電子機器
【課題】ユーザからの要求に基づいて非稼動状態においても音声出力を可能とすると共に音声出力時の省電力を実現する。
【解決手段】スピーカを有する電子機器において、外部機器(オーディオプレーヤ)からの音声信号を入力するラインイン端子19と、ラインイン端子19から入力された音声信号を増幅してスピーカ18から音声を出力させるスピーカアンプ54と、スピーカアンプ54に対して電源供給する電源回路46とを有する。EC/KBC45は、電子機器が非稼働状態にある時にスピーカ18からの音声出力を許可するデータが設定され、かつスイッチ52によりオーディオプレーヤ25が接続されたことを検出した場合に、スピーカアンプ54に対して電源供給させる。
【解決手段】スピーカを有する電子機器において、外部機器(オーディオプレーヤ)からの音声信号を入力するラインイン端子19と、ラインイン端子19から入力された音声信号を増幅してスピーカ18から音声を出力させるスピーカアンプ54と、スピーカアンプ54に対して電源供給する電源回路46とを有する。EC/KBC45は、電子機器が非稼働状態にある時にスピーカ18からの音声出力を許可するデータが設定され、かつスイッチ52によりオーディオプレーヤ25が接続されたことを検出した場合に、スピーカアンプ54に対して電源供給させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカを有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部からの音声信号を入力する端子にプラグの挿抜検知があった場合に、そのプラグの挿抜を有効なトリガーとして各処理を実行可能とするAV装置が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載されたAV装置は、視聴のための処理をする処理部と、処理部へ信号を出力する信号出力部と、モバイルオーディオ入力端子を含む複数の第1信号入力部と、モバイルオーディオ入力端子へのプラグの挿抜を検知する第1検知部と、第1検知部の検知結果に応じて、複数の第1信号入力部と信号出力部との接続制御をするための第2制御部とを有している。
【0003】
従来のAV装置では、例えばモバイルオーディオ端子にプラグが挿入された場合には、モバイルオーディオから入力される音声信号をAV装置の音声出力信号として出力することができる。また、AV装置は、モバイルオーディオからの音声を出力すると共に、映像信号のための処理を中止する、液晶ディスプレイのバックライトを消す、あるいはバックライトを消すといった各処理をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−108769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術のAV装置(例えばテレビ装置)は、映像や音声を出力可能な通常の稼働状態において、モバイルオーディオ端子にプラグが挿入された場合に、モバイルオーディオからの音声を出力することができるものであって、電源オフされている非稼働状態においてモバイルオーディオからの音声を出力することができなかった。
【0006】
また、従来のAV装置は、モバイルオーディオ端子にプラグが挿入されたことを、ユーザからの入力ソースの変更を示す意志表示として利用するだけであって、プラグが挿入されること以外のユーザからの意志表示を利用して、モバイルオーディオからの音声の出力を制御することができなかった。
【0007】
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、ユーザからの要求に基づいて非稼動状態においても音声出力を可能とすると共に音声出力時の省電力を実現することが可能な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明は、スピーカを有する電子機器において、外部機器からの音声信号を入力する端子と、前記端子から入力された音声信号を増幅して前記スピーカから音声を出力させるアンプと、前記アンプに対して電源供給する電源回路と、前記電子機器の非稼働時に前記スピーカからの音声出力を許可あるいは禁止の何れにするかを示すデータを設定する設定手段と、予め決められた状態になっていることを検出する検出手段と、前記電源回路による電源供給を制御するものであって、前記電子機器が非稼働状態にある時に、前記設定手段により設定された前記データと前記検出手段による検出結果とに基づいて、前記電源回路による前記アンプに対する電源供給を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザからの要求に基づいて非稼動状態においても音声出力を可能とすると共に音声出力時の省電力を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態における電子機器の構成を示す外観図。
【図2】本実施形態におけるパーソナルコンピュータのシステム構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態におけるパーソナルコンピュータの各状態において供給される電源を示す図。
【図4】本実施形態における音声出力モード選択処理を示すフローチャート。
【図5】本実施形態における音声出力モード選択画面の一例を示す図。
【図6】本実施形態における電源オフ処理を示すフローチャート。
【図7】本実施形態における仕様1を実現するための制御処理を示すフローチャート。
【図8】本実施形態における仕様1を実現するための制御処理を示すフローチャート。
【図9】本実施形態における仕様2を実現するための制御処理を示すフローチャート。
【図10】本実施形態における仕様3を実現するための制御処理を示すフローチャート。
【図11】本実施形態における非稼働状態におけるEC/KBCの電源モードのオン/オフ制御を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態における電子機器の構成を示す外観図である。この電子機器は、例えば、ノートブック型の携帯型パーソナルコンピュータ10として実現されている。本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10は、非稼働状態の時に、ラインアウト付き外部機器(例えば、携帯型のオーディオプレーヤ25)から出力されたアナログ音声信号を入力して、筐体に実装されたスピーカ18から出力させる音声出力機能(スリープ&ミュージック機能)を有している。
【0012】
オーディオプレーヤ25からの出力を直接スピーカに接続した場合、オーディオプレーヤ25の出力がスピーカの能力に比べて小さいため、十分な音量の音声を出力することができない。本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10に設けられた音声出力機能は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態にある場合でも、内蔵された音声信号増幅のためのアンプに電源を供給して、オーディオプレーヤ25からの音声信号を増幅してスピーカから出力させることができる。
【0013】
なお、パーソナルコンピュータ10の非稼働状態とは、例えば電源オフ状態(システムステートS5)の他、スタンバイ/スリープ/サスペンド(システムステートS3)、ハイバネーション(休止状態)(システムステートS4)と称される状態を含むものとする。すなわち、非稼働状態は、プロセッサ(CPU30)が動作していない状態である。
【0014】
本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10は、ユーザからの要求に基づいて、非稼働状態においてもオーディオプレーヤ25から出力されたアナログ音声信号に応じた音声をスピーカから出力できるように制御する。ユーザからの音声出力機能に対する要求は、例えば、ユーザからの指示に応じた音声出力機能の有効(Enable)/無効(Disable)の設定、ユーザの操作によって切り替えられるパーソナルコンピュータ10に備えられた各種センサやスイッチの状態検出などにより判別される。詳細については後述する。
【0015】
図1は、パーソナルコンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図である。パーソナルコンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12には、LCD(Liquid Crystal Display)17から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD17の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
【0016】
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に対して開放位置と閉塞位置との間を、ヒンジ機構21により回動自在に取り付けられている。ヒンジ機構21には、ディスプレイユニット12が開放位置(ディスプレイユニット12がコンピュータ本体11と密着されていない位置)にあることを検出するためのLCD開閉センサ55(図2参照)が収納されている。コンピュータ本体11は、バッテリが取り外し自在に装着可能な薄い箱形の筐体を有している。
【0017】
コンピュータ本体11の上面には、キーボード13、パワーオン/オフするためのパワーボタンスイッチ14、汎用ハードウェアボタン15、タッチパッド16、スピーカ18などが配置されている。
【0018】
スピーカ18は、コンピュータ本体11の上面に配置されているため、ディスプレイユニット12が閉塞位置にあると前面を塞がれてしまう。すなわち、スピーカ18から本来の音量/音質による音声を出力することができなくなる。LCD開閉センサ55は、スピーカ18からの音声が十分な音量/音質で外部に出力される程度にスピーカ18の前面が開放された状態、すなわちディスプレイユニット12が所定以上開かれた状態を開放位置にあるとして検出する。
【0019】
コンピュータ本体11の側面には、オーディオプレーヤ25から出力されたアナログ音声信号を入力するためのラインイン端子19(ジャック)、非稼働時に音声出力機能が有効な場合に音量調節するために使用されるボリュームつまみ20が設けられている。ラインイン端子19には、オーディオプレーヤ25のラインアウト端子と接続されたケーブル26を、プラグ27により接続することができる。
【0020】
次に、図2を参照して、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10のシステム構成について説明する。
【0021】
パーソナルコンピュータ10は、図2に示すように、CPU30、MCH31(ノースブリッジ)、メインメモリ32、表示コントローラ35、ICH40(サウスブリッジ)、ハードディスクドライブ(HDD)121、BIOS−ROM42、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)45、電源回路46等を備えている。
【0022】
CPU30は、パーソナルコンピュータ10の動作を制御するために設けられたプロセッサであり、HDD41からメインメモリ32にロードされる、オペレーティングシステム(OS)、各種ハードウェアを制御するドライバ、および各種アプリケーションプログラム等を実行する。さらに、CPU30は、BIOS−ROM42に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0023】
MCH31は、CPU30のローカルバスとICH40との間を接続するブリッジデバイスである。MCH31には、メインメモリ32をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。
【0024】
表示コントローラ35は、パーソナルコンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する。表示コントローラ35は、MCH31を介してCPU30から送信される描画要求に基づいてビデオメモリ(VRAM)にフレーム群を描画するための表示処理(グラフィクス演算処理)を実行する。
【0025】
ICH40は、HDD41および光ディスクドライブ(図示せず)を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラやSerial ATAコントローラを内蔵している。
【0026】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)45は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13、タッチパッド15、及び汎用ハードウェアボタン18を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。
【0027】
EC/KBC45は、ユーザによるパワーボタンスイッチ14の操作に応じて電源回路46を制御し、パーソナルコンピュータ10をパワーオン/パワーオフする機能を有している。パーソナルコンピュータ10のパワーオン/パワーオフの制御は、EC/KBC45と電源回路46との共同動作によって実行される。また、EC/KBC45は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態(電源オフ状態)にある場合でも電源供給されるモジュールであり、パーソナルコンピュータ10が非稼働時に使用される音声出力機能(スリープ&ミュージック機能)を制御するためのコントローラとして使用される。EC/KBC45は、音声出力機能の制御のために、LCD開閉センサ55からのディスプレイユニット12が閉塞位置にあるか否かを示すオープン/クローズ信号C4、電源回路46からのバッテリ47の残量を示すバッテリレベル信号C6を入力する。オープン/クローズ信号C4は、例えば1ビットの信号で、例えば“1”ならばディスプレイユニット12が開放位置(「OPEN」)にあることを示し、“0”ならばディスプレイユニット12が閉塞状態(「CLOSE」)にあることを示す。
【0028】
なお、EC/KBC45の他に電源オフ状態において動作可能なコントローラが実装されていれば、このコントローラによって音声出力機能を制御するようにしても良い。
【0029】
電源回路46は、コンピュータ本体11に装着されたバッテリ47、またはACアダプタ48を介して接続された外部電源から電源供給を受けて、各コンポーネントへの動作電源を生成して供給する。電源回路46には、電源マイコンが設けられている。電源マイコンは、各コンポーネントとバッテリに対する電源供給(充放電)や、バッテリの充電状態を監視する。
【0030】
電源回路46は、パーソナルコンピュータ10のシステムステートに応じて、EC/KBC45の制御によって各モジュールへの電源供給を切り替える。電源回路46は、パーソナルコンピュータ10のシステムステートに応じたEC/KBC45の制御によって、S電源、B電源、A電源、P電源のそれぞれの電源系について供給をオン/オフすることができる。
【0031】
S電源は、システムが電源オフされた状態においても常に供給される電源であり、EC/KBC45に供給される。
【0032】
B電源は、スタンバイ状態においてメインメモリ32に記録されたデータをバックアップするために供給される電源である。
【0033】
A電源は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態にある時に音声出力機能を有効にするための電源であり、アナログ音声信号を処理するアナログスイッチ53及びスピーカアンプ54に供給される電源である。
【0034】
P電源は、パーソナルコンピュータ10が電源オン状態にある場合に供給される電源である。
【0035】
図3は、パーソナルコンピュータ10の各状態(システムステートS0,S3,S4,S5)において供給される電源を示す図である。
図3に示すように、パーソナルコンピュータ10が電源オン(S0)の状態(稼働状態)にある場合には、電源回路46は、S電源、B電源、P電源、A電源の全ての供給をオンする。
【0036】
また、パーソナルコンピュータ10がスタンバイ状態(S3)(あるいはスリープ/サスペンドの状態)にある場合には、S電源、B電源の供給をオンする。ただし、本実施形態のパーソナルコンピュータ10では、スタンバイ状態において音声出力機能を使用するため、ケーブル26(オーディオプレーヤ25)を接続するためのプラグ27がラインイン端子19に挿入された場合には、さらにA電源の供給をオンして、音声出力機能で動作させるアナログスイッチ53及びスピーカアンプ54に対して電源供給する。
【0037】
また、パーソナルコンピュータ10が電源オフの状態(S5)、及びメインメモリ32へのバックアップが不要なハイバネーション(休止状態)(S4)の状態にある場合には、S電源の供給のみをオンする。ただし、本実施形態のパーソナルコンピュータ10では、電源オフ状態において音声出力機能を使用するため、ケーブル26(オーディオプレーヤ25)を接続するためのプラグ27がラインイン端子19に挿入された場合には、さらにA電源の供給をオンして、音声出力機能で動作させるアナログスイッチ53及びスピーカアンプ54に対して電源供給する。図3においては、A電源のオン/オフを、電源モードのオン/オフとして示している。
【0038】
EC/KBC45にはS電源が供給されるため、何れのシステムステートにおいても電源供給がオンされ、非稼働時における音声出力機能の制御が可能である。
【0039】
サウンドコントローラ50(オーディオコーデック)は、ICH40を通じて入力されるデジタルオーディオデータをアナログ音声信号に変換すると共に、OSやデバイスドライバ、音声再生プログラム等の制御による音量あるいは音質(音響効果)等の調整をしてアナログスイッチ53に出力する。また、サウンドコントローラ50は、パーソナルコンピュータ10が稼働時にある場合には、同様にして、ラインイン端子19を介して入力されたオーディオプレーヤ25からのアナログ音声信号の音量調整をしてアナログスイッチ53に出力する。
【0040】
アナログスイッチ53は、EC/KBC45からのセレクト信号C2に応じて、サウンドコントローラ50側あるいはラインイン端子19側の何れかの経路に切り替える。アナログスイッチ53は、EC/KBC45の制御により、パーソナルコンピュータ10が稼働時には、サウンドコントローラ50側に切り替えられ、非稼働時に音声出力機能が有効である場合に、サウンドコントローラ50をバイパスするラインイン端子19側に切り替えられる。
【0041】
スピーカアンプ54は、アナログスイッチ53を介して入力されるアナログ音声信号を増幅し、スピーカ18から音声信号に応じた音声を出力させる。スピーカアンプ54は、EC/KBC45からのミュート信号C3に応じて、音声のミュート/ミュート解除を切り替えることができる。
【0042】
なお、ラインイン端子19には、スイッチ52(あるいはセンサ)が内蔵されている。スイッチ52は、ラインイン端子19にケーブル26を接続するためのプラグ27の挿入によってオン/オフが切り替えられ、オン/オフの状態に応じたステータス信号C1をEC/KBC45に出力する。
【0043】
次に、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10の動作について説明する。
図4は、本実施形態における音声出力モード選択処理を示すフローチャートである。音声出力モード選択処理は、パーソナルコンピュータ10が非稼働時に、音声出力機能による音声出力を許可するか、あるいは禁止にするかを、ユーザからの指示に応じて選択するための処理である。
【0044】
本実施形態における音声出力モード選択処理は、例えばBIOSセットアップ、あるいはハードウェアセットアップの処理内で実行できる。例えば、BIOSセットアップは、電源音時に所定のキー操作をすることにより起動させて、実行することができる。また、ハードウェアセットアップは、ハードウェアセットアップ用のユーティリティプログラム(あるいはアプリケーションプログラム)を起動させて、実行することができる。本実施形態では、何れによって音声出力モード選択処理を実行しても良い。
【0045】
音声出力モード選択処理の実行が指示されると、CPU30は、音声出力モード選択画面をLCD17において表示させる(ステップA1)。
【0046】
図5には、音声出力モード選択画面の一例を示している。音声出力モード選択画面では、音声出力モードを「許可」(Enable)あるいは「禁止」(Disable)の何れかに指定することができる。
【0047】
CPU30は、例えばユーザによるキーボード13の操作によって「許可」あるいは「禁止」の何れかを選択する指示が入力され(ステップA2)、確定が指示されると(ステップA3、Yes)、音声出力モードを示すデータ、すなわち「許可」あるいは「禁止」を示すデータを不揮発性メモリに記録する(ステップA4)。不揮発性メモリに記録される音声出力モードを示すデータは、BIOSセットアップあるいはハードウェアセットアップの何れによって実行された場合も共通して交信されるものとする。
【0048】
なお、音声出力モードを示すデータを記録する不揮発性メモリとして、例えばBIOS−ROM42とする他、後述する電源オフ処理において読み取ることができれば他の記憶媒体とすることもできる。
【0049】
図6は、本実施形態における電源オフ処理を示すフローチャートである。
CPU30は、ユーザからの指示、あるいはプログラムからの要求に応じて、電源オフが要求された場合に電源オフ処理を開始する。なお、ここでの電源オフは、パーソナルコンピュータ10を非稼働状態にすることを示すもので、完全に電源オフ(S0)する場合だけでなく、スタンバイ/スリープ/サスペンド(S3)、ハイバネーション(休止状態)(S4)と称される状態にする場合も含むものとする。
【0050】
CPU30は、音声出力モード選択処理によって音声出力モードを示すデータを不揮発性メモリ(例えばBIOS−ROM42)から読み取る(ステップB1)。
【0051】
音声出力モードを示すデータが音声出力の「禁止」を示す場合(ステップB2、No)、CPU30は、EC/KBC45に対して、非稼動時の音声出力を禁止に設定する(ステップB4)。すなわち、EC/KBC45の所定のフラグレジスタに音声出力モード「禁止」(Disable)を示すデータをコピーする。
【0052】
一方、音声出力モードを示すデータが音声出力の「許可」を示す場合(ステップB2、Yes)、CPU30は、EC/KBC45に対して、非稼動時の音声出力を許可に設定する(ステップB3)。すなわち、EC/KBC45の所定のフラグレジスタに音声出力モード「許可」(Enable)を示すデータをコピーする。
【0053】
その後、パーソナルコンピュータ10を電源オフ(非稼働状態)する(ステップB5)。
【0054】
次に、本実施形態における非稼働状態に移行した後のEC/KBC45による音声出力機能(電源モード)の制御動作について説明する。本実施形態では、以下の(1)(2)(3)に示すユーザからの要求に基づく音声出力機能(電源モード)のオン/オフ制御を実現する。各オン/オフ制御を仕様1,2,3として説明する。
【0055】
(1)仕様1
仕様1では、電源オフ直後は、オーディオプレーヤ25を接続するためにプラグ27がラインイン端子19に挿入されていてもスピーカ18から音声を出力させない。その後、プラグ27が挿入された場合に音声出力機能を有効にする。
【0056】
例えば、パーソナルコンピュータ10が電源オン状態の時に、オーディオプレーヤ25をパーソナルコンピュータ10に接続して、スピーカ18を利用してオーディオプレーヤ25により再生された音楽を出力させていたものとする。ここで、ユーザがパーソナルコンピュータ10の使用を終了するために電源オフ(あるいはスリープやハイバネーション)したにも係わらず、音声出力機能が許可(Enable)に設定されていたために、非稼働状態に移行した後も継続して音楽を出力さるとユーザに対して違和感を与えることがある。
【0057】
そこで、本実施形態のパーソナルコンピュータ10では、ユーザにより電源オフが指示され、非稼働状態に移行した直後には、音声出力機能を無効にしてスピーカ18から音声が出力されないようにする。すなわち、電源モードはオフのままとする。その後、ユーザによりプラグ27がラインイン端子19から抜去され、その後、再び、ラインイン端子19にプラグ27が挿入された際には、ユーザからの明示的な音声出力機能を使用する要求であると判別して、音声出力機能を有効(電源モードをオン)にする。
【0058】
また、プラグ27をラインイン端子19から抜いた状態で電源オフした場合は、音声出力機能が許可に設定されていれば、非稼働状態に移行した後にプラグ27が挿入された際に、音声出力機能を有効(電源モードをオン)にする。
【0059】
(2)仕様2
仕様2では、ディスプレイユニット12が閉塞位置にあるときはスピーカ18から音声を出力させない。
【0060】
図1に示すように、コンピュータ本体11とディスプレイユニット12とがヒンジ機構21により結合された筐体構造の場合、ディスプレイユニット12を閉塞状態にすると、コンピュータ本体11の上面部に設けられたスピーカ18の開口部が塞がれてしまう。ディスプレイユニット12が閉塞位置にある時に、音声出力機能を有効にして、オーディオプレーヤ25からの音声をスピーカ18から出力させても、本来の音量/音質の音声を出力させることができない。すなわち、ユーザが音声出力機能を利用する場合には、スピーカ18から良好な音声が出力されるようにディスプレイユニット12を開放位置に回動させるため、ディスプレイユニット12が閉塞位置にある場合には音声出力機能の利用を意図していないものと判別できる。
【0061】
そこで、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、EC/KBC45により、LCD開閉センサ55からのオープン/クローズ信号C4を監視し、ディスプレイユニット12が開放位置にないことが判別された場合には、音声出力機能を無効にしてスピーカ18から音声が出力されないようにする。なお、ディスプレイユニット12が閉塞位置にあっても、スピーカ18の前面に十分な開口面積がある構造であれば、ディスプレイユニット12の位置に基づく音声出力機能のオン/オフ制御は不要である。
【0062】
(3)仕様3
仕様3では、バッテリ47の残量が規定値以上ないときはスピーカ18から音声を出力させない。
【0063】
ACアダプタ48が接続されていないためバッテリ駆動されている場合には、スリープあるいはハイバネーションの非稼働状態において音声出力機能を使用するとバッテリ47を消費してしまう。バッテリ47の残量がなくなるまで音声出力機能により音声の出力を続けると、強制電源オフとなるため正常にレジュームを行うことができなくなる。ユーザによりスリープあるいはハイバネーションによる移行が指示された場合には、再度、パーソナルコンピュータ10を使用することが意図されているため、正常にレジュームできるように音声出力機能のオン/オフを制御する。
【0064】
そこで、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、バッテリ47の残量が正常なレジュームができなくなる規定値未満となった場合に、音声出力機能を無効(電源モードをオフ)としてスピーカ18から音声が出力されないようにする。
【0065】
次に、各仕様1〜3の制御処理について説明する。
仕様1を実現するための制御処理(基本制御処理)を、図7及び図8のフローチャートに示している。
まず、EC/KBC45は、非稼働状態(システムステートS3,S4,S5)に移行された場合には、プラグ27がラインイン端子19に挿入されているか否かに関係無く、電源モードをオフとする(図7、ステップC1)。すなわち、EC/KBC45は、電源回路46によるA電源を含む、システムステートに応じた各電源(P電源またはB電源)の供給をオフさせる。
【0066】
その後、EC/KBC45は、ステータス信号C1により、ユーザによりプラグ27がラインイン端子19から挿抜されたことを検出した場合に、割り込みを受け付けて電源モードの切り替え制御を行う。
【0067】
EC/KBC45は、ラインイン端子19からプラグ27から抜去されたことを検出すると(ステップD1、unplug)、単純に電源モードをオフにする(ステップD2)。
【0068】
一方、EC/KBC45は、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されたことを検出すると(ステップD1、Plug)、以下の条件(a1)(b1)(c1)を満たしていれば、音声出力機能を有効にして(電源モードをオン)にして、スピーカ18から音声を出力できるようにする(ステップD6)。なお、電源モードのオン/オフの切り替えに伴う制御の詳細については後述する(図11参照)。
【0069】
(a1)フラグレジスタに音声出力モード(音声出力機能)が許可(Enable)に設定されている(ステップD3、Enable)。
【0070】
(b1)LCD開閉センサ55からのオープン/クローズ信号C4により、ディスプレイユニット12が開放位置にあることが判別される(ステップD4、OPEN)。
【0071】
(c1)電源回路46からのバッテリレベル信号C6により、バッテリ47の残量が規定値以上あることが判別される(ステップD5、規定値以上)。
【0072】
ステップD3〜D5に示す条件(a1)(b1)(c1)の何れかを満たさない場合には、EC/KBC45は、電源モードをオフ(音声出力機能を無効)とする(ステップD7)。
【0073】
仕様2を実現するための制御処理を、図9のフローチャートに示している。
図8及び図9に示した基本制御フローチャートに対し、図9に示した開閉割込み制御フローチャートを追加する。
【0074】
EC/KBC45は、オープン/クローズ信号C4により、ディスプレイユニット12の開閉状態が変更されたことを検出した場合に、割り込みを受け付けて電源モードの切り替え制御を行う。
【0075】
EC/KBC45は、ディスプレイユニット12が閉塞位置に回動されたことを検出すると(ステップF1、CLOSE)、単純に電源モードをオフにする(ステップF2)。
【0076】
一方、EC/KBC45は、ディスプレイユニット12が開放位置に回動されたことを検出すると(ステップF1、OPEN)、以下の条件(a2)(b2)(c2)を満たしていれば、音声出力機能を有効にして(電源モードをオン)にして、スピーカ18から音声を出力できるようにする(ステップF6)。
【0077】
(a2)フラグレジスタに音声出力モード(音声出力機能)が許可(Enable)に設定されている(ステップF3、Enable)。
【0078】
(b2)スイッチ52からのステータス信号C1により、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されていることが判別される(ステップF4、plugged)。
【0079】
(c2)電源回路46からのバッテリレベル信号C6により、バッテリ47の残量が規定値以上あることが判別される(ステップF5、規定値以上)。
【0080】
ステップF3〜F5に示す条件(a2)(b2)(c2)の何れかを満たさない場合には、EC/KBC45は、電源モードをオフ(音声出力機能を無効)とする(ステップF7)。
【0081】
仕様3を実現するための制御処理を、図10のフローチャートに示している。
図8及び図9に示した基本制御フローチャートに対し、図10に示したバッテリ残量制御フローチャートを追加する。
【0082】
EC/KBC45は、バッテリレベル信号C6により、例えばバッテリ47の残量が1%減少したことを検出した場合に、割り込みを受け付けて、電源モードの切り替え判断を行う。
【0083】
EC/KBC45は、バッテリレベル信号C6が示すバッテリ47の残量が予め決められた規定値以上であるか判別し、規定値以上なしと判別された場合には(ステップG1、規定値未満)、単純に電源モードをオフにする(ステップG2)。
【0084】
一方、EC/KBC45は、バッテリ47の残量が規定値以上あると判別されたされたことを検出すると(ステップG1、規定値以上)、以下の条件(a3)(b3)(c3)を満たしていれば、音声出力機能を有効にして(電源モードをオン)にして、スピーカ18から音声を出力できるようにする(ステップG6)。
【0085】
(a3)フラグレジスタに音声出力モード(音声出力機能)が許可(Enable)に設定されている(ステップG3、Enable)。
【0086】
(b2)スイッチ52からのステータス信号C1により、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されていることが判別される(ステップG4、plugged)。
【0087】
(c3)LCD開閉センサ55からのオープン/クローズ信号C4により、ディスプレイユニット12が開放位置にあることが判別される(ステップG5、OPEN)。
【0088】
ステップG3〜G5に示す条件(a3)(b3)(c3)の何れかを満たさない場合には、EC/KBC45は、電源モードをオフ(音声出力機能を無効)とする(ステップG7)。
【0089】
このようにして、仕様1,2,3の何れの場合においても、ユーザにより音声出力機能が許可(Enable)に設定されていると共に、オーディオプレーヤ25を接続するためにプラグ27がラインイン端子19に挿入され、スピーカ18から良好な状態で音声が出力されるようにディスプレイユニット12が開放位置に回動され、さらにバッテリ47の残量が規定値以上である場合には、ユーザが非稼働時においてオーディオプレーヤ25からの音声をスピーカ18から出力させることを要求しているものと判別し、音声出力機能を有効(電源モードをオン)にすることができる。
【0090】
次に、非稼働状態におけるEC/KBC45の電源モードのオン/オフ制御の詳細について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
EC/KBC45は、電源モードをオンする場合(ステップA5、Yes)、ミュート信号C3によりスピーカアンプ54をミュート状態にしておく(ステップE6)。すなわち、スピーカアンプ54への電源投入時やアナログスイッチ53の切り替え時にノイズが発生するため、スピーカアンプ54によりスピーカ18から音が出力されないようにしておく。
【0091】
スピーカアンプ54をミュート状態にした後、EC/KBC45は、電源回路46に対してA電源の供給をオンさせて(ステップE3)、電源モードをオン状態へ移行させる。すなわち、パーソナルコンピュータ10を非稼働状態にしたままで、音声出力機能に関係するスピーカアンプ54とアナログスイッチ53に対してのみA電源を供給する。
【0092】
サウンドコントローラ50は、プログラムによって制御されるスタンバイモードでは動作しない。このため、EC/KBC45は、セレクト信号C2によりアナログスイッチ53を制御して、ラインイン端子19から入力されたアナログ音声信号がサウンドコントローラ50をバイパスしてスピーカアンプ54へ伝わるように経路を切り替える(ステップE4)。
【0093】
EC/KBC45は、アナログスイッチ53の切り替えが終わった後に、ミュート信号C3により、スピーカアンプ54のミュート状態を解除する(ステップE5)。
【0094】
音声出力機能が有効(電源モードオン)にされると、ラインイン端子19に接続されたオーディオプレーヤ25において例えば音楽が再生されると、この音楽のアナログ音声信号がラインイン端子19を通じてスピーカアンプ54に入力される。スピーカアンプ54は、電源回路46によりA電源が供給されているため、アナログ音声信号を増幅して、スピーカ18から音楽が出力させることができる。この時、パーソナルコンピュータ10は、スタンバイ状態にあり、音声出力機能に関係しないモジュールに対しては電源供給されていない。このため、パーソナルコンピュータ10の消費電力は、電源オン状態にある場合よりも大幅に少なくすることができる。
【0095】
EC/KBC45は、電源モードをオフする場合(ステップE6、Yes)、ミュート信号C3によりスピーカアンプ54をミュート状態にしておく(ステップE7)。
【0096】
スピーカアンプ54をミュート状態にした後、EC/KBC45は、セレクト信号C2によりアナログスイッチ53を制御して、サウンドコントローラ50側に切り替えて、ラインイン端子19から入力されたアナログ音声信号がサウンドコントローラ50を介してスピーカアンプ54へ伝わるように経路を切り替える(ステップE8)。
【0097】
その後、EC/KBC45は、電源回路46に対してA電源の供給をオフさせて(ステップE9)、電源モードをオフ状態へ移行させる。
【0098】
すなわち、電源オフ(S5)あるいはハイバネーション(S4)の場合にはS電源のみを供給をオンし、スタンバイモード(S3)の場合にはB電源とS電源の供給をオンさせる。すなわち、アナログスイッチ53とスピーカアンプ54に対するA電源の供給をオフする。
【0099】
EC/KBC45は、電源供給の切り替えが完了した後、ミュート信号C3により、スピーカアンプ54のミュート状態を解除する(ステップE10)。
【0100】
こうして、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、電源オフやスタンバイモード等の非稼働状態において、前述した仕様1,2,3による制御処理により電源モードがオン/オフされる場合には、スピーカアンプ54に対する電源供給(A電源)のオン/オフ、及びアナログスイッチ53の切り替えが制御される。
【0101】
なお、前述した説明では、ラインイン端子19(ジャック)にプラグ27が挿入されたことをスイッチ52により検出しているが、ラインイン端子19から入力された音声信号の音量レベルを検出するようにしても良い。すなわち、オーディオプレーヤ25において音楽等が再生されて、スピーカ18から出力すべき音声(音楽)が存在することを検出して、前述したプラグ27の挿入を検出する場合と同様の制御を行う。これにより、単にプラグ27がラインイン端子19に挿入されただけで、スピーカ18から出力すべき音声がない場合に、スピーカアンプ54とアナログスイッチ53に対して不要な電源供給(A電源)がされなくなるので、省電力化を図ることができる。
【0102】
また、音声出力機能を使用している間にもバッテリ47を充電できるのであれば、ACアダプタ48が接続されていれば(バッテリ駆動されていない)、常時、電源モードをオンにしても良い。一般のノートブック型のパーソナルコンピュータ10においては、バッテリ47の消費よりもACアダプタ48からの電力供給が上回るため、バッテリ残量に関係無く電源モードをオンにできる。
【0103】
ただし、音声出力機能によるバッテリ47の残量消費が電力供給を上回ってしまう場合には、ACアダプタ48の接続時については、バッテリ残量がある基準値以上となったときに自動的に音声出力機能を有効にして、スピーカ18からの音声出力を開始してもよい。このとき、音声出力開始の基準値は、前述した仕様1〜3の説明において、バッテリ47の残量を判別するための規定値よりも充分大きな残量値を示すものとする。つまり、音声出力が開始された後、すぐにバッテリ47の残量不足により音声出力が停止しないようにする。
【0104】
なお、前述した説明では、ラインイン端子19を音声信号入力用として説明しているが、マイク接続用と兼用しても良い。この場合、サウンドコントローラ50を介してマイク用の電源をラインイン端子19に供給するものとする。サウンドコントローラ50に対しては、電源オフまたはスタンバイモードにおいてはP電源の供給がオフされるため、ラインイン端子19に対してマイク用の電源は供給されない。
【0105】
また、ラインイン端子19に内蔵されたスイッチ52に代えて、独立したスイッチを設けて、ユーザの手動動作によってオン/オフを切り替えられるようにしても良い。このスイッチのオン/オフに応じたステータス信号C1がEC/KBC45に入力される。ユーザは、オーディオプレーヤ25をパーソナルコンピュータ10に接続して使用する場合に、このスイッチをオンに切り替えることで、音声出力機能を有効にすることを要求できる。
【0106】
また、前述した説明では、プラグ27が挿入された状態のままで非稼働状態に移行された場合、プラグ27がラインイン端子19から抜去され、再度、プラグ27が挿入された場合に、音声出力機能を有効にするものとしているが(音声出力モードが許可の場合)、他の方法により音声出力機能を有効にできるようにしても良い。例えば、図2に示すように、ユーザが手動操作できるスイッチ60を設ける。EC/KBC45は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態にある場合に、ユーザの手動操作によりスイッチ60がオンされたことを検出すると、電源回路46に対してA電源の供給オンを設定する。これにより、プラグ27をラインイン端子19から抜いてから、再度、挿入するといった操作を省略することができる。
【0107】
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0108】
10…パーソナルコンピュータ、11…コンピュータ本体、17…LCD、18…スピーカ、19…ラインイン端子、30…CPU、32…メインメモリ、42…BIOS−ROM、45…EC/KBC、46…電源回路、52…スイッチ、53…アナログスイッチ、54…スピーカアンプ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカを有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部からの音声信号を入力する端子にプラグの挿抜検知があった場合に、そのプラグの挿抜を有効なトリガーとして各処理を実行可能とするAV装置が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載されたAV装置は、視聴のための処理をする処理部と、処理部へ信号を出力する信号出力部と、モバイルオーディオ入力端子を含む複数の第1信号入力部と、モバイルオーディオ入力端子へのプラグの挿抜を検知する第1検知部と、第1検知部の検知結果に応じて、複数の第1信号入力部と信号出力部との接続制御をするための第2制御部とを有している。
【0003】
従来のAV装置では、例えばモバイルオーディオ端子にプラグが挿入された場合には、モバイルオーディオから入力される音声信号をAV装置の音声出力信号として出力することができる。また、AV装置は、モバイルオーディオからの音声を出力すると共に、映像信号のための処理を中止する、液晶ディスプレイのバックライトを消す、あるいはバックライトを消すといった各処理をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−108769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術のAV装置(例えばテレビ装置)は、映像や音声を出力可能な通常の稼働状態において、モバイルオーディオ端子にプラグが挿入された場合に、モバイルオーディオからの音声を出力することができるものであって、電源オフされている非稼働状態においてモバイルオーディオからの音声を出力することができなかった。
【0006】
また、従来のAV装置は、モバイルオーディオ端子にプラグが挿入されたことを、ユーザからの入力ソースの変更を示す意志表示として利用するだけであって、プラグが挿入されること以外のユーザからの意志表示を利用して、モバイルオーディオからの音声の出力を制御することができなかった。
【0007】
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、ユーザからの要求に基づいて非稼動状態においても音声出力を可能とすると共に音声出力時の省電力を実現することが可能な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明は、スピーカを有する電子機器において、外部機器からの音声信号を入力する端子と、前記端子から入力された音声信号を増幅して前記スピーカから音声を出力させるアンプと、前記アンプに対して電源供給する電源回路と、前記電子機器の非稼働時に前記スピーカからの音声出力を許可あるいは禁止の何れにするかを示すデータを設定する設定手段と、予め決められた状態になっていることを検出する検出手段と、前記電源回路による電源供給を制御するものであって、前記電子機器が非稼働状態にある時に、前記設定手段により設定された前記データと前記検出手段による検出結果とに基づいて、前記電源回路による前記アンプに対する電源供給を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザからの要求に基づいて非稼動状態においても音声出力を可能とすると共に音声出力時の省電力を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態における電子機器の構成を示す外観図。
【図2】本実施形態におけるパーソナルコンピュータのシステム構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態におけるパーソナルコンピュータの各状態において供給される電源を示す図。
【図4】本実施形態における音声出力モード選択処理を示すフローチャート。
【図5】本実施形態における音声出力モード選択画面の一例を示す図。
【図6】本実施形態における電源オフ処理を示すフローチャート。
【図7】本実施形態における仕様1を実現するための制御処理を示すフローチャート。
【図8】本実施形態における仕様1を実現するための制御処理を示すフローチャート。
【図9】本実施形態における仕様2を実現するための制御処理を示すフローチャート。
【図10】本実施形態における仕様3を実現するための制御処理を示すフローチャート。
【図11】本実施形態における非稼働状態におけるEC/KBCの電源モードのオン/オフ制御を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態における電子機器の構成を示す外観図である。この電子機器は、例えば、ノートブック型の携帯型パーソナルコンピュータ10として実現されている。本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10は、非稼働状態の時に、ラインアウト付き外部機器(例えば、携帯型のオーディオプレーヤ25)から出力されたアナログ音声信号を入力して、筐体に実装されたスピーカ18から出力させる音声出力機能(スリープ&ミュージック機能)を有している。
【0012】
オーディオプレーヤ25からの出力を直接スピーカに接続した場合、オーディオプレーヤ25の出力がスピーカの能力に比べて小さいため、十分な音量の音声を出力することができない。本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10に設けられた音声出力機能は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態にある場合でも、内蔵された音声信号増幅のためのアンプに電源を供給して、オーディオプレーヤ25からの音声信号を増幅してスピーカから出力させることができる。
【0013】
なお、パーソナルコンピュータ10の非稼働状態とは、例えば電源オフ状態(システムステートS5)の他、スタンバイ/スリープ/サスペンド(システムステートS3)、ハイバネーション(休止状態)(システムステートS4)と称される状態を含むものとする。すなわち、非稼働状態は、プロセッサ(CPU30)が動作していない状態である。
【0014】
本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10は、ユーザからの要求に基づいて、非稼働状態においてもオーディオプレーヤ25から出力されたアナログ音声信号に応じた音声をスピーカから出力できるように制御する。ユーザからの音声出力機能に対する要求は、例えば、ユーザからの指示に応じた音声出力機能の有効(Enable)/無効(Disable)の設定、ユーザの操作によって切り替えられるパーソナルコンピュータ10に備えられた各種センサやスイッチの状態検出などにより判別される。詳細については後述する。
【0015】
図1は、パーソナルコンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図である。パーソナルコンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12には、LCD(Liquid Crystal Display)17から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD17の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
【0016】
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に対して開放位置と閉塞位置との間を、ヒンジ機構21により回動自在に取り付けられている。ヒンジ機構21には、ディスプレイユニット12が開放位置(ディスプレイユニット12がコンピュータ本体11と密着されていない位置)にあることを検出するためのLCD開閉センサ55(図2参照)が収納されている。コンピュータ本体11は、バッテリが取り外し自在に装着可能な薄い箱形の筐体を有している。
【0017】
コンピュータ本体11の上面には、キーボード13、パワーオン/オフするためのパワーボタンスイッチ14、汎用ハードウェアボタン15、タッチパッド16、スピーカ18などが配置されている。
【0018】
スピーカ18は、コンピュータ本体11の上面に配置されているため、ディスプレイユニット12が閉塞位置にあると前面を塞がれてしまう。すなわち、スピーカ18から本来の音量/音質による音声を出力することができなくなる。LCD開閉センサ55は、スピーカ18からの音声が十分な音量/音質で外部に出力される程度にスピーカ18の前面が開放された状態、すなわちディスプレイユニット12が所定以上開かれた状態を開放位置にあるとして検出する。
【0019】
コンピュータ本体11の側面には、オーディオプレーヤ25から出力されたアナログ音声信号を入力するためのラインイン端子19(ジャック)、非稼働時に音声出力機能が有効な場合に音量調節するために使用されるボリュームつまみ20が設けられている。ラインイン端子19には、オーディオプレーヤ25のラインアウト端子と接続されたケーブル26を、プラグ27により接続することができる。
【0020】
次に、図2を参照して、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10のシステム構成について説明する。
【0021】
パーソナルコンピュータ10は、図2に示すように、CPU30、MCH31(ノースブリッジ)、メインメモリ32、表示コントローラ35、ICH40(サウスブリッジ)、ハードディスクドライブ(HDD)121、BIOS−ROM42、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)45、電源回路46等を備えている。
【0022】
CPU30は、パーソナルコンピュータ10の動作を制御するために設けられたプロセッサであり、HDD41からメインメモリ32にロードされる、オペレーティングシステム(OS)、各種ハードウェアを制御するドライバ、および各種アプリケーションプログラム等を実行する。さらに、CPU30は、BIOS−ROM42に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0023】
MCH31は、CPU30のローカルバスとICH40との間を接続するブリッジデバイスである。MCH31には、メインメモリ32をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。
【0024】
表示コントローラ35は、パーソナルコンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する。表示コントローラ35は、MCH31を介してCPU30から送信される描画要求に基づいてビデオメモリ(VRAM)にフレーム群を描画するための表示処理(グラフィクス演算処理)を実行する。
【0025】
ICH40は、HDD41および光ディスクドライブ(図示せず)を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラやSerial ATAコントローラを内蔵している。
【0026】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)45は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13、タッチパッド15、及び汎用ハードウェアボタン18を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。
【0027】
EC/KBC45は、ユーザによるパワーボタンスイッチ14の操作に応じて電源回路46を制御し、パーソナルコンピュータ10をパワーオン/パワーオフする機能を有している。パーソナルコンピュータ10のパワーオン/パワーオフの制御は、EC/KBC45と電源回路46との共同動作によって実行される。また、EC/KBC45は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態(電源オフ状態)にある場合でも電源供給されるモジュールであり、パーソナルコンピュータ10が非稼働時に使用される音声出力機能(スリープ&ミュージック機能)を制御するためのコントローラとして使用される。EC/KBC45は、音声出力機能の制御のために、LCD開閉センサ55からのディスプレイユニット12が閉塞位置にあるか否かを示すオープン/クローズ信号C4、電源回路46からのバッテリ47の残量を示すバッテリレベル信号C6を入力する。オープン/クローズ信号C4は、例えば1ビットの信号で、例えば“1”ならばディスプレイユニット12が開放位置(「OPEN」)にあることを示し、“0”ならばディスプレイユニット12が閉塞状態(「CLOSE」)にあることを示す。
【0028】
なお、EC/KBC45の他に電源オフ状態において動作可能なコントローラが実装されていれば、このコントローラによって音声出力機能を制御するようにしても良い。
【0029】
電源回路46は、コンピュータ本体11に装着されたバッテリ47、またはACアダプタ48を介して接続された外部電源から電源供給を受けて、各コンポーネントへの動作電源を生成して供給する。電源回路46には、電源マイコンが設けられている。電源マイコンは、各コンポーネントとバッテリに対する電源供給(充放電)や、バッテリの充電状態を監視する。
【0030】
電源回路46は、パーソナルコンピュータ10のシステムステートに応じて、EC/KBC45の制御によって各モジュールへの電源供給を切り替える。電源回路46は、パーソナルコンピュータ10のシステムステートに応じたEC/KBC45の制御によって、S電源、B電源、A電源、P電源のそれぞれの電源系について供給をオン/オフすることができる。
【0031】
S電源は、システムが電源オフされた状態においても常に供給される電源であり、EC/KBC45に供給される。
【0032】
B電源は、スタンバイ状態においてメインメモリ32に記録されたデータをバックアップするために供給される電源である。
【0033】
A電源は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態にある時に音声出力機能を有効にするための電源であり、アナログ音声信号を処理するアナログスイッチ53及びスピーカアンプ54に供給される電源である。
【0034】
P電源は、パーソナルコンピュータ10が電源オン状態にある場合に供給される電源である。
【0035】
図3は、パーソナルコンピュータ10の各状態(システムステートS0,S3,S4,S5)において供給される電源を示す図である。
図3に示すように、パーソナルコンピュータ10が電源オン(S0)の状態(稼働状態)にある場合には、電源回路46は、S電源、B電源、P電源、A電源の全ての供給をオンする。
【0036】
また、パーソナルコンピュータ10がスタンバイ状態(S3)(あるいはスリープ/サスペンドの状態)にある場合には、S電源、B電源の供給をオンする。ただし、本実施形態のパーソナルコンピュータ10では、スタンバイ状態において音声出力機能を使用するため、ケーブル26(オーディオプレーヤ25)を接続するためのプラグ27がラインイン端子19に挿入された場合には、さらにA電源の供給をオンして、音声出力機能で動作させるアナログスイッチ53及びスピーカアンプ54に対して電源供給する。
【0037】
また、パーソナルコンピュータ10が電源オフの状態(S5)、及びメインメモリ32へのバックアップが不要なハイバネーション(休止状態)(S4)の状態にある場合には、S電源の供給のみをオンする。ただし、本実施形態のパーソナルコンピュータ10では、電源オフ状態において音声出力機能を使用するため、ケーブル26(オーディオプレーヤ25)を接続するためのプラグ27がラインイン端子19に挿入された場合には、さらにA電源の供給をオンして、音声出力機能で動作させるアナログスイッチ53及びスピーカアンプ54に対して電源供給する。図3においては、A電源のオン/オフを、電源モードのオン/オフとして示している。
【0038】
EC/KBC45にはS電源が供給されるため、何れのシステムステートにおいても電源供給がオンされ、非稼働時における音声出力機能の制御が可能である。
【0039】
サウンドコントローラ50(オーディオコーデック)は、ICH40を通じて入力されるデジタルオーディオデータをアナログ音声信号に変換すると共に、OSやデバイスドライバ、音声再生プログラム等の制御による音量あるいは音質(音響効果)等の調整をしてアナログスイッチ53に出力する。また、サウンドコントローラ50は、パーソナルコンピュータ10が稼働時にある場合には、同様にして、ラインイン端子19を介して入力されたオーディオプレーヤ25からのアナログ音声信号の音量調整をしてアナログスイッチ53に出力する。
【0040】
アナログスイッチ53は、EC/KBC45からのセレクト信号C2に応じて、サウンドコントローラ50側あるいはラインイン端子19側の何れかの経路に切り替える。アナログスイッチ53は、EC/KBC45の制御により、パーソナルコンピュータ10が稼働時には、サウンドコントローラ50側に切り替えられ、非稼働時に音声出力機能が有効である場合に、サウンドコントローラ50をバイパスするラインイン端子19側に切り替えられる。
【0041】
スピーカアンプ54は、アナログスイッチ53を介して入力されるアナログ音声信号を増幅し、スピーカ18から音声信号に応じた音声を出力させる。スピーカアンプ54は、EC/KBC45からのミュート信号C3に応じて、音声のミュート/ミュート解除を切り替えることができる。
【0042】
なお、ラインイン端子19には、スイッチ52(あるいはセンサ)が内蔵されている。スイッチ52は、ラインイン端子19にケーブル26を接続するためのプラグ27の挿入によってオン/オフが切り替えられ、オン/オフの状態に応じたステータス信号C1をEC/KBC45に出力する。
【0043】
次に、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10の動作について説明する。
図4は、本実施形態における音声出力モード選択処理を示すフローチャートである。音声出力モード選択処理は、パーソナルコンピュータ10が非稼働時に、音声出力機能による音声出力を許可するか、あるいは禁止にするかを、ユーザからの指示に応じて選択するための処理である。
【0044】
本実施形態における音声出力モード選択処理は、例えばBIOSセットアップ、あるいはハードウェアセットアップの処理内で実行できる。例えば、BIOSセットアップは、電源音時に所定のキー操作をすることにより起動させて、実行することができる。また、ハードウェアセットアップは、ハードウェアセットアップ用のユーティリティプログラム(あるいはアプリケーションプログラム)を起動させて、実行することができる。本実施形態では、何れによって音声出力モード選択処理を実行しても良い。
【0045】
音声出力モード選択処理の実行が指示されると、CPU30は、音声出力モード選択画面をLCD17において表示させる(ステップA1)。
【0046】
図5には、音声出力モード選択画面の一例を示している。音声出力モード選択画面では、音声出力モードを「許可」(Enable)あるいは「禁止」(Disable)の何れかに指定することができる。
【0047】
CPU30は、例えばユーザによるキーボード13の操作によって「許可」あるいは「禁止」の何れかを選択する指示が入力され(ステップA2)、確定が指示されると(ステップA3、Yes)、音声出力モードを示すデータ、すなわち「許可」あるいは「禁止」を示すデータを不揮発性メモリに記録する(ステップA4)。不揮発性メモリに記録される音声出力モードを示すデータは、BIOSセットアップあるいはハードウェアセットアップの何れによって実行された場合も共通して交信されるものとする。
【0048】
なお、音声出力モードを示すデータを記録する不揮発性メモリとして、例えばBIOS−ROM42とする他、後述する電源オフ処理において読み取ることができれば他の記憶媒体とすることもできる。
【0049】
図6は、本実施形態における電源オフ処理を示すフローチャートである。
CPU30は、ユーザからの指示、あるいはプログラムからの要求に応じて、電源オフが要求された場合に電源オフ処理を開始する。なお、ここでの電源オフは、パーソナルコンピュータ10を非稼働状態にすることを示すもので、完全に電源オフ(S0)する場合だけでなく、スタンバイ/スリープ/サスペンド(S3)、ハイバネーション(休止状態)(S4)と称される状態にする場合も含むものとする。
【0050】
CPU30は、音声出力モード選択処理によって音声出力モードを示すデータを不揮発性メモリ(例えばBIOS−ROM42)から読み取る(ステップB1)。
【0051】
音声出力モードを示すデータが音声出力の「禁止」を示す場合(ステップB2、No)、CPU30は、EC/KBC45に対して、非稼動時の音声出力を禁止に設定する(ステップB4)。すなわち、EC/KBC45の所定のフラグレジスタに音声出力モード「禁止」(Disable)を示すデータをコピーする。
【0052】
一方、音声出力モードを示すデータが音声出力の「許可」を示す場合(ステップB2、Yes)、CPU30は、EC/KBC45に対して、非稼動時の音声出力を許可に設定する(ステップB3)。すなわち、EC/KBC45の所定のフラグレジスタに音声出力モード「許可」(Enable)を示すデータをコピーする。
【0053】
その後、パーソナルコンピュータ10を電源オフ(非稼働状態)する(ステップB5)。
【0054】
次に、本実施形態における非稼働状態に移行した後のEC/KBC45による音声出力機能(電源モード)の制御動作について説明する。本実施形態では、以下の(1)(2)(3)に示すユーザからの要求に基づく音声出力機能(電源モード)のオン/オフ制御を実現する。各オン/オフ制御を仕様1,2,3として説明する。
【0055】
(1)仕様1
仕様1では、電源オフ直後は、オーディオプレーヤ25を接続するためにプラグ27がラインイン端子19に挿入されていてもスピーカ18から音声を出力させない。その後、プラグ27が挿入された場合に音声出力機能を有効にする。
【0056】
例えば、パーソナルコンピュータ10が電源オン状態の時に、オーディオプレーヤ25をパーソナルコンピュータ10に接続して、スピーカ18を利用してオーディオプレーヤ25により再生された音楽を出力させていたものとする。ここで、ユーザがパーソナルコンピュータ10の使用を終了するために電源オフ(あるいはスリープやハイバネーション)したにも係わらず、音声出力機能が許可(Enable)に設定されていたために、非稼働状態に移行した後も継続して音楽を出力さるとユーザに対して違和感を与えることがある。
【0057】
そこで、本実施形態のパーソナルコンピュータ10では、ユーザにより電源オフが指示され、非稼働状態に移行した直後には、音声出力機能を無効にしてスピーカ18から音声が出力されないようにする。すなわち、電源モードはオフのままとする。その後、ユーザによりプラグ27がラインイン端子19から抜去され、その後、再び、ラインイン端子19にプラグ27が挿入された際には、ユーザからの明示的な音声出力機能を使用する要求であると判別して、音声出力機能を有効(電源モードをオン)にする。
【0058】
また、プラグ27をラインイン端子19から抜いた状態で電源オフした場合は、音声出力機能が許可に設定されていれば、非稼働状態に移行した後にプラグ27が挿入された際に、音声出力機能を有効(電源モードをオン)にする。
【0059】
(2)仕様2
仕様2では、ディスプレイユニット12が閉塞位置にあるときはスピーカ18から音声を出力させない。
【0060】
図1に示すように、コンピュータ本体11とディスプレイユニット12とがヒンジ機構21により結合された筐体構造の場合、ディスプレイユニット12を閉塞状態にすると、コンピュータ本体11の上面部に設けられたスピーカ18の開口部が塞がれてしまう。ディスプレイユニット12が閉塞位置にある時に、音声出力機能を有効にして、オーディオプレーヤ25からの音声をスピーカ18から出力させても、本来の音量/音質の音声を出力させることができない。すなわち、ユーザが音声出力機能を利用する場合には、スピーカ18から良好な音声が出力されるようにディスプレイユニット12を開放位置に回動させるため、ディスプレイユニット12が閉塞位置にある場合には音声出力機能の利用を意図していないものと判別できる。
【0061】
そこで、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、EC/KBC45により、LCD開閉センサ55からのオープン/クローズ信号C4を監視し、ディスプレイユニット12が開放位置にないことが判別された場合には、音声出力機能を無効にしてスピーカ18から音声が出力されないようにする。なお、ディスプレイユニット12が閉塞位置にあっても、スピーカ18の前面に十分な開口面積がある構造であれば、ディスプレイユニット12の位置に基づく音声出力機能のオン/オフ制御は不要である。
【0062】
(3)仕様3
仕様3では、バッテリ47の残量が規定値以上ないときはスピーカ18から音声を出力させない。
【0063】
ACアダプタ48が接続されていないためバッテリ駆動されている場合には、スリープあるいはハイバネーションの非稼働状態において音声出力機能を使用するとバッテリ47を消費してしまう。バッテリ47の残量がなくなるまで音声出力機能により音声の出力を続けると、強制電源オフとなるため正常にレジュームを行うことができなくなる。ユーザによりスリープあるいはハイバネーションによる移行が指示された場合には、再度、パーソナルコンピュータ10を使用することが意図されているため、正常にレジュームできるように音声出力機能のオン/オフを制御する。
【0064】
そこで、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、バッテリ47の残量が正常なレジュームができなくなる規定値未満となった場合に、音声出力機能を無効(電源モードをオフ)としてスピーカ18から音声が出力されないようにする。
【0065】
次に、各仕様1〜3の制御処理について説明する。
仕様1を実現するための制御処理(基本制御処理)を、図7及び図8のフローチャートに示している。
まず、EC/KBC45は、非稼働状態(システムステートS3,S4,S5)に移行された場合には、プラグ27がラインイン端子19に挿入されているか否かに関係無く、電源モードをオフとする(図7、ステップC1)。すなわち、EC/KBC45は、電源回路46によるA電源を含む、システムステートに応じた各電源(P電源またはB電源)の供給をオフさせる。
【0066】
その後、EC/KBC45は、ステータス信号C1により、ユーザによりプラグ27がラインイン端子19から挿抜されたことを検出した場合に、割り込みを受け付けて電源モードの切り替え制御を行う。
【0067】
EC/KBC45は、ラインイン端子19からプラグ27から抜去されたことを検出すると(ステップD1、unplug)、単純に電源モードをオフにする(ステップD2)。
【0068】
一方、EC/KBC45は、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されたことを検出すると(ステップD1、Plug)、以下の条件(a1)(b1)(c1)を満たしていれば、音声出力機能を有効にして(電源モードをオン)にして、スピーカ18から音声を出力できるようにする(ステップD6)。なお、電源モードのオン/オフの切り替えに伴う制御の詳細については後述する(図11参照)。
【0069】
(a1)フラグレジスタに音声出力モード(音声出力機能)が許可(Enable)に設定されている(ステップD3、Enable)。
【0070】
(b1)LCD開閉センサ55からのオープン/クローズ信号C4により、ディスプレイユニット12が開放位置にあることが判別される(ステップD4、OPEN)。
【0071】
(c1)電源回路46からのバッテリレベル信号C6により、バッテリ47の残量が規定値以上あることが判別される(ステップD5、規定値以上)。
【0072】
ステップD3〜D5に示す条件(a1)(b1)(c1)の何れかを満たさない場合には、EC/KBC45は、電源モードをオフ(音声出力機能を無効)とする(ステップD7)。
【0073】
仕様2を実現するための制御処理を、図9のフローチャートに示している。
図8及び図9に示した基本制御フローチャートに対し、図9に示した開閉割込み制御フローチャートを追加する。
【0074】
EC/KBC45は、オープン/クローズ信号C4により、ディスプレイユニット12の開閉状態が変更されたことを検出した場合に、割り込みを受け付けて電源モードの切り替え制御を行う。
【0075】
EC/KBC45は、ディスプレイユニット12が閉塞位置に回動されたことを検出すると(ステップF1、CLOSE)、単純に電源モードをオフにする(ステップF2)。
【0076】
一方、EC/KBC45は、ディスプレイユニット12が開放位置に回動されたことを検出すると(ステップF1、OPEN)、以下の条件(a2)(b2)(c2)を満たしていれば、音声出力機能を有効にして(電源モードをオン)にして、スピーカ18から音声を出力できるようにする(ステップF6)。
【0077】
(a2)フラグレジスタに音声出力モード(音声出力機能)が許可(Enable)に設定されている(ステップF3、Enable)。
【0078】
(b2)スイッチ52からのステータス信号C1により、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されていることが判別される(ステップF4、plugged)。
【0079】
(c2)電源回路46からのバッテリレベル信号C6により、バッテリ47の残量が規定値以上あることが判別される(ステップF5、規定値以上)。
【0080】
ステップF3〜F5に示す条件(a2)(b2)(c2)の何れかを満たさない場合には、EC/KBC45は、電源モードをオフ(音声出力機能を無効)とする(ステップF7)。
【0081】
仕様3を実現するための制御処理を、図10のフローチャートに示している。
図8及び図9に示した基本制御フローチャートに対し、図10に示したバッテリ残量制御フローチャートを追加する。
【0082】
EC/KBC45は、バッテリレベル信号C6により、例えばバッテリ47の残量が1%減少したことを検出した場合に、割り込みを受け付けて、電源モードの切り替え判断を行う。
【0083】
EC/KBC45は、バッテリレベル信号C6が示すバッテリ47の残量が予め決められた規定値以上であるか判別し、規定値以上なしと判別された場合には(ステップG1、規定値未満)、単純に電源モードをオフにする(ステップG2)。
【0084】
一方、EC/KBC45は、バッテリ47の残量が規定値以上あると判別されたされたことを検出すると(ステップG1、規定値以上)、以下の条件(a3)(b3)(c3)を満たしていれば、音声出力機能を有効にして(電源モードをオン)にして、スピーカ18から音声を出力できるようにする(ステップG6)。
【0085】
(a3)フラグレジスタに音声出力モード(音声出力機能)が許可(Enable)に設定されている(ステップG3、Enable)。
【0086】
(b2)スイッチ52からのステータス信号C1により、ラインイン端子19にプラグ27が挿入されていることが判別される(ステップG4、plugged)。
【0087】
(c3)LCD開閉センサ55からのオープン/クローズ信号C4により、ディスプレイユニット12が開放位置にあることが判別される(ステップG5、OPEN)。
【0088】
ステップG3〜G5に示す条件(a3)(b3)(c3)の何れかを満たさない場合には、EC/KBC45は、電源モードをオフ(音声出力機能を無効)とする(ステップG7)。
【0089】
このようにして、仕様1,2,3の何れの場合においても、ユーザにより音声出力機能が許可(Enable)に設定されていると共に、オーディオプレーヤ25を接続するためにプラグ27がラインイン端子19に挿入され、スピーカ18から良好な状態で音声が出力されるようにディスプレイユニット12が開放位置に回動され、さらにバッテリ47の残量が規定値以上である場合には、ユーザが非稼働時においてオーディオプレーヤ25からの音声をスピーカ18から出力させることを要求しているものと判別し、音声出力機能を有効(電源モードをオン)にすることができる。
【0090】
次に、非稼働状態におけるEC/KBC45の電源モードのオン/オフ制御の詳細について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
EC/KBC45は、電源モードをオンする場合(ステップA5、Yes)、ミュート信号C3によりスピーカアンプ54をミュート状態にしておく(ステップE6)。すなわち、スピーカアンプ54への電源投入時やアナログスイッチ53の切り替え時にノイズが発生するため、スピーカアンプ54によりスピーカ18から音が出力されないようにしておく。
【0091】
スピーカアンプ54をミュート状態にした後、EC/KBC45は、電源回路46に対してA電源の供給をオンさせて(ステップE3)、電源モードをオン状態へ移行させる。すなわち、パーソナルコンピュータ10を非稼働状態にしたままで、音声出力機能に関係するスピーカアンプ54とアナログスイッチ53に対してのみA電源を供給する。
【0092】
サウンドコントローラ50は、プログラムによって制御されるスタンバイモードでは動作しない。このため、EC/KBC45は、セレクト信号C2によりアナログスイッチ53を制御して、ラインイン端子19から入力されたアナログ音声信号がサウンドコントローラ50をバイパスしてスピーカアンプ54へ伝わるように経路を切り替える(ステップE4)。
【0093】
EC/KBC45は、アナログスイッチ53の切り替えが終わった後に、ミュート信号C3により、スピーカアンプ54のミュート状態を解除する(ステップE5)。
【0094】
音声出力機能が有効(電源モードオン)にされると、ラインイン端子19に接続されたオーディオプレーヤ25において例えば音楽が再生されると、この音楽のアナログ音声信号がラインイン端子19を通じてスピーカアンプ54に入力される。スピーカアンプ54は、電源回路46によりA電源が供給されているため、アナログ音声信号を増幅して、スピーカ18から音楽が出力させることができる。この時、パーソナルコンピュータ10は、スタンバイ状態にあり、音声出力機能に関係しないモジュールに対しては電源供給されていない。このため、パーソナルコンピュータ10の消費電力は、電源オン状態にある場合よりも大幅に少なくすることができる。
【0095】
EC/KBC45は、電源モードをオフする場合(ステップE6、Yes)、ミュート信号C3によりスピーカアンプ54をミュート状態にしておく(ステップE7)。
【0096】
スピーカアンプ54をミュート状態にした後、EC/KBC45は、セレクト信号C2によりアナログスイッチ53を制御して、サウンドコントローラ50側に切り替えて、ラインイン端子19から入力されたアナログ音声信号がサウンドコントローラ50を介してスピーカアンプ54へ伝わるように経路を切り替える(ステップE8)。
【0097】
その後、EC/KBC45は、電源回路46に対してA電源の供給をオフさせて(ステップE9)、電源モードをオフ状態へ移行させる。
【0098】
すなわち、電源オフ(S5)あるいはハイバネーション(S4)の場合にはS電源のみを供給をオンし、スタンバイモード(S3)の場合にはB電源とS電源の供給をオンさせる。すなわち、アナログスイッチ53とスピーカアンプ54に対するA電源の供給をオフする。
【0099】
EC/KBC45は、電源供給の切り替えが完了した後、ミュート信号C3により、スピーカアンプ54のミュート状態を解除する(ステップE10)。
【0100】
こうして、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10では、電源オフやスタンバイモード等の非稼働状態において、前述した仕様1,2,3による制御処理により電源モードがオン/オフされる場合には、スピーカアンプ54に対する電源供給(A電源)のオン/オフ、及びアナログスイッチ53の切り替えが制御される。
【0101】
なお、前述した説明では、ラインイン端子19(ジャック)にプラグ27が挿入されたことをスイッチ52により検出しているが、ラインイン端子19から入力された音声信号の音量レベルを検出するようにしても良い。すなわち、オーディオプレーヤ25において音楽等が再生されて、スピーカ18から出力すべき音声(音楽)が存在することを検出して、前述したプラグ27の挿入を検出する場合と同様の制御を行う。これにより、単にプラグ27がラインイン端子19に挿入されただけで、スピーカ18から出力すべき音声がない場合に、スピーカアンプ54とアナログスイッチ53に対して不要な電源供給(A電源)がされなくなるので、省電力化を図ることができる。
【0102】
また、音声出力機能を使用している間にもバッテリ47を充電できるのであれば、ACアダプタ48が接続されていれば(バッテリ駆動されていない)、常時、電源モードをオンにしても良い。一般のノートブック型のパーソナルコンピュータ10においては、バッテリ47の消費よりもACアダプタ48からの電力供給が上回るため、バッテリ残量に関係無く電源モードをオンにできる。
【0103】
ただし、音声出力機能によるバッテリ47の残量消費が電力供給を上回ってしまう場合には、ACアダプタ48の接続時については、バッテリ残量がある基準値以上となったときに自動的に音声出力機能を有効にして、スピーカ18からの音声出力を開始してもよい。このとき、音声出力開始の基準値は、前述した仕様1〜3の説明において、バッテリ47の残量を判別するための規定値よりも充分大きな残量値を示すものとする。つまり、音声出力が開始された後、すぐにバッテリ47の残量不足により音声出力が停止しないようにする。
【0104】
なお、前述した説明では、ラインイン端子19を音声信号入力用として説明しているが、マイク接続用と兼用しても良い。この場合、サウンドコントローラ50を介してマイク用の電源をラインイン端子19に供給するものとする。サウンドコントローラ50に対しては、電源オフまたはスタンバイモードにおいてはP電源の供給がオフされるため、ラインイン端子19に対してマイク用の電源は供給されない。
【0105】
また、ラインイン端子19に内蔵されたスイッチ52に代えて、独立したスイッチを設けて、ユーザの手動動作によってオン/オフを切り替えられるようにしても良い。このスイッチのオン/オフに応じたステータス信号C1がEC/KBC45に入力される。ユーザは、オーディオプレーヤ25をパーソナルコンピュータ10に接続して使用する場合に、このスイッチをオンに切り替えることで、音声出力機能を有効にすることを要求できる。
【0106】
また、前述した説明では、プラグ27が挿入された状態のままで非稼働状態に移行された場合、プラグ27がラインイン端子19から抜去され、再度、プラグ27が挿入された場合に、音声出力機能を有効にするものとしているが(音声出力モードが許可の場合)、他の方法により音声出力機能を有効にできるようにしても良い。例えば、図2に示すように、ユーザが手動操作できるスイッチ60を設ける。EC/KBC45は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態にある場合に、ユーザの手動操作によりスイッチ60がオンされたことを検出すると、電源回路46に対してA電源の供給オンを設定する。これにより、プラグ27をラインイン端子19から抜いてから、再度、挿入するといった操作を省略することができる。
【0107】
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0108】
10…パーソナルコンピュータ、11…コンピュータ本体、17…LCD、18…スピーカ、19…ラインイン端子、30…CPU、32…メインメモリ、42…BIOS−ROM、45…EC/KBC、46…電源回路、52…スイッチ、53…アナログスイッチ、54…スピーカアンプ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカを有する電子機器において、
外部機器からの音声信号を入力する端子と、
前記端子から入力された音声信号を増幅して前記スピーカから音声を出力させるアンプと、
前記アンプに対して電源供給する電源回路と、
前記電子機器の非稼働時に前記スピーカからの音声出力を許可あるいは禁止の何れにするかを示すデータを設定する設定手段と、
予め決められた状態になっていることを検出する検出手段と、
前記電源回路による電源供給を制御するものであって、前記電子機器が非稼働状態にある時に、前記設定手段により設定された前記データと前記検出手段による検出結果とに基づいて、前記電源回路による前記アンプに対する電源供給を制御する制御手段と
を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記検出手段は、前記端子に前記音声信号を入力するための外部端子が接続されたことを検出し、
前記制御手段は、前記電子機器が非稼働状態に移行した後に、前記データが音声出力の許可を示し、かつ前記検出手段により前記外部端子の接続が検出された場合に、前記アンプに対して電源供給させることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記検出手段は、前記スピーカの前面が開放された状態にあることを検出し、
前記制御手段は、前記電子機器が非稼働状態に移行した後に、前記データが音声出力の許可を示し、かつ前記検出手段により前記スピーカの前面が開放された状態にあることが検出された場合に、前記アンプに対して電源供給させることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記電源回路は、バッテリに充電された電力から電源供給し、
前記検出手段は、前記バッテリの充電残量が規定値以上あることを検出し、
前記制御手段は、前記電子機器が非稼働状態に移行した後に、前記データが音声出力の許可を示し、かつ前記検出手段により前記充電残量が規定値以上あることが検出された場合に、前記アンプに対して電源供給させることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記検出手段は、
第1の状態を検出する第1状態検出手段と、
第2の状態を検出する第2状態検出手段とを含み、
前記制御手段は、前記電子機器が非稼働状態に移行した後に、前記データが音声出力の許可を示し、かつ前記第1の状態及び前記第2の状態にあることが検出された場合に、前記アンプに対して電源供給させることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項1】
スピーカを有する電子機器において、
外部機器からの音声信号を入力する端子と、
前記端子から入力された音声信号を増幅して前記スピーカから音声を出力させるアンプと、
前記アンプに対して電源供給する電源回路と、
前記電子機器の非稼働時に前記スピーカからの音声出力を許可あるいは禁止の何れにするかを示すデータを設定する設定手段と、
予め決められた状態になっていることを検出する検出手段と、
前記電源回路による電源供給を制御するものであって、前記電子機器が非稼働状態にある時に、前記設定手段により設定された前記データと前記検出手段による検出結果とに基づいて、前記電源回路による前記アンプに対する電源供給を制御する制御手段と
を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記検出手段は、前記端子に前記音声信号を入力するための外部端子が接続されたことを検出し、
前記制御手段は、前記電子機器が非稼働状態に移行した後に、前記データが音声出力の許可を示し、かつ前記検出手段により前記外部端子の接続が検出された場合に、前記アンプに対して電源供給させることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記検出手段は、前記スピーカの前面が開放された状態にあることを検出し、
前記制御手段は、前記電子機器が非稼働状態に移行した後に、前記データが音声出力の許可を示し、かつ前記検出手段により前記スピーカの前面が開放された状態にあることが検出された場合に、前記アンプに対して電源供給させることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記電源回路は、バッテリに充電された電力から電源供給し、
前記検出手段は、前記バッテリの充電残量が規定値以上あることを検出し、
前記制御手段は、前記電子機器が非稼働状態に移行した後に、前記データが音声出力の許可を示し、かつ前記検出手段により前記充電残量が規定値以上あることが検出された場合に、前記アンプに対して電源供給させることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記検出手段は、
第1の状態を検出する第1状態検出手段と、
第2の状態を検出する第2状態検出手段とを含み、
前記制御手段は、前記電子機器が非稼働状態に移行した後に、前記データが音声出力の許可を示し、かつ前記第1の状態及び前記第2の状態にあることが検出された場合に、前記アンプに対して電源供給させることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−138268(P2011−138268A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297098(P2009−297098)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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