説明

電子機器システム

【課題】可搬メディアに記録した画像データの概略を示す情報を容易に知ることができる電子機器システムを提供する。
【解決手段】リモコン30のカメラで撮影されたCD/DVD6の表面に記入された文字、絵柄をパターン化し、そのデータとCD/DVD6の概略データとを関連付けて記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電子機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラで撮影した画像をそのまま表示し鑑賞することが可能な記録装置としてデジタルフォトフレームが広く普及している(下記公報参照)。デジタルフォトフレームでは内蔵のストレージメモリ(フラッシュメモリ、ハードディスク等)に記録された画像データ(静止画画像データ及び動画データ)を表示部に表示させるとともに、光磁気ディスク、半導体メモリ(SDカード等)に画像データをコピーしてバックアップ用として保管したり、他人に提供したり、パソコンの記憶部に記憶させたりすることが一般的に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−140900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記記録装置では、光磁気ディスク、半導体メモリ等の外部メディアに記録された画像データの概略を示す情報を確認するためには外部メディアの情報を読む機器が必要であり、それがなければユーザは外部メディア内の画像データの概略を示す情報を知ることができない。
【0005】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は可搬メディアに記録した画像データの概略を示す情報を容易に知ることができる電子機器システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、メディア情報を可搬メディアに記録するメディア情報記録手段と、前記メディア情報記録手段によって前記メディア情報が記録された前記可搬メディアの外観を撮像する撮像手段と、前記可搬メディアに記録された前記メディア情報の概略を表わすデータを作成するとともに、この作成された概略データと前記撮像手段によって取得された外観データとを関連付ける制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の電子機器システムにおいて、前記制御手段は、前記撮像手段によって取得された外観データに基づいて、前記概略データを参照可能としたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の電子機器システムにおいて、前記制御手段は、前記撮像手段によって撮像された前記外観の画像に含まれる手書き・印字された文字、絵柄をパターン化することで前記外観データと前記概略データとを関連付けることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の電子機器システムにおいて、前記可搬メディアは、光ディスク、光磁気ディスク、ハードディスク及び半導体メモリであることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の電子機器システムにおいて、前記概略データはネットワーク上のサーバに記録され、前記制御手段は、その概略データを前記ネットワーク上のユーザが参照可能としたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5項記載の電子機器システムにおいて、前記外観データは前記ネットワーク上のユーザによって取得されることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の電子機器システムにおいて、前記概略データは記憶手段に記憶され、前記制御手段は、その概略データを複数のユーザが参照可能としたことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7項記載の電子機器システムにおいて、前記外観データは前記複数のユーザによって取得されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、可搬メディアに記録した画像データの概略を示す情報を容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態に係る電子機器システムを構成する画像表示装置のブロック図である。
【図2】図2はこの発明の第1実施形態に係る電子機器システムを説明する概念図である。
【図3】図3はこの発明の第2実施形態に係る電子機器システムを説明する概念図である。
【図4】図4はこの発明の第3実施形態に係る電子機器システムを説明する概念図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1はこの発明の第1実施形態に係る電子機器システムを構成する画像表示装置100のブロック図である。
【0018】
画像表示装置100は画像表示装置本体10とリモートコントロール装置(以下リモコンという)30とからなる。
【0019】
画像表示装置本体10はCPU(制御手段)11を備えている。CPU11には、光学ドライブ(メディア情報記録手段)12を介してCD/DVD(可搬メディア)6とCPU11とを接続するための光学ドライブコントローラ13と、USBコネクタ14を介してPC(パーソナルコンピュータ)7とCPU11とを接続するUSBコントローラ15と、カードスロット(メディア情報記録手段)16を介してSD/CFカード(可搬メディア)8等の半導体メモリとCPU11とを接続するカードコントローラ17と、操作スイッチ18の操作をCPU11に認識させるためのインタフェースドライバ(I/F)19と、CPU11の指示に基づいてディスプレイ20を構成するLCDを駆動するLCDドライバ21と、CPU11の指示に基づいてIR送受信部22を駆動してリモコン30との間で赤外線による送受信を行うIRドライバ23と、メディア情報等を記憶するメモリ(記憶手段)24と、CPU11にバッテリ25から電力を供給するとともに、AC電源9によってバッテリ25が過充電されないように制御する電源コントローラ26とが接続されている。なお、他の可搬メディアとしては光磁気ディスク、ハードディスク等がある。
【0020】
光学ドライブ12、カードスロット16は可搬メディアにメディア情報を記録する。
【0021】
リモコン30は、リモコン30の動作を制御するCPU31を備えている。CPU31には、光学ドライブ12等によってメディア情報が記録されたCD/DVD6等の可搬メディアの外観を撮像して撮像データ(外観データ)を取得するカメラ(撮像手段)37と、CPU31の指示に基づいてIR送受信部32を駆動して画像表示装置本体10との間で赤外線による送受信を行うIRドライバ33と、操作スイッチ38の操作をCPU31に認識させるためのインタフェースドライバ(I/F)39と、撮像データを記録するメモリ34と、CPU31にバッテリ35から電力を供給する電源コントローラ36とが接続されている。
【0022】
CPU11はCD/DVD6等の可搬メディアに記録されたメディア情報の概略を表わすデータ(概略データ)を作成するとともに、この概略データとカメラ37によって撮像されたCD/DVD6等の可搬メディア等の外観の撮像データとを関連付ける。
【0023】
また、CPU11はカメラ37によるCD/DVD6等の可搬メディアの外観の撮像データに基づいて、概略データの参照を可能とする。
【0024】
更に、CPU11はカメラ37によって撮像されたCD/DVD6等の可搬メディアの外観の画像に含まれる手書き・印字された文字、絵柄をパターン化することで外観データと概略データとを関連付ける。
【0025】
次に、上記電子機器システムの動作を図1、2に基づいて説明する。
【0026】
図2はこの発明の第1実施形態に係る電子機器システムを説明する概念図である。
【0027】
この実施形態では画像表示装置本体10としてデジタルフォトフレーム(DPF)を用いた。なお、画像表示装置本体10としてはPCやDVDレコーダ装置を用いることもできる。
【0028】
まず、ユーザUは画像表示装置本体10のメモリ24に記憶されたメディア情報から、任意のメディア情報を可搬メディア(図2ではCD/DVD6)に記録する。この際、画像表示装置本体10は概略データをネットワーク50を介して概略データ管理サーバ60に記録する。概略データは各データのファイル名、タイトル、撮影日時、撮影データ(焦点距離、シャッタスピード、ISO感度、GPS情報等)、サムネイル画像である。
【0029】
次に、ユーザUはCD/DVD6の表面に手書き・印字によって任意のタイトル、コメント、注釈を記入し、CD/DVD6の表面をリモコン30に内蔵されたカメラ37で撮影する。
【0030】
その後、リモコン30から画像表示装置本体10へカメラ37で取得した撮像データを送信する。
【0031】
画像表示装置本体10はCD/DVD6の表面に記入された文字、絵柄をパターン化し、そのデータを指定されたネットワーク50上の概略データ管理サーバ60にアップロードする。概略データ管理サーバ60はアップロードされたデータと既に記録されている概略データとを関連付けて記録する。
【0032】
なお、例えば携帯電話やスマートフォン等の携帯端末70によってCD/DVD6の表面を撮影し、無線によるネットワーク(又は電話回線)を介してCD/DVD6の表面の撮像データを概略データ管理サーバ60に記録することもできる。
また、CD/DVD6に記録されたメディア情報を確認するには画像表示装置本体10又はCD/DVD6の可搬メディアからメディア情報を読める機器が必要であるが、この実施形態では概略データを以下のように簡単に確認することができる。
【0033】
まず、ネットワーク50にアクセス可能な装置、例えば携帯電話やスマートフォン等の携帯端末70のカメラでCD/DVD6の表面を撮影する。携帯端末70には概略データを確認するためのアプリケーションソフトが設定されている。
【0034】
携帯端末70は、CD/DVD6の表面に記入された文字、絵柄をパターン化(例えば白黒化)し、そのデータを指定されたネットワーク50上の概略データ管理サーバ60に送信する。
【0035】
概略データ管理サーバ60は送信されたデータに基づいて概略データベース(図示せず)を検索し、検索結果(概略データ(例えばサムネイル画像))を携帯端末70に送信する。
【0036】
携帯端末70は携帯端末70のディスプレイに検索結果を表示させる。
【0037】
その結果、ユーザUは概略データを確認することができる。
【0038】
この実施形態によれば、上述のようにCD/DVD6等の可搬メディアに記録した概略データを容易に知ることができる。
【0039】
なお、概略データを携帯端末70内にダウンロードすることができる。そのため、2回目以降のデータの検索では携帯端末70と概略データ管理サーバとの通信を省略することができるので、より短時間に概略データを確認することができる。
【0040】
また、ネットワーク50の送受信能力が十分に確保され、携帯端末70にも十分な処理能力があるときには、概略データだけでなく、CD/DVD6に記録された画像と同じ解像度の画像を確認することが可能となる。
【0041】
更に、概略データをCD/DVD6に記録したユーザUだけでなく、他人も確認することができるようにすることもできる。例えば、携帯端末70に設定されたアプリケーションソフトに所定のコードを与えておき、概略データ管理サーバ60へのアクセス時にコードを確認することで実現可能である。
【0042】
また、CD/DVD6等の可搬メディアの外形は規格で決まっているため、外形を基準とすることでその表面の文字、絵柄の撮影・パターン化・認識・検索の精度を高く保つことができる。なお、SD/CFカード8等の半導体メモリの外観も規格で決まっているため、CD/DVD6と同様に概略データとカメラ37によって取得された撮像データとを関連付けることができる。
【0043】
更に、例えば、ラインプリンタ(図示せず)を画像表示装置10に内蔵させたり、光学ドライブ12を用いたりすることで、CD/DVD6、SD/CFカード8の表面へのタイトル等の記入を画像表示装置10で行うようにしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態ではリモコン30にカメラ37を内蔵したが、画像表示装置本体10自身にカメラを内蔵させるようにしてもよい。
【0045】
図3はこの発明の第2実施形態に係る電子機器システムを説明する概念図であり、第1実施形態と共通する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
この実施形態はネットワーク上の概略データ管理サーバ60を用いない点で第1実施形態と相違する。
【0047】
例えばユーザU自身が所有するCD/DVD6の概略データを確認するためにリモコン30のカメラ37又は携帯端末70のカメラでCD/DVD6を撮影し、画像表示装置本体10であるデジタルフォトフレームのディスプレイ20に概略データとしてサムネイル画像を表示させる。このとき、CD/DVD6に記録されている画像と同じ解像度の画像(元画像)を表示させることもできる。
【0048】
この実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0049】
図4はこの発明の第3実施形態に係る電子機器システムを説明する概念図であり、第1実施形態と共通する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0050】
この実施形態は画像表示装置本体10を概略データ管理サーバとして用いるようにした点で第1実施形態と相違する。
【0051】
この実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、ネットワーク50を介して画像表示装置本体10に外部(例えば携帯端末70)からアクセスすることができ、概略データ管理サーバ60なしでメモリ24に記憶された概略データとしてのサムネイル画像を確認することができる。
【符号の説明】
【0052】
6:CD/DVD(可搬メディア)、8:SD/CFカード(可搬メディア)、11:CPU(制御手段),12:光学ドライブ(メディア情報記録手段)、16:カードスロット(メディア情報記録手段)、24:メモリ(記憶手段)、37:
カメラ(撮像手段)、50:ネットワーク、60:概略データ管理サーバ、100:画像表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディア情報を可搬メディアに記録するメディア情報記録手段と、
前記メディア情報記録手段によって前記メディア情報が記録された前記可搬メディアの外観を撮像する撮像手段と、
前記可搬メディアに記録された前記メディア情報の概略を表わすデータを作成するとともに、この作成された概略データと前記撮像手段によって取得された外観データとを関連付ける制御手段と
を備えていることを特徴とする電子機器システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記撮像手段によって取得された外観データに基づいて、前記概略データを参照可能としたことを特徴とする請求項1記載の電子機器システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記撮像手段によって撮像された前記外観の画像に含まれる手書き・印字された文字、絵柄をパターン化することで前記外観データと前記概略データとを関連付けることを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器システム。
【請求項4】
前記可搬メディアは、光ディスク、光磁気ディスク、ハードディスク及び半導体メモリであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電子機器システム。
【請求項5】
前記概略データはネットワーク上のサーバに記録され、前記制御手段は、その概略データを前記ネットワーク上のユーザが参照可能としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電子機器システム。
【請求項6】
前記外観データは前記ネットワーク上のユーザによって取得されることを特徴とする請求項5項記載の電子機器システム。
【請求項7】
前記概略データは記憶手段に記憶され、前記制御手段は、その概略データを複数のユーザが参照可能としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電子機器システム。
【請求項8】
前記外観データは前記複数のユーザによって取得されることを特徴とする請求項7項記載の電子機器システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−259123(P2011−259123A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130767(P2010−130767)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】