説明

電子機器

【課題】 ユーザがそのコンテンツを本当に必要としているかどうかをリアルに反映して、コンテンツが記憶される記憶部を有効に活用することができ、利便性が向上された電子機器を提供する。
【解決手段】 音楽データおよび動画データの少なくともいずれか一方を含む複数のコンテンツを記憶可能なコンテンツ記憶部18に記憶されている前記コンテンツを読み出して再生可能なCPU12と、各コンテンツに対応させて、そのコンテンツが部分的にCPU12によって再生された回数を表す回数情報を記憶するコンテンツ情報部26とを含み、CPU12は、コンテンツ情報部26に記憶されている回数情報が表す回数が、予め定める回数を超えたコンテンツを削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽データおよび動画データの少なくともいずれか一方を含むコンテンツの再生機能および削除機能を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、蓄積部に記録済みの番組データの中から、不要番組抽出部によって特定の番組データまたは番組情報に関連する番組データの抽出を行い、不要分組み削除指令によって、特定の番組データおよび抽出した番組データを削除する番組データ処理装置がある(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−319692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、予め不要な番組データが不要番組抽出部によって抽出されるように、ユーザが、番組データに対しての保護設定、または、抽出条件となるキーワードの設定をしておくことが必要となっている。しかしながら、実際の番組データの使用上において、ユーザがその番組データを本当に必要としているか、その番組データが不要であるのかは、リアルに反映されていないので、番組データを記憶するメモリを有効に活用することができないという問題がある。
【0005】
したがって本発明の目的は、ユーザがそのコンテンツを本当に必要としているかどうかをリアルに反映して、コンテンツが記憶される記憶部を有効に活用することができ、利便性が向上された電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、音楽データおよび動画データの少なくともいずれか一方を含む複数のコンテンツを記憶可能なコンテンツ記憶部に記憶されている前記コンテンツを読み出して再生可能な再生手段と、
各コンテンツに対応させて、そのコンテンツが部分的に前記再生手段によって再生された回数を表す回数情報を記憶する回数記憶手段と、
前記回数記憶手段に記憶されている回数情報が表す回数が、予め定める回数を超えたコンテンツを削除可能な削除手段とを含むことを特徴とする電子機器である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回数記憶手段に記憶される回数情報は、各コンテンツに対応し、各コンテンツが部分的に再生手段によって再生された回数を表す。コンテンツが部分的にしか再生されないということは、そのコンテンツがユーザにとって必要とは言えないと考えられるので、回数情報は、ユーザがそのコンテンツを本当に必要としているかどうかをリアルに反映する指標となっている。削除手段は、回数情報が表す回数が、予め定める回数を超えると、この予め定める回数を超えたコンテンツを削除可能としている。これによって、従来の技術のような、コンテンツの保護設定、または抽出条件となるキーワードをユーザが予め条件を設定する手間を省き、該当コンテンツに対する実際の再生状況に基づいてコンテンツを削除可能であるので、ユーザが本当にそのコンテンツを必要としているかどうかをリアルに反映した上で、不要なコンテンツを削除することができ、限られた記憶容量のコンテンツ記憶部を有効に活用することができるとともに、利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明の実施の一形態の電子機器1の正面図である。電子機器1は、音楽データおよび動画データの少なくともいずれか一方を含むコンテンツの再生機能および削除機能を備える。本実施の形態では、電子機器1は、無線通信による電話機能を備える折り畳み型の携帯電話装置であるが、携帯電話装置に限らず、携帯型または設置型のオーディオ装置およびテレビジョン装置などであってもよいので、ここでは、付加的な電話機能については説明を省略し、いずれの装置にも適用可能な部分について説明する。本実施の形態において、音楽データは、音声データを含んでいる。
【0009】
電子機器1は、2つの筐体2,3がヒンジ部4によって折り畳み可能に連結されており、一方の筐体2に、予め定めるメッセージを表示したり、音楽および動画のコンテンツの名称を表すリストを表示したり、コンテンツを再生表示したりする表示部5が設けられ、他方の筐体3に、各種操作を行うためのキー群6が設けられている。表示部5は、たとえば液晶表示パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネルによって実現される。以後、音楽データおよび動画データの少なくともいずれか一方を含むコンテンツを、音楽/動画コンテンツと記載する。
【0010】
キー群6は、音楽/動画コンテンツを再生する時に用いられる再生キー、一時停止キーおよび停止キーと、送りキーおよび戻しキーと、早送りキーおよび巻き戻しキーとを含む再生操作用のキー群7と、数字およびアルファベットなどの文字情報の入力に用いられる文字入力キー群8と、確定キーおよびキャンセルキーとを含む。再生操作用のキー群7には、これらのキー群のいずれかと兼用され、コンテンツが再生されていないときには、表示部5の表示画面に表示されるカーソルを移動させたり、表示部5に表示されるアイコンの選択する指示を入力するための十字キーが含まれている。またここでは、再生操作用のキー群7と、文字入力キー群8と、確定キーおよびキャンセルキーとそれぞれ別体で設けているが、これらは兼用されてもよい。たとえば、コンテンツの再生モードを除く非再生モードでは、十字キー、確定キーおよびキャンセルキーとして機能する各キー群を、再生モードでは、再生操作用のキー群として機能させてもよい。
【0011】
コンテンツを再生していない状態で、再生キーを操作すると、コンテンツの再生を開始させる再生開始指示を与えることができる。コンテンツは、たとえば表示部5の表示画面にコンテンツの名称を表すリストを表示させて、リストの名称の項目にカーソルを合わせた状態で、再生キーを操作することによって再生される。一時停止キーを操作すると、再生中のコンテンツを一時的に停止させる一時停止指示を与えることができる。再生中のコンテンツを一時的に停止させている状態で、再生キーを操作すると、停止している部分から再生を開始する指示を与えることができる。停止キーを操作すると、再生中のコンテンツを停止し、すなわち再生を中止する停止指示を与えることができる。
【0012】
送りキーを操作すると、再生中のコンテンツの次に再生すべきコンテンツを再生させる送り切換指示を与えることができる。戻りキーを操作すると、再生中のコンテンツの前に再生すべきコンテンツを再生させる戻し切換指示を与えることができる。コンテンツには、予め定められる番号が付与されており、複数のコンテンツを連続的に再生する場合には、前記番号順にコンテンツが再生されることになる。前記表示部5の表示画面にコンテンツのリストを表示する場合には、前記番号順にコンテンツの名称が並べられて表示される。
【0013】
早送りキーを操作すると、再生中のコンテンツを早送り再生させる早送り再生指示を与えることができる。巻き戻しキーを操作すると、再生中のコンテンツを巻き戻し再生させる巻き戻し再生指示を与えることができる。早送り再生中または巻き戻し再生中の状態で、再生キーを操作すると、操作した時点から再生を開始する指示を与えることができる。
【0014】
たとえば非再生モードでは、表示部5には、再生モードを含むモード設定のための複数のアイコンが表示され、再生モードのアイコンを十字キーによって選択し、確定キーを操作することによって、再生モードに移行する。再生モードでは、再生プレイヤとして機能するためのアプリケーションプログラムが起動されて、コンテンツのリストが表示される。コンテンツのリストが表示されているときに、キャンセルキーが操作されると、非再生モードに移行し、表示部5には、再び複数のアイコンが表示される。本実施の形態の再生プレイヤでは、音楽データおよび動画データの両者の再生が可能であるものとするが、本発明の実施の他の形態では、音楽データおよび動画データのうちの少なくともいずれか一方が再生可能であればよい。
【0015】
図2は、電子機器1の構成を示すブロック図である。電子機器1は、表示部5と、キー群6を含む入力部11との他に、筐体2,3の内部に、中央演算処理装置(Central
Processing Unit:略称CPU)12、ROM(Read Only Memory)13と、RAM(
Random Access Memory)14と、出力部15と、入出力ポート16と、表示制御部17と、コンテンツ記憶部18などが備えられている。また入力部11は、キー群6の他に、マイクロフォン、外部記憶部が接続されるメモリ装着部などが含まれている。
【0016】
CPU12は、処理部であり、ROM13に記憶されるプログラムを実行して、コンテンツ制御部21、演算部22およびデータ比較部23として機能するとともに、RAM14と、入出力ポート16と、表示制御部17とを制御し、入出力などの動作演算処理を実行する。
【0017】
キー群6から入力される各キーに対応する信号は、入出力ポート16を介してCPU12の演算部22によって処理され、CPU12においてどのキーが操作されたのか判断されて、CPU12は、キーに対応する指令に応じた制御を行う。
【0018】
ROM13は、電子機器1の種々の機能を実現するためのプログラムを記憶したプログラム部24と、文字を表示するためのフォント、およびグラフィックなどのデータを記憶するデータ部25を備える。プログラム部24は、CPU12が再生プレイヤとして機能するためのアプリケーションプログラムも記憶されており、このプログラムをCPU12によって実行処理することによって、コンテンツを再生する機能が実現される。
【0019】
RAM14は、コンテンツ再生時の再生情報を記憶するコンテンツ情報部26と、前記再生情報を除くその他の情報を記憶するその他記憶部27とを備える。RAM9は、演算部22で演算した結果を一時的に記憶するワークメモリとして機能する。
【0020】
出力部15は、CPU12から入出力ポート16を介して与えられる信号を出力する。出力部15は、コンテンツ用スピーカを含み、前記入出力ポート16から与えられる信号に応じた音を出力可能である。音楽データを含むコンテンツの再生時には、コンテンツ用スピーカが鳴動して、音が発生する。
【0021】
入出力ポート16は、入力部11および出力部15と、CPU12とを間に介在されて、入力部11および出力部15と、CPU12とで用いられる信号の変換を行う。
【0022】
表示制御部17は、表示ドライバによって実現され、CPU12からの制御信号に基づいて、メッセージ、コンテンツのリスト、およびコンテンツの再生時に表示されるべき情報、動画データを含むコンテンツなどを、表示部5に表示させる。
【0023】
コンテンツ記憶部18は、F−ROM(Flash−ROM)、EEPROM(
Electrically Erasable Programmable ROM)などの不揮発性記録媒体によって実現される。コンテンツ記憶部18には、コンテンツが記憶されている。本実施の形態では、電子機器1がコンテンツ記憶部18を備えているが、電子機器1は、コンテンツ記憶部18を備える構成ではなく、入力部のメモリ装着部に着脱可能であってもよい。コンテンツ制御部21は、コンテンツを再生するときに、コンテンツ記憶部18に記憶されるコンテンツを読出し、圧縮された状態で記憶されている場合には、演算部22によって伸張させた後、表示制御部17に与える。これによって、コンテンツが再生される。CPU12と、ROM13と、出力部15と、入出力ポート16とを含んで、再生手段が構成される。コンテンツが動画データを含む場合には、再生手段は、さらに表示部5および表示制御部17を含んで構成される。
【0024】
図3は、コンテンツ情報部26にコンテンツ再生時の再生情報を説明する図である。コンテンツ情報部26には、コンテンツの番号に関する情報と、この番号に関する情報に対応させて、不要データとしてのカウント数を表す回数情報とが記憶されている。コンテンツの番号は、コンテンツに予め定められる番号である。回数情報は、そのコンテンツが部分的に再生された回数を表し、すなわち、そのコンテンツを再生するときにコンテンツの先頭から最後まで再生が行われなかった回数を表す。コンテンツ再生時の再生情報は、コンテンツ制御部21によって更新して記憶される。CPU12、ROM13およびRAM14を含んで回数記憶手段が構成される。またCPU12と、ROM13とは、削除手段を構成する。
【0025】
図4は、CPU12における動作処理を示すフローチャートである。キー群6を操作することによって再生モードに移行すると、ステップS0からステップS1に移り、処理を開始する。ステップS1では、ROM13のプログラム部24から再生プレイヤのアプリケーションプログラムを読み出して実行処理し、再生プレイヤのアプリケーションを起動して、ステップS2に移る。再生プレイヤのアプリケーションが起動されると、コンテンツ制御部21が表示制御部17を制御して、コンテンツの名称を表すリストまたはコンテンツ再生画面を表示部5に表示させる。
【0026】
ステップS2では、コンテンツの再生を開始させる指示が与えられたか否かを判断する。再生するコンテンツは、たとえば、表示部5に表示されているリストの名称のうち、カーソルを合わせた名称のコンテンツ、などのユーザが選択したコンテンツである。ステップS2で、開始の指示が与えられたと判断すると、ステップS3に移る。
【0027】
ステップS3では、選択されたコンテンツの再生を開始して、ステップS4に移る。
ステップS4では、再生開始位置情報を読出して保持して、ステップS5に移る。コンテンツは、このコンテンツの再生を開始すべき位置を表す再生開始位置情報と、再生を終了すべき位置を表す再生終了位置情報とを含んでいる。CPU12は、ステップS3で再生を開始したコンテンツに対応させて、前記再生位置開始情報を、RAM14に一時的に記憶させる。
【0028】
ステップS5では、コンテンツの再生を停止させる停止指示が与えられたか、およびコンテンツの再生が終了したか否かを判断する。コンテンツの再生を停止させる停止指示が与えられたと判断するか、またはコンテンツの再生が終了したと判断すると、ステップS6に移る。ステップS5は、コンテンツの再生を停止させる停止指示が与えられたと判断するか、またはコンテンツの再生が終了したと判断するまでは、所定の時間間隔で繰り返される。コンテンツの再生が終了か否かは、前述した再生を終了すべき位置を表す再生終了位置情報を読出したか否かで判断する。またコンテンツの再生を停止させる指示が与えられた場合には、コンテンツ制御部21は、ステップS3で再生を開始したコンテンツに対応させて、停止させる指示が与えられたときの停止位置を表す停止位置情報を、RAM14に記憶させる。
【0029】
ステップS6では、再生開始位置情報と、停止位置情報または再生終了位置情報とに基づいて、ステップS3で再生を開始したコンテンツについて、このコンテンツの先頭から最後まで再生したか否か、すなわちコンテンツが部分的に再生されたか否かを判断する。ここでは、ステップS3で再生を開始したコンテンツに対応させてRAM14に停止位置情報が記憶されていれば、コンテンツの先頭から最後まで再生していないと判断する。ステップS6において、コンテンツの先頭から最後まで再生したと判断すると、ステップS7に移る。
【0030】
ステップS7では、再生プレイヤを終了する指示が与えられたか否かを判断する。ステップS7で、再生プレイヤを終了する指示が与えられたと判断すると、ステップS8に移り、処理を終了し、再生プレイヤを終了する指示が与えられていない判断すると、ステップS2に移る。ステップS2で再生指示がないときには、ステップS7に移る。
【0031】
前述したステップS6で、コンテンツの先頭から最後まで再生していないと判断すると、ステップS9に移る。
【0032】
ステップS9では、RAM14内に保持しているコンテンツ情報部26に記憶されているカウント数のうち、ステップS3で再生を開始したコンテンツに対応する回数情報が表すカウント数をインクリメントし、不要データとしてのカウントアップを行う。ステップS9が終了すると、ステップS10に移る。
【0033】
ステップS10では、データ比較部23が、ステップS9でカウントアップされたコンテンツに対応する回数情報が表すカウント数が、予め定める規定数を超えたか否かを判断する。ステップS10で、予め定める規定数を超えたと判断すると、ステップS11に移り、予め定める規定数を以下であると判断すると、ステップS7に移る。予め定める規定数に関する情報は、RAM14またはROM13に記憶されている。
【0034】
ステップS11では、コンテンツ制御部21が、カウント数が、予め定める規定数を超えたコンテンツをコンテンツ記憶部18から削除して、ステップS7に移る。
【0035】
以上のように電子機器1では、コンテンツの先頭から最後まで再生されない、すなわちコンテンツが部分的にしか再生されないということは、そのコンテンツがユーザにとって必要とは言えないと考えられるので、回数情報は、ユーザがそのコンテンツを本当に必要としているかどうかをリアルに反映する指標となっている。コンテンツ制御部21は、回数情報が表すカウント数が、予め定める規定数を超えたときに、この予め定める規定数を超えたコンテンツを削除する。これによって、従来の技術のような、コンテンツの保護設定、または抽出条件となるキーワードをユーザが予め条件を設定する手間を省き、該当コンテンツに対する実際の再生状況に基づいてコンテンツを削除可能であるので、ユーザが本当にそのコンテンツを必要としているかどうかをリアルに反映した上で、不要なコンテンツを削除することができ、限られた記憶容量のコンテンツ記憶部18を有効に活用することができるとともに、利便性を向上させることができる。
【0036】
図5は、本発明の実施の他の形態の電子機器におけるCPUの動作処理を示すフローチャートである。本実施の形態の電子機器は、前述した図1に示す電子機器と同様の構成であり、CPUの動作処理のみが異なるので、同様の構成については、説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。ステップA0からステップA3までの各ステップは、図4のフローチャートのステップS0からステップS3までの各ステップにそれぞれ対応するので、説明を省略する。
【0037】
ステップA3が終了すると、ステップA4に移る。ステップA4では、再生中に、送り切換指示、または戻し切換指示が与えられたかを判断する。ステップA4において、与えられていないと判断すると、ステップA5に移る。
【0038】
ステップA5は、図4のフローチャートのステップS5にそれぞれ対応する。ステップA5において、コンテンツの再生を停止させる指示が与えられたと判断するか、またはコンテンツの再生が終了したと判断すると、ステップA6に移り、コンテンツの再生を停止させる指示が与えられておらず、かつコンテンツの再生が終了していないと判断すると、ステップA4に移る。ステップA6およびステップA7の各ステップは、図4のフローチャートのステップS7およびステップS8にそれぞれ対応するので、説明を省略する。
【0039】
前述したステップA4において、ステップA4において、再生中に、送り切換指示、または戻し切換指示が与えられたと判断すると、ステップA8に移る。
【0040】
ステップA8からステップA10までの各ステップは、図4のフローチャートのステップS9からステップS11にそれぞれ対応するので、説明を省略する。ただし、ステップA9において、ステップA8でカウントアップされたコンテンツに対応する回数情報が表すカウント数が、予め定める規定数を以下であると判断すると、ステップA11に移る。
【0041】
ステップA11では、コンテンツ制御部21が、送り切換指示および戻し切換指示のいずれの指示が与えられたのかを判断し、この指示に対応したコンテンツを選択して、ステップA2に移る。
【0042】
以上のような電子機器においても、前述した実施の形態の電子機器1と同様の効果を達成することができる。
【0043】
図6は、本発明の実施の他の形態の電子機器におけるCPUの動作処理を示すフローチャートである。本実施の形態の電子機器は、前述した図1に示す電子機器と同様の構成であり、CPUの動作処理のみが異なるので、同様の構成については、説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。ステップB0からステップB3までの各ステップは、図4のフローチャートのステップB0からステップB3までの各ステップにそれぞれ対応するので、説明を省略する。
【0044】
ステップB4では、コンテンツ制御部21が、再生区間に関する情報をRAM14に記憶させて、保持し、ステップB5に移る。再生区間に関する情報は、たとえば開始位置情報が示す開始位置からの時間的な位置を表し、ステップB4では再生された部分の、開始位置情報が示す開始位置からの時間的な位置を表す情報をRAM14に記憶する。
【0045】
ステップB5では、再生中のコンテンツを早送り再生させる早送り再生指示、または再生中のコンテンツを巻き戻し再生させる巻き戻し再生指示が与えられたか否かを判断する。ステップB5において、早送り再生指示または巻き戻し再生指示が与えられた判断すると、ステップB6に移り、早送り再生指示および巻き戻し再生指示のいずれも与えられていないと判断すると、ステップB7に移る。
【0046】
ステップB6では、早送り再生指示が与えられた場合には早送り再生し、巻き戻し再生指示が与えられた場合には巻き戻し再生し、早送り再生または巻き戻し再生が行われた区間について、再生区間に含まないように、再生区間に関する情報をRAM14に記憶して、ステップB7に移る。
【0047】
ステップB7では、図4のステップS5と同様に、コンテンツの再生を停止させる停止指示が与えられたか、およびコンテンツの再生が終了したか否かを判断する。コンテンツの再生を停止させる停止指示が与えられたと判断するか、またはコンテンツの再生が終了したと判断すると、ステップB8に移り、コンテンツの再生を停止させる停止指示が与えられておらず、かつコンテンツの再生が終了してないと判断すると、再生を継続して、ステップB4に移る。
【0048】
ステップB8では、RAM14に記憶される再生区間に関する情報に基づいて、ステップB4で再生を開始したコンテンツについて、このコンテンツの先頭から最後まで再生したか否か、すなわちコンテンツが部分的に再生されたか否かを判断する。ここでは、開始位置情報が表す開始位置から、再生終了位置情報が表す再生終了位置までの区間が、RAM14に記憶されている再生区間と一致するか否かを判断することによって、一致していれば、コンテンツの先頭から最後まで再生したと判断し、ステップB9に移る。
【0049】
ステップB9およびステップB10の各ステップは、図4のフローチャートのステップS7およびステップS8にそれぞれ対応するので、説明を省略する。
【0050】
前述したステップB8において、ステップB3で再生が開始されたコンテンツについて、このコンテンツの先頭から最後までは再生と判断すると、ステップB11に移る。ステップB11からステップB13までの各ステップは、図4のフローチャートのステップS9からステップS11にそれぞれ対応するので、説明を省略する。
【0051】
以上のような電子機器においても、前述した実施の形態の電子機器1と同様の効果を達成することができる。
【0052】
前述した各実施の形態では、データ比較部23が、たとえば図4のステップS10、図5のステップA9および図6のステップB12において、カウントアップされたコンテンツに対応する回数情報が表すカウント数が、予め定める規定数を超えたか否かを判断すると、図4のステップS11、図5のステップA10および図6のステップB13において、コンテンツ制御部21は、カウント数が、予め定める規定数を超えたコンテンツをコンテンツ記憶部18から削除する構成となっており、ユーザが全く知らない間にコンテンツが消去されてしまう。このため、本発明の他の実施の形態では、不要データと選別したコンテンツの削除を自動に行うのではなく、ユーザに不要データと選別したコンテンツに関する情報を、表示部5に表示させ、ユーザの確認および削除指示に応じて、コンテンツを消去する構成としてもよい。
【0053】
図7は、コンテンツを削除するための削除指示を入力するための削除画面51を示す。本実施の形態のCPUの動作処理は、前述した実施の形態において、たとえば図4のフローチャートでは、ステップS10、ステップS11を除く処理を行い、図5のフローチャートでは、ステップA9、ステップA10を除く処理を行い、図6のフローチャートでは、ステップB12、ステップB13を除く処理を行う。
【0054】
CPU12のデータ比較部23は、予め定める期間が経過するごとに、コンテンツに対応する回数情報が表すカウント数と、予め定める規定数とを比較し、比較した結果、予め定める規定数を超えるカウント数となっている回数情報に対応するコンテンツを検索し、コンテンツ制御部21が、予め定める規定数を超えるカウント数となっている回数情報に対応するコンテンツを表す情報を、図8に示すように、削除を促す情報とともに、削除画面51として表示部5に表示する。削除画面51に表示されている表示ボタンは、十字キーなどによって選択可能となっている。画面上のボタンを選択した後、確定キーによって指示を確定することによって、装置が不要データであると選別したコンテンツを削除したり、削除しなかったり、あるいはその一部のみを削除したりすることができる。本実施の形態では、表示部5、表示制御部17、CPU12、ROM13、RAM14、入力部11および入出力ポート16を含んで削除手段が構成され、入力部11、入出力ポート16、CPU12およびROM13を含んで選択部が構成される。
【0055】
このような構成とすることによって、部分的にしか再生しないコンテンツであっても、削除するのか否かを選択することができる。またユーザにコンテンツの削除を促し、ユーザは確認を行った上で、簡易な操作で不要データの削除を実行することができる。
【0056】
本発明のさらに他の実施の形態では、前述の図4、図5または図6に示す実施の形態と、図8に示す実施の形態とを、切換スイッチによって切換可能な構成としてもよい。これによって、ユーザが望む削除方法を選択することができ、さらに利便性を向上させることができる。
【0057】
前述した各実施の形態では、予め定める規定数は一定であるが、本発明のさらに他の実施の形態では、前述した各実施の形態において、予め定める規定数を設定可能な設定手段を備える構成としてもよい。図8は、予め定める規定数を設定する設定画面61を示す図である。設定画面61には、予め定める規定数を入力する欄が表示され、ユーザは、文字入力キー群8を操作することによって、予め定める規定数をいくつにするのかを設定することができる。設定画面61は、キー群6を操作して、設定モードに移行する指示が与えられたときに、コンテンツ制御部21によって表示部5に表示される。ユーザは、キー群6を操作して、ユーザが所望の規定数を入力した後、確定キーによって指示を確定することによって、ユーザが所望の規定数を表す情報がRAM14に記憶され、この情報に基づいてCPU4がコンテンツを削除するか否か、あるは、削除画面を表示するか否かを判定する。このような構成とすることによって、よりユーザの利便性を高め、ユーザの要求にあった条件で不要データの自動選別を行うことができる。本実施の形態では、キー群6、表示部5、表示制御部17、CPU12、ROM13およびRAM14を含んで設定手段が構成されている。
【0058】
本発明のさらに他の実施の形態では、前述した各実施の形態を組み合わせて、電子機器を構成してもよい。すなわち、コンテンツの再生中に与えられる停止指示と、再生中に与えられる、送り切換指示または戻し切換指示と、RAM14に記憶される再生区間に関する情報とのそれぞれに基づいて、回数情報が表すカウント数をカウントアップしてもよく、この場合には、コンテンツを削除するか否かを多角的に判断することができ、さらに利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の一形態の電子機器1の正面図である。
【図2】電子機器1の構成を示すブロック図である。
【図3】コンテンツ情報部26にコンテンツ再生時の再生情報を説明する図である。
【図4】CPU12における動作処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の他の形態の電子機器におけるCPUの動作処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の他の形態の電子機器におけるCPUの動作処理を示すフローチャートである。
【図7】コンテンツを削除するための削除指示を入力するための削除画面51を示す図である。
【図8】予め定める規定数を設定する設定画面61を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 電子機器
5 表示部
6 キー群
9 RAM
11 入力部
12 CPU
13 ROM
14 RAM
15 出力部
16 入出力ポート
17 表示制御部
18 コンテンツ記憶部
21 コンテンツ制御部
22 演算部
23 データ比較部
24 プログラム部
25 データ部
26 コンテンツ情報部
51 削除画面
61 設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽データおよび動画データの少なくともいずれか一方を含む複数のコンテンツを記憶可能なコンテンツ記憶部に記憶されている前記コンテンツを読み出して再生可能な再生手段と、
各コンテンツに対応させて、そのコンテンツが部分的に前記再生手段によって再生された回数を表す回数情報を記憶する回数記憶手段と、
前記回数記憶手段に記憶されている回数情報が表す回数が、予め定める回数を超えたコンテンツを削除可能な削除手段とを含むことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記削除手段は、前記回数記憶手段に記憶されている回数情報が表す回数が、予め定める回数を超えたときに、前記回数情報が表す回数が予め定める回数を超えたコンテンツを削除することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記削除手段は、
前記回数記憶手段に記憶されている回数情報が表す回数が、予め定める回数を超えたコンテンツに関する情報を表示する表示部と、
前記表示された情報に対応するコンテンツを選択する選択部とを備え、
前記選択部によって選択されたコンテンツを削除することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記コンテンツは、再生を開始すべき位置を表す再生開始位置情報と、再生を終了すべき位置を表す再生終了位置情報とを含み、
前記回数記憶手段は、
前記部分再生情報が記憶される記憶部と、
前記再生開始位置情報および前記再生終了位置情報の少なくともいずれか一方に基づいて、コンテンツが部分的に再生されたか否かを判断し、コンテンツが部分的に再生されたと判断したときに、前記記憶部に記憶される前記回数情報を更新して記憶させる処理部とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子機器。
【請求項5】
前記再生手段が再生するコンテンツを切り換える切換指示を、前記再生手段に与える切換指示手段をさらに含み、
前記再生手段は、前記切換指示手段によって指示が与えられたときに、再生するコンテンツを切換え、
前記回数記憶手段は、
前記部分再生情報が記憶される記憶部と、
前記再生手段が再生しているコンテンツが他のコンテンツに切り換えられたとき、切り換えられる前のコンテンツに対応して前記記憶部に記憶される前記回数情報を更新して記憶させる処理部とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子機器。
【請求項6】
前記再生手段がコンテンツの再生しているときに、早送りおよび巻き戻しの少なくともいずれかを含むスキップ再生を行わせる指示を与えるスキップ再生指示手段をさらに含み、
前記再生手段は、前記スキップ再生指示手段によって指示が与えられたときに、コンテンツをスキップ再生し、
前記回数記憶手段は、
前記部分再生情報が記憶される記憶部と、
前記スキップ再生指示手段によって再生中のコンテンツがスキップ再生されることによって、コンテンツが部分的に再生されたと判断したときに、切り換えられる前のコンテンツに対応して前記記憶部に記憶される前記回数情報を更新して記憶させる処理部とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子機器。
【請求項7】
前記予め定める回数を設定可能な設定手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−290376(P2009−290376A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138745(P2008−138745)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】