説明

電子制御装置

【課題】車両に搭載される電子制御装置同士が記憶している車両に固有の情報に基づいて車両識別情報を書き換えるか書き換えを中止するかを判定する電子制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンECU10は、VINの書換指令を受けると、エンジンECU10が記憶しているイモビIDと、エンジンECU10と同じ車両100に搭載されているイモビECU60から取得したイモビIDとが一致していない場合には、エンジンECU10が他の車両に載せ換えられたと判断し、VINの書換指令に基づいてVINを書き換えるとともに、エミッション関連故障情報を消去する。一方、エンジンECU10は、VINの書換指令を受けると、エンジンECU10が記憶しているイモビIDと、イモビECU60から取得したイモビIDとが一致している場合には、VINの書き換えを中止するとともに、エミッション関連故障情報の消去を中止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に固有の車両識別情報の書き換えを制御する電子制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、車両の各部を制御する電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)として、例えばエンジンECUでは、車両識別情報として車両に固有の車両識別番号(VIN:Vehicle Identification Number)をEEPROM等のメモリに記憶している。エンジンECUは、VIN以外にも、イモビライザ識別情報(イモビライザID)、各種故障情報、車両制御のための学習値などをメモリに記憶している。
【0003】
ここで、VINを記憶しているECUを元の車両から他の車両に載せ換える場合、ECUに記憶されているVINを載せ換え先の車両のVINに書き換える必要がある。
【特許文献1】特開2001−301572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、VINの書換指令を受けた場合に無条件にVINの書き換えを許可すると、ECUを他の車両に載せ換えていない場合にも、ECUが記憶しているVINを、ECUが搭載されている車両のVINとは異なるVINに書き換えられるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、車両に搭載される電子制御装置同士が記憶している車両に固有の情報に基づいて車両識別情報を書き換えるか書き換えを中止するかを判定する電子制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1から6に記載の発明によると、記憶情報管理手段は、車両識別情報の書換指令を受けると、電子制御装置自身が車両識別情報記憶手段に記憶している第1照合情報と、同じ車両に搭載される他の電子制御装置が記憶している第2照合情報とが一致すると照合情報判定手段が判定する場合、車両識別情報記憶手段に記憶されている車両識別情報を書き換え、第1照合情報と第2照合情報とが一致しないと照合情報判定手段が判定する場合、車両識別情報記憶手段に記憶されている車両識別情報の書き換えを中止する。
【0007】
同じ車両に搭載されている電子制御装置同士がそれぞれ記憶している車両に固有の第1照合情報と第2照合情報とが一致している場合には、車両識別情報および第1照合情報を記憶している電子制御装置は、自身が搭載されている車両に固有の正しい車両識別情報を記憶していると判断できる。この場合には、車両識別情報の書換指令を受けても車両識別情報の書き換えを中止することにより、電子制御装置が記憶している車両識別情報が不正に書き換えられることを防止できる。
【0008】
一方、同じ車両に搭載されている電子制御装置同士がそれぞれ記憶している車両に固有の第1照合情報と第2照合情報とが一致しない場合には、車両識別情報および第1照合情報を記憶している電子制御装置は、例えば元の車両から他の車両に載せ換えられたと判断できる。この場合には、車両識別情報の書換指令を受けて車両識別情報を書き換えることにより、電子制御装置が記憶している車両識別情報を、載せ換えられた先の車両に固有の正しい車両識別情報に書き換えることができる。
【0009】
前述したように、第1照合情報と前記第2照合情報とが一致しない場合、電子制御装置は元の車両から他の車両に載せ換えられたと判断できる。エミッション関連故障情報は車両に固有の故障情報であるから、電子制御装置が他の車両に載せ換えられ、第1照合情報と第2照合情報とが一致しない場合には、車両識別情報を書き換えるとともに、記憶しているエミッション関連故障情報を消去することが望ましい。
【0010】
一方、第1照合情報と第2照合情報とが一致する場合、電子制御装置は他の車両に載せ換えられておらず、元の車両に搭載された状態であると判断できる。この場合には、車両識別情報の書き換えを中止するとともに、車両に固有のエミッション関連故障情報の書き換えも中止する必要がある。
【0011】
そこで、請求項2に記載の発明によると、記憶情報管理手段は、車両識別情報を書き換えるときにエミッション関連故障情報を消去し、車両識別情報の書き換えを中止するときにはエミッション関連故障情報の消去を中止する。
【0012】
これにより、第1照合情報と第2照合情報とが一致しない場合には、車両識別情報の書き換えに合わせて車両に固有のエミッション関連故障情報を消去できる。一方、第1照合情報と第2照合情報とが一致する場合には、車両識別情報が不正に書き換えられることを防止するとともに、車両に固有のエミッション関連故障情報が不正に消去されることを防止できる。
【0013】
ところで、車両識別情報と第1照合情報とを記憶している電子制御措置に対して第1照合情報の書き換えを無条件に許可すると、車両識別情報の書換指令を受ける前に第1照合情報を書き換えることができる。すると、車両識別情報を記憶している電子制御措置を他の車両に載せ換えずに元の車両に搭載した状態で、第1照合情報と、他の電子制御装置が記憶している第2照合情報とが一致しなくなる。この状態で車両識別情報の書換指令を受けると、車両識別情報を記憶している電子制御措置を他の車両に載せ換えずに元の車両に搭載した状態で、車両識別情報が書き換えられる。
【0014】
そこで、請求項3に記載の発明によると、記憶情報管理手段は、第1照合情報と第2照合情報とが一致すると照合情報判定手段が判定する場合、照合情報記憶手段に記憶されている第1照合情報の書き換えを中止する。
【0015】
これにより、第1照合情報と第2照合情報とが一致する場合には、車両識別情報の書換指令を受ける前に第1照合情報が書き換えられること防止できる。
その結果、第1照合情報と第2照合情報とが一致する場合に車両識別情報の書き換えを中止するだけでなく、車両識別情報を記憶している電子制御措置を他の車両に載せ換えずに元の車両に搭載した状態で、第1照合情報が第2照合情報と異なる値に書き換えられ、その後に車両識別情報が書き換えられることを防止できる。
【0016】
請求項4に記載の発明によると、第1照合情報および第2照合情報は車両に固有のイモビライザ識別情報である。
イモビライザ識別情報は、イモビライザを搭載している車両に固有の照合情報である。これにより、車両に固有であり車両識別情報とは異なる照合情報を新たに設けることなく、既存のイモビライザ識別情報に基づいて車両識別情報を書き換えるか、書き換えを中止するかを判定できる。
【0017】
また、車両識別情報およびイモビライザ識別情報を記憶している電子制御装置が他の車両に載せ換えられた場合には、載せ換えられた電子制御装置が記憶しているイモビライザ識別情報と、載せ換えられた先の車両に既に搭載されている電子制御装置が記憶しているイモビライザ識別情報とは一致しない。車両に搭載される電子制御装置同士がそれぞれ記憶しているイモビライザ識別情報が一致しない場合には、通常、車両を始動することはできない。これにより、他の車両に載せ換えられた電子制御装置が記憶しているイモビライザ識別情報が載せ換えられた先の車両に固有のイモビライザ識別情報に書き換えられる前に、車両が始動することを防止できる。
【0018】
請求項5に記載の発明によると、照合情報判定手段は、記憶情報管理手段が外部装置から車両識別情報の書換指令を受けると、外部装置と通信することなく第1照合情報と第2照合情報とが一致するか否かを自動的に判定し、記憶情報管理手段は、照合情報判定手段の判定結果に基づき、外部装置と通信することなく、自動的に車両識別情報記憶手段に記憶されている車両識別情報を書き換えるか、あるいは車両識別情報の書き換えを中止する。
【0019】
このように、照合判定手段が外部装置と通信することなく自動的に第1照合情報と第2照合情報とが一致するか否かを判定し、記憶情報管理手段が外部装置と通信することなく自動的に車両識別情報を書き換えるか、あるいは車両識別情報の書き換えを中止するので、車両識別情報の書き換えに要する工数を低減できる。
【0020】
請求項6に記載の発明によると、照合情報判定手段は、記憶情報管理手段が外部装置から車両識別情報の書換指令を受けると、外部装置と通信しながら第1照合情報と第2照合情報とが一致するか否かを判定し、記憶情報管理手段は、照合情報判定手段の判定結果に基づき、外部装置と通信しながら、車両識別情報記憶手段に記憶されている車両識別情報を書き換えるか、あるいは車両識別情報の書き換えを中止する。
【0021】
このように、照合判定手段が外部装置と通信しながら自動的に第1照合情報と第2照合情報とが一致するか否かを判定し、記憶情報管理手段が外部装置と通信しながら自動的に車両識別情報を書き換えるか、あるいは車両識別情報の書き換えを中止するので、車両識別情報の書き換えに要する工数を低減できる。
【0022】
請求項7に記載の発明によると、記憶情報管理手段は、第1車両識別情報の書換指令を受けると、電子制御装置自身が記憶している第1車両識別情報と他の電子制御装置が記憶している第2車両識別情報とが一致すると車両識別情報判定手段が判定する場合、車両識別情報記憶手段に記憶されている第1車両識別情報の書換えを中止し、第1車両識別情報と第2車両識別情報とが一致しないと車両識別情報判定手段が判定する場合、車両識別情報記憶手段に記憶されている第1車両識別情報を書き換える。
【0023】
同じ車両に搭載されている電子制御装置同士がそれぞれ記憶している車両に固有の第1車両識別情報と第2車両識別情報とが一致している場合には、第1車両識別情報を記憶している電子制御装置は、自身が搭載されている車両に固有の正しい第1車両識別情報を記憶していると判断できる。この場合には、第1車両識別情報の書換指令を受けても第1車両識別情報の書き換えを中止することにより、電子制御装置が記憶している車両識別情報が不正に書き換えられることを防止できる。
【0024】
一方、同じ車両に搭載されている電子制御装置同士がそれぞれ記憶している車両に固有の第1車両識別情報と第2車両識別情報とが一致しない場合には、第1車両識別情報を記憶している電子制御装置は、例えば元の車両から他の車両に載せ換えられたと判断できる。この場合には、第1車両識別情報の書換指令を受けて第1車両識別情報を書き換えることにより、電子制御装置が記憶している第1車両識別情報を、載せ換えられた先の車両に固有の正しい車両識別情報に書き換えることができる。
【0025】
尚、本発明に備わる記憶手段以外の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、またはそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による車両制御システムを図1に示す。車両制御システムは、エンジンECU10およびイモビライザECU(以下、イモビECUという。)60を備えている。エンジンECU10とイモビECU60とは、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介してデータを送受信する。エンジンECU10は、特許請求の範囲に記載された電子制御装置に相当し、イモビECU60は、特許請求の範囲に記載された他の電子制御装置に相当する。
【0027】
エンジンECU10は、入出力回路、マイクロコンピュータおよびその周辺回路、入出力用のコネクタ等の外部端子を備え、ケースや筐体、保持部材等からなる電子制御ユニットであり、車室内やエンジンルーム内に載置されるものである。また、エンジンECU10は、処理部12、運転状態検出部14、制御出力部16、RAM20、SRAM22、EEPROM24、表示制御部30等から構成されており、エンジンを目標の運転状態に制御するために車両の各部を制御する。
【0028】
処理部12は、CPU、タイマ、ROM等のハードウェアで構成されている。処理部12は、データ演算部として、エンジンを目標の運転状態に制御するために、運転状態検出部14から取得した各種センサのデータを演算し、制御出力部16を介して車両の各部に対する制御を実施する。また、処理部12は、自己診断部として、車両の各部の故障診断を実施する。
【0029】
運転状態検出部14は、アクセル開度(ACCP)、エンジン回転数(Ne)、水温(Tw)、酸素濃度(O2)、吸気量(V)、イグニション信号(IGN)等の車両の運転状態を示す情報を各種センサから取得するとともに、イモビECU60からCANを介して各種情報を取得する。
【0030】
制御出力部16は、処理部12からの指令にしたがい、エンジンを目標の運転状態に制御するために、点火プラグ、インジェクタ等の車両の各部に制御信号を出力する。また、制御出力部16は、CANを介してイモビECU60の状態検出部62に対して各種情報を送信する。
【0031】
RAM20は、処理部12の演算結果等のデータを一時的に記憶する。SRAM(スタンバイRAM)22は、バックアップRAMとも呼ばれ、イグニションキーがオフされても車両のバッテリから常時電圧が供給されるように電源供給が構成された揮発性メモリである。EEPROM24は不揮発性メモリである。
【0032】
例えば、車両の各部の故障を検出した場合には、処理部12は、故障を表す故障コード(DTC:Diagnostic Trouble Code)をSRAM22およびEEPROM24に記憶させる。具体的には、処理部12は、エミッション関連故障情報を含むDTCをSRAM22に記憶させた後、そのDTCのうち所定のDTCと同じコードを、イグニションサイクル(車両のイグニションスイッチがオンされてからオフされるまで、あるいはイグニションスイッチがオンされてから次にオンされるまで)の終わりまでに、永久故障コード(Permanent Fault Code:以下、ここでは、PDTC(Permanent DTC)という。)としてEEPROM24に記憶させる。カリフォルニア州大気資源局(CARB:California Air Resources Board)による法規においても、診断結果として記憶されている故障コード(DTC)を、永久故障コード(PDTC)としてEEPROM等の不揮発性メモリに記憶することが提案されている。尚、エミッション関連故障情報とは、例えば、水温センサ、吸気量センサ等のエミッション制御に必要なセンサの故障情報である。
【0033】
また、EEPROM24には、車両識別情報であるVIN、第1照合情報であるイモビライザID(以下、イモビIDという。)、車両制御の学習値等の車両に固有の情報が記憶されている。車両制御の学習値として、インジェクタの噴射量特性、スロットル弁の開度特性等がEEPROM24に記憶されている。尚、VINと前述したPDTCとは、法規により不揮発性メモリに記憶することが規定されている。
【0034】
本実施形態においては、SRAM22は特許請求の範囲に記載した故障情報記憶手段に相当し、EEPROM24は、特許請求の範囲に記載した車両識別情報記憶手段、照合情報記憶手段、故障情報記憶手段に相当する。
【0035】
表示制御部30は、故障表示灯(MIL:Malfunction Indicator Lamp)40の表示を制御する。
外部装置としての外部コンピュータ50は、図示しない入出力インターフェースを介してエンジンECU10に接続する。外部コンピュータ50は、エンジンECU10と通信することにより、SRAM22またはEEPROM24に記憶されている故障コード等の記憶情報をエンジンECU10から読み出したり、SRAM22またはEEPROM24に記憶されている記憶情報の書き換えをエンジンECU10に指令する。
【0036】
イモビECU60は、エンジンECU10と概略的にはほぼ同一構成であり、マイクロコンピュータ等を含む電子制御ユニットである。エンジンECU10と実質的に同一のイモビECU60の構成部分には、エンジンECU10と同一符号が付されている。
【0037】
イモビECU60の制御出力部16は、CANを介してエンジンECU10の運転状態検出部14に対して各種情報を送信する。
イモビECU60は、第2照合情報としてイモビIDをEEPROM24に記憶している。イモビECU60は、状態検出部62がイグニションキーから検出したイモビIDと、イモビECU60のEEPROM24に記憶しているイモビIDとが一致するかを判定する。イモビECU60は、両方のイモビIDが一致すれば認証合格と判定し、不一致であれば認証不合格と判定する。そして、イモビECU60は、エンジンECU10からの問い合わせに対して、両方のイモビIDが一致しているか否かの判定結果を暗号化してエンジンECU10に送信する。エンジンECU10は、イモビECU60が判定したイモビIDの判定結果とともに、イモビECU60がEEPROM24に記憶しているイモビIDを取得する。
【0038】
イモビECU60の判定結果が認証不合格の場合には、エンジンECU10はエンジンを始動しない。また、イモビECU60の判定結果が認証合格の場合にも、エンジンECU10は、自身がEEPROM24に記憶しているイモビIDと、イモビECU60がEEPROM24に記憶しているイモビIDとが不一致の場合には、エンジンを始動しない。エンジンECU10は、イモビECU60の判定結果が認証合格であり、自身がEEPROM24に記憶しているイモビIDと、イモビECU60がEEPROM24に記憶しているイモビIDとが一致する場合にエンジンを始動する。
【0039】
イモビECU60の表示制御部30は、イモビライザに関する警告ランプ70の表示を制御する。
次に、ROMに記憶されている制御プログラムにより、エンジンECU10が照合情報取得手段、照合情報判定手段および記憶情報管理手段として機能する内容について説明する。
【0040】
(照合情報取得手段)
エンジンECU10は、後述する記憶情報管理手段がVINの書換指令を受けると、エンジンECU10と同じ車両に搭載されているイモビECU60またはイモビECU210(図2、図3参照)にイモビIDの送信要求を出し、イモビECU60、210から送信されてくるイモビIDを取得する。
【0041】
(照合情報判定手段)
エンジンECU10は、エンジンECU10が記憶しているイモビIDと、イモビECU60またはイモビECU210から取得したイモビIDとが一致しているか否かを判定する。
【0042】
イモビIDは、イモビライザを搭載している車両に固有の照合情報である。これにより、車両に固有でありVINとは異なる照合情報を新たに設けることなく、後述する記憶情報管理手段において、既存のイモビIDに基づいてVINを書き換えるか、書き換えを中止するかを判定できる。
【0043】
また、例えば図3に示すように、VIN(a)およびイモビID(A)を記憶しているエンジンECU10が他の車両200に載せ換えられた場合には、載せ換えられたエンジンECU10が記憶しているイモビID(A)と、載せ換えられた先の車両200に既に搭載されているイモビECU210が記憶しているイモビID(B)とは一致しない。同じ車両200に搭載されるエンジンECU10とイモビECU210とがそれぞれ記憶しているイモビID(A)とイモビID(B)とが一致しない場合には、車両200を始動することはできない。これにより、他の車両200に載せ換えられたエンジンECU10が記憶しているイモビID(A)が載せ換えられた先の車両200に固有のイモビID(B)に書き換えられる前に、車両が始動することを防止できる。
【0044】
(記憶情報管理手段)
エンジンECU10は、エンジンECU10が記憶している車両に固有の記憶情報として、VINの書換指令を外部コンピュータ50から受信する。
【0045】
例えば、図2に示すように、車両100に搭載されているエンジンECU10に対して、外部コンピュータ50から、エンジンECU10が記憶しているVIN(a)をエンジンECU10が搭載されている車両100とは異なる他の車両のVIN(b)に書き換えるように指令されることがある。
【0046】
また、図3に示すように、エンジンECU10が元の車両100から他の車両200に載せ換えられた場合、エンジンECU10に対して外部コンピュータ50から、エンジンECU10が記憶しているVIN(a)をエンジンECU10が載せ換えられた先の車両200のVIN(b)に書き換えるように指令されることがある。
【0047】
エンジンECU10は、VINの書換指令を受けると、エンジンECU10が記憶しているイモビIDと、イモビECU60またはイモビECU210から取得したイモビIDとが一致している場合には、VINの書き換えを中止する。
【0048】
一方、エンジンECU10は、VINの書換指令を受けると、エンジンECU10が記憶しているイモビIDと、イモビECU60またはイモビECU210から取得したイモビIDとが一致していない場合には、VINの書換指令に基づいてVINを書き換える。
【0049】
ここで、VINの書換指令を受けた場合に、エンジンECU10が記憶しているイモビIDと、エンジンECU10と同じ車両100に搭載されているイモビECU60が記憶しているイモビIDとが一致しているにも関わらず、図2の(A)に示すように無条件にVINの書き換えを許可しVIN(a)をVIN(b)に書き換えると、ECU10は、SRAM22およびEEPROM24に記憶しているエミッション関連故障情報として、DTC、PDTCを自動的に消去する。そして、SRAM22およびEEPROM24からエミッション関連故障情報が消去されてから、再びVINの書換指令を受けてVIN(b)をVIN(a)に書き換えれば、見かけ上は、VIN(a)を書き換えずにECU10が記憶しているエミッション関連故障情報が消去された状態になる。このように無条件にVINの書き換えを許可すると、ECU10が記憶しているエミッション関連故障情報が不正に消去されるおそれがある。
【0050】
そこで、本実施形態では、車両100に搭載されているエンジンECU10がVINの書換指令を受けると、エンジンECU10は、照合情報取得手段により、エンジンECU10と同じ車両100に搭載されているイモビECU60が記憶しているイモビIDを取得する。
【0051】
車両100においては、エンジンECU10が記憶しているイモビID(A)とイモビECU60が記憶しているイモビID(A)とは一致するので、エンジンECU10は記憶しているVIN(a)の書き換えを中止する。そして、ECU10は、VIN(a)の書き換えを中止するので、SRAM22およびEEPROM24に記憶しているエミッション関連故障情報を消去しない。
【0052】
一方、図3に示すように、元の車両100から他の車両200に載せ換えられた場合には、エンジンECU10が記憶しているVIN(a)を、エンジンECU10が載せ換えられた先の車両200に固有のVIN(b)に書き換える必要がある。
【0053】
そこで、VINの書換指令を受けると、エンジンECU10は、照合情報取得手段により、エンジンECU10と同じ車両200に搭載されているイモビECU210が記憶しているイモビID(B)を取得する。
【0054】
この場合、エンジンECU10が記憶しているイモビID(A)と、イモビECU210が記憶しているイモビID(B)とは一致しないので、ECU10はVIN(a)をVIN(b)に書き換える。
【0055】
VIN(a)をVIN(b)に書き換えると、エンジンECU10は、SRAM22およびEEPROM24に記憶しているエミッション関連故障情報を消去する。さらに、エンジンECU10は、VIN(a)をVIN(b)に書き換えるときに、イモビID(A)をイモビID(B)に書き換えるとともに、車両制御の各種学習値を車両のばらつきを考慮した平均値である初期値に書き換える。尚、学習値の書換えは必ずしも初期値に限る必要はなく既定値や何らかのルールにより決まった値であっても良い。
【0056】
エンジンECU10は、外部コンピュータ50からVINの書換指令を受信すると、外部コンピュータ50と通信することなく、エンジンECU10と同じ車両に搭載されているイモビECUからイモビIDを取得し、エンジンECU10が記憶しているイモビIDと同じ車両に搭載されているイモビECUが記憶しているイモビIDとを照合し、VIN、エミッション関連故障情報、イモビIDおよび学習値を自動的に書き換えてもよいし、各記憶情報の取得、照合、書き換えを外部コンピュータ50と通信しながら、外部コンピュータ50の操作者の介入を受けることなく自動的に書き換えてもよい。
【0057】
このように、外部コンピュータ50からVINの書換指令を受けると、外部コンピュータ50と通信するか否かに関わらず、エンジンECU10が自動的にVIN、エミッション関連故障情報、イモビIDおよび学習値を書き換えるか、書き換えを中止するので、車両固有の記憶情報の書き換えに要する工数を低減できる。
【0058】
エンジンECU10は、図3に示すように他の車両200に載せ換えられたときにEEPROM24の故障によりVINの書き換えに失敗すると、その他の記憶情報の書き換えを中止し、VINの書き換えの失敗を外部コンピュータ50に通知することが望ましい。VIN以外の他の記憶情報の書き換えを中止することにより、VIN以外の記憶情報を誤った値に書き換えることを防止できる。
【0059】
また、エンジンECU10は、VINの書換指令を受ける前に、外部コンピュータ50からイモビIDの書換指令を受けた場合、自身が記憶している第1照合情報としてのイモビIDと、同じ車両に搭載されているイモビECU60またはイモビECU210が記憶している第2照合情報としてのイモビIDとが一致する場合、イモビIDの書き換えを中止する。
【0060】
これにより、イモビIDが一致する場合には、VINの書換指令を受ける前にエンジンECU10に記憶しているイモビIDが書き換えられること防止できる。その結果、イモビIDが一致する場合、前述したようにVINの書き換えを中止するだけでなく、VINを記憶しているエンジンECU10を他の車両に載せ換えずに元の車両に搭載した状態で、エンジンECU10に記憶しているイモビIDが異なるイモビIDに書き換えられ、その後にVINが書き換えられることを防止できる。
【0061】
(書換制御)
次に、エンジンECU10がVINの書換指令を受けたときの書換制御について、図4のフローチャートに基づいて説明する。図4のフローチャートは、外部コンピュータ50からVINの書換指令を受け付けたときに実行される。この受け付けというのは、外部コンピュータ50からVIN書換指令を受信しその受信に対する認識したこと、すなわち指令を受け付けたことを知らせるための受信通知を行ってもよいし、しなくてもどちらでもよい。図4において、「S」はステップを表している。
【0062】
エンジンECU10は、外部コンピュータ50からVINの書換指令を受信すると、S300において、エンジンECU10と同じ車両に搭載されているイモビECUにイモビIDの送信要求を出し、イモビECUから送信されてくるイモビIDを取得する。そして、エンジンECU10自身がEEPROM24に記憶しているイモビIDと、エンジンECU10と同じ車両に搭載されているイモビECUが記憶しているイモビIDとを照合する。
【0063】
イモビIDが一致すると(S300:Yes)、エンジンECU10はVINの書き換えを中止して本ルーチンを終了する。
イモビIDが一致しない場合(S300:No)、エンジンECU10は、外部コンピュータ50から指令されたVINにより、EEPROM24に記憶しているVINを書き換える(S302)。例えば上述のようにエンジンECU10が受信通知を外部コンピュータ50側に返すケースにおいては、外部コンピュータ50はその受信通知を受けてから新たなVINを送るようにしても良いし、VIN書換指令とともに新たなVINを送るようになっていても良い。
【0064】
エンジンECU10は、S302においてVINを書き換えるとともに、同じ車両に搭載されているイモビECUから取得したイモビIDにより、エンジンECU10の所有するEEPROM24に記憶されているイモビID(A)を書き換える。さらに、エンジンECU10は、エミッション関連故障情報を消去し、学習値を初期値に書き換える。
【0065】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を図5に示す。尚、第1実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。
【0066】
第2実施形態では、イモビECU60は、イモビIDに加えVINを記憶している。そして、VINの書換指令を受けると、エンジンECU10は、同じ車両に搭載されているイモビECU60からVINを取得する。そして、エンジンECU10は、エンジンECU10が記憶しているVIN(a)と、イモビECU60が記憶しているVIN(a)とを比較する。
【0067】
図5に示すように、エンジンECU10が記憶しているVIN(a)と、イモビECU60が記憶しているVIN(a)とが一致している場合には、エンジンECU10は、VINの書き換えを中止するとともに、エミッション関連故障情報として、DTC、PDTCの消去を中止する。
【0068】
一方、エンジンECU10が元の車両100から他の車両に載せ換えられた場合には、エンジンECU10が記憶しているVIN(a)と、エンジンECU10が載せ換えられた車両に搭載されているイモビECUが記憶しているVINとは一致しない筈である。この場合、エンジンECU10は、VINの書換指令に基づいて、VIN、エミッション関連故障情報、イモビIDおよび学習値を書き換える。
【0069】
このように、第2実施形態では、ECU10は、照合情報取得手段、照合情報判定手段に代えて、車両識別情報取得手段、車両識別情報判定手段として機能する。
以上説明した上記複数の実施形態では、エンジンECU10と、エンジンECU10と同じ車両に搭載されているイモビECUとがそれぞれ記憶している車両に固有の識別情報として、イモビIDまたはVINが一致している場合には、エンジンECU10は、自身が他の車両に載せ換えられずに元の車両に搭載された状態であると判断し、VINの書き換えを中止する。これにより、エンジンECU10を他の車両に載せ換えずに元の車両に搭載した状態で、VINが不正に書き換えられることを防止する。その結果、VINの書き換えに伴い、エミッション関連故障情報が不正に消去されることを防止できる。
【0070】
一方、イモビIDまたはVINが一致しない場合には、エンジンECU10は、自身が他の車両に載せ換えられたと判断し、VINの書換指令に基づいてVINを書き換える。これにより、エンジンECU10は、自身が記憶しているVINを、載せ換えられた先の車両に応じた適切なVINに書き換えることができる。
【0071】
[他の実施形態]
上記実施形態では、車両固有の記憶情報として、VINを書き換えるときに、エミッション関連故障情報を消去するとともにイモビIDを書き換え、車両制御の学習値を初期化している。これ以外の車両固有の記憶情報についても、VINを書き換えるときに、必要に応じて書き換え、消去または初期化してもよい。
【0072】
上記実施形態では、イモビIDおよび学習値を不揮発性メモリであるEEPROM24に記憶した。これに対し、例えば、車両に搭載されている電源以外にエンジンECU10が専用の補助電源を備え、エンジンECU10を車両100から取り外したときにSRAM22に電力を供給できるのであれば、イモビIDおよび学習値をSRAM22に記憶してもよい。
【0073】
また上記実施例では、第2照合情報としてのイモビIDがイモビライザECUに記憶されている事例を示したが、イモビIDは他のECUが保持していても良い。
さらに、イモビIDを車両における他のECU等が保持しておらず、車両のユーザが保持するような携帯機(キーなど)にのみイモビIDが有るような場合もある。
【0074】
こうした場合も踏まえ、例えば図4におけるS302においてイモビIDを書き換える場合に、他のECUあるいは携帯機など外部に対してイモビIDの送信要求を行っても新たなイモビIDが所定時間内あるいは複数回の要求に対して送られてこないような場合、所定の値(初期値などの既定値)を書き込んでおき、次の始動の際に、イモビIDの照合としてその所定値が記憶されていた場合にはその時点でイモビIDを書込むようにしても良い。
【0075】
また、例えばS302では外部と通信を行うことなく上述のようにエンジンECUのみにてイモビIDを所定値に書き換えておき、次の始動の際に、例えばイモビライザECUに対しイモビID送信要求を出して送られてきた新たなイモビIDに書き換えるなど、VINコードの書き換えと同じタイミングではなく実態的に問題の無い範囲でVINコードの書き換えと時間的にずれていても良い。
【0076】
上記第1実施形態では、車両に固有の照合情報としてVINとは異なるイモビIDを採用した。これに対し、イモビIDと同様に車両に固有でありVINとは異なる照合情報であれば、他の照合情報を採用してもよい。
【0077】
そして、VINおよび第1照合情報を記憶しているのであれば、車両に搭載される電子制御装置はエンジンECU10以外の電子制御装置であってもよい。同様に、第2照合情報を記憶しているのであれば、車両に搭載される他の電子制御装置はイモビECU以外の電子制御装置であってもよい。
【0078】
また、上記第2実施形態では、VINを記憶している電子制御装置として、エンジンECU10とイモビECU60とを想定した。これに対し、VINを記憶しているのであれば、車両に搭載される電子制御装置はエンジンECU10およびイモビECU60以外の電子制御装置であってもよい。
【0079】
上記実施形態では、照合情報取得手段、照合情報判定手段、記憶情報管理手段、車両識別情報取得手段および車両識別情報判定手段の機能を制御プログラムにより機能が特定されるエンジンECU10により実現している。これに対し、上記手段の機能の少なくとも一部を、回路構成自体で機能が特定されるハードウェアで実現してもよい。
【0080】
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】第1実施形態の車両制御システムを示すブロック図。
【図2】VINの書き換えを説明する説明図。
【図3】エンジンECUの載せ換えを示す説明図。
【図4】書換制御を示すフローチャート。
【図5】第2実施形態によるVINの書き換えを説明する説明図。
【符号の説明】
【0082】
10:エンジンECU(電子制御装置、照合情報取得手段、照合情報判定手段、記憶情報管理手段、車両識別情報取得手段、車両識別情報判定手段)、22:SRAM(故障情報記憶手段)、24:EEPROM(車両識別情報記憶手段、イモビID記憶手段、故障情報記憶手段)、50:外部コンピュータ(外部装置):60、210:イモビECU(他の電子制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される電子制御装置において、
車両に固有の車両識別情報を記憶する車両識別情報記憶手段と、
車両に固有であり前記車両識別情報とは異なる第1照合情報を記憶する照合情報記憶手段と、
前記電子制御装置と同じ車両に搭載される他の電子制御装置が記憶しており、車両に固有であり前記車両識別情報とは異なる第2照合情報を取得する照合情報取得手段と、
前記第1照合情報と前記照合情報取得手段が取得する前記第2照合情報とが一致するか否かを判定する照合情報判定手段と、
前記車両識別情報の書換指令を受けると、前記第1照合情報と前記第2照合情報とが一致すると前記照合情報判定手段が判定する場合、前記車両識別情報記憶手段に記憶されている前記車両識別情報の書き換えを中止し、前記第1照合情報と前記第2照合情報とが一致しないと前記照合情報判定手段が判定する場合、前記車両識別情報記憶手段に記憶されている前記車両識別情報を書き換える記憶情報管理手段と、
を備えることを特徴とする電子制御装置。
【請求項2】
エミッション関連故障情報を記憶する故障情報記憶手段をさらに備え、
前記記憶情報管理手段は、前記車両識別情報記憶手段に記憶されている前記車両識別情報を書き換えることに基づき前記故障情報記憶手段に記憶されている前記エミッション関連故障情報を消去し、前記車両識別情報記憶手段に記憶されている前記車両識別情報の書き換えを中止するときには前記故障情報記憶手段に記憶されている前記エミッション関連故障情報の消去を中止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。
【請求項3】
前記記憶情報管理手段は、前記第1照合情報と前記第2照合情報とが一致すると前記照合情報判定手段が判定する場合、前記照合情報記憶手段に記憶されている前記第1照合情報の書き換えを中止することを特徴とする請求項1または2に記載の電子制御装置。
【請求項4】
前記第1照合情報および前記第2照合情報は車両に固有のイモビライザ識別情報であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項5】
前記記憶情報管理手段は、外部装置から通信により前記車両識別情報の書換指令を受け、
前記照合情報判定手段は、前記記憶情報管理手段が前記書換指令を受けると、前記外部装置と通信することなく前記第1照合情報と前記第2照合情報とが一致するか否かを判定し、
前記記憶情報管理手段は、前記照合情報判定手段の判定結果に基づき、前記外部装置と通信することなく、前記車両識別情報記憶手段に記憶されている前記車両識別情報を書き換えるか、あるいは前記車両識別情報の書き換えを中止する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項6】
前記記憶情報管理手段は、外部装置から通信により前記車両識別情報の書換指令を受け、
前記照合情報判定手段は、前記記憶情報管理手段が前記書換指令を受けると、前記外部装置と通信しながら前記第1照合情報と前記第2照合情報とが一致するか否かを判定し、
前記記憶情報管理手段は、前記照合情報判定手段の判定結果に基づき、前記外部装置と通信しながら、前記車両識別情報記憶手段に記憶されている前記車両識別情報を書き換えるか、あるいは前記車両識別情報の書き換えを中止する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項7】
車両に搭載される電子制御装置において、
車両に固有の第1車両識別情報を記憶する車両識別情報記憶手段と、
前記電子制御装置と同じ車両に搭載される他の電子制御装置が記憶している車両に固有の第2車両識別情報を取得する車両識別情報取得手段と、
前記車両識別情報記憶手段に記憶されている前記第1車両識別情報と前記車両識別情報取得手段が取得する前記第2車両識別情報とが一致するか否かを判定する車両識別情報判定手段と、
前記第1車両識別情報の書換指令を受けると、前記第1車両識別情報と前記第2車両識別情報とが一致すると前記車両識別情報判定手段が判定する場合、前記車両識別情報記憶手段に記憶されている前記第1車両識別情報の書換えを中止し、前記第1車両識別情報と前記第2車両識別情報とが一致しないと前記車両識別情報判定手段が判定する場合、前記車両識別情報記憶手段に記憶されている前記第1車両識別情報を書き換える記憶情報管理手段と、
を備えることを特徴とする電子制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−262787(P2009−262787A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115496(P2008−115496)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】