説明

電子書籍販売システム及び電子書籍販売方法

【課題】
購入した電子書籍を取次書店の配信サーバからダウンロードする電子書籍の販売システムにおいて、続編等の関連図書を購入場合、多くのオンライン書店から目的の図書を取り扱っているオンライン書店を探しだす作業を必要としない構成を提供する。
【解決手段】
暗号化された電子書籍の暗号解読キーを配信するDRMサーバから書店が指定した確認サーバに送信される送達確認信号に含まれる、書籍、取次書店、及び利用者に関する情報を抽出して蓄積する履歴サーバを設け、利用者端末は利用者が前回購入した電子書籍の関連書籍の購入を指示したことを検知して履歴サーバをアクセスし、オンライン書店のURLを取得して、当該オンライン書店のウェブサーバに接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインターネット内に開設されたオンライン書店から購入した電子書籍の続編等の関連書籍を購入する時、多くの操作を必要とせず簡便に前回購入したオンライン書店にアクセスすることを可能とする電子書籍の販売システム及び電子書籍の販売方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネット内には多くのオンライン書店が開設されており、利用者は利用者端末が有するWWWブラウザによりオンライン書店の一つを選択し希望する電子書籍を購入する。購入した電子書籍を利用者端末にダウンロードする方法には、電子書籍を購入したオンライン書店の配信サーバからダウンロードする方法と、複数のオンライン書店の配信を仲介する取次書店の配信サーバからダウンロードする方法がある。
電子書籍のダウンロードに関する文献には、特開2003−150597号公報がある。同文献に記載される技術は、電子書籍サーバは電子書籍の利用者IDとダウンロード権利を与えた書籍データの書籍データIDコードとを対応付けた書籍/購入者対応テーブルを生成し、ダウンロード要求を受けると、書籍/購入者対応テーブルに基づいて予めダウンロード権利が取得された書籍データであることを確認できた場合に予め決められたデータ量分だけダウンロードするものである。
【0003】
インターネットなどのネットワークを利用して購入した書籍の関連情報を管理する文献には、特開2004−86628号公報がある。同公報に記載される構成は、利用者端末装置がネットワークで接続された販売情報管理装置に書籍情報を利用者の識別情報に関連付けて記憶する購入データベースと、書籍と該書籍の関連情報を記憶する書籍データベースとを備え、受信した識別情報に基づき購入データベース中の該識別情報に関連した書籍情報を検索し、かつ前記検索した物品情報に基づき前記書籍データベースから該書籍の関連情報を抽出しウェブ端末に発信するものである。
【0004】
電子書籍を購読した利用者が、購読した書籍の関連書籍の購入する場合が多くある。この場合、多くの利用者は前回利用したオンライン書店からの購入を希望する。また、オンライン書店にとっても、このような利用者が自店のホームページを利用して関連書籍を購入することが望ましい。しかしながら、電子書籍を取次書店の配信サーバからダウンロードした場合、通常、利用者の端末には書籍を購入したオンライン書店の情報は残らない。従って、利用者はWWWブラウザを利用して目的のオンライン書店を検索する動作から繰り返す必要がある。
【特許文献1】特開2003−150597号公報
【特許文献2】特開2004−86628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インターネット内に開設されたオンライン書店で購入した電子書籍を利用者の端末にダウンロードする方法には、(a)電子書籍を購入したオンライン書店の配信サーバからダウンロードする方法と、(b)複数のオンライン書店の配信を仲介する取次書店の配信サーバからダウンロードする方法がある。
図8は上記の(a)及び(b)に対応するインターネット上の構成の概要である。(a)の構成では、出版社1101は電子書籍の取り扱いをオンライン書店と個別に交渉し(1102)、取り扱うことを決定したオンライン書店は、電子書籍を自身の配信サーバに蓄積する。電子書籍の購入を希望する利用者は、利用者の携帯電話機等の端末からオンライン書店のウェブページにアクセスし、所定の手順に従って購入手続きを行う(1103)。購入手続が完了するとオンライン書店の配信サーバは利用者の端末に暗号化された電子書籍と、暗号解読のためのキー情報を配信する(1104)。この構成では、オンライン書店は配信する電子書籍のヘッダー部等に自己のウェブページのURLを挿入することが可能である。従って、電子書籍を購入した利用者は、電子書籍に挿入されているウェブページのURLを用いて当該電子書籍を購入したオンライン書店のウェブページにアクセス可能である。
【0006】
しかし、多くのオンライン書店が電子書籍を販売する形態は、図8(b)に示されるような取次書店を介する形態である。この形態の出版社1101は電子書籍の取り扱いを取次書店1106に一括またはその一部を依頼する。取次書店1106と契約した複数のオンライン書店1107が、自己のウェブページに電子書籍の販売ページを設け、利用者の購入の申し込みを待つ。電子書籍の購入を希望する利用者はインターネットを検索し、希望する電子書籍を取り扱っているオンライン書店1107の一つを選択してウェブページをアクセスし、購入ページから購入の申し込みと料金の支払い等の契約を行う。申し込みを受け付けたオンライン書店1107のウェブサーバは、購入契約を表す識別情報と取次書店が設置した配信サーバのURLを利用者の端末に送信する。
【0007】
図9−1及び図9−2は取次書店が電子書籍を配信する従来の電子書籍販売システムのシーケンスを示す図である。
図9−1は取次書店の処理シーケンスである。ステップ1204で、取次書店は書籍の電子データに所定のヘッダーを付加して配信用の電子書籍を作成し、ステップ1205で著作権を保護するため書籍の電子データを暗号化して取次書店の配信サーバ1203に格納する。また、ステップ1206で暗号化した電子データを解読する暗号解読キーをDRM(Digital Rights Management デジタル著作権管理)サーバに登録する。次に、ステップ1207で当該電子書籍を販売対象の書籍としてオンライン書店1202に登録する。
【0008】
図9−2は利用者が電子書籍を購入するシーケンスを示すものである。
利用者は自身の端末1210を操作して、インターネット内に存在するオンライン書店から一つの書店を選択しウェブページ1202にアクセスする。
ステップ1211で、利用者は利用者端末1210を操作してオンライン書店のウェブサーバ1202の購入ページから電子書籍の購入を指示する。ウェブサーバは利用者端末1210との間で課金等を処理するシーケンスを実行し、ステップ1212で、購入契約を識別する識別情報と共に、購入した電子書籍をダウンロードする取次書店の配信サーバ1203のURLを利用者端末1210に送信する。
ステップ1214で、利用者は利用者端末1210を配信サーバ1203に接続し、オンライン書店から送信された識別情報を送信する。配信サーバ1203は識別情報を解析し利用者が購入した電子書籍を利用者端末1210に送信する(ステップ1215)。送信された電子書籍のヘッダーにはDRMサーバ1201のURLが格納されており、ステップ1216で、利用者は利用者端末1210をDRMサーバ1201に接続して、利用者ID、書籍ID等必要な情報を送信し、購入した電子書籍の暗号を解読する暗号解読キーを取得する(ステップ1216)。
解読キーを取得した利用者端末1210による電子書籍の利用が可能になると、ステップ1217で、利用者端末1210は電子書籍のダウンロードとインストールが完了したことをDRMサーバ1201に通知する。ステップ1218でDRMサーバ1201は、取次書店のサーバ(又は、オンライン書店から指示されたサーバ)に、契約した電子書籍の配信が終了したことを報告する。
【0009】
図9−1及び図9−2に示される従来の構成では、利用者が購入した電子書籍は複数のオンライン書店で販売された電子書籍を取り扱う取次書店の配信サーバ1203からダウンロードされる。配信される電子書籍には配信サーバの情報が含まれるのみであり、利用者が購入したオンライン書店の情報を載せることできない。従って、取次書店から配信された電子書籍の関連書籍の購入を希望する利用者は、端末1210のWWWブラウザを起動して目的のオンライン書店を検索した後、当該オンライン書店のウェブペシーから目的の書籍を探す動作を行う。このように、以前購入した電子書籍の関連図書を購入する場合であっても、利用者端末に対する多くの操作を必要とする。また、オンライン書店にとっても、以前電子書籍を購入した客が、自店のウェブページをアクセスし、関連書籍の購入する機会を逃すことにもなる。
本発明は、購入した電子書籍を取次書店の配信サーバからダウンロードするシステムにおいて、電子書籍を購入した利用者が、購読した書籍の関連書籍を購入する場合、WWWブラウザを利用して目的のオンライン書店を検索する等の、複雑な操作をすることなく、前回電子書籍を購入したオンライン書店のウェブページをアクセスすることが可能な電子書籍の販売システム及び電子書籍の販売方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、インターネットを用いた電子書籍の販売システム内に、利用者が購入した電子書籍と利用したオンライン書店の情報を収集して記憶する履歴サーバを設け、利用者が前回購入した電子書籍の関連図書の購入を指示した時、利用者端末1210は前記履歴サーバをアクセスして前回電子書籍を購入したオンライン書店のURLを取得し、当オンライン書店のウェブページにアクセスするものである。
【0011】
図1(a)は本発明に係る電子書籍販売システムの概要であり、動作は以下の通りである。
ステップ113:インターネットに開設されたオンライン書店で電子書籍の購入を希望する利用者は、携帯電話機等の利用者端末101を操作して希望する電子書籍を取り扱っているオンライン書店111を選択してウェブページにアクセスし、希望する電子書籍の購入を申し込む。料金の支払い等の手続きが終了すると、利用者端末101はオンライン書店111のウェブサーバから当該購入を特定する識別情報を受信する。
ステップ114:利用者は利用者端末101により取次書店120の配信サーバ121をアクセスし、上記の識別情報を送信する。配信サーバ121は識別情報から利用者が購入した電子書籍を判別して利用者端末101に配信する。履歴サーバ122は利用者端末101と販売システムの間で授受される情報から、利用者が購入した電子書籍と購入したオンライン書店に関する情報を抽出して記憶する。
ステップ115:利用者が購入した電子書籍の関連書籍を購入する場合、利用者端末101により履歴サーバ122にアクセスし、前回電子書籍を購入したオンライン書店のウェブサーバのURLを取得する。次に、取得したURLを用いてオンライン書店111のウェブページをアクセスして目的の電子書籍を購入する。
【0012】
図1(b)は図1(a)に示されるフローにおいて、配信サーバが電子書籍を利用者端末101に配信した後の過程を詳しく示す図である。
ステップ131:図1(a)のステップ114に示されるように、取次書店120の配信サーバ121は利用者がオンライン書店から購入した電子書籍を利用者端末101に配信する。
ステップ132:電子書籍を受信した利用者端末101は、図9−2の1216、1217に示されるように、DRMサーバ150との間で暗号解読キーの受信等、所定の通信を行う。本発明に係る履歴サーバ122は、DRMサーバ150の情報から利用者が購入した電子書籍及び購入したオンライン書店のデータを抽出してデーベース化する。ネットワークシステムの提供者あるいは書籍の販売業者は、ネットワーク内にオンライン書店が取り扱う電子書籍、あるいはウェブサーバのURL等の情報を記憶する書店サイトデータベース160を設置している。履歴サーバ122は上記書店サイトデータベース160から必要なデータを取得する。
ステップ133:利用者が前回購入した電子書籍の関連書籍の購入を希望する時、電話番号等の利用者ID、前回購入した電子書籍の書籍ID等を基に履歴サーバ122を検索し、前回電子書籍を購入したオンライン書店のサーバのURLを取得する。
ステップ134:履歴サーバ122から取得したURLにアクセスし、所望の電子書籍を購入する。
本件発明に係る電子書籍販売システムは、DRMサーバが出力する管理情報から利用者が電子書籍を購入したオンライン書店に関する情報を抽出して記憶する履歴サーバを有している。前回購入した電子書籍の関連書籍を購入する場合、利用者端末は、履歴サーバを参照して前回利用したオンライン書店に自動的にアクセスすることが可能となる。
【0013】
図2(a)は、配信サーバ121の構成図であり、図2(b)は配信サーバ121から利用者端末101に配信される電子書籍のデータ形式を示す図である。
利用者とオンライン書店との間で電子書籍を購入する手続きが終了すると、オンライン書店のウェブサーバ111は利用者端末101に購入を識別する識別情報を送信する。利用者端末101は取次書店120の配信サーバ121に接続して識別情報を送信する。
配信サーバ121の購入書籍判断部202は、ネットワークインターフェース201を介して受信した識別情報を解析して利用者が購入した電子書籍を判定し、電子書籍データ読出部203に送る。
電子書籍DB204は取次書店120が取り扱っている電子書籍のデータを蓄積するデータベースである。電子書籍データ読出部203は購入書籍判断部202から送信された書籍情報に基づいて電子書籍DB204を検索して対応する電子書籍のデータ、即ち、利用者が購入した電子書籍のデータを読み出す。
電子書籍形成部205は電子書籍データ読出部203が電子書籍データベース204から読み出した電子書籍データに所定のヘッダーを形成し、ネットワークインターフェース201を介して利用者端末101に配信する。
【0014】
図2(b)は配信サーバ121から利用者端末101に配信される電子書籍の形式を示す図である。配信電子書籍220は電子書籍の本体データ222とヘッダー221から構成されている。ヘッダー221には電子書籍の識別情報(書籍ID)、配信を行った取次書店の識別情報(取次ID)、DRM(Digital Rights Management デジタル著作権管理)サーバのURL等が格納されている。電子書籍の本体データは著作権の保護のため暗号化されており、DRMサーバは利用者端末101の要求に基づいて本体データの暗号を解読する暗号解読キーを利用者端末101に送信する。
【0015】
図3は、履歴サーバ122の構成図である。履歴サーバ122は電子書籍の購入に関する履歴情報を収集して履歴データベース303に記憶する履歴収集機能部と、電子書籍を購入したオンライン書店のURLを履歴データベース303から検索する検索機能部とからなっている。
利用者端末101は、DRMサーバ150から受信した暗号解読キーにより電子書籍データの暗号を解読する。暗号の解除に成功すると、電子書籍の受信が完了したことを示す受領完了信号をDRMサーバ150に送信する。受領完了信号を受信したDRMサーバ150は、オンライン書店111が指定する確認サーバ170に送達確認信号を送信する。送達確認信号には利用者ID、書籍IDの他、取次書店を示す取次ID等の情報が含まれる。書店サイトデータベース160には、取次書店が取り扱うオンライン書店と電子書籍に関するデータが登録されている。
【0016】
履歴サーバ122の履歴収集機能部は抽出部302と参照部308からなっている。抽出部302は、ネットワークインターフェース301を介してDRMサーバ150が送信する送達確認信号608(図6参照)を受け取り、送達確認信号608に含まれる利用者ID、書籍ID、取次ID等のデータを抽出して履歴データベース303に格納する。抽出が終了した送達確認信号309は確認サーバ170に送信される。
参照部308は書店サイトデータベース160をアクセスし、書籍ID、取次ID、書店ID、オンライン書店のウェブサーバのURL等、オンライン書店と取次書店が取り扱う電子書籍の情報とウェブサーバの情報を取得して履歴データベース303に格納する。履歴データベース303には、オンライン書店のウェブページの先頭ページのURLと、オンライン書店が取り扱う電子書籍に対応するウェブサーバのURLが、書店IDと書籍IDにより検索可能な形式で格納される。
【0017】
履歴サーバ122の検索機能部は検索部304からなっている。利用者が前回購入した電子書籍の関連書籍の購入を指示すると、利用者端末101は利用者IDと前回購入した電子書籍の書籍ID等からなる検索要求信号701(図7−1参照)を履歴サーバ122に送信する。ネットワークインターフェース301を介して検索要求信号701を受け取った検索部304は、検索要求701が指定する利用者ID、書籍ID等を基に履歴データベース303を検索し、対応するオンライン書店のウェブサーバの先頭ページのURL、又はウェブサーバ内において当該電子書籍を取り扱っているページのURLを読み出す。読み出されたURLはネットワークインターフェース301を介して利用者端末101に返信される(702)。
【0018】
図4は、利用者端末101の構成の概要図である。WWWブラウザ403はネットワークインターフェース405を介してオンライン書店のウェブサーバにアクセスし電子書籍の購入手続きを行うと共に、取次書店120の配信サーバ121にアクセスして電子書籍の配信を受ける。配信された電子書籍220はデータメモリ401に記憶される。
閲覧ソフト402はデータメモリ401に記憶された電子書籍220から本体のデータ222を読み出して表示手段に表示する。また、利用者による関連図書の購入指示を制御部404に渡す機能を有する。
制御部404は閲覧ソフト402、WWWブラウザ403等、利用者端末101の全体を制御する。また、電子書籍の受信を検知してDRMサーバ150にアクセスし、暗号解読キーを取得する。電子書籍の暗号解除を行った後、電子書籍の受領が完了したことを示す受領完了信号をDRMサーバ150に送信する。
【0019】
図5は取次書店が行う初期設定のシーケンスである。
ステップ501:取次書店120はオンライン書店111が販売する電子書籍の配信データを作成する。図2(b)に示されるように、電子書籍は書籍の本体データ222とヘッダー221からなっている。
ステップ502:配信データの作成部はヘッダーに書籍ID・取次IDとDRMサーバ150のURLを挿入すると共に、本体データを暗号化する。
ステップ503:書籍ID等電子書籍を特定するために必要なデータと共に暗号解読キーをDRMサーバ150に記憶する。
ステップ504:販売可能となった電子書籍の情報を配信サーバ120からオンライン書店111に通知する。
ステップ505:オンライン書店111は、DRMサーバ150が出力する送達確認信号608(図6−1参照)の送信先を自身の確認サーバ170とする設定を行う。
上記の処理により、オンライン書店111は電子書籍の販売が可能となり、取次書店の配信サーバ120は利用者がオンライン書店111から購入した電子書籍の配信が可能となる。
【0020】
図6−1ないし図6−3は利用者が利用者端末101を操作してオンライン書店111から電子書籍を購入するシーケンスと処理フローである。図6−1のシーケンス図を参照して、図6−2と図6−3のフローを説明する。
図6−2図は利用者がインターネットに開設された複数のオンライン書店から目的の電子書籍を取り扱う書店を選択し、購入するフローである。
ステップ641:(シーケンス601)電子書籍の購入を希望する利用者は、図4に示される携帯電話機等の利用者端末101のWWWブラウザ403を利用してインターネット内に開設されているオンライン書店の1つを選択する。
ステップ642:選択したオンライン書店111のウェブサーバに接続し、ウェブページ内の希望する電子書籍を取り扱うページをアクセスして購入手続きを開始する。
ステップ643:(シーケンス602)利用者は氏名・住所等の情報を登録し、書籍代金の支払い方法等に関する取り決めを行う。
ステップ644:(シーケンス603)オンライン書店111のウェブサーバは利用者端末101間の課金シーケンスが終了すると、オンライン書店の書店ID、販売してした電子書籍の書籍ID等、取引の識別に必要な情報を含む識別情報を利用者端末101に送信する。本発明の電子書籍販売システムは、利用者がオンライン書店から購入した電子書籍を取次書店から利用者端末にダウンロードするものである。電子書籍を販売したオンライン書店のウェブサーバは、前記の識別情報と共に、電子書籍をダウンロードする配信サーバ120のURLを利用者端末101に送信する。URLを受信した利用者端末101のWWWブラウザ403は接続先をオンライン書店のウェブサーバから受信したURLが示す配信サーバ120に変更する。接続先を受信したURLに変更する方法は、HTTPリダイレクトによる方法、METAタグによる方法、スクリプトによる方法等が存在し、状況に即して適宜選択される。
【0021】
ステップ645:(シーケンス604)オンライン書店のウェブサーバから識別情報と配信サーバ120のURLを受信したWWWブラウザ403は、接続先をウェブサーバから配信サーバ120に変更する。
ステップ646:WWWブラウザ403は、識別情報、オンライン書店の書店ID等所定の情報を配信サーバ120に送信する。
ステップ647:配信サーバ121の購入書籍判断部202は受信した識別情報から利用者が購入した電子書籍を識別する。
ステップ648:配信サーバ121の電子書籍データ読出部203は電子書籍データベース204から該当する電子書籍のデータを読み出す。電子書籍形成部205は読み出された電子書籍データのヘッダー221に、暗号化された電子書籍のデータを解読する暗号解読キーを提供するDRMサーバのURL224を付加すると共に、書籍IDの所定の情報を付加する。
ステップ649:(シーケンス605)配信形式に形成された電子書籍220はネットワークインターフェース201を介して利用者端末101に送信される。
ステップ650:利用者端末101のWWWブラウザ403は配信サーバ120から配信された電子書籍220をデータメモリ401に格納する。
ステップ651:WWWブラウザ403は利用者端末101の制御部404に制御を渡して終了する。
【0022】
図6−3図は、購入した電子書籍をダウンロートした利用者端末101がDRMサーバにアクセスして暗号解読キーを入手し、購入手続きを終了するフローである。
ステップ671:(シーケンス606)利用者端末101の制御部404はデータメモリ401に格納された電子書籍のヘッダーからDRMサーバのURL224を読み出してDRMサーバ150に接続する。制御部404は利用者ID、書籍ID等、所定の情報をDRMサーバ150に送信し暗号解読キーを要求する。
ステップ672:制御部404はDRMサーバから送信された暗号解読キーを用いてデータメモリ401に格納された電子書籍220を解読し、閲覧ソフト402による閲覧を可能とする。
ステップ673:(シーケンス607)電子書籍の解読に成功した制御部404は、DRMサーバ150に電子書籍の受領とインストールが完了したことを示す受領完了信号を出力する。
ステップ674:(シーケンス608)受領完了信号を受信したDRMサーバ150は、電子書籍を購入したオンライン書店が指定する確認サーバ170に、販売した電子書籍が購入者の端末101に送達されたことを示す送達確認信号を送る。送達確認信号には利用者ID、書籍ID、取次ID等、電子書籍の販売を特定する情報が含まれる。
本発明では、送達確認信号をDRMサーバ150から確認サーバ170に直接送信せず、履歴サーバ122を介して確認サーバ170に送信する構成となっている。従って、ステップ674でDRMサーバ150は、送達確認信号を確認サーバ170に再送することを指示して、履歴サーバ122に送信する。
ステップ675:送達確認信号を受信した履歴サーバ122の抽出部302は、送達確認信号に含まれる利用者ID、書籍ID、取次ID等のデータを抽出して履歴データベース303に格納する。
ステップ676:(シーケンス609)抽出が終了した送達確認信号309は確認サーバ170に送信される。
ステップ677:確認サーバ170は取引が完了したことを記録する。
【0023】
図7−1及び図7−2は利用者が前回購入した電子書籍の関連書籍をオンライン書店から購入するフローであり、図7−3は携帯電話機に表示されるガイダンス画面の例である。
ステップ721:利用者は利用者端末101の閲覧ソフト402(図4)を起動してデータメモリ401に記憶されている電子書籍220を閲覧する。図7−3(a)に示されるように、電子書籍の閲覧が終了したことを検知した閲覧ソフトは、図7−3(b)に示される続編の購入を行うか否かの問い合わせのガイダンスを表示する。
ステップ722:利用者が購入を指示すると閲覧ソフトはWWWブラウザ403を起動する。
【0024】
ステップ723:(シーケンス701)WWWブラウザ403は予め設定されているURL情報に基づいて履歴サーバ122にアクセスし、電子書籍220(図2)のヘッダー221に格納されている書籍IDと共に利用者IDを送信する。
ステップ724:書籍ID、利用者IDを受信した履歴サーバ122(図3)の検索部304は、履歴データベース303を検索し、利用者が指定された書籍を前回購入したオンライン書店のウェブサーバのURL、あるいは当該ウェブサーバ内で指定された書籍に関連するページのURLを取得する。
履歴サーバ122はステップ675でDRMサーバ150が送信した送達確認信号から書籍ID、取次ID、利用者IDを抽出して履歴データベース303に格納する。また、電子書籍販売システムにはオンライン書店が取り扱う電子書籍とウェブサーバのURL等の情報を記憶する書店サイトデータベース160が設けられている。履歴サーバ122の参照部308(図3)は書店サイトデータベース160にアクセスし、書籍ID、取次ID、書店ID、オンライン書店のウェブサーバのURL等、オンライン書店と取次書店が取り扱う電子書籍の情報とウェブサーバの情報を取得して履歴データベース303に格納する。この構成により、履歴データベース303は利用者端末から送信された書籍ID、取次ID、利用者IDに基づいて、利用者が前回電子書籍を購入したオンライン書店のウェブサーバのURL、とウェブサーバ内の当該電子書籍に対応するページのURLを検索することが可能となる。
【0025】
ステップ725:(シーケンス702)履歴サーバ122の検索部304は取得したURLを利用者端末101に送信する。利用者が指定されたURLを手動により入力する等の煩雑な操作を不要とするため、オンライン書店のURLはHTTPリダイレクト等、WWWブラウザが自動的に、あるいは半自動的に接続先を変更することを可能とするコマンドあるいはタグ等を付加して送信される。
ステップ726:(シーケンス703)オンライン書店のウェブサーバのURL、またはウェブサーバ内の前回購入した電子書籍に対応するページのURLを受信した利用者端末101のWWWブラウザ403は、図7−3(c)に示されるガイダンスを表示し、オンライン書店のウェブサーバに移動することを利用者に示す。利用者がオンライン書店への移動を指示すると、オンライン書店のウェブサーバをアクセスする(図7−3(d))。履歴サーバ122が前回購入した電子書籍に対応するページのURLを送信した場合は、直接電子書籍のページをアクセスする(図7−3(e))。
ステップ727:(シーケンス704)利用者はオンライン書店のウェブサーバとの間で書籍の購入手続きを行う(図7−3(e))。
【産業上の利用可能性】
【0026】
オンライン書店で購入した電子書籍を取次書店の配信サーバからダウンロードする電子書籍の販売システムでは、ダウロードした電子書籍には書籍を購入したオンライン書店の情報を付加することはできない。従って、利用者が先に購入した電子書籍の続編等の関連図書を前回利用したオンライン書店から購入する場合、インネットに開設されている多くのオンライン書店から前回利用したオンライン書店を探したす作業を行う必要がある。
本発明は利用者が購入した暗号化された電子書籍の暗号解読キーを配信するDRMサーバの情報を利用することにより、利用者が前回電子書籍を購入したオンライン書店のURLを自動的に取得する構成を有している。具体的には、利用者がDRMサーバから暗号解読キーを所得することにより電子書籍が閲覧可能となった時にDRMサーバから書店が指定した確認サーバに送信される送達確認信号に含まれる、書籍、取次書店、及び利用者に関する情報を抽出して蓄積する履歴サーバを設けるものである。利用者が前回購入した電子書籍の関連図書の購入を指示した時、利用者端末は履歴サーバをアクセスして前回電子書籍を購入したオンライン書店のウェブサーバのURLを取得して、自動的にあるいは半自動的に当該ウェブサーバに接続する。
また、本発明の履歴サーバはインターネットに開設されているオンライン書店と当該オンライン書店が販売した電子書籍の配信を担当する取次書店の対応関係、及びオンライン書店が取り扱う電子書籍とウェブサーバ内のページとの関連を蓄積する書店サイトデータベースを参照する構成を有している。この構成により、利用者が購入を希望する電子書籍に対応するウェブサーバ内のページに少ない操作により到達が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る電子書籍販売システムの概要図
【図2】配信サーバの構成図
【図3】履歴サーバの構成図
【図4】利用者端末の構成図
【図5】取次書店における初期設定のシーケンス図
【図6−1】電子書籍の購入シーケンス図
【図6−2】電子書籍の購入処理のフロー図
【図6−3】電子書籍の購入処理のフロー図
【図7−1】関連書籍の購入シーケンス図
【図7−2】関連書籍の購入処理のフロー図
【図7−3】関連書籍の購入時のガイダンス表示の図
【図8】従来の電子書籍販売システムのフロー図
【図9−1】従来の電子書籍販売システムのシーケンス図
【図9−2】従来の電子書籍販売システムのシーケンス図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンライン書店が販売した電子書籍を配信サーバにより利用者端末に配信する電子書籍販売システムであって、
前記電子書籍販売システムは販売された電子書籍の販売履歴を記憶する履歴サーバを有し、
前記利用者端末は
前記配信サーバから配信された電子書籍の受信に応答して受領完了信号を送信する受領完了信号送信手段と、
履歴サーバに電子書籍を購入したオンライン書店の情報を要求する履歴要求手段を有し、
前記履歴サーバは
前記受領完了信号から販売履歴に関する情報を抽出して記憶する履歴記憶手段と、
前記利用者端末からの履歴要求信号に応答して前記履歴記憶手段から電子書籍を購入したオンライン書店の情報を検索して前記利用者端末に送信する履歴検索手段
とからなることを特徴とする電子書籍販売システム。
【請求項2】
請求項1記載の電子書籍販売システムであって、
前記電子書籍販売システムは販売された電子書籍の暗号を解読する暗号解読キーを配信するDRMサーバを有し、
前記配信サーバは電子書籍を暗号化して配信するものであり、
前記利用者端末は前記DRMサーバから暗号解読キーを配信されたことに応答して受領完了信号をDRMサーバに送信するものであり、
前記履歴サーバは前記DRMサーバから販売履歴に関する情報を抽出して履歴記憶手段に記憶することを特徴とする電子書籍販売システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の電子書籍販売システムであって、
前記履歴サーバの履歴記憶手段にはオンライン書店のウェブサーバの情報が記憶されることを特徴とする電子書籍販売システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3記載の電子書籍販売システムであって、
前記電子書籍販売システムはオンライン書店のウェブサーバの情報を記憶する書店サイトデータベース手段を有し、
前記履歴サーバは書店サイトデータベース手段を参照することを特徴とする電子書籍販売システム。
【請求項5】
オンライン書店が販売した電子書籍を配信サーバにより利用者端末に配信する電子書籍の販売方法であって、
前記利用者端末が
前記配信サーバから配信された電子書籍の受信に応答して受領完了信号を送信するステップと、
履歴サーバに電子書籍を購入したオンライン書店の情報を要求するステップと、
前記履歴サーバが
前記利用者端末が出力した受領完了信号から販売履歴に関する情報を抽出して記憶するステップと、
前記利用者端末からの履歴要求信号に応答して前記記憶された販売履歴から電子書籍を購入したオンライン書店の情報を検索して前記利用者端末に送信するステップ
とからなることを特徴とする電子書籍の販売方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【公開番号】特開2009−163612(P2009−163612A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2187(P2008−2187)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】