説明

電子レンズ用磁気回路装置

【課題】 レンズ軸方向に略均一な磁場を発生することができる電子レンズ用磁気回路装置を提供する。
【解決手段】 レンズ軸と一致する軸線Zを有する円筒状ヨーク2の内周側に、半径方向に磁化された複数の永久磁石からなる磁石体31a、32a、33aを有する第1の磁石ユニット3aと、軸線を含む縦断面において軸線Zと直交する中心線Xを基準として対称に配置され、第1の磁石ユニット3aを構成する磁石体31a、32a、33aとは逆極性に磁化された永久磁石からなる磁石体31b、32b、33bを有する第2の磁石ユニット3bを有する。磁石体31a、32aは希土類焼結磁石で形成し、磁石体33aはフェライト焼結磁石で形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子線により基板上にパターンを直接描画する装置の電子光学系に使用される電子レンズ用磁気回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路は半導体基板上に所定形状のデバイスや配線をリソグラフィーとプロセス工程の繰り返しにより形成することにより作製される。半導体集積回路の高集積化に伴い最小加工寸法(解像度)の微細化(例えばDRAM配線層のハーフピッチ寸法は3年で0.7倍の微細化)が進んでいる。この微細化に対応するために、スループットは低いが、最小加工寸法が小さく(現状の描画装置のうちでは解像度が最も高い)また露光領域の面積に制限がないなどの利点を有する電子線を使用した直接描画装置が開発され、少量多品種のデバイスの生産や最先端デバイスの研究開発の分野で採用されている(例えば特許文献1、2参照)。
【0003】
電子線描画装置(ポイントビーム型)は、電子線描画機能、SEM機能及び簡易測長機能をもち、電子銃、電子光学系、ステージ及びこれらを収納する真空チャンバを有する本体と、制御用コンピュータ及びインターフェースを介してコンピュータと本体を結ぶ制御系、パターンデータを蓄積するデータストレージ並びに高圧電源などから構成される。
【0004】
電子線の制御を行う電子光学系は、電子銃から放出された電子を電子レンズで細く絞り、形状、寸法及び偏向位置を制御して、試料(例えば半導体基板)に照射する。電子レンズとしては、ヨークとコイルからなる磁界レンズ、複数の電極からなる電界レンズ及び非点収差を補正する多極子磁界レンズが使用されている。電子線描画装置のスループット向上のために、例えば複数の電子光学系を設け、多数の電子線を基板に照射することが考えられる。電子光学系の配列ピッチを狭めてスループット向上を図るためには、電子レンズの小型化が必要となり、永久磁石式電子レンズを使用することが考えられる。例えば特許文献3には、軸方向に磁化した複数の永久磁石を磁性緩和板を介して異極性の磁極が隣接するように設けた永久磁石式電子レンズが記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−344840号公報(第6−9頁、図1)
【特許文献2】特許第4077933号公報(第4−6頁、図1)
【特許文献3】特開昭52−100195号公報(第2頁、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献3に記載された磁気回路では、磁石の偏磁を減少することはできるものの、レンズ軸に沿って均一な磁束密度分布が得られないという問題がある。
【0007】
従って本発明の目的は、従来よりも小型化を図ることができるとともに、レンズ軸に沿って略均一な磁束密度分布を有する電子レンズ用磁気回路装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の電子レンズ用磁気回路装置は、レンズ軸と一致する軸線を有する円筒状ヨークと、前記ヨークの内周側に配置され、半径方向に磁化された永久磁石を有する第1の磁石ユニットと、前記軸線を含む縦断面において前記軸線と直交する中心線を基準として対称に配置され、前記第1の磁石ユニットを構成する永久磁石体とは逆極性に磁化された永久磁石を有する第2の磁石ユニットとを備え、レンズ軸に沿った磁束密度分布を有することを特徴とするものである。
【0009】
本発明の電子レンズ用磁気回路装置は、前記第1の磁石ユニット及び前記第2の磁石ユニットは、前記レンズ軸方向に沿って配置された複数の磁石体を有し、各磁石体は回転対称に配置された厚さ方向に磁化された複数のブロック磁石を有し、前記中心線寄りに位置する磁石体を構成するブロック磁石は、他の前記磁石体を構成するブロック磁石よりも磁気特性の低い材料からなるブロック磁石を有し、隣接する前記磁石体を構成するブロック磁石は互いに異なる厚さと長さとを有する構成とすることができる。
【0010】
本発明の電子レンズ用磁気回路装置は、前記第1の磁石ユニット及び前記第2の磁石ユニットは、異方性希土類焼結磁石からなるブロック磁石を有し、互いに隣接する第1磁石体及び第2磁石体と、第2磁石体と隣接し異方性フェライト焼結磁石からなるブロック磁石を有する第3磁石体からなり、前記第1磁石体を構成するブロック磁石は前記第3磁石体を構成するブロック磁石よりも大なる体積を有しかつ前記第3磁石体を構成するブロック磁石は前記第2磁石体を構成するブロック磁石よりも大なる体積を有する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電子レンズ用磁気回路装置によれば、円筒状ヨークの内部に、半径方向に磁化された永久磁石からなる第1の磁石ユニットとこの磁石ユニットと逆極性の磁極が現出するように半径方向に磁化された永久磁石からなる第2の磁石ユニットを軸線と直交する中心線を基準として対称に配置するので、レンズ軸に沿って略均一な磁束密度分布が得られることから、電子レンズの外径が小さくなり、もって電子レンズの設置スペースを狭くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明の詳細を添付図面により説明する。図1は電子線描画装置の電子光学系を模式的に示す概略図、図2は実施の形態に係わる電子レンズ用磁気回路装置の縦断面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は図2に示す磁気回路の磁束線の分布状態を示す図、図5は軸方向の磁束密度分布を示す図である。
【0013】
[電子光学系]
図1に示す電子線描画装置(ポイントビーム型)の電子光学系10は、 ステージ(不図示)にセットされた試料(ウエハ100)に照射される電子線(電子ビーム)を発生する電子銃(例えばTFE:熱電界放出電子銃)11と、微細パターンを均一に描画するために電子線を例えば最大100kVまで加速する加速器12と、電子線の中心軸をレンズ軸に合わせるビーム軸合せ装置13と、電子線を結像・集束する電子レンズ14と、不連続な線からなる任意の図形を描画するために試料上に到達する電子ビームをオンオフするブランキング装置15と、ビーム形状を真円に近づける非点収差補正器16(例えば8極のコイル)と、電子線を試料上の目的の位置に精度良く照射するために電子線の偏向角度を制御する静電偏向器17を備えている。ビーム軸合せ装置13は、各段のレンズの直前に設けられるビーム軸合せコイル13a、13b、13c、13dから構成され、各軸合せコイルは例えば、2段1組のアライメントコイルを有する。また図示を省略するが、電子銃から発生する電子ビームを分光することにより、複数の電子ビームを試料に照射することができる。この場合は、電子ビームごとにビーム軸合せ装置及び電子レンズなどが設けられる。
【0014】
この電子レンズ14は、ビーム電流制御と電子線源のサイズの縮小率を調整するために、電子銃直下に配置してビーム角電流密度を増大させるプリ集束レンズ14a(電界レンズ)と、対物レンズへの電子線集束点(ズーム焦点)Fを固定するための2つの磁界レンズ14b、14cと、対物レンズとなる電子レンズ14dを有する。2つの磁界レンズ14b、14cでズームレンズを構成し、ズーム焦点を固定することにより、対物レンズの励磁を変えることなくビーム径の縮小率や照射電流の調整が可能で、数nm〜数百nmのパターンを安定して描くことができる。
【0015】
この電子光学系10を備えた描画装置は、スポット径が15nm〜20nmの電子ビームを例えば4段の電子レンズを経て、試料表面にビーム径が例えば1.8nmの電流密度の大なる電子ビームを照射して、超微細な図形を描画できるように制御される。すなわちこの電子線描画装置においては、データストレージに蓄積されたデータを、ディジタル制御系及びアナログ制御系を介して電子光学系(偏向制御部)に送り、電子線の位置を制御してパターンの描画を行う。またウエハに直接描画する場合は、基板位置や基板の変形などの情報を検出し、これを補正して描画を行う。
【0016】
[磁気回路装置]
(全体の構造)
対物レンズ14dは、電子ビームをウエハ上に結像するために、レンズ軸Zに沿って磁束を発生させる磁気回路装置1(図2及び図3参照)を備えている。この磁気回路装置1は、強磁性体(例えば鉄鋼材料)からなる円筒状のヨーク2と、その内周面側でかつレンズ軸Zと直交する中心線Xを基準にして対称に固設された第1の磁石ユニット3a及び第2の磁石ユニット3bを有する。第1の磁石ユニット3aと第2の磁石ユニット3bとの間には、スペーサ4が設置されるとともに、ヨーク2の一端側には、ヨーク2の端面と第1の磁石ユニット3aの端面に当接する形状を有するキャップ5が装着され、またヨーク2の他端側には、ヨーク2の端面と磁石ユニット3bの端面に当接しかつヨーク2の一端側まで伸長する長さを有するキャップ6が装着されている。スペーサ4と、キャップ5、6は、各永久磁石から発生する磁束をレンズ軸に収束できるようにするために非磁性体(例えばAl合金)で形成される。
【0017】
電子ビームが対物レンズを構成する上記の磁気回路装置を通過する(第1の磁石ユニットから第2の磁石ユニットに向って進む)ときに、半径(r)方向の磁界(磁場)により電子はレンズ軸(Z)を中心に回転する。回転している電子はZ方向の磁界によりZ方向に力を受けて、電子軌道が所定角度(θr)だけ曲がり、θrはレンズ軸から遠ざかるにしたがって大きくなるので、電子は一点に集束する。
【0018】
(磁石ユニットの構造)
第1の磁石ユニット3aは、レンズ軸方向に沿って連接された第1磁石体31aと、第2磁石体32aと、第3磁石体33aとを有する。第1磁石体31aは、矩形状断面(台形状断面でもよい)を有しかつ厚さ方向に磁化された複数のブロック状永久磁石(以下単にブロック磁石という)311a〜316aを、各ブロック磁石の磁化方向がレンズ軸に向く(例えばレンズ軸側の磁極が総てN極となる)ように、ヨーク2の内周面に回転対称(例えば6回対称)となるように配置した構造を有する。第2磁石体32aは、矩形状断面を有し(台形状断面でもよい)かつ厚さ方向に磁化された複数のブロック磁石321a〜326a(321aと324aのみ図示)を、各ブロック磁石の磁化方向がレンズ軸に向き(例えばレンズ軸側の磁極が総てN極となる)、ヨーク61の内周面に回転対称(例えば6回対称)となるように配置した構造を有する。第3磁石体33aは、矩形状断面を有し(台形状断面でもよい)かつ厚さ方向に磁化された複数のブロック磁石331a〜336a(331aと334aのみ図示)は、各ブロック磁石の磁化方向がレンズ軸に向く(例えばレンズ軸側の磁極が総てN極となる)ように、ヨーク61の内周面に回転対称(例えば6回対称)に配置した構造を有する。
【0019】
第2の磁石ユニット3bは、磁石ユニット3aと同様に、レンズ軸方向に沿って連接された第1磁石体31bと、第2磁石体32bと、第3磁石体33bとを有する。第1磁石体31bは、矩形状断面を有し(直方体状に形成される)かつ厚さ方向に磁化された複数のブロック磁石311b〜316bを、各ブロック磁石の磁化方向が磁石ユニット3aとは反対側(外周側:レンズ軸側の磁極が総てS極となる)に向き、ヨーク2の内周面に回転対称(例えば6回対称)に配置した構造を有する。第2磁石体32bは、矩形状断面を有し(直方体状に形成される)かつ厚さ方向に磁化された複数のブロック磁石321b〜326b(321bと324bのみ図示)を、各ブロック磁石の磁化方向が反対側(外周側:レンズ軸側の磁極が総てS極となる)に向くように、ヨーク2の内周面に回転対称(例えば6回対称)に配置した構造を有する。第3磁石体33bは、矩形状断面を有し(直方体状に形成される)かつ厚さ方向に磁化された複数のブロック磁石331b〜336b(331bと334bのみ図示)は、各ブロック磁石の磁化方向が反対側(外周側:レンズ軸側の磁極が総てS極となる)に向くように、ヨーク61の内周面に回転対称(例えば6回対称)に配置した構造を有する。
【0020】
本発明においては、レンズ軸方向に沿って所定長さ(電子を集束可能とする長さ)だけ略均一な磁場を形成できるようにするために、隣接する磁石体を構成するブロック磁石の磁気特性(材質)と大きさ(寸法)が異なるような磁気回路構造としている。例えば第1磁石体31a(31b)を形成するブロック磁石311a〜316a(311b〜316b)と、第2磁石体32a(32b)を形成するブロック磁石321a〜326a(321b〜326b)は、希土類磁石材料で形成し、さらに、第3磁石体33a(33b)を形成するブロック磁石331a〜336a(331b〜336b)を異方性フェライト焼結磁石で形成する。各磁石体を構成するブロック磁石は、幅Wは同一であるが、ブロック磁石311a(311b)の長さをl1、その厚さをt1、ブロック磁石321a(321b)の長さをl2、その厚さをt2、ブロック磁石331a(331b)の長さをl3、その厚さをt3とすると、l1>l2>l3かつt1>t3>t2になるような寸法関係を設定する。すなわち各磁石体の大きさは、第1磁石体31a(31b)の体積>第3磁石体33a(33b)の体積>第2磁石体32a(32b)の体積といった関係となる。このような寸法関係を設定することにより、磁気回路装置1を図2のB方向から見た場合、第2磁石体31a及び第3磁石体33aの投影面は、第1磁石体31の投影面に重なる(含まれる)ことになる。同様に第2磁石体31b及び第3磁石体33bの投影面も、第1磁石体31bの投影面に重なる(含まれる)ことになる。
【0021】
本発明において、第1磁石体と第2磁石体を形成するブロック磁石は、第3磁石体を形成するブロック磁石(例えばフェライト磁石)よりも高い磁気特性を有する磁石材料(例えば希土類磁石)で形成することが好ましく、特に、R(RはNd等の希土類元素のうちの一種又は二種以上である。)、T(TはFe又はFe及びCoである。)及びBを必須成分とするR−T−B系異方性焼結磁石(耐食性の点から各種の表面処理を施したもの)を使用することがより好ましい。またこのR−T−B系異方性焼結磁石のうちでは、レンズ軸上に高い磁場を発生させるために、最大エネルギー積が50MGOe以上となる磁気特性を有するものがより好ましい。
【0022】
このような磁石材質と寸法関係を組合わせることにより、図4に示すような磁束線が発生する。すなわち第1磁石体31aにより、ヨーク2の端部からの漏洩磁束が防止されるとともに、第2磁石体32aと第3磁石体33aにより、レンズ軸方向に沿った磁束線を発生することができる。しかも第1磁石体31aと第2磁石体32aを希土類磁石で形成することにより、磁気回路装置の外径Dを例えば50mm以下とした場合でも、レンズ軸に沿って50mT以上(例えば50〜100mT)の高い磁場を発生できるので、設置スペースの小型化を図ることができ、しかも良好な結像作用を得ることができる。また本発明においては、ヨーク2の厚さを適切な値に設定することにより、図4に示すように、ヨーク2の背面(外周面)からの漏洩磁場を防止することができる。これにより、所定長さにわたって略均一な磁束密度分布を得ることができる。
【0023】
なお、上記の各磁石ユニットにおいて、磁石体を構成する総てのブロック磁石を同一の磁石材料で形成することができる。例えば総てのブロック磁石をR−T−B系異方性焼結磁石で形成した場合は、第3磁石体33a(33b)の厚さ(t3)を第2磁石体32a(32b)よりも薄くする(例えば0.5mm)ことによりレンズ軸に沿って80mT程度の磁場を発生することができる。
【0024】
(シミュレーション)
図2及び図3において、外径(Do)=25mm、厚さt=2.5mmのヨークをSS材で形成し、内径(Di)=10mmのスペーサをアルミニウム合金(例えばAl−Mg系合金)で形成し、第1磁石体及ぶ第2磁石体を形成するブロック磁石は、異方性Nd−Fe−B系焼結磁石(日立金属社製NMX−S54)で形成し、各磁石の寸法をl1=11mm、W1=9mm、t1=2.5mm、l2=7mm、W2=9mm、t2=2.0mmに設定するともに、第3磁石体を形成するブロック磁石は、異方性フェライト焼結磁石(日立金属社製NMF−3D)で形成し、l3=9mm、W3=9mm、t3=2mmに設定した場合のレンズ軸上(図2のZ1方向)の磁束密度分布(シミュレーションで算出した結果)を図5に示す。また図示を省略するが、Z1とは反対方向の磁束密度分布も図5と同様である。したがって本発明の磁気回路装置によれば、レンズ軸に沿って所定長さ(30〜40mm)にわたって略均一な80〜90mTの範囲にある磁束密度分布が得られることがわかる。
【0025】
本発明は、上記の構造に限定されず、種々の変更が可能である。例えば半径方向に磁化方向を有する永久磁石を使用し、レンズ軸の上段側と下段側とで極性が異なるように配置することにより、レンズ軸方向に略均一な磁束の流れを発生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】電子線描画装置を構成する電子光学系を模式的に示す図である。
【図2】実施の形態に係わる磁気回路装置の縦断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2に示す磁気回路の磁束線の分布状態を示す模式図である。
【図5】軸方向の磁束密度分布を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
1:磁気回路装置、2:ヨーク、3a、3b;磁石ユニット、31a、31b:第1磁石体、32a、32b:第2磁石体、33a、33b:第3磁石体、311a、311b、321a、321b、331a、331b:ブロック磁石、10:電子光学系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ軸と一致する軸線を有する円筒状ヨークと、前記ヨークの内周側に配置され、半径方向に磁化された永久磁石を有する第1の磁石ユニットと、前記軸線を含む縦断面において前記軸線と直交する中心線を基準として対称に配置され、前記第1の磁石ユニットを構成する永久磁石とは逆極性に磁化された永久磁石を有する第2の磁石ユニットとを備え、レンズ軸に沿った磁束密度分布を有することを特徴とする電子レンズ用磁気回路装置。
【請求項2】
前記第1の磁石ユニット及び前記第2の磁石ユニットは、前記レンズ軸方向に沿って配置された複数の磁石体を有し、各磁石体は回転対称に配置された厚さ方向に磁化された複数のブロック磁石を有し、前記中心線寄りに位置する磁石体を構成するブロック磁石は、他の前記磁石体を構成するブロック磁石よりも磁気特性の低い材料からなるブロック磁石を有し、隣接する前記磁石体を構成するブロック磁石は互いに異なる厚さと長さとを有することを特徴とする請求項1に記載の電子レンズ用磁気回路装置。
【請求項3】
前記第1の磁石ユニット及び前記第2の磁石ユニットは、異方性希土類焼結磁石からなるブロック磁石を有し、互いに隣接する第1磁石体及び第2磁石体と、第2磁石体と隣接し異方性フェライト焼結磁石からなるブロック磁石を有する第3磁石体からなり、前記第1磁石体を構成するブロック磁石は前記第3磁石体を構成するブロック磁石よりも大なる体積を有しかつ前記第3磁石体を構成するブロック磁石は前記第2磁石体を構成するブロック磁石よりも大なる体積を有することを特徴とする請求項2に記載の電子レンズ用磁気回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−129421(P2010−129421A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303894(P2008−303894)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【出願人】(393027383)NEOMAXエンジニアリング株式会社 (46)
【Fターム(参考)】