説明

電子機器

【課題】操作釦とプリント基板との間にある隙間は、静電気の侵入を許す。この侵入は、プリント基板上の電気回路に影響する。
【解決手段】電子機器は、操作釦の動きを検知するタッチパネルを操作釦の背後に常設する。操作釦の背後とは、操作釦の背面が存在する空間である。背面とは、操作者によって操作される面の裏面である。常設とは、配置が固定されることである。タッチパネルは、表示装置の表示面上から操作釦の背後に延びている。表示装置に含まれるバックライトは、操作釦の背後に常設される。操作釦は、バックライトからの光を透過する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作釦を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
車載電子機器では、操作釦が表示画面の周囲に配置されている(非特許文献1)。一般的には、操作釦への操作を検知するために、タクトスイッチは、操作釦とプリント基板との間に設けられる。しかも、操作釦を照らすために、LEDは、タクトスイッチの周囲に設けられる。
【非特許文献1】松下電器産業株式会社著「HDDカーナビステーション CN−HDS955MD/CN−HDS935MD/CN−HDS905D 取扱説明書」(2005年5月6日発行、P.25)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
操作釦とプリント基板との間にある隙間は、静電気の侵入を許す。この侵入は、プリント基板上の電気回路に影響する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る電子機器は、操作釦の動きを検知するタッチパネルを操作釦の背後に常設し、又は、操作釦をタッチパネルの上に常設する。本発明における字句の解釈は、次のとおりである。
【0005】
操作釦は、有体物である。操作釦は、アイコン等のソフトウエア釦のみからなる釦ではない。操作釦の素材は、透光性を有する。
【0006】
操作釦の背後とは、操作釦の背面が存在する空間である。背面とは、操作者によって操作される面の裏面である(以下、同じ)。操作釦は、バックライトからの光を透過する。すなわち、操作釦は、透光性の材料からなる。
【0007】
常設とは、同じ位置にいつでも設けられることである(以下、同じ)。これと異なる概念は、特開2004−38079号公報及び特開2007−73398号公報に開示される。
【0008】
タッチパネルは、一般的には、シート状又は板状である。タッチパネルの検知方式は、問わない。例えば、感圧方式や静電容量方式等がある。タッチパネルは、表示装置の表示面上から操作釦の背後に延びている。
【0009】
表示装置は、バックライト及び表示面(例えば、TFT液晶等)を備える。表示装置に含まれるバックライトは、操作釦の背後に常設される。
【発明の効果】
【0010】
タッチパネルを操作釦の背後に常設し、又は操作釦をタッチパネル上に常設することは、タクトスイッチ及びプリント基板を省く。したがって、静電気への耐性は、向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施の形態という)は、図1乃至図5で示される。
【0012】
<電子機器の構成>本実施の形態に係る電子機器の分解図は、図1で示される。電子機器10は、化粧パネル11、操作釦12、タッチパネル13及び表示装置14からなる。
【0013】
化粧パネル11は、表示枠11a及び釦枠11bを有する。表示枠11aは、ユーザの指などがタッチパネル13に接触することを可能にする。また、表示枠11aは、ユーザが表示装置14上の画像を見ることを可能にする。釦枠11bは、操作釦12が収まる程度の大きさを有する。
【0014】
操作釦12は、釦枠11bの内側に設けられる。操作釦12は、操作面12a、背面12b及び端面12cを有する(図2)。
【0015】
操作面12aは、文字部12d及び透過部12eからなる(図3)。透過部12eは、光を透過する。すなわち、操作釦12の素材は、透光性を有する。
【0016】
背面12bは、操作面12aの裏面である(図2)。背面12bは、弾性材(例えば、ゴムやバネ等)20を有する。弾性材20は、その変位量に関係なく、タッチパネル13に接する。操作面12aが加圧されないと、弾性材20の変位は、ゼロである(いわゆる自然長)。他方、操作面12aが加圧されると、弾性材20の変位は、ゼロではない(例えば、3mm等)。
【0017】
端面12cは、操作面12aに対して段差をなす(図2)。端面12c及び釦枠11bは、ストッパとしての機能を有する。すなわち、弾性材20の変位がゼロである場合(図2)、端面12cは、釦枠11bに接する。他方、弾性材20の変位がゼロでない場合(図4)、端面12cは、釦枠11bから離れる。
【0018】
タッチパネル13は、化粧パネル11と表示装置14との間に設けられる。タッチパネル13の幅Ltは、表示枠11aの幅L1よりも長い(Lt>L1)。また、幅Ltは、化粧パネル11aの幅L2よりも短い(Lt<L2)。さらに、タッチパネル13の高さHtは、表示枠11aの高さH以上である。つまり、タッチパネル13は、操作釦12の背後にある。しかも、タッチパネル13の素材は、透光性を有する。また、タッチパネル13は、圧力値P以上で反応する。この圧力値Pは、自然長の弾性材20から受ける圧力値よりも大きな値に設定される。
【0019】
表示装置14は、表示面(例えば、TFT液晶画面等)14a及び図示されないバックライトからなる。表示面14aは、タッチパネル13で覆われる。すなわち、表示面14aの幅Ldは、タッチパネル13の幅Ltに等しい(Ld=Lt)。また、表示面14aの高さHdは、タッチパネル13の高さHtに等しい。つまり、表示装置14は、操作釦12の背後にある。しかも、表示面14aは、各種情報(経路案内情報やTV番組等)を表示するための領域14b及び操作釦12を照らすための領域14cに分かれる(図5)。図示しない表示駆動用ICは、領域14b及び領域14cの間でバックライトの光量や色等を異ならせる。
【0020】
<本実施の形態における効果>本実施の形態によれば、操作釦12への操作を検出するために、タクトスイッチ及びプリント基板が不要になる。したがって、静電気への耐性は、向上する。
【0021】
本実施の形態によれば、表示装置14のバックライトの配置は、弾性材20の配置によって規制されない。したがって、操作釦12への照明は、色ムラを生じない。
【0022】
本実施の形態によれば、操作釦12の背面12bは、表示装置14のバックライトで照らされる。また、バックライトの光量や色などは、表示駆動用ICによって制御可能である。したがって、照明の態様は、ユーザの好みに合う。
【0023】
<変形例>弾性材20の代用品は、化粧パネル11及び操作釦12と一体成形されるヒンジ等である。この変形例によれば、ユーザによる加圧がない場合、操作釦12は、タッチパネル13に接しない。すなわち、タッチパネル13の感度を調整するために、弾性材20による圧力を考慮する必要はなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、ナビゲーション装置やオーディオ装置などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施の形態に係る電子機器を示す分解図
【図2】本実施の形態に係る電子機器のA−A断面を示す断面図
【図3】本実施の形態における操作釦の操作面を示す正面図
【図4】本実施の形態に係る電子機器のA−A断面を示す断面図
【図5】本実施の形態に係る表示装置における領域の割り当てを示す図
【符号の説明】
【0026】
10 電子機器
12 操作釦
13 タッチパネル
14 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作釦と、
前記操作釦の背後に常設され、前記操作釦の動きを検知するタッチパネルとを備える電子機器。
【請求項2】
前記タッチパネルは、表示装置の表示面上から前記背後に延びている、請求項1の電子機器。
【請求項3】
前記表示装置のバックライトは、前記操作釦の背後に常設される請求項2の電子機器。
【請求項4】
前記操作釦は、前記バックライトからの光を透過する、請求項3の電子機器。
【請求項5】
タッチパネルと、
前記タッチパネル上に常設される操作釦とを備える電子機器。
【請求項6】
前記操作釦は、前記表示装置のバックライト上に常設される、請求項5の電子機器。
【請求項7】
前記操作釦は、前記バックライトからの光を透過する、請求項6の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−288064(P2008−288064A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132515(P2007−132515)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】