説明

電子内視鏡

【課題】挿入部先端を狭小な部位に対しても容易に挿入することができ、しかも広い範囲の詳細な全周画像情報を簡単にかつ精度良く取得する。
【解決手段】本体部11と、一端部が閉塞され他端部が本体部11に対して一方向に傾斜自在に軸支され、少なくとも側面が透光性を有する筒体13と、筒体13内に配置され側方から取り込んだ外光を筒体13の中心軸方向に導く導入光学部14と、筒体13の傾斜軸に回動自在に支持された回動反射ミラー117と、回動反射ミラー117からの反射光を受光して電気信号に変換する撮像素子23と、筒体13の傾斜動作に連動して、回動反射ミラー117を筒体13の傾斜角の半分の角度だけ筒体13と同じ方向に回動させる減速機構18と、本体部11内に配置され導入光学部14を筒体13の中心軸方向に進退させる駆動手段21と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の内部に挿入して被検体内を撮像する電子内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
電子内視鏡の多くは、例えば下記の特許文献1に記載されているように、孔内あるいは体腔内に細い挿入部を挿入し、挿入部先端に取り付けた対物レンズを挿入方向の患部等に向け、画像情報を取得するようにしている。
【0003】
また、下記の特許文献2記載の従来技術では、挿入部の先端に全方位受光ユニットを設け、挿入部先端の周方向全周にわたる画像を全方位受光ユニット内の凸面鏡に反射させて、撮像するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−192084号公報
【特許文献2】特開2003−279862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内視鏡先端部に収納される撮像素子は、デジタルカメラ等に用いられる固体撮像素子より小面積,少画素数のものが多い。従って、患部等の詳細画像を撮像しようとした場合、1回1回の撮像で得られる画像情報は、夫々狭い視野範囲の画像に限られる。
【0006】
このため、広い範囲の画像情報を綿密に取得しようとすると、内視鏡の操作者は、内視鏡の挿入位置を手操作で調整しながら複数回にわたり撮像することになる。つまり、患部等の探索すなわち挿入位置の調整作業と、撮像作業との両方に注意を払わなければならず、この作業には熟練を要していた。
【0007】
また、挿入部先端全周の画像を、全方位受光ユニットを用いて撮像する内視鏡の場合には、撮像した挿入位置全周範囲の画像情報を一度に得ることができるが、撮像部位は挿入位置の幅の狭い領域に限られる。そのため、広範囲な全周画像情報を得るためには、挿入位置を逐一調整しながら撮像することになり、画像同士のつなぎ目の情報が欠落したり、無駄な撮像を繰り返すことになりかねない。
【0008】
さらに、挿入部先端が本体に固定された内視鏡の場合、狭小な部位に対しては目的の観察位置に挿入部を到達させることが困難となり、所望の観察画像を得ることができないことがある。
【0009】
本発明の目的は、挿入部先端を狭小な部位に対しても容易に挿入することができ、しかも広い範囲の詳細な全周画像情報を簡単にかつ精度良く取得することが可能な新規な構造の電子内視鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 被検体の内部に挿入して被検体内を撮像する電子内視鏡であって、
本体部と、
一端部が閉塞され他端部が前記本体部に対して一方向に傾斜自在に軸支され、少なくとも側面が透光性を有する筒体と、
前記筒体内に配置され前記筒体の側方から取り込んだ外光を前記筒体の中心軸方向に導く導入光学部と、
前記筒体の傾斜軸に回動自在に支持された回動反射ミラーと、
前記回動反射ミラーに照射された前記外光の反射光を受光して電気信号に変換する撮像素子と、
前記筒体の傾斜動作に連動して、前記回動反射ミラーを前記筒体の傾斜角の半分の角度だけ前記筒体と同じ方向に回動させる減速機構と、
前記本体部内に配置され前記導入光学部を前記筒体の中心軸方向に進退させる駆動手段と、
を備えたことを特徴とする電子内視鏡。
【0011】
この電子内視鏡によれば、導入光学部により筒体の側方から取り込んだ外光を回動反射ミラーにより反射させた後、撮像素子で受光させ、駆動手段により導入光学部を筒体の中心軸方向に進退させることで、被検体内部の広い範囲に対して詳細な画像情報を簡単にかつ精度良く取得することができる。そして、筒体が傾斜自在であることにより、狭小な部位に対しても筒体をフレキシブルに屈曲させることで、筒体を容易に挿入することができ、確実な撮像が行える。
【0012】
(2) (1)記載の電子内視鏡であって、
前記導入光学部が、
筒状部を有するレンズホルダと、
前記筒状部の一端側に、前記筒体の中心軸に光軸を合わせて配置した広角レンズと、
を備えることを特徴とする電子内視鏡。
【0013】
この電子内視鏡によれば、筒体の中心軸に光軸を合わせた広角レンズにより、被検体への挿入方向の側方の光を簡単な構成で取り込むことができる。
【0014】
(3) (2)記載の電子内視鏡であって、
前記広角レンズが、前記被検体への挿入方向の側方全周からの光を取り込むことを特徴とする電子内視鏡。
【0015】
この電子内視鏡によれば、被検体への挿入方向の側方全周分の画像情報を取り込むことで、この画像情報を合成して、一枚の側方全周画像を簡単に生成することができる。
【0016】
(4) (2)または(3)記載の電子内視鏡であって、
前記広角レンズが円周魚眼レンズであることを特徴とする電子内視鏡。
【0017】
この電子内視鏡によれば、円周魚眼レンズを用いることで、広角レンズの光軸の側方全周の画像が効率良く一度に得られ、しかも、被検体の観察表面に対して略垂直方向からの撮像が可能となる。
【0018】
(5) (1)〜(4)のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記減速機構が、前記筒体の傾斜と前記回動反射ミラーの回動とを連動させる筒体傾斜用モータを備えたことを特徴とする電子内視鏡。
【0019】
この電子内視鏡によれば、筒体傾斜用モータにより筒体を任意の角度に傾斜させることができ、これにより狭小な領域に対する挿入動作をより円滑に行うことができる。
【0020】
(6) (1)〜(5)のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記回動反射ミラーと前記撮像素子との間の光路途中に配置され、前記回動反射ミラーの光軸を偏向する反射ミラーを備えることを特徴とする電子内視鏡。
【0021】
この電子内視鏡によれば、回動反射ミラーからの反射光を反射ミラーで偏向させることで、光路を折り返してコンパクトに収めることができ、電子内視鏡の小型化に寄与できる。
【0022】
(7) (1)〜(6)のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記導入光学部と前記撮像素子との間の光路途中に配置したハーフミラーと、発光した光を前記ハーフミラーの反射により前記導入光学部へ照射することで被検体を照明する発光体と、を備えることを特徴とする電子内視鏡。
【0023】
この電子内視鏡によれば、発光体からの光がハーフミラーにより被検体の方向に反射して、これが被検体の側方全周を照らす照明光となる。
【0024】
(8) (1)〜(7)のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記導入光学部および該導入光学部を覆う筒体の先端部が、前記本体部より細径に形成されたことを特徴とする電子内視鏡。
【0025】
この電子内視鏡によれば、本体部よりも細径にされた筒体の挿入部から外光を取得するので、被検体の狭い領域に対しても筒体の挿入が容易になり、被検体内の所望の位置の観察がしやすくなる。もって電子内視鏡の適用可能範囲を拡げることができる。
【0026】
(9) (1)〜(8)のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記駆動手段が、
前記本体部内で回転自在に支持された送りネジと、
前記本体部内に配置された直進移動部材に固着され前記送りネジに螺合する送りナットと、
前記送りネジを回転駆動する直進移動部材駆動用モータと、
前記導入光学部と前記直進移動部材とを連結する屈曲自在な弾性連結部材と、
を有することを特徴とする電子内視鏡。
【0027】
この電子内視鏡によれば、直進移動部材駆動用モータにより送りネジを回転駆動することで、送りネジに螺合した送りナットが送りネジの軸方向に移動して、直進移動部材が直進移動する。この直進移動動作が弾性連結部材により導入光学部に伝達され、導入光学部を筒体の中心軸方向に進退移動させることができる。そして、レンズホルダを屈曲自在な弾性部材により連結することで、筒体の挿入部が屈曲した状態でも円滑にレンズホルダを進退移動させることができる。
【0028】
(10) (1)〜(9)のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記撮像素子が撮像して得た画像信号を画像処理する制御手段と、該制御手段が画像処理した画像データを格納する画像メモリと、を前記本体部に内蔵することを特徴とする電子内視鏡。
【0029】
この電子内視鏡によれば、制御手段が画像処理した後の画像データを、本体部に内蔵された画像メモリに格納することで、電子内視鏡単体による画像の取得が行え、取り扱い性を向上できる。
【0030】
(11) (1)〜(10)のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記撮像素子及び前記駆動手段に電力を供給する電源電池を、前記本体部に内蔵することを特徴とする電子内視鏡。
【0031】
この電子内視鏡によれば、電源電池が本体部に内蔵されることで、外部から電源供給する必要がなく、従って本体部外から電源供給ケーブルを接続する必要がなくなり、取り扱い性を向上できる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の電子内視鏡によれば、被検体内部の広い範囲に対して、詳細な画像情報を簡単にかつ精度良く取得することができる。そして、筒体が回動自在であることにより、筒体を本体部に対してフレキシブルに屈曲でき、狭小な部位に対しても円滑に筒体を挿入して撮像が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明に係る電子内視鏡の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る電子内視鏡の外観斜視図、図2は図1に示す電子内視鏡の縦断面図、図3は電子内視鏡の分解斜視図である。
図1に示すように、この電子内視鏡100は、本体部11と、一端部が閉塞され他端部が本体部11に対して回動自在に接続され少なくとも側面が透光性を有する筒体13と、を外殻体としている。そして、電子内視鏡100は、筒体13内に配置され筒体13の側方から取り込んだ外光を筒体13の中心軸に導く導入光学部14と(図2,3参照)、筒体13の回動軸と同軸上で回動自在に支持された回動反射ミラー117と、回動反射ミラー117からの反射光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子23とを備える。つまり、導入光学部14から取り込んだ筒体13側方からの外光は、筒体13の中心軸に導かれ、回動反射ミラー117に照射される。回動反射ミラー117からの外光の反射光は、固定反射ミラー125を介して撮像駆動ユニット部37に導光されて固体撮像素子23上に結像される。この筒体13は、本体部11に対して一方向に傾斜自在に、筒体13の回動軸に軸支されている。
【0034】
さらに電子内視鏡100は、筒体13の回動動作に連動して、回動反射ミラー117を筒体13の回動量の半分の回動量だけ筒体13と同じ方向に回動させる減速機構18と、本体部11内に配置され導入光学部14を筒体13の中心軸方向に進退させる昇降駆動部(駆動手段)21とを備える。減速機構18と昇降駆動部21についての詳細は後述する。
【0035】
次に、上記各構成要素を順次説明する。
導入光学部14は、筒体13の内部に収納され、一端側に広角レンズとなる対物レンズ群17を配置した筒状のレンズホルダ19を有する。このレンズホルダ19は、その一部に弾性連結部材である屈曲自在な密着バネ32の一端を固定し、他端を昇降駆動部21側に固定することで、昇降駆動部21の駆動により筒体13の中心軸方向に進退自在とされる。
【0036】
レンズホルダ19は、樹脂材料等からなり、筒体13の内側面に沿った外表面形状にされている。レンズホルダ19の一端側に配置された、対物レンズ群(広角レンズ17Aおよびレンズ17B)17によって、この一端側頂部の開口を閉塞している。広角レンズ17Aとしては、好ましくは魚眼レンズが用いられる。この場合の魚眼レンズとしては、傾斜角(レンズ光軸からの角度)の大きい全周方向の観察に好適に利用できる点から円周魚眼レンズが好ましい。円周魚眼レンズを用いることで、広角レンズの光軸の側方全周の画像が効率良く一度に得られ、しかも、被検体の観察表面に対して略垂直方向からの撮像が可能となる。すなわち、本発明の広角レンズ17Aは、対物レンズ群17の光軸方向(レンズホルダ19の中心軸方向)に対して側方全周方向の観察が可能な観察視野を有する広角レンズである。
なお、広角レンズ17Aとしては、この他にも対角魚眼レンズ、一般的な広角レンズ等を用いることもできる。レンズホルダ19に固定された対物レンズ群17の光軸は、筒状のレンズホルダ19の中心軸方向に一致させている。そして、レンズホルダ19は、外径が筒体13の円筒部13cの内径より若干小径に形成され、レンズホルダ19が筒体13内でガタツキなくスムースに移動できるようになっている。
【0037】
筒体13は、硬質の透明樹脂からなり、一端側となる先端頂部は、被検体内部への挿入を容易にする滑らかな半球状に形成されて閉塞している。この半球部13aとは反対の他端側は、回動用軸部13bが形成されて回動反射ミラー117の回動軸の一つに接続されている。筒体13は、一体成形により作製する他、半球部13a、回動用軸部13bが円筒部13cに接着された構成としてもよい。また、半球部13aに遮光性を持たせて、外光が直接対物レンズ群17に導入することを防止した構成としてもよい。ここで、透明樹脂とは、特定の波長の光に対して透明であればよく、必ずしも可視光に対して透明でなくてもよい。
【0038】
筒体13の外側には、本体部上蓋12を被せ、さらに筒体13との本体部上蓋12との隙間をカバーゴム34で埋めている。本体部上蓋12の開口端部12aは、本体部11の開口端部11cと同径にされ、互いに接着固定されている。
【0039】
また、筒体13の先端挿入部(半球部13a側)の円筒部13cは、本体部11より細径に形成されている。このように、筒体13の先端挿入部を細くすることで、被検体内の所望の位置の観察がしやすくなる。もって狭小な領域の観察等、電子内視鏡の適用可能範囲を拡げることができる。なお、筒体13の円筒部13cは先細りのテーパ形状としてもよく、このようにすると、小さな孔内,体腔内に筒体13の先端挿入部がいっそう挿入し易くなる。なお、半球部13aおよび円筒部13cを本体部11の外形と略等しく形成した構成にすることも可能である。その場合には、先細の先端が無くなり、電子内視鏡100の強度が向上して堅牢性を高められる。
【0040】
本体部11は、遮光性を有する樹脂材等で有底円筒形に形成されている。本体部11の底部(図2の下側)11aには筒状の電池収納部11bが設けられ、電源電池25が装着された後に電池収納部11bは電池蓋27によって気密に閉塞されるようになっている。つまり、電源電池25は本体部11に内蔵され、外部から電源供給する必要がない。したがって、本体部11に電源供給ケーブルを接続する必要がなくなり、電子内視鏡100自体の取り扱い性が向上する。なお、本体部11は円筒形に限らず、他の筒状、あるいは袋状等の形状であってもよい。
【0041】
本体部11の底部11aには、図示する例では樹脂製の2本の硬質の配線保護管29が外方へ突出して固定され、この配線保護管29に例えば画像信号等を出力する配線を挿通することが可能となっている。なお、配線保護管29は、電子内視鏡100を使用する際に、電子内視鏡100の全体を、被検体となる孔内あるいは体腔内に挿入したり、引き出すための把持管としても利用可能になっている。
【0042】
本体部11の内周面には、本体部11の長手方向に沿ったリブ31が形成され、このリブ31が、本体部11内に配置された直進移動部材30に形成された係合溝35と係合することで、直進移動部材30が回転止めされる。また、直進移動部材30と導入光学部14のレンズホルダ19とは、密着バネ32により連結されている。
【0043】
図2に示すように、筒体13の円筒部13cの中心軸を本体部11の底部11a側に延長した先には、撮像駆動ユニット部37を配置している。撮像駆動ユニット部37は、本体部11の底部11aに設けた電池収納部11bの周壁部を支柱として、図示しないステー部材を用いて本体部11の内部に固定設置される。撮像駆動ユニット部37は、図示する例では3枚の基板41,42,43を備えている。
【0044】
図4に撮像駆動ユニット部37を含む一部拡大斜視図を示した。
最下層(底部11a側)の基板41には昇降駆動部21の駆動源であるステッピングモータのドライバ回路等を含む制御ユニット45を設け、中層の基板42には撮像画像データを格納する画像メモリ47を設け、上層の基板43には固体撮像素子であるCCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサ等の撮像素子23を配置している。
【0045】
基板43には円筒状に形成された集光レンズホルダ49を配置し、この集光レンズホルダ49の内部に撮像素子23を収納している。そして、集光レンズホルダ49の上端開口部に集光レンズ51を配置することで、導光される平行光束(被写体光)を、撮像素子23の受光面に集光レンズ51によって結像させている。
【0046】
対物レンズ群17と撮像素子23との間の光路途中には、ハーフミラー53を配置して、発光体としての発光ダイオード(LED)55からの発光光を、このハーフミラー53の反射により対物レンズ群17に向けて照明光として照射している。つまり、ハーフミラー53を、集光レンズ51に入射する平行光束の集光レンズ51の直前部分に、平行光束の光軸(円筒部13cの中心軸)に対して斜め45度に傾斜して配置している。そして、ハーフミラー53に対し照明光を平行光束とする照明レンズ57を、LED55とハーフミラー53との間に設けている。ハーフミラー53,照明レンズ57,LED55は、それぞれ適宜な支持部材により本体部11内に固定されている。
【0047】
ここで、対物レンズ群17を配置したレンズホルダ19は、図5(a),(b)に示すように、筒体13内および本体部11内で、対物レンズ群17の光軸方向(筒体13の中心軸方向)に移動可能となっている。すなわち、図5(a)に示す広角レンズ17Aの高さがh0の位置から、図5(b)に示す高さhnの位置までの間で、自在に配置位置が設定可能となっている。
【0048】
次に、このレンズホルダ19の進退移動の駆動機構について、図2および図6を参照して説明する。
本体部11の内側には図示しないモータ保持部材が設けられ、このモータ保持部材にステッピングモータ(直進移動部材駆動用モータ)61を取り付けてある。ステッピングモータ61の回転軸は筒体13の直立位置における筒体13の中心軸(平行光束の光軸)と平行にされている。このステッピングモータ61の回転軸にはモータギア(平歯車)63が取り付けられ、モータギア63には平歯車のアイドルギア65が噛合する。そして、アイドルギア65は、送りネジ67の一端側に圧入または接着により固定したギア69と螺合することで、ステッピングモータ61の回転力がモータギア63,アイドルギア65,ギア69を介して送りネジ67に伝達される。なお、アイドルギア65の歯数はモータギア63の歯数より多く、ステッピングモータ61の回転速度を減速してアイドルギア65に伝達するようになっている。ここで、送りネジ67を駆動するステッピングモータ61は、パルス駆動されるモータに限らず、エンコーダを有するサーボモータ等の各種モータ、あるいは他の駆動源を用いることができる。なお、ステッピングモータ61,モータギア63,アイドルギア65,ギア69は、レンズホルダ19の移動によらずに、本体部11内で同じ高さ位置に留まることになる。
【0049】
直進移動部材30には、図6(a)に示す直進移動部材30の上昇位置においてモータギア63,アイドルギア65,ギア69等との干渉を防ぐ開口孔73が穿設されている。そして、送りネジ67に螺合する送りナット75がナット押さえ77を介して直進移動部材30に固着されている。
【0050】
上記構成により、送りネジ67と、送りナット75の固定された直進移動部材30は、送りネジ67の回転動作により直進移動部材30が送りネジ67の軸方向に移動する直線移動機構として機能する。
【0051】
例えば、図6(a)に示す直進移動部材30の上昇位置からステッピングモータ61を駆動すると、モータギア63,アイドルギア65,ギア69を介して送りネジ67が回転駆動される。送りネジ67が回転駆動されると、これに螺合する送りナット75が送りネジ67に対して相対移動する。これにより、図6(b)に示すように直進移動部材30を上昇位置から下降させることができる。
【0052】
次に、筒体13の傾斜動作について、図7〜図9を参照して説明する。
図7に示すように、電子内視鏡100は、筒体13を(a)に示す直立位置から(b)に示す傾斜位置まで、筒体13の回動用軸部13bを中心として任意の傾斜角θに回動させることができる。
図8は筒体13の傾斜動作の駆動機構の要部拡大斜視図、図9は傾斜駆動機構の各構成要素を(a),(b)に示した斜視図である。
図8および図9に示すように、筒体13の回動用軸部13bの一方の端部には、ギア111が固定されて筒体13の傾斜動作と連動して回動する。回動用軸部13bの軸孔113には、軸115が挿入され、この軸115には回動反射ミラー117が固定されるとともに、一端側がギア111を貫通してギア119に固定されている。ギア119は小径ギア121に螺合し、小径ギア121は大径ギア123と同軸上で一体にされている。そして、筒体13と一体にされたギア111は、大径ギア123に螺合した状態で組み付けられている。
【0053】
回動反射ミラー117に対面する位置には、図示しない支持部材により固定された固定反射ミラー125が設置されている。固定反射ミラー125は、回動反射ミラー117からの光を直進移動部材30の光軸開口127を通じて固体撮像素子23(図2参照)側に導くように反射角度が設定されている。
【0054】
したがって、筒体13内に導光されてきた平行光Lは、回動反射ミラー117により反射して、固定反射ミラー125に向かい、さらに固定反射ミラー125による反射によって固体撮像素子23側に導かれる。固定反射ミラー125により反射光を偏向させることで、光路が折り返えされて、光路全体をコンパクトに収めることができる。なお、固定反射ミラー125は、鏡面の他、プリズム等で構成してもよく、非撮像時には待避位置に回動して固体撮像素子23への光照射を防ぐ構成としてもよい。
【0055】
次に、図8のB方向矢視図である図10を用いて回動反射ミラー117の回動動作について説明する。
筒体13が図8に矢印Aに示す方向に外力によって軸115を中心に回動すると、筒体13に固定されたギア111が、これと螺合する大径ギア123を回動させる。大径ギア123の回動により小径ギア121が回動し、これによりギア119を介して軸115が回動して回動反射ミラー117が傾斜する。
筒体13の回動する角度(ギア111の回動角度)をθとすると、軸115の回動角度θは、次式の減速比iの関係に基づいて1/2に減速される。換言すれば、減速比iが1/2となるように各ギアの大きさや歯数等を設定する。
i=(dA/dB)・(dC/dD)
ここで、dAはギア111のピッチ円直径、dBは大径ギア123のピッチ円直径、dCは小径ギア121のピッチ円直径、dDはギア119のピッチ円直径である。つまり、各ギア111,123,121,119は、筒体13の回動動作を減速して回動反射ミラー117に伝達する減速機構として機能する。
【0056】
図11に図8の矢印C方向に対する電子内視鏡の断面図を、(a)筒体の直立位置、(b)筒体の傾斜位置に対応して示した。
図11(a)に示す筒体13の直立位置から(b)に示す傾斜位置にまで筒体13を傾斜させると、回動反射ミラー117は、筒体13の傾斜動作に連動して、筒体13の傾斜角(θ)の半分の角度(θ/2)だけ筒体13と同じ方向に回動する。これにより、筒体13がどの傾斜位置にあろうとも、平行光Lは、回動反射ミラー117に入射した後に必ず固定反射ミラー125に向けて反射し、固定反射ミラー125からの反射光は、光軸開口127を通じて撮像素子23に導かれる。
【0057】
上記の電子内視鏡100の構成により、導入光学部14(レンズホルダ19および対物レンズ群17)の進退移動および筒体13の傾斜動作を円滑に行うことができる。そして、本電子内視鏡100は、図12および図13に示すように導入光学部14を昇降動作させて複数回撮像を行う。
図12は電子内視鏡100の導入光学部14の上昇位置における光軸に平行な面で断面視した断面斜視図(a)と、本体部11の中心軸と筒体13の回動軸に平行な面で断面視した断面斜視図(b)であり、図13は、電子内視鏡100の導入光学部14の下降位置における光軸に平行な面で断面視した断面斜視図(a)と、本体部11の中心軸と筒体13の回動軸に平行な面で断面視した断面斜視図(b)である。
図12および図13に示すように、導入光学部14が上昇位置から下降位置に至るまでの間で、複数回にわたって筒体13中心軸の側方全周からの外光を取り込み、撮像する。
【0058】
次に、上記構成の電子内視鏡100を用いて撮像する制御動作について説明する。
図14は、撮像駆動ユニット部37の機能ブロック図である。システム全体を統括制御する制御部(CPU)81には、制御プログラムが格納されると共にワークメモリとしても動作し、図4で説明した基板42に設けられる画像メモリ47を含むメモリ83と、LED55を駆動するLED駆動回路85と、撮像素子23を駆動する撮像素子ドライバ87と、ステッピングモータ61を駆動するモータドライバ89に駆動パルスを供給するパルス発生器91とが接続される。制御部81が画像処理した後の画像データは、本体部11に内蔵された画像メモリ47に格納することで、電子内視鏡100単体による画像の取得が行え、逐一画像データを外部に送信する方式よりも取り扱い性を向上できる。
【0059】
また、この電子内視鏡100には、電源スイッチ93が設けられ、この電源スイッチ93が投入されると、電源電池25からの電力が図示しない配線を通して撮像駆動ユニット部37の各構成部に供給され、撮像動作,駆動動作が後述するように行われる。
【0060】
電源スイッチ93は、例えば、本体部11の底部11aに設けられ、手操作スイッチがオンオフされる構成としても良い。あるいは、本体部11に磁力に応動するスイッチ端子を内蔵させ、電子内視鏡100の外部から、磁石を近づけたり離したりすることで、このスイッチ端子をオンオフ操作する構成としても良い。
【0061】
次に、電子内視鏡100の動作について詳細に説明する。
図14および図2に示すように、電源スイッチ93が投入されると、電源電池25から各部に電力が供給されて動作を開始し、ステッピングモータ61が回転駆動される。これにより、レンズホルダ19は、電子内視鏡100の内部で筒状部15の中心軸方向に移動し、原点位置(例えばレンズホルダ19の上昇端位置)で停止する。また、LED55からの発光光が照明レンズ57で平行光とされ、この平行光がハーフミラー53により対物レンズ群17の方向に反射される。そして、反射した平行光は対物レンズ群17を通して筒状部15の中心軸に対して略直交する方向(被検体への挿入方向に対する側面方向)の全周にわたって照射され、照明光となる。
【0062】
被写体からの反射光は対物レンズ群17を通して電子内視鏡100内に取り込まれ、被写体の光像は、平行光束のまま集光レンズ51まで進み、この集光レンズ51によって撮像素子23の受光面上に結像される。
ここで、図15に対物レンズ群17による視野範囲Wの様子を示した。広角レンズ17Aから出射される照明光は、視野範囲Wで示す範囲に照射される。この照明光による被写体からの反射光は、撮像素子23に結像されて画像情報として取り込まれる。なお、広角レンズ17Aの光軸中央部には、視野範囲Wの上端を決定する遮光マスクMを設けてある。ここでは、広角レンズ17Aの外側表面(光出射側表面)に、半径を視野範囲Wに応じて設定した円形状の遮光マスクMを設けている。
【0063】
再び図14に戻り、撮像素子23で撮像された被写体の撮像信号は、制御部(CPU)81に入力されて画像処理され、例えばJPEG画像データとしてメモリ83(画像メモリ47)に格納される。
【0064】
図16は、メモリ83に格納されている制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。電源スイッチ93が投入されると、この制御プログラムが立ち上がり、先ず、ステッピングモータ61が駆動されて、レンズホルダ19を原点位置(上昇端位置)の方向に移動する(S1)。原点位置とは、例えば図1、図5(a)に示すように、対物レンズ群17の位置が筒体13の先端側の位置とするが、これに限らず、筒体13の先端側とは反対の基端側であってもよい。
【0065】
レンズホルダ19が原点位置に到達した後、撮像処理を行う(S2)。撮像処理とは、LED55を点灯して対物レンズ群17から照明光を照射し、被写体から反射した光を対物レンズ群17から取り込み、撮像素子23の受光面に結像させる処理と、撮像素子23から撮像信号を生成させ、この被写体の撮像信号を画像処理してメモリ83(画像メモリ47)に格納する処理とを含む。
【0066】
次に、指定したパルス数だけステッピングモータ61を駆動し(S3)、レンズホルダ19を所定距離だけ下降させる。所定距離とは、図15に示す視野範囲Wがレンズホルダ19の可動範囲を段だら状に埋めるように、レンズホルダ19をステップ移動させる距離であり、例えば、視野範囲Wに相当する筒体13の円筒部13cの高さLaとすることができる。
【0067】
移動先がレンズホルダ19の最下降位置に達するまでは(S4)、その移動先で撮像処理(S2)を行う。S2およびS3を繰り返し行って、図17に示すような画像マップを各回の撮像画像を合成することで生成する(S5)。つまり、初回の撮像画像データIMG(1)は、図5(a)に示す高さh0から視野範囲Wを隔てた高さh1の位置までの範囲における全周方向(円周角0°〜360°)の画像データであり、2回目の撮像画像データIMG(2)は、高さh1〜h2の範囲における全周方向の画像データである。このようにレンズホルダ19を移動させて各移動位置で得た複数枚の撮像画像データIMG(1)〜(n)を、高さ方向に相互に結合することで、実質的に一枚の画像データ(画像マップ)にする。なお、一回の撮影分の視野範囲の一部が次回撮影分の視野範囲と重なるようにすると、画像同士の接続領域がもれなく撮影でき、より確実に隙間のない画像データを得ることができる。
【0068】
上記の撮像画像データIMG(1)〜(n)による画像マップを作成した後は、この画像マップの格納されたメモリ83(図14参照)から、蓄積されたデータを外部に読み出すことになる。この読み出しは、無線を用いて行っても良く、また、図1に示す配線保護管29内に挿通した配線を用いて読み出しても良い。あるいは、メモリ83を電子内視鏡100から取り出し可能に設けておき、取り出したメモリ83を別置のパーソナルコンピュータで読むようにしても良い。
【0069】
また、本実施形態の電子内視鏡100は、撮像画像データを外部モニタに送り、外部モニタで撮像画像をオンラインで観察できるようにし、更に、外部から操作指示を入力する構成にもできる。
その場合には、制御部81は画像処理を行うことなく、撮像素子23から取得した撮像信号をそのまま外部のビデオプロセッサに送り、ビデオプロセッサが画像処理した被写体画像を外部モニタに表示する。外部のビデオプロセッサや外部モニタと制御部81との間の通信は、有線でも無線でも良い。有線で通信を行う場合には、配線中に電源線を入れることで、外部電源を利用することも可能となる。また、無線で通信を行う場合には、電子内視鏡100内に無線送信手段(あるいは送受信手段)を設けておき、電子内視鏡100外部に連続して撮像信号を送信したり、外部からの通信指令を受けたタイミングで送信する。このように、使用目的に応じて適宜なタイミングで撮像信号が取り出せるようになる。
【0070】
また、他の制御プログラム例として、図16のフローチャートに示す制御手順の他に、外部からの操作指示に従って、例えば対物レンズ群17による視野範囲を、任意の位置に移動させる制御プログラムを用いてもよい。この場合には、撮像目的に応じて所望の部位を選択的に撮像することができ、注目したい部位をより詳細に観察することが可能となる。
【0071】
以上説明した本実施形態の電子内視鏡100によれば、筒体13が屈曲自在であるために、直管状では観察がしにくい孔内の屈曲部内に対しても容易に観察することができる。つまり、図18に示すように、被検体の孔131内において、孔131の途中から側方へ屈曲する狭小の側孔133の内部は、直管状の電子内視鏡100では観察が困難となる。しかし、本実施形態の電子内視鏡100は、挿入部先端となる筒体13が屈曲自在であるため、孔内への挿入動作に伴い、筒体13が孔壁からの外力を受けてフレキシブルに傾斜し、側孔133の方向に沿うようになる。これにより、狭小な部位に対しても簡単に挿入部先端を挿入でき、しかも広い範囲の詳細な全周画像情報を簡単にかつ精度良く取得することができる。
【0072】
次に、本発明にかかる電子内視鏡の第2の実施形態を説明する。
本実施形態では、前述の第1実施形態の電子内視鏡100が、筒体13を外力によって回動させていたものを、モータにより駆動するように構成したものである。
図19に示すように、前述の大径ギア123を、ギア135を介して回転駆動するステッピングモータ(筒体傾斜用モータ)137によって所望の角度だけ回転駆動することで、回動反射ミラー117(図9参照)および軸115にギア111を介して接続された筒体13を、それぞれの傾斜角度θとθMとの関係(Δθ=2ΔθM)を維持しながら、任意の角度に回動動作させる。このステッピングモータ137は、これに限らず、サーボモータ等他の種類のモータ、あるいは他の回転駆動手段であってもよい。
【0073】
図20に本実施形態における撮像駆動ユニット部37および回動駆動部の機能ブロック図を示した。本実施形態は、先述の図14の機能ブロック図に傾斜駆動部をさらに加えた構成となっている。すなわち、ステッピングモータ137には、ステッピングモータ137を駆動するモータドライバ139が接続され、このモータドライバ139には駆動パルスを供給するパルス発生器141が接続されている。
【0074】
上記構成によれば、電子内視鏡を被検体内へ挿入した後に、筒体13をステッピングモータ137の駆動により強制的に傾斜させることができ、また、筒体13の傾斜を任意の角度に確実に設定できる。これにより、狭い領域への挿入動作をより確実に行うことができる。
【0075】
次に、上述した各実施形態に係る電子内視鏡100の好適な使用例について説明する。
(i)子宮内視鏡としての使用例:
近年、女性が罹患する子宮頸ガンの若年齢化が進んでいるが、子宮頸ガンは発見が早ければ部分摘出で大事に至らないため、早期発見が重要である。しかし、女性の場合、自分の体を見られることに抵抗があり、検診人口が増えないという傾向がある。
【0076】
上述した各実施形態に係る電子内視鏡100は、その寸法形状を適切な大きさに設計しておけば、子宮頸ガンの検診に有効である。図1の電子内視鏡100を女性の膣腔内に挿入し、図18に示す一連の撮像視野位置が子宮頸部に達するように先端部(半球部13a)から電子内視鏡100を子宮頸部にまで挿入することで、子宮頸部の内周面の様子をもれなく撮像することが可能となる。
【0077】
例えば、診察室で電子内視鏡100を患者自身の手によって子宮頸部にまで挿入してもらい、医師は別室で挿入位置を指示したり撮像画像をオンラインでモニタ観察するようにすれば、患者の心理的負担が軽減され、もって検診人口を増やすことが可能となる。
【0078】
また、上述した電子内視鏡100は、電源スイッチ93をオンにすれば図17で説明したように対物レンズ群17の位置が自動的に原点位置に戻り且つ撮像処理が自動的に行われるため、この電子内視鏡100を患者に貸し出し、患者自身が自宅で自身の子宮頸部の画像を撮像することが可能となる。医者は、電子内視鏡100を回収し、メモリ83内の撮像画像データを調べることで、診断が可能となる。
【0079】
(ii)大腸用,直腸用の内視鏡としての使用例:
大腸や直腸の検診を行う場合、従来は、先端部に撮像素子が搭載された内視鏡で観察するため、患部を斜め上方向から観察することになる。しかし、上述した実施形態の電子内視鏡100を患部位置まで挿入し、撮像を行えば、患部を垂直上方位置から観察することが可能となり、より詳細に観察ができ、精度の高い診断が可能となる。
【0080】
(iii)工業用内視鏡としての使用例:
例えば、細い配管内の微細なキズを観察するような工業用の内視鏡として上述した実施形態の電子内視鏡100を用いることができる。観察対象となる孔や隙間の開口の大きさや挿入する深さに応じた寸法形状の電子内視鏡100を用意する。上記したように、キズ等に対して孔の内周面に対して垂直上方から観察できるため、より詳細な観察が可能となる。また、一度挿入すれば、広い範囲(レンズホルダ19の軸方向の移動可能長さにおける全周囲の範囲)の観察が可能となり、小さなキズなどの見逃し率も低下する。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明に係る電子内視鏡は、狭い孔内の内壁面に対しても、広い範囲にわたって詳細に撮像することが可能となる。また、患部や傷などに対して垂直上方から観察することが可能となる。そのため、より精度の高い診断を行うことができ、医療用内視鏡,工業用内視鏡として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子内視鏡の外観斜視図である。
【図2】図1に示す電子内視鏡の縦断面図である。
【図3】電子内視鏡の分解斜視図である。
【図4】撮像駆動ユニット部を含む一部拡大斜視図である。
【図5】対物レンズ群17を配置したレンズホルダを示す図で、(a)は上昇位置、(b)は下降位置を表す一部拡大斜視図である。
【図6】レンズホルダの進退移動の駆動機構を示す図で、(a)は上昇位置、(b)は下降位置を表す構成図である。
【図7】筒体の傾斜動作を示す図で、(a)は直立位置、(b)は傾斜位置の状態を示す説明図である。
【図8】筒体の傾斜動作の駆動機構を表す要部拡大斜視図である。
【図9】傾斜駆動機構の各構成要素を(a),(b)に示した斜視図である。
【図10】図8のB方向矢視図である。
【図11】図8の矢印C方向に対する電子内視鏡の断面図を、(a)筒体の直立位置、(b)筒体の傾斜位置の状態に対応して示した図である。
【図12】電子内視鏡の導入光学部の上昇位置における光軸に平行な面で断面視した断面斜視図(a)と、本体部の中心軸と筒体の回動軸に平行な面で断面視した断面斜視図(b)である。
【図13】電子内視鏡の導入光学部の下降位置における光軸に平行な面で断面視した断面斜視図(a)と、本体部の中心軸と筒体13の回動軸に平行な面で断面視した断面斜視図(b)である。
【図14】撮像駆動ユニット部の機能ブロック図である。
【図15】対物レンズ群による視野範囲の様子を示す説明図である。
【図16】メモリに格納されている制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【図17】複数回の撮像により得られる撮像画像を合成した画像マップを示す説明図である。
【図18】孔内の屈曲部内を観察する様子を示す説明図である。
【図19】筒体をモータにより駆動する回動駆動機構を示す構成図である。
【図20】撮像駆動ユニット部および回動駆動部の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0083】
11 本体部
11b 電池収納部
12 本体部上蓋
13 筒体
13b 回動用軸部
13c 円筒部
14 導入光学部
15 筒状部
16 反射光学部
17 対物レンズ群
17A 広角レンズ
17B レンズ
18 減速機構
19 レンズホルダ
21 昇降駆動部(駆動手段)
23 撮像素子
25 電源電池
30 直進移動部材
32 密着バネ
37 撮像駆動ユニット部
45 制御ユニット
47 画像メモリ
53 ハーフミラー
55 発光ダイオード
61 ステッピングモータ
63 モータギア
65 アイドルギア
67 送りネジ
69 ギア
73 開口孔
75 送りナット
77 ナット押さえ
81 制御部(制御手段)
83 メモリ
85 LED駆動回路
93 電源スイッチ
100 電子内視鏡
111 ギア
115 軸
117 回動反射ミラー
119 ギア
121 小径ギア
123 大径ギア
125 固定反射ミラー
127 光軸開口
135 ギア
137 ステッピングモータ
W 視野範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の内部に挿入して被検体内を撮像する電子内視鏡であって、
本体部と、
一端部が閉塞され他端部が前記本体部に対して一方向に傾斜自在に軸支され、少なくとも側面が透光性を有する筒体と、
前記筒体内に配置され前記筒体の側方から取り込んだ外光を前記筒体の中心軸方向に導く導入光学部と、
前記筒体の傾斜軸に回動自在に支持された回動反射ミラーと、
前記回動反射ミラーに照射された前記外光の反射光を受光して電気信号に変換する撮像素子と、
前記筒体の傾斜動作に連動して、前記回動反射ミラーを前記筒体の傾斜角の半分の角度だけ前記筒体と同じ方向に回動させる減速機構と、
前記本体部内に配置され前記導入光学部を前記筒体の中心軸方向に進退させる駆動手段と、
を備えたことを特徴とする電子内視鏡。
【請求項2】
請求項1記載の電子内視鏡であって、
前記導入光学部が、
筒状部を有するレンズホルダと、
前記筒状部の一端側に、前記筒体の中心軸に光軸を合わせて配置した広角レンズと、
を備えることを特徴とする電子内視鏡。
【請求項3】
請求項2記載の電子内視鏡であって、
前記広角レンズが、前記被検体への挿入方向の側方全周からの光を取り込むことを特徴とする電子内視鏡。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載の電子内視鏡であって、
前記広角レンズが円周魚眼レンズであることを特徴とする電子内視鏡。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記減速機構が、前記筒体の傾斜と前記回動反射ミラーの回動とを連動させる筒体傾斜用モータを備えたことを特徴とする電子内視鏡。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記回動反射ミラーと前記撮像素子との間の光路途中に配置され、前記回動反射ミラーの光軸を偏向する反射ミラーを備えることを特徴とする電子内視鏡。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記導入光学部と前記撮像素子との間の光路途中に配置したハーフミラーと、発光した光を前記ハーフミラーの反射により前記導入光学部へ照射することで被検体を照明する発光体と、を備えることを特徴とする電子内視鏡。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記導入光学部および該導入光学部を覆う筒体の先端部が、前記本体部より細径に形成されたことを特徴とする電子内視鏡。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記駆動手段が、
前記本体部内で回転自在に支持された送りネジと、
前記本体部内に配置された直進移動部材に固着され前記送りネジに螺合する送りナットと、
前記送りネジを回転駆動する直進移動部材駆動用モータと、
前記導入光学部と前記直進移動部材とを連結する屈曲自在な弾性連結部材と、
を有することを特徴とする電子内視鏡。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記撮像素子が撮像して得た画像信号を画像処理する制御手段と、該制御手段が画像処理した画像データを格納する画像メモリと、を前記本体部に内蔵することを特徴とする電子内視鏡。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか1項記載の電子内視鏡であって、
前記撮像素子及び前記駆動手段に電力を供給する電源電池を、前記本体部に内蔵することを特徴とする電子内視鏡。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2009−297427(P2009−297427A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158009(P2008−158009)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000005430)フジノン株式会社 (2,231)
【Fターム(参考)】