説明

電子カメラ

【課題】物理的な機構を使用せずに、かつ撮影者の持ち方を制限することもなしに正しいステレオ音声を記録することができる電子カメラを提供すること。
【解決手段】音声処理回路17は、ステレオ音声の記録時に角度センサ24で検出した角度情報に応じて2つのマイク18、19を介して入力された音声信号の合成及びステレオ感強調の処理を行う。音声処理回路17で処理された信号は記録装置9に記録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子カメラに関し、特に撮影によって得られた画像データと共にステレオ音声情報を記録できる電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラは、アスペクト比(縦横比率)が異なっているために、撮影者がカメラを90度傾けた状態で撮影することが多々ある。しかし画像モニタ時においては、90度傾いた画像が表示されてしまうのは好ましくない。このため、特許文献1の手法では、撮像時に角度センサを用いて検出したカメラの回転角度情報を記録できるようにし、画像モニタ時には記録されている回転角度情報に基いてカメラの傾きによる画像の回転を補正してモニタ上に再生表示するようにしている。しかしながら、この特許文献1では、ステレオ音声の記録については考慮されていない。
【0003】
一般的なビデオカメラにおいてステレオ音声を記録する際には、2つのマイクロホン(以下、マイク)を一定角度に設置し、それぞれのマイクの集音方向によりステレオ感を生み出している。しかしながら、このようなビデオカメラにおいては、撮影者のビデオカメラの持ち方を制限しなければ正しいステレオ音声を得ることができないものが多い。また、複数のマイクを用いて立体的な音声記録を行うことが可能な機器でも、撮影者のビデオカメラの持ち方を制限することに関しては同様である。
【0004】
例えば、2つのマイクを用いてステレオの録音を行う場合に、カメラを90度水平方向から回転させてしまうと、本来左右方向からの音声が入力されるはずの2つのマイクには上下方向からの音声が入力されてしまい、誤ったステレオ音声が記録されてしまう。
【0005】
そこで、特許文献2では、回転軸とおもりとによる物理的な機構を用いて、ステレオマイクの水平を常に維持するようにすることで、正常なステレオ音声を記録できるようにしている。
【特許文献1】特開平7−23280号公報
【特許文献2】特開平8−46841号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2の手法は、物理的な機構を用いて正常なステレオ音声を記録するようにしているので、装置の小型化には不向きである。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、物理的な機構を使用せずに、かつ撮影者の持ち方を制限することもなしに正しいステレオ音声を記録することができる電子カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様による電子カメラは、被写体像を入射させる撮像レンズと、上記撮像レンズを介して入射した被写体像に基づいて画像を取得する撮像手段と、上記撮像レンズの光軸に対する回転角を検出するセンサ手段と、立体的な音声を記録するために複数方向からの音声を取得する複数の集音手段と、上記センサ手段で検出された回転角に基づいて、上記複数の集音手段によって得られた複数方向からの音声を信号処理する音声処理手段と、上記撮像手段で取得された画像と上記音声処理手段で信号処理された音声とを少なくとも記録する記録手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
この第1の態様によれば、音声記録時に撮像レンズの光軸に対する回転角に応じて音声の信号処理を行うので、正しいステレオ音声を記録することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、物理的な機構を使用せずに、かつ撮影者の持ち方を制限することもなしに正しいステレオ音声を記録することができる電子カメラを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子カメラのブロック構成を示す図である。ここで、この電子カメラは画像と共に立体音声(ステレオ音声)も記録することができるものである。
図1において、撮像レンズ1は被写体像を撮像素子2に入射させる。撮像素子2は、被写体像を光電変換して画像信号を取得し、取得した画像信号を色成分毎に出力する。撮像素子2から出力される信号を取り出す駆動制御は撮像回路3が行う。即ち、撮像回路3は撮像素子2の各色成分信号の出力タイミングや出力レベルなどを制御する。A/D変換回路4は撮像回路3を介して撮像素子2から出力された各色成分毎の画像信号をデジタルデータに変換してシステムコントローラ27へ出力する。モータ駆動回路5は撮像レンズ1のズーム駆動やフォーカス駆動を行うためのモータを駆動する。
【0012】
不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)6はシステムコントローラ27の処理に必要なプログラムデータを格納している。
【0013】
システムコントローラ(ASIC)27は、A/D変換回路4から入力されたデジタルの画像信号に対してホワイトバランス(WB)処理などの画像処理を施して所定フォーマットの画像データを生成し、この生成した画像データをSDRAM26に格納する。圧縮/伸長回路10は、SDRAM26に格納された画像データを圧縮し、この結果得られた圧縮画像データをドライブコントローラ7及びメディアドライブ8を介して記録装置9に転送して保存する。また、圧縮/伸長回路10は、画像再生時には、記録装置9に保存された画像データを伸長する。ここで、記録装置9としてはモータ駆動を伴うテープ媒体や、着脱可能な半導体メモリ、ハードディスク装置などが考えられる。
【0014】
集音手段としての右側マイクロホン(以下、マイクR)18、左側マイクロホン(以下、マイクL)19は本電子カメラ外部に露出配置されており、外部から入力された音声を音声信号に変換してマイクアンプ20、21に出力する。マイクアンプ20、21はマイクR18、L19で得られた音声信号をそれぞれ増幅して、A/D変換回路22、23に出力する。A/D変換回路22、23はそれぞれ入力された音声信号をデジタルの音声データに変換して音声処理回路17に出力する。音声処理回路17はシステムコントローラ27の制御に従って音声データの信号処理方法を適時変更しながら(詳細は後述する)、得られた結果を音声入出力制御回路13に送信する。音声入出力制御回路13は、音声処理回路17から入力された音声データをシステムコントローラ27に送信する。
【0015】
センサ手段としての角度センサ24は、撮像レンズ1の光軸に対する回転角を検出し、検出した回転角を角度センサI/F25を介してシステムコントローラ27に出力する。システムコントローラ27は、この回転角に応じて音声処理回路17における音声データの処理方法を設定する。ここで、角度センサ24は、例えばマグネットとホール素子とを用いたセンサやMEMS素子を用いたセンサなどの周知のセンサを用いればよい。
【0016】
また、システムコントローラ27は、動画撮影時において、音声データをSDRAM26に一時的に格納しておき、音声データと画像データとの同期をとりながら順次、記録装置9に記録させる。また、静止画撮影時の音声記録をする場合でも、システムコントローラ27は音声データをSDRAM26に一時的に格納した後、記録装置9に記録させる。
【0017】
画像表示部12は画像を表示する為の表示ディスプレイ装置である。例えば、動画再生時では、システムコントローラ27は、記録装置9に記録された動画像データ及び音声データをSDRAM26に展開し、その後、動画像データを表示制御回路11に送る。表示制御回路11は、音声データと同期をとりながら動画像を画像表示部12に表示させる。
【0018】
スピーカ16は再生時に音声データを出力するための音声デバイスである。音声再生時において、システムコントローラ27は、SDRAM26に展開した音声データを音声入出力制御回路13に送る。音声入出力制御回路13は、音声データをD/A変換回路14に送る。D/A変換回路14は、入力された音声データをアナログの音声信号に変換してスピーカアンプ15に送る。スピーカアンプ15は、入力された音声信号を増幅してスピーカ16に送る。スピーカ16は入力された音声信号に基づいて音声を再生する。
【0019】
ここで、図1の電子カメラにおいては、ステレオ音声として記録された音声もモノラル音声として再生される。図1の電子カメラにおいてステレオ音声を再生する場合には、D/A変換回路14、スピーカアンプ15、及びスピーカ16がもう1組必要である。
【0020】
また、システムコントローラ27には、操作部31が接続されている。この操作部31には撮影開始を指示するためのレリーズボタン、電子カメラの電源のオンオフを行うための電源ボタン、録音の終了を指示するためのボタン、各種モード設定を行うためのモードボタン等が含まれる。撮影者によって操作部31が操作された場合には、その情報がシステムコントローラ27に送られる。なお、この操作部31の情報などを画像表示部12に表示させるようにしてもよい。
【0021】
電源部29はシステムコントローラ27の指示に従って図1に示す各ブロックヘの電源供給を制御する。カメラ電池30は電源部29へ電力を供給する。電源モニタ28は、電圧値などの監視を行うことでカメラ電池30の残量を検知する。
【0022】
図2(a)〜図2(d)は、図1の電子カメラの外観図である。ここで図2(a)〜図2(d)において示されている角度θは、撮像レンズの光軸に対する回転角を示している。
【0023】
図2(a)〜図2(d)に示すように、電子カメラの構え方によって回転角θが変化すると、それに応じてマイクR18、マイクL19の位置関係も変化する。本一実施形態では、角度センサ24により回転角θを検出することにより、電子カメラの構え方によってマイクR18、マイクL19の位置関係が変化した場合でも誤ったステレオ音声が記録されないようにする。
【0024】
図3は、本一実施形態における音声処理回路の内部構成を示す図である。図3の音声処理回路は、回転角θを基にマイクL19から入力される音声信号L-in301とマイクR18から入力される音声信号R-in302とを合成する合成回路304及び305と、ステレオ感を強調する為のステレオ感強調回路とから構成される。ステレオ感強調回路は、低周波雑音成分を除去するフィルタ307及びゲイン調整を行うゲイン調整回路308等で構成されている。
【0025】
図3の合成回路304はマイクL19から入力される音声信号L-in301とマイクR18から入力される音声信号R-in302とを、
La=L-in×(1+cos(θ))/2+R-in×(1+cos(θ+180°))/2 (式1)
の式に応じて合成し、得られた結果を差分演算回路306及び差分演算回路309に出力する。ここで、回転角θはシステムコントローラ27から入力されるものである。
【0026】
同様に、合成回路305はマイクL19から入力される音声信号L-in301とマイクR18から入力される音声信号R-in302とを、
Ra=R-in×(1+cos(θ))/2+L-in×(1+cos(θ+180°))/2 (式2)
の式に応じて合成し、得られた結果を差分演算回路306及び加算演算回路310に出力する。
【0027】
例えば、θ=0°の場合には、図2(a)に示すようにマイクR18、マイクL19が本来の再生系と同じ配置状態である。したがって、合成回路304及び305は音声信号L-in301と音声信号R-in302とがそのまま出力されるように、音声信号L-in301と音声信号R-in302とを合成して出力する。
【0028】
また、θ=90°、270°の場合には、合成回路304及び305は、それぞれの出力が同じになるように音声信号L-in301と音声信号R-in302を合成して出力する。
【0029】
また、θ=180°の場合には、図2(c)に示すようにマイクR18、マイクL19の配置が左右逆になるので、合成回路304及び305は、それぞれの出力が入れ替わるように音声信号L-in301と音声信号R-in302とを合成して出力する。
【0030】
差分演算回路306は、合成回路305の出力Raから合成回路304の出力Laを減算してフィルタ307に出力する。フィルタ307はハイパスフィルタ(High Pass Filter)で構成されており、ステレオ感を強調する周波数帯域を制限し、その結果をゲイン調整回路308に出力する。このフィルタ307を用いて低音域成分を除去することにより、風雑音等によるランダムノイズの発生を抑制できる。
【0031】
ゲイン調整回路308は、回転角θに応じたステレオ感強調を行って、その結果を差分演算回路309及び加算演算回路310に出力する。差分演算回路309は、合成回路304の出力Laからゲイン調整回路308の出力を減算して出力する。また、加算演算回路310は合成回路304の出力Laにゲイン調整回路308の出力を加算して出力する。これにより左右の音の違いが強調される。
【0032】
このような構成により、最終的な左側出力L-out、右側出力R-outはそれぞれ、
【数1】

【0033】
となる。ここで、(式3)及び(式4)のHPFはHPFによって低周波成分を除去することを意味し、gainはゲイン調整回路308の増幅率を示す。HPFによってどの程度の周波数成分まで除去するのかやゲイン調整回路308の増幅率はシステムコントローラ27によって設定される。
【0034】
図3との比較のために図7に従来例の音声処理回路の構成を示す。この図7の回路では回転角を考慮できないので、例えば、図2(b)のように電子カメラを90°回転させてしまうと上下方向のステレオ感を強調してしまう。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態に係る電子カメラの静止画及び音声記録処理について説明するためのフローチャートである。
【0036】
ステップS1では、操作部31に含まれる電源ボタンが押されたか否かが判定される。ステップS1において電源ボタンが押されていない間は低消費電力動作が行われる。一方、ステップS1において電源ボタンが押された場合には、ステップS2においてカメラ電池30の残量が有るか否か、即ち電池電圧が規定の閾値以上であるか否かが判定される。ステップS2においてカメラ電池30の残量がなければステップS1に戻る。
【0037】
一方、ステップ2において、カメラ電池30の残量があればステップS3に遷移する。ステップS3では、初期化処理が行われる。この初期化処理においては、撮像レンズ1のセットアップ処理や、撮像回路3の初期化処理、音声処理回路17の初期化処理、記録装置9のマウント処理などが行われる。また、撮像回路3からの出力画像が画像表示部12を介して表示される。
【0038】
ステップS4では、静止画撮影を開始するか、即ち操作部31に含まれるレリーズボタンからの静止画撮影開始のトリガが検出されたか否かが判定される。ステップS4において静止画撮影開始のトリガが検出されなかった場合にはステップS5に遷移する。ステップS5では、電源ボタンがオフされたか否かが判定され、電源ボタンがオフされたことが検出された場合にはステップS1に戻る。一方、電源ボタンがオフされたことが検出されなければステップS4に戻る。
【0039】
また、ステップS4において静止画撮影開始のトリガが検出された場合にはステップS6に遷移して静止画撮影が行われる。この静止画撮影においては静止画用の露出制御(AE)が行われ、これによって撮像素子2を介して撮像回路3で得られた画像データがシステムコントローラ27で処理された後、記録装置9に記録される。
【0040】
静止画撮影終了後、ステップS7では、角度センサ24の電源がオンされて角度センサ24による角度検出が開始される。ステップS8では、現在のモードが撮影後に音声も記録する録音モードに設定されているか否かが判定される。現在のモードが録音モードである場合にはステップS9へ遷移する。一方、現在のモードが録音モードでない通常の静止画撮影モードの場合にはステップS15に遷移する。
【0041】
ステップS9では、録音の為の音声処理回路17の設定が行われる。ステップS10では、一時記憶領域であるSDRAM26に音声データが取り込まれ始める。ステップS11では、角度センサ24の出力結果から回転角が算出される。ステップS12では、ステップS11で検出された回転角の変化に応じて、音声処理回路17において音声信号の合成処理及びステレオ感強調処理が行われる。
【0042】
ステップS13では、録音の終了ボタンが押されたか否かが判定される。録音の終了ボタンが押されていない場合にはステップS11に戻り、録音が継続される。
【0043】
一方、ステップS13において録音の終了ボタンが押された場合にはステップS14に遷移する。ステップS14では、録音データが一時記憶領域から記録装置9に転送されて記録される。その後、ステップS15では角度センサ24の検出動作の停止処理が行われる。
【0044】
ステップS16では、静止画記録処理として静止画データの付帯情報(Exif情報など)に撮影直後の回転角情報が記録される。なお、この回転角情報は録音が行われていなくとも記録される。これは、後の静止画再生のための処理である。
【0045】
図5は、本発明の一実施形態に係る電子カメラの動画記録処理について説明するためのフローチャートである。
ステップS21では、操作部31に含まれる電源ボタンが押されたか否かが判定される。ステップS21において電源ボタンが押されていない間は低消費電力動作が行われる。一方、ステップS21において電源ボタンが押された場合には、ステップS22においてカメラ電池30の残量が有るか否か、即ち電池電圧が規定の閾値以上であるか否かが判定される。電池残量がなければステップS21に戻る。
【0046】
一方、ステップ22において、カメラ電池30の残量があればステップS23に遷移する。ステップS23では、初期化処理が行われる。この初期化処理においては、撮像レンズ1のセットアップ処理や、撮像回路3の初期化処理、音声処理回路17の初期化処理、記録装置9のマウント処理などが行われる。また、撮像回路3の出力画像が画像表示部12に出力されて画像表示が行われる。
【0047】
ステップS24では、撮影を開始するか、即ち操作部31に含まれるレリーズボタンからの動画撮影開始のトリガが検出されたか否かが判定される。ステップS24において動画撮影開始のトリガが検出されなかった場合にはステップS25に遷移する。ステップS25では、電源ボタンがオフされたか否かが判定され、電源ボタンがオフされたことが検出された場合にはステップS21に戻る。一方、電源ボタンがオフされたことが検出されなければステップS24に戻る。
【0048】
また、ステップS24において動画撮影開始のトリガが検出された場合にはステップS26に遷移して動画撮影が開始される。ステップS27では、角度センサ24の電源がオンされて角度センサ24による角度検出が開始される。ステップS28では、角度センサ24の出力結果から回転角が算出される。
【0049】
ステップS29では、録音の為の音声処理回路17の設定が行われる。ステップS30では、動画用のホワイトバランス処理(WB)及び露出処理(AE)が行われる。ステップS31では、音声データと動画像データとを同期させて記録装置9に記録させる処理が行われる。
【0050】
ステップS32では、撮影を終了するか否かが判定される。撮影を終了しない場合には、ステップS28に戻る。一方、撮影を終了する場合には、ステップS33において角度センサ24の検出動作が停止される。その後、ステップS34において、動画データのヘッダ情報に撮影時の回転角情報などの動画撮影情報が記録される。
【0051】
以上説明したように、本一実施形態によれば、音声記録時の水平軸に対するマイクの回転角を検出し、その回転角に基づいた音声信号処理を行うので、誤ったステレオ音声が記録されることがない。その結果、物理的な機構を用いることなく、また撮影者のビデオカメラの持ち方を制限することもなく、立体的な音声記録処理を行うことが可能である。
【0052】
なお、本一実施形態の音声処理回路では、回転角が90°又は270°の場合にはステレオ感を強調せず、0°又は180°の場合にステレオ感の強調を最大とするようにしているが、図6に示すようにマイクを2つ(マイク32、33)よりも多く設置するようにすれば、回転角が90°や270°の場合にもステレオ感を強調することができる。また、2つのマイクを水平に配置せずに、予め水平軸から所定角度傾けて配置するようにし、その角度分だけ(式1)〜(式4)の角度を補正するようにしておいても良い。
【0053】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0054】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子カメラのブロック構成について示す図である。
【図2】電子カメラの外観図である。
【図3】音声処理回路の内部構成について説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る電子カメラの静止画及び音声記録処理について説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る電子カメラの動画記録処理について説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態の変形例について説明するための図である。
【図7】従来の音声処理回路の内部構成について示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1…撮像レンズ、2…撮像素子、3…撮像回路、4,22,23…A/D変換回路、5…モータ駆動回路、6…不揮発性メモリ、7…ドライブコントローラ、8…メディアドライブ、9…記録装置、10…圧縮/伸長回路、11…表示制御回路、12…画像表示部、13…音声入出力制御回路、14…D/A変換回路、15…スピーカアンプ、16…スピーカ、17…音声処理回路、18…右側マイクロホン(マイクR)、19…左側マイクロホン(マイクL)、20,21…マイクアンプ、24…角度センサ、25…角度センサI/F、26…SDRAM、27…システムコントローラ、28…電源モニタ、29…電源部、30…カメラ電池、31…操作部、304,305…合成回路、306,309…差分演算回路、307…フィルタ、308…ゲイン調整回路、310…加算演算回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を入射させる撮像レンズと、
上記撮像レンズを介して入射した被写体像に基づいて画像を取得する撮像手段と、
上記撮像レンズの光軸に対する回転角を検出するセンサ手段と、
立体的な音声を記録するために複数方向からの音声を取得する複数の集音手段と、
上記センサ手段で検出された回転角に基づいて、上記複数の集音手段によって得られた複数方向からの音声を信号処理する音声処理手段と、
上記撮像手段で取得された画像と上記音声処理手段で信号処理された音声とを少なくとも記録する記録手段と、
を具備することを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】
上記音声処理手段による信号処理は、上記センサ手段で検出された回転角に基づいて、上記複数の集音手段から取得された複数方向からの音声のステレオ音声感を強調する処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子カメラ。
【請求項3】
上記音声処理手段による信号処理は、上記センサ手段で検出された回転角に基づいて、上記複数の集音手段から取得された複数方向からの音声を合成する処理を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子カメラ。
【請求項4】
上記撮像手段で取得される画像は、動画像であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の電子カメラ。
【請求項5】
上記撮像手段で取得される画像は、静止画像であり、
上記記録手段は、上記センサ手段で検出された回転角を更に記録することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の電子カメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−148560(P2006−148560A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−336162(P2004−336162)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】