電子ペット情報移行方法、電子ペットシステム、携帯電話端末及びペット型ロボット
【課題】ユーザの直接的な操作を必要としない電子ペット情報の移行方法を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる電子ペット情報移行方法は、ペット型ロボット5と携帯電話端末である電子ペット装置4との間で、電子ペットの属性が規定された電子ペット情報6を移行させる電子ペット情報移行方法であって、移動体通信網31内の予め定められた特定基地局21のサービスエリア22内に電子ペット装置4が位置するか否かを判定し、判定の結果に応じて、ペット型ロボット5と電子ペット装置4の間で電子ペット情報6を転送するものである。
【解決手段】本発明にかかる電子ペット情報移行方法は、ペット型ロボット5と携帯電話端末である電子ペット装置4との間で、電子ペットの属性が規定された電子ペット情報6を移行させる電子ペット情報移行方法であって、移動体通信網31内の予め定められた特定基地局21のサービスエリア22内に電子ペット装置4が位置するか否かを判定し、判定の結果に応じて、ペット型ロボット5と電子ペット装置4の間で電子ペット情報6を転送するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペット情報移行方法、電子ペットシステム、携帯電話端末及びペット型ロボットに関するものであり、特に、電子ペット装置である携帯電話端末及びペット型ロボットを備える電子ペットシステムにおける電子ペット情報移行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、愛玩目的で飼育されていた動物であるペットを電子化した電子ペットの人気が高まっている。電子ペットの種類としては、育成シミュレーションゲーム機などの電子ペット装置や、動物に似せた形状で自律動作可能なペット型ロボットなどがある。
【0003】
電子ペット装置は、ゲーム専用機や携帯端末等において、電子ペットが仮想的な生命体のオブジェクトとして表示されるものである。ユーザ(飼い主)が、電子ペットに対して対応(餌を与える、等)することによって、電子ペットは成長する。そのため、ユーザは、電子ペットを実際のペットのように愛着を持つようになる。これは、電子ペット装置内のソフトウェアによって、電子ペットを動作させるための内部状態(感情や肉体の特徴情報。以降、電子ペット情報)を変化させることにより実現される。但し、電子ペット装置は、あくまで画面上に二次元で表示される仮想的な存在である。
【0004】
また、ペット型ロボットは、実体として存在し、自律動作可能なロボットである電子ペットである。飼い主が実際に触るなどすることでも電子ペット情報を変化させることができる。但し、飼い主がペット型ロボットを散歩するなどのように、外出時に連れ歩くことや、持ち運ぶには不便である。
【0005】
そこで、特許文献1に記載の電子ペットシステムは、電子ペット装置及びペット型ロボットを備える。特許文献1に記載の電子ペットシステムは、電子ペット情報を外部記憶装置に格納し、外部記憶装置経由で電子ペット情報を電子ペット装置及びペット型ロボットの間で移行させることで、同じ電子ペットとして稼働させるものである。つまり、屋内ではペット型ロボットとして飼育する。一方、屋外では、ユーザがペット型ロボットの電子ペット情報を外部記憶装置経由で電子ペット装置に移行し、電子ペットとして稼働させることで、散歩等の効果を実現することができる。また、電子ペット情報の移行方法としては、有線、無線、赤外線等による、相互通信によっても実現でき、さらに、インターネット経由でサーバ上にアップロード、ダウンロードを行うことでの移行も含まれている。
【特許文献1】国際公開第00/66239号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、特許文献1に記載の電子ペットシステムは、電子ペット情報の移行を行うことで、屋内ではペット型ロボット、屋外では電子ペット装置という利用形態で、同じ電子ペットを飼育することができる。但し、特許文献1での電子ペット情報移行方法では、ユーザによる操作が必要とされているため、煩雑さや、移行手順の漏れなどによる困難さが残されている。
【0007】
本発明は、ユーザの直接的な操作を必要としない電子ペット情報の移行方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる電子ペット情報移行方法は、第1の電子ペットと第2の電子ペットとの間で、電子ペットの属性が規定された電子ペット情報を移行させる電子ペット情報移行方法であって、移動体通信網内の予め定められた特定基地局のサービスエリア内に前記第2の電子ペットが位置するか否かを判定し、前記判定の結果に応じて、前記第1の電子ペットと前記第2の電子ペットの間で前記電子ペット情報を転送するものである。
【0009】
これにより、ユーザが第二の電子ペットを保持した上で、前記特定基地局のエリア内外に移動することを通じて、電子ペット情報が転送されることになり、ユーザの直接的な操作を必要とせず、屋内と屋外で同一の電子ペットを飼育することができる。
【0010】
また、前記電子ペット情報移行方法は、前記第2の電子ペットが前記特定基地局のサービスエリア内である場合に、前記第2の電子ペットから前記第1の電子ペットへ前記電子ペット情報を転送させ、前記第2の電子ペットが前記特定基地局のサービスエリア外である場合に、前記第1の電子ペットから前記第2の電子ペットへ前記電子ペット情報を転送させる、ことが望ましい。
【0011】
これにより、ユーザが屋内に入った後は、前記第一の電子ペットに対して、飼育することができ、ユーザが屋外に出た後は、前記第二の電子ペットに対して、継続して、飼育することができる。
【0012】
また、前記第2の電子ペットは、前記移動体通信網に接続可能な移動局として動作する通信手段を有し、前記第2の電子ペットの位置判定は、前記第2の電子ペットが前記移動体通信網に接続した際に接続相手先の基地局から取得した基地局識別情報が、前記特定基地局の識別情報と合致するか否かにより行うようにすることが望ましい。これにより、第2のペット自体の移動を正確に把握できるため、電子ペット情報を適切に転送することができる。
【0013】
さらに、前記第2の電子ペットの位置判定は、前記通信手段のハンドオーバの際に行われるようにしてもよい。これにより、移動タイミングを的確に検知できるため、電子ペット情報を適切に転送することができる。
【0014】
尚、前記第1及び第2の電子ペットの間における前記電子ペット情報の送受信は、前記移動体通信網を経由して行われるようにしてもよい。これにより、屋内と屋外という、幅広い範囲で電子ペットを飼育することができる。
【0015】
また、前記第2の電子ペットの位置判定は、前記第2の電子ペットが内蔵する機能によって行うようにしてもよい。これにより、第一の電子ペット及び第二の電子ペットの間で、電子ペット情報の移行ができる。
【0016】
さらに、前記第2の電子ペットの位置判定は、前記第1の電子ペット及び前記第2の電子ペット双方と通信可能なサーバによって行うようにしてもよい。これにより、第一の電子ペット及び第二の電子ペットの間での通信で、受信側が不通の状態であっても、送信側は、前記サーバに送信を終えた時点で、処理が完了し、受信側へは、別途前記サーバにより再送され、通信の信頼性が増す。
【0017】
また、本発明にかかる電子ペットシステムは、第1の電子ペット及び第2の電子ペットを有する電子ペットシステムであって、前記第2の電子ペットは、前記第2の電子ペットが移動体通信網内の予め定められた特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したことに応じて、前記第1の電子ペットから電子ペットの属性が規定された電子ペット情報を受信し、前記第2の電子ペットが前記特定基地局のサービスエリア外からエリア内へ移動したことに応じて、前記第1の電子ペットへ前記電子ペット情報を送信するものである。
【0018】
これにより、ユーザが屋内に入った後は、前記第1の電子ペットに対して、飼育することができ、ユーザが屋外に出た後は、前記第2の電子ペットに対して、ユーザの直接的な操作を必要とせず、同一の電子ペットを飼育することができる。
【0019】
また、前記電子ペットシステムにおける前記第1の電子ペットは、前記電子ペット情報を前記第2の電子ペットとの間で転送するための第1の通信部を有し、前記第2の電子ペットは、前記電子ペット情報を前記第1の電子ペットとの間で転送するための第2の通信部と、前記第2の電子ペットの位置が、前記特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したこと、又は、前記サービスエリア外からエリア内へ移動したことを判定する移動判定手段と、前記移動判定手段による判定結果に基づいて、前記第1の通信部と前記第2の通信部の間で前記電子ペット情報を転送させる転送制御手段とを有するようにしてもよい。
【0020】
これにより、ユーザが第二の電子ペットを保持した上で、前記特定基地局のエリア内外に移動することを通じて、電子ペット情報が転送されることになり、ユーザの直接的な操作を必要とせず、屋内と屋外で同一の電子ペットを飼育することができる。
【0021】
また、前記電子ペットシステムは、前記第1の電子ペット及び前記第2の電子ペット双方と通信可能なサーバをさらに有し、前記第1の電子ペットは、前記電子ペット情報を前記第2の電子ペットとの間で転送するための第1の通信部を有し、前記第2の電子ペットは、前記電子ペット情報を前記第1の電子ペットとの間で転送するための第2の通信部を有し、前記サーバは、前記第2の電子ペットの位置が、前記特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したこと、又は、前記サービスエリア外からエリア内へ移動したことを判定する移動判定手段と、前記移動判定手段による判定結果に基づいて、前記第1の通信部と前記第2の通信部の間で前記電子ペット情報を転送させる転送制御手段とを有するようにしてもよい。
【0022】
これにより、第一の電子ペット及び第二の電子ペットの間での通信で、受信側が不通の状態であっても、送信側は、前記サーバに送信を終えた時点で、処理が完了し、受信側へは、別途前記サーバにより再送され、通信の信頼性が増す。
【0023】
また、前記第2の通信部は、前記移動体通信網に接続可能であって、前記移動判定手段は、前記第2の電子ペットが前記移動体通信網に接続した際に接続相手先の基地局から取得した基地局識別情報が、前記特定基地局の識別情報と合致するか否かによって前記第2の電子ペットの移動を判定することが望ましい。これにより、第2のペット自体の移動を正確に把握できるため、電子ペット情報を適切に転送することができる。
【0024】
さらに、前記移動判定手段は、前記第2の通信部によるハンドオーバの実行に応じて前記第2の電子ペットの移動判定を行うようにしてもよい。これにより、移動タイミングを的確に検知できるため、電子ペット情報を適切に転送することができる。
【0025】
尚、前記第2の電子ペットは、前記電子ペット情報を参照することで前記電子ペット情報に応じた電子ペットの画像を表示する携帯電話端末とすることが好ましい。これにより、電子ペットとして屋外に持ち出すことが容易となる。
【0026】
また、前記第1の電子ペットは、前記電子ペット情報を参照して自律的に動作するペット型ロボットであることが好ましい。これにより、屋内において、リアリティのある電子ペットを飼育できる。
【0027】
さらに、前記第1の電子ペットは、自己の位置が前記特定基地局のサービスエリア内から外に出たことを判定する判定手段と、自己の位置が前記サービスエリアの外に出たと判定される場合に、前記サービスエリア内にもどるよう自己の位置を移動させる制御手段と、を備えることが望ましい。これにより、よりペットらしい動作が実現できる。
【0028】
また、本発明にかかる携帯電話端末は、電子ペットの属性が規定された電子ペット情報を他の電子ペットとの間で転送するための通信部と、自己の位置が、移動体通信網内の予め定められた特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したこと、又は、前記サービスエリア外からエリア内へ移動したことを判定する移動判定手段と、前記移動判定手段による判定結果に基づいて、前記通信部と前記他の電子ペットの通信部の間で前記電子ペット情報を転送させる転送制御手段とを有する。これにより、ユーザの行き先に、電子ペットを連れて行き易くすることができる。
【0029】
さらに、前記携帯電話端末は、前記電子ペット情報を参照することで前記電子ペット情報に応じた電子ペットの画像を表示する電子ペット装置であることが望ましい。これにより、電子ペットとして屋外に持ち出すことが容易となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、ユーザの直接的な操作を必要としない電子ペット情報の移行方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0032】
実施の形態1.
本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法を実現する電子ペットシステム1の概要構成を図1に示す。
【0033】
図1(a)は、ユーザが屋内で電子ペットを飼育している状態の電子ペットシステム1である。電子ペットシステム1は、屋内(建物20内)のユーザ41、フェムトセル基地局21、電子ペット装置4、ペット型ロボット5及び、屋外のIP(Internet Protocol)ネットワーク30、携帯電話通信網31とで構成される。尚、電子ペット装置4及びペット型ロボット5は、電子ペット情報6を用いて動作する電子ペットである。本発明で対象とする電子ペット及び電子ペット情報6については、図2で後述する。また、フェムトセルエリア22とは、フェムトセル基地局21の電波の到達範囲(サービスエリア、以降、エリア)を指す。
【0034】
フェムトセル基地局21は、フェムトセルエリア22内にある移動局(例えば、携帯電話端末)と無線通信可能である。また、フェムトセル基地局21は、固定通信回線に接続して使用され、固定通信回線を提供するブロードバンド通信事業者のIP通信網(IPネットワーク30)やインターネット等を経由して移動体通信事業者のネットワークである携帯電話通信網31に接続される。
【0035】
尚、本実施の形態1にかかるフェムトセル基地局21とは、通信のカバーエリア(セル半径)が数十メートル程度とされる極めて小規模な基地局である。フェムトセル基地局21は、家庭内や小規模オフィスへの設置が想定された基地局であり、家庭内や小規模オフィスに引き込まれているADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線や光ファイバ回線等の固定通信回線に接続して使用される。また、フェムトセル基地局21によれば、携帯電話端末を移動体通信網と固定通信網の共通端末として使用できることから、フェムトセル基地局は、屋内の通信環境の改善だけでなく、FMC(Fixed Mobile Convergence)の実現技術として期待されている。
【0036】
フェムトセルエリア22内には、ペット型ロボット5と、電子ペット装置4を携帯したユーザ41がいる。電子ペット装置4及びペット型ロボット5は、移動体通信システムの移動局として機能するものである。そのため、建物20内のフェムトセルエリア22内であれば、フェムトセル基地局21を通じて無線通信が可能な状態であり、フェムトセルエリア22外であれば、フェムトセル基地局21とは別の移動体通信システムの基地局と無線通信が可能である。
【0037】
電子ペット装置4は、電子ペット情報6を参照可能に保持した状態で電子ペットとして動作する携帯型ゲーム機能を備えている。但し、図1(a)の状態では、電子ペット情報6を参照可能に保持していないため、電子ペットとしては動作していないものとする。また、電子ペット装置4は、ユーザ41が容易に携帯できる程度の形状、大きさ、重さを有していれば良い。例えば、携帯電話端末であり、内部の携帯電話アプリケーションにより、電子ペットが実現されているものでもよい。または、携帯型ゲーム機端末で、電子ペットが実現されているものであり、内部に移動局の機能を有しているものでもよい。
【0038】
ペット型ロボット5は、電子ペット情報6を参照可能に保持した状態で電子ペットとして動作する移動ロボット装置である。図1(a)の状態では、電子ペット情報6を参照可能に保持しているため、ユーザ41による飼育のコミュニケーションが可能である。また、ペット型ロボット5は、自律的に移動を行うことが可能なロボットである。例えば、ペット型ロボット5は、複数の脚リンクを動作させることで歩行する人間型ロボットや動物型ロボットである。また、ペット型ロボット5は、脚リンクではなく、車輪、キャタピラ等のその他の移動機構を有する移動ロボットであってもよい。
【0039】
さらに、電子ペット装置4及びペット型ロボット5は、電子ペット情報6を送受信可能な通信機能を有する。具体的には、本実施の形態の電子ペット装置4及びペット型ロボット5は、携帯電話通信網31に接続するための移動局(携帯電話端末)としての通信機能を有している。
【0040】
図1(b)は、ユーザが屋外で電子ペットを飼育している状態の電子ペットシステム1である。電子ペットシステム1は、屋内(建物20内)のフェムトセル基地局21、ペット型ロボット5及び、屋外のIPネットワーク30、携帯電話通信網31、基地局32、ユーザ41、電子ペット装置4とで構成される。ここでは、図1(a)との違いについて説明する。
【0041】
フェムトセルエリア22内には、ペット型ロボット5のみがいる。但し、ペット型ロボット5は、電子ペット情報6を保持していないため、電子ペットとしては動作していないとする。フェムトセルエリア22外である屋外には、電子ペット装置4を携帯したユーザ41がいる。
【0042】
電子ペット装置4は、携帯電話通信網31の基地局である基地局32のサービスエリア内にいるため、基地局32を通じて無線通信が可能な状態である。また、電子ペット装置4は、電子ペット情報6を保持しているため、電子ペットとして動作し、ユーザ41による飼育のコミュニケーションが可能である。
【0043】
このとき、電子ペット情報6は、ペット型ロボット5で飼育されたものを引き継いだものであれば、電子ペット装置4において、ペット型ロボット5での飼育の続きを行うことが可能である。すなわち、実体は表現されていないものの、電子ペットの内部状態においては、屋外に同行させており、電子ペットの散歩を実現できる。
【0044】
本実施の形態1にかかる電子ペット60の稼働及び非稼働の構成を図2に示す。本発明で対象とする電子ペットは、電子ペット情報6を参照可能に保持した状態である時に、稼働を制御する動作モードがONとなり稼働する。
【0045】
図2(a)は、電子ペットとして稼働する構成の例である。電子ペット60は、電子ペット情報6、ソフトウェア61、ハードウェア62を備える。
【0046】
電子ペット情報6は、電子ペットの性格、感情や身体の特徴情報などの電子ペットの属性を規定する電子データである。記憶手段(非図示)に格納されることで電子ペット60内に備えられる。
【0047】
ソフトウェア61は、電子ペット情報6を用いて電子ペットとして動作するプログラムである。また、ハードウェア62を経由して入力されるユーザからの情報から、電子ペットとしての応答をハードウェア62に出力し、電子ペット情報6を更新する。電子ペット情報6は、更新されることによって、電子ペットとして成長することを意味する。
【0048】
ハードウェア62は、ユーザとの入出力、各種制御を司り、ソフトウェアとやり取りを行う。ハードウェアの実現方法により、ペット型ロボットとなることや、電子ペット装置になることが可能である。
【0049】
図2(b)は、電子ペットとして非稼働である構成の例である。電子ペット60は、図2(a)のうち、電子ペット情報6が参照可能に保持されていないものである。この状態では、電子ペット60の動作モードはOFFとなり、稼働されないものとする。
【0050】
本発明で対象とする電子ペットは、図2における電子ペット60の条件を満たしていればよく、その具体的な実現手段は、ペット型ロボット及び電子ペット装置以外でも構わない。
【0051】
これにより、複数の電子ペット60が存在する場合であっても、一方の電子ペット60で飼育された電子ペット情報6を他方の電子ペット60に保持させることにより、ユーザは、同じ電子ペットを継続して飼育できることになる。
【0052】
本実施の形態1にかかる電子ペットシステム1の全体構成を図3に示す。図3(a)は、ユーザが屋内で電子ペットを飼育している状態における電子ペットシステム1の全体構成を示すブロック図である。図3(a)に示す電子ペットシステム1の各構成は、図1(a)に対応する。電子ペット装置4及びペット型ロボット5は、フェムトセル基地局21と通信可能なエリア内に存在する。また、ペット型ロボット5は、電子ペット情報6を備えており、電子ペットとして稼働する。一方、電子ペット装置4は、電子ペット情報6を備えていないため、電子ペットとして非稼働である。また、フェムトセル基地局21は、IPネットワーク30を経由して、携帯電話通信網31に接続されているため、電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間で、電子ペット情報6を送受信可能である。
【0053】
図3(b)は、ユーザが屋外で電子ペットを飼育している状態における電子ペットシステム1の全体構成を示すブロック図である。図3(b)に示す電子ペットシステム1の各構成は、図1(b)に対応する。ペット型ロボット5は、フェムトセル基地局21と通信可能なエリア内に存在する。電子ペット装置4は、フェムトセル基地局21とは通信不可能であり、基地局32と通信可能なエリア内に存在する。また、電子ペット装置4は、電子ペット情報6を備えており、電子ペットとして稼働する。一方、ペット型ロボット5は、電子ペット情報6を備えていないため、電子ペットとして非稼働である。また、基地局32は、携帯電話通信網31、IPネットワーク30を経由して、フェムトセル基地局21に接続されているため、電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間で、電子ペット情報6を送受信可能である。
【0054】
本実施の形態1にかかる電子ペットシステム1では、電子ペット装置4がフェムトセル基地局21と通信可能なエリア内に存在する場合には、ペット型ロボット5が電子ペットとして稼働するため、飼育できる。また、電子ペット装置4がフェムトセル基地局21と通信不可能なエリア(例えば、基地局32と通信可能なエリア内)に存在する場合には、電子ペット装置4が電子ペットとして稼働するものである。その際、電子ペット装置4及びペット型ロボット5に備えている電子ペット情報6は、いずれかで飼育されたデータを引き継ぐこととなる。
【0055】
続いて、本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法について、図4乃至図6に示す。本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法は、電子ペット60の条件を満たす電子ペットである電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間で、電子ペット情報6を転送させる移行方法である。そして、電子ペット装置4が移動する際に、通信可能な基地局が切り替わる(ハンドオーバもしくは電源投入)契機に、電子ペット情報6を転送させる。すなわち、図3(a)の状態から図3(b)の状態へ移行させる方法及び、図3(b)の状態から図3(a)の状態へ移行させる方法である。
【0056】
本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法のフローチャート図の一例を図4に示す。
【0057】
ステップS101では、電子ペット装置4の電源が入れられる、もしくは、ハンドオーバがされることにより、通信可能な基地局が切り替わることを表す。この処理は、既存の移動局における基地局を探索する処理そのものである。基地局が発見された後に、基地局と接続を確立するが、その際に、接続対象基地局を特定する情報(基地局情報)を保持しておく。
【0058】
ステップS102では、ステップS101で取得された基地局情報と、あらかじめ電子ペット装置4に登録されている特定基地局情報(ここでは、フェムトセル基地局21を特定基地局とする)との比較から、特定基地局のエリア内であるか否かの判定を行う。すなわち、電子ペット装置4の移動判定が行われることになる。
【0059】
ステップS102の判定結果が、特定基地局のエリア内である場合、ステップS210へ、特定基地局のエリア内でない場合、ステップS310へ進む。ステップS210以降では、電子ペット装置4が特定基地局のエリア外からエリア内へ移動したという移動判定結果を受けて、電子ペット装置4からペット型ロボット5へ電子ペット情報6を転送させる。また、ステップS310以降では、電子ペット装置4が特定基地局のエリア内からエリア外へ移動したという移動判定結果を受けて、ペット型ロボット5から電子ペット装置4へ電子ペット情報6を転送させる。つまり、本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法では、ステップS102の判定結果を受けて、ステップS210もしくはステップS310の処理に振り分けることで、電子ペット情報6の転送制御が行われることになる。
【0060】
ステップS210では、電子ペット装置4が特定基地局のエリア内であることを通知する。通知先はペット型ロボット5である。
【0061】
引き続き、ステップS220では、電子ペット装置4の動作モードであるステータスがONであるか否かを確認する。電子ペット装置4のステータスがONである場合、S230へ進み、電子ペット装置4のステータスがOFFである場合、ステップS230を処理せず、次のステップS241及びステップS242へ進む。電子ペット装置4は、電子ペット情報6が格納されている時、ステータスがONであり、電子ペットとして稼働している。その場合、最新の電子ペット情報6を送信する必要があるため、ステップS220の確認を行う。また、電子ペット装置4は、電子ペット情報6が格納されていない時、ステータスがOFFであり、電子ペットとして稼働していない。その場合、電子ペット情報6を送る必要がない。
【0062】
ステップS230では、電子ペット装置4内の電子ペット情報6をペット型ロボット5へ送信(転送)する。送信時は、基地局32から携帯電話通信網31、IPネットワーク30、フェムトセル基地局21を経由する。
【0063】
ステップS241では、電子ペット装置4の電子ペット情報6を削除するなどして、動作モードであるステータスをOFFにし、電子ペットとして非稼働にする。
【0064】
一方、ステップS242では、ペット型ロボット5が電子ペット情報6を受信し、ペット型ロボット5内に格納することで、動作モードであるステータスをONにし、電子ペットとして稼働させる。
【0065】
また、ステップS241及びステップS242は、同時並行に処理を行って構わない。または、ステップS242は、電子ペット装置4からペット型ロボット5へステータスONの通知を行うことで実現しても構わない。
【0066】
尚、ステータスをOFFにするためには、電子ペット装置4及びペット型ロボット5内で、電子ペット情報6をバックアップ領域に退避させるなどしてもよい。バックアップ領域は、任意の記憶手段であればよい。
【0067】
また、ステップS102の判定結果が、特定基地局のエリア内でない場合に処理されるステップS310では、電子ペット装置4が特定基地局のエリア外であることを通知する。通知先はペット型ロボット5である。
【0068】
引き続き、ステップS320では、ペット型ロボット5の動作モードであるステータスがONであるか否かを確認する。ペット型ロボット5のステータスがONである場合、S330へ進み、ペット型ロボット5のステータスがOFFである場合、ステップS330を処理せず、次のステップS341及びステップS342へ進む。ペット型ロボット5は、電子ペット情報6が格納されている時、ステータスがONであり、電子ペットとして稼働している。その場合、最新の電子ペット情報6を送信する必要があるため、ステップS320の確認を行う。また、ペット型ロボット5は、電子ペット情報6が格納されていない時、ステータスがOFFであり、電子ペットとして稼働していない。その場合、電子ペット情報6を送る必要がない。
【0069】
ステップS330では、ペット型ロボット5内の電子ペット情報6を電子ペット装置4へ送信(転送)する。送信時は、フェムトセル基地局21からIPネットワーク30、携帯電話通信網31、基地局32を経由する。
【0070】
ステップS341では、電子ペット装置4が電子ペット情報6を受信し、電子ペット装置4内に格納することで動作モードであるステータスをONにし、電子ペットとして稼働させる。
【0071】
一方、ステップS342では、ペット型ロボット5の電子ペット情報6を削除するなどして動作モードであるステータスをOFFにし、電子ペットとして非稼働にする。
【0072】
また、ステップS341及びステップS342は、同時並行に処理を行って構わない。または、ステップS342は、電子ペット装置4からペット型ロボット5へステータスOFFの通知を行うことで実現しても構わない。
【0073】
本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋外に移動した際のシーケンス図の一例を図5に示す。ここでは、図3(a)の状態から図3(b)の状態へ移行させる処理を示している。
【0074】
開始時において、電子ペット装置4及びペット型ロボット5は、フェムトセルエリア22内に存在している(図3(a)の状態)。また、電子ペット情報6は、電子ペット装置4内には保持されておらず、ペット型ロボット5内に保持されている。そのため、電子ペット装置4はステータスOFFであり、ペット型ロボット5はステータスONである。この状態から、電子ペット装置4は、フェムトセルエリア22外に移動した場合となる。もしくは、電子ペット装置4が、フェムトセルエリア22外において主電源の投入した場合となる。以降、図4の説明と重複する部分は省く。
【0075】
まず、電子ペット装置4は、基地局を探索(ステップS101)し、特定基地局であるフェムトセルエリア22外であるとの判定結果(ステップS102)を出す。そのため、電子ペット装置4は、ペット型ロボット5に対して電子ペット装置4がフェムトセルエリア22外であることを通知(ステップS310)する。
【0076】
次に、ペット型ロボット5は、ペット型ロボット5のステータスがONであるか否かを確認(ステップS320)する。ペット型ロボット5のステータスはONであるため、ペット型ロボット5は、電子ペット装置4に対して電子ペット情報6を送信(ステップS330)する。
【0077】
以後、電子ペット装置4においてステータスがON(ステップS341)にされ、ペット型ロボット5においてステータスがOFF(ステップS342)にされる。
【0078】
これにより、電子ペット情報6は、ペット型ロボット5から電子ペット装置4に移行する。ユーザ41は、電子ペット装置4を携帯し、フェムトセルエリア22の外へ移動するが、自らは電子ペット情報6を移行させる操作を行っていない。
【0079】
本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋内に移動した際のシーケンス図の一例を図6に示す。ここでは、図3(b)の状態から図3(a)の状態へ移行させる処理を示している。
【0080】
開始時において、電子ペット装置4は、フェムトセルエリア22外に存在している(図3(b)の状態)。ペット型ロボット5は、フェムトセルエリア22内に存在している。また、電子ペット情報6は、電子ペット装置4内に保持されており、ペット型ロボット5内には保持されていない。そのため、電子ペット装置4はステータスONであり、ペット型ロボット5はステータスOFFである。この状態から、電子ペット装置4は、フェムトセルエリア22内に移動した場合となる。もしくは、電子ペット装置4が、フェムトセルエリア22内において主電源の投入した場合となる。以降、図4の説明と重複する部分は省く。
【0081】
まず、電子ペット装置4は、基地局を探索(ステップS101)し、特定基地局であるフェムトセルエリア22内であるとの判定結果(ステップS102)を出す。そのため、電子ペット装置4は、ペット型ロボット5に対して電子ペット装置4がフェムトセルエリア22内であることを通知(ステップS210)する。
【0082】
次に、電子ペット装置4は、電子ペット装置4のステータスがONであるか否かを確認(ステップS220)する。電子ペット装置4のステータスはONであるため、電子ペット装置4は、ペット型ロボット5に対して電子ペット情報6を送信(ステップS230)する。
【0083】
以後、電子ペット装置4においてステータスがOFF(ステップS241)にされ、ペット型ロボット5においてステータスがON(ステップS242)にされる。
【0084】
これにより、電子ペット情報6は、電子ペット装置4からペット型ロボット5に移行する。ユーザ41は、電子ペット装置4を携帯し、フェムトセルエリア22の内へ移動するが、自らは電子ペット情報6を移行させる操作を行っていない。
【0085】
本実施の形態1にかかる電子ペット装置4の構成を表わすブロック図を図7に示す。図7において、キー入力部401及び音声入力部402は、それぞれ、ユーザ41からのキー入力及び音声入力を受け付ける。
【0086】
動作生成部410は、キー入力部401及び音声入力部402からのキー入力及び音声入力と、記憶部440に格納された電子ペット情報6とから、電子ペットとしての動作を生成し、動作制御部411へ処理を依頼する。動作制御部411は、画面出力部420及び音声出力部421に対して、出力する。また、動作制御部411は、出力内容に応じて、記憶部440の電子ペット情報6を更新する。電子ペット装置4は、電子ペット情報6が更新されることにより、電子ペットとして成長する。
【0087】
移動局430は、通信部431、特定基地局判定部432を備える。記憶部440は、電子ペット情報6と特定基地局情報23(フェムトセル基地局21を特定する情報)を格納する。通信部431は、移動体通信システムの基地局(フェムトセル基地局21及び基地局32)との通信を行い、接続対象基地局を特定する情報(基地局情報)を取得する。また、特定基地局判定部432は、通信部431により取得された基地局情報と、特定基地局情報23を比較判定し、一致するか否かの判定結果を出す。判定結果は、通信部431により外部へ通知される。判定結果がフェムトセルエリア22内である場合、記憶部440に電子ペット情報6が格納されているか否かにより、電子ペット装置4のステータスを判定し、ステータスONの場合、電子ペット情報6の送信を行う。
【0088】
また、通信部431は、外部との電子ペット情報6の送受信を行う。電子ペット情報6を受信した場合、通信部431は、記憶部440に格納し、動作生成部410へステータスONである旨を伝える。動作生成部410は、電子ペットとして稼働する旨を動作制御部411へ伝え、画面出力部420及び音声出力部421に稼働した状態を出力させる。電子ペット情報6を送信する場合、通信部431は、記憶部440から電子ペット情報6を取得し、動作生成部410へステータスOFFである旨を伝える。動作生成部410は、電子ペットとして非稼働とする旨を動作制御部411へ伝え、画面出力部420及び音声出力部421に非稼働とした状態を出力させる。
【0089】
本実施の形態1にかかるペット型ロボット5の構成を表わすブロック図を図8に示す。図8において、視覚センサ501、触覚センサ502及び音声入力部503は、外界の状態を把握するためのセンサである。視覚センサ501は、外界の画像データを取得する。具体的には、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を有する複数のカメラを備え、これら複数のカメラによって撮影された画像データを用いて距離画像データを生成する。なお、レーザレンジファインダ等のアクティブ距離センサによって距離画像データを取得してもよい。また、複数のカメラによって撮影された画像のステレオ視によらず、単一のカメラによって得られる画像データであってもよい。触覚センサ502は、ペット型ロボット5の表面に作用する圧力により、ペット型ロボット5の表面に対する物体の接触状態を検出するセンサである。また、音声入力部503は、マイクロフォンなどで実現され、外界の音声検出に使用される聴覚センサである。
【0090】
動作生成部510は、視覚センサ501、触覚センサ502及び音声入力部503等の各種センサにより取得された外界の情報、並びに、記憶部540に格納された電子ペット情報6とから、ペット型ロボット5の動作内容を決定する。さらに、動作生成部510は、決定した動作内容を実現するための各関節の目標角度の軌道を生成する。
【0091】
動作制御部511は、動作生成部510により生成された各関節の目標角度軌道と、エンコーダ521によって計測される各関節の実角度とを入力してフィードバック制御を実行し、各関節を駆動するためのトルク制御値を算出する。動作制御部511によって算出されたトルク制御値に従ってアクチュエータ520が各関節を駆動することにより、ペット型ロボット5の動作が行われる。なお、上記の説明は、ペット型ロボット5が、脚リンクや腕リンク等の他関節リンクを有する場合に関する説明である。他の例として、ペット型ロボット5が車輪によって移動を行うロボットであれば、車輪を回転駆動するためのモータのトルク制御値を出力するよう動作制御部511を構成すればよい。また、動作制御部511は、出力内容に応じて、記憶部540の電子ペット情報6を更新する。
【0092】
移動局530は、通信部531、特定基地局判定部532を備える。記憶部540は、電子ペット情報6と特定基地局情報23を格納する。通信部531は、通信部431のように、移動体通信システムの基地局(フェムトセル基地局21)との通信、外部との電子ペット情報6の送受信を行う。また、通信部531は、電子ペット装置4の特定基地局判定部432による判定結果の受信を行う。
【0093】
受信した判定結果が、電子ペット装置4がフェムトセルエリア22外に存在している場合、通信部531は、記憶部540に電子ペット情報6が格納されているか否かにより、ペット型ロボット5のステータスを判定し、ステータスONの場合、電子ペット情報6の送信を行う。
【0094】
電子ペット情報6を受信した場合、通信部531は、記憶部540に格納し、動作生成部510へステータスONである旨を伝える。動作生成部510は、電子ペットとして稼働する旨を動作制御部511へ伝え、アクチュエータ520に稼働した状態を出力させる。電子ペット情報6を送信する場合、通信部531は、記憶部540から電子ペット情報6を取得し、動作生成部510へステータスOFFである旨を伝える。動作生成部510は、電子ペットとして非稼働とする旨を動作制御部511へ伝え、アクチュエータ520に非稼働とした状態を出力させる。
【0095】
尚、本実施の形態1において、特定基地局判定部532及び特定基地局情報23は、ペット型ロボット5に必須の構成ではない。特定基地局判定部532は、特定基地局判定部432と同様の判定を行うことにより、フェムトセルエリア22外に出た際に、逆方向の動きをするように、動作生成部510を通じて動作制御部511へ伝えることで、ペット型ロボット5ができるだけフェムトセルエリア22内に存在できるように、制御することが可能である。
【0096】
以上のように本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法は、ユーザ41が携帯する電子ペット装置4の移動を通じて携帯電話通信網で行われる基地局の切り替えを契機に、電子ペット情報6を転送させる移行方法である。これにより、電子ペットを飼育する際に、屋内と屋外で異なる電子ペット装置に対して、同一の電子ペット情報6を備えた電子ペットを、ユーザの直接的な操作を必要とせずに利用可能となる。また、フェムトセル基地局21により、これまで携帯電話の電波の届きにくかった屋内で、携帯電話端末での通信が容易となっている。そのため、屋内で電子ペットとして利用されるペット型ロボットと屋外との通信の実現が容易となった。
【0097】
実施の形態2.
本実施の形態2にかかる電子ペットシステム1aは、本実施の形態1にかかる電子ペットシステム1に対し、電子ペット情報6を転送する際に中継するサーバ33をさらに備えたものである。サーバ33は、電子ペット装置4及びペット型ロボット5双方と通信可能であるコンピュータであればよい。ユーザにおける電子ペットの飼育の仕方、利用形態は同じである。これにより、電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間での通信が、直接行えない状況においても、サーバ33で一時的に、情報が保存されることになり、サーバ側で再送が可能となり、通信の信頼性が増す。
【0098】
本実施の形態2にかかる電子ペットシステム1aの全体構成を図9に示す。尚、図9に示す構成要素のうち、電子ペットシステム1が有するのと同一の構成要素には図3と同一の符号が付されている。以下では、これら既出の構成要素に関する説明を省略する。
【0099】
図9(a)は、ユーザが屋内で電子ペットを飼育している状態における電子ペットシステム1の全体構成を示すブロック図である。また、図9(b)は、ユーザが屋外で電子ペットを飼育している状態における電子ペットシステム1の全体構成を示すブロック図である。サーバ33は、IPネットワーク30に接続された状態である。電子ペット装置4とペット型ロボット5との間での送受信を中継し、必要に応じて電子ペット情報6をサーバ33内の記憶装置(非図示)にバックアップするものである。
【0100】
続いて、本実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法について、図10乃至図12に示す。本実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法は、電子ペット60の条件を満たす電子ペットである電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間で、電子ペット情報6を転送させる移行方法である。そして、電子ペット装置4が移動する際に、通信可能な基地局が切り替わる契機に、電子ペット情報6を転送させる。すなわち、図9(a)の状態から図9(b)の状態へ移行させる方法及び、図9(b)の状態から図9(a)の状態へ移行させる方法である。
【0101】
本実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法のフローチャート図の一例を図10に示す。図4との違いは、ステップS210がステップS211及びステップS212に、ステップ230がステップS231及びステップS232に、ステップS310がステップS311及びステップS312に、ステップ330がステップS331及びステップS332に、置き換わったものである。
【0102】
ステップS211では、電子ペット装置4が特定基地局のエリア内であることを通知する。通知先はサーバ33である。このとき、サーバ33は、通知が電子ペット装置4から送信されたものであることを確認する。
【0103】
ステップS212では、サーバ33が受け取った通知をペット型ロボット5へ通知する。通知先がペット型ロボット5であることは、電子ペット装置4から送信される通知内に含まれていればよい。もしくは、あらかじめ、サーバ33内の記憶装置(不図示)に、電子ペット装置4及びペット型ロボット5を特定する情報を対応付けて格納していてもよい。
【0104】
また、ステップS231では、電子ペット装置4内の電子ペット情報6をサーバ33へ送信する。送信時は、基地局32から携帯電話通信網31、IPネットワーク30を経由する。このとき、サーバ33は、通知が電子ペット装置4から送信されたものであることを確認する。また、サーバ33は、受信した電子ペット情報6をサーバ33内の記憶装置に、格納してもよい。これにより、電子ペット情報6のバックアップとなる。
【0105】
ステップS232では、サーバ33が受け取った電子ペット情報6をペット型ロボット5へ送信する。送信時は、IPネットワーク30、フェムトセル基地局21を経由する。尚、送信先がペット型ロボット5であることは、電子ペット装置4から送信される電子ペット情報6内に含まれていればよい。もしくは、サーバ33内の記憶装置に、電子ペット装置4及びペット型ロボット5を特定する情報を対応付けて格納していてもよい。
【0106】
また、ステップS311では、電子ペット装置4が特定基地局のエリア外であることを通知する。通知先はサーバ33である。このとき、サーバ33は、通知が電子ペット装置4から送信されたものであることを確認する。
【0107】
ステップS312では、サーバ33が受け取った通知をペット型ロボット5へ通知する。通知先がペット型ロボット5であることは、ステップS212と同様に判断される。
また、ステップS331では、ペット型ロボット5内の電子ペット情報6をサーバ33へ送信する。送信時は、フェムトセル基地局21からIPネットワーク30を経由する。また、電子ペット情報6のバックアップについては、ステップS231と同様である。
【0108】
ステップS332では、サーバ33が受け取った電子ペット情報6を電子ペット装置4へ送信する。送信時は、IPネットワーク30、携帯電話通信網31、基地局32を経由する。尚、送信先が電子ペット情報6であることは、ステップS232と同様に判断される。
【0109】
本実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋外に移動した際のシーケンス図の一例を図11に示す。ここでは、図9(a)の状態から図9(b)の状態へ移行させる処理を示している。図5との違いを中心に説明する。
【0110】
電子ペット装置4は、サーバ33に対して電子ペット装置4がフェムトセルエリア22外であることを通知(ステップS311)する。また、サーバ33は、同様の通知をペット型ロボット5に対して行う(ステップS312)。
【0111】
また、ペット型ロボット5は、サーバ33に対して電子ペット情報6を送信(ステップS331)する。サーバ33は、電子ペット装置4に対して受信した電子ペット情報6を送信(ステップS332)する。
【0112】
本実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋内に移動した際のシーケンス図の一例を図12に示す。ここでは、図9(b)の状態から図9(a)の状態へ移行させる処理を示している。図6との違いを中心に説明する。
【0113】
電子ペット装置4は、サーバ33に対して電子ペット装置4がフェムトセルエリア22内であることを通知(ステップS211)する。また、サーバ33は、同様の通知をペット型ロボット5に対して行う(ステップS212)。
【0114】
また、電子ペット装置4は、サーバ33に対して電子ペット情報6を送信(ステップS231)する。サーバ33は、ペット型ロボット5に対して受信した電子ペット情報6を送信(ステップS232)する。
【0115】
以上のように、本実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法は、本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法の効果に加え、電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間での通信で受信側が不通の状態であっても、送信としてはサーバ33に届いた時点で完了することができ、通信の信頼性が増す。さらに、常にサーバ33側で最新の電子ペット情報6のバックアップデータを確保することで、電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間でのデータ不整合を防ぐことができる。
【0116】
その他の実施の形態.
上述した実施の形態1及び2では、電子ペット装置4に移動局430を備えていたが、移動局430に加え、各種通信機能を備えていても良い。すなわち、移動局430は、電子ペット装置4の現在位置の判定を行い、移動局430以外の各種通信機能は、電子ペット情報6の送受信を行わせるようにしても良い。尚、各種通信機能とは、例えば、USB(Universal Serial Bus)、BLUETOOTH(登録商標)、RF(Radio Frequency)タグ、等である。
【0117】
また、上述した動作生成部410及び動作生成部510、並びに、動作制御部411及び動作制御部511は、典型的なコンピュータシステムを用いて実現可能である。これらの処理をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムは、1つのプログラムである必要はなく、処理内容により分割された複数のプログラムモジュールによって構成されてもよい。また、動作生成部410及び動作生成部510、並びに、動作制御部411及び動作制御部511は、複数のプロセッサを含むコンピュータシステムにより行われてもよい。
【0118】
また、上述したペット型ロボット5は、屋内で飼育される電子ペットであることから、必ずしも移動局を備えなくてもよい。例えば、フェムトセル基地局21との通信は、別途、通信機器により行い、ペット型ロボット5は、前記通信機器と、電子ペット情報の送受信が可能であればよい。さらに、上述したフェムトセル基地局21は、フェムトセルである必要はない。例えば、上述したフェムトセル基地局21は、無線LAN(Local Area Network)基地局等であればよい。
【0119】
さらに、上述した実施の形態2では、電子ペット装置4の移動判定(ステップS102)は、電子ペット装置4にて行われていたが、サーバ33にて行ってもよい。そのためには、次のようにすればよい。まず、サーバ33は、サーバ33の記憶装置内にあらかじめ特定基地局情報を登録しておく。次に、ステップS101の後に、電子ペット装置4は、接続対象の基地局情報をサーバ33に送信する。ステップS102にて、サーバ33は、接続対象の基地局情報と特定基地局情報との比較から、電子ペット装置4が特定基地局のエリア内であるか否かの判定を行う。
【0120】
ここで、電子ペット装置4がエリア内である場合、サーバ33は、電子ペット装置4へ電子ペット装置4がエリア内であることを通知する。すなわち、ステップS211に相当する処理は、逆方向に行われる。これにより、電子ペット装置4は、ステップS220を実施できる。このとき同時に、サーバ33は、ステップS212を行う。以降、実施の形態2と同様である。また、電子ペット装置4がエリア外である場合、サーバ33は、ステップS311に相当する処理は不要となる。以後、ステップS320以降の処理は、実施の形態2と同様である。
【0121】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法を実現する電子ペットシステム1の概要構成図である。
【図2】実施の形態1にかかる電子ペット60の稼働及び非稼働の構成図である。
【図3】実施の形態1にかかる電子ペットシステム1の全体構成図である。
【図4】実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法のフローチャート図である。
【図5】実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋外に移動した際のシーケンス図である。
【図6】実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋内に移動した際のシーケンス図である。
【図7】実施の形態1にかかる電子ペット装置4の構成を表わすブロック図である。
【図8】実施の形態1にかかるペット型ロボット5の構成を表わすブロック図である。
【図9】実施の形態2にかかる電子ペットシステム1aの全体構成である。
【図10】実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法のフローチャート図である。
【図11】実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋外に移動した際のシーケンス図である。
【図12】実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋内に移動した際のシーケンス図である。
【符号の説明】
【0123】
1 電子ペットシステム
1a 電子ペットシステム
4 電子ペット装置
5 ペット型ロボット
6 電子ペット情報
20 建物
21 フェムトセル基地局
22 フェムトセルエリア
23 特定基地局情報
30 ネットワーク
31 携帯電話通信網
32 基地局
33 サーバ
41 ユーザ
60 電子ペット
61 ソフトウェア
62 ハードウェア
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペット情報移行方法、電子ペットシステム、携帯電話端末及びペット型ロボットに関するものであり、特に、電子ペット装置である携帯電話端末及びペット型ロボットを備える電子ペットシステムにおける電子ペット情報移行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、愛玩目的で飼育されていた動物であるペットを電子化した電子ペットの人気が高まっている。電子ペットの種類としては、育成シミュレーションゲーム機などの電子ペット装置や、動物に似せた形状で自律動作可能なペット型ロボットなどがある。
【0003】
電子ペット装置は、ゲーム専用機や携帯端末等において、電子ペットが仮想的な生命体のオブジェクトとして表示されるものである。ユーザ(飼い主)が、電子ペットに対して対応(餌を与える、等)することによって、電子ペットは成長する。そのため、ユーザは、電子ペットを実際のペットのように愛着を持つようになる。これは、電子ペット装置内のソフトウェアによって、電子ペットを動作させるための内部状態(感情や肉体の特徴情報。以降、電子ペット情報)を変化させることにより実現される。但し、電子ペット装置は、あくまで画面上に二次元で表示される仮想的な存在である。
【0004】
また、ペット型ロボットは、実体として存在し、自律動作可能なロボットである電子ペットである。飼い主が実際に触るなどすることでも電子ペット情報を変化させることができる。但し、飼い主がペット型ロボットを散歩するなどのように、外出時に連れ歩くことや、持ち運ぶには不便である。
【0005】
そこで、特許文献1に記載の電子ペットシステムは、電子ペット装置及びペット型ロボットを備える。特許文献1に記載の電子ペットシステムは、電子ペット情報を外部記憶装置に格納し、外部記憶装置経由で電子ペット情報を電子ペット装置及びペット型ロボットの間で移行させることで、同じ電子ペットとして稼働させるものである。つまり、屋内ではペット型ロボットとして飼育する。一方、屋外では、ユーザがペット型ロボットの電子ペット情報を外部記憶装置経由で電子ペット装置に移行し、電子ペットとして稼働させることで、散歩等の効果を実現することができる。また、電子ペット情報の移行方法としては、有線、無線、赤外線等による、相互通信によっても実現でき、さらに、インターネット経由でサーバ上にアップロード、ダウンロードを行うことでの移行も含まれている。
【特許文献1】国際公開第00/66239号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、特許文献1に記載の電子ペットシステムは、電子ペット情報の移行を行うことで、屋内ではペット型ロボット、屋外では電子ペット装置という利用形態で、同じ電子ペットを飼育することができる。但し、特許文献1での電子ペット情報移行方法では、ユーザによる操作が必要とされているため、煩雑さや、移行手順の漏れなどによる困難さが残されている。
【0007】
本発明は、ユーザの直接的な操作を必要としない電子ペット情報の移行方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる電子ペット情報移行方法は、第1の電子ペットと第2の電子ペットとの間で、電子ペットの属性が規定された電子ペット情報を移行させる電子ペット情報移行方法であって、移動体通信網内の予め定められた特定基地局のサービスエリア内に前記第2の電子ペットが位置するか否かを判定し、前記判定の結果に応じて、前記第1の電子ペットと前記第2の電子ペットの間で前記電子ペット情報を転送するものである。
【0009】
これにより、ユーザが第二の電子ペットを保持した上で、前記特定基地局のエリア内外に移動することを通じて、電子ペット情報が転送されることになり、ユーザの直接的な操作を必要とせず、屋内と屋外で同一の電子ペットを飼育することができる。
【0010】
また、前記電子ペット情報移行方法は、前記第2の電子ペットが前記特定基地局のサービスエリア内である場合に、前記第2の電子ペットから前記第1の電子ペットへ前記電子ペット情報を転送させ、前記第2の電子ペットが前記特定基地局のサービスエリア外である場合に、前記第1の電子ペットから前記第2の電子ペットへ前記電子ペット情報を転送させる、ことが望ましい。
【0011】
これにより、ユーザが屋内に入った後は、前記第一の電子ペットに対して、飼育することができ、ユーザが屋外に出た後は、前記第二の電子ペットに対して、継続して、飼育することができる。
【0012】
また、前記第2の電子ペットは、前記移動体通信網に接続可能な移動局として動作する通信手段を有し、前記第2の電子ペットの位置判定は、前記第2の電子ペットが前記移動体通信網に接続した際に接続相手先の基地局から取得した基地局識別情報が、前記特定基地局の識別情報と合致するか否かにより行うようにすることが望ましい。これにより、第2のペット自体の移動を正確に把握できるため、電子ペット情報を適切に転送することができる。
【0013】
さらに、前記第2の電子ペットの位置判定は、前記通信手段のハンドオーバの際に行われるようにしてもよい。これにより、移動タイミングを的確に検知できるため、電子ペット情報を適切に転送することができる。
【0014】
尚、前記第1及び第2の電子ペットの間における前記電子ペット情報の送受信は、前記移動体通信網を経由して行われるようにしてもよい。これにより、屋内と屋外という、幅広い範囲で電子ペットを飼育することができる。
【0015】
また、前記第2の電子ペットの位置判定は、前記第2の電子ペットが内蔵する機能によって行うようにしてもよい。これにより、第一の電子ペット及び第二の電子ペットの間で、電子ペット情報の移行ができる。
【0016】
さらに、前記第2の電子ペットの位置判定は、前記第1の電子ペット及び前記第2の電子ペット双方と通信可能なサーバによって行うようにしてもよい。これにより、第一の電子ペット及び第二の電子ペットの間での通信で、受信側が不通の状態であっても、送信側は、前記サーバに送信を終えた時点で、処理が完了し、受信側へは、別途前記サーバにより再送され、通信の信頼性が増す。
【0017】
また、本発明にかかる電子ペットシステムは、第1の電子ペット及び第2の電子ペットを有する電子ペットシステムであって、前記第2の電子ペットは、前記第2の電子ペットが移動体通信網内の予め定められた特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したことに応じて、前記第1の電子ペットから電子ペットの属性が規定された電子ペット情報を受信し、前記第2の電子ペットが前記特定基地局のサービスエリア外からエリア内へ移動したことに応じて、前記第1の電子ペットへ前記電子ペット情報を送信するものである。
【0018】
これにより、ユーザが屋内に入った後は、前記第1の電子ペットに対して、飼育することができ、ユーザが屋外に出た後は、前記第2の電子ペットに対して、ユーザの直接的な操作を必要とせず、同一の電子ペットを飼育することができる。
【0019】
また、前記電子ペットシステムにおける前記第1の電子ペットは、前記電子ペット情報を前記第2の電子ペットとの間で転送するための第1の通信部を有し、前記第2の電子ペットは、前記電子ペット情報を前記第1の電子ペットとの間で転送するための第2の通信部と、前記第2の電子ペットの位置が、前記特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したこと、又は、前記サービスエリア外からエリア内へ移動したことを判定する移動判定手段と、前記移動判定手段による判定結果に基づいて、前記第1の通信部と前記第2の通信部の間で前記電子ペット情報を転送させる転送制御手段とを有するようにしてもよい。
【0020】
これにより、ユーザが第二の電子ペットを保持した上で、前記特定基地局のエリア内外に移動することを通じて、電子ペット情報が転送されることになり、ユーザの直接的な操作を必要とせず、屋内と屋外で同一の電子ペットを飼育することができる。
【0021】
また、前記電子ペットシステムは、前記第1の電子ペット及び前記第2の電子ペット双方と通信可能なサーバをさらに有し、前記第1の電子ペットは、前記電子ペット情報を前記第2の電子ペットとの間で転送するための第1の通信部を有し、前記第2の電子ペットは、前記電子ペット情報を前記第1の電子ペットとの間で転送するための第2の通信部を有し、前記サーバは、前記第2の電子ペットの位置が、前記特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したこと、又は、前記サービスエリア外からエリア内へ移動したことを判定する移動判定手段と、前記移動判定手段による判定結果に基づいて、前記第1の通信部と前記第2の通信部の間で前記電子ペット情報を転送させる転送制御手段とを有するようにしてもよい。
【0022】
これにより、第一の電子ペット及び第二の電子ペットの間での通信で、受信側が不通の状態であっても、送信側は、前記サーバに送信を終えた時点で、処理が完了し、受信側へは、別途前記サーバにより再送され、通信の信頼性が増す。
【0023】
また、前記第2の通信部は、前記移動体通信網に接続可能であって、前記移動判定手段は、前記第2の電子ペットが前記移動体通信網に接続した際に接続相手先の基地局から取得した基地局識別情報が、前記特定基地局の識別情報と合致するか否かによって前記第2の電子ペットの移動を判定することが望ましい。これにより、第2のペット自体の移動を正確に把握できるため、電子ペット情報を適切に転送することができる。
【0024】
さらに、前記移動判定手段は、前記第2の通信部によるハンドオーバの実行に応じて前記第2の電子ペットの移動判定を行うようにしてもよい。これにより、移動タイミングを的確に検知できるため、電子ペット情報を適切に転送することができる。
【0025】
尚、前記第2の電子ペットは、前記電子ペット情報を参照することで前記電子ペット情報に応じた電子ペットの画像を表示する携帯電話端末とすることが好ましい。これにより、電子ペットとして屋外に持ち出すことが容易となる。
【0026】
また、前記第1の電子ペットは、前記電子ペット情報を参照して自律的に動作するペット型ロボットであることが好ましい。これにより、屋内において、リアリティのある電子ペットを飼育できる。
【0027】
さらに、前記第1の電子ペットは、自己の位置が前記特定基地局のサービスエリア内から外に出たことを判定する判定手段と、自己の位置が前記サービスエリアの外に出たと判定される場合に、前記サービスエリア内にもどるよう自己の位置を移動させる制御手段と、を備えることが望ましい。これにより、よりペットらしい動作が実現できる。
【0028】
また、本発明にかかる携帯電話端末は、電子ペットの属性が規定された電子ペット情報を他の電子ペットとの間で転送するための通信部と、自己の位置が、移動体通信網内の予め定められた特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したこと、又は、前記サービスエリア外からエリア内へ移動したことを判定する移動判定手段と、前記移動判定手段による判定結果に基づいて、前記通信部と前記他の電子ペットの通信部の間で前記電子ペット情報を転送させる転送制御手段とを有する。これにより、ユーザの行き先に、電子ペットを連れて行き易くすることができる。
【0029】
さらに、前記携帯電話端末は、前記電子ペット情報を参照することで前記電子ペット情報に応じた電子ペットの画像を表示する電子ペット装置であることが望ましい。これにより、電子ペットとして屋外に持ち出すことが容易となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、ユーザの直接的な操作を必要としない電子ペット情報の移行方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0032】
実施の形態1.
本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法を実現する電子ペットシステム1の概要構成を図1に示す。
【0033】
図1(a)は、ユーザが屋内で電子ペットを飼育している状態の電子ペットシステム1である。電子ペットシステム1は、屋内(建物20内)のユーザ41、フェムトセル基地局21、電子ペット装置4、ペット型ロボット5及び、屋外のIP(Internet Protocol)ネットワーク30、携帯電話通信網31とで構成される。尚、電子ペット装置4及びペット型ロボット5は、電子ペット情報6を用いて動作する電子ペットである。本発明で対象とする電子ペット及び電子ペット情報6については、図2で後述する。また、フェムトセルエリア22とは、フェムトセル基地局21の電波の到達範囲(サービスエリア、以降、エリア)を指す。
【0034】
フェムトセル基地局21は、フェムトセルエリア22内にある移動局(例えば、携帯電話端末)と無線通信可能である。また、フェムトセル基地局21は、固定通信回線に接続して使用され、固定通信回線を提供するブロードバンド通信事業者のIP通信網(IPネットワーク30)やインターネット等を経由して移動体通信事業者のネットワークである携帯電話通信網31に接続される。
【0035】
尚、本実施の形態1にかかるフェムトセル基地局21とは、通信のカバーエリア(セル半径)が数十メートル程度とされる極めて小規模な基地局である。フェムトセル基地局21は、家庭内や小規模オフィスへの設置が想定された基地局であり、家庭内や小規模オフィスに引き込まれているADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線や光ファイバ回線等の固定通信回線に接続して使用される。また、フェムトセル基地局21によれば、携帯電話端末を移動体通信網と固定通信網の共通端末として使用できることから、フェムトセル基地局は、屋内の通信環境の改善だけでなく、FMC(Fixed Mobile Convergence)の実現技術として期待されている。
【0036】
フェムトセルエリア22内には、ペット型ロボット5と、電子ペット装置4を携帯したユーザ41がいる。電子ペット装置4及びペット型ロボット5は、移動体通信システムの移動局として機能するものである。そのため、建物20内のフェムトセルエリア22内であれば、フェムトセル基地局21を通じて無線通信が可能な状態であり、フェムトセルエリア22外であれば、フェムトセル基地局21とは別の移動体通信システムの基地局と無線通信が可能である。
【0037】
電子ペット装置4は、電子ペット情報6を参照可能に保持した状態で電子ペットとして動作する携帯型ゲーム機能を備えている。但し、図1(a)の状態では、電子ペット情報6を参照可能に保持していないため、電子ペットとしては動作していないものとする。また、電子ペット装置4は、ユーザ41が容易に携帯できる程度の形状、大きさ、重さを有していれば良い。例えば、携帯電話端末であり、内部の携帯電話アプリケーションにより、電子ペットが実現されているものでもよい。または、携帯型ゲーム機端末で、電子ペットが実現されているものであり、内部に移動局の機能を有しているものでもよい。
【0038】
ペット型ロボット5は、電子ペット情報6を参照可能に保持した状態で電子ペットとして動作する移動ロボット装置である。図1(a)の状態では、電子ペット情報6を参照可能に保持しているため、ユーザ41による飼育のコミュニケーションが可能である。また、ペット型ロボット5は、自律的に移動を行うことが可能なロボットである。例えば、ペット型ロボット5は、複数の脚リンクを動作させることで歩行する人間型ロボットや動物型ロボットである。また、ペット型ロボット5は、脚リンクではなく、車輪、キャタピラ等のその他の移動機構を有する移動ロボットであってもよい。
【0039】
さらに、電子ペット装置4及びペット型ロボット5は、電子ペット情報6を送受信可能な通信機能を有する。具体的には、本実施の形態の電子ペット装置4及びペット型ロボット5は、携帯電話通信網31に接続するための移動局(携帯電話端末)としての通信機能を有している。
【0040】
図1(b)は、ユーザが屋外で電子ペットを飼育している状態の電子ペットシステム1である。電子ペットシステム1は、屋内(建物20内)のフェムトセル基地局21、ペット型ロボット5及び、屋外のIPネットワーク30、携帯電話通信網31、基地局32、ユーザ41、電子ペット装置4とで構成される。ここでは、図1(a)との違いについて説明する。
【0041】
フェムトセルエリア22内には、ペット型ロボット5のみがいる。但し、ペット型ロボット5は、電子ペット情報6を保持していないため、電子ペットとしては動作していないとする。フェムトセルエリア22外である屋外には、電子ペット装置4を携帯したユーザ41がいる。
【0042】
電子ペット装置4は、携帯電話通信網31の基地局である基地局32のサービスエリア内にいるため、基地局32を通じて無線通信が可能な状態である。また、電子ペット装置4は、電子ペット情報6を保持しているため、電子ペットとして動作し、ユーザ41による飼育のコミュニケーションが可能である。
【0043】
このとき、電子ペット情報6は、ペット型ロボット5で飼育されたものを引き継いだものであれば、電子ペット装置4において、ペット型ロボット5での飼育の続きを行うことが可能である。すなわち、実体は表現されていないものの、電子ペットの内部状態においては、屋外に同行させており、電子ペットの散歩を実現できる。
【0044】
本実施の形態1にかかる電子ペット60の稼働及び非稼働の構成を図2に示す。本発明で対象とする電子ペットは、電子ペット情報6を参照可能に保持した状態である時に、稼働を制御する動作モードがONとなり稼働する。
【0045】
図2(a)は、電子ペットとして稼働する構成の例である。電子ペット60は、電子ペット情報6、ソフトウェア61、ハードウェア62を備える。
【0046】
電子ペット情報6は、電子ペットの性格、感情や身体の特徴情報などの電子ペットの属性を規定する電子データである。記憶手段(非図示)に格納されることで電子ペット60内に備えられる。
【0047】
ソフトウェア61は、電子ペット情報6を用いて電子ペットとして動作するプログラムである。また、ハードウェア62を経由して入力されるユーザからの情報から、電子ペットとしての応答をハードウェア62に出力し、電子ペット情報6を更新する。電子ペット情報6は、更新されることによって、電子ペットとして成長することを意味する。
【0048】
ハードウェア62は、ユーザとの入出力、各種制御を司り、ソフトウェアとやり取りを行う。ハードウェアの実現方法により、ペット型ロボットとなることや、電子ペット装置になることが可能である。
【0049】
図2(b)は、電子ペットとして非稼働である構成の例である。電子ペット60は、図2(a)のうち、電子ペット情報6が参照可能に保持されていないものである。この状態では、電子ペット60の動作モードはOFFとなり、稼働されないものとする。
【0050】
本発明で対象とする電子ペットは、図2における電子ペット60の条件を満たしていればよく、その具体的な実現手段は、ペット型ロボット及び電子ペット装置以外でも構わない。
【0051】
これにより、複数の電子ペット60が存在する場合であっても、一方の電子ペット60で飼育された電子ペット情報6を他方の電子ペット60に保持させることにより、ユーザは、同じ電子ペットを継続して飼育できることになる。
【0052】
本実施の形態1にかかる電子ペットシステム1の全体構成を図3に示す。図3(a)は、ユーザが屋内で電子ペットを飼育している状態における電子ペットシステム1の全体構成を示すブロック図である。図3(a)に示す電子ペットシステム1の各構成は、図1(a)に対応する。電子ペット装置4及びペット型ロボット5は、フェムトセル基地局21と通信可能なエリア内に存在する。また、ペット型ロボット5は、電子ペット情報6を備えており、電子ペットとして稼働する。一方、電子ペット装置4は、電子ペット情報6を備えていないため、電子ペットとして非稼働である。また、フェムトセル基地局21は、IPネットワーク30を経由して、携帯電話通信網31に接続されているため、電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間で、電子ペット情報6を送受信可能である。
【0053】
図3(b)は、ユーザが屋外で電子ペットを飼育している状態における電子ペットシステム1の全体構成を示すブロック図である。図3(b)に示す電子ペットシステム1の各構成は、図1(b)に対応する。ペット型ロボット5は、フェムトセル基地局21と通信可能なエリア内に存在する。電子ペット装置4は、フェムトセル基地局21とは通信不可能であり、基地局32と通信可能なエリア内に存在する。また、電子ペット装置4は、電子ペット情報6を備えており、電子ペットとして稼働する。一方、ペット型ロボット5は、電子ペット情報6を備えていないため、電子ペットとして非稼働である。また、基地局32は、携帯電話通信網31、IPネットワーク30を経由して、フェムトセル基地局21に接続されているため、電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間で、電子ペット情報6を送受信可能である。
【0054】
本実施の形態1にかかる電子ペットシステム1では、電子ペット装置4がフェムトセル基地局21と通信可能なエリア内に存在する場合には、ペット型ロボット5が電子ペットとして稼働するため、飼育できる。また、電子ペット装置4がフェムトセル基地局21と通信不可能なエリア(例えば、基地局32と通信可能なエリア内)に存在する場合には、電子ペット装置4が電子ペットとして稼働するものである。その際、電子ペット装置4及びペット型ロボット5に備えている電子ペット情報6は、いずれかで飼育されたデータを引き継ぐこととなる。
【0055】
続いて、本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法について、図4乃至図6に示す。本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法は、電子ペット60の条件を満たす電子ペットである電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間で、電子ペット情報6を転送させる移行方法である。そして、電子ペット装置4が移動する際に、通信可能な基地局が切り替わる(ハンドオーバもしくは電源投入)契機に、電子ペット情報6を転送させる。すなわち、図3(a)の状態から図3(b)の状態へ移行させる方法及び、図3(b)の状態から図3(a)の状態へ移行させる方法である。
【0056】
本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法のフローチャート図の一例を図4に示す。
【0057】
ステップS101では、電子ペット装置4の電源が入れられる、もしくは、ハンドオーバがされることにより、通信可能な基地局が切り替わることを表す。この処理は、既存の移動局における基地局を探索する処理そのものである。基地局が発見された後に、基地局と接続を確立するが、その際に、接続対象基地局を特定する情報(基地局情報)を保持しておく。
【0058】
ステップS102では、ステップS101で取得された基地局情報と、あらかじめ電子ペット装置4に登録されている特定基地局情報(ここでは、フェムトセル基地局21を特定基地局とする)との比較から、特定基地局のエリア内であるか否かの判定を行う。すなわち、電子ペット装置4の移動判定が行われることになる。
【0059】
ステップS102の判定結果が、特定基地局のエリア内である場合、ステップS210へ、特定基地局のエリア内でない場合、ステップS310へ進む。ステップS210以降では、電子ペット装置4が特定基地局のエリア外からエリア内へ移動したという移動判定結果を受けて、電子ペット装置4からペット型ロボット5へ電子ペット情報6を転送させる。また、ステップS310以降では、電子ペット装置4が特定基地局のエリア内からエリア外へ移動したという移動判定結果を受けて、ペット型ロボット5から電子ペット装置4へ電子ペット情報6を転送させる。つまり、本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法では、ステップS102の判定結果を受けて、ステップS210もしくはステップS310の処理に振り分けることで、電子ペット情報6の転送制御が行われることになる。
【0060】
ステップS210では、電子ペット装置4が特定基地局のエリア内であることを通知する。通知先はペット型ロボット5である。
【0061】
引き続き、ステップS220では、電子ペット装置4の動作モードであるステータスがONであるか否かを確認する。電子ペット装置4のステータスがONである場合、S230へ進み、電子ペット装置4のステータスがOFFである場合、ステップS230を処理せず、次のステップS241及びステップS242へ進む。電子ペット装置4は、電子ペット情報6が格納されている時、ステータスがONであり、電子ペットとして稼働している。その場合、最新の電子ペット情報6を送信する必要があるため、ステップS220の確認を行う。また、電子ペット装置4は、電子ペット情報6が格納されていない時、ステータスがOFFであり、電子ペットとして稼働していない。その場合、電子ペット情報6を送る必要がない。
【0062】
ステップS230では、電子ペット装置4内の電子ペット情報6をペット型ロボット5へ送信(転送)する。送信時は、基地局32から携帯電話通信網31、IPネットワーク30、フェムトセル基地局21を経由する。
【0063】
ステップS241では、電子ペット装置4の電子ペット情報6を削除するなどして、動作モードであるステータスをOFFにし、電子ペットとして非稼働にする。
【0064】
一方、ステップS242では、ペット型ロボット5が電子ペット情報6を受信し、ペット型ロボット5内に格納することで、動作モードであるステータスをONにし、電子ペットとして稼働させる。
【0065】
また、ステップS241及びステップS242は、同時並行に処理を行って構わない。または、ステップS242は、電子ペット装置4からペット型ロボット5へステータスONの通知を行うことで実現しても構わない。
【0066】
尚、ステータスをOFFにするためには、電子ペット装置4及びペット型ロボット5内で、電子ペット情報6をバックアップ領域に退避させるなどしてもよい。バックアップ領域は、任意の記憶手段であればよい。
【0067】
また、ステップS102の判定結果が、特定基地局のエリア内でない場合に処理されるステップS310では、電子ペット装置4が特定基地局のエリア外であることを通知する。通知先はペット型ロボット5である。
【0068】
引き続き、ステップS320では、ペット型ロボット5の動作モードであるステータスがONであるか否かを確認する。ペット型ロボット5のステータスがONである場合、S330へ進み、ペット型ロボット5のステータスがOFFである場合、ステップS330を処理せず、次のステップS341及びステップS342へ進む。ペット型ロボット5は、電子ペット情報6が格納されている時、ステータスがONであり、電子ペットとして稼働している。その場合、最新の電子ペット情報6を送信する必要があるため、ステップS320の確認を行う。また、ペット型ロボット5は、電子ペット情報6が格納されていない時、ステータスがOFFであり、電子ペットとして稼働していない。その場合、電子ペット情報6を送る必要がない。
【0069】
ステップS330では、ペット型ロボット5内の電子ペット情報6を電子ペット装置4へ送信(転送)する。送信時は、フェムトセル基地局21からIPネットワーク30、携帯電話通信網31、基地局32を経由する。
【0070】
ステップS341では、電子ペット装置4が電子ペット情報6を受信し、電子ペット装置4内に格納することで動作モードであるステータスをONにし、電子ペットとして稼働させる。
【0071】
一方、ステップS342では、ペット型ロボット5の電子ペット情報6を削除するなどして動作モードであるステータスをOFFにし、電子ペットとして非稼働にする。
【0072】
また、ステップS341及びステップS342は、同時並行に処理を行って構わない。または、ステップS342は、電子ペット装置4からペット型ロボット5へステータスOFFの通知を行うことで実現しても構わない。
【0073】
本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋外に移動した際のシーケンス図の一例を図5に示す。ここでは、図3(a)の状態から図3(b)の状態へ移行させる処理を示している。
【0074】
開始時において、電子ペット装置4及びペット型ロボット5は、フェムトセルエリア22内に存在している(図3(a)の状態)。また、電子ペット情報6は、電子ペット装置4内には保持されておらず、ペット型ロボット5内に保持されている。そのため、電子ペット装置4はステータスOFFであり、ペット型ロボット5はステータスONである。この状態から、電子ペット装置4は、フェムトセルエリア22外に移動した場合となる。もしくは、電子ペット装置4が、フェムトセルエリア22外において主電源の投入した場合となる。以降、図4の説明と重複する部分は省く。
【0075】
まず、電子ペット装置4は、基地局を探索(ステップS101)し、特定基地局であるフェムトセルエリア22外であるとの判定結果(ステップS102)を出す。そのため、電子ペット装置4は、ペット型ロボット5に対して電子ペット装置4がフェムトセルエリア22外であることを通知(ステップS310)する。
【0076】
次に、ペット型ロボット5は、ペット型ロボット5のステータスがONであるか否かを確認(ステップS320)する。ペット型ロボット5のステータスはONであるため、ペット型ロボット5は、電子ペット装置4に対して電子ペット情報6を送信(ステップS330)する。
【0077】
以後、電子ペット装置4においてステータスがON(ステップS341)にされ、ペット型ロボット5においてステータスがOFF(ステップS342)にされる。
【0078】
これにより、電子ペット情報6は、ペット型ロボット5から電子ペット装置4に移行する。ユーザ41は、電子ペット装置4を携帯し、フェムトセルエリア22の外へ移動するが、自らは電子ペット情報6を移行させる操作を行っていない。
【0079】
本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋内に移動した際のシーケンス図の一例を図6に示す。ここでは、図3(b)の状態から図3(a)の状態へ移行させる処理を示している。
【0080】
開始時において、電子ペット装置4は、フェムトセルエリア22外に存在している(図3(b)の状態)。ペット型ロボット5は、フェムトセルエリア22内に存在している。また、電子ペット情報6は、電子ペット装置4内に保持されており、ペット型ロボット5内には保持されていない。そのため、電子ペット装置4はステータスONであり、ペット型ロボット5はステータスOFFである。この状態から、電子ペット装置4は、フェムトセルエリア22内に移動した場合となる。もしくは、電子ペット装置4が、フェムトセルエリア22内において主電源の投入した場合となる。以降、図4の説明と重複する部分は省く。
【0081】
まず、電子ペット装置4は、基地局を探索(ステップS101)し、特定基地局であるフェムトセルエリア22内であるとの判定結果(ステップS102)を出す。そのため、電子ペット装置4は、ペット型ロボット5に対して電子ペット装置4がフェムトセルエリア22内であることを通知(ステップS210)する。
【0082】
次に、電子ペット装置4は、電子ペット装置4のステータスがONであるか否かを確認(ステップS220)する。電子ペット装置4のステータスはONであるため、電子ペット装置4は、ペット型ロボット5に対して電子ペット情報6を送信(ステップS230)する。
【0083】
以後、電子ペット装置4においてステータスがOFF(ステップS241)にされ、ペット型ロボット5においてステータスがON(ステップS242)にされる。
【0084】
これにより、電子ペット情報6は、電子ペット装置4からペット型ロボット5に移行する。ユーザ41は、電子ペット装置4を携帯し、フェムトセルエリア22の内へ移動するが、自らは電子ペット情報6を移行させる操作を行っていない。
【0085】
本実施の形態1にかかる電子ペット装置4の構成を表わすブロック図を図7に示す。図7において、キー入力部401及び音声入力部402は、それぞれ、ユーザ41からのキー入力及び音声入力を受け付ける。
【0086】
動作生成部410は、キー入力部401及び音声入力部402からのキー入力及び音声入力と、記憶部440に格納された電子ペット情報6とから、電子ペットとしての動作を生成し、動作制御部411へ処理を依頼する。動作制御部411は、画面出力部420及び音声出力部421に対して、出力する。また、動作制御部411は、出力内容に応じて、記憶部440の電子ペット情報6を更新する。電子ペット装置4は、電子ペット情報6が更新されることにより、電子ペットとして成長する。
【0087】
移動局430は、通信部431、特定基地局判定部432を備える。記憶部440は、電子ペット情報6と特定基地局情報23(フェムトセル基地局21を特定する情報)を格納する。通信部431は、移動体通信システムの基地局(フェムトセル基地局21及び基地局32)との通信を行い、接続対象基地局を特定する情報(基地局情報)を取得する。また、特定基地局判定部432は、通信部431により取得された基地局情報と、特定基地局情報23を比較判定し、一致するか否かの判定結果を出す。判定結果は、通信部431により外部へ通知される。判定結果がフェムトセルエリア22内である場合、記憶部440に電子ペット情報6が格納されているか否かにより、電子ペット装置4のステータスを判定し、ステータスONの場合、電子ペット情報6の送信を行う。
【0088】
また、通信部431は、外部との電子ペット情報6の送受信を行う。電子ペット情報6を受信した場合、通信部431は、記憶部440に格納し、動作生成部410へステータスONである旨を伝える。動作生成部410は、電子ペットとして稼働する旨を動作制御部411へ伝え、画面出力部420及び音声出力部421に稼働した状態を出力させる。電子ペット情報6を送信する場合、通信部431は、記憶部440から電子ペット情報6を取得し、動作生成部410へステータスOFFである旨を伝える。動作生成部410は、電子ペットとして非稼働とする旨を動作制御部411へ伝え、画面出力部420及び音声出力部421に非稼働とした状態を出力させる。
【0089】
本実施の形態1にかかるペット型ロボット5の構成を表わすブロック図を図8に示す。図8において、視覚センサ501、触覚センサ502及び音声入力部503は、外界の状態を把握するためのセンサである。視覚センサ501は、外界の画像データを取得する。具体的には、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を有する複数のカメラを備え、これら複数のカメラによって撮影された画像データを用いて距離画像データを生成する。なお、レーザレンジファインダ等のアクティブ距離センサによって距離画像データを取得してもよい。また、複数のカメラによって撮影された画像のステレオ視によらず、単一のカメラによって得られる画像データであってもよい。触覚センサ502は、ペット型ロボット5の表面に作用する圧力により、ペット型ロボット5の表面に対する物体の接触状態を検出するセンサである。また、音声入力部503は、マイクロフォンなどで実現され、外界の音声検出に使用される聴覚センサである。
【0090】
動作生成部510は、視覚センサ501、触覚センサ502及び音声入力部503等の各種センサにより取得された外界の情報、並びに、記憶部540に格納された電子ペット情報6とから、ペット型ロボット5の動作内容を決定する。さらに、動作生成部510は、決定した動作内容を実現するための各関節の目標角度の軌道を生成する。
【0091】
動作制御部511は、動作生成部510により生成された各関節の目標角度軌道と、エンコーダ521によって計測される各関節の実角度とを入力してフィードバック制御を実行し、各関節を駆動するためのトルク制御値を算出する。動作制御部511によって算出されたトルク制御値に従ってアクチュエータ520が各関節を駆動することにより、ペット型ロボット5の動作が行われる。なお、上記の説明は、ペット型ロボット5が、脚リンクや腕リンク等の他関節リンクを有する場合に関する説明である。他の例として、ペット型ロボット5が車輪によって移動を行うロボットであれば、車輪を回転駆動するためのモータのトルク制御値を出力するよう動作制御部511を構成すればよい。また、動作制御部511は、出力内容に応じて、記憶部540の電子ペット情報6を更新する。
【0092】
移動局530は、通信部531、特定基地局判定部532を備える。記憶部540は、電子ペット情報6と特定基地局情報23を格納する。通信部531は、通信部431のように、移動体通信システムの基地局(フェムトセル基地局21)との通信、外部との電子ペット情報6の送受信を行う。また、通信部531は、電子ペット装置4の特定基地局判定部432による判定結果の受信を行う。
【0093】
受信した判定結果が、電子ペット装置4がフェムトセルエリア22外に存在している場合、通信部531は、記憶部540に電子ペット情報6が格納されているか否かにより、ペット型ロボット5のステータスを判定し、ステータスONの場合、電子ペット情報6の送信を行う。
【0094】
電子ペット情報6を受信した場合、通信部531は、記憶部540に格納し、動作生成部510へステータスONである旨を伝える。動作生成部510は、電子ペットとして稼働する旨を動作制御部511へ伝え、アクチュエータ520に稼働した状態を出力させる。電子ペット情報6を送信する場合、通信部531は、記憶部540から電子ペット情報6を取得し、動作生成部510へステータスOFFである旨を伝える。動作生成部510は、電子ペットとして非稼働とする旨を動作制御部511へ伝え、アクチュエータ520に非稼働とした状態を出力させる。
【0095】
尚、本実施の形態1において、特定基地局判定部532及び特定基地局情報23は、ペット型ロボット5に必須の構成ではない。特定基地局判定部532は、特定基地局判定部432と同様の判定を行うことにより、フェムトセルエリア22外に出た際に、逆方向の動きをするように、動作生成部510を通じて動作制御部511へ伝えることで、ペット型ロボット5ができるだけフェムトセルエリア22内に存在できるように、制御することが可能である。
【0096】
以上のように本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法は、ユーザ41が携帯する電子ペット装置4の移動を通じて携帯電話通信網で行われる基地局の切り替えを契機に、電子ペット情報6を転送させる移行方法である。これにより、電子ペットを飼育する際に、屋内と屋外で異なる電子ペット装置に対して、同一の電子ペット情報6を備えた電子ペットを、ユーザの直接的な操作を必要とせずに利用可能となる。また、フェムトセル基地局21により、これまで携帯電話の電波の届きにくかった屋内で、携帯電話端末での通信が容易となっている。そのため、屋内で電子ペットとして利用されるペット型ロボットと屋外との通信の実現が容易となった。
【0097】
実施の形態2.
本実施の形態2にかかる電子ペットシステム1aは、本実施の形態1にかかる電子ペットシステム1に対し、電子ペット情報6を転送する際に中継するサーバ33をさらに備えたものである。サーバ33は、電子ペット装置4及びペット型ロボット5双方と通信可能であるコンピュータであればよい。ユーザにおける電子ペットの飼育の仕方、利用形態は同じである。これにより、電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間での通信が、直接行えない状況においても、サーバ33で一時的に、情報が保存されることになり、サーバ側で再送が可能となり、通信の信頼性が増す。
【0098】
本実施の形態2にかかる電子ペットシステム1aの全体構成を図9に示す。尚、図9に示す構成要素のうち、電子ペットシステム1が有するのと同一の構成要素には図3と同一の符号が付されている。以下では、これら既出の構成要素に関する説明を省略する。
【0099】
図9(a)は、ユーザが屋内で電子ペットを飼育している状態における電子ペットシステム1の全体構成を示すブロック図である。また、図9(b)は、ユーザが屋外で電子ペットを飼育している状態における電子ペットシステム1の全体構成を示すブロック図である。サーバ33は、IPネットワーク30に接続された状態である。電子ペット装置4とペット型ロボット5との間での送受信を中継し、必要に応じて電子ペット情報6をサーバ33内の記憶装置(非図示)にバックアップするものである。
【0100】
続いて、本実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法について、図10乃至図12に示す。本実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法は、電子ペット60の条件を満たす電子ペットである電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間で、電子ペット情報6を転送させる移行方法である。そして、電子ペット装置4が移動する際に、通信可能な基地局が切り替わる契機に、電子ペット情報6を転送させる。すなわち、図9(a)の状態から図9(b)の状態へ移行させる方法及び、図9(b)の状態から図9(a)の状態へ移行させる方法である。
【0101】
本実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法のフローチャート図の一例を図10に示す。図4との違いは、ステップS210がステップS211及びステップS212に、ステップ230がステップS231及びステップS232に、ステップS310がステップS311及びステップS312に、ステップ330がステップS331及びステップS332に、置き換わったものである。
【0102】
ステップS211では、電子ペット装置4が特定基地局のエリア内であることを通知する。通知先はサーバ33である。このとき、サーバ33は、通知が電子ペット装置4から送信されたものであることを確認する。
【0103】
ステップS212では、サーバ33が受け取った通知をペット型ロボット5へ通知する。通知先がペット型ロボット5であることは、電子ペット装置4から送信される通知内に含まれていればよい。もしくは、あらかじめ、サーバ33内の記憶装置(不図示)に、電子ペット装置4及びペット型ロボット5を特定する情報を対応付けて格納していてもよい。
【0104】
また、ステップS231では、電子ペット装置4内の電子ペット情報6をサーバ33へ送信する。送信時は、基地局32から携帯電話通信網31、IPネットワーク30を経由する。このとき、サーバ33は、通知が電子ペット装置4から送信されたものであることを確認する。また、サーバ33は、受信した電子ペット情報6をサーバ33内の記憶装置に、格納してもよい。これにより、電子ペット情報6のバックアップとなる。
【0105】
ステップS232では、サーバ33が受け取った電子ペット情報6をペット型ロボット5へ送信する。送信時は、IPネットワーク30、フェムトセル基地局21を経由する。尚、送信先がペット型ロボット5であることは、電子ペット装置4から送信される電子ペット情報6内に含まれていればよい。もしくは、サーバ33内の記憶装置に、電子ペット装置4及びペット型ロボット5を特定する情報を対応付けて格納していてもよい。
【0106】
また、ステップS311では、電子ペット装置4が特定基地局のエリア外であることを通知する。通知先はサーバ33である。このとき、サーバ33は、通知が電子ペット装置4から送信されたものであることを確認する。
【0107】
ステップS312では、サーバ33が受け取った通知をペット型ロボット5へ通知する。通知先がペット型ロボット5であることは、ステップS212と同様に判断される。
また、ステップS331では、ペット型ロボット5内の電子ペット情報6をサーバ33へ送信する。送信時は、フェムトセル基地局21からIPネットワーク30を経由する。また、電子ペット情報6のバックアップについては、ステップS231と同様である。
【0108】
ステップS332では、サーバ33が受け取った電子ペット情報6を電子ペット装置4へ送信する。送信時は、IPネットワーク30、携帯電話通信網31、基地局32を経由する。尚、送信先が電子ペット情報6であることは、ステップS232と同様に判断される。
【0109】
本実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋外に移動した際のシーケンス図の一例を図11に示す。ここでは、図9(a)の状態から図9(b)の状態へ移行させる処理を示している。図5との違いを中心に説明する。
【0110】
電子ペット装置4は、サーバ33に対して電子ペット装置4がフェムトセルエリア22外であることを通知(ステップS311)する。また、サーバ33は、同様の通知をペット型ロボット5に対して行う(ステップS312)。
【0111】
また、ペット型ロボット5は、サーバ33に対して電子ペット情報6を送信(ステップS331)する。サーバ33は、電子ペット装置4に対して受信した電子ペット情報6を送信(ステップS332)する。
【0112】
本実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋内に移動した際のシーケンス図の一例を図12に示す。ここでは、図9(b)の状態から図9(a)の状態へ移行させる処理を示している。図6との違いを中心に説明する。
【0113】
電子ペット装置4は、サーバ33に対して電子ペット装置4がフェムトセルエリア22内であることを通知(ステップS211)する。また、サーバ33は、同様の通知をペット型ロボット5に対して行う(ステップS212)。
【0114】
また、電子ペット装置4は、サーバ33に対して電子ペット情報6を送信(ステップS231)する。サーバ33は、ペット型ロボット5に対して受信した電子ペット情報6を送信(ステップS232)する。
【0115】
以上のように、本実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法は、本実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法の効果に加え、電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間での通信で受信側が不通の状態であっても、送信としてはサーバ33に届いた時点で完了することができ、通信の信頼性が増す。さらに、常にサーバ33側で最新の電子ペット情報6のバックアップデータを確保することで、電子ペット装置4及びペット型ロボット5の間でのデータ不整合を防ぐことができる。
【0116】
その他の実施の形態.
上述した実施の形態1及び2では、電子ペット装置4に移動局430を備えていたが、移動局430に加え、各種通信機能を備えていても良い。すなわち、移動局430は、電子ペット装置4の現在位置の判定を行い、移動局430以外の各種通信機能は、電子ペット情報6の送受信を行わせるようにしても良い。尚、各種通信機能とは、例えば、USB(Universal Serial Bus)、BLUETOOTH(登録商標)、RF(Radio Frequency)タグ、等である。
【0117】
また、上述した動作生成部410及び動作生成部510、並びに、動作制御部411及び動作制御部511は、典型的なコンピュータシステムを用いて実現可能である。これらの処理をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムは、1つのプログラムである必要はなく、処理内容により分割された複数のプログラムモジュールによって構成されてもよい。また、動作生成部410及び動作生成部510、並びに、動作制御部411及び動作制御部511は、複数のプロセッサを含むコンピュータシステムにより行われてもよい。
【0118】
また、上述したペット型ロボット5は、屋内で飼育される電子ペットであることから、必ずしも移動局を備えなくてもよい。例えば、フェムトセル基地局21との通信は、別途、通信機器により行い、ペット型ロボット5は、前記通信機器と、電子ペット情報の送受信が可能であればよい。さらに、上述したフェムトセル基地局21は、フェムトセルである必要はない。例えば、上述したフェムトセル基地局21は、無線LAN(Local Area Network)基地局等であればよい。
【0119】
さらに、上述した実施の形態2では、電子ペット装置4の移動判定(ステップS102)は、電子ペット装置4にて行われていたが、サーバ33にて行ってもよい。そのためには、次のようにすればよい。まず、サーバ33は、サーバ33の記憶装置内にあらかじめ特定基地局情報を登録しておく。次に、ステップS101の後に、電子ペット装置4は、接続対象の基地局情報をサーバ33に送信する。ステップS102にて、サーバ33は、接続対象の基地局情報と特定基地局情報との比較から、電子ペット装置4が特定基地局のエリア内であるか否かの判定を行う。
【0120】
ここで、電子ペット装置4がエリア内である場合、サーバ33は、電子ペット装置4へ電子ペット装置4がエリア内であることを通知する。すなわち、ステップS211に相当する処理は、逆方向に行われる。これにより、電子ペット装置4は、ステップS220を実施できる。このとき同時に、サーバ33は、ステップS212を行う。以降、実施の形態2と同様である。また、電子ペット装置4がエリア外である場合、サーバ33は、ステップS311に相当する処理は不要となる。以後、ステップS320以降の処理は、実施の形態2と同様である。
【0121】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法を実現する電子ペットシステム1の概要構成図である。
【図2】実施の形態1にかかる電子ペット60の稼働及び非稼働の構成図である。
【図3】実施の形態1にかかる電子ペットシステム1の全体構成図である。
【図4】実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法のフローチャート図である。
【図5】実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋外に移動した際のシーケンス図である。
【図6】実施の形態1にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋内に移動した際のシーケンス図である。
【図7】実施の形態1にかかる電子ペット装置4の構成を表わすブロック図である。
【図8】実施の形態1にかかるペット型ロボット5の構成を表わすブロック図である。
【図9】実施の形態2にかかる電子ペットシステム1aの全体構成である。
【図10】実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法のフローチャート図である。
【図11】実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋外に移動した際のシーケンス図である。
【図12】実施の形態2にかかる電子ペット情報移行方法の内、電子ペット装置が屋内に移動した際のシーケンス図である。
【符号の説明】
【0123】
1 電子ペットシステム
1a 電子ペットシステム
4 電子ペット装置
5 ペット型ロボット
6 電子ペット情報
20 建物
21 フェムトセル基地局
22 フェムトセルエリア
23 特定基地局情報
30 ネットワーク
31 携帯電話通信網
32 基地局
33 サーバ
41 ユーザ
60 電子ペット
61 ソフトウェア
62 ハードウェア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電子ペットと第2の電子ペットとの間で、電子ペットの属性が規定された電子ペット情報を移行させる電子ペット情報移行方法であって、
移動体通信網内の予め定められた特定基地局のサービスエリア内に前記第2の電子ペットが位置するか否かを判定し、
前記判定の結果に応じて、前記第1の電子ペットと前記第2の電子ペットの間で前記電子ペット情報を転送する、電子ペット情報移行方法。
【請求項2】
前記第2の電子ペットが前記特定基地局のサービスエリア内である場合に、前記第2の電子ペットから前記第1の電子ペットへ前記電子ペット情報を転送させ、
前記第2の電子ペットが前記特定基地局のサービスエリア外である場合に、前記第1の電子ペットから前記第2の電子ペットへ前記電子ペット情報を転送させる、
請求項1に記載の電子ペット情報移行方法。
【請求項3】
前記第2の電子ペットは、前記移動体通信網に接続可能な移動局として動作する通信手段を有し、
前記第2の電子ペットの位置判定は、前記第2の電子ペットが前記移動体通信網に接続した際に接続相手先の基地局から取得した基地局識別情報が、前記特定基地局の識別情報と合致するか否かにより行う、請求項1又は2に記載の電子ペット情報移行方法。
【請求項4】
前記第2の電子ペットの位置判定は、前記通信手段のハンドオーバの際に行われる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子ペット情報移行方法。
【請求項5】
前記第1及び第2の電子ペットの間における前記電子ペット情報の送受信は、前記移動体通信網を経由して行われる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子ペット情報移行方法。
【請求項6】
前記第2の電子ペットの位置判定は、前記第2の電子ペットが内蔵する機能によって行う請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子ペット情報移行方法。
【請求項7】
前記第2の電子ペットの位置判定は、前記第1の電子ペット及び前記第2の電子ペット双方と通信可能なサーバによって行う請求項1又は2に記載の電子ペット情報移行方法。
【請求項8】
第1の電子ペット及び第2の電子ペットを有する電子ペットシステムであって、
前記第2の電子ペットは、
前記第2の電子ペットが移動体通信網内の予め定められた特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したことに応じて、前記第1の電子ペットから電子ペットの属性が規定された電子ペット情報を受信し、
前記第2の電子ペットが前記特定基地局のサービスエリア外からエリア内へ移動したことに応じて、前記第1の電子ペットへ前記電子ペット情報を送信する、電子ペットシステム。
【請求項9】
前記第1の電子ペットは、
前記電子ペット情報を前記第2の電子ペットとの間で転送するための第1の通信部を有し、
前記第2の電子ペットは、
前記電子ペット情報を前記第1の電子ペットとの間で転送するための第2の通信部と、
前記第2の電子ペットの位置が、前記特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したこと、又は、前記サービスエリア外からエリア内へ移動したことを判定する移動判定手段と、
前記移動判定手段による判定結果に基づいて、前記第1の通信部と前記第2の通信部の間で前記電子ペット情報を転送させる転送制御手段とを有する、請求項8に記載の電子ペットシステム。
【請求項10】
前記電子ペットシステムは、前記第1の電子ペット及び前記第2の電子ペット双方と通信可能なサーバをさらに有し、
前記第1の電子ペットは、
前記電子ペット情報を前記第2の電子ペットとの間で転送するための第1の通信部を有し、
前記第2の電子ペットは、
前記電子ペット情報を前記第1の電子ペットとの間で転送するための第2の通信部を有し、
前記サーバは、
前記第2の電子ペットの位置が、前記特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したこと、又は、前記サービスエリア外からエリア内へ移動したことを判定する移動判定手段と、
前記移動判定手段による判定結果に基づいて、前記第1の通信部と前記第2の通信部の間で前記電子ペット情報を転送させる転送制御手段とを有する、請求項8に記載の電子ペットシステム。
【請求項11】
前記第2の通信部は、前記移動体通信網に接続可能であって、
前記移動判定手段は、前記第2の電子ペットが前記移動体通信網に接続した際に接続相手先の基地局から取得した基地局識別情報が、前記特定基地局の識別情報と合致するか否かによって前記第2の電子ペットの移動を判定する請求項8又は9に記載の電子ペットシステム。
【請求項12】
前記移動判定手段は、前記第2の通信部によるハンドオーバの実行に応じて前記第2の電子ペットの移動判定を行う請求項8又は9及び11のいずれか1項に記載の電子ペットシステム。
【請求項13】
前記第2の電子ペットは、前記電子ペット情報を参照することで前記電子ペット情報に応じた電子ペットの画像を表示する携帯電話端末である請求項8乃至12のいずれか1項に記載の電子ペットシステム。
【請求項14】
前記第1の電子ペットは、前記電子ペット情報を参照して自律的に動作するペット型ロボットである請求項8乃至13のいずれか1項に記載の電子ペットシステム。
【請求項15】
前記第1の電子ペットは、
自己の位置が前記特定基地局のサービスエリア内から外に出たことを判定する判定手段と、
自己の位置が前記サービスエリアの外に出たと判定される場合に、前記サービスエリア内にもどるよう自己の位置を移動させる制御手段と、
を備える請求項14に記載の電子ペットシステム。
【請求項16】
電子ペットの属性が規定された電子ペット情報を他の電子ペットとの間で転送するための通信部と、
自己の位置が、移動体通信網内の予め定められた特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したこと、又は、前記サービスエリア外からエリア内へ移動したことを判定する移動判定手段と、
前記移動判定手段による判定結果に基づいて、前記通信部と前記他の電子ペットの通信部の間で前記電子ペット情報を転送させる転送制御手段とを有する携帯電話端末。
【請求項17】
前記電子ペット情報を参照することで前記電子ペット情報に応じた電子ペットの画像を表示する電子ペット装置である請求項16に記載の携帯電話端末。
【請求項1】
第1の電子ペットと第2の電子ペットとの間で、電子ペットの属性が規定された電子ペット情報を移行させる電子ペット情報移行方法であって、
移動体通信網内の予め定められた特定基地局のサービスエリア内に前記第2の電子ペットが位置するか否かを判定し、
前記判定の結果に応じて、前記第1の電子ペットと前記第2の電子ペットの間で前記電子ペット情報を転送する、電子ペット情報移行方法。
【請求項2】
前記第2の電子ペットが前記特定基地局のサービスエリア内である場合に、前記第2の電子ペットから前記第1の電子ペットへ前記電子ペット情報を転送させ、
前記第2の電子ペットが前記特定基地局のサービスエリア外である場合に、前記第1の電子ペットから前記第2の電子ペットへ前記電子ペット情報を転送させる、
請求項1に記載の電子ペット情報移行方法。
【請求項3】
前記第2の電子ペットは、前記移動体通信網に接続可能な移動局として動作する通信手段を有し、
前記第2の電子ペットの位置判定は、前記第2の電子ペットが前記移動体通信網に接続した際に接続相手先の基地局から取得した基地局識別情報が、前記特定基地局の識別情報と合致するか否かにより行う、請求項1又は2に記載の電子ペット情報移行方法。
【請求項4】
前記第2の電子ペットの位置判定は、前記通信手段のハンドオーバの際に行われる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子ペット情報移行方法。
【請求項5】
前記第1及び第2の電子ペットの間における前記電子ペット情報の送受信は、前記移動体通信網を経由して行われる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子ペット情報移行方法。
【請求項6】
前記第2の電子ペットの位置判定は、前記第2の電子ペットが内蔵する機能によって行う請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子ペット情報移行方法。
【請求項7】
前記第2の電子ペットの位置判定は、前記第1の電子ペット及び前記第2の電子ペット双方と通信可能なサーバによって行う請求項1又は2に記載の電子ペット情報移行方法。
【請求項8】
第1の電子ペット及び第2の電子ペットを有する電子ペットシステムであって、
前記第2の電子ペットは、
前記第2の電子ペットが移動体通信網内の予め定められた特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したことに応じて、前記第1の電子ペットから電子ペットの属性が規定された電子ペット情報を受信し、
前記第2の電子ペットが前記特定基地局のサービスエリア外からエリア内へ移動したことに応じて、前記第1の電子ペットへ前記電子ペット情報を送信する、電子ペットシステム。
【請求項9】
前記第1の電子ペットは、
前記電子ペット情報を前記第2の電子ペットとの間で転送するための第1の通信部を有し、
前記第2の電子ペットは、
前記電子ペット情報を前記第1の電子ペットとの間で転送するための第2の通信部と、
前記第2の電子ペットの位置が、前記特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したこと、又は、前記サービスエリア外からエリア内へ移動したことを判定する移動判定手段と、
前記移動判定手段による判定結果に基づいて、前記第1の通信部と前記第2の通信部の間で前記電子ペット情報を転送させる転送制御手段とを有する、請求項8に記載の電子ペットシステム。
【請求項10】
前記電子ペットシステムは、前記第1の電子ペット及び前記第2の電子ペット双方と通信可能なサーバをさらに有し、
前記第1の電子ペットは、
前記電子ペット情報を前記第2の電子ペットとの間で転送するための第1の通信部を有し、
前記第2の電子ペットは、
前記電子ペット情報を前記第1の電子ペットとの間で転送するための第2の通信部を有し、
前記サーバは、
前記第2の電子ペットの位置が、前記特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したこと、又は、前記サービスエリア外からエリア内へ移動したことを判定する移動判定手段と、
前記移動判定手段による判定結果に基づいて、前記第1の通信部と前記第2の通信部の間で前記電子ペット情報を転送させる転送制御手段とを有する、請求項8に記載の電子ペットシステム。
【請求項11】
前記第2の通信部は、前記移動体通信網に接続可能であって、
前記移動判定手段は、前記第2の電子ペットが前記移動体通信網に接続した際に接続相手先の基地局から取得した基地局識別情報が、前記特定基地局の識別情報と合致するか否かによって前記第2の電子ペットの移動を判定する請求項8又は9に記載の電子ペットシステム。
【請求項12】
前記移動判定手段は、前記第2の通信部によるハンドオーバの実行に応じて前記第2の電子ペットの移動判定を行う請求項8又は9及び11のいずれか1項に記載の電子ペットシステム。
【請求項13】
前記第2の電子ペットは、前記電子ペット情報を参照することで前記電子ペット情報に応じた電子ペットの画像を表示する携帯電話端末である請求項8乃至12のいずれか1項に記載の電子ペットシステム。
【請求項14】
前記第1の電子ペットは、前記電子ペット情報を参照して自律的に動作するペット型ロボットである請求項8乃至13のいずれか1項に記載の電子ペットシステム。
【請求項15】
前記第1の電子ペットは、
自己の位置が前記特定基地局のサービスエリア内から外に出たことを判定する判定手段と、
自己の位置が前記サービスエリアの外に出たと判定される場合に、前記サービスエリア内にもどるよう自己の位置を移動させる制御手段と、
を備える請求項14に記載の電子ペットシステム。
【請求項16】
電子ペットの属性が規定された電子ペット情報を他の電子ペットとの間で転送するための通信部と、
自己の位置が、移動体通信網内の予め定められた特定基地局のサービスエリア内からエリア外へ移動したこと、又は、前記サービスエリア外からエリア内へ移動したことを判定する移動判定手段と、
前記移動判定手段による判定結果に基づいて、前記通信部と前記他の電子ペットの通信部の間で前記電子ペット情報を転送させる転送制御手段とを有する携帯電話端末。
【請求項17】
前記電子ペット情報を参照することで前記電子ペット情報に応じた電子ペットの画像を表示する電子ペット装置である請求項16に記載の携帯電話端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−408(P2009−408A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−166087(P2007−166087)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(501275178)ソフトバンクBB株式会社 (112)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(501275178)ソフトバンクBB株式会社 (112)
【Fターム(参考)】
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