説明

電子機器、表示方法および表示プログラム

【課題】 異なる表示形態を有する場合であっても、それぞれの表示形態における操作性を向上させ、適切なメニュー形態を提示可能とする。
【解決手段】 蓋部2が開けられ、縦位置にある場合には、RAM24から通常モード用のアイコンデータ241を読み出して、縦位置の表示部6にメニュー画面を表示する通常モードとする。一方、第1ヒンジ部100および第2ヒンジ部12が回転され、横位置にある場合には、RAM24からビューワモード用のアイコンデータ242を読み出して、横位置の表示部25にメニュー画面を表示するビューワモードに切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、表示方法および表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯情報端末などの電子機器においては、各種機能が搭載されており、ユーザは、メニュー画面より所望する機能を選択して実行するようになっている。メニュー画面には、格子状に配置したアイコンメニューや、複数行に並んだリストメニューが用いられ、十字カーソルキーなどにより4方向にカーソルを移動させて上記メニューから機能が選択される。
【0003】
また、上述した電子機器、特に、携帯電話は、例えば、異なる縦横比を有する表示部を備えており、電子機器を把持した状態で表示部を縦長とした状態で使用するモードと横長とした状態で使用するモードとを備えるものも提案されている(例えば特許文献1)。この場合、表示部が配置されている筐体の一部(蓋部)を、2軸ヒンジ機構やスライド機構により回転させて、横長とした状態で使用することを実現している。
【特許文献1】特開2003−174495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば上記特許文献1においては、表示部が配置されている筐体の一部がフロント面のキー入力部を覆う形態(ビュースタイル)の場合、その状態に適応した表示形態行うことについては開示されているものの、ユーザの使用勝手を考慮したメニュー表示については考慮されていない。したがって、ユーザは見たい情報がある場合、縦長表示の状態からキーを操作して所望の情報を表示させ、再びビュースタイルにするか、憶測でサイドキーを操作することで所望の情報を表示させなければいけないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、異なる表示位置を有する場合であっても、それぞれの表示位置における操作性を向上させることができ、また、それぞれの表示位置での使用に適切なメニュー形態を提示することができる電子機器、表示方法および表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による電子機器は、異なる縦横比を有する表示手段が配設された第1の筐体部と、前記第1の筐体部に対しヒンジ部を介して回転自在に結合された第2の筐体部とからなる電子機器において、前記表示手段を縦長表示位置で用いる場合に表示すべき第1のメニュー情報と、前記表示手段を横長表示位置で用いる場合に表示すべき第2のメニュー情報とを記憶する記憶手段と、前記第1の筐体部と前記第2の筐体部との相対的な位置関係に基づいて、前記表示手段が縦長表示位置にあるか横長表示位置にあるかを検知する検知手段と、前記検知手段により前記表示手段が縦長表示位置にあると検知されると、前記記憶手段から前記第1のメニュー情報を読み出して表示し、前記検知手段により前記表示手段が横長表示位置にあると検知されると、前記記憶手段から前記第2のメニュー情報を読み出して表示する表示制御手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、好ましい態様として、例えば請求項2記載のように、請求項1記載の電子機器において、前記検知手段は、前記第1の筐体部が前記ヒンジ部を介して前記第2の筐体部に重なり合う方向に回動されることで、前記表示手段が横長表示位置にあると検知するようにしてもよい。
【0008】
また、好ましい態様として、例えば請求項3記載のように、請求項1または2に記載の電子機器において、前記第1のメニュー情報は、縦長表示位置で実行可能な機能に特化した複数の項目を含み、前記第2のメニュー情報は、横長表示位置で実行可能な機能に特化した複数の項目を含むようにしてもよい。
【0009】
また、上記目的達成のため、請求項4記載の発明による電子機器の表示方法は、異なる縦横比を有する表示手段が配設された第1の筐体部と、前記第1の筐体部に対しヒンジ部を介して回転自在に結合された第2の筐体部とからなる電子機器の表示方法であって、前記表示手段が縦長表示位置である場合に実行可能な機能に特化した複数の項目を含む第1のメニュー情報と、前記表示手段が横長表示位置である場合に実行可能な機能に特化した複数の項目を含む第2のメニュー情報とを記憶しておき、前記第1の筐体部と前記第2の筐体部との相対的な位置関係に基づいて、前記表示手段が縦長表示位置にあるか横長表示位置にあるかを検知し、前記表示手段が縦長表示位置にあると検知されると、前記第1のメニュー情報を読み出して表示し、前記表示手段が横長表示位置にあると検知されると、前記第2のメニュー情報を読み出して表示することを特徴とする。
【0010】
また、上記目的達成のため、請求項5記載の発明による電子機器の表示プログラムは、異なる縦横比を有する表示手段が配設された第1の筐体部と、前記第1の筐体部に対しヒンジ部を介して回転自在に結合された第2の筐体部とからなる電子機器の表示プログラムであって、前記第1の筐体部と前記第2の筐体部との相対的な位置関係に基づいて、前記表示手段が縦長表示位置にあるか横長表示位置にあるかを検知するステップと、前記表示手段が縦長表示位置にあると検知されると、前記表示手段が縦長表示位置である場合に実行可能な機能に特化した複数の項目を含む第1のメニュー情報を読み出して表示するステップと、前記表示手段が横長表示位置にあると検知されると、前記表示手段が横長表示位置である場合に実行可能な機能に特化した複数の項目を含む第2のメニュー情報を読み出して表示するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、前記表示手段を縦長表示位置で用いる場合に表示すべき第1のメニュー情報と、前記表示手段を横長表示位置で用いる場合に表示すべき第2のメニュー情報とを記憶手段に記憶しておき、検知手段により、前記第1の筐体部と前記第2の筐体部との相対的な位置関係に基づいて、前記表示手段が縦長表示位置にあるか横長表示位置にあるかを検知し、表示制御手段により、前記検知手段により前記表示手段が縦長表示位置にあると検知されると、前記記憶手段から前記第1のメニュー情報を読み出して表示し、前記検知手段により前記表示手段が横長表示位置にあると検知されると、前記記憶手段から前記第2のメニュー情報を読み出して表示するようにしたので、異なる表示位置を有する場合であっても、それぞれの表示位置での使用に適切なメニュー形態を提示することができるという利点が得られる。
【0012】
また、請求項2記載の発明によれば、前記第1の筐体部が前記ヒンジ部を介して前記第2の筐体部に重なり合う方向に回動されることで、前記検知手段により、前記表示手段が横長表示位置にあると検知するようにしたので、異なる表示位置を有する場合であっても、それぞれの表示位置での使用に適切なメニュー形態を提示することができるという利点が得られる。
【0013】
また、請求項3記載の発明によれば、前記第1のメニュー情報に、縦長表示位置で実行可能な機能に特化した複数の項目を含め、前記第2のメニュー情報に、横長表示位置で実行可能な機能に特化した複数の項目を含めるようにしたので、異なる表示位置を有する場合であっても、それぞれの表示位置における操作性を向上させることができ、また、それぞれの表示位置での使用に適切なメニュー形態を提示することができるという利点が得られる。
【0014】
また、請求項4記載の発明によれば、前記表示手段が縦長表示位置である場合に実行可能な機能に特化した複数の項目を含む第1のメニュー情報と、前記表示手段が横長表示位置である場合に実行可能な機能に特化した複数の項目を含む第2のメニュー情報とを記憶しておき、前記第1の筐体部と前記第2の筐体部との相対的な位置関係に基づいて、前記表示手段が縦長表示位置にあるか横長表示位置にあるかを検知し、前記表示手段が縦長表示位置にあると検知されると、前記第1のメニュー情報を読み出して表示し、前記表示手段が横長表示位置にあると検知されると、前記第2のメニュー情報を読み出して表示するようにしたので、異なる表示位置を有する場合であっても、それぞれの表示位置における操作性を向上させることができ、また、それぞれの表示位置での使用に適切なメニュー形態を提示することができるという利点が得られる。
【0015】
また、請求項5記載の発明によれば、前記第1の筐体部と前記第2の筐体部との相対的な位置関係に基づいて、前記表示手段が縦長表示位置にあるか横長表示位置にあるかを検知するステップと、前記表示手段が縦長表示位置にあると検知されると、前記表示手段が縦長表示位置である場合に実行可能な機能に特化した複数の項目を含む第1のメニュー情報を読み出して表示するステップと、前記表示手段が横長表示位置にあると検知されると、前記表示手段が横長表示位置である場合に実行可能な機能に特化した複数の項目を含む第2のメニュー情報を読み出して表示するステップとをコンピュータに実行させるようにしたので、異なる表示位置を有する場合であっても、それぞれの表示位置における操作性を向上させることができ、また、それぞれの表示位置での使用に適切なメニュー形態を提示することができるという利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
A.実施形態の構成
図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話1の蓋を開いた状態と閉じた状態の正面図に相当する外観図である。図1(a)は、携帯電話1の蓋を開いた状態を示し、図1(b)は、携帯電話1の蓋を閉じた状態(蓋側)を示し、図1(c)は、携帯電話1の蓋を閉じた状態(裏面側)を示している。
【0018】
図示のように、蓋部2は、本体部3に対し第1ヒンジ部100を回転軸として開閉可能(矢印α)に配置されているほか、第2ヒンジ部12を回転軸として回転可能(矢印β)になっている。蓋部2は、第1スピーカ5、表示部6、データ通信用の内蔵アンテナ(図示略)を内蔵している。第1スピーカ5は、ダイナミックスピーカであり、蓋部2の内面に配置されている。表示部6は、蓋部2の内面に配置され、16:9のアスペクト比の映像表示が可能な2.7inch(240×428ドット)TFT液晶(QVGAもしくは、HVGA相当の解像度を備える)カラー液晶からなる。
【0019】
第1ヒンジ部100は、蓋部2に連繋されて該蓋部2と一体的に回転する可動部101と、本体部3側に固定されるとともに可動部101の両側に設けられた左右一対の固定部102、103とで構成されている。
【0020】
本体部3は、キー入力部8とマイク10とを備える。キー入力部8は、メニュー表示時におけるフォーカス移動のための十字キー81、決定のための決定キー82、アドレス帳データ閲覧のためのアドレス帳キー83、ネットワーク接続を指示するためのネットワーク接続キー84、ムービー再生モードを起動させるためのムービー再生キー85、メールモード(受信、作成、編集、送信)を起動させるためのメールキー86、オフフックキー87、クリアキー88(キャンセル検出)、オンフックキー89(オールクリア:着信待ち状態にジャンプ指示)、電話番号や文字記号を入力するためのテンキー810等からなる。また、本体部の背面には、撮影するための撮像レンズ17、および着信音などを鳴動するためのスピーカ7R、7Lが配置されている。
【0021】
また、図2は、蓋を閉じた状態における携帯電話1の正面、および各側面を示す外観図である。図2(a)は、携帯電話1の蓋を閉じた状態(蓋側)を示し、図2(b)は、同図(a)のC方向から見た側面を示し、図2(c)は、同図(a)のB方向から見た側面を示し、図2(d)は、同図(a)のC方向から見た側面を示し、図2(d)は、同図(a)のD方向から見た側面を示している。
【0022】
本体部3は、その一方の側部に、第1サイドキー90、第2サイドキー91、シャッターキー92を備える。第1サイドキー90は、待受け状態でマナーキーとして機能する。第2サイドキー91は、メモキーとして機能する。シャッターキー92は、蓋部2を閉じた状態でのカメラモードでシャッターキーとして機能する。また、本体部3は、その他方の側部に、クレイドル用コネクタ32、メモリカードスロット(カバー)33を備える。クレイドル用コネクタ32は、携帯電話を横向きにクレイドル、すなわち充電台を兼ねた設置台に設置した際に、設置台からの電力で図示しないバッテリを充電するためのものである。メモリカードスロット33には、SDカードなどの記録媒体が装着される。
【0023】
次に、図3は、本実施形態による携帯電話1を使用する場合の利用形態を示す模式図である。本実施形態による携帯電話1は、図3(a)に示すように、蓋部2を開いて、表示部6を縦長表示位置とした状態で使用する通常モードと、該状態から蓋部2を、第2ヒンジ部12を介して回転軸βで180°回転させ、さらに、図3(b)に示すように、蓋部2を第1ヒンジ部101の可動部101を介して回転軸αで回転させて折り畳んで図3(c)に示す状態とし、その後、携帯電話1を図3(c)に示す矢印方向に回転させて、図3(d)に示すように、表示部6を横長表示位置とした状態で使用するビューワモードとを備えている。したがって、通常モードでは、表示部6を縦長の画面としてメニューなどを表示する必要があり、ビューワモードでは、表示部6を横長の画面としてメニューなどを表示する必要がある。
【0024】
図4は、携帯電話1の回路構成を示すブロック図である。受信信号処理部18は、データ通信モードの開始指示をスイッチ回路201より受けると、外部の無線基地局とのネゴシエーション(端末認証、回線接続)を開始し、通信帯域幅を一時的に占有する処理を行う。そして、内蔵アンテナ16により受信された無線信号より自機宛に符号変調された信号を抽出して、スイッチ回路201を介して通信データ処理部202に出力する。
【0025】
通信信号処理部19は、待受け状態においても、また、データ通信モードにおいても、常に電源供給されており、通信データ処理部202からのデジタル変調信号(送信音声データ、メールデータ、ネットワーク接続情報を含むパケットデータ)を、符号変調してメインアンテナ11より出力する。また、一方で、無線基地局より送信され、メインアンテナ11により受信された無線信号より自機宛に符号変調された信号を抽出して、スイッチ回路201を介して通信データ処理部202に出力する。
【0026】
なお、内蔵アンテナ16とメインアンテナ11は、蓋部2を回動させた状態であっても、閉じた状態であっても、スペースダイバーシチ受信を行うのに有効な位置関係にある。
【0027】
第1制御部20は、無線基地局、及びその後段にあたる、通信サービス事業者、インターネット等のネットワークインフラを介して接続されるデータベース等の、情報資源との接続制御を中心とした処理を行う。なお、本実施の形態においては、携帯電話1は、2つの制御部を傭えており、通信処理全般については第1制御部20、その他、撮影処理、画像処理、および、映像の再生処理に関しては後述の第2制御部22で行う。
【0028】
スイッチ回路201は、通信データ処理部202からの制御信号を受け、受信信号処理部18、通信信号処理部19への電源供給、処理動作開始終了の制御を行う。詳細には、通常電源オン状態、もしくは、受信ONモード状態であれば、通信信号処理部19のみに電源を供給して動作させ、一方で、ユーザがネットワーク接続キー84を操作したか、あるいは、予め設定されたスケジュールに従い、データ通信モードの開始が指示された場合は、受信信号処理部18と通信信号処理部19とを動作させる。
【0029】
通信データ処理部202は、音声処理部205より出力されたCELP系デジタル音声データをPSK系方式に対応する信号に変調、及び拡散符号に変調するとともに、受信信号処理部18、通信信号処理部19にて受信される符号変調された信号をPSK系方式、及び/又は、QAM系方式のデジタル信号に復号する処理を行う。また、2020は、IDメモリであり、当該携帯電話1に予め割り当てられ、無線基地局、通信サービス事業者、及びインターネット接続のための固有情報を記憶する。この情報とは、例えば、サービス事業者毎に割り当てられたサービスコードであったり、当該携帯電話1を呼び出すための電話番号であったり、当該携帯電話1のメーカーコードであったり、インターネット接続のためのIPアドレス、メールアドレスが含まれる。
【0030】
システムROM203は、通信制御のための制御プログラムを格納する。本実施の形態の特徴としては、通常の通信ネゴシエーションプログラムの他に受信信号処理部18と通信信号処理部19との動作切替制御プログラムを記憶する。これにより、データ通信モードの開始が指示された場合に、メインアンテナ11と内蔵アンテナ16によるスペースダイバーシチ受信を行わせて、一時的に通信帯域幅を占有し、受信信号処理部18、通信信号処理部19の双方より串力される符号変調された信号をほぼ同時にQAM系方式のデジタル信号に復号、合成して、インターフェイス処理部204を介してバス200に出カするプログラムを記憶する。
【0031】
音声処理部205は、CELP系の音声変調/復調システムと、MPEGオーディオ系の音声復調システムとを備え、通話状態においては、音声処理部205から出カされるアナログ音声を第1スピーカ5から出力させる。スイッチ31は、第2制御部22からの制御により、ムービー再生モードにおいては、ムービーファイルに格納されるオーディオデータがステレオ対応である場合、第2スピーカ7R、第3スピーカ7Lの両方にオーディオ信号を出力する。第2スピーカ7Lは、報知ドライバ26によっても駆動され、着信報知音を発生する。
【0032】
第2制御部22は、ムービー再生モードにおけるデータ通信モードによりダウンロードしたムービーファイルや、カメラモードにおける静止画/動画の再生表示処理、及び、カメラモードにおける撮影処理全般の制御を行う。なお、本実施の形態においては、携帯電話機能による着信割り込み時において上述の第1制御部20との並行処理が可能だが、これらの処理に伴うバスへのアドレス/データの割り込み処理については、インターフェイス処理部204が行うものとする。
【0033】
プログラムROM23は、ムービー再生モード、カメラモード等の各処理プログラムを格納する。RAM24は、データ通信処理や、音声通信において必要とされる各種データを記憶する。本実施形態では、特に、図5に示すように、通常モード用のアイコンデータ241や、ビューワモード用のアイコンデータ242を記憶する。ここで、通常モード用のアイコンデータ241とは、前述したように、携帯電話を図3(a)に示すように、縦長表示位置で用いる場合にメニュー画面に表示するデータであり、ビューワモード用のアイコンデータ242とは、図3(d)に示すように横長表示位置で用いる場合にメニュー画面に表示するデータである。また、アイコンデータとしては、PNGやJPEG等の静止画、およびFlashデータを想定している。
【0034】
次に、圧縮伸張処理部25は、MPEG−2、−4に対応し、カメラモードにて撮影された静止画/動画を圧縮処理するとともに、ムービー再生モードにおけるデータ通信モードによりダウンロ−ドしたムービーファイルや、カメラモードにおける静止画/動画を伸張処理する。
【0035】
報知ドライバ26は、着信処理を検出した際、これを報知せしめるために報知用LED13、第3スピ−カ7Lを動作させる。スイッチ処理部27は、キー入力部8、第1サイドキー90、第2サイドキー91、シャッターキー92からの操作検出に伴う第1制御部20、第2制御部22への制御信号を出カする。
【0036】
なお、カメラレンズ17の後段には、CCD、若しくはCMOS等のイメ−ジセンサと光学ズーム用のステップモータからなる撮像デバイス171と、この撮像デバイスで撮り込まれたアナログ信号をデジタル信号に変換し、イメージデータを生成するためのDSP172とが備えられている。また、本実施の形態におけるイメージセンサーの有効画素領域は4:3のアスペクト比に固定されている。
【0037】
クレイドル用コネクタ32は、クレイドル、すなわち充電台を兼ねた設置台に設置した際に、設置台からの電力で図示しないバッテリを充電するためのものであり、コネクタインターフェース31を介してバスに接続されている。メモリカードスロット330(33)には、SDカードなどの記録媒体331が装着される。また、センサ40は、第1ヒンジ部100、第2ヒンジ部12に埋め込まれており、第1ヒンジ部100での回転、および第2ヒンジ部12での回転を検出することにより、携帯電話1が図3(a)に示す縦長表示位置と、図3(d)に示す横長表示位置との状態変位を検知する。表示ドライバ61は、表示バッファ62に一時的に格納される表示データを表示部6に表示制御する。
【0038】
B.実施形態の動作
次に、上述した実施形態の動作について説明する。ここで、図6は、本実施形態による携帯電話1の動作を説明するためのフローチャートである。また、図7は、携帯電話を縦位置で用いる通常モードでの表示部の表示例を示す模式図である。また、図8は、携帯電話を横位置で用いるビューワモードでの表示部の表示例を示す模式図である。
【0039】
携帯電話1では、まず、蓋部2が開けられると、RAM24から通常モード用のアイコンデータ241を読み出し(ステップS10)、図7に示すように、通常モード状態で、縦長表示位置の表示部25にメニュー画面を表示する(ステップS12)。次に、センサ40が作動したか否かを判断し(ステップS14)、センサ40が作動していなければ、通常モード状態を維持する。該通常モード状態では、十字キー81の操作によりカーソルを4方向に移動させ、決定キー82の操作により選択項目を決定する。
【0040】
一方、センサ40が作動すると、携帯電話1が図3(d)に示すビューワモードになったと判断し、RAM24からビューワモード用のアイコンデータ242を読み出し(ステップS16)、図8に示すように、ビューワモード状態で、横位置の表示部25にメニュー画面を表示する(ステップS18)。次に、センサ40が作動したか否かを判断し(ステップS20)、センサ40が作動していなければ、ビューワモード状態を維持する。該ビューワモード状態では、図3(d)に示すように、第1のサイドキー90、第2のサイドキー91の操作によりカーソルを上下移動させ、シャッターキー92の操作により選択項目を決定する。
【0041】
一方、ビューワモード状態で、センサ40が作動すると、携帯電話1が図3(a)に示す通常モードになったと判断し、再び、通常モード状態へ移行する。
【0042】
上述した実施形態によれば、表示部を縦位置で用いる通常モード、表示部を横位置で用いるビューワモードのいずれの場合であっても、操作性を損なうことなく、それぞれのモードに最適なメニュー表示を行うことができる。また、ビューワモードでは、本体部のキー入力部が利用できず、また、データを見たり、聞いたりすることが中心となるため、これらに特化した機能をメニューアイコンに設定することで、より操作性を向上させることができる。
【0043】
なお、上述した実施形態においては、携帯電話に適用した場合について説明したが、これに限定されず、2軸ヒンジ機構を有するスライド端末や異なる表示スタイルを有する携帯情報端末に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話1の蓋を開いた状態と閉じた状態の正面図に相当する外観図である。
【図2】蓋を閉じた状態における携帯電話1の正面、および各側面を示す外観図である。
【図3】本実施形態による携帯電話1を使用する場合の利用形態を示す模式図である。
【図4】携帯電話1の回路構成を示すブロック図である。
【図5】RAM24に記憶されている、通常モード用のアイコンデータ241およびビューワモード用のアイコンデータ242の格納状態を示す概念図である。
【図6】本実施形態による携帯電話1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】携帯電話を縦位置で用いる通常モードでの表示部の表示例を示す模式図である。
【図8】携帯電話を横位置で用いるビューワモードでの表示部の表示例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0045】
1 携帯電話(電子機器)
2 蓋部(第1の筐体部)
3 本体部(第2の筐体部)
5 第1スピーカ
6 表示部(表示手段)
7R 第2スピーカ
7L 第3スピーカ
8 キー入力部(キー入力手段)
10 マイク
11 メインアンテナ
12 第2ヒンジ部(ヒンジ部)
13 報知用LED
16 内蔵アンテナ
17 撮像レンズ
18 受信信号処理部
19 通信信号処理部
20 第1制御部
31 スイッチ
22 第2制御部(表示制御手段)
23 プログラムROM
24 RAM(記憶手段)
27 スイッチ処理部
40 センサ(検知手段)
61 表示ドライバ(表示制御手段)
62 表示バッファ
90 第1サイドキー
91 第2サイドキー
92 シャッターキー
100 第1ヒンジ部(ヒンジ部)
201 スイッチ回路
202 通信データ処理部
203 システムROM
205 音声処理部
206 スイッチ回路
207 オーデイオアンプ
330 メモリカードスロット
331 カード媒体
241 通常モード用アイコンデータ(第1のメニュー情報)
242 ビューワモード用アイコンデータ(第2のメニュー情報)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる縦横比を有する表示手段が配設された第1の筐体部と、前記第1の筐体部に対しヒンジ部を介して回転自在に結合された第2の筐体部とからなる電子機器において、
前記表示手段を縦長表示位置で用いる場合に表示すべき第1のメニュー情報と、前記表示手段を横長表示位置で用いる場合に表示すべき第2のメニュー情報とを記憶する記憶手段と、
前記第1の筐体部と前記第2の筐体部との相対的な位置関係に基づいて、前記表示手段が縦長表示位置にあるか横長表示位置にあるかを検知する検知手段と、
前記検知手段により前記表示手段が縦長表示位置にあると検知されると、前記記憶手段から前記第1のメニュー情報を読み出して表示し、前記検知手段により前記表示手段が横長表示位置にあると検知されると、前記記憶手段から前記第2のメニュー情報を読み出して表示する表示制御手段と
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記検知手段は、前記第1の筐体部が前記ヒンジ部を介して前記第2の筐体部に重なり合う方向に回動されることで、前記表示手段が横長表示位置にあると検知することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1のメニュー情報は、縦長表示位置で実行可能な機能に特化した複数の項目を含み、前記第2のメニュー情報は、横長表示位置で実行可能な機能に特化した複数の項目を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
異なる縦横比を有する表示手段が配設された第1の筐体部と、前記第1の筐体部に対しヒンジ部を介して回転自在に結合された第2の筐体部とからなる電子機器の表示方法であって、
前記表示手段が縦長表示位置である場合に実行可能な機能に特化した複数の項目を含む第1のメニュー情報と、前記表示手段が横長表示位置である場合に実行可能な機能に特化した複数の項目を含む第2のメニュー情報とを記憶しておき、
前記第1の筐体部と前記第2の筐体部との相対的な位置関係に基づいて、前記表示手段が縦長表示位置にあるか横長表示位置にあるかを検知し、
前記表示手段が縦長表示位置にあると検知されると、前記第1のメニュー情報を読み出して表示し、前記表示手段が横長表示位置にあると検知されると、前記第2のメニュー情報を読み出して表示することを特徴とする電子機器の表示方法。
【請求項5】
異なる縦横比を有する表示手段が配設された第1の筐体部と、前記第1の筐体部に対しヒンジ部を介して回転自在に結合された第2の筐体部とからなる電子機器の表示プログラムであって、
前記第1の筐体部と前記第2の筐体部との相対的な位置関係に基づいて、前記表示手段が縦長表示位置にあるか横長表示位置にあるかを検知するステップと、
前記表示手段が縦長表示位置にあると検知されると、前記表示手段が縦長表示位置である場合に実行可能な機能に特化した複数の項目を含む第1のメニュー情報を読み出して表示するステップと、
前記表示手段が横長表示位置にあると検知されると、前記表示手段が横長表示位置である場合に実行可能な機能に特化した複数の項目を含む第2のメニュー情報を読み出して表示するステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする電子機器の表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−80878(P2006−80878A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−262480(P2004−262480)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】