説明

電子撮影装置

【課題】カメラ本体の小型化を可能とし、撮像素子の受光面近傍に塵埃が存在して写り込むのを抑制可能な技術を提供する
【解決手段】撮影レンズを通して入射する被写体光を電気信号に変換する撮像素子214と、撮影レンズと撮像素子214との間に設けられる光透過部材206と、光透過部材206を加振して屈曲振動させる加振部226と、光透過部材206と撮像素子214との間に設けられ、電圧印加状態を切り替えることにより、被写体光の撮像素子214への入射を可能とする透光状態と、被写体光の前記撮像素子214への入射を阻止する遮光状態とに切り替えが可能な物性シャッタ部220と、光透過部材206と撮像素子214との間に形成される空間を囲繞して密閉する密閉構造部210とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子撮影装置に関し、特に撮影レンズ交換式の電子撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子撮影装置、中でもスチル撮影が可能な電子撮影装置は、レンズシャッタやフォーカルプレンシャッタ等のメカニカルシャッタを備える。撮像素子自体にもいわゆる電子シャッタの機能を備えることが可能であるが、スミアや画像の歪みなどを抑制するために、特に高画質が要求される電子撮影装置では多くの場合メカニカルシャッタが併用される。
【0003】
撮影レンズ交換式の電子撮影装置では、シャッタとしてフォーカルプレンシャッタが用いられることが多い。理由は、撮影レンズの設定絞りの開度によらず比較的高速のシャッタ速度を得ることが容易となるからである。また、撮影装置本体の側にシャッタを備えることにより、撮影レンズ(交換レンズ)の側にシャッタを備える必要がなくなり、撮影レンズの小型化や製造コスト低減に有利であるからである。
【0004】
ところで、撮影レンズ交換式の電子撮影装置では、いわゆるセンサダストの写り込みという問題が生じやすい。これは、撮像素子の受光面を覆うカバーガラス、あるいはその近傍に配設される光学的ローパスフィルタ(OLPF)等の表面に付着する細かな塵埃(これがセンサダストである)の影が画像に写り込む現象である。撮影レンズ交換式の電子カメラでは、撮像素子と撮影レンズとの間を密封構造とすることが難しい。そのため、撮影レンズの交換時にカメラ本体内に塵埃が入りやすい。また、フォーカルプレンシャッタの作動による機構部品同士のこすれや、交換レンズ着脱時のマウント部のこすれ等によって生じる微細な粉もセンサダストの一因となりうる。
【0005】
上記センサダストの問題に対応するため、特許文献1には一眼レフレックス方式の電子カメラにおいて、機械式のフォーカルプレンシャッタと撮像素子との間にガラス板を配設し、そのガラス板を圧電体で加振して、ガラス板の表面に付着した塵埃をはね飛ばして除去する構成が開示される。
【0006】
ところで、機械式のフォーカルプレンシャッタは、露光時間を画定するための先幕および後幕と、これらの先幕および後幕を駆動するための駆動機構を備える。また、この駆動機構内に備えられるスプリングをチャージするためのチャージモータやチャージ機構等をカメラ内に備える必要があり、カメラの大型化を招く。特許文献2には、液晶シャッタを備えて、機械式のフォーカルプレンシャッタやチャージモータ、チャージ機構を省略してカメラの小型化を可能とする構成が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4282226号公報
【特許文献2】特開2009−5262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示される電子カメラでは、機械式のフォーカルプレンシャッタを備える構成のため、カメラ本体を小型化するのが困難となる。この点、特許文献2に開示される電子カメラでは、液晶シャッタを用いることにより、カメラ本体の小型化には有利である。しかし、塵埃を除去するための構成については特許文献2には開示されていない。
【0009】
また、液晶シャッタは、液晶物質を内部に封止して重ね合わされる二枚のガラス板の両方の外側面に樹脂製の偏光フィルムが配置される。樹脂製のフィルムは帯電しやすく、液晶シャッタの近傍で舞う塵埃が静電気によって液晶シャッタに吸着されることもある。こうした課題について、特許文献2には記載がない。
【0010】
本発明は上記の課題に鑑み、なされたもので、電子撮影装置の本体の小型化を可能とし、撮像素子の受光面近傍に塵埃が存在して写り込むのを抑制可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、電子撮影装置が、
撮影レンズを通して入射する被写体光を電気信号に変換する撮像素子と、
前記撮影レンズと前記撮像素子との間に設けられる光透過部材と、
前記光透過部材を加振して屈曲振動させる加振部と、
前記光透過部材と前記撮像素子との間に設けられ、電圧印加状態を切り替えることにより、前記被写体光の前記撮像素子への入射を可能とする透光状態と、前記被写体光の前記撮像素子への入射を阻止する遮光状態とに切り替えが可能な物性シャッタ部と、
前記光透過部材と前記撮像素子との間に形成される空間を囲繞して密閉する密閉構造部と
を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電子撮影装置本体の小型化が可能となり、撮像素子の受光面近傍に塵埃が存在して写り込むのを抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】電子カメラの前面、上面、左側面、右側面および下面を示す五面図である。
【図1B】電子カメラの背面を示す図である。
【図2A】電子カメラの、図1A中に示される正面図のII−II断面を示す横断面図である。
【図2B】図2Aに示される電子カメラの横断面の要部を拡大して示す図である。
【図3】電子カメラの、図1A中に示される正面図のIII−III断面を示す横断面図である。
【図4】電子カメラの、図1A中に示される正面図のIV−IV断面を示す縦断面図である。
【図5】図4に示される縦断面図に交換レンズを装着した様子を示す縦断面図である。
【図6】電子カメラの主要部の構成を示す分解斜視図である。
【図7】図2Bに示される電子カメラの要部の横断面図におけるVII−VII断面を示す縦断面図である。
【図8】図2Bに示される電子カメラの要部の横断面図におけるVIII−VIII断面を示す縦断面図である。
【図9】図2Bに示される電子カメラの要部の横断面図におけるIX−IX断面を示す縦断面図である。
【図10】電子カメラの、図1A中に示される正面図のX−X断面を示す縦断面図である。
【図11】前カバーをその背面側から見た様子を示す図である。
【図12】電子カメラの内部構成を説明するブロック図である。
【図13A】第1の実施の形態に係る電子カメラの制御部で実行される静止画像撮影動作の制御手順を説明するフローチャートである。
【図13B】図13Aのフローチャートに続く処理手順を説明するフローチャートである。
【図14A】第2の実施の形態に係る電子カメラの制御部で実行される静止画像撮影動作の制御手順を説明するフローチャートである。
【図14B】図14Aのフローチャートに続く処理手順を説明するフローチャートである。
【図15A】第3の実施の形態に係る電子カメラの制御部で実行される静止画像撮影動作の制御手順を説明するフローチャートである。
【図15B】図15Aのフローチャートに続く処理手順を説明するフローチャートである。
【図16A】第4の実施の形態に係る電子カメラの制御部で実行される静止画像撮影動作の制御手順を説明するフローチャートである。
【図16B】図16Aのフローチャートに続く処理手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、電子撮影装置として、撮影レンズ交換式のミラーレス電子カメラに本発明が適用される例について説明する。図1A、図1Bは、本発明の実施の形態に係る電子カメラ100の外観を概略的に説明する図であり、図1Aは、正面、上面、下面、右側面、左側面の各図からなる五面図を示している。図1Bは、背面図を示している。つまり、図1A、図1Bによって六面図が構成されている。
【0015】
電子カメラ100の構成要素の配置等を説明する際に理解を容易にすることを目的として、電子カメラ100で生成される画像は横長のアスペクト比を有するものとして説明する。そして、横長の画像が得られる電子カメラ100の撮影姿勢を横位置と称し、縦長の画像が得られる撮影姿勢を縦位置と称する。
【0016】
図1Aでは、横位置の姿勢にある電子カメラ100の正面図が五面図中の中央に示され、その正面図の上下左右の位置に対応して、上面図、下面図、左側面図、右側面図が描かれる。正面図には、図1Aの紙面に沿う横方向にX軸が、縦方向にY軸が描かれている。図1A中の正面図において、これらのX軸、Y軸は、電子カメラ100に装着される撮影レンズの光軸(以下では撮影レンズの光軸を単に光軸と称する)の通る位置を原点として互いに直交する座標系をなすものとする。つまり、(X,Y)=(0,0)の位置が光軸の通る位置となる。なお、図1Aにおいて同じ種類の構成要素が図示されている場合、図を見やすくすることを目的として、それら同じ種類の構成要素のうち、いずれか一つに引き出し線および符号を付す。
【0017】
本明細書では、横位置の姿勢にある電子カメラ100を被写体側から見たときに、Y軸よりも左に向かう側をグリップ側、右に向かう側を反グリップ側と称する。また、右側面図に示されるように、X軸を基準として、上に向かう側を上側、下に向かう側を下側と称する。さらに、上面図に示されるように、被写体に近づく方向を前方、遠ざかる方向を後方と称する。また、X軸と平行な方向をX軸方向、Y軸に平行な方向をY軸方向と称する。加えて、電子カメラ100およびその構成要素が有する面の向きを説明する際に、電子カメラ100が横位置の姿勢で被写体に向けられている状態で、被写体側に向く面を前面、その反対向きの面を背面、上を向く面を上面、下を向く面を下面、左を向く面を左側面、右を向く面を右側面と、それぞれ称する。
【0018】
電子カメラ100の本体部は前カバー102と後カバー104とによって覆われる。電子カメラ100のグリップ側における上面にはレリーズ釦106が備えられる。また、反グリップ側における前面上側には閃光発光部152が、グリップ側における前面上側にはAF補助光源108が備えられる。閃光発光部152は、静止画撮影時、必要に応じて閃光を発し、被写体を照明する。AF補助光源108は、被写体輝度が低くて十分な焦点調節精度を得にくい状況のときに、被写体に向けて補助光を照射可能に構成される。
【0019】
電子カメラ100は、撮影レンズを着脱可能に装着するためのマウント110を備える。以下では、撮影レンズ側のマウントと区別するため、マウント110をボディマウント110と称する。ボディマウント110は、光軸の通る位置を中心とする円環状の形状を有し、複数のねじ112によってマウント保持部200に固定される。ボディマウント110は、ステンレスや真鍮等の金属、あるいはガラス繊維やカーボン繊維で強化した熱可塑性の樹脂等、比較的高い強度と剛性を有する材料で形成されていることが望ましい。ボディマウント110が比較的高剛性の材料で形成されることにより、撮影レンズとカメラボディとの間で光学精度を良好に維持可能なだけでなく、ボディマウント110とねじ112で締結されたマウント保持部200自体の剛性を増すことが可能となる。
【0020】
マウント保持部200の、ボディマウント110が取り付けられる面の裏側(背面側)には、後方に向かって延出する後方延出部200aが設けられる。図1Aにおいて後方延出部200aは破線で示されていて、矩形の断面を有するものとして描かれている。つまり、後方延出部200aは四角柱状の形状を有する複数の突起により構成されるものとして描かれている。しかし、後方延出部200aの形状は必要に応じて円柱状としてもよいし、異なる形状を有する突起の組み合わせであってもよい。あるいは、後方延出部200aは、複数の柱状のものが立設されるのに代えて、板状あるいは箱状の構造をなすものであってもよい。マウント保持部200は、ボディマウント110と、後述する光学素子や撮像素子との位置関係、寸法関係を高い精度で維持するフレームとして機能する。マウント保持部200は、ガラス繊維やカーボン繊維等で強化した熱可塑性樹脂を用いて射出成形により形成することが可能である。あるいは、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金等を用いて鋳造により形成することも可能である。
【0021】
反グリップ側において、前カバー102とマウント保持部200とは、二本のねじ116により固定される。前カバー102を、例えばステンレス板やアルミ合金の板をプレス成形して、あるいはアルミ合金やマグネシウム合金等を用いて鋳造によって形成されたものとすると、前カバー102およびマウント保持部200は、ねじ116によって締結されるので、マウント保持部200の剛性を高めることが可能となる。
【0022】
なお、前カバー102およびマウント保持部200が共に熱可塑性樹脂による射出成形、あるいは鋳造用合金を用いてダイカストあるいはチクソモールディング等により形成される場合、これらの前カバー102およびマウント保持部200が一体成形されていてもよい。その場合には、ねじ116は不要となる。
【0023】
マウント保持部200の下側において、ボディマウント110の開口部の内側部分には複数の信号接点118が円弧状に配列される。撮影レンズの側にも後述するように信号接点が設けられ、撮影レンズと電子カメラ100とは、ボディ側、レンズ側双方のレンズ接点を介して電気的に接続される。以下ではレンズ側に設けられる信号接点と区別するために信号接点118をボディ側信号接点118と称する。
【0024】
電子カメラ100の反グリップ側におけるボディマウント110の後方(背面側)の位置には、閃光発光部152から閃光を発する際に用いられるエネルギを一時的に蓄えるメインコンデンサ150が配設される。メインコンデンサ150は、円筒状の形状を有し、その円筒軸が上下方向(Y軸に平行な方向)に延在するようにして閃光発光部152の下部に配置される。
【0025】
電子カメラ100のグリップ側における上面にはレリーズ釦106が設けられる。本発明の実施の形態において、電子カメラ100にはレリーズ釦106が一つ設けられるものとして説明するが、複数のレリーズ釦が設けられていてもよい。その場合、静止画撮影開始用、動画撮影開始用、などのように、撮影機能に応じたレリーズ釦が設けられていてもよいし、横位置、縦位置の撮影姿勢に応じて操作しやすいそれぞれの位置にレリーズ釦が設けられていてもよい。
【0026】
電子カメラ100のグリップ側、さらに詳しくはマウント保持部200よりもグリップ側の位置には電池室122が設けられる。電池室122には、乾電池、あるいは充電式の電池が装着される。電子カメラ100の底部には、ユーザによって開閉自在に構成される蓋132が設けられ、この蓋132を開いて電池を着脱することができる。また、電子カメラ100で撮影して生成された画像データを記録するためのメモリカードも、蓋132を開いて挿抜可能に構成される。
【0027】
電子カメラ100のグリップ側における電池室122の後方には、左側面図に示されるように外部コネクタ126と制御プリント板124とが配設される。外部コネクタ126は、USBやHDMI(登録商標)等の規格に準拠したもので、外部機器との間で画像データや音声データを授受する際にケーブルが接続される。制御プリント板124には、撮像素子から出力された画像信号をもとに画像データを生成し、表示、記録するための処理を行う画像処理部や、電子カメラ100の動作を全体的に制御するコントローラが実装される。
【0028】
電子カメラ100の底部には、三脚取付部130が設けられる。三脚取付部130には、三脚ねじをねじ込むためのねじ穴が形成される。本実施の形態に係る電子カメラ100において、このねじ穴の中心は、光軸の通る位置の近傍に設けられている。
【0029】
図1Bを参照して、電子カメラ100の背面に備えられる構成要素について説明する。電子カメラ100の背面におけるグリップ側には操作部材128と電源スイッチ304とが設けられる。操作部材128は、押し釦スイッチの形式以外に、ダイヤル、シーソースイッチ、スライドスイッチ等、様々な方式のものとすることが可能である。電源スイッチ304についても操作部材128と同様、任意の操作形態のスイッチとすることが可能である。
【0030】
電子カメラ100の背面には表示装置300が設けられる。この表示装置300は、TFTカラー液晶表示パネルとバックライト装置とを備え、動画像、静止画像、文字情報、アイコン等を表示可能に構成される。あるいは、カラー有機EL表示素子等の、自発光式の表示パネルを備えるものであってもよい。また、表示装置300の表面にタッチパネルが設けられていて、このタッチパネルと、表示装置300に表示されるGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)とによって操作部材128が構成されていてもよい。
【0031】
表示装置300の上方には、電子ビューファインダ302が設けられる。電子ビューファインダ302の構成については後で図4を参照して説明する。
【0032】
図2Aは、図1AのII−II断面、すなわち光軸を含む水平面に沿う断面を示す横断面図である。図2Bは、図2A中の要部を拡大して示す図である。ボディマウント110およびこのボディマウント110を保持するマウント保持部200の後方に手振れ補正部250が配置される。手振れ補正部250は、後で詳細に説明するように、マウント保持部200の後方延出部200aに固定されている。
【0033】
手振れ補正部250によってX軸方向およびY軸方向に沿って移動可能に保持される保持部材216に、撮像素子214および光学保持部材210が固定される。保持部材216は、撮像素子214から発せられる熱を吸って放出する放熱板としての機能も有する。撮像素子214は、保持部材216の裏面(撮像素子214がマウントされる側の面に対して反対側の面)において撮像基板218と電気的に接続される。この撮像基板218もまた、保持部材216の裏面に固定される。撮像基板218には、その裏側面(後方に向く面)にコネクタ222が、表側面(前方に向く面)にコネクタ224が設けられる。コネクタ222を介して撮像基板218とフレキシブルプリント基板(FPC)208の一端とが電気的に接続される。以下ではフレキシブルプリント基板208を接続FPC208と称する。接続FPC208の他端は制御プリント板124と電気的に接続される。すなわち、接続FPC208は、撮像基板218と制御プリント板124とを電気的に接続する。
【0034】
保持部材216上の、撮像素子214がマウントされる面上に光学保持部材210が固定される。光学保持部材210は、撮影レンズから撮像素子214の受光面に向かう光束を囲繞するように形成された枠体であり、光学保持部材210の矩形状の開口部には光学的ローパスフィルタ(OLPF)212と物性シャッタ220とが配置される。本実施の形態において、物性シャッタ220は液晶シャッタであるものとし、以下では液晶シャッタ220と称する。OLPF212の表面には、必要に応じて赤外の波長帯域の光をカットする特性を有する層を形成することができる。あるいは、光学保持部材210の内部にOLPF212とは別体に赤外カットフィルタが配置されていてもよい。
【0035】
液晶シャッタ220は、二枚の対向するガラス等の透明基板の間に液晶物質を封入したシャッタである。液晶シャッタ220の表面には、その表側の面(前方に向く面)および裏側の面(後方に向く面)に一枚ずつ、偏光フィルタが配置される。二枚の対向する透明基板それぞれの内面には透明電極が形成される。これらの透明電極に対する電圧の印加状態を切り替えることにより、液晶シャッタ220は撮影光束が通過する平面状の全面が一斉に透光状態と遮光状態とに切り替え可能に構成される。液晶シャッタ220は、いわゆるノーマリーホワイトのものであっても、ノーマリーブラックのものであってもよい。液晶シャッタ220がノーマリーホワイトのものである場合、無通電時に透光状態となる。つまり、シャッタとしては、ノーマリーオープンタイプのシャッタとなる。液晶シャッタ220がノーマリーブラックのものである場合、無通電時に遮光状態となる。つまり、シャッタとしては、ノーマリークローズタイプのシャッタとなる。
【0036】
シャッタFPC209の一端は液晶シャッタ220に電気的に接続される一方、他端はコネクタ224に電気的に接続される。コネクタ224の各接点とコネクタ222の各接点とは撮像基板218を介して電気的に接続されているので、液晶シャッタ220と制御プリント板124とがシャッタFPC209、接続FPC208を介して電気的に接続される。
【0037】
光学保持部材210の被写体側に位置する面には、弾性を有する支持体228を介して加振部226が配置され、さらにその被写体側に硝材等の光透過部材で形成された振動板206が配置される。本実施の形態において、加振部226は圧電素子であるものとし、以下では圧電素子226と称する。支持体228および圧電素子226は、光学保持部材210の矩形状の開口部を囲繞する枠状の形状を有するものとする。圧電素子226は、振動板206の裏側面(後方に向く面)に固着されていて、圧電素子226で生じる振動(変形)がより確実に振動板206に伝わるように構成される。支持体228および振動板206は、後述する方法によって光学保持部材210に固定される。
【0038】
圧電素子FPC211の一端は圧電素子226に電気的に接続される一方、他端はコネクタ224に電気的に接続される。先にも説明したように、コネクタ224の各接点とコネクタ222の各接点とは撮像基板218を介して電気的に接続されているので、圧電素子226と制御プリント板124とが圧電素子FPC211、接続FPC208を介して電気的に接続される。
【0039】
振動板206および圧電素子226を弾性支持する支持体228は、圧電素子226で生じる振動が電子カメラ100内の振動板206以外の構成要素に伝わるのを抑制するとともに、圧電素子226および振動板206の自由な振動をできるだけ妨げない物性を有していることが望ましい。そのような物性を備えるものとしては、ゲル状素材やゴム等の材料がある。本実施の形態において、支持体228はシリコーンゴムで形成されるものとする。シリコーンゴムは、温度変化による硬度変化が比較的少なく、経年劣化が比較的少ない点で優れる。
【0040】
上述した振動板206、圧電素子226は、支持体228を介して光学保持部材210に取り付けられている結果、密閉構造部が形成される。その結果、液晶シャッタ220、OLPF212、および撮像素子214は密封されて、内部への塵埃の進入が抑止される。圧電素子226は、電子カメラ100の電源投入時、あるいは電源をオフする前のタイミング等において一定時間駆動される。これにより、圧電素子226によって振動板206が加振される。従って、振動板206の表面に塵埃が付着されていたとしても、その塵埃は振動板206の振動によってはね飛ばされて除去される。
【0041】
以上のように、撮像素子214、OLPF212、液晶シャッタ220、支持体228、圧電素子226、振動板206などと云った構成要素が保持部材216上に固定される。また、保持部材216の裏面側において撮像基板218が固定される。手振れ補正部250がX−Y平面に平行な平面内で保持部材216を駆動することにより、保持部材216上に固定された上記の各構成要素は一体となってX−Y平面に平行な平面内で移動する。
【0042】
手振れ補正部250は、電子カメラ100の揺れを検出する手振れセンサを備える。この手振れセンサからの信号と、装着されている撮影レンズの焦点距離とに基づき、撮像素子214の受光面上で生じる像ブレの大きさが算出される。そして、算出された像ブレが減じられるように保持部材216がX軸方向およびY軸方向に駆動される。このとき、撮像基板218と制御プリント板124との相対位置が逐次変化する。この相対位置の変化に対応するべく、接続FPC208にはたるみ部208aが設けられている。
【0043】
手振れ補正部250は、側方延出部250bを有し、この側方延出部250b内に、保持部材216をY軸方向(図2の紙面に直交する方向)に沿って駆動するためのアクチュエータが内蔵される。このアクチュエータとしては、超音波アクチュエータ、ステッピングモータや、VCM(ヴォイスコイルモータ)とも称されるムービングコイル式アクチュエータ、あるいはムービングマグネット式アクチュエータ等を用いることが可能である。側方延出部250bは、反グリップ側においてメインコンデンサ150の背面を覆う位置にまで延出している。
【0044】
メインコンデンサ150は、両面粘着テープ252によってマウント保持部200に接着、固定される。両面粘着テープ252は、紙や不織布、あるいはプラスチックフイルム等を基材とする薄手のものであってもよいが、発泡体等を基材とする厚手のものを用いることが可能である。両面粘着テープ252として厚手のものを用いた場合、閃光装置の発光に伴い、メインコンデンサ150で生じる振動を両面粘着テープ252で吸収することが可能となる。逆に、薄手の両面粘着テープ252でマウント保持部200に接着することにより、メインコンデンサで生じる振動をマウント保持部200の剛性で押さえ込むことが可能となる。
【0045】
メインコンデンサ150は、図2Aに示されるように、マウント保持部200の、ボディマウント110が固定される部分の裏面側(ボディマウント取付面の後方の背面側)に配置される。つまり、ボディマウント110といわば剛体接続されて剛性の高められた部分にメインコンデンサ150が固定される。
【0046】
図2Aに示されるように、制御プリント板124および電池室122は、光軸よりもグリップ側に配置される。さらに、制御プリント板124は電池室122の後方に配置される。図2Aでは、電池室122に電池Bが装着された様子が示されている。また、電子カメラ100に対して着脱可能に装着されるメモリカードMCは、電池室122と制御プリント板124との間に配置される。そして、先にも説明したように、電子カメラ100の底部に設けられた蓋132を開けてこれら電池BおよびメモリカードMCの着脱をすることが可能に構成される。メモリカードMCの配置位置は、制御プリント板124の後方であってもよい。また、メモリカードMCを着脱する際に開閉する蓋として、上記の蓋132とは別のものが設けられていてもよい。
【0047】
図3は、図1におけるIII−III断面、すなわち上側および下側において各二つの後方延出部200aが備えられる様子が図1に示されるが、それらのうち、下側に設けられる後方延出部200aを通る水平面に沿う断面を示す横断面図である。図3には、撮像素子214の下側に設けられる後方延出部200aが、手振れ補正部250の下方延出部250aと、ねじ254によって固定される様子が示されている。図3からも明らかなように、ボディマウント110、マウント保持部200、手振れ補正部250がねじ締結されて一体化されている。また、マウント保持部200の反グリップ側でメインコンデンサ150が取り付けられる部分の正面側において、前カバー102がねじ116によって締結される。前カバー102を金属製とすると、前カバー102とマウント保持部200とがねじ締結されることにより、マウント保持部200の剛性を増すことが可能となる。
【0048】
図4は、図1におけるIV−IV断面、すなわち光軸を含む鉛直面に沿う断面を示す縦断面図である。手振れ補正部250は、下方延出部250aを有し、この下方延出部250a内に、保持部材216をX軸方向(図4の紙面に直交する方向)に沿って駆動するためのアクチュエータが内蔵される。このアクチュエータとしては、保持部材216をY軸方向に沿って駆動するためのアクチュエータと同様のものとすることが可能である。下方延出部250aは、撮像素子214の下端部よりもさらに下側に延出している。
【0049】
手振れ補正部250の上側に、電子ビューファインダ302が配置される。電子ビューファインダ302は、小型の透過型液晶表示ユニットと、この透過型液晶表示ユニットをその背面側から照明するバックライト照明装置と、液晶表示ユニット上に形成される像を撮影者が拡大して観察するための拡大光学系とを備える。電子ビューファインダ302の接眼部に眼を近づけることにより、撮影者はライブビュー画像や再生画像、あるいは撮影情報等を観察することが可能となる。
【0050】
三脚取付部130は、手振れ補正部250の下方延出部250aよりも前方に配置されている。ボディ側信号接点118は、三脚取付部130の前方、上側に配置される。
【0051】
図5は、図4と同じく、図1におけるIV−IV断面を示したものであり、交換レンズ(撮影レンズ)320を装着した状態を示している。交換レンズ320は、レンズ素子324と、鏡枠326と、マウント322(ボディ側のマウントと区別するため、以下ではレンズマウント322と称する)と、レンズ側信号接点328と、レンズ制御部330と、フォーカスアクチュエータ332と、絞りアクチュエータ334とを備える。
【0052】
ボディマウント110にレンズマウント322を嵌合させて締結するとボディ側信号接点118とレンズ側信号接点328とが接触する。そして、電子カメラ100の電源を投入すると、レンズ制御部330、フォーカスアクチュエータ332、絞りアクチュエータ334に、電子カメラ100から電力が供給される。そして、電子カメラ100と交換レンズ320との間で通信が行われ、双方の間での情報の授受と、電子カメラ100から交換レンズ320に対する絞り制御信号およびフォーカス制御信号の出力が行われる。レンズ制御部330は、電子カメラ100から受信した絞り制御信号に基づいて絞りの開度を調節し、同じく、電子カメラ100から受信したフォーカス制御信号に基づいて焦点調節用レンズの駆動を行う。
【0053】
図6は、電子カメラ100の主要部を示し、マウント保持部200にボディマウント110、手振れ補正部250、光学保持部材210、メインコンデンサ150等が取り付けられる様子を説明する分解斜視図で、背面側から見た様子を示している。図6において、ねじ112、205、230、254はいずれも四本ずつ用いられるが、それぞれ一本だけ図示してある。また、ねじ205によって光学保持部材210に取り付けられる押圧部材207も四つ用いられるが、一つだけ図示してある。同様に、マウント保持部200には四つの後方延出部200aが設けられる様子が示されているが、引き出し線および符号は一つだけに付されている。
【0054】
ボディマウント110は、四本のねじ112によってマウント保持部200の前面に固定される。メインコンデンサ150は、マウント保持部200の背面側に設けられた取付面200cに両面粘着テープ252を介して接着される。
【0055】
保持部材216の前面側には撮像素子214がマウントされ、背面側には撮像基板218が固定される。撮像素子214と撮像基板218とは電気的に接続される。撮像基板218には、コネクタ222を介して接続FPC208が電気的に接続される。
【0056】
光学保持部材210の矩形状の開口部に、OLPF212と液晶シャッタ220(図6では図示されず)が組み込まれ、固定される。光学保持部材210は、保持部材216に四本のねじ230によって固定される。保持部材216は、手振れ補正部250の下側に延出する部分である下方延出部250aと、同じく手振れ補正部250の反グリップ側の側方に延出する部分である側方延出部250bとに設けられる手振れ補正用のアクチュエータと機械的に接続される。
【0057】
光学保持部材210の前面側には、圧電素子226が固着された振動板206が弾性を有する支持体228を介して配置され、同じく弾性を有する押圧部材207が振動板206を支持体228とで挟むようにねじ205によって固定される。その結果、圧電素子226および振動板206は、支持体228、押圧部材207によって光学保持部材210の前面側で弾性保持される。押圧部材207は一例として、ばね性を有する銅合金やステンレス等の圧延材料からプレス加工等によって形成される。先にも説明したように、押圧部材207、ねじ205はそれぞれ四つ用いられるが、図6では一組だけが図示されている。
【0058】
マウント保持部200の背面側において後方に延出する部分である後方延出部200aは、撮像素子214の上側において二つ、下側において二つ設けられている。そして撮像素子214の上側に位置するように設けられる後方延出部200aは、手振れ補正部250において撮像素子214よりも上側の位置に設けられる貫通穴に挿入されたねじ254によって手振れ補正部250と締結される。一方、撮像素子214の下側に位置するように設けられる後方延出部200aは、手振れ補正部250の下方延出部250aに設けられる貫通穴に挿入されたねじ254によって手振れ補正部250と締結される。また、三脚取付部130は、撮像素子214よりも下側の位置に設けられる二本の後方延出部200aの間に位置する。
【0059】
光学保持部材210への振動板206等の取り付け構造について図7、図8、および図9を参照して説明する。これら図7、図8、図9はそれぞれ、図2Bにおける断面VII−VII、断面VIII−VIII、断面IX−IXを示している。
【0060】
図7においては、光学保持部材210の矩形状の開口に、その前側(図7の左側)から液晶シャッタ220が挿入され、支持体228、圧電素子226、振動板206が配置されて液晶シャッタ220を覆う様子が示されている。また、光学保持部材210の後側(図7の右側)からOLPF212が挿入され、撮像素子214および保持部材216が配置される様子が示されている。
【0061】
図8においては、光学保持部材210の前側に配置された支持体228、圧電素子226、振動板206が、押圧部材207を介してねじ205によって光学保持部材210に固定される様子が示されている。また、光学保持部材210に保持部材216がねじ230によって固定される様子が示されている。
【0062】
図9においては、シャッタFPC209および圧電素子FPC211を光学保持部材210の外部に引き出すための構造が示されている。光学保持部材210の前側の表面には、シャッタFPC209の厚みおよび幅と略同寸法の浅い溝210cが形成される。その溝210cを通してシャッタFPC209は光学保持部材210の外部に引き出される。一方、圧電素子FPC211は、圧電素子226と支持体228との間から引き出される。このとき、支持体228が弾性変形して、圧電素子FPC211を光学保持部材210の外部に引き出すための空間が確保される。なお、支持体228の表面に溝210cと同様の溝を形成することも可能である。振動板206が押圧部材207により光学保持部材210に向かって押圧され、その押圧力により圧電素子226、圧電素子FPC211、支持体228、シャッタFPC209、光学保持部材210の間の気密構造が確保される。また、シャッタFPC209、圧電素子FPC211の存在しない部分においては、振動板206が押圧部材207により光学保持部材210に向かって押圧され、その押圧力により圧電素子226、支持体228、光学保持部材210の間の気密構造が確保される。以上の構成により、光学保持部材210の内部への塵埃の進入が抑制される。
【0063】
以上のように、電子カメラ100は機械式のフォーカルプレンシャッタに代えて、フォーカルプレン式の平板状の液晶シャッタ220を備える。そのため、フォーカルプレンシャッタの幕を駆動するための駆動機構や、シャッタチャージのためのアクチュエータや機構等が不要となり、電子カメラ100の構成を単純化し、電子カメラ100の小型・軽量化が可能となる。
【0064】
撮像素子214について説明する。本実施の形態において撮像素子214は、露光動作の開始および終了を電気的に制御可能なスイッチング素子を備え、いわゆる電子シャッタの方式で露光動作を制御可能に構成される。このとき、撮像素子214は、ローリングシャッタの方式で線順次に露光が行われるものであってもよいが、グローバルシャッタの方式で露光が行われることが望ましい。グローバルシャッタの方式で露光動作可能な撮像素子214としては、CCD撮像素子であってもCMOS撮像素子であってもよい。グローバルシャッタの方式で露光が行われることが望ましい理由は、シャッタ透過光の影響を最小化するためである。
【0065】
ここで、シャッタ透過光とは、シャッタが遮光状態にあるときに透過する光を意味する。交換レンズ320を通って液晶シャッタ220に入射する被写体光の照度が極端に大きいと、液晶シャッタ220が遮光状態にあっても透過して撮像素子214の受光面に達する光の影響が無視できなくなる。例えば、撮像素子214がローリングシャッタの方式のものである場合、一連の露光動作が完了して液晶シャッタ220が遮光状態となった後のシャッタ透過光の光量が大きいと、画像信号をまだ読み出していない画素において電荷が増加してしまうことになる。この点、グローバルシャッタ方式の露光が行われるものでは、以下に説明するように、本来の露光動作で得られた電荷が保存されるので、露光動作完了後に画像信号読み出し前の画素の光電変換部に光が当たっても、その影響は殆ど無い。
【0066】
撮像素子214として電子カメラ用に広く用いられるタイプのインタライン転送方式のCCD(IT−CCD)を用いると、グローバルシャッタ方式の露光が可能となる。つまり、全画素で不要電荷の吐き出しを略同時に行い、所定の露光時間が経過した後に、各画素の光電変換部に蓄積された電荷を一斉に転送チャネルに転送することにより、撮像素子214上の全画素において略同時に蓄積動作の開始と停止とを行うことが可能となる。IT−CCDを用いることにより、本来の露光動作で得られた電荷は露光動作完了時に転送チャネル(垂直CCD)に転送されるので、画像信号の出力動作中にシャッタ透過光が光電変換部に入射して光電変換部で電荷が生じても、その影響は殆ど無い。
【0067】
撮像素子214がグローバルシャッタ方式の露光が可能なCMOSセンサである場合、全画素において略同時に光電変換部およびフローティングディフュージョン領域に存在する電荷をクリアすることが可能に構成される。また、各画素の光電変換部とフローティングディフュージョン領域との間にスイッチング素子が配設されていて、これらのスイッチング素子を略同時にオン/オフできる。つまり、上述した電荷のクリアを全画素で略同時に行い、所定の露光時間が経過した後に、上記スイッチング素子を全画素で略同時にオフすることにより、撮像素子上の全画素において略同時に蓄積動作の開始と停止とを行うことが可能に構成される。このように、撮像素子214がグローバルシャッタ方式の露光が可能なCMOSセンサである場合、本来の露光動作によって各画素の光電変換部で得られた電荷は、各画素のフローティングディフュージョン領域に逐次転送される。そして、露光動作の完了とともに光電変換部とフローティングディフュージョン領域との間に設けられるスイッチング素子をオフし、光電変換部とフローティングディフュージョン領域との間を遮断状態とすることが可能である。したがって、シャッタ透過光により光電変換部で電荷が生じたとしても、その電荷が未読画素のフローティングディフュージョン領域に移動することはなく、読み出される画像信号に影響を及ぼすことは、殆どない。
【0068】
グローバルシャッタ方式のCMOS撮像素子の構成については、例えば本出願人による特開2009−188650に詳しく開示されているので本明細書においてはその詳細な説明を省略する。
【0069】
図10は、図1におけるX−X断面、すなわち前カバー102とマウント保持部200とが反グリップ側においてねじ116で締結されている部分における縦断面を示す図である。閃光装置は、窓部材154と、反射傘156と、キセノン管158と、反射傘保持部材160と、閃光制御部162と、メインコンデンサ150とを備える。閃光発光部152は、メインコンデンサ150の上側に配置される。
【0070】
反射傘保持部材160は、反射傘156およびキセノン管158を保持する。反射傘156は、キセノン管158から発せられる光を被写体に向けて反射、集光する。窓部材154は、反射傘156で集光された光を均一化し、所望の照射角度が得られるように光の向きを定める。閃光制御部162は、電源から供給される直流の電圧を発振、昇圧、整流してメインコンデンサ150に電荷を蓄積する。閃光制御部162はまた、電子カメラ100の制御部から発せられる発光制御信号を受信するとキセノン管158での放電を開始する。まず、閃光発光部152から被写体に向けてプリ(予備)発光を行って、被写体からの反射光を測定し、これに基づいて適正な発光時間を算出する。続いて、閃光発光部152から被写体に向けて本発光を行い、予定の発光量に達したときにキセノン管158への通電を止めて発光を停止する。
【0071】
図10の縦断面図からも明かであるように、メインコンデンサ150は、横位置で構えられた電子カメラ100内において、メインコンデンサの円筒軸が鉛直方向に略平行となるように配置される。メインコンデンサ150はまた、ボディマウント110の後方かつ手振れ補正部250の前方に配置される。
【0072】
本実施の形態において、閃光発光部152は固定式であるものとするが、閃光装置の不使用時には閃光発光部152を電子カメラ100内に収納し、使用時には電子カメラ100から突出させる、いわゆるポップアップ式の構成を備えていてもよい。
【0073】
図11は、前カバー102単品をその背面側から見た様子を示す図である。前カバー102には、開口102bおよび102cが設けられる。開口102bには、窓部材154が取り付けられる。開口102cは、ボディマウント110が取り付けられる部分である。前カバー102にはまた、背面側に突出した座102aが二か所に設けられる。座102aの中央には、ねじ116と嵌合する開口が設けられる。前カバー102およびマウント保持部200をねじ116で締結したときに、前カバー102とマウント保持部200とは座102aで当接する。
【0074】
図11中にはメインコンデンサ150の配設位置が二点鎖線で描かれている。メインコンデンサ150は、前カバー102およびマウント保持部200がねじ116で締結される部分の後方に配置される。
【0075】
図12は、電子カメラ100の内部構成を概略的に説明するブロック図である。電子カメラ100は、撮像素子214と、撮像制御部400と、SDRAM402と、画像処理部404と、圧縮・伸長処理部406と、システムバス408と、制御部(CPU)410と、レリーズ釦106と、操作部材128と、電源スイッチ304とを備える。電子カメラ100はさらに、圧電素子駆動回路412と、圧電素子226と、液晶シャッタ駆動回路414と、液晶シャッタ220と、閃光制御部162と、閃光発光部152と、プログラム/データ記憶部424と、表示処理部418と、表示装置300と、電子ビューファインダ(EVF)302と、記録・再生処理部420と、画像記憶部422とを備える。上記構成要素の中には、既に説明したものも含まれるので、以下ではまだ説明していない構成要素を中心に電子カメラ100の構成を説明する。
【0076】
撮像制御部400、制御部410、画像処理部404、SDRAM402、プログラム/データ記憶部424、表示処理部418、圧縮・伸長処理部406、記録・再生処理部420は、システムバス408を介して電気的に接続される。
【0077】
撮像素子214は、アナログ・フロントエンドを内蔵するグローバルシャッタ方式の露光が可能なCMOS撮像素子であるものとする。そして、各画素から出力される画像信号に対して増幅、ノイズ低減、A/D変換等の処理が撮像素子214内で行われて、撮像素子214から画像処理部404に出力される画像信号はデジタル画像信号であるものとする。撮像制御部400は、制御部410から出力される制御信号に基づき、撮像素子214で行われる撮像の動作タイミングを制御する。
【0078】
SDRAM402は、比較的高速のアクセス速度を有するメモリで、制御部410で実行されるプログラムや、撮像素子214から出力されたデジタル画像信号を一時的に記憶するための記憶領域として用いられる。SDRAM402に対するアクセスは、画像処理部404、制御部410、圧縮・伸長処理部406、表示処理部418、および記録・再生処理部420のいずれからも可能に構成される。
【0079】
制御部410は、プログラム/データ記憶部424から読み出されてSDRAM402上に一時的に記憶されたプログラムを解釈・実行し、電子カメラ100の動作を統括的に制御する。制御部410には、レリーズ釦106、操作部材128、電源スイッチ304、圧電素子駆動回路412、液晶シャッタ駆動回路414、閃光制御部162が接続される。制御部410は、ユーザによる電源スイッチ304、操作部材128、レリーズ釦106の操作に基づき、撮像制御部400、圧電素子駆動回路412、液晶シャッタ駆動回路414、閃光制御部162等に制御信号を出力する。
【0080】
圧電素子駆動回路412は、制御部410から出力される制御信号に基づいて高圧の交番電圧を生成し、圧電素子226に印加する。これにより、圧電素子226は振動を発生する。液晶シャッタ駆動回路414は、制御部410から出力される制御信号に基づいて液晶シャッタ220に所定の波形の電圧を印加し、あるいは電圧の印加を解除する。これにより、液晶シャッタ220は被写体光を撮像素子214の受光面上に導く透光状態、または被写体光の撮像素子214への入射を阻止する遮光状態に切り替えられる。
【0081】
閃光制御部162は、制御部410から出力される制御信号に基づき、メインコンデンサ150への充電動作や、先に図10を参照して先に説明したように閃光発光部152での閃光動作や閃光時の発光量を制御する。
【0082】
制御部410により行われる電子カメラ100の制御動作の例については、図13以降に示されるフローチャートを参照して後で説明する。
【0083】
画像処理部404は、撮像素子214から得られたデジタル画像信号に、ホワイトバランス、デモザイキング、シェーディング補正、色相補正、彩度補正、コントラスト補正、シャープネス補正等の処理を行い、画像データを生成する。なお、本明細書において、撮像素子214から出力されてデモザイク処理が行われる前のものを画像信号と称し、画像処理部404で処理が行われた後のものを画像データと称して区別する。画像処理部404はまた、電子カメラ100が撮影モードで動作しているときに、ライブビュー表示用の画像データを生成し、SDRAM402内に確保されるVRAM領域に一時的に記録することを逐次行う。表示処理部418は、SDRAM402のVRAM領域に記録される表示用の画像データに基づくライブビュー画像を表示装置300または電子ビューファインダ302に出力する。
【0084】
圧縮・伸長処理部406は、静止画像データ、動画像データの圧縮・伸長処理を行う。電子カメラ100が撮影モードに設定されて静止画、動画の記録が行われる場合、圧縮・伸長処理部406はSDRAM402上に一時的に記憶される画像データに圧縮処理をする。記録・再生処理部420は、圧縮・伸長処理部406で圧縮処理された画像データにメタデータ等を付加して所定のフォーマットの画像ファイルを生成し、画像記憶部422に出力する。画像記憶部422は、フラッシュメモリ等の、不揮発性のメモリで構成される。画像記憶部422は、メモリカードとして電子カメラ100に対して着脱自在に構成されていてもよいし、電子カメラ100の内蔵メモリとして構成されていてもよい。その場合、画像記憶部422とプログラム/データ記憶部424とが一体に構成されていてもよい。
【0085】
一方、電子カメラ100が再生モードに設定されて、ユーザが所望の画像を選択した場合、記録・再生処理部420は、該当する画像ファイルを画像記憶部422から読み出す。圧縮・伸長処理部406は、読み出された画像ファイル中に収容される圧縮画像データに伸長処理を施し、SDRAM402上に確保されるVRAM領域に一時的に記録する。表示処理部418は、SDRAM402のVRAM領域に記録されている画像データに基づく画像を表示装置300または電子ビューファインダ302に出力する。
【0086】
− 第1の実施の形態 −
図13Aおよび図13Bは、本発明の第1の実施の形態に係る電子カメラ100の制御部410で実行される静止画像撮影動作の制御手順を概略的に説明するフローチャートである。電子カメラ100は、図1から図12を参照して先に説明した構成を備える。図13のフローチャートに示される処理は、電源オフの状態にある電子カメラ100の電源スイッチ304が操作されて電源オンの状態に切り替えられたときに制御部410により実行される。
【0087】
なお、第1の実施の形態において、液晶シャッタ220はいわゆるノーマリーオープンタイプのシャッタであるものとする。すなわち、無通電のときに透光状態となるシャッタであるものとする。つまり、図13のフローチャートに示される処理が開始される時点で液晶シャッタ220は透光状態にあるものとする。また、自動焦点調節やライブビュー画像表示のための処理等が実際には行われるが、説明を簡易化して理解を容易にするため、それらの処理ステップについては図示および説明を省略する。
【0088】
S1300において制御部410は、圧電素子駆動回路412に制御信号を出力し、一定の時間にわたり圧電素子226を駆動して振動板206を加振する。すなわち、振動板206の表面に塵埃が付着している場合に、それを除去する動作を行う。
【0089】
S1302において制御部410は、現状の動作モードが撮影モードであるか否かを判定する。S1302での判定が肯定されると処理はS1304に進む一方、否定されるとS1370に分岐する。
【0090】
S1302での判定が肯定された場合、制御部410はS1304において、ユーザによるレリーズ操作が検出されたか否かを判定する。S1304での判定が肯定されると処理はS1306に進み、否定されるとS1350に分岐する。
【0091】
S1304での判定が肯定された場合の分岐先であるS1306において制御部410は、測光値を取得する。測光値の取得に際し、電子カメラ100に専用の測光センサが備えられる場合には、制御部410はその測光センサから出力される信号を入力して測光値を取得する。あるいは、ライブビュー表示のための撮像動作が撮像素子214で繰り返し行われる場合、撮像素子214から得られる画像信号を処理して測光値を取得することも可能である。
【0092】
S1308において制御部410は、S1306での測光値取得処理の結果と、電子カメラ100で設定されている露光モード、交換レンズ320の焦点距離(交換レンズ320が変倍光学系を有するものである場合には設定焦点距離)、設定感度等に応じて設定絞り値と露光時間(シャッタ速度)とを導出する。設定絞り値および露光時間の導出は、演算やルックアップ・テーブルを参照すること等によって行われる。
【0093】
S1310において制御部410は、設定絞り値の情報と絞り込み開始の制御信号とを交換レンズ320に出力する。S1312において制御部410は、撮影レンズ320から絞り込み動作完了信号を受信したか否かを判定し、この判定が否定される間、S1312の処理を繰り返し行って絞り込み動作の完了を待つ。S1312での判定が肯定されると処理はS1314に進む。
【0094】
S1314において制御部410は、撮像素子214での露光を開始するよう撮像制御部400に制御信号を出力する。先にも説明したように、液晶シャッタ220は既に透光状態となっているので、S1314における処理は、撮像素子214のリセット動作を行う処理である。すなわち、撮像制御部400からリセット信号が撮像素子214に出力され、これに伴って撮像素子214内の各画素における光電変換部およびフローティングディフュージョン領域に存在している電荷を吐き出す処理が行われる。その後、撮像素子214で新たな電荷蓄積の動作(露光動作)が開始される。
【0095】
S1316において制御部410は、S1314で露光が開始されてからの時間が、S1308で導出された露光時間に達したか否かの判定を行い、この判定が否定される間、S1316の処理を繰り返し行う。S1316での判定が肯定されると処理はS1318に進む。
【0096】
S1318において制御部410は、撮像素子214における露光動作を停止するよう撮像制御部400に制御信号を出力する。撮像制御部400は、撮像素子214に制御信号を出力する。撮像素子214中の各画素では、光電変換部とフローティングディフュージョン領域との間のスイッチング素子が遮断状態となり、以降の光電変換部からフローティングディフュージョン領域への電荷の移動が阻止される。
【0097】
S1320において制御部410は、液晶シャッタ220を遮光状態に切り替えるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220に所定の波形パターンの電圧を印加して、透光状態にあった液晶シャッタ220を遮光状態に切り替える。
【0098】
S1322において制御部410は、撮像素子214から画像処理部404へデジタル画像信号の転送を開始するよう、撮像制御部400に制御信号を出力する。撮像制御部400は撮像素子214に制御信号を出力し、撮像素子214から画像処理部404へデジタル画像信号の転送が開始される。
【0099】
S1324において制御部410は、撮像素子214から画像処理部404へのデジタル画像信号の転送が完了したか否かを判定し、この判定が否定される間、S1324の処理を繰り返し行う。S1324の判定が肯定されると処理はS1326に進む。
【0100】
S1326において制御部410は、液晶シャッタを透光状態に切り替えるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220への電圧印加を解除して、遮光状態にあった液晶シャッタ220を透光状態に切り替える。
【0101】
S1328において制御部410は、絞り開放制御信号を交換レンズ320に出力する。交換レンズ320では、絞りを開放にする動作が開始される。
【0102】
S1330において制御部410は、撮像素子214から出力されたデジタル画像信号に対して画素欠陥補正をするように画像処理部404に制御信号を出力する。画像処理部404は、プログラム/データ記憶部424に記憶されている画素欠陥部の情報(以下、この情報を「欠陥画素情報」と称する)に基づき、欠陥のある画素(欠陥画像)に対応する画素値を、欠陥画素の周囲に存在する画素の画素値から求められた値に置き換える(補完する)。これが画素欠陥補正の処理である。
【0103】
画素欠陥としてはホットピクセルとデッドピクセルとがある。ホットピクセルの症状を呈する欠陥画素からは、画素に光が入射していないにもかかわらず、ある大きさの画素値が常時出力される。ホットピクセルを有する撮像素子から得られる画像を観たとき、不自然な輝点の存在が認識される場合がある。デッドピクセルの症状を呈する欠陥画素からは、画素に十分な光量の光が入射しているにもかかわらず、入射光量に対応する画素値が出力されない。デッドピクセルを有する撮像素子から得られる画像を観たとき、不自然な暗い点の存在が認識される場合がある。これらの画素欠陥が生じている画素の位置に関する情報が欠陥画素情報としてプログラム/データ記憶部424に記憶されている。
【0104】
S1332において制御部410は、画像処理を行うように画像処理部404に制御信号を出力する。この制御信号を受けた画像処理部404は、SDRAM402上に一時的に記憶されているデジタル画像信号に対してデモザイク、ホワイトバランス、色相補正、彩度補正、コントラスト補正、ノイズ低減、シャープネス補正等の処理をしてデジタル画像データを生成する。
【0105】
S1334において制御部410は、圧縮処理をするように圧縮・伸長処理部406に制御信号を出力し、そして画像記憶部422へ画像ファイルを記録するよう、記録・再生処理部420に制御信号を出力する。圧縮・伸長処理部406は、SDRAM402上に一時的に記憶されているデジタル画像データに対し、予め設定されている圧縮方式および圧縮率に応じて圧縮処理を行う。記録・再生処理部420は、圧縮処理後の画像データを画像記憶部422に記録する。
【0106】
S1336において制御部410は、絞り開放完了信号を交換レンズ320から受信したか否かの判定を行う。つまり、S1328において交換レンズ320に出力した絞り開放制御信号に基づいて交換レンズ320で絞り開放動作が行われるが、その動作が完了したときに交換レンズ320から出力される絞り開放動作完了信号を受信したか否かの判定がS1336で行われる。S1336での判定が肯定されるまで、この判定処理が繰り返し行われる。S1336の判定が肯定されると処理はS1338に進む。
【0107】
S1338において制御部410は、電子カメラ100の電源をオフにする操作がユーザによりなされたか否かを判定し、この判定が否定されるとS1302に戻り、上述した一連の処理を繰り返し行う。一方、S1338の判定が肯定されると制御部410は電子カメラ100の動作を停止し、電源をオフにして待機動作モードに入る。
【0108】
S1302における、現状の動作モードが撮影モードであるか否かの判定が否定された場合の分岐先であるS1370において制御部410は、画像の再生に係る一連の処理を行い、S1338に進む。
【0109】
S1304においてレリーズ操作が検出されなかったときに分岐して実行されるS1350以降の処理について説明する。S1350において制御部410は、画素欠陥検出処理が設定されたか否かの判定を行う。電子カメラ100は、操作部材128をユーザが操作することにより、メニュー画面等を呼び出して画素欠陥検出処理の実行を指示する操作をすることが可能に構成されている。S1350の判定処理は、ユーザによる上記操作を検出する処理である。また、画素欠陥検出処理は、先に説明したホットピクセルの存否を点検し、存在する場合にはホットピクセルの存在する画素位置をプログラム/データ記憶部424に記録する処理である。なお、ホットピクセルは、電子カメラ100がユーザの手に渡った後、宇宙線の影響によって新たに生じうる画素欠陥である。したがって、画素欠陥検出処理を定期的に行うことにより、より好ましい撮影結果を得ることが可能となる。S1350の判定が否定されると処理はS1338に進む一方、肯定されるとS1352以降の画素欠陥検出処理が行われる。
【0110】
S1352において制御部410は、液晶シャッタ220が遮光状態となるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。この制御信号を受け、液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220に所定の波形パターンの電圧を印加して、透光状態にあった液晶シャッタ220を遮光状態に切り替える。
【0111】
S1354において制御部410は、撮像素子214で所定時間にわたり蓄積動作が行われるよう、撮像制御部400に制御信号を出力する。撮像素子214は、撮像制御部400から出力される制御信号に基づいて蓄積動作を行う。S1354の処理によって撮像素子214で行われる蓄積動作は、液晶シャッタ220が遮光状態のときに行われるので、暗電流ノイズレベルでの電荷蓄積が行われる。なお、先に説明したシャッタ透過光の影響が無視できないような場合には、S1352での処理に際して交換レンズ320の絞りを最小絞りにまで絞り込んだり、表示装置300にレンズキャップの装着をユーザに促す表示をしたりすることも可能である。
【0112】
S1356において制御部410は、画像信号を撮像素子214から画像処理部404に出力するよう、撮像制御部400に制御信号を出力する。撮像制御部400からの制御信号を受けた撮像素子214は、画像処理部404に画像信号を出力する。
【0113】
制御部410はS1358において、輝点画素、すなわちホットピクセルの存在する位置を検出する処理を行うよう、画像処理部404に制御信号を出力する。この制御信号を受け、画像処理部404は、ホットピクセルの存否の確認と、ホットピクセルの存在する画素位置を検出する処理を行う。
【0114】
S1360において制御部410は、S1358の処理で新たなホットピクセルが検出された場合に、当該の画素位置に関する情報を、プログラム/データ記憶部424に記録されている欠陥画素情報に追加する。
【0115】
S1362において制御部410は、液晶シャッタ220が透光状態となるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。この制御信号を受け、液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220に対する電圧の印加を解除して、遮光状態にあった液晶シャッタ220を透光状態に切り替える。S1362での処理の後、S1338の処理が行われる。
【0116】
図13を参照して説明した以上の処理により、振動板206上に塵埃が付着している場合にはそれが除去される。また、新たに画素欠陥が生じた場合には、S1352からS1362の処理が行われることにより、プログラム/データ記憶部424に記録される欠陥画素情報が更新される。そしてS1330で行われる画素欠陥補正の処理により、欠陥画素の影響が減じられた画像を得ることが可能となる。
【0117】
− 第2の実施の形態 −
第1の実施の形態では、電子カメラ100に備えられる液晶シャッタ220がノーマリーオープンタイプ、すなわち無通電状態で透光状態となるシャッタである場合の静止画像撮影動作の制御手順について説明した。これに対して第2の実施の形態では、ノーマリークローズタイプ、すなわち無通電状態で遮光状態となるシャッタが液晶シャッタ220として用いられる例について説明する。
【0118】
図14Aおよび図14Bは、本発明の第2の実施の形態に係る電子カメラ100の制御部410で実行される静止画像撮影動作の制御手順を概略的に説明するフローチャートである。図14のフローチャートに示される処理は、図13のフローチャートに示される処理と同様、電源オフの状態にある電子カメラ100の電源スイッチ304が操作されて電源オンの状態に切り替えられたときに制御部410により実行される。図14のフローチャート中の各処理ステップにおいて、図13のフローチャートに示されるのと同様の処理ステップには、同じステップ符号を付してその詳細な説明を省略し、第1の実施の形態との差異を中心に説明する。
【0119】
S1400において制御部410は、液晶シャッタ220が透光状態となるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。この制御信号を受け、液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220に所定の波形パターンの電圧を印加して、遮光状態にあった液晶シャッタ220を透光状態に切り替える。
【0120】
以降、S1300からS1318までの処理は、S1302での判定が否定された場合のS1370の処理を含め、第1の実施の形態で説明したのと同様である。そして、図13におけるS1320の処理に代えて第2の実施の形態ではS1402の処理が行われる。S1402において制御部410は、液晶シャッタ220が遮光状態となるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。この制御信号を受け、液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220に対する電圧の印加を解除し、透光状態にあった液晶シャッタ220を遮光状態に切り替える。
【0121】
S1402の処理に続き、S1322、S1324の処理が行われる。そして、S1324において、画像信号の撮像素子214から画像処理部404への転送が完了したと判定されると、図13におけるS1326の処理に代えて、第2の実施の形態ではS1408の処理が行われる。S1408において制御部410は、液晶シャッタ220が透光状態となるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。この制御信号を受け、液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220に所定の波形パターンの電圧を印加して、遮光状態にあった液晶シャッタ220を透光状態に切り替える。
【0122】
S1408の処理で液晶シャッタ220が透光状態に切り換えられるのに続き、第1の実施の形態と同様の、S1328、S1330、S1332、S1334、S1336、S1338の処理が行われる。S1338における判定処理が行われる時点において、液晶シャッタ220には所定の波形パターンの電圧が印加されている。そのため、S1338での判定が肯定されて電子カメラ100の動作を停止し、電源をオフにして待機動作モードに入る前のS1410において液晶シャッタ220への電圧印加を解除する処理が行われる。すなわち、S1410において制御部410は、液晶シャッタ220が遮光状態となるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。この制御信号を受け、液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220に対する電圧の印加を解除し、透光状態にあった液晶シャッタ220を遮光状態に切り替える。
【0123】
S1304においてレリーズ操作が検出されなかったときの分岐先であるS1350において制御部410は、画素欠陥検出処理が設定されたか否かの判定を行う。S1350の判定が否定されると処理は第1の実施の形態と同様、S1338に進む。一方、S1350での判定が肯定されるとS1404、S1356、S1358、S1360、S1406で画素欠陥検出処理が行われる。
【0124】
第2の実施の形態における画素欠陥検出処理と、第1の実施の形態における図13のS1352からS1362までの処理との違いは、以下のとおりである。すなわち、第1の実施の形態のS1352の処理が第2の実施の形態ではS1402に置き換えられ、同じく第1の実施の形態のS1362の処理が第2の実施の形態ではS1406に置き換えられている点が相違する。
【0125】
S1404において制御部410は、液晶シャッタ220が遮光状態となるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。この制御信号を受け、液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220への電圧の印加を解除して、透光状態にあった液晶シャッタ220を遮光状態に切り替える。
【0126】
その後、第1の実施の形態と同様に、画素欠陥検出に係る一連の処理がS1354からS1360で行われる。
【0127】
S1406において制御部410は、液晶シャッタ220が透光状態となるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。この制御信号を受け、液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220に所定の波形パターンの電圧を印加して、遮光状態にあった液晶シャッタ220を透光状態に切り替える。S1406での処理の後、S1338の処理が行われる。
【0128】
以上、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様、振動板206上に塵埃が付着している場合にはそれが除去される。また、新たに画素欠陥が生じた場合にも、プログラム/データ記憶部424に記録される欠陥画素情報が更新される。そしてS1330で行われる画素欠陥補正の処理により、欠陥画素の影響が減じられた画像を得ることが可能となる。
【0129】
以上の効果に加えて、液晶シャッタ220が非通電時に遮光状態となっていることにより、以下の効果を奏することが可能となる。すなわち、太陽光等の強い光が交換レンズ320を通して電子カメラ100の内部に入射した場合、撮像素子214の受光面に強い光が当たる場合がある。特に、太陽光が電子カメラ100の内部に入射する状況で、交換レンズ320の合焦距離が無限遠に近い状態となっていると、撮像素子214の受光面上における狭い領域に光エネルギが集中する。短時間では問題ないが、電子カメラ100が屋外に放置されて強い光が電子カメラ100の内部に入射し続けると、撮像素子214の劣化を招くことがある。この点、液晶シャッタ220が非通電時に遮光状態となっていることにより、撮像素子214の劣化を抑止することが可能となる。
【0130】
− 第3の実施の形態 −
第1および第2の実施の形態では、ユーザが画素欠陥検出処理の実行を指示する操作をしたときに画素欠陥検出処理が行われる例について説明した。これに対して第3の実施の形態では、電子カメラ100の電源が投入されたときに画素欠陥検出処理が自動的に行われる例について説明する。第3の実施の形態において液晶シャッタ220は、第1の実施の形態と同様、ノーマリーオープンタイプ、すなわち無通電状態で透光状態となるシャッタが用いられる例について説明する。無論、ノーマリークローズタイプのシャッタが用いられてもよい。
【0131】
図15Aおよび図15Bは、本発明の第3の実施の形態に係る電子カメラ100の制御部410で実行される静止画像撮影動作の制御手順を概略的に説明するフローチャートである。図15のフローチャートに示される処理は、図13のフローチャートに示される処理と同様、電源オフの状態にある電子カメラ100の電源スイッチ304が操作されて電源オンの状態に切り替えられたときに制御部410により実行される。図15のフローチャート中の各処理ステップにおいて、図13のフローチャートに示されるのと同様の処理ステップには、同じステップ符号を付してその詳細な説明を省略し、第1の実施の形態との差異を中心に説明する。
【0132】
電子カメラ100の電源が投入された直後のS1500において制御部410は、液晶シャッタ220が遮光状態となるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。この制御信号を受け、液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220に所定の波形パターンの電圧を印加して、透光状態にあった液晶シャッタ220を遮光状態に切り替える。
【0133】
S1500の処理に続くS1502、S1504、S1506、S1508の処理はそれぞれ、図13におけるS1354、S1356、S1358、S1360の処理に対応する。すなわち、液晶シャッタ220を遮光状態にして撮像素子214で露光(蓄積)動作が行われ(S1502)、画像信号が撮像素子214から画像処理部404に出力され(S1504)、画像処理部404で輝点画素の位置を検出する処理が行われる(S1506)。そして、S1506の処理で新たなホットピクセルが検出された場合に、当該の画素位置に関する情報を、プログラム/データ記憶部424に記録されている欠陥画素情報に追加する処理がS1508で行われる。
【0134】
S1510において制御部410は、液晶シャッタ220が透光状態となるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。この制御信号を受け、液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220に対する電圧の印加を解除し、遮光状態にあった液晶シャッタ220を透光状態に切り替える。
【0135】
以上に説明した画素欠陥検出の処理に続き、S1300からS1338および1370の処理が行われる。S1300以降の処理中で、第1の実施の形態と異なるのは、S1304におけるレリーズ操作が検出されたか否かの判定が否定された場合の分岐先での処理である。つまり、第1の実施の形態においては、図13に示されるように、S1304の判定が否定されると画素欠陥検出処理の実行を指示するユーザ操作の有無がS1350において判定され、この判定が肯定された場合にS1352からS1362までの処理が行われる。これらの処理については、第3の実施の形態では、図15に示されるように、既にS1500からS1510で行われているので省略されている。
【0136】
図15を参照して説明した以上の処理により、第1の実施の形態によるものと同様の効果が得られるのに加えて、以下の効果が得られる。すなわち、電子カメラ100の電源が投入されると画素欠陥検出の処理が自動的に行われるので、直近の過去に新たに生じた画素欠陥に対応することが可能となり、より好ましい画像を得ることができる。また、電子カメラ100のユーザが画素欠陥検出処理の知識を持ち合わせていなくても、電子カメラ100に備えられる機能を有効に利用することが可能となる。
【0137】
− 第4の実施の形態 −
第4の実施の形態においても、第3の実施の形態と同様に、画素欠陥検出処理が自動的に行われる。このとき、第3の実施の形態では、電子カメラ100の電源が投入された直後に画素欠陥検出処理が行われるのに対して、第4の実施の形態においては電子カメラ100の電源をオフにする前に画素欠陥検出処理が行われる。
【0138】
第4の実施の形態においても、液晶シャッタ220は、第1、第3の実施の形態と同様、ノーマリーオープンタイプ、すなわち無通電状態で透光状態となるシャッタが用いられる例について説明する。無論、ノーマリークローズタイプのシャッタが用いられてもよい。
【0139】
図16Aおよび図16Bは、本発明の第4の実施の形態に係る電子カメラ100の制御部410で実行される静止画像撮影動作の制御手順を概略的に説明するフローチャートである。図16のフローチャートに示される処理は、図13のフローチャートに示される処理と同様、電源オフの状態にある電子カメラ100の電源スイッチ304が操作されて電源オンの状態に切り替えられたときに制御部410により実行される。図16のフローチャート中の各処理ステップにおいて、図13のフローチャートに示されるのと同様の処理ステップには、同じステップ符号を付してその詳細な説明を省略し、第1の実施の形態との差異を中心に説明する。
【0140】
電子カメラ100の電源が投入されると、S1300からS1338および1370の処理が行われる。S1300以降の処理中で、第1の実施の形態と異なるのは、第3の実施の形態と同様、S1304におけるレリーズ操作が検出されたか否かの判定が否定された場合の分岐先での処理である。つまり、第1の実施の形態においては、図13に示されるように、S1304の判定が否定されると画素欠陥検出処理の実行を指示するユーザ操作の有無がS1350において判定され、この判定が肯定された場合にS1352からS1362までの処理が行われる。これらの処理については、第4の実施の形態では、図16に示されるように、電子カメラ100の電源をオフする前のS1600からS1610までの処理で行われるので省略されている。
【0141】
S1338において制御部410は、電子カメラ100の電源をオフにする操作がユーザによりなされたか否かを判定し、この判定が否定されるとS1302に戻り、上述した一連の処理を繰り返し行う。一方、S1338の判定が肯定されると処理はS1600に分岐する。
【0142】
S1600において制御部410は、液晶シャッタ220が遮光状態となるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。この制御信号を受け、液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220に所定の波形パターンの電圧を印加して、透光状態にあった液晶シャッタ220を遮光状態に切り替える。
【0143】
S1600の処理に続くS1602、S1604、S1606、S1608の処理はそれぞれ、図13におけるS1354、S1356、S1358、S1360の処理に対応する。すなわち、遮光状態での露光(蓄積)動作が撮像素子214で行われ(S1602)、画像信号が撮像素子214から画像処理部404に出力され(S1604)、画像処理部404で輝点画素の位置を検出する処理が行われる(S1606)。そして、S1606の処理で新たなホットピクセルが検出された場合に、当該の画素位置に関する情報を、プログラム/データ記憶部424に記録されている欠陥画素情報に追加する処理がS1608で行われる。
【0144】
S1610において制御部410は、液晶シャッタ220が透光状態となるよう、液晶シャッタ駆動回路414に制御信号を出力する。この制御信号を受け、液晶シャッタ駆動回路414は、液晶シャッタ220に対する電圧の印加を解除し、遮光状態にあった液晶シャッタ220を透光状態に切り替える。その後、制御部410は、電子カメラ100の動作を停止し、電源をオフにして待機動作モードに入る。
【0145】
図16を参照して説明した以上の処理により、第3の実施の形態によるものと同様の効果が得られる。また、画素欠陥検出の処理が電子カメラ100の電源をオフする前に行われるので、電子カメラ100の電源をオンしてからレリーズ可能となるまでの時間を短縮することが可能となる。
【0146】
以上では、電子カメラ100が、撮像素子214を撮影レンズの光軸の直交する面に沿って移動させて手振れを低減する手振れ補正部250(ボディ内手振れ補正部)を備えるものとして説明したが、手振れ補正部250を備えていないものにも本発明は適用可能である。あるいは、撮影レンズ内の光学素子を移動させて手振れ補正を行う電子カメラにも本発明を適用可能である。さらに、静止画撮影も行うことのできるムービーカメラに本発明を適用することも可能である。
【0147】
また、以上では物性シャッタとして液晶シャッタ220を用いる例について説明したが、エレクトロクロミック素子(ECD)等を用いたものを備えるものであってもよい。
【0148】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施に際しては本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して様々に具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。以下はその例である。
【0149】
[付記項]
[1] 撮影レンズを通して入射する被写体光を電気信号に変換する撮像素子であって、当該撮像素子上の全画素において蓄積動作の開始と停止とをそれぞれ略同時に行うことが可能に構成される撮像素子と、
前記撮像素子の被写体側に設けられ、電圧印加状態を切り換えることにより、前記被写体光の前記撮像素子への入射を可能とする透光状態と、前記被写体光の前記撮像素子への入射を阻止する遮光状態とに切り換えが可能な物性シャッタ部と、
前記撮像素子中で欠陥を有する画素の位置に関する情報を含む欠陥画素情報を記憶する欠陥画素情報記憶部と、
前記撮像素子から得られた画像信号に対して、前記欠陥画素情報で特定される画素に対応する信号値を補正し、画像データを生成する画像処理部と、
前記撮像素子内に存在する可能性のある欠陥画素を検出し、当該検出結果に基づいて前記欠陥画素情報を生成する欠陥画素検出処理部と
を備え、
前記欠陥画素検出処理部は、前記物性シャッタ部が前記遮光状態となっているときに前記撮像素子において一定時間にわたり光電変換動作が行われた後、当該撮像素子から出力された画像信号を解析し、予め定められた基準を超す大きさの信号値が得られた画素を前記欠陥画素として検出するように構成される
ことを特徴とする電子撮影装置。
【0150】
[2] 欠陥画素検出動作を指示するユーザ操作を検出するユーザ操作検出部をさらに備え、
前記欠陥画素検出処理部は、前記欠陥画素検出動作を指示するユーザ操作が前記ユーザ操作検出部で検出されたときに、前記欠陥画素を検出する動作を開始するように構成される
ことを特徴とする[1]に記載の電子撮影装置。
【0151】
[3] 前記電子撮影装置の電源のオン/オフを切り換えるユーザ操作を受け付け可能に構成される電源操作部をさらに備え、
前記欠陥画素検出処理部は、前記電源操作部でオフからオンに切り換えるユーザ操作が受け付けられて前記電源がオンとなったときに前記欠陥画素の検出処理を開始するように構成されることを特徴とする[1]に記載の電子撮影装置。
【0152】
[4] 前記電子撮影装置の電源のオン/オフを切り換えるユーザ操作を受け付け可能に構成される電源操作部をさらに備え、
前記欠陥画素検出処理部は、前記電源操作部でオンからオフに切り換えるユーザ操作が受け付けられて、前記電源をオフにする前に前記欠陥画素の検出処理を開始するように構成されることを特徴とする[1]に記載の電子撮影装置。
【0153】
[5] 前記物性シャッタ部は、液晶シャッタにより構成され、当該液晶シャッタに電圧が印加されたときに前記透光状態に切り換えられることを特徴とする[1]から[4]のいずれか一つに記載の電子撮影装置。
【0154】
[6] 前記物性シャッタ部は、液晶シャッタにより構成され、当該液晶シャッタに電圧が印加されたときに前記遮光状態に切り換えられることを特徴とする[1]から[4]のいずれか一つに記載の電子撮影装置。
【符号の説明】
【0155】
100 … 電子カメラ
102 … 前カバー
104 … 後カバー
108 … AF補助光源
110 … ボディマウント
112、116、205、230、254、256 … ねじ
118 … ボディ側信号接点
122 … 電池室
124 … 制御プリント板
130 … 三脚取付部
150 … メインコンデンサ
152 … 閃光発光部
156 … 反射傘
158 … キセノン管
200 … マウント保持部
200a … 後方延出部
206 … 振動板
207 … 押圧部材
208 … 接続FPC
209 … シャッタFPC
210 … 光学保持部材
211 … 圧電素子FPC
212 … OLPF
214 … 撮像素子
216 … 保持部材
218 … 撮像基板
220 … 液晶シャッタ
222、224 … コネクタ
226 … 圧電素子
228 … 支持体
250 … 手振れ補正部
250a … 下方延出部
250b … 側方延出部
252 … 両面接着テープ
300 … 表示装置
302 … 電子ビューファインダ
304 … 電源スイッチ
320 … 交換レンズ
328 … レンズ側信号接点
330 … レンズ制御部
400 … 撮像制御部
404 … 画像処理部
410 … 制御部
412 … 圧電素子駆動回路
414 … 液晶シャッタ駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズを通して入射する被写体光を電気信号に変換する撮像素子と、
前記撮影レンズと前記撮像素子との間に設けられる光透過部材と、
前記光透過部材を加振して屈曲振動させる加振部と、
前記光透過部材と前記撮像素子との間に設けられ、電圧印加状態を切り替えることにより、前記被写体光の前記撮像素子への入射を可能とする透光状態と、前記被写体光の前記撮像素子への入射を阻止する遮光状態とに切り替えが可能な物性シャッタ部と、
前記光透過部材と前記撮像素子との間に形成される空間を囲繞して密閉する密閉構造部と
を備えることを特徴とする電子撮影装置。
【請求項2】
前記撮像素子から出力される画像信号を処理して画像ファイルを生成する画像処理部と、
前記物性シャッタ部を制御するシャッタ制御部であって、前記撮像素子の露光動作を完了したときに前記物性シャッタ部を前記透光状態から前記遮光状態に切り替え、前記撮像素子で生成された画像信号の前記画像処理部への出力が完了した後に前記遮光状態から前記透光状態に切り替える、シャッタ制御部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子撮影装置。
【請求項3】
前記密閉構造部の、前記光透過部材の配置される側に配置されて前記光透過部材を弾性支持する弾性支持部をさらに備え、
前記加振部に電気を導く第1の配線部材が、前記弾性支持部の前記光透過部材と対向する側から引き出され、
前記物性シャッタ部に電気を導く第2の配線部材が、前記弾性支持部の前記密閉構造部と接する側から引き出される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子撮影装置。
【請求項4】
前記物性シャッタ部は、透過型液晶パネルを備え、電圧が印加されたときに前記遮光状態に、電圧の印加が解除されたときに前記透光状態に切り替わるように構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の電子撮影装置。
【請求項5】
前記物性シャッタ部は、透過型液晶パネルを備え、電圧が印加されたときに前記透光状態に、電圧の印加が解除されたときに前記遮光状態に切り替わるように構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の電子撮影装置。
【請求項6】
前記加振部は、圧電素子を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の電子撮影装置。
【請求項7】
前記撮像素子は、蓄積動作の開始および停止を全画素で略同時に行うことが可能に構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の電子撮影装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【公開番号】特開2012−182704(P2012−182704A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44828(P2011−44828)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】