、電圧発生回路の動作制御(制御電圧の制御)は、制御部159から入力される制御信号に基づいて行われる。
【0206】
充電制御部153は、整流部152から入力された電気信号(直流電力)を、バッテリー158に供給してバッテリー158を充電すると共に、受信制御部154の駆動電力として受信制御部154に供給する。また、充電制御部153は、充電状況をモニタし、該モニタ結果を受信側システム制御部156に出力する。さらに、充電制御部153は、外部電源160に接続可能である。充電制御部153を外部電源160に接続した場合には、外部電源160から出力された電力は、充電制御部153を介してバッテリー158に供給され、これにより、バッテリー158が充電される。なお、バッテリー158を外部電源160で充電する場合、外部電源160をバッテリー158に直接接続する構成にしてもよい。
【0207】
制御部159は、例えばCPU等の回路により構成される。CPU(制御部159)の複数の出力ポート(I/Oポート)は、二次側アンテナ部151内の電圧発生回路の対応する複数の入力ポートにそれぞれ接続される。そして、制御部159は、受信制御部154から二次側アンテナ部151に入力される制御信号に基づいて、各入力ポートの電位状態(ハイ状態、ロー状態、又は、開放状態)の組み合わせを適宜変更する。これにより、二次側アンテナ部151内に含まれる可変コンデンサに印加する制御電圧を調整する。この際、二次側アンテナ部151の共振周波数が最適になるように制御電圧を調整する。
【0208】
なお、図27に示す例では、受電装置142において、受信制御部154、受信側システム制御部156及び制御部159(CPU)をそれぞれ別個に設ける例を説明したが、本開示はこれに限定されない。制御部159が受信制御部154及び受信側システム制御部156を含むような構成であってもよい。
【0209】
上記構成のワイヤレス充電システム140では、給電装置141の送信側システム制御部149から出力された信号に基づいて、一次側アンテナ部143から電力伝送のための電磁波が送信され、その電磁波を受電装置142の二次側アンテナ部151で受ける。そして、二次側アンテナ部151で受信した信号が整流部152で直流電力に変換され、該直流電力が充電制御部153を介してバッテリー158に充電される。
【0210】
また、この例のワイヤレス充電システム140では、受電装置142の二次側アンテナ部151で受信した信号は復調回路155により復調される。次いで、復調されたデータの内容が受信側システム制御部156で判断され、その結果に従って変調回路157は受信キャリア信号を変調する。そして、変調回路157は、変調された受信キャリア信号を応答信号として、二次側アンテナ部151を介して、給電装置141に送信する。
【0211】
このような一連の認識処理により、方式外の機器や金属などへの電力伝送を回避することができる。また、この認識処理において、正しい伝送と判断された場合には、送信信号は電力伝送のために無変調の出力となる。また、この際、長時間の充電を行うために、上記認識処理を間欠的に行って安全性を確保する。
【0212】
さらに、この例のワイヤレス充電システム140では、上述のように、充電状況が受電装置142の充電制御部153でモニタされる。そして、充電状況の情報は、最適な充電状況を得るために、受信側システム制御部156、変調回路157及び二次側アンテナ部151を介して給電装置141に送信される。一方、受電装置142から返信された充電状況の情報は、給電装置141の復調回路147により復調され、該復調データの内容が送信側システム制御部149を判断される。そして、送信側システム制御部149は、その判断結果に基づいて適宜必要な処理を実行する。
【0213】
上述したワイヤレス充電システム140の動作において、可変インピーダンスマッチング部144、一次側アンテナ部143及び二次側アンテナ部151の共振周波数が各部内の電圧発生回路により適宜調整される。それゆえ、このような構成のワイヤレス充電システム140では、様々な要因により受信共振周波数及び/又は送信共振周波数がずれても、各共振周波数のずれを各装置内で容易に調整することができ、安定した電力の伝送動作を実現することができる。
【0214】
[応用例4:電源装置]
次に、電源装置に、上記各種実施形態及び各種変形例に係る電圧発生回路を適用した例(応用例4)を説明する。
【0215】
図28に、応用例4に係る電源装置の概略ブロック構成を示す。なお、ここでは、商用電源180の電圧(AC100V)を、電源トランス171を介して降圧する電源装置170を例に挙げ説明する。
【0216】
電源装置170は、電源トランス171(電源供給部)と、可変インピーダンス部172と、整流回路173(整流回路部)と、定電圧回路174と、第1基準電圧電源175と、エラーアンプ176と、第2基準電圧電源177と、制御部178とを備える。
【0217】
電源装置170内の各部間の電気的な接続関係は、次の通りである。電源トランス171内の後述する一次側トランス171aは、図28に示すように、商用電源180に接続される。一方、電源トランス171内の後述する二次側トランス171bの出力端子は、可変インピーダンス部172の入力端子に接続され、二次側トランス171bの入力端子は、整流回路173の一方の出力端子に接続される。
【0218】
可変インピーダンス部172の出力端子は、整流回路173の入力端子に接続される。また、可変インピーダンス部172の一方の制御端子は、エラーアンプ176の出力端子に接続され、可変インピーダンス部172の他方の制御端子は、制御部178に接続される。整流回路173の他方の出力端子は、定電圧回路174の一方の入力端子及びエラーアンプ176の一方の入力端子に接続される。
【0219】
また、定電圧回路174の他方の入力端子は、図28に示すように、第1基準電圧電源175に接続され、定電圧回路174の出力端子は、負荷181に接続される。さらに、エラーアンプ176の他方の入力端子は、第2基準電圧電源177に接続される。
【0220】
次に、電源装置170の各部の構成及び機能について説明する。電源トランス171は、図28に示すように、一次側トランス171aと、二次側トランス171bとを有する。電源トランス171は、一次側トランス171aと二次側トランス171bとの巻き数比に対応する割合で商用電源180の電圧を降圧し、該降圧した電圧を可変インピーダンス部172に出力する。
【0221】
可変インピーダンス部172は、図28に示さないが、可変コンデンサと、該可変コンデンサの容量を調整するための電圧発生回路を有する。なお、この例では、可変インピーダンス部172に含まれる電圧発生回路に、上記各種実施形態及び各種変形例で説明した電圧発生回路のいずれかを適用する。
【0222】
可変インピーダンス部172は、可変コンデンサの容量を増減してインピーダンスを変化させる。これにより、可変インピーダンス部172は、二次側トランス171bから入力される交流電圧を増減させ、該増減された交流電圧を整流回路173に供給する。
【0223】
整流回路173は、例えば整流ダイオードと整流コンデンサとからなる半波整流回路で構成される。整流回路173は、可変インピーダンス部172から入力された交流電圧を直流電圧に変換し、該直流電圧を定電圧回路174及びエラーアンプ176に供給する。
【0224】
定電圧回路174は、第1基準電圧電源175から供給される基準電圧Vref1と整流回路173から入力される直流電圧とを比較して電圧値一定の直流電圧を生成し、該電圧値一定の直流電圧を負荷181に供給する。具体的には、定電圧回路174は、負荷181に印加される電圧が基準電圧Vref1と同じになるように、自身の回路内において入力電圧の電圧降下量を増減する。
【0225】
エラーアンプ176は、整流回路173から入力された直流電圧と、第2基準電圧電源177から供給される基準電圧Vref2とを比較し、この比較結果に基づいて、可変インピーダンス部172のインピーダンスを制御する。なお、通常、第2基準電圧電源177から出力される基準電圧Vref2は、第1基準電圧電源175から出力される基準電圧Vref1より2[V]程度高めに設定される。
【0226】
制御部178は、例えばCPU等の回路により構成される。CPU(制御部178)の複数の出力ポート(I/Oポート)は、可変インピーダンス部172内の電圧発生回路の対応する複数の入力ポートにそれぞれ接続される。そして、制御部178は、各入力ポートの電位状態(ハイ状態、ロー状態、又は、開放状態)の組み合わせを適宜変更することにより、可変インピーダンス部172内の可変コンデンサに印加する制御電圧を調整する。この例では、これにより、可変インピーダンス部172のインピーダンスを調整する。
【0227】
なお、この際、定電圧回路174に入力される直流電圧が、第1基準電圧電源175から出力される基準電圧Vref1とほぼ同じ値になるように、可変インピーダンス部172のインピーダンスを調整する。より具体的には、負荷電流が大きくなり、二次側トランス171bの交流電圧が下がった場合には、制御部178は、可変インピーダンス部172のインピーダンスを低下させる。また、商用電源180の電圧が大きくなり、二次側トランス171bの交流電圧が上がった場合には、制御部178は、可変インピーダンス部172のインピーダンスを増加させる。これにより、整流回路173に入力される交流電圧が安定し、その結果、定電圧回路174の入力電圧も安定して制御することができる。
【0228】
上記構成の電源装置170では、電源トランス171の一次側トランス171aと二次側トランス171bとの巻き数比に対応する割合で降圧された交流電圧を整流回路173で直流電圧に変換する。そして、電圧降下型の定電圧回路174は、整流回路173から出力された直流電圧に基づいて電圧値一定の直流電圧を生成し、該電圧値一定の直流電圧を負荷181に供給する。
【0229】
従来、上述のような電源装置170では、負荷電流の増減や一次側トランス171aの電圧変化により、整流回路173から出力される直流電圧、すなわち、定電圧回路174の入力電圧が変化する。通常、このような定電圧回路174の入力電圧の変化に対して、電圧降下型の定電圧回路174は、上述のように、負荷181に印加される電圧が基準電圧Vref1と同じになるように、入力電圧の電圧降下量を増減して、負荷181に供給する電圧の安定化を図る。この場合、定電圧回路174における入力電圧の電圧降下量が定電圧回路174の電力損失となる。すなわち、入力電圧の電圧降下量が大きいほど、定電圧回路174での電力損失が大きくなる。それゆえ、理想的には、定電圧回路174の入力電圧を、定電圧回路174の最小動作電圧(基準電圧Vref1)となるように制御することができれば、定電圧回路174での電力損失を最小にすることができる。
【0230】
それに対して、この例の電源装置170では、負荷電流の増減や一次側トランス171aの電圧変化により定電圧回路174の入力電圧が変化した場合、上述のように、制御部178により、可変インピーダンス部172のインピーダンスが調整される。具体的には、制御部178は、定電圧回路174の入力電圧が第1基準電圧電源175から出力される基準電圧Vref1とほぼ同じ値になるように、可変インピーダンス部172のインピーダンスを調整する。それゆえ、この例の電源装置170では、定電圧回路174の入力電圧値が定電圧回路174の最小動作電圧(基準電圧Vref1)の値になるように制御することができ、定電圧回路174での損失を最小にすることができる。
【0231】
また、従来の一般的な電圧降下型の電源装置では、可変抵抗により定電圧回路の入力電圧を安定化させるので、可変抵抗において、電力損失が発生する。それに対して、この例では、可変インピーダンス部172に含まれる可変コンデンサの容量を変化させて電圧を降下させるので、抵抗成分での電力損失は発生しない。それゆえ、この例の電源装置170では、従来の電源装置に比べて、電力損失を低減することができる。
【0232】
なお、この例では、可変インピーダンス部172の電力入力側の回路を、商用電源180及び電源トランス171で構成する例に説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、可変インピーダンス部172の電力入力側の回路を、スイッチ電源で構成してもよい。例えば、100kHzのスイッチング周波数で出力がON/OFFされるスイッチ電源を用いることにより、図28に示す電源装置170と同様の動作を行う電源装置を実現することができる。
【0233】
また、この例の電源装置170では、出力を一系統としたが、本開示はこれに限定されない。例えば、電源トランスの出力端子を複数設けることにより、複数の出力系統(電源系)を有する電源装置を構成することができる。
【0234】
[応用例5:その他の各種電子機器]
本開示の電圧発生回路は、上記応用例2〜4で説明したそれぞれ通信システム、ワイヤレス充電システム及び電源装置を、適宜組み合わせて構成された各種電子機器にも適用可能である。なお、この場合、電子機器に組み込まれる通信システムの送信装置(通信装置部)及び受信装置の構成は、上記応用例2(図26)で説明した送信装置121及び受信装置122とそれぞれ同じ構成になるが、非接触通信は外部と行う。
【0235】
通信システム及びワイヤレス充電システムを含む電子機器の例としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型PC(Personal Computer)、ノート型PC、リモートコントローラー、ワイヤレススピーカー等の機器が挙げられる。また、通信システム及びワイヤレス充電システムを含む電子機器の例としては、例えば、カムコーダー、デジタルカメラ、ポータブルオーディオプレーヤー、3Dメガネ、携帯型ゲーム機器等の機器が挙げられる。
【0236】
通信システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器の例としては、例えば、タブレット型PC、ノート型PC、デスクトップ型PC、プリンター、プロジェクター、液晶テレビ、家庭用ゲーム機器、冷蔵庫等の機器が挙げられる。また、通信システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器の例としては、DVD(Digital Versatile Disc)/BD(Blu-ray Disc:登録商標)プレーヤー、DVD/BDレコーダー等の機器が挙げられる。さらに、通信システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器は、電気自動車にも適用することもできる。
【0237】
ワイヤレス充電システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器の例としては、例えば、ノート型PC、ポータブルテレビ、ラジオ、ラジオカセットレコーダー、電動歯ブラシ、電動ひげそり器、アイロン等の機器が挙げられる。また、ワイヤレス充電システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器は、電気自動車にも適用することもできる。
【0238】
通信システム、ワイヤレス充電システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器の例としては、例えば、ノート型PC、ポータブルテレビ、ラジオ、ラジオカセットレコーダー等の機器が挙げられる。また、通信システム、ワイヤレス充電システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器は、電気自動車にも適用することもできる。
【0239】
上述のような各種電子機器にも本開示の技術を適用することができ、同様の効果が得られる。また、この場合、各装置(システム)を制御するための各種制御部は、装置毎に設けてもよいし、装置間で共通に用いることができる複数の制御部がある場合には、それらを一体的に構成してもよい。
【0240】
また、本開示の電圧発生回路は、例えば、非接触通信装置の出荷前に周波数調整を行うために用いられる調整装置にも適用することができる。ただし、この場合には、電圧発生回路の動作制御は、調整装置内の例えばLSI(Large Scale Integration)等の処理回路部で制御することができる。
【0241】
なお、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
(1)
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、
前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、
前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートと
を備える電圧発生回路。
(2)
前記抵抗回路が、前記複数の抵抗の直列回路で構成され、
前記直列回路の両端、及び、前記直列回路内の抵抗間の接続点のそれぞれが、対応する前記入力ポートに接続されており、
前記直列回路内の所定の抵抗間の接続点に前記出力ポートが接続されている
(1)に記載の電圧発生回路。
(3)
前記抵抗回路が、前記複数の抵抗の並列回路で構成され、
前記複数の抵抗のそれぞれの一方の端子が対応する前記入力ポートに接続され、
前記複数の抵抗のそれぞれの他方の端子が前記出力ポートに接続されている
(1)に記載の電圧発生回路。
(4)
前記出力ポートから出力可能な前記電圧値の状態数が、前記入力ポートの数より多い
(2)に記載の電圧発生回路。
(5)
前記入力ポートの前記電位状態がハイ状態となるときの前記入力ポートの電圧値が、前記出力ポートから出力すべき前記電圧信号の最大電圧値より大きい
(2)又は(4)に記載の電圧発生回路。
(6)
さらに、前記直列回路内の互いに異なる複数の抵抗間の接続点にそれぞれ接続された複数の出力ポートと、
前記複数の出力ポートから所定の出力ポートを選択するスイッチとを備える
(2)、(4)及び(5)のいずれか一項に記載の電圧発生回路。
(7)
前記入力ポートの前記電位状態がハイ状態となるときの前記入力ポートの電圧値が、前記出力ポートから出力すべき前記電圧信号の最大電圧値より大きい
(3)又は(4)に記載の電圧発生回路。
(8)
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、
前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子と
を備える共振回路。
(9)
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、
前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子を含む共振コンデンサと、共振コイルとにより構成され、外部と非接触通信を行う受信アンテナ部と、
前記複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する制御部と
を備える通信装置。
(10)
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子を含む共振コンデンサと、共振コイルとにより構成される送信アンテナ部と、前記複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する制御部とを有する送信装置と、
前記送信装置と非接触通信を行う受信装置と
を備える通信システム。
(11)
複数の第1抵抗を有し、該複数の第1抵抗を直列又は並列に接続して構成された第1抵抗回路と、前記第1抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第1入力ポートと、前記第1抵抗回路に接続され、複数の前記第1入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第1出力ポートとを含む第1電圧発生回路と、前記第1電圧発生回路に接続され、前記第1出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、第1共振コイルとにより構成される給電アンテナ部と、前記複数の第1入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第1制御部とを有する給電装置と、
複数の第2抵抗を有し、該複数の第2抵抗を直列又は並列に接続して構成された第2抵抗回路と、前記第2抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第2入力ポートと、前記第2抵抗回路に接続され、複数の前記第2入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第2出力ポートとを含む第2電圧発生回路と、前記第2電圧発生回路に接続され、前記第2出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、第2共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部と、前記複数の第2入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第2制御部とを有する受電装置と
を備えるワイヤレス充電システム。
(12)
電源供給部と、
前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子とを有し、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部と、
前記複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する制御部と
を備える電源装置。
(13)
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、
前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子を含む共振コンデンサと、共振コイルとにより構成され、外部と非接触通信を行う通信部と、
前記複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する制御部と
を備える電子機器。
(14)
複数の第1抵抗を有し、該複数の第1抵抗を直列又は並列に接続して構成された第1抵抗回路と、前記第1抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第1入力ポートと、前記第1抵抗回路に接続され、複数の前記第1入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第1出力ポートとを含む第1電圧発生回路と、前記第1電圧発生回路に接続され、前記第1出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、第1共振コイルとにより構成される給電アンテナ部と、前記複数の第1入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第1制御部とを有する給電装置部と、
複数の第2抵抗を有し、該複数の第2抵抗を直列又は並列に接続して構成された第2抵抗回路と、前記第2抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第2入力ポートと、前記第2抵抗回路に接続され、複数の前記第2入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第2出力ポートとを含む第2電圧発生回路と、前記第2電圧発生回路に接続され、前記第2出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、第2共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部と、前記複数の第2入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第2制御部とを有する受電装置部と
を備える電子機器。
(15)
電源供給部と、
前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子とを有し、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部と、
前記複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する制御部と
を備える電子機器。
(16)
複数の第1抵抗を有し、該複数の第1抵抗を直列又は並列に接続して構成された第1抵抗回路と、前記第1抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第1入力ポートと、前記第1抵抗回路に接続され、複数の前記第1入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第1出力ポートとを含む第1電圧発生回路と、前記第1電圧発生回路に接続され、前記第1出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、第1共振コイルとにより構成される共振アンテナ部と、前記複数の第1入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第1制御部とを有する通信装置部と、
複数の第2抵抗を有し、該複数の第2抵抗を直列又は並列に接続して構成された第2抵抗回路と、前記第2抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第2入力ポートと、前記第2抵抗回路に接続され、複数の前記第2入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第2出力ポートとを含む第2電圧発生回路と、前記第2電圧発生回路に接続され、前記第2出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、第2共振コイルとにより構成される給電アンテナ部と、前記複数の第2入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第2制御部とを有する給電装置部と、
複数の第3抵抗を有し、該複数の第3抵抗を直列又は並列に接続して構成された第3抵抗回路と、前記第3抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第3入力ポートと、前記第3抵抗回路に接続され、複数の前記第3入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第3出力ポートとを含む第3電圧発生回路と、前記第3電圧発生回路に接続され、前記第3出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第3可変容量素子を含む第3共振コンデンサと、第3共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部と、前記複数の第3入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第3制御部とを有する受電装置部と
を備える電子機器。
(17)
複数の第1抵抗を有し、該複数の第1抵抗を直列又は並列に接続して構成された第1抵抗回路と、前記第1抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第1入力ポートと、前記第1抵抗回路に接続され、複数の前記第1入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第1出力ポートとを含む第1電圧発生回路と、前記第1電圧発生回路に接続され、前記第1出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、第1共振コイルとにより構成される共振アンテナ部と、前記複数の第1入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第1制御部とを有する通信装置部と、
電源供給部と、前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、複数の第2抵抗を有し、該複数の第2抵抗を直列又は並列に接続して構成された第2抵抗回路と、前記第2抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第2入力ポートと、前記第2抵抗回路に接続され、複数の前記第2入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第2出力ポートとを含む第2電圧発生回路と、前記第2電圧発生回路に接続され、前記第2出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第2可変容量素子とを有し、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部と、前記複数の第2入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第2制御部とを有する電源装置部と
を備える電子機器。
(18)
複数の第1抵抗を有し、該複数の第1抵抗を直列又は並列に接続して構成された第1抵抗回路と、前記第1抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第1入力ポートと、前記第1抵抗回路に接続され、複数の前記第1入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第1出力ポートとを含む第1電圧発生回路と、前記第1電圧発生回路に接続され、前記第1出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、第1共振コイルとにより構成される給電アンテナ部と、前記複数の第1入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第1制御部とを有する給電装置部と、
複数の第2抵抗を有し、該複数の第2抵抗を直列又は並列に接続して構成された第2抵抗回路と、前記第2抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第2入力ポートと、前記第2抵抗回路に接続され、複数の前記第2入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第2出力ポートとを含む第2電圧発生回路と、前記第2電圧発生回路に接続され、前記第2出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、第2共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部と、前記複数の第2入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第2制御部とを有する受電装置部と、
電源供給部と、前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、複数の第3抵抗を有し、該複数の第3抵抗を直列又は並列に接続して構成された第3抵抗回路と、前記第3抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第3入力ポートと、前記第3抵抗回路に接続され、複数の前記第3入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第3出力ポートとを含む第3電圧発生回路と、前記第3電圧発生回路に接続され、前記第3出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第3可変容量素子とを有し、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部と、前記複数の第3入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第3制御部とを有する電源装置部と
を備える電子機器。
(19)
複数の第1抵抗を有し、該複数の第1抵抗を直列又は並列に接続して構成された第1抵抗回路と、前記第1抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第1入力ポートと、前記第1抵抗回路に接続され、複数の前記第1入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第1出力ポートとを含む第1電圧発生回路と、前記第1電圧発生回路に接続され、前記第1出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、第1共振コイルとにより構成される共振アンテナ部と、前記複数の第1入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第1制御部とを有する通信装置部と、
複数の第2抵抗を有し、該複数の第2抵抗を直列又は並列に接続して構成された第2抵抗回路と、前記第2抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第2入力ポートと、前記第2抵抗回路に接続され、複数の前記第2入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第2出力ポートとを含む第2電圧発生回路と、前記第2電圧発生回路に接続され、前記第2出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、第2共振コイルとにより構成される給電アンテナ部と、前記複数の第2入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第2制御部とを有する給電装置部と、
複数の第3抵抗を有し、該複数の第3抵抗を直列又は並列に接続して構成された第3抵抗回路と、前記第3抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第3入力ポートと、前記第3抵抗回路に接続され、複数の前記第3入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第3出力ポートとを含む第3電圧発生回路と、前記第3電圧発生回路に接続され、前記第3出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第3可変容量素子を含む第3共振コンデンサと、第3共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部と、前記複数の第3入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第3制御部とを有する受電装置部と、
電源供給部と、前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、複数の第4抵抗を有し、該複数の第4抵抗を直列又は並列に接続して構成された第4抵抗回路と、前記第4抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第4入力ポートと、前記第4抵抗回路に接続され、複数の前記第4入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第4出力ポートとを含む第4電圧発生回路と、前記第4電圧発生回路に接続され、前記第4出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第4可変容量素子とを有し、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部と、前記複数の第4入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第4制御部とを有する電源装置部と
を備える電子機器。
(20)
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、
前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子と、
前記複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する制御部と
を備える電子機器。
【符号の説明】
【0242】
1…共振回路部、2…共振アンテナ、3,80…電圧発生回路、4…コイル、5…共振コイル、6…共振コンデンサ、7…定容量コンデンサ、8…可変コンデンサ、9…バイアス除去用コンデンサ、11…第1入力ポート、12…第2入力ポート、13…第3入力ポート、14…第4入力ポート、15…第5入力ポート、16…第6入力ポート、17…第7入力ポート、18…第8入力ポート、20,90…抵抗回路、21,91…第1抵抗、22,92…第2抵抗、23,93…第3抵抗、24,94…第4抵抗、25,95…第5抵抗、26,96…第6抵抗、27,97…第7抵抗、30…出力ポート、40…増幅器、98…第8抵抗、110…通信装置、113,130,150,159,178…制御部(CPU)、120…通信システム、121…送信装置、122…受信装置、140…ワイヤレス充電システム、141…給電装置、142…受電装置、170…電源装置、171…電源トランス、172…可変インピーダンス部、Vc…制御電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、
前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、
前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートと
を備える電圧発生回路。
【請求項2】
前記抵抗回路が、前記複数の抵抗の直列回路で構成され、
前記直列回路の両端、及び、前記直列回路内の抵抗間の接続点のそれぞれが、対応する前記入力ポートに接続されており、
前記直列回路内の所定の抵抗間の接続点に前記出力ポートが接続されている
請求項1に記載の電圧発生回路。
【請求項3】
前記抵抗回路が、前記複数の抵抗の並列回路で構成され、
前記複数の抵抗のそれぞれの一方の端子が対応する前記入力ポートに接続され、
前記複数の抵抗のそれぞれの他方の端子が前記出力ポートに接続されている
請求項1に記載の電圧発生回路。
【請求項4】
前記出力ポートから出力可能な前記電圧値の状態数が、前記入力ポートの数より多い
請求項2に記載の電圧発生回路。
【請求項5】
前記入力ポートの前記電位状態がハイ状態となるときの前記入力ポートの電圧値が、前記出力ポートから出力すべき前記電圧信号の最大電圧値より大きい
請求項2に記載の電圧発生回路。
【請求項6】
さらに、前記直列回路内の互いに異なる複数の抵抗間の接続点にそれぞれ接続された複数の出力ポートと、
前記複数の出力ポートから所定の出力ポートを選択するスイッチとを備える
請求項2に記載の電圧発生回路。
【請求項7】
前記入力ポートの前記電位状態がハイ状態となるときの前記入力ポートの電圧値が、前記出力ポートから出力すべき前記電圧信号の最大電圧値より大きい
請求項3に記載の電圧発生回路。
【請求項8】
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、
前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子と
を備える共振回路。
【請求項9】
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、
前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子を含む共振コンデンサと、共振コイルとにより構成され、外部と非接触通信を行う受信アンテナ部と、
前記複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する制御部と
を備える通信装置。
【請求項10】
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子を含む共振コンデンサと、共振コイルとにより構成される送信アンテナ部と、前記複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する制御部とを有する送信装置と、
前記送信装置と非接触通信を行う受信装置と
を備える通信システム。
【請求項11】
複数の第1抵抗を有し、該複数の第1抵抗を直列又は並列に接続して構成された第1抵抗回路と、前記第1抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第1入力ポートと、前記第1抵抗回路に接続され、複数の前記第1入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第1出力ポートとを含む第1電圧発生回路と、前記第1電圧発生回路に接続され、前記第1出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、第1共振コイルとにより構成される給電アンテナ部と、前記複数の第1入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第1制御部とを有する給電装置と、
複数の第2抵抗を有し、該複数の第2抵抗を直列又は並列に接続して構成された第2抵抗回路と、前記第2抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第2入力ポートと、前記第2抵抗回路に接続され、複数の前記第2入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第2出力ポートとを含む第2電圧発生回路と、前記第2電圧発生回路に接続され、前記第2出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、第2共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部と、前記複数の第2入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第2制御部とを有する受電装置と
を備えるワイヤレス充電システム。
【請求項12】
電源供給部と、
前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子とを有し、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部と、
前記複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する制御部と
を備える電源装置。
【請求項13】
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、
前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子を含む共振コンデンサと、共振コイルとにより構成され、外部と非接触通信を行う通信部と、
前記複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する制御部と
を備える電子機器。
【請求項14】
複数の第1抵抗を有し、該複数の第1抵抗を直列又は並列に接続して構成された第1抵抗回路と、前記第1抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第1入力ポートと、前記第1抵抗回路に接続され、複数の前記第1入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第1出力ポートとを含む第1電圧発生回路と、前記第1電圧発生回路に接続され、前記第1出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、第1共振コイルとにより構成される給電アンテナ部と、前記複数の第1入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第1制御部とを有する給電装置部と、
複数の第2抵抗を有し、該複数の第2抵抗を直列又は並列に接続して構成された第2抵抗回路と、前記第2抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第2入力ポートと、前記第2抵抗回路に接続され、複数の前記第2入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第2出力ポートとを含む第2電圧発生回路と、前記第2電圧発生回路に接続され、前記第2出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、第2共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部と、前記複数の第2入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第2制御部とを有する受電装置部と
を備える電子機器。
【請求項15】
電源供給部と、
前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子とを有し、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部と、
前記複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する制御部と
を備える電子機器。
【請求項16】
複数の第1抵抗を有し、該複数の第1抵抗を直列又は並列に接続して構成された第1抵抗回路と、前記第1抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第1入力ポートと、前記第1抵抗回路に接続され、複数の前記第1入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第1出力ポートとを含む第1電圧発生回路と、前記第1電圧発生回路に接続され、前記第1出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、第1共振コイルとにより構成される共振アンテナ部と、前記複数の第1入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第1制御部とを有する通信装置部と、
複数の第2抵抗を有し、該複数の第2抵抗を直列又は並列に接続して構成された第2抵抗回路と、前記第2抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第2入力ポートと、前記第2抵抗回路に接続され、複数の前記第2入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第2出力ポートとを含む第2電圧発生回路と、前記第2電圧発生回路に接続され、前記第2出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、第2共振コイルとにより構成される給電アンテナ部と、前記複数の第2入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第2制御部とを有する給電装置部と、
複数の第3抵抗を有し、該複数の第3抵抗を直列又は並列に接続して構成された第3抵抗回路と、前記第3抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第3入力ポートと、前記第3抵抗回路に接続され、複数の前記第3入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第3出力ポートとを含む第3電圧発生回路と、前記第3電圧発生回路に接続され、前記第3出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第3可変容量素子を含む第3共振コンデンサと、第3共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部と、前記複数の第3入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第3制御部とを有する受電装置部と
を備える電子機器。
【請求項17】
複数の第1抵抗を有し、該複数の第1抵抗を直列又は並列に接続して構成された第1抵抗回路と、前記第1抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第1入力ポートと、前記第1抵抗回路に接続され、複数の前記第1入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第1出力ポートとを含む第1電圧発生回路と、前記第1電圧発生回路に接続され、前記第1出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、第1共振コイルとにより構成される共振アンテナ部と、前記複数の第1入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第1制御部とを有する通信装置部と、
電源供給部と、前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、複数の第2抵抗を有し、該複数の第2抵抗を直列又は並列に接続して構成された第2抵抗回路と、前記第2抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第2入力ポートと、前記第2抵抗回路に接続され、複数の前記第2入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第2出力ポートとを含む第2電圧発生回路と、前記第2電圧発生回路に接続され、前記第2出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第2可変容量素子とを有し、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部と、前記複数の第2入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第2制御部とを有する電源装置部と
を備える電子機器。
【請求項18】
複数の第1抵抗を有し、該複数の第1抵抗を直列又は並列に接続して構成された第1抵抗回路と、前記第1抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第1入力ポートと、前記第1抵抗回路に接続され、複数の前記第1入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第1出力ポートとを含む第1電圧発生回路と、前記第1電圧発生回路に接続され、前記第1出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、第1共振コイルとにより構成される給電アンテナ部と、前記複数の第1入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第1制御部とを有する給電装置部と、
複数の第2抵抗を有し、該複数の第2抵抗を直列又は並列に接続して構成された第2抵抗回路と、前記第2抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第2入力ポートと、前記第2抵抗回路に接続され、複数の前記第2入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第2出力ポートとを含む第2電圧発生回路と、前記第2電圧発生回路に接続され、前記第2出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、第2共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部と、前記複数の第2入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第2制御部とを有する受電装置部と、
電源供給部と、前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、複数の第3抵抗を有し、該複数の第3抵抗を直列又は並列に接続して構成された第3抵抗回路と、前記第3抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第3入力ポートと、前記第3抵抗回路に接続され、複数の前記第3入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第3出力ポートとを含む第3電圧発生回路と、前記第3電圧発生回路に接続され、前記第3出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第3可変容量素子とを有し、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部と、前記複数の第3入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第3制御部とを有する電源装置部と
を備える電子機器。
【請求項19】
複数の第1抵抗を有し、該複数の第1抵抗を直列又は並列に接続して構成された第1抵抗回路と、前記第1抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第1入力ポートと、前記第1抵抗回路に接続され、複数の前記第1入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第1出力ポートとを含む第1電圧発生回路と、前記第1電圧発生回路に接続され、前記第1出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、第1共振コイルとにより構成される共振アンテナ部と、前記複数の第1入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第1制御部とを有する通信装置部と、
複数の第2抵抗を有し、該複数の第2抵抗を直列又は並列に接続して構成された第2抵抗回路と、前記第2抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第2入力ポートと、前記第2抵抗回路に接続され、複数の前記第2入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第2出力ポートとを含む第2電圧発生回路と、前記第2電圧発生回路に接続され、前記第2出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、第2共振コイルとにより構成される給電アンテナ部と、前記複数の第2入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第2制御部とを有する給電装置部と、
複数の第3抵抗を有し、該複数の第3抵抗を直列又は並列に接続して構成された第3抵抗回路と、前記第3抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第3入力ポートと、前記第3抵抗回路に接続され、複数の前記第3入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第3出力ポートとを含む第3電圧発生回路と、前記第3電圧発生回路に接続され、前記第3出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第3可変容量素子を含む第3共振コンデンサと、第3共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部と、前記複数の第3入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第3制御部とを有する受電装置部と、
電源供給部と、前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、複数の第4抵抗を有し、該複数の第4抵抗を直列又は並列に接続して構成された第4抵抗回路と、前記第4抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の第4入力ポートと、前記第4抵抗回路に接続され、複数の前記第4入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する第4出力ポートとを含む第4電圧発生回路と、前記第4電圧発生回路に接続され、前記第4出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する第4可変容量素子とを有し、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部と、前記複数の第4入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する第4制御部とを有する電源装置部と
を備える電子機器。
【請求項20】
複数の抵抗を有し、該複数の抵抗を直列又は並列に接続して構成された抵抗回路と、前記抵抗回路に並列に接続され、電位状態をハイ状態、ロー状態及び開放状態のいずれかに制御する制御信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記抵抗回路に接続され、複数の前記入力ポートのそれぞれの前記電位状態の組み合わせに対応した電圧値の電圧信号を出力する出力ポートとを含む電圧発生回路と、
前記電圧発生回路に接続され、前記出力ポートから出力される前記電圧信号により、容量が変化する可変容量素子と、
前記複数の入力ポートのそれぞれに制御信号を出力する制御部と
を備える電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図4】
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【図5】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−178817(P2012−178817A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237251(P2011−237251)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】