説明

電子機器及びその駆動方法

【課題】情報提供(視聴装置と接続するデータ記憶装置)側を含め、長時間の視聴(情報の取得)が可能な視聴装置及び視聴方法を提供する。
【解決手段】実施形態において、視聴装置は、表示部と、非常用電源部と、第一の通信部と、第二の通信部と、制御部と、を具備する。表示部は、情報を表示する。非常用電源部は、表示部に、常用電源の遮断時に電力を供給する。第一の通信部は、第一の規格で通信する。第二の通信部は、第一の規格に比較して容量及び伝送速度が低い第二の規格で通信する。制御部は、常用電源の遮断時に、前記非常用電源により前記表示装置を駆動するとともに前記第一の通信部による通信を前記第二の通信部による通信に切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、空間波またはネットワークにより受信する番組等、及び空間波またはネットワークを介して受信可能な番組とは異なる情報を近接無線通信等により取得して再生する視聴装置及び視聴方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放送局(放送事業者)あるいは配信事業者が供給する番組(またはコンテンツ)を受信して再生する視聴装置及び視聴方法において、上述の番組(またはコンテンツ)と異なる情報等を、近接無線通信等を用いて取得し、再生する視聴装置及び視聴方法が既に実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2007−524316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大規模停電等が生じた場合、外部電源(常用電源)のみにより動作する視聴装置では、番組(またはコンテンツ)の視聴、及び近接無線通信等により取得する情報の再生ができなくなることは、言うまでもない。
【0005】
バッテリ(内部電源/非常用電源)を備える視聴装置も実用化されているが、バッテリ(非常用電源)容量に起因して、動作(視聴)可能な時間は制限を受ける。
【0006】
特に、近接無線通信等により情報が提供される場合、視聴装置の動作可能時間に余裕があったとしても、情報提供側の動作時間が少ないと、最終的な視聴可能時間は、僅かになる。
【0007】
本発明は、外部電源(常用電源)が利用できない場合に近接無線通信により情報を取得して再生する視聴装置において、情報提供側を含め、長時間の視聴が可能な視聴装置及び視聴方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、視聴装置は、表示部と、非常用電源部と、第一の通信部と、第二の通信部と、制御部と、を具備する。表示部は、情報を表示する。非常用電源部は、表示部に、常用電源の遮断時に電力を供給する。第一の通信部は、第一の規格で通信する。第二の通信部は、第一の規格に比較して容量及び伝送速度が低い第二の規格で通信する。制御部は、常用電源の遮断時に、前記非常用電源により前記表示装置を駆動するとともに前記第一の通信部による通信を前記第二の通信部による通信に切り換える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態を適用する視聴装置および視聴装置と接続する機器の一例を示す。
【図2】実施形態を適用する視聴装置の一例を示す。
【図3】実施形態を適用する視聴装置と接続する機器の一例を示す。
【図4】実施形態を適用する通信部の選択動作(視聴装置および視聴装置と接続する機器との間の通信の切り替え)の一例を示す。
【図5】実施形態を適用する電源の選択動作(視聴装置および視聴装置と接続する機器との間の電力の融通)の一例を示す。
【図6】実施形態を適用する電力融通線の一例を示す。
【図7】実施形態を適用する視聴装置および視聴装置と接続する機器との間の電力の融通の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する要素や構成は、ハードウエアで実現するものであってもよいし、マイクロコンピュータ(Central Processing Unit、CPU)すなわち処理装置等を用いてソフトウエアで実現するものであってもよい。
【0011】
図1は、実施形態を適用する視聴装置および視聴装置と接続する機器の一例を示す。
【0012】
視聴装置101は、空間波あるいはネットワークを経由して取得する番組(またはコンテンツ)を再生するいわゆるテレビ(テレビジョン受信装置)である。なお、視聴装置101は、例えばモニタ装置(ディスプレイ)とSTB(Set Top Box、広義には外部チューナ装置と解され、狭義にはコンテンツ配信事業者が設置する分岐器等を示す)とが一体的に組み合わせられた装置や、PC(Personal Computer、パーソナルコンピュータ)であってもよい。
【0013】
視聴装置(テレビ)101は、無線通信により、またはネットワーク経由でデータ記憶装置1とデータの受け渡しが可能で、データ記憶装置1が保持するデータを再生する。なお、データ記憶装置1は、例えばNAS(Network Attached Storage)であり、大容量ハードディスク(HDD,Hard Disk Drive)とIP(Internet Protocol)通信手段を備える。なお、視聴装置101及びデータ記憶装置1は、データの受けわたしと独立に、後段に説明する電力伝送路(電力融通線)101−1により相互に接続されている。また、電力伝送路101−1は、PLC(Power line Communication)が定義する家庭内(小規模事業所内)の電力線とは異なり、視聴装置101の電源送受電部119(後述)とデータ記憶装置1の電源送受電部19(後述)との間の電力の融通を目的としている。なお、視聴装置101とデータ記憶装置1との間の電力の融通については、無線(非接触、プラグやコネクタを用いることなく、例えば送信側機器に受信側機器を載せる/両者を、一定距離の範囲内の電力供給エリア内に位置する、などの理由で非接触と表示されている)による電力伝送も可能である。
【0014】
視聴装置101及びデータ記憶装置1は、オーディオ(Audio)/ビデオ(Video)コンテンツ、あるいは文字などのテキストデータや写真データなど、種々のデータ、例えばビデオ(Video、動画)については、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)−1、−2、−4(H.264/AVC)、オーディオ(Audio、音声/音楽)については、例えばMP3(MPEG Audio layer-3)、AC3(Audio Code number 3)、リニアPCM(Pulse Coded Modulation)、静止画については、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)、等に従って符号化されたデジタル情報(番組)を処理できる。
【0015】
視聴装置101は、図2に概略を示すが、画像表示部110、制御部111、音声出力部112、表示画像生成部113、放送受信部114、ネットワーク機能部115、第一の通信部116、第二の通信部117、非外部電源部(自電源)118及び電源送受電部119、を少なくとも含む。なお、視聴装置(テレビ)101は、外部電源、例えば電力会社が供給するいわゆる商用電源により動作が可能であることはもちろん、後段に説明するが、内蔵する非外部電源、例えばバッテリ(以下自電源と称する)118による動作が可能である。また、自電源(バッテリ)118は、外部機器、例えばデータ記憶装置1に対して、所定割合の電力(出力)を供給可能である。
【0016】
画像表示部110は、液晶ディスプレイなどを用いた表示部である。なお、外部出力部が用意されてもよい。
【0017】
制御部111は、視聴装置101の種々の制御を行う。
【0018】
音声出力部112は、スピーカが用いられる。もちろん、外部出力部やヘッドホン向けの出力端が用意されてもよい。
【0019】
表示画像生成部113は、放送受信部114やネットワーク機能部115から供給される動画や静止画を画像表示部110の扱う形式の信号に変換する。
【0020】
放送受信部114は、例えば放送事業者が提供するテレビ放送を受信し、あるいはケーブルテレビ等に代表される配信事業者もしくはサーバ等に蓄積したコンテンツへのアクセスを可能とする供給元等と接続するネットワーク網を介して取得する音声/映像/データ放送のデータなどの復号処理を行う。
【0021】
ネットワーク機能部115は、第一の通信部116あるいは第二の通信部117経由でネットワーク(主として家庭内あるいはビル内などの比較的小規模のネットワーク、以下LAN,Local Area Networkと称する)越しに、データ記憶装置1が保持する音声/ビデオ/テキスト/静止画などのデータから、表示画像生成部113や音声出力部112が扱う形式の信号を生成する。
【0022】
第一の通信部116は、例えばWiFi(IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(a/b/g/n))規格に準拠し、同規格に準拠する機器相互間において、5(5.2)GHzまたは2.4GHz帯において最高300Mbpsの無線通信が可能な通信部である。第一の通信部116は、オーディオコンテンツやビデオコンテンツのストリーミング伝送など、比較的高ビットレートでの伝送が可能である。
【0023】
第一の通信部116は、本視聴装置101の常用電源であるAC電源が使用可能である時、通信手段として用いられ、前記オーディオコンテンツやビデオコンテンツの伝送のみならず、写真データやテキストデータなど種々のデータ伝送に用いられる。
【0024】
第二の通信部117は、例えばBluetooth(登録商標)(IEEE802.15.1)規格に準拠し、従来バージョンにおいて、2.4GHz帯において1Mbpsの無縁通信が可能な通信部である。なお、出力(電波強度)と到達距離に制限(クラス)があり、最大出力で100m(メートル)の通信が可能である。また、バージョン間の互換性が無いが、バージョン4.0においては、24Mbpsの通信が可能である。
【0025】
第二の通信部117は、第一の通信部116に比べると低速ではあるが消費電力が小さい特徴を持つ。
【0026】
第二の通信部117は、本視聴装置101の常用電源であるAC電源が使用できない時の通信手段として用いられ、文字などのテキストデータや写真データなどの比較的低ビットレートでも実用的な伝送が行えるコンテンツが伝送される。例えば、豪雨や台風に起因する停電時には、近所の避難場所などの情報を知りたいものであるが、このような情報は停電によって、通信手段が第一の通信部116から第二の通信部117に切り替わっているときに、データ記憶装置1から第二の通信部117経由で、(視聴装置101が、)取得できる。
【0027】
バッテリ(自電源/非外部電源部)118は、視聴装置101の予備(非常用)電源であり、視聴装置101において、常用電源であるAC電源(外部電源)が使えない時に、視聴装置101を駆動するために用いられる。バッテリ118は、供給力に余裕がある時には、以下に説明する電源送受電部119及び電力伝送路101−1を介して、データ記憶装置1への電源供給も可能である。
【0028】
電源送受電部119は、データ記憶装置1との間で電力を融通しあう際に用いられる電力伝送のためのインタフェースである。
【0029】
データ記憶装置1は、図3に概略を示すが、制御部11、記憶部12、第一の通信部16、第二の通信部17、非外部電源部(自電源)18及び電源送受電部19、を少なくとも含む。
【0030】
制御部11は、データ記憶装置1の種々の制御を行う。
【0031】
記憶部12は、視聴装置101が再生可能なコンテンツのデータ、すなわち、オーディオ/ビデオ/テキスト/静止画データなどの種々のデータを保持する。記憶部12が保持する(記憶されている)各種コンテンツのデータは、以下に説明する第一の通信部16あるいは第二の通信部17を介して、視聴装置101へ伝送される。
【0032】
第一の通信部16は、視聴装置101の第一の通信部116との間のWiFi通信が可能なWiFi通信部である。
【0033】
第二の通信部17は、視聴装置101の第二の通信部117との間のBluetoothによる通信が可能な通信部である。第二の通信部17は、データ記憶装置1の常用電源であるAC電源が使用できない時、第一の通信部16に替わって、視聴装置101の第二の通信部117との間で、Bluetoothにより通信を行う。
【0034】
第一の通信部16は、データ記憶装置1の常用電源であるAC電源(外部電源)が使用可能である時に、通信手段として用いられる。
【0035】
バッテリ18は、データ記憶装置1の予備(非常用)電源であり、常用電源であるAC電源が使えない時に、データ記憶装置1を駆動するために設けられている。バッテリ18は、供給力に余裕がある時には視聴装置101への電源供給も可能である。
【0036】
電源送受電部19は、視聴装置101との間で電力を融通しあう際に用いられる電力伝送のためのインタフェースである。
【0037】
図4は、通信部の選択動作、すなわち視聴装置および視聴装置と接続する機器との間の通信の切り替えの一例を説明する。
【0038】
このフローチャートは、本実施形態の場合、視聴装置101とデータ記憶装置1において、共に用いられている。以下の説明では視聴装置101の立場で説明する。
【0039】
視聴装置101が起動する(ブロック[41])。
【0040】
常用電源が使用可能か否か、が判定される(ブロック[42])。常用電源が使用可能な場合(ブロック[42−YES])は、第一の通信部116でデータ記憶装置1との間の通信路が確立または維持(既に第一の通信路が確立されている場合)され(ブロック[43])、第一の通信部116を用いるサービスの通信が行われる(ブロック[44])。第一の通信部116を用いるサービスはオーディオ/ビデオ/テキスト/静止画などあらゆる種類のコンテンツを再生するサービスである。
【0041】
第一の通信部116を用いるサービス(ブロック[44])が終了すると、(次のサービスの開始時に)常用電源が使用可能かの判定が再び行われる(ブロック[42])。
【0042】
一方、常用電源が使用不可の場合(ブロック[42−NO])は、第二の通信部で通信路が確立または維持(既に第二の通信路が確立されている場合)される(ブロック[45])。
【0043】
次に、第二の通信部117を用いるサービスの通信が行われる(ブロック[46])。第二の通信部117を用いるサービスは、低ビットレートの通信路でも実用的な伝送が可能なテキスト/静止画などのコンテンツを再生するサービスである。
【0044】
第二の通信部117を用いるサービス(ブロック[46])が終了すると、(次のサービスの開始時に)常用電源が使用可能かの判定が再び行われる(ブロック[42])。なお、ブロック[43]およびブロック[45]において共通の事項として、既に使用していた通信部の種類が変わる場合には、使用していた通信部による通信路を切断してから、新しく用いることになった通信部による通信路を確立する。つまり、第一の通信部あるいは第二の通信部が常用電源の使用可否に応じて選択的に切り替えられる。
【0045】
なお当該フローにおいては、常用電源が使用可能な場合に、第一の通信部116でデータ記憶装置1との間の通信路が確立または維持されると説明したが、視聴装置101は、常用電源が使用可能な場合、必ずしも第一の通信部116によるデータ記憶装置1との通信接続を確立又は維持しなくとも良い。即ち視聴装置101は、常用電源が使用可能な場合は、第一の通信部116又は第二の通信部117によりデータ記憶装置1との通信接続/非接続を例えばユーザからの操作に応じて制御し、常用電源が使用不可となった場合に第二の通信部117を用いた通信接続を行っても良い。
【0046】
また視聴装置101は、常用電源が使用不可となった場合に、データ記憶装置1に対して第二の通信部17の起動状態を維持し他のモジュールの動作を停止(制限)する指示を送信しても良い。なお当該指示は第一の通信部116で送信しても、第二の通信部117で送信しても良い。つまり、常用電源が使用不可となった後、第一の通信部116から第二の通信部117への切替前に第一の通信部116で当該指示を送信してもよいし、あるいは第一の通信部116から第二の通信部117へ切り替わった後に第二の通信部117で当該指示を送信しても良い。そしてデータ記憶装置1は、当該指示に応じて第二の通信部17への電源供給を維持し、他のモジュールへの電力供給を制限する。
【0047】
図5は、電源の選択動作、すなわち視聴装置および視聴装置と接続する機器のそれぞれにおける電源切り替え、及び両装置間の電力の融通の一例を示す。
【0048】
このフローチャートは、本実施形態の場合は、視聴装置101とデータ記憶装置1において共に用いられている。以下の説明では視聴装置101の立場で説明する。
【0049】
視聴装置101が起動する(ブロック[51])。
【0050】
常用電源が使用可能か否かが判定される(ブロック[52])。使用可能な場合(ブロック[52−YES])は、常用電源で視聴装置101(自装置)が駆動される(ブロック[53]。
【0051】
次に、接続相手方すなわちデータ記憶装置1(他装置)へ電力を供給可能な余力があるかが判定される(ブロック[54])。供給可能な場合(ブロック[54−Yes])、他装置から供給要請があるか否か(他装置が電源供給を要求しているか)が判定される(ブロック[55])。供給要請は、第一の通信部116あるいは第二の通信部117のいずれかによって確立された通信路経由でなされる。
【0052】
供給要請がある場合(ブロック[55−Yes])は、データ記憶装置1(他装置)への電力供給が行われる(ブロック[56])。以下、常用電源が使用可能か否かが、ブロック[54−NO]における(他装置)へ電力を供給可能な余力がない場合、及びブロック[55−NO]における(他装置)が電源供給を要求していない場合、を含み、再び常用電源が使用可能か否かが判定される(ブロック[52])。
【0053】
一方、常用電源が使用不能であると判定された場合(ブロック[52−No])、視聴装置101(自装置)のバッテリ118で駆動可能か否かが判定され(ブロック[57])、駆動可能な場合(ブロック[57−YES])は、視聴装置101(自装置)のバッテリ118にて駆動する(ブロック[58])。なお、自装置(視聴装置101)がバッテリ118により駆動されている場合においても、他装置(データ記憶装置1)へ電力を供給可能な余力があるか(ブロック[54])が判定され、供給可能な場合(ブロック[54−Yes])、他装置が電源供給を要求しているか(他装置から供給要請があるか)が判定され(ブロック[55])、電力供給が可能であれば、他装置(データ記憶装置1)へ電力を供給する(ブロック[54]〜[56])。
【0054】
また、視聴装置101(自装置)のバッテリ118で駆動不可と判定された場合(ブロック[57−No]、他装置(データ記憶装置1)から受電可能か否かが判定される(ブロック[59])。ブロック[59]において、他装置から受電可能な場合(ブロック[59−Yes])は、他装置(データ記憶装置1)から受電して駆動する(ブロック[5A])。ブロック[59]において、他装置からの受電が不能な場合(ブロック[59−NO])は、継続的に駆動するための電源が無いため、動作を停止する(ブロック[5B])。なお、明記していないが、ユーザの明示的な操作による動作停止も当然存在する。
【0055】
このように、出力(消費電力)が大きく、大容量、高速の第一の通信部116(16)と、出力(消費電力)が小さく、比較的近距離かつ少ないデータの伝送に適した第二の通信部117(17)と、により相互に接続する視聴装置(テレビ)101と視聴装置101に接続するデータ記憶装置1とによるデータの受け渡し、及びデータ記憶装置1が保持する音声/ビデオ/テキスト/静止画などのデータを再生する場合、AC電源や外部電源などの常用電源が利用できない場合には、電源供給部を、それぞれ非常用電源(バッテリ118/18)に切り替え、さらに通信部を(消費電力が少ない)第二の通信部(117/17)に切り替えることで、視聴者(ユーザ)が、(その時点(常用電源が利用できない特別な場合)で最小限)必要とする情報及びデータを視聴装置により視聴可能となる。
【0056】
また、非常用電源の残り容量を、視聴装置101及びデータ記憶装置1の双方で融通しあう(融通する)ことで、動作(視聴)可能な時間を最大限に引き延ばすことができる。
【0057】
なお、電源の融通は、視聴装置101の電源送受電部119とデータ記憶装置1の電源送受電部19とを結ぶ電力伝送路101−1を、例えば2本のUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを用い、一本を電力伝送に用いることが可能である。また、図6に示すように、通常のUSBケーブルが含むデータ線群601dと電源線601pとを同一のコネクタ(パッケージ)に一体化した電力伝送のための専用線を追加した特別な形式のケーブル(便宜的に、USB−Pと称する)601を用いてもよい。
【0058】
また、図7に示すように、視聴装置101側のバッテリ118及びデータ記憶装置(NAS)1側のバッテリ18相互における充電(余裕分の融通)については、AC(常用)電源が遮断(オフ)したことが検出できた時点(ブロック[71])で、視聴装置101のバッテリ118の残量とデータ記憶装置1のバッテリ18の残量とを比較(ブロック[72]し、視聴装置101側のバッテリ118の残量が多い場合(ブロック[72−YES])、視聴装置101からデータ記憶装置1のバッテリ18を充電する(ブロック[74]。
【0059】
一方、データ記憶装置1のバッテリ18の残量が多い場合(ブロック[72−NO])、データ記憶装置1から視聴装置101のバッテリ118を充電する(ブロック[73])。
【0060】
なお、視聴装置101側のバッテリ118の残量が多い場合、データ記憶装置1のバッテリ18の残量が多い場合のいずれにおいても、融通する電力は、それぞれのバッテリ容量が、残り使用時間的にほぼ同等となるよう設定する。すなわち、一方のみ余剰の電力(バッテリ容量)がある場合においても、他方(相手方)が動作できない場合、両装置とも機能できなくなるため、動作(視聴)可能な時間を最大限に引き延ばすことを可能に、(電力を)融通するものとする。
【0061】
また、AC(常用)電源が遮断(オフ)したことが検出できた場合(停電が発生した場合)、融通しあうバッテリ残量の消費を低減するために、例えばデータ記憶装置1(または視聴装置101の双方)を、消費電力の少ないスリープモードに移行してもよい。この場合、視聴装置101による最後の視聴から所定時間、例えば10分経過後、などの再起動(スリープモードからの立ち上げ)において消費する電力と継続して駆動した場合の消費電力とを比較していずれか(消費電力が)少ない方に、優先して移行することが好ましい。
【0062】
また、AC(常用)電源が遮断(オフ)したことが検出できた場合(停電が発生した場合)、定期的に、オン/オフを繰り返すよう設定することもできる。この場合、視聴装置101からデータ記憶装置1のオン/オフを設定することもできる。例えば、視聴装置101の電源送受電部119とデータ記憶装置1の電源送受電部19とをオンとし、他の要素をオフしておくことで、消費電力を一層低減できる。また、通信路についても、図4に示した第一の通信部116/16が利用可能であるか否かを参照する回数(タイミング)を抑止することで、より消費電力を抑制できる。
【0063】
なお、AC(常用)電源が遮断(オフ)したことが検出できた場合(停電が発生した場合)、視聴装置101の表示モードを、例えば明るさ(輝度)を抑える、または表示領域を低減するなどの電力消費の少ないモードとすることもできる。
【0064】
以上説明したように、実施形態を適用することで、停電などが生じて外部電源(常用電源)が利用できない場合、第二の通信方式として用意されている近接無線通信により情報を取得して再生する視聴装置において、情報提供(視聴装置と接続するデータ記憶装置)側を含め、長時間の視聴(情報の取得)が可能な視聴装置及び視聴方法が、提供される。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1…データ記憶装置(視聴装置と接続する装置)、11…制御部、12…記憶部、16…第一の通信部、17…第二の通信部、18…バッテリ(自電源/非常用電源)、19…電源送受電部、101−1…電力伝送路、101…テレビジョン受信装置(視聴装置)、110…画像表示部、111…制御部、112…音声出力部、113…表示画像生成部、114…放送受信部、115…ネットワーク機能部、116…第一の通信部、117…第二の通信部、118…バッテリ(自電源/非外部電源部)、119…電源送受電部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部に、常用電源の遮断時に電力を供給する非常用電源部と、
第一の規格で通信する第一の通信部と、
第一の規格に比較して容量及び伝送速度が低い第二の規格で通信する第二の通信部と、
常用電源の遮断時に、前記非常用電源部により前記表示部を駆動するとともに前記第一の通信部による通信を前記第二の通信部による通信に切り換える制御部と、
を具備する電子機器。
【請求項2】
前記非常用電源と接続し、接続相手方機器との間で電力を融通する電力伝送路をさらに具備する請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記電力伝送路による接続相手方機器との間の電力の融通を制御する電源送受電部をさらに具備する請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記第二の通信部は、接続相手方装置が保持する情報を取得する請求項1から3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
データを保持する記憶部と、
常用電源の遮断時に電力を供給する非常用電源と、
第一の通信部と、
第一の通信部に比較して容量及び伝送速度が低い第二の通信部と、
常用電源の遮断時に、接続相手方からの指示を受け付け、前記非常用電源により前記第一の通信部による通信を前記第二の通信部による通信に切り換える制御部と、
を具備する電子機器。
【請求項6】
前記非常用電源と接続し、接続相手方機器との間で電力を融通する電力伝送路をさらに具備する請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記電力伝送路による接続相手方機器との間の電力の融通を制御する電源送受電部をさらに具備する請求項6記載の電子機器。
【請求項8】
前記第二の通信部は、接続相手方装置からの要求に応じ、保持する情報を提供する請求項5から7のいずれかに記載の電子機器。
【請求項9】
非常用電源を有する相手方機器との接続を検出し、
常用電源が遮断したことを検出し、
非常用電源により表示装置を駆動し、
第一の通信方式よりも消費電力が少ない第二の通信方式に切り替え、
相手方機器が保持する情報を、第二の通信方式により取得して表示装置に表示する視聴装置の駆動方法。
【請求項10】
電力伝送路により、相手方機器との間の非常用電源の電力の融通を行う請求項9記載の視聴装置の駆動方法。
【請求項11】
電力伝送路は、視聴装置及び相手方機器のそれぞれが具備する電源送受電部と接続する請求項10記載の記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−62622(P2013−62622A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198800(P2011−198800)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】